JP2002225210A - 複合材サンドイッチ構造体及びその製造方法、補修方法 - Google Patents
複合材サンドイッチ構造体及びその製造方法、補修方法Info
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Abstract
強靱で傷が付きづらく、修理が容易であり、しかも軽量
で安価な複合材サンドイッチ構造体を得る。 【解決手段】 流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で
約45%程度含有した炭素繊維強化複合材料を面板と
し、ポリエーテルイミド樹脂の発泡材をコアとした複合
材サンドイッチ構造体。
Description
合材サンドイッチ構造体及びその製造方法、補修方法に
関する。
一般的に図11に示すようにノーメックス、アルミ、G
FRP等より成るハニカムコア20を、2枚の複合材面
板21で挾み、フィルム接着材22を介在して接着結合
したサンドイッチ構造体23が使用されている。一部に
は、ハニカムコア20の代りに、ポリメタクリルイミド
発泡材をコアとするサンドイッチ構造体も使用されてい
る。これらサンドイッチ構造体は、航空機の動翼類(補
助翼、フラップ、昇降舵、方向舵、スポイラー等)やカ
バー類の二次構造材に主として使用されていて、機体構
造重量に占める割合は多くはないが、機体表面積につい
ては広い範囲を占めている。それだけに、外部の異物
や、雹、地上支援車両との衝突による損傷を受ける機会
が多い。サンドイッチ構造体は、極めて軽く、弱い構造
体であることから、前記の損傷によって大きな被害を受
けることが多かった。
表面側の複合材面板の損傷部位を切り取り、内部のハニ
カムコアを除去した上で、新しいコアを挿入し、面板を
貼り付ける。これらの作業は手間と時間がかかる上、完
成検査も費用のかかる超音波探傷機による確認が必要で
あった。また、損傷を受けた面板の修理は、修理後の性
能を保証するために、新規製造時と同じ素材及び、成形
方法及び/又は接着方法を用いる必要がある。ところ
が、航空機に使用するサンドイッチ構造体の製造におい
ては、ほぼ例外無く加圧硬化方法が用いられている為、
機体から部品を完全に取り外し、ホットプレスやオート
クレーブ装置等の加熱加圧装置で補修硬化及び接着を実
施する必要があった。これらの作業は手間と時間がかか
る上、補修用の治工具も多額の費用をかけて用意する必
要があった。
題点の外、以下に述べるような数多くの問題点があっ
た。 サンドイッチ構造体は、オートクレーブ中での成形
中にハニカムのセル以外の部分は加圧されないので、図
11のA部拡大図である図12に示すように複合材面板
21内に気泡24が残留して強度が低く、航空機の繰り
返し使用中に樹脂層25に微小亀裂26が発生すること
が多い。 航空機が地上と成層圏を往復する間に、大きな気圧
と気温の変動(1気圧、プラス40℃から1/10気
圧、マイナス54℃への変化)を受け、複合材面板21
に生じた亀裂26を経由して外気がハニカムコア20の
内部に出入りする。 外部からハニカムコア20の内部に侵入した大気の
中に含まれていた湿気が、航空機の上昇による気圧・気
温の低下によりハニカムコア20の内部で凝結し、水滴
27として残留する。この過程の繰り返しによりハニカ
ムコア20の内部に次第に水分が蓄積され、機体構造重
量が増大する。ボーイング747クラスの大型旅客機で
は数100Kgにも達することがあるといわれている。 このハニカムコア20の内部の水分は高空で凍結
し、ハニカムコア20と複合面板21の接着結合を破壊
して面板剥離を発生させる。その結果、構造強度が低下
し、飛行安全性が損なわれるという大きな問題が発生す
る。 これらの問題により、複合材サンドイッチ構造体は
軽量で高剛性であるという理由で、従来の航空機では固
体構造材として多用されていたものが、徐々に金属構造
体に置換されつつあるのが現状である。 上記の不具合を修理しようとすると、ハニカムコア
20を除去し、新しい複合材面板21をオートクレーブ
で接着する必要があったが、非常に難しかった。また、
費用も高くつくものであった。
コアを発泡プラスチックに置き換えたサンドイッチ構造
体も提案された。この場合には発泡コアが独立気泡のも
のを選択すれば、コア内部に湿気が侵入しないという利
点がある。これは、従来のハニカムコアサンドイッチ構
造体の改良となる魅力的な提案であった。しかし、この
場合、複合材面板の加工条件である高温(180℃)高
圧(2気圧以上)に耐える耐熱耐圧性と、衝撃損傷に耐
える高靱性を満足するものとして、ポリメタクリルイミ
ド発泡材が使用された。しかし、このポリメタクリルイ
ミド・コアにも以下のような問題点があった。 吸湿により、強度が大幅に低下する。 運用中の吸湿による変形、体積収縮が生じ、これら
に基づく面板との剥離が発生した。 面板との接合強度が低く、工具や雹による損傷で容
易に面板の剥離が発生した。 吸湿により成形温度が低下する為、脱湿処理が必要
で、また乾燥状態で保管しなければならず、使用に際し
ては極めて短時間に成形完了する必要があった。 このような乾燥・保管・成形時の処理は、費用と手
間を必要とするものであった。
材をコアとするサンドイッチ構造体の欠点を改良する
為、ポリエーテルイミド発泡材が検討された。ポリエー
テルイミド樹脂は、吸湿量自体が小さいばかりでなく、
ポリメタクリルイミドのような吸湿による性能低下現象
が無い為、脱湿処理等の作業も全く不要であった。一
方、強度的にはほぼポリメタクリルイミド発泡材と同じ
なので、サンドイッチ構造体用のコアとして適してい
る。しかしながら、このポリエーテルイミド発泡材に
は、以下に述べるような製造・成形における問題点があ
った。 複合材面板を成形する為の硬化温度・圧力条件(1
80℃、3気圧)に発泡コアが耐えられない。 発泡コアの成形時の強度を向上させるには、コア密
度を上げなければならず、重量増加になった。(100
Kg/m3〜200Kg/m3) 硬化温度を120℃まで低下させると、コア成形は
容易になるが、一次構造用複合材面板の成形は不良にな
り、一次構造用として成立しなかった。せいぜいカバー
程度の二次構造用として、及び軽飛行機・ヘリコプター
・グライダーに適用される程度であった。
従来の複合材サンドイッチ構造体の問題点を解決すべく
なされたもので、コア内に湿気の侵入が無くて耐久性が
高く、強靱で傷が付きづらく、修理が容易であり、しか
も軽量で安価な複合材サンドイッチ構造体及びその製造
方法、補修方法を提供しようとするものである。
の本発明の複合材サンドイッチ構造体は、流動制御され
たエポキシ樹脂を重量比で約45%程度含有した炭素繊
維強化複合材料を面板とし、ポリエーテルイミド樹脂の
発泡材をコアとしたものである。
アの密度は、50Kg/m3〜80Kg/m3程度である
ことが好ましい。
素繊維強化複合材料の面板は、外表面とコアに接する内
面の部分を炭素繊維布製の複合材シートとし、それら内
外表面部分の複合材シートに挾まれた部分を一方向材ま
たは織り布のシートとしたものであることが好ましい。
方法の1つは、ポリエーテルイミド樹脂の発泡材から成
るコアを、流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で約4
5%程度含有した未硬化炭素繊維強化エポキシプリプレ
グから成る面板2枚で挾み、これを加熱オーブン内で成
形型上にてプラスチックバックを介して真空吸引するこ
とにより加圧し、加熱硬化成形することを特徴とするも
のである。
方法の他の1つは、ポリエーテルイミド樹脂の発泡材か
ら成るコアを、流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で
約45%程度含有した未硬化炭素繊維強化エポキシプリ
プレグから成る面板2枚で挾み、これを加熱オートクレ
ーブ内で成形型上にてプラスチックバックを介して1気
圧以下の正圧を外部から加圧し、加熱硬化成形すること
を特徴とするものである。
造方法において、ポリエーテルイミド樹脂の発泡材から
成るコアの密度は、50Kg/m3〜80Kg/m3程度
であることが好ましい。
法において、加熱硬化温度は約180℃程度であること
が好ましい。
方法は、流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で約45
%程度含有した炭素繊維強化複合材料を面板とし、ポリ
エーテルイミド樹脂の発泡材をコアとした複合材サンド
イッチ構造体の損傷発生の局所修理部に、面板と同じ樹
脂を用いた補修追加積層用の未硬化炭素繊維強化エポキ
シプリプレグを当てた上、可撓性の加熱ヒータブランケ
ットを載せ、さらにプラスチックバックを介して真空吸
引することにより加圧及び加熱し、補修追加積層用の未
硬化炭素繊維強化エポキシプリプレグを成形硬化するこ
とを特徴とするものである。
体及びその製造方法、補修方法の実施形態を説明する。
先ず、複合材サンドイッチ構造体の概要を、図1によっ
て説明すると、1はポリエーテルイミド樹脂の発泡材コ
アで、この発泡材コア1を、流動制御されたエポキシ樹
脂を重量比で約45%程度含有した炭素繊維強化複合材
料の面板2にて挟んで、複合材サンドイッチ構造体3を
構成している。この複合材サンドイッチ構造体3は、成
形時に板状の発泡材コア1が全面にわたって面板2を支
持するので、面板2は均一且つ気泡無しに成形できる。
このため面板2の内部に湿気の流入経路が生じ難い。ま
た、発泡材コア1自体が微細な独立気泡セル1aででき
ている為、例え面板2を通じて湿気が侵入してきても、
発泡材コア1の内部には殆んど侵透していかない。従っ
て、図11によって説明した従来のハニカムサンドイッ
チ構造体の問題点を解決できる。
体3におけるポリエーテルイミド発泡材コア1と、従来
のポリメタクリルイミド発泡材コアの吸湿特性を示す。
このグラフで判るように、従来のポリメタクリルイミド
発泡材コアは、吸湿絶対値が大きく、時間を増やせばま
だまだ吸湿する。ポリメタクリルイミド発泡材は吸湿に
伴って機械的特性が低下したり、寸法変化したりすると
いう弱点を持っている為、吸湿の絶対量が大きいことが
大きな問題となっている。然るに、本発明におけるポリ
エーテルイミド発泡材コア1は、吸湿絶対値が小さく、
且つ時間と共に頭打ちになっている。ポリエーテルイミ
ド発泡材1は吸湿しても機械的特性はあまり低下しない
と言われている上、吸湿の絶対量が小さい為、従来のポ
リメタクリルイミド発泡材における問題点を解決でき
る。
な優れた特性を有するが、エポキシ樹脂を35%から4
0%程度含有する通常の複合材面板を成形するための硬
化温度・圧力条件(180度、3気圧)に対しては耐え
られず、図3の写真の成形結果に示すようにポリエーテ
ルイミド発泡材コアのサンドイッチ構造体は潰れてしま
う。また、ポリエーテルイミド発泡材コアを圧壊させな
いよう、コアの重量を増すことによってコア自体の強度
を増すと、成形時には有効であるが、その完成品の使用
時には必要以上の強度であって結果的に無駄な重量増加
を招く。したがって、このようなサンドイッチ構造体の
製造において、使用時に最適な強度を有するコア密度5
0Kg/m3〜80Kg/m3のポリエーテルイミド発泡
材コアを使用するには、成形時の圧力を低下せしめるし
か手段がない。ところが圧力を3気圧から1気圧に小さ
くしてオートクレーブ成形すると、図4の断面組織写真
の成形結果に示すようにエポキシ樹脂40%を含有した
従来の炭素繊維強化複合材料の面板に多数の気泡が含ま
れてしまう。エポキシ樹脂を35%から40%程度含有
する通常の複合材面板は、もともと高い比強度をねらっ
て繊維体積含有率を上げる為に、樹脂の量を少なくして
いるものであるが、樹脂の量が少ない故に、加圧して押
え込まないと積層面に樹脂が十分に行き渡らず、弾性率
の高い炭素繊維の残留応力等による変形等もあって気泡
が多く発生する。従って、航空機の一次構造材としては
不適当である。
ける面板2は、エポキシ樹脂を重量比で約45%程度含
有した炭素繊維強化複合材料で、この材料は、従来の炭
素繊維強化樹脂プリプレグの樹脂重量含有率と繊維目付
けの関係を示す図5で判るように従来の概念では樹脂量
が不必要に多いと考えられる領域Fにおける極めて異例
のものである。そして、上記材料は、エポキシ樹脂の流
動性を制御したもので、流動性を制御しない従来の材料
とは図6に示すように粘性変化特性が異なる。前述の理
由で、低い圧力で気泡の無い成形することをねらい、単
に樹脂量を多くしただけでは、加熱開始時に低粘度化し
た樹脂が流出してしまい、気泡を無くす効果が得られ
ず、流出した樹脂が成形治具や副資材、配管等にこびり
つくなど却って問題が多くなる。然るに本発明のように
流動制御されたエポキシ樹脂を採用し、これを重量比で
約45%程度含有する炭素繊維強化複合材料の面板を用
いることによって、初めて硬化圧力が約1気圧程度に低
くても気泡無しに成形でき、ポリエーテルイミド発泡材
コアを用いたサンドイッチ構造体を実現できた。図5で
判るようにエポキシ樹脂45%程度のプリプレグが従来
製品化されなかった理由は、樹脂の量が多いことによっ
て、重量が大で、材料コストが増大する為であった。本
発明では、コアと面板の接合、及び表面状態の改良の為
に樹脂量を増加させているのであって、もし高強度・軽
量化をねらう場合にはエポキシ樹脂含有量の低い一方向
材プリプレグを織り布材間に挾むようにサンドイッチ面
板を構成することによって、前記の成形上の効果を損う
ことなく、高性能化を図り、軽量化することが可能であ
る。
量比で45%含有する炭素繊維強化プリプレグを面板と
し、ポリエーテルイミド発泡材をコアとする本発明の複
合材サンドイッチ構造体の成形例を示す断面組織写真で
ある。この複合材サンドイッチ構造体の製造において
は、オートクレーブを使用したが、1気圧程度の低圧成
形であるにも拘らず、面板には殆んど気泡が含まれてお
らず、航空機の一次構造材として適当である。また、面
板のエポキシ樹脂がコアのセルにしっかりと浸み込んで
おり、面板とコアの結合は完全である。ここで言う1気
圧は、プラスチックフィルムで包まれたサンドイッチ構
造体の外部から正圧で与えてもよいし、プラスチックバ
ック内部を真空引きして大気圧との差圧で与えてもよ
い。
イッチ構造体を硬化炉を用いて真空成形法で成形した例
を示す断面組織写真である。このサンドイッチ構造体
は、図7のサンドイッチ構造体と同様に良好な品質であ
る。このことから本発明の複合材サンドイッチ構造体
は、真空成形法で実現可能であることを実証している。
この真空成形法による本発明のサンドイッチ構造体の製
造方法を、図9によって説明すると、ポリエーテルイミ
ド樹脂の発泡材から成るコア1を、流動制御されたエポ
キシ樹脂を重量比で約45%程度含有した未硬化炭素繊
維強化エポキシプリプレグ4から成る面板にて両面から
挾み、これを加熱オーブン5内の成形型6上に載せ、そ
の上に離型フィルム7をかぶせ、その上からプラスチッ
クバック8を成形型6上に直接装着したシール材9にて
シールして設置し、プラスチックバック8内を真空吸引
することにより加圧及び加熱し、前記未硬化炭素繊維強
化エポキシプリプレグ4を成形硬化する。尚、10は通
気確保用の不織布である。
方法を図10によって説明すると、流動制御されたエポ
キシ樹脂を重量比で約45%程度含有した炭素繊維強化
複合材料を面板2し、ポリエーテルイミド樹脂の発泡材
をコア1とした複合材サンドイッチ構造体3の損傷発生
後の局所修理部Mにおける損傷部面板及び損傷部コアを
切り取り、損傷部コアを切り取った部分にその形状に合
わせて加工した新しいコア11を接着し、損傷部面板を
切り取った部分に面板と同じ樹脂を用いた補修追加積層
用の未硬化炭素繊維強化エポキシプリプレグ12を当て
た上、可撓性の加熱ヒーターブラケット13を載せ、さ
らにプラスチックバック8を局所修理部Mの外側の面板
2上に直接装着したシール材9にてシールして設置し、
プラスチックバック8内を真空吸引することにより加圧
及び加熱し、前記未硬化炭素繊維強化エポキシプリプレ
グ12を成形硬化する。尚、10は通気確保用の不織布
である。
ことなく、部品を機体に取り付けたまま適用できるの
で、従来から行われてきたものと言えるが、通常の航空
機部品は、製造時にオートクレーブで加圧成形されるの
で、修理時に圧力を負荷しない上記補修方法では、修理
前の強度と同等な性能を保証することは難しく、荷重を
分担する一次構造部品及び一部の二次構造部品には適用
できなかった。この為、荷重を分担する部品の修理時に
は、部品を取り外し、別途容易された修理用の治具にセ
ットした上でオートクレーブで加圧成形するという、高
価で手間のかかる修理を実施している。然るに本発明の
複合材サンドイッチ構造体3は、真空成形で製造できる
ので、修理において前記のように真空成形を採用しても
製造時と同等の性能が得られることになる。従って、従
来では不可能であった一次構造部品も修理可能となり、
これまでの高価な修理費の大幅な削減に寄与できる。
サンドイッチ構造体は、ポリエーテルイミド樹脂の発泡
材コアが微細な独立気泡セルでできている為、外気がハ
ニカムコアのように内部に出入りすることがない。ま
た、発泡材コア自身が殆んど吸湿しない為、長期的に使
用しても水分が内部に蓄積することがない。さらに発泡
材コアの内部に水分が無い為、高空で凍結しコアと面板
の接着結合を破壊して剥離を発生させるような不具合も
発生しない。
は、軽量で強靱である為、損傷が発生しにくく、従来の
アルミコアのサンドイッチ構造体のようにコア内部に湿
気が侵入し、アルミコアが腐食してしまうという不具合
もなく、長期的な耐久性に優れる。そして本発明の複合
材サンドイッチ構造体のポリエーテルイミド樹脂の発泡
材コアは、複合材面板成形条件である高温に耐える耐熱
性と、損傷に耐える高靱性の要求を満足するだけでな
く、吸湿による強度低下や吸湿による変形、使用中の剥
離もない。
の製造方法は、ポリエーテルイミド樹脂の発泡材コア
を、流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で約45%程
度含有した未硬化炭素繊維強化エポキシプリプレグから
成る面板2枚で挾み、これを加熱オーブン内で成形型上
にてプラスチックバックを介して真空吸引することによ
り加圧し、或いは、加熱オートクレーブ内で成形型上に
てプラスチックバックを介して1気圧以下の正圧を外部
から加圧し、加熱硬化成形するのであるから、面板は発
泡材コアにより均一に加圧されて面板に気泡が残留する
ことがない。従って、製造後の使用中に面板の樹脂中に
微小亀裂が発生すことがない。また、本発明の製造方法
において、複合材サンドイッチ構造体の発泡材コアの吸
湿絶対値が小さいので、成形温度が低下せず、脱湿処理
も不要で、乾燥状態で保管する必要も無く、極めて容易
に複合材サンドイッチ構造体を製造できる。さらに非常
に強靱で面板との接合強度が強く、工具や雹による損傷
により剥離が発生することのない複合材サンドイッチ構
造体を得ることができる。また、本発明の製造方法で
は、上述のように加熱オーブン内で真空成形法により成
形、或いは加熱オートクレーブ内で1気圧以下の正圧に
より成形するので、発泡材コア自体を加圧せず、コア気
泡内部に取り込まれたガス圧力が膨張しようとするの
で、コアが押し潰されて寸法が収縮することが無い。従
って、軽密度コアを使用できるので、非常に軽いサンド
イッチ構造体を製造できる。特に加熱オーブン内での真
空成形は高価な窒素ガスを使用しないので、製造コスト
を低減できる。その上、加熱オーブンの設備建設費はオ
ートクレーブに比較して約1/10程度の安価なものに
できる。また、本発明の製造方法において、炭素繊維強
化複合材料の面板を、外表面とコアに接する内面の部分
を炭素繊維布製の複合材シートとし、それらの内外表面
部分の複合材シートに挾まれた部分を一方向材または織
り布のシートとして構成すると、より高性能、軽量の複
合材サンドイッチ構造体を得ることができる。
方法は、複合材サンドイッチ構造体の損傷発生後の局所
修理部における損傷部面板及び損傷部コアを切り取り、
その部分に新コアを接着し、その上に未硬化炭素繊維強
化エポキシプリプレグを当てた上、可撓性の加熱ヒータ
ーブランケットを載せ、さらにプラスチックバックを介
して真空吸引することにより加圧及び加熱し、前記未硬
化炭素繊維強化エポキシプリプレグを成形硬化するので
あるから、複合材サンドイッチ構造体の製造時と同等の
性能を確保でき、しかも部品を機体に取り付けたまま極
めて容易に修理できる。従って、修理は二次構造部品に
限定されることなく、一次構造部品にも適用でき、部品
のスクラップ率の低下に寄与できる。
の侵入が無くては耐久性が高く、強靱で傷が付きづら
く、修理が容易で、しかも軽量で安価な複合材サンドイ
ッチ構造体を実現できる。そして、この複合材サンドイ
ッチ構造体は、航空機の舵面、ドア、エンジンカウリン
グ等の航空機構造部品に広範囲に用いることができ、航
空機の経済性向上に貢献できる。
す図である。
リエーテルイミド発泡材コアと、従来のポリメタクリル
イミド発泡材コアの吸湿特性を示すグラフである。
サンドイッチ構造体が成形圧力により潰れた状態を示す
写真である。
圧壊させないように1気圧でサンドイッチ構造体を成形
した結果を示す断面組織写真である。
含有率と繊維目付けの関係を示す図である。
を制御しない従来の材料との粘性変化特性を示すグラフ
である。
ンドイッチ構造体の断面組織写真である。
ッチ構造体の断面組織写真である。
構造体の製造方法を示す概略断面図である。
法を示す概略断面図である。
要を示す図である。
度含有した炭素繊維強化複合材料の面板 3 複合材サンドイッチ構造体 4 未硬化炭素繊維強化エポキシプリプレグ 5 加熱オーブン 6 成形型 7 離型フィルム 8 プラスチックバック 9 シール材 10 通気確保用の不織布 11 新コア 12 補修追加積層用の未硬化炭素繊維強化エポキシプ
リブレグ 13 可撓型の加熱ヒーターブランケット
Claims (8)
- 【請求項1】 流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で
約45%程度含有した炭素繊維強化複合材料を面板と
し、ポリエーテルイミド樹脂の発泡材をコアとした複合
材サンドイッチ構造体。 - 【請求項2】 コアの密度が、50Kg/m3〜80K
g/m3程度であることを特徴とする請求項1記載の複
合材サンドイッチ構造体。 - 【請求項3】 炭素繊維強化複合材料の面板が、外表面
とコアに接する内面の部分を炭素繊維布製の複合材シー
トとし、それら内外表面部分の複合材シートに挾まれた
部分を一方向材または織り布のシートとしたものである
ことを特徴とする請求項1または2記載の複合材サンド
イッチ構造体。 - 【請求項4】 ポリエーテルイミド樹脂の発泡材から成
るコアを、流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で約4
5%程度含有した未硬化炭素繊維強化エポキシプリプレ
グから成る面板2枚で挾み、これを加熱オーブン内で成
形型上にてプラスチックバックを介して真空吸引するこ
とにより加圧し、加熱硬化成形することを特徴とする複
合材サンドイッチ構造体の製造方法。 - 【請求項5】 ポリエーテルイミド樹脂の発泡材から成
るコアを、流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で約4
5%程度含有した未硬化炭素繊維強化エポキシプリプレ
グから成る面板2枚で挾み、これを加熱オートクレーブ
内で成形型上にてプラスチックバックを介して1気圧以
下の正圧を外部から加圧し、加熱硬化成形することを特
徴とする複合材サンドイッチ構造体の製造方法。 - 【請求項6】 ポリエーテルイミド樹脂の発泡材から成
るコアの密度が、50Kg/m3〜80Kg/m3程度で
あることを特徴とする請求項4または5記載の複合材サ
ンドイッチ構造体の製造方法。 - 【請求項7】 加熱硬化温度が、約180℃程度である
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の複合
材サンドイッチ構造体の製造方法。 - 【請求項8】 流動制御されたエポキシ樹脂を重量比で
約45%程度含有した炭素繊維強化複合材料を面板と
し、ポリエーテルイミド樹脂の発泡材をコアとした複合
材サンドイッチ構造体の損傷発生後の局所修理部に、面
板と同じ樹脂を用いた補修追加積層用の未硬化炭素繊維
強化エポキシプリプレグを当てた上、可撓型の加熱ヒー
ターブランケットを載せ、さらにプラスチックバックを
介して真空吸引することにより加圧及び加熱し、補修追
加積層用の未硬化炭素繊維強化エポキシプリプレグを成
形硬化することを特徴とする複合材サンドイッチ構造体
の補修方法。
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---|---|---|---|
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