JP2002225248A - 複数種類の位置ずれ検査用パターンを使用して行う印刷時の記録位置ずれの調整値の決定 - Google Patents

複数種類の位置ずれ検査用パターンを使用して行う印刷時の記録位置ずれの調整値の決定

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JP2002225248A
JP2002225248A JP2001021395A JP2001021395A JP2002225248A JP 2002225248 A JP2002225248 A JP 2002225248A JP 2001021395 A JP2001021395 A JP 2001021395A JP 2001021395 A JP2001021395 A JP 2001021395A JP 2002225248 A JP2002225248 A JP 2002225248A
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adjustment
color
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Hiroichi Nunokawa
博一 布川
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な種類の印刷対象を印刷するプリンタに
おいて、それぞれの印刷対象について印刷結果の品質を
向上させるような調整値を定める。 【解決手段】 ユーザは、まず、ステップS2で、印刷
対象に応じて調整モードを選択し、コンピュータに入力
する。ステップS4〜S12の各調整モードにおいて
は、互いに異なる検査用パターンが印刷される。それぞ
れの位置ずれ検査用パターンを構成する複数の罫線組や
パッチ、画像片は、互いに異なる調整候補値に基づいて
主走査方向のドットの位置が調整されたものである。ス
テップS14では、印刷された検査用パターンに基づい
て、ユーザが調整値を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主走査を行いつ
つ印刷媒体上にドットを形成することによって画像を印
刷する技術に関し、特に、主走査方向の記録位置のずれ
を調整してカラー印刷画像の品質を高める技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、順次行路の位置を変えながら
印刷ヘッドを往復動させつつ、印刷ヘッドから複数色の
インクを吐出させてドットを形成して、カラー画像を印
刷するプリンタがある。これらのプリンタは、写真など
のカラー画像のほか、図形、文章など、様々な対象を印
刷するのに使用される。このプリンタにおいて、上記往
復動の方向についての印刷用紙上のインクドットの形成
位置のずれを調整するために、特定の検査パターンを実
際に印刷させて、その印刷結果に基づいて調整値を定
め、その調整値に基づいてインク滴吐出タイミングの補
正を行うという調整方法が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プリンタの印
刷対象は、写真などのカラー画像のほか、図形、文章な
ど、多岐に及ぶため、特定の検査パターンを高品質に印
刷できるように調整値を定めても、かならずしもすべて
の種類の印刷対象について、実際の印刷結果の品質が向
上するわけではなかった。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、様々な種類の印
刷対象を印刷するプリンタにおいて、それぞれの印刷対
象について印刷結果の品質を向上させるような調整値を
定める技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、ノズルからインク滴を吐出させ、印刷媒体上に着弾
させてドットを形成することにより印刷を行う印刷装置
において、後述する処理を行う。この印刷装置は、互い
に異なる一色のインク滴をそれぞれ吐出する複数の単一
色ノズル群と、複数の単一色ノズル群と印刷媒体との少
なくとも一方を移動させる主走査を行う主走査駆動部
と、あらかじめ登録された複数の調整モードの中からユ
ーザが選択した調整モードの指示を受け取るユーザーイ
ンターフェイス部と、各部を制御する制御部と、を備え
る。
【0006】制御部は、あらかじめ登録された複数種類
の位置ずれ検査用パターンの中から、選択された調整モ
ードに応じて一種類の位置ずれ検査用パターンを選択
し、印刷媒体上に印刷する検査用パターン形成部を備え
る。また、ユーザーインターフェイス部は、印刷された
位置ずれ検査用パターンに応じてユーザによって決定さ
れた、主走査方向のドット位置ズレに関する好ましい補
正状態を示す調整値を受け取ることができる。そして、
この印刷装置は、さらに、ユーザーインターフェイス部
から入力された調整値を記憶する調整値記憶部と、印刷
の際に調整値に応じてドット形成位置ずれを調整する位
置ずれ補正部と、を備える。
【0007】このような態様とすれば、実際に印刷する
対象に応じて調整モードを選択して、その調整モードに
応じた検査用パターンを使用して調整値を定めることが
できる。よって、様々な種類の印刷対象を印刷するプリ
ンタにおいて、それぞれの印刷対象について印刷結果の
品質を向上させるような調整値を定めることができる。
また、印刷装置は、そのようにして定めた調整値に基づ
いて、様々な種類の印刷対象について高品質な印刷を行
うことができる。
【0008】また、位置ずれ検査用パターンとしては、
以下のような複数のカラーパッチを有する第1の位置ず
れ検査用パターンを形成することが好ましい。すなわ
ち、その複数のカラーパッチとは、それぞれ2種類以上
のインクのドットを用いて形成された、互いに等しい色
を再現するカラーパッチであって、互いに異なる調整候
補値に基づいて主走査方向のドットの位置が調整された
ものであるカラーパッチである。このような態様とすれ
ば、カラー印刷において粒状感の少ない印刷を行うこと
ができる調整値を、定めることができる。
【0009】なお、ユーザーインターフェイス部を通じ
て、あらかじめ登録された複数の色の中からユーザが選
択した色の指示を受け取って、選択された色で位置ずれ
検査用パターンを形成する態様とすることもできる。そ
のような態様とすれば、ユーザが選択した色について特
にドット形成位置ずれが少なくなるような調整値を定め
ることができる。
【0010】また、位置ずれ検査用パターンとしては、
以下のような複数の第1の画像片を有する第2の位置ず
れ検査用パターンを形成することとしてもよい。すなわ
ち、その複数の第1の画像片とは、それぞれ2種類以上
のインクのドットを用いて形成された、互いに等しい写
真画像を再現する画像片であって、互いに異なる調整候
補値に基づいて主走査方向のドットの位置が調整された
ものである。なお、ここでいう「写真画像」とは、狭義
の写真画像のほか、コンピュータグラフィックその他の
立体的な対象を表示する画像も含むものとする。このよ
うな態様とすれば、実際に写真画像を高品質に印刷でき
る調整値を定めることができる。
【0011】なお、ユーザーインターフェイス部によっ
て、印刷する画像のうち一部の画像を指定することをユ
ーザに許容する画像指定画面を表示部に表示するととも
に、ユーザによる指定を受け取って、位置ずれ検査用パ
ターンとして、複数の第2の画像片を有する第3の位置
ずれ検査用パターンを形成する態様とすることもでき
る。この複数の第2の画像片とは、ユーザーインターフ
ェイス部を通じて指定された画像を再現する画像片であ
り、互いに異なる調整候補値に基づいて主走査方向のド
ットの位置が調整されたものである。このような態様と
すれば、実際に印刷する画像のうち、ユーザがもっとも
品質を重視したい部分や、もっともドット形成位置ずれ
が目立ちやすい部分について、高品質な印刷を行うこと
ができる調整値を定めることができる。
【0012】なお、本発明は、以下に示すような種々の
態様で実現することが可能である。 (1)調整値決定方法、印刷方法、印刷制御方法。 (2)印刷装置、印刷制御装置。 (3)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラム。 (4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラムを記録した記録媒体。 (5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータ
プログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.実施形態の概要: B.装置の構成: C.ノズル列間の記録位置ずれの発生: D.調整値の決定: D1.高速/文字モード: D2.通常モード: D3.選択色モード: D4.実画像モード: D5.サンプリングモード: E.調整値によるドット形成位置ずれの調整: F.第2実施例: G.変形例:
【0014】A.実施形態の概要:図1は、本発明の一
実施形態の手続きの流れを示すフローチャートである。
ユーザは、図1に示す手順で、プリンタにおける主走査
方向のドット形成位置ずれを軽減するための調整値を定
める。ユーザは、まず、ステップS2で、印刷対象に応
じて調整モードを選択し、コンピュータに入力する。ス
テップS4〜S12の各調整モードにおいては、プリン
タが、互いに異なる位置ずれ検査用パターンを印刷す
る。印刷される検査用パターンには、副走査方向に延び
る複数の罫線組(ステップS4)や、等しい色を再現す
る複数のカラーパッチ(ステップS6,S8)、さらに
は、同一の画像を再現する複数の画像片(ステップS1
0,S12)などがある。それぞれの位置ずれ検査用パ
ターンにおける複数の罫線組やパッチ、画像片は、それ
ぞれ複数の調整候補値に応じて主走査方向のドットの位
置が調整されたものである。
【0015】ステップS14では、印刷された位置ずれ
検査用パターンに基づいて、ユーザが調整値を決定す
る。すなわち、ユーザが、位置ずれ検査用パターンの複
数の罫線組やパッチの中から最も印刷結果の品質のよい
ものを選択し、選択結果をコンピュータに入力して調整
値を決定する。このような態様とすれば、実際にプリン
タで印刷する対象に応じて検査用パターンを選択し、そ
の検査用パターンの実際の印刷結果に基づいて、適切な
調整値を決定することができる。
【0016】たとえば、調整値決定後に実際に印刷する
対象が文章や表である場合は、位置ずれ検査用パターン
として罫線を使用するモードを選択すれば、文章や表を
高品質に印刷できる調整値を決定しやすい。また、実際
に印刷する対象がイラストである場合は、位置ずれ検査
用パターンとしてパッチを使用するモードを選択すれ
ば、単一色内での色むらの少ないイラストを印刷できる
調整値を決定しやすい。さらに、実際に印刷する対象が
写真である場合は、位置ずれ検査用パターンとして写真
画像の画像片を使用するモードを選択すれば、粒状感の
少ない写真画像を印刷できる調整値を決定しやすい。
【0017】B.装置の構成:図2は、プリンタ20を
含むコンピュータシステムの全体構成を示す説明図であ
る。このコンピュータシステムは、プリンタ20と、プ
リンタ20が接続されているホストコンピュータ100
と、ホストコンピュータ100に接続されている液晶デ
ィスプレイ110と、同じくホストコンピュータ100
に接続されているキーボード120と、マウス130を
備えている。ユーザは、液晶ディスプレイ110に出力
された表示を見て、キーボード120、マウス130を
操作して、自らの意志決定の結果をコンピュータ100
に入力する。なお、このコンピュータシステム全体が、
特許請求の範囲にいう「印刷装置」に相当する。そし
て、液晶ディスプレイ110、キーボード120および
マウス130が、特許請求の範囲にいう「ユーザーイン
ターフェイス部」に相当する。
【0018】図3は、インクジェットプリンタ20の概
略構成図である。このプリンタ20は、紙送りモータ2
2によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送
り機構と、キャリッジモータ24によって印刷用紙Pの
搬送方向に垂直な方向(主走査方向)にキャリッジ30
を往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭
載された印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐
出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これ
らの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘ
ッドユニット60および操作パネル32との信号のやり
取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40
は、コネクタ56を介してコンピュータ100に接続さ
れている。なお、図3では、コンピュータ100および
ディスプレイ110は、簡略化した表示とし、キーボー
ド120、マウス130などの入力装置は図示を省略し
ている。
【0019】印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、
紙送りモータ22の回転をプラテン26と用紙搬送ロー
ラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図
示せず)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査
送り機構は、主走査方向に架設されキャリッジ30を摺
動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24
との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38
と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサ3
9とを備えている。
【0020】図4は、制御回路40を中心としたプリン
タ20の構成を示すブロック図である。制御回路40
は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)
43と、RAM44と、文字のドットマトリクスを記憶
したキャラクタジェネレータ(CG)45とを備えた算
術論理演算回路として構成されている。この制御回路4
0は、さらに、外部のモータ等とのインタフェースを専
用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路
50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してイン
クを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモータ2
2およびキャリッジモータ24を駆動するモータ駆動回
路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラ
レルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ56
を介してコンピュータ100から供給される印刷信号P
Sを受け取ることができる。なお、図4においても、図
3と同様、コンピュータ100等については簡略化した
表示を行っている。
【0021】図5は、印刷ヘッド28に設けられた複数
列のノズルを示す説明図である。このプリンタ20は、
ブラック(K)、濃シアン(C)、淡シアン(LC)、
濃マゼンタ(M)、淡マゼンタ(LC)、イエロ(Y)
の6色のインクを用いて印刷を行う印刷装置であり、各
インク用のノズル列をそれぞれ備えている。なお、濃シ
アンと淡シアンとは、ほぼ同じ色相を有し、濃度が異な
るシアンインクである。濃マゼンタインクと淡マゼンタ
インクも同様である。これらの各ノズル列が、特許請求
の範囲にいう「単一色ノズル群」に相当する。
【0022】C.ノズル列間の記録位置ずれの発生:プ
リンタ20は、調整値を用いて双方向印刷時の記録位置
ずれを調整する。そこで、調整値の決定について説明す
る前に、以下ではまず、双方向印刷時の記録位置ずれの
発生について説明する。なお、「双方向印刷」とは、主
走査を双方向に行いつつ、主走査の往路と復路の両方に
おいて印刷媒体上にドットを形成し、画像を印刷する印
刷方式である。これに対して、主走査の往路と復路のう
ちの一方においてのみ印刷媒体上にドットを形成し、画
像を印刷する印刷方式を「単方向印刷」という。
【0023】図6は、双方向印刷時の位置ずれを示す説
明図である。図6(a)は、往路の印刷時のドットの着
弾位置を示す説明図であり、図6(b)は、復路の印刷
時のドットの着弾位置を示す説明図である。ノズルn
は、印刷用紙Pの上方において双方向に水平に移動して
おり、往路と復路においてそれぞれインクを吐出するこ
とによって印刷用紙P上にドットを形成する。インク
は、鉛直下方に向けて吐出速度Vkで吐出されるものと
仮定している。各インクの合成速度ベクトルCVkは、
下方への吐出速度ベクトルと、ノズルnの主走査速度ベ
クトルVsとを合成したものとなる。したがって、主走
査の往路と復路において、印刷用紙Pと印刷ヘッド28
(ノズルn)とが同じ位置関係にあるときにインク滴を
吐出したのでは、インク滴の印刷媒体上への着弾位置が
ずれてしまう。そこで、インク滴の印刷媒体上への着弾
位置が一致するように、主走査の往路と復路でインク滴
の吐出タイミングが調整される。
【0024】図6においては、往路と復路とで、インク
滴吐出時のノズルの位置に対してドット形成位置ずれが
ほぼ対称となっている。しかし、主走査方向の駆動機構
のバックラッシュや、印刷媒体を下で支えているプラテ
ンの反りなど、往路と復路とでずれが対称とはならない
ような要素も存在する。そのような要素に起因するドッ
ト形成位置ずれを吸収するためにも、主走査の往路と復
路でインク滴の吐出タイミングを調整することが好まし
い。
【0025】D.調整値の決定:図7は、前述の図1の
ステップS2において、調整モードを選択する際にコン
ピュータ100のディスプレイ110に表示されるユー
ザーインターフェイス画面である。ユーザがコンピュー
タ100においてドット位置調整用のプログラム(プリ
ンタドライバ)102aを起動すると、図7に示すよう
な画面が表示される。そして、ユーザは、マウス130
を操作して、画面上で選択する調整モードを示すボタン
の上にカーソルを移動させて、クリックする。例えば、
文字を印刷する場合には、「高速/文字モード」を選択
する。なお、「高速/文字モード」(図1におけるステ
ップS4)は、短時間で検査用パターンを印刷すること
ができるため、短時間で調整値を決定したいときにもこ
の「高速/文字モード」を選択する。また、画像の印刷
を行うが、特定の色や画像について特に高品質な印刷を
行いたいわけではない場合には、「通常モード」(ステ
ップS6)を選択する。そして、実際に印刷する画像が
イラストであって、特定の色について高品質な印刷を行
いたい場合には、「選択色モード」(ステップS8)を
選択する。また、写真の印刷結果の品質をよくしたい場
合には、「実画像モード」(ステップS10)を選択す
る。そして実際に印刷する画像の特定部分の印刷結果を
よくしたい場合には、「サンプリングモード」(ステッ
プS12)を選択する。以下で、各調整モードにおける
調整値の決定方法について説明する。
【0026】なお、CPU102によって実行されて、
図7のような種々のユーザーインターフェイス画面を表
示するとともに、ユーザによる指示を受け取るプログラ
ムが、特許請求の範囲にいう「ユーザーインターフェー
ス部」に相当する。なお、ユーザーインターフェース部
がユーザからの指示を受け取る装置は、キーボード12
0、マウス130に限られるものではなく、音声入力装
置などの他の入力装置であってもよい。また、出力装置
も液晶ディスプレイ110に限られるものではなく、C
RTディスプレイやプラズマディスプレイでもよく、ま
た、音声出力装置などの他の出力装置であってもよい。
すなわち、「ユーザーインターフェース部」は、あらか
じめ登録された複数の調整モードの中からユーザが選択
した調整モードの指示を受け取ることができるものであ
ればどのようなものでもよい。
【0027】なお、各調整モードでの検査用パターンの
印刷においては、その後、実際に印刷を行う際に使用す
る印刷用紙と同じ種類の印刷用紙を使用することが好ま
しい。紙以外の印刷媒体に印刷を行う場合も同様であ
る。これは、ある種類の印刷媒体上に検査用パターンを
高品質に印刷できる調整値であっても、他の印刷媒体を
使用して印刷を行う場合には、高品質な印刷を実現でき
ない場合があるからである。
【0028】D1.高速/文字モード:図8は、高速/
文字モード用の位置ずれ検査用罫線パターンの例を示す
説明図である。ステップS4(図1参照)では、プリン
タ20を用いて調整値を決定するための位置ずれ検査用
罫線パターンT10を印刷する。この位置ずれ検査用罫
線パターンT10は、ブラックノズル列K(図5参照)
を用いて往路と復路でそれぞれ印刷された複数の縦罫線
で構成されている。往路では一定の間隔で縦罫線T11
を記録しているが、復路では、縦罫線T12の主走査方
向の位置を1/1440インチ単位で順次ずらしてい
る。この結果、印刷用紙P上には、往路の縦罫線T11
と復路の縦罫線T12との相対位置が1/1440イン
チずつずれていくような複数組の縦罫線対T1が印刷さ
れる。各縦罫線対のずらし量が、特許請求の範囲にいう
「調整候補値」に相当する。複数組の縦罫線対T1の下
には、ズレ調整番号の数字が印刷される。ズレ調整番号
は、好ましい補正状態を示す補正情報としての機能を有
する。ここで、「好ましい補正状態」とは、往路または
復路における記録位置(または記録タイミング)を適切
な調整値で補正したときに、往路と復路でそれぞれ形成
されたドットの主走査方向の位置がほぼ一致するような
状態を言う。なお、図8の例では、ズレ調整番号が4で
ある縦罫線対が、好ましい補正状態を示している。
【0029】これらの位置ずれ検査用罫線パターンT1
0は、コンピュータ100から送られてくる印刷データ
に基づいて、CPU41が各部を制御して印刷する。そ
して、その印刷データは、ステップS2(図1参照)に
おいて指定された調整モードに応じて、コンピュータ1
00のCPU102が選択する。以下で説明する各調整
モードにおける位置ずれ検査用パターンの印刷について
も同様である。CPU102の機能部としてのパターン
形成部102bを図2に示し、CPU41の機能部とし
てのパターン形成部41aを図4に示す。
【0030】ユーザは、この位置ずれ検査用罫線パター
ンT10を観察して、最もずれの少ない縦罫線対を選択
し、ステップS14(図1参照)において、そのズレ調
整番号をコンピュータ100のプリンタドライバのユー
ザーインターフェイス画面(図示せず)に、キーボード
120、マウス130を通じて入力する。このズレ調整
番号は、プリンタ20内のPROM43(図4参照)に
格納される。なお、コンピュータ100のキーボード1
20、マウス130および液晶ディスプレイ110が、
特許請求の範囲にいう「ユーザーインターフェース部」
に相当する。そして、PROM43の後述する調整番号
格納領域202が、「調整値記憶部」に相当する。ただ
し、ズレ調整番号は、操作パネル32(図2、図4参
照)を通じて入力される態様とすることもできる。その
ような態様においては、操作パネル32が「ユーザーイ
ンターフェース部」に相当する。
【0031】このユーザーインターフェース部は、ここ
で示したような態様に限られるものではないことは前述
の通りである。すなわち、印刷された位置ずれ検査用パ
ターンに応じてユーザによって決定された、主走査方向
のドット位置ズレに関する好ましい補正状態を示す調整
値を受け取ることができるものであれば、他の態様であ
ってもよい。
【0032】調整値決定後に実際に印刷する対象が文章
や表である場合は、ユーザは、この「文字/高速モー
ド」を選択し、検査用パターンとして罫線を使用して調
整値を決定することが好ましい。そして、そのように決
定した調整値を使用して文章や表を印刷すれば、主走査
方向のがたつきの少ない高品質な文字や線を印刷でき
る。
【0033】また、「文字/高速モード」では、各罫線
対は主走査方向に並べて形成されており、副走査方向に
並べて形成されていない。これに対して、後述する他の
モードでは、各パッチや画像片は副走査方向に並べて配
されている。よって、「文字/高速モード」は、他のモ
ードに比べて少ない副走査送り回数で位置ずれ検査用パ
ターンを形成することができる。このため、「文字/高
速モード」では、他のモードに比べて短時間で位置ずれ
検査用パターンを形成することができ、その結果、ユー
ザは短時間で調整値を決定することができる。
【0034】なお、ここでは、ブラックインクを使用し
て罫線を印刷したが、他の色で文字や図形を印刷する場
合には、ユーザーインターフェイス部を通じてユーザか
らそのインクを指定されて、そのインクを使用して罫線
を印刷して調整値を定めることができる。また、副走査
方向上流側の罫線と下流側の罫線と異なるインクで形成
すれば、それら2色のインクについてドット形成位置ず
れを小さくする調整値を、短時間で定めることができ
る。
【0035】D2.通常モード:図9は、通常モード用
の位置ずれ検査用パターンT20の一例を示す模式図で
ある。ステップS6(図1参照)では、プリンタ20を
用いて通常モード用の位置ずれ検査用パターンが印刷さ
れる。この位置ずれ検査用パターンT20は、淡シア
ン、淡マゼンタ、イエロの各ノズル列を用いて往路と復
路の両方を使ってそれぞれ印刷された複数のグレーパッ
チT21〜T25で構成されている。各グレーパッチは
等しい色を再現するものである。なお、図9において
は、各パッチは比較的大きなドットの集合として描かれ
ているが、実際には、目にははっきりと見えない程度の
大きさのドットで形成される。また、「グレーパッチ」
という用語は、このパッチが人の目に常に「グレー」の
色に見えることを意味するものではな。すなわち、ドッ
トの位置ずれ状態によっては他の色に見えることもあ
る。このグレーパッチT21〜T25が、特許請求の範
囲にいう「カラーパッチ」に相当する。
【0036】各パッチを構成する各色のドットは、往路
では各パッチについて主走査方向の一定の位置に記録さ
れるが、復路では、各パッチごとに主走査方向の位置を
1/2880インチ単位で順次ずらした位置に記録され
る。なお、各パッチを構成する各色のドットは、復路に
おいて共通のずらし量でずらされる。この結果、印刷用
紙P上には、往路で形成されるドットと復路で形成され
るドットとの相対位置が1/2880インチずつずれて
いくような複数のグレーパッチT21〜T25が印刷さ
れる。各グレーパッチの往路と復路のドットのずらし量
が特許請求の範囲にいう「調整候補値」である。グレー
パッチT21〜T25の左側には、図9に示すように、
ズレ調整番号の数字が印刷される。ズレ調整番号は、好
ましい補正状態を示す補正情報としての機能を有する。
ここで、「好ましい補正状態」とは、往路または復路に
おける記録位置(または記録タイミング)を適切な調整
値で補正したときに、グレーパッチのざらつきがもっと
も少なくなる状態をいう。したがって、好ましい補正状
態は、適切な調整値によって実現される。
【0037】図9の例では、「3」の数字が付されたグ
レーパッチT23を中心としてズレ調整番号が1から5
までの5個のグレーパッチT21〜T25が示されてい
る。そして、図9では、ズレ調整番号が4であるグレー
パッチT24が、最もざらつきが少なく好ましい補正状
態を示している。したがって、ステップS14(図1)
では、ユーザは、ズレ調整番号「4」をコンピュータ1
00に入力する。そして、「高速/文字モード」の場合
と同様に、ズレ調整番号「4」がプリンタ20内のPR
OM43(図4参照)に格納される。
【0038】なお、これらのグレーパッチT21〜T2
5は、互いに等しい色を再現するものであり、同一の印
刷データに基づいて形成される。グレーパッチT21〜
T25のもととなる印刷データは、一様な濃度の画素の
集合を表すカラー画像データを、複数のインク色のドッ
トの記録状態を表すデータに変換したものである。この
印刷データは、コンピュータ100内のハードディスク
(記憶部)に格納されている。また、各グレーパッチT
21〜T25は、ステップS1において、実際の印刷で
行われる副走査送りパターンで印刷される。
【0039】この「通常モード」を選択し、グレーパッ
チを使用して調整値を決定すれば、その調整値は、淡シ
アン、淡マゼンタ、イエロについて好ましい調整値とな
る。よって、人間の肌などの中間色を印刷する際に粒状
感(ざらつき)の少ない高品質な印刷を行うことができ
る。また、これらの色は特に粒状感が目立ちやすいの
で、これらの色について粒状感の少ない調整値を決定す
ることができる結果、画像全体について比較的高品質な
印刷を行うことができる。
【0040】なお、この実施例においては、グレーパッ
チの印刷は、淡シアンと淡マゼンタとイエロのインクで
行ったが、使用するインクはこの組み合わせに限られる
ものではない。すなわち、カラー印刷において使用する
有彩色インクが、マゼンタ、シアン、イエロの3色であ
る場合は、その3色のインクを使用してグレーパッチの
印刷を行うことができる。さらに、カラー印刷において
使用する有彩色インクが、濃マゼンタ、濃シアン、イエ
ロ、淡マゼンタ、淡シアンの5色である場合にも、イエ
ロ、淡マゼンタ、淡シアンの3色に限らず、他の組み合
わせのインクを使用してパッチを印刷してもよい。すな
わち、印刷するカラーパッチは、それぞれ2種類以上の
インクのドットを用いて形成された、互いに等しい色を
再現するカラーパッチであれば、どのような色の組み合
わせのものでもよい。
【0041】D3.選択色モード:通常モードでは、各
パッチはあらかじめ定められた1色を再現するものであ
った。しかし、選択色モードでは、各パッチが再現する
色は、ユーザが選択する。他の点は通常モードと同様で
ある。
【0042】図10は、選択色モードにおいて色を選択
する際にコンピュータ100のディスプレイに表示され
るユーザーインターフェイス画面である。ステップS8
(図1参照)では、パッチを印刷するのに先立って、図
10に示すような画面が表示される。画面には、パッチ
に再現させる色のサンプルが表示される。ここでは、8
色のサンプル用カラーパッチSPが画面上に表されてい
る。ユーザは、この8色のパッチの中から一つを選ぶ。
すなわち、マウス130を使ってカーソルをそのパッチ
上に移動させ、クリックして、コンピュータ100に選
択色を指示する。コンピュータ100は、指定された色
を再現するパッチを、通常モードの場合と同様にしてプ
リンタ20に形成させる(図9参照)。
【0043】選択色モードにおいては、特定の色につい
て印刷品質が高くなるような調整値を定めることができ
る。よって、特定の色を多用しているイラストを印刷す
る場合などには、その色に類似した色を選択して調整値
を定めれば、そのイラストについて高品質な印刷を行う
ことができる。
【0044】なお、パッチが再現する色の選択は図10
に示すようなユーザーインターフェイスによるものに限
られない。例えば、縦軸および横軸について連続的に色
彩が変化する矩形領域を画面上に表示し、ユーザがその
中の一点を指示する態様であってもよい。すなわち、連
続的に変化する色彩からの選択であるか不連続なカラー
パッチによる選択であるかを問わず、あらかじめ登録さ
れた複数の色の中から、ユーザが選択した色の指示を受
け取ることができるようなユーザインターフェイスを備
えているものであればよい。
【0045】D4.実画像モード:図11は、実画像モ
ード用の位置ずれ検査用パターンT30の一例を示す模
式図である。ステップS10(図1参照)では、実画像
モード用の位置ずれ検査用パターンT30が形成され
る。この位置ずれ検査用パターンT30を構成する各画
像片T31〜T35は、グレーパッチT21〜T25の
ように単一色を再現するものではなく、あらかじめ用意
された写真画像データを再現するものである。各画像片
を印刷する方法は、通常モード用の位置ずれ検査用パタ
ーンT20において各パッチを印刷する際の方法と同様
である。なお、画像データD2は、コンピュータ100
内のハードディスク(記憶部)に格納されている。ステ
ップS14(図1参照)では、ユーザは、画像片T31
〜T35の中からもっとも印刷品質のよいものを選択
し、その左側に形成された調整番号をコンピュータ10
0に入力する。
【0046】実際に印刷する対象が写真である場合は、
「実画像モード」を選択し、写真画像のパターンに基づ
いて調整値を決定すれば、粒状感の少ない写真画像を印
刷できる調整値を決定しやすい。なお、画像片T31〜
T35が、特許請求の範囲にいう「第1の画像片」に相
当する。
【0047】D5.サンプリングモード:実画像モード
では、各画像片はあらかじめ用意された写真画像を再現
するものであった。しかし、サンプリングモードでは、
各画像片が再現する画像は、ユーザが指定する。他の点
は実画像モードと同様である。
【0048】ユーザは、ステップS2(図1参照)でサ
ンプリングモードを指定すると、調整値の決定に先立っ
て、ドット位置調整用プログラム102aとは別に、画
像を表示および印刷するアプリケーションソフトを起動
する。そして、その画像編集アプリケーションソフト
で、ドット位置調整後に印刷したい画像データファイル
を開く。ドット位置調整用プログラム102aは、画像
編集アプリケーションソフトに対して印刷指示を出し、
画像編集アプリケーションソフトから画像データを受け
取る。なお、ユーザによる画像編集アプリケーションの
操作は、キーボード120およびマウス130を操作し
て行われる。
【0049】図12は、サンプリングモードにおいて画
像を選択する際にコンピュータ100のディスプレイに
表示されるユーザーインターフェイス画面である。ドッ
ト位置調整用プログラム102aが画像データを受け取
ると、ディスプレイ110には、図12(a)に示すよ
うな画面が表示される。画面上には印刷する画像が表示
され、調整値を決定するための画像片として使用する調
整用サンプル領域を指定する枠が破線で示される。ユー
ザは、マウス130を操作して、この破線の枠を適宜の
位置に動かし、特に印刷品質を重視する部分を指定し
て、マウス130をクリックして、枠を固定する。そし
て、その位置でよければ、画面下の「OK」のボタンを
クリックする。枠の位置を変更したければ、「やりなお
し」ボタンをクリックして、再度、枠の位置を設定し直
す。
【0050】図12(a)の画面において「OK」のボ
タンがクリックされると、図12(b)に示すような画
面が表示される。図12(b)において表示されている
画像は、図12(a)において破線の枠で指定された画
像である。表示された画像でドット形成位置ずれの調整
を行ってよければ、ユーザは、プリンタドライバ画面下
段の「スタート」ボタンをクリックする。一方、枠の位
置を変更したければ、ユーザは、「キャンセル」ボタン
をクリックして、図12(a)の画面において再度、枠
の位置を設定し直す。このようにして、ドット形成位置
ずれの調整に使用する画像がコンピュータ100に対し
て指定される。
【0051】なお、液晶ディスプレイ110が、特許請
求の範囲にいう「表示部」に相当する。この表示部は、
液晶ディスプレイに限らず、CRTディスプレイやプラ
ズマディスプレイなど、他の表示装置であってもよい。
すなわち、印刷する画像のうち一部の画像を指定するこ
とをユーザに許容する画像指定画面を表示することがで
きるものであれば、そのような表示装置であってもよ
い。
【0052】図13は、第3の位置ずれ検査用パターン
T40の一例を示す模式図である。図12(b)のプリ
ンタドライバ画面下段の「スタート」ボタンがクリック
されると、コンピュータ100は、指定された画像を再
現する画像片T41〜T45を、実画像モードや通常モ
ードの場合と同様にしてプリンタ20に形成させる。
【0053】この「サンプリングモード」においては、
ユーザが実際に印刷したい画像のうちで、もっとも品質
を高めたい部分やもっとも粒状感が目立つ部分につい
て、特に印刷品質を高められるように調整値を決定する
ことができる。よって、高品質でユーザの満足感の高い
印刷結果を得ることができる。なお、画像片T41〜T
45が、特許請求の範囲にいう「第2の画像片」に相当
する。
【0054】E.調整値によるドット形成位置ずれの調
整:図14は、印刷時のずれ補正に関連する主要な構成
を示すブロック図である。プリンタ20内のPROM4
3には、調整番号格納領域202と、調整値テーブル2
06とが設けられている。
【0055】調整番号格納領域202には、好ましい調
整値を示すズレ調整番号が格納されている。調整値テー
ブル206は、図8、図9、図11および図13に示し
た位置ずれ検査用パターンにおける復路のドット記録位
置のずれ量(すなわち調整値)とズレ調整番号との関係
を格納したテーブルである。位置ずれ補正実行部210
は、調整値テーブル206から調整値を読み出して、そ
の調整値で復路におけるドット形成位置を補正する。具
体的には、位置ずれ補正実行部210は、位置センサ3
9からキャリッジの原点位置の情報を受け取り、それに
基づいてキャリッジの位置を計算する。そして、適切な
キャリッジ位置(タイミング)でアクチュエータチップ
91〜93がインク滴を吐出するよう、ヘッド駆動回路
52を制御する。この位置ずれ補正実行部210が、特
許請求の範囲にいう「位置ずれ補正部」に相当する。
【0056】前述したように、通常モード、選択色モー
ド、実画像モード、サンプリングモードにおいては、調
整値は、主走査方向の1/2880インチの整数倍に設
定されているので、この記録位置(すなわち記録タイミ
ング)も主走査方向の1/2880インチの単位で調整
される。また、高速/文字モードにおいては、調整値
は、主走査方向の1/1440インチの整数倍に設定さ
れているので、記録位置も主走査方向の1/1440イ
ンチの単位で調整される。また、ここでは復路で印刷さ
れるドットを最小で1/2880インチずつずらして形
成したが、各罫線、パッチ、画像片(図8、図9、図1
1および図13参照)を構成するドットをより細かい単
位でずらしていくこととすれば、補正値もその単位の整
数倍で設定することができる。すなわち、復路で印刷す
るドット位置のずらしの刻みを細かく設定すれば、より
微妙な範囲で補正値を定めることができる。この刻みの
最小値は、プリンタの制御上の制約によって決まる。
【0057】以上に説明したように、本実施例では、実
際にプリンタで印刷する対象に応じて調整モードを選択
し、それぞれ対応する位置ずれ検査用パターンの印刷結
果に基づいて、適切な調整値を決定することができる。
そして、その調整値に基づいて、主走査方向におけるド
ット形成位置ずれを補正することができる。
【0058】F.第2実施例:図15は、他の態様にお
ける印刷時のずれ補正に関連する主要な構成を示すブロ
ック図である。このブロック図の構成は、ヘッド駆動回
路およびアクチュエータチップの構成以外は、図14の
ブロック図と同じである。この印刷装置は、淡マゼンタ
とイエロのノズル列を駆動するアクチュエータチップ9
3用に、他のアクチュエータチップとは別の独立のヘッ
ド駆動回路52cを有している。このため、淡マゼンタ
LMとイエロYのインクの吐出タイミングを、他の色の
インクに対してずらすことができる。他の点は、図14
の印刷装置と同じである。
【0059】図14では、往路と復路におけるドット形
成位置ずれの補正のみを行ったが、図15に示すような
印刷装置においては、単方向印刷時の淡シアンLCと濃
マゼンタMのドットの形成位置を、他のインクのドット
の形成位置に対して調整することができる。そのような
調整を行うための調整値を定めるには、次のようにす
る。すなわち、図9、図11および図13に示す位置ず
れ検査用パターンの形成の際に、各パッチや画像片を主
走査の往路または復路のみで形成する。そして、各パッ
チや画像片ごとに淡シアンLCと濃マゼンタMのドット
の形成位置を少しずつ変えながら、パターンを形成す
る。その結果、最も印刷結果の品質のよいパッチや画像
片を選択する。このような態様とすれば、単方向印刷時
の各色のドットの形成位置ずれを調整することができる
ため、より印刷結果の品質を高めることができる。
【0060】G.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0061】上記実施例では、主走査の往路と復路にお
けるドット形成位置ずれの調整をするに当たって、復路
の記録位置(または記録タイミング)を調整することに
よって位置ずれを補正していたが、往路の記録位置を調
整することによって位置ずれを補正するようにしてもよ
い。また、往路と復路の記録位置の両方を調整すること
によって位置ずれを補正するようにしてもよい。すなわ
ち、一般には、往路と復路の記録位置の少なくとも一方
を調整することによって位置ずれを補正するようにすれ
ばよい。
【0062】また、上記各実施例では、インクジェット
プリンタについて説明したが、本発明はインクジェット
プリンタに限らず、一般に、印刷ヘッドを用いて印刷を
行う種々の印刷装置に適用可能である。また、本発明
は、インク滴を吐出する方法や装置に限らず、他の手段
でドットを記録する方法や装置にも適用可能である。
【0063】上記各実施例において、ハードウェアによ
って実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換
えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実
現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるよ
うにしてもよい。例えば、図14および図15に示した
ヘッド駆動回路52,52a〜52cの一部の機能をソ
フトウェアによって実現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の手続きの流れを示すフロ
ーチャート。
【図2】プリンタ20を備えた印刷システムの概略構成
図。
【図3】インクジェットプリンタ20の概略構成図。
【図4】制御回路40を中心としたプリンタ20の構成
を示すブロック図。
【図5】印刷ヘッド28に設けられた複数列のノズルを
示す説明図。
【図6】双方向印刷時の位置ずれを示す説明図。
【図7】調整モードを選択する際にコンピュータ100
のディスプレイに表示されるユーザーインターフェイス
画面。
【図8】高速/文字モード用の位置ずれ検査用罫線パタ
ーンの例を示す説明図。
【図9】通常モード用の位置ずれ検査用パターンT20
の一例を示す模式図。
【図10】選択色モードにおいて色を選択する際にコン
ピュータ100のディスプレイに表示されるユーザーイ
ンターフェイス画面。
【図11】実画像モード用の位置ずれ検査用パターンT
30の一例を示す模式図。
【図12】サンプリングモードにおいて画像を選択する
際にコンピュータ100のディスプレイに表示されるユ
ーザーインターフェイス画面。
【図13】第3の位置ずれ検査用パターンT40の一例
を示す模式図。
【図14】印刷時のずれ補正に関連する主要な構成を示
すブロック図。
【図15】第2実施例における、印刷時のずれ補正に関
連する主要な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
20…インクジェットプリンタ 22…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印刷ヘッド 30…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置センサ 40…制御回路 41…CPU 41a…パターン形成部 43…PROM 44…RAM 50…I/F専用回路 52,52a〜52c…ヘッド駆動回路 54…モータ駆動回路 56…コネクタ 60…印刷ヘッドユニット 91〜93…アクチュエータチップ 100…ホストコンピュータ 102…CPU 102a…ドット位置調整用プログラム(プリンタドラ
イバ) 102b…パターン形成部 110…液晶ディスプレイ 120…キーボード 130…マウス 202…調整番号格納領域 206…調整値テーブル 210…位置ずれ補正実行部 C…濃シアンノズル列 CS…カーソル CVk…合成速度ベクトル K…ブラックノズル列 LC…淡シアンノズル列 LM…淡マゼンタノズル列 M…濃マゼンタノズル列 P…印刷用紙 PS…印刷信号 SP…サンプル用カラーパッチ T1…縦罫線対 T11…縦罫線 T12…縦罫線 T20…通常モード用の位置ずれ検査用パターン T21〜T25…グレーパッチ T30…実画像モード用の位置ずれ検査用パターン T31〜T35…画像片 T40…第5の位置ずれ検査用パターン T41〜T45…画像片 Vk…吐出速度 Vs…主走査速度ベクトル Y…イエロノズル列 n…ノズル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルからインク滴を吐出させ、印刷媒
    体上に着弾させてドットを形成することにより印刷を行
    う印刷装置であって、 互いに異なる一色のインク滴をそれぞれ吐出する複数の
    単一色ノズル群と、 前記複数の単一色ノズル群と、前記印刷媒体と、の少な
    くとも一方を移動させる主走査を行う主走査駆動部と、 あらかじめ登録された複数の調整モードの中からユーザ
    が選択した調整モードの指示を受け取るユーザーインタ
    ーフェイス部と、 前記各部を制御する制御部と、を備え、 前記制御部は、 あらかじめ登録された複数種類の位置ずれ検査用パター
    ンの中から、前記選択された調整モードに応じて一種類
    の位置ずれ検査用パターンを選択し、前記印刷媒体上に
    印刷する検査用パターン形成部を備え、 前記ユーザーインターフェイス部は、前記印刷された位
    置ずれ検査用パターンに応じてユーザによって決定され
    た、主走査方向のドット位置ズレに関する好ましい補正
    状態を示す調整値を受け取ることができ、 前記印刷装置は、さらに、 前記ユーザーインターフェイス部から入力された前記調
    整値を記憶する調整値記憶部と、 印刷の際に前記調整値に応じてドット形成位置ずれを調
    整する位置ずれ補正部と、を備える、印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記複数種類の位置ずれ検査用パターンは、複数のカラ
    ーパッチを有する第1の位置ずれ検査用パターンを含
    み、 前記複数のカラーパッチは、それぞれ2種類以上のイン
    クのドットを用いて形成された、互いに等しい色を再現
    するカラーパッチであって、互いに異なる調整候補値に
    基づいて主走査方向のドットの位置が調整されたもので
    ある、印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の印刷装置であ
    って、さらに、 前記ユーザーインターフェイス部は、あらかじめ登録さ
    れた複数の色の中からユーザが選択した色の指示を受け
    取ることができ、 前記検査用パターン形成部は、前記選択された色で前記
    位置ずれ検査用パターンを形成する、印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記複数種類の位置ずれ検査用パターンは、複数の第1
    の画像片を有する第2の位置ずれ検査用パターンを含
    み、 前記複数の第1の画像片は、それぞれ2種類以上のイン
    クのドットを用いて形成された、互いに等しい写真画像
    を再現する画像片であって、互いに異なる調整候補値に
    基づいて主走査方向のドットの位置が調整されたもので
    ある、印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記ユーザーインターフェイス部は、印刷する画像のう
    ち一部の画像を指定することをユーザに許容する画像指
    定画面を表示部に表示するとともに、ユーザによる前記
    指定を受け取ることができ、 前記複数種類の位置ずれ検査用パターンは、複数の第2
    の画像片を有する第3の位置ずれ検査用パターンを含
    み、 前記複数の第2の画像片は、前記指定された画像を再現
    する画像片であり、互いに異なる調整候補値に基づいて
    主走査方向のドットの位置が調整されたものである、印
    刷装置。
  6. 【請求項6】 互いに異なる色のインク滴をそれぞれ吐
    出する複数の単一色ノズル群を備えた印刷装置を用い
    て、前記複数の単一色ノズル群と印刷媒体との少なくと
    も一方を移動させる主走査を行いつつ、前記印刷媒体上
    にインク滴を着弾させてドットを形成することにより印
    刷を行う際の、主走査方向のドット形成位置ずれを減少
    させるための調整値を定める方法であって、(a)あら
    かじめ登録された複数の調整モードの中から調整モード
    を選択する工程と、(b)あらかじめ登録された複数種
    類の位置ずれ検査用パターンの中から、前記選択された
    調整モードに応じて一種類の位置ずれ検査用パターンを
    選択し、前記印刷媒体上に印刷する工程と、(c)前記
    位置ずれ検査用パターンの中から選択された好ましい補
    正状態を示す補正情報にしたがって調整値を決定する工
    程と、を含む、調整値決定方法。
  7. 【請求項7】 印刷の際に使用する調整値を定めるため
    の位置ずれ検査用パターンを形成させるコンピュータプ
    ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
    体であって、 前記調整値は、互いに異なる色のインク滴をそれぞれ吐
    出する複数の単一色ノズル群を備えた印刷装置を用い
    て、前記複数の単一色ノズル群と印刷媒体との少なくと
    も一方を移動させる主走査を行いつつ、前記印刷媒体上
    にインク滴を着弾させてドットを形成することにより印
    刷を行う際の、主走査方向のドット形成位置ずれを減少
    させるための調整値であり、 前記記録媒体は、 あらかじめ登録された複数の調整モードの中からユーザ
    が選択した調整モードの指示を受け取る機能と、 あらかじめ登録された複数種類の位置ずれ検査用パター
    ンの中から、前記選択された調整モードに応じて一種類
    の位置ずれ検査用パターンを選択し、前記印刷媒体上に
    印刷する機能と、 を前記コンピュータに実現させるためのコンピュータプ
    ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008188841A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Canon Inc 記録位置調整方法、記録システム、ホスト装置及びプログラム

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