JP2002224100A - 医用診断装置 - Google Patents

医用診断装置

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JP2002224100A
JP2002224100A JP2001029926A JP2001029926A JP2002224100A JP 2002224100 A JP2002224100 A JP 2002224100A JP 2001029926 A JP2001029926 A JP 2001029926A JP 2001029926 A JP2001029926 A JP 2001029926A JP 2002224100 A JP2002224100 A JP 2002224100A
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JP2001029926A
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Yoshihiro Inoue
芳浩 井上
Takito Sakai
滝人 酒井
Yoshinori Yamashita
義徳 山下
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数種類のCT画像を作成するためのデータ
処理時間を短縮することができる医用診断装置を提供す
る。 【解決手段】 この発明の医用診断装置は、被検体Mか
ら所定のスライス断面についてのCT画像作成用データ
を得るデータ検出手段と、得られたCT画像作成用デー
タについて画像再構成処理を行って再構成画像を得るデ
ータ処理部17とを備えている医用診断装置において、
このデータ処理部17には、再構成条件が異なる複数種
類の画像再構成処理を並列に実行するように複数個の画
像再構成手段A〜Cが設けられているので、複数種類の
CT画像を作成するためのデータ処理時間を短縮するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線CT装置や
MRI(核磁気断層撮影)装置などのように被検体のコ
ンピュータ断層撮影を行う医用診断装置に係り、特に、
画像再構成条件や画像再処理条件などが異なる複数種類
のCT画像(コンピュータトモグラフィ画像)を作成す
るデータ処理の時間を短縮するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では汎用的な医用診断装置と言って
も過言でないX線CT装置には、図12に示すように、
被検体(患者)MにX線ファンビームFXを照射するX
線管51と、複数個のX線検出素子52aがライン状に
配列されている多チャンネル型X線検出器52とが、被
検体Mを挟んで対向するように配設されている。X線断
層撮影(X線CT撮影)を実行する場合には、被検体M
が載置された天板54を被検体Mの体軸Zの方向(紙面
と垂直な方向)に移動させるとともに、X線管51およ
びX線検出器52を被検体Mの体軸Z周りに回転させな
がら、X線管51からX線ファンビームFXを被検体M
に照射するのに伴ってX線検出器52からX線検出デー
タが出力されるようになっている。さらに、この従来の
X線CT装置は、X線検出器52から出力されたX線検
出データを、図13に示すように、データ収集部55で
収集してX線CT画像作成用データとしてデータ処理部
56に送り込み、このデータ処理部56内の画像再構成
部57や画像再処理部58でデータ処理を行って各種の
X線CT画像を作成して表示用モニタ59に適宜に表示
させるように構成されている。
【0003】すなわち、従来のX線CT装置のデータ処
理部56では、次に説明するようなデータ処理が行われ
る。画像再構成部57は、X線検出器52から出力され
たX線検出データ、すなわち、データ収集部55で収集
されたX線CT画像作成用データについて画像再構成を
行って、スライス断面の2次元画像(2D画像)に相当
する再構成画像を作成する。この画像再構成部57で作
成された再構成画像は、データ処理部56を制御する主
制御部からの指令に応じて、表示用モニタ59に表示さ
れる。また、画像再処理部58は、上記の主制御部から
の指令に応じて、画像再構成部57で作成された複数枚
の再構成画像(再構成画像データ)に基づいて、次に説
明するような各種の画像を作成するための画像再処理を
行い、例えば、3次元画像(3D画像)や断面変換画像
(MPR画像)或いは最大値投影画像(MIP画像)等
としたX線CT画像を作成する。この作成した画像は、
上記の主制御部からの指令に応じて、表示用モニタ59
に表示される。
【0004】最近のX線CT装置は、スキャン速度(X
線管51およびX線検出器52が被検体Mの体軸Z周り
に回転する回転速度)が高速化し、また、X線検出器5
2を、X線検出素子52aがX線ファンビームFXの広
がり方向に複数個配列された配列ラインをX線ファンビ
ームFXの厚み方向(被検体Mの体軸Zの方向)に複数
列(例えば4列)備えたものとすることによりマルチス
ライスが可能となることなどで、広範囲にわたるX線C
T画像作成用データを迅速に、かつ大量に得ることがで
きるので、2D画像だけでなく、3D画像やMPR画像
やMIP画像などの作成に適するようになりつつある。
上述したような複数種類のX線CT画像(2D画像や3
D画像やMPR画像やMIP画像など)を作成して表示
することで、医師も的確な診断を下し易くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のX線CT装置では、複数種類のX線CT画像を作成
するためのデータ処理時間が長いという問題がある。具
体的には、2D画像の再構成画像データに対して、3D
画像やMPR画像あるいはMIP画像などを作成する画
像再処理を行っても、良好な3D画像やMPR画像ある
いはMIP画像などを得ることができないので、各画像
再処理ごとに適した再構成条件で、データ収集部55で
収集されたX線CT画像作成用データを画像再構成し
て、各画像再処理用の再構成画像データを得る必要があ
る。このように、3D画像やMPR画像あるいはMIP
画像などの作成の基になる各画像再処理用の再構成画像
データは、互いに異なるし、また2D画像の再構成画像
データとも違うものなる。
【0006】すなわち、画像再構成部57は、主制御部
より送られてくる指令に従って再構成条件を変えなが
ら、再構成条件の異なる複数種類の画像再構成をシリア
ル(直列)に行って、必要な各再構成画像データを順番
に作成していくのであるが、3D画像やMPR画像ある
いはMIP画像の作成の基になる各画像再処理用の再構
成画像データを順番に得るための画像再構成は、普通、
X線CT画像作成用データのデータ処理量が膨大である
ことから、データ処理に時間を要し、画像再構成につい
てのデータ処理時間が長くなってしまう。
【0007】また、画像再処理部58は、主制御部より
送られてくる指令に従って再処理条件を変えながら、再
処理条件の異なる複数種類の画像再処理をシリアル(直
列)に実行して、X線CT画像である各種の再処理画像
を順に作成していくのであるが、画像再構成部57で得
られた3D画像やMPR画像あるいはMIP画像の作成
の基になる各画像再処理用の再構成画像データに対し
て、順番にそれぞれの画像再処理をシリアル(直列)に
行うとなると、データ処理量も膨大であることから、デ
ータ処理に時間を要し、画像再処理についてのデータ処
理時間も長くなってしまう。
【0008】この発明は、上記の事情に鑑み、複数種類
のCT画像を作成するためのデータ処理時間を短縮する
ことができる医用診断装置を提供することを課題とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明に係る医用診断装置は、被検
体から所定のスライス断面についてのCT画像作成用デ
ータを得るデータ検出手段と、得られたCT画像作成用
データについて画像再構成処理を行って再構成画像を得
るデータ処理手段とを備えている医用診断装置におい
て、前記データ処理手段には、再構成条件が異なる複数
種類の画像再構成処理を並列に実行するように複数個の
画像再構成手段が設けられていることを特徴とするもの
である。
【0010】また、請求項2に記載の発明に係る医用診
断装置は、被検体から所定のスライス断面についてのC
T画像作成用データを得るデータ検出手段と、得られた
CT画像作成用データについて画像再構成処理を行って
再構成画像を得るとともに、この得られた再構成画像に
ついて画像再処理を行うデータ処理手段とを備えている
医用診断装置において、前記データ処理手段には、再処
理条件が異なる複数種類の画像再処理を並列に実行する
ように複数個の画像再処理手段が設けられていることを
特徴とするものである。
【0011】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の医用診断装置において、前記デ
ータ検出手段は、X線ビームを被検体に照射するX線照
射手段と、多数のX線検出素子がX線ビームの広がり方
向にライン状に配列されているとともにX線ビームの照
射に伴ってX線検出データを出力するX線検出手段と、
前記X線照射手段および前記X線検出手段と被検体とを
この被検体の体軸の方向に相対的に移動させる位置移動
手段とを備え、前記X線検出手段から出力されたX線検
出データをX線CT画像作成用データとして前記データ
処理手段へ送り込むように構成されていることを特徴と
するものである。
【0012】〔作用〕次に、この発明の医用診断装置の
作用について説明する。請求項1の発明の医用診断装置
による断層撮影の場合、データ検出手段によって、被検
体から所定のスライス断面についてのCT画像作成用デ
ータが得られる。データ処理手段に設けられた複数個の
画像再構成手段は、データ検出手段で得られたCT画像
作成用データについて、再構成条件が異なる複数種類の
画像再構成処理を並列に実行する。
【0013】すなわち、従来例の場合は、再構成条件が
異なる複数種類の画像再構成処理をシリアル(直列)に
行っており、全ての種類の画像再構成処理を実行するの
にかかる時間は、再構成条件が異なる各画像再構成処理
の個別実行時間を全て合計した時間となるが、請求項1
に記載の発明の医用診断装置の場合は、再構成条件が異
なる複数種類の画像再構成処理をパラレル(並列)に行
うので、全ての種類の画像再構成処理を実行するのにか
かる時間は、再構成条件が異なる各画像再構成処理の個
別実行時間の中の最長時間と略等しい時間となるので、
全ての種類の画像再構成処理の実行時間が短くなり、そ
の分、複数種類のCT画像を作成するためのデータ処理
時間を短縮することができる。
【0014】さらに、請求項2に記載の発明の医用診断
装置による断層撮影の場合、データ検出手段によって、
被検体から所定のスライス断面についてのCT画像作成
用データが得られ、さらに、データ処理手段によって、
データ検出手段で得られたCT画像作成用データについ
て、画像再構成処理が実行されて再構成画像が得られ
る。このデータ処理手段に設けられた複数の画像再処理
手段は、得られた再構成画像について、再処理条件が異
なる複数種類の画像再処理を並列に実行する。
【0015】すなわち、従来例の場合は、再処理条件が
異なる複数種類の画像再処理をシリアル(直列)に行っ
ており、全ての種類の画像再処理を実行するのにかかる
時間は、再処理条件が異なる各画像再処理の個別実行時
間を全て合計した時間となるが、請求項2に記載の発明
の画像診断装置の場合は、再処理条件が異なる複数種類
の画像再処理をパラレル(並列)に行うので、全ての種
類の画像再処理を実行するのにかかる時間は、再処理条
件が異なる各画像再処理の個別実行時間の中の最長時間
と略等しい時間となるので、全ての種類の画像再処理の
実行時間が短くなり、その分、複数種類のCT画像を作
成するためのデータ処理時間を短縮することができる。
【0016】また、請求項3に記載の発明の医用診断装
置の場合、データ検出手段からX線検出データがX線C
T画像作成用データとしてデータ処理手段へ送り込まれ
て、データ処理手段で画像再構成あるいは画像再処理な
どが行われて、複数種類のX線CT画像が作成される。
【0017】
【発明の実施の形態】続いて、この発明の医用診断装置
に係る一実施例としてのX線CT装置について、図面を
参照しながら説明する。
【0018】(第1実施例)図1はこの発明の医用診断
装置に係る第1実施例のX線CT装置の全体構成を示す
ブロック図であり、図2は第1実施例のX線CT装置の
撮像系の概略構成を示す模式図である。
【0019】この第1実施例のX線CT装置は、X線フ
ァンビームFXを被検体Mに照射するX線管1と、複数
個のX線検出素子2aがX線ファンビームFXの広がり
方向(横への広がり)にライン状に配列されているとと
もにX線ファンビームFXの照射に伴ってX線検出デー
タ(プロファイルデータ)を出力する多チャンネル型の
X線検出器2とが被検体Mを挟んで対向配置されている
X線撮像機構3と、X線管1およびX線検出器2を対向
配置状態を維持したまま被検体Mの体軸Z周りに回転さ
せる撮像機構回転駆動部4とを備えている。このX線撮
像機構3と撮像機構回転駆動部4とはガントリGに配設
されている。また、このX線CT装置は、被検体Mを載
置したまま被検体Mの体軸Zの方向(紙面と垂直な方
向)に往復移動してガントリGを出入りする天板5を備
えている。このX線CT装置は、X線断層撮影を実行す
る場合、被検体Mを載置した天板5を被検体Mの体軸Z
の方向(紙面と垂直な方向)に移動させるとともに、X
線管1およびX線検出器2を被検体Mの体軸Z周りに回
転させながら、X線管1からX線ファンビームFXを被
検体Mに照射するのに伴ってX線検出器2から出力され
るスライス断面のX線検出データについて後述するよう
なデータ処理を行って各種のX線CT画像を作成するよ
うに構成されている。以下、第1実施例のX線CT装置
の各部構成を具体的に説明する。
【0020】X線撮像機構3は、図1に示すように、ガ
ントリGの内側におけるX線管1の前方の位置にX線ビ
ーム整形用のコリメータ1aを備えている。このコリメ
ータ1aによってX線管1から放出されるX線ビームが
所望のファン(扇状)の形に整えられる構成となってい
る。また、例えば、ガントリGの開口前縁の右と真上の
位置には、被検体Mにおける撮影基準位置を決める(天
板5における基準位置を設定する)ための投光器L1,
L2が配設されている。
【0021】第1実施例のX線CT装置は、例えば、マ
ルチスライスタイプのX線検出器2を採用している。こ
のX線検出器2は、X線ファンビームFXの広がり方向
にライン状に複数個配列されているX線検出素子2aか
らなるX線検出素子配列ライン2Aが1列ではなく、図
2および図3に示すように、X線検出素子配列ライン2
AがX線ファンビームFXの厚み方向(被検体Mの体軸
Zの方向)に隣接して続くように例えば4列配設されて
いる。したがって、一度に4スライス面のX線検出デー
タを得ることができるので、第1実施例の装置は、より
多くのX線CT画像作成用データを迅速に収集するのに
好適な装置となっている。なお、各X線検出素子配列ラ
イン2Aにおけるチャンネル数(X線検出素子2aの
数)は、通常、約1000前後であり、第1実施例の場
合は1000チャンネルとする。
【0022】さらに、X線検出器2の場合、図3の中に
一点鎖線で囲んだ箇所に示すように、各X線検出素子2
aは、被検体Mの体軸Zの方向に隣接して続くように配
設された4個のミニX線検出素子2a1 からなり、通常
は4個のミニX線検出素子2a1 の合計出力が1個のX
線検出データとして収集されるように構成されている。
したがって、各X線検出素子配列ライン2A毎に4列ず
つ、全体として16列のミニX線検出素子2a1 の配列
ラインが設けられていることになる。加えて、X線検出
器2では、4列のX線検出素子配列ライン2Aの中の1
列だけを使って、4個のミニX線検出素子2a1 の個別
出力が1個のX線検出データとして収集されるようにも
構成されている。つまり、4列のX線検出素子配列ライ
ン2Aに代えて、隣接する4列のミニX線検出素子2a
1 の配列ラインによって、さらに細かなピッチでX線C
T画像作成用データの検出も行える構成となっているの
である。なお、ミニX線検出素子2a1 の配列ラインを
用いてデータの検出を行う場合には、コリメータ1aに
よってX線管1から放出されるX線ファンビームFXの
厚みをX線検出素子配列ライン2Aの1列分の幅まで狭
める調整が行われる。
【0023】撮像機構回転駆動部4は、図1に示すよう
に、モータ6の回転力がプーリ7およびベルト8を介し
て伝達されるのに伴って回転リング9を回転させるよう
に構成されている。X線撮像機構3のX線管1およびX
線検出器2は、回転リング9に固定されており、モータ
6の正転又は逆転により回転リング9が連動して回転す
るのに従い、X線管1とX線検出器2とが被検体Mの体
軸Z周りに回転する。なお、この撮像機構回転駆動部4
は、撮影機構制御部10のコントロールにより必要な回
転駆動動作を実行するよう構成されている。
【0024】また、照射制御部11は、主制御部15か
らの設定照射条件に従って、X線管1の高電圧発生器1
1aの管電圧・管電流等を制御する。X線管1からのX
線ファンビームFXの照射に伴ってX線検出器2から出
力されるX線検出データは、データ収集部(DAS)1
3により収集されてディジタル変換された上で後段へ出
力される。
【0025】さらに、天板5は、天板駆動部12のコン
トロールにより被検体Mの体軸Zの方向に往復移動させ
られる構成となっている。したがって、天板5と天板駆
動部12とにより、X線管1およびX線検出器2と被検
体Mとをこの被検体Mの体軸Zの方向に相対的に移動さ
せる本発明の位置移動手段が構成されていることにな
る。なお、撮影機構制御部10や照射制御部11あるい
は天板駆動部12のコントロールは、操作卓やマウスな
どの入力用機器14等からの入力操作や撮影進行状況に
応じて主制御部15から適時に送出される指令信号など
に従って実行される。
【0026】さらに、この第1実施例のX線CT装置
は、データ収集部13の後段において、データ収集部1
3で収集されたディジタル信号のX線検出データに対し
て各X線検出素子2a間の感度のバラツキ等による誤差
を補正するデータ前処理部16と、このデータ前処理部
16による前処理済のX線検出データに基づきX線CT
画像を作成するデータ処理を行うデータ処理部17と、
入力用機器14等からの入力操作などに応じて主制御部
15から出される指令等に従ってX線CT画像を表示す
る表示用モニタ18と、X線CT画像をシートに印刷し
て出力する画像焼付け器19とを備えている。なお、こ
の主制御部15は、入力用機器14等からの入力操作な
どに応じて、本X線CT装置の各構成の動作を制御する
ためのものである。
【0027】そして、このデータ処理部17には、デー
タ前処理部16で感度バラツキ補正されたX線検出デー
タ(X線CT画像作成用データ)について、再構成条件
が異なる複数種類(例えば3種類)の画像再構成処理を
パラレル(並列)に実行するように複数個(例えば3
個)の画像再構成部A〜Cが設けられている。さらに、
このデータ処理部17には、画像再構成部B,Cで得ら
れる各再構成画像データについて、再処理条件が異なる
複数種類(例えば2種類)の画像再処理をシリアル(直
列)に実行する画像再処理部20が設けられている。特
に、再構成条件が異なる3種類の画像再構成をパラレル
(並列)に実行するように3個の画像再構成部A〜Cを
備えた点が、本発明の構成上の顕著な特徴となってい
る。
【0028】3個の画像再構成部A〜Cのそれぞれは、
図4に示すように、データ前処理部16から出力される
前処理済のX線検出データ(X線CT画像作成用デー
タ)を処理に必要な期間格納しておくX線検出データメ
モリ21と、再構成画像にいわゆるボケが生じることを
阻止するなどの目的で画像再構成に用いられる再構成関
数や演算ピッチなどを設定する再構成条件設定部22
と、この再構成条件設定部22に設定されている再構成
条件に従ってX線検出データの畳み込み積分を行う畳み
込み積分部23と、畳み込み積分結果を逆投影してX線
CT画像用の再構成画像(スライス断面を示す2次元
(2D)画像)を作成する逆投影部24と、得られた再
構成画像データを記憶する再構成画像データメモリ25
とを備えている。
【0029】なお、各画像再構成部A〜CのX線検出デ
ータメモリ21へのX線検出データの配信は、例えば、
インサーネットのマルチキャストによるパラレル・デー
タバス方式で行ってもよいし、ディジーチェーンによる
シリアル・データバス方式で行ってもよい。
【0030】また、各画像再構成部A〜Cには、主制御
部15から適時にそれぞれの再構成条件情報が送り込ま
れて、異なる再構成条件が各再構成条件設定部22にそ
れぞれ設定されるようになっている。各画像再構成部A
〜Cへの再構成条件情報の配信方式は、図1に示すよう
に画像再構成部A〜Cにパラレル(並列)に再構成条件
情報が一斉配信される方式でもよいし、画像再構成部A
〜Cを順に通る経路で再構成条件情報がシリアル(直
列)に直列配信される方式であってもよい。
【0031】画像再処理部20は、図5に示すように、
画像再構成部B,Cで画像再構成処理されて出力された
それぞれの再構成画像データを処理に必要な期間格納し
ておく再構成画像データメモリ26と、再処理の種類な
どを設定する再処理条件設定部27と、再処理条件設定
部27に設定されている再処理条件に従って再構成画像
データに対する画像再処理を実行して再処理画像を作成
する画像再処理実行部28と、作成された再処理画像デ
ータを記憶する再処理画像データメモリ29とを備えて
いる。また、画像再処理部20の再処理条件設定部27
は、主制御部15から適時に再処理条件情報が送り込ま
れて再処理条件が設定されるようになっている。
【0032】画像再処理部20で実行される再処理画像
の種類としては、例えば、3次元画像(3D画像)や断
面変換画像(MPR画像)或いは最大値投影画像(MI
P画像)等が例示されるが、これらに限られるものでは
ない。例えば、この3D画像とは、複数枚の2D画像を
データ処理して得られる立体的画像のことである。ま
た、MPR(multi planar reconstruction) 画像とは、
複数枚の2D画像をデータ処理して得られる異なった角
度のスライス断面を示す画像のことである。また、MI
P(maximum intensity projection)画像とは、複数枚の
2D画像からなる3次元ボリュームデータをMIP処理
(最大値投影処理)して得られた投影画像のことであ
り、例えば、血流が高信号となるように撮像したデータ
をMIP処理すれば、血流の投影画像が得られる。
【0033】また、画像再処理部20は、画像再処理を
実行する前に、その実行しようとする画像再処理に応じ
た再処理条件情報が再処理条件設定部27に送り込まれ
て、各種の再処理条件が逐次変更されながら、種類の異
なる画像再処理がシリアル(直列)に実行されるように
構成されている。勿論、画像再処理部20内の再構成画
像データメモリ26は、画像再構成部B,Cからの再構
成画像データを両方とも記憶できるよう構成されてい
る。また、画像再処理部20内の再処理画像データメモ
リ29は、画像再処理実行部28で作成された種類の異
なる再処理画像を全て記憶することができるよう構成さ
れている。
【0034】つまり、X線断層撮影の場合、最終的に得
ようとするX線CT画像の種類によって、画像再構成に
おける再構成条件が異なることが多いので、第1実施例
装置のデータ処理部17は、例えば、再処理画像の種類
がMPR画像とMIP画像であるとすると、画像再構成
部Aによる2D画像用の画像再構成処理と、画像再構成
部BによるMPR画像用の画像再構成処理と、画像再構
成部CによるMIP画像用の画像再構成処理とを、パラ
レル(並列)に実行するよう構成されている。なお、最
終的に作成される各種のX線CT画像は、表示用モニタ
18により複数のX線CT画像が順次ないし同時に画面
表示されたり、画像焼付け器19により複数のX線CT
画像が順次ないし同時に印刷表示される。
【0035】続いて、以上に述べた構成を有する第1実
施例のX線CT装置によるX線断層撮影の進行プロセス
を、図面を参照しながら説明する。図6は第1実施例装
置によるX線断層撮影の際の進行プロセスを示すフロー
チャートである。
【0036】以下の説明では、被検体Mは天板5に載せ
られて撮影位置へセットされており、画像再構成部Aは
2D画像用の画像再構成処理を、画像再構成部BはMP
R画像用の画像再構成処理を、画像再構成部CはMIP
画像用の画像再構成処理をそれぞれ実行し、画像再処理
部20はMPR画像の作成を先に行うように、再構成条
件および再処理条件がデータ処理部17に設定された段
階から説明することとする。
【0037】〔ステップS1〕オペレータが入力用機器
14からX線断層撮影の開始指令を入力すると、天板5
を被検体Mの体軸Mの方向に移動させるとともに、X線
管1およびX線検出器2を被検体Mの体軸M周りに回転
させながら、X線管1からX線ファンビームFXを被検
体Mに照射するのに伴ってX線検出器2からX線検出デ
ータが出力されて、この出力されたX線検出データはデ
ータ収集部13によって収集される。このデータ収集部
13に収集されたX線検出データは、データ前処理部1
6によって、各X線検出素子2a間の感度バラツキ補正
されて、X線CT画像作成用データとして各画像再構成
部A〜Cにパラレル(並列)に配信されてそれぞれのX
線検出データメモリ21に格納される。
【0038】〔ステップS2〕画像再構成部A〜Cは、
それぞれのX線検出データメモリ21に格納されたX線
CT画像作成用データについて、それぞれの画像再構成
処理を実行し、3種類の画像再構成処理がパラレル(並
列)に実行される。画像再構成部A〜Cのそれぞれで画
像再構成処理することで得られた再構成画像データは各
再構成画像データメモリ25に格納される。なお、画像
再構成部Aで画像再構成処理して得られた再構成画像デ
ータは通常のスライス断面の2D画像として記憶され
る。
【0039】〔ステップS3〕画像再構成部B,Cで画
像再構成処理することで得られた両再構成画像データ
は、画像再処理部20の再構成画像データメモリ26に
配信される。
【0040】〔ステップS4〕画像再処理部20の画像
再処理実行部28は、画像再構成部Bからの再構成画像
データ、すなわち、好適なMPR画像を得れるように画
像再構成処理された再構成画像データについて、MPR
画像を作成するための画像再処理を実行してMPR画像
を作成して、この作成したMPR画像を再処理画像デー
タメモリ29に先ず記憶させる。
【0041】〔ステップS5〕そして、画像再処理部2
0の再処理条件設定部27の設定条件をMIP画像作成
用の再処理条件に変更する。
【0042】〔ステップS6〕画像再処理部20の画像
再処理実行部28は、画像再構成部Cからの再構成画像
データ、すなわち、好適なMIP画像を得れるように画
像再構成処理された再構成画像データについて、MIP
画像を作成するための画像再処理を実行してMIP画像
を作成して、この作成したMIP画像を再処理画像デー
タメモリ29に記憶させる。
【0043】〔ステップS7〕画像再構成部Aの再構成
画像データメモリ25に記憶されている2D画像および
画像再処理部20の再処理画像データメモリ29に記憶
されているMPR画像とMIP画像とが、必要に応じて
表示用モニタ18の画面に表示されたり、画像焼付け器
19でシートに印刷されて出力されるとX線断層撮影は
完了となる。
【0044】以上に詳述したように、第1実施例のX線
CT装置によれば、複数個の画像再構成部(例えば、3
個の画像再構成部A〜C)によって、データ収集部13
からのX線検出データ(X線CT画像作成用データ)に
ついて、再構成条件の異なる複数種類(例えば3種類)
の画像再構成処理がパラレル(並列)に実行されるの
で、全ての種類(例えば3種類)の画像再構成処理を実
行するのにかかる時間は、再構成条件の異なる各画像再
構成処理の個別実行時間を全て合計した時間ではなく、
事実上、個別実行時間の中の最長時間と略等しい時間ま
で短くすることができ、その結果、複数種類(例えば3
種類)のX線CT画像を作成するためのデータ処理時間
を十分に短縮することができる。
【0045】(第2実施例)続いて、この発明に係る第
2実施例のX線CT装置について説明する。図7は第2
実施例のX線CT装置のデータ処理部17Aの構成を示
すブロック図である。第2実施例のX線CT装置のデー
タ処理部17Aには、図7に示すように、画像再処理部
20が全く設けられておらず、最終的に得られるX線C
T画像が全て再構成画像である他は、前述の第1実施例
と同様に構成されているので、その構成の相違点のみを
説明し、共通点の説明は省略するものとする。
【0046】第2実施例のX線CT装置は、画像再構成
部A〜Cにより、例えば、被検体Mの異なる部位(例え
ば、頭部,肺部,腹部)をそれぞれ異なる再構成条件で
画像再構成する場合に適する。即ち、厳密に言えば、被
検体Mの部位によって適合する再構成条件は異なる。例
えば、頭部の場合は骨の細部輪郭が明瞭な画像になるよ
うな再構成条件が適当であり、また肺部の場合はシャー
プな感じの画像となるような再構成条件が適当であり、
さらに腹部の場合は癌(腫瘍)などの病変部が目立つス
ムーズな画像となるような再構成条件が適当であると考
えられる。仮に、各部位をそれぞれに適した再構成条件
でシリアル(直列)に画像再構成処理すると非常に時間
がかかることになるが、第2実施例のX線CT装置によ
れば、各部位をそれぞれに適した再構成条件でパラレル
(並列)に画像再構成処理することができるので、全て
の部位が適切に再構成されたX線CT画像を迅速に得る
ことができる。
【0047】また、同一の部位であっても、部位の種類
(例えば肺部)や検査目的によっては、異なる再構成条
件で作成した再構成画像を比較することが好ましい場合
もある。このような場合、第2実施例のX線CT装置に
よれば、同一部位を再構成条件の異なる複数種類の画像
再構成処理をパラレル(並列)に実行することができ、
同一部位について複数種類の再構成画像を迅速に作成す
ることができる。
【0048】(第3実施例)次に、この発明に係る第3
実施例のX線CT装置について説明する。図8は第3実
施例のX線CT装置のデータ処理部17Bの構成を示す
ブロック図である。第3実施例のX線CT装置の場合、
図8に示すように、データ処理部17Bに、再構成条件
の異なる画像再構成をシリアル(直列)に実行する1個
の画像再構成部30と、再処理条件の異なる画像再処理
をパラレル(並列)に実行する複数個(例えば2個)の
画像再処理部a,bとが設けられている他は、前述の第
1実施例と同様に構成されているので、その構成の相違
点のみを説明し、共通点の説明は省略するものする。
【0049】データ処理部17Bの画像再構成部30
は、図4に示した前述の第1実施例の各画像再構成部A
〜Cと同様に、X線検出データメモリ21と再構成条件
設定部22と畳み込み積分部23と逆投影部24と再構
成画像データメモリ25とを備えているが、この第3実
施例の画像再構成部30における再構成条件設定部22
と再構成画像データメモリ25とは、次に説明するよう
に、前述の第1実施例の再構成条件設定部22と再構成
画像データメモリ25とは異なっている。第3実施例の
再構成条件設定部22は、画像再構成処理を実行する前
にその実行しようとする画像再構成の種類に応じた再構
成条件情報が送り込まれて再構成条件がその都度変更さ
れながら各画像再構成処理を実行するように構成されて
いる。また、第3実施例の再構成画像データメモリ25
は、再構成条件設定部22と畳み込み積分部23と逆投
影部24などによって、種類の異なる画像再構成処理で
得られた全ての再構成画像データを記憶するように構成
されている。
【0050】そして第3実施例のX線CT装置の場合、
データ処理部17Bの両画像再処理部a,bが、画像再
構成部30で得られる再構成画像データについて、再処
理条件の異なる画像再処理をパラレル(並列)に実行す
る点が本発明の構成上の顕著な特徴となっている。各画
像再処理部a,bには、主制御部15から再処理条件情
報が送り込まれて、異なる再処理条件が各再処理条件設
定部27にそれぞれ設定されるようになっている。各画
像再処理部a,bへの再処理条件情報の配信方式も、画
像再処理部a,bに再処理条件情報がパラレル(並列)
に一斉配信される方式でもよいし、画像再処理部a,b
を順に通る経路で再処理条件情報がシリアル(直列)に
直列配信される方式であってもよい。
【0051】続いて、以上に述べた構成を有する第3実
施例のX線CT装置によるX線断層撮影の進行プロセス
を、図面を参照しながら説明する。図9は第3実施例装
置によるX線断層撮影の際の進行プロセスを示すフロー
チャートである。
【0052】以下の説明では、被検体Mは天板5に載せ
られて撮影位置へセットされており、画像再構成部30
は、MPR画像作成用の画像再構成を最初に行い、次に
MIP画像作成用の画像再構成を行い、最後に2D画像
作成用の画像再構成を行い、画像再処理部aはMPR画
像用の画像再処理を、画像再処理部bはMIP画像用の
画像再処理をそれぞれ行うように、再構成条件や再処理
条件がデータ処理部17Bに設定された段階から説明す
るものとする。
【0053】〔ステップS11〕オペレータが入力用機
器14からX線断層撮影の開始指令を入力すると、天板
5を被検体Mの体軸Mの方向に移動させるとともに、X
線管1およびX線検出器2を被検体Mの体軸M周りに回
転させながら、X線管1からX線ファンビームFXを被
検体Mに照射するのに伴ってX線検出器2からX線検出
データが出力されて、この出力されたX線検出データは
データ収集部13によって収集される。このデータ収集
部13に収集されたX線検出データは、データ前処理部
16によって、各X線検出素子2a間の感度バラツキ補
正されて、X線CT画像作成用データとして画像再構成
部30に配信されてこの画像再構成部30のX線検出デ
ータメモリ21に格納される。
【0054】〔ステップS12〕画像再構成部30は、
直ちに、X線検出データメモリ21に格納されたX線C
T画像作成用データについて、MPR画像作成用の再構
成条件に従ってMPR画像用の画像再構成処理を実行す
る。得られたMPR画像用の再構成画像データは、再構
成画像データメモリ25に格納される。
【0055】〔ステップS13〕次に、画像再構成部3
0の再構成条件設定部22の設定条件をMIP画像作成
用の再構成条件に変更する。
【0056】〔ステップS14〕画像再構成部30は、
直ちに、X線検出データメモリ21に格納されたX線C
T画像作成用データについて、MIP画像作成用の再構
成条件に従ってMIP画像用の画像再構成を実行する。
得られたMIP画像用の再構成画像データは、再構成画
像データメモリ25に格納される。
【0057】〔ステップS15〕次に、画像再構成部3
0の再構成条件設定部22の設定条件を2D画像作成用
の再構成条件に変更する。
【0058】〔ステップS16〕画像再構成部30は、
直ちに、X線検出データメモリ21に格納されたX線C
T画像作成用データについて、2D画像作成用の再構成
条件に従って2D画像用の画像再構成を実行する。得ら
れた2D画像用の再構成画像データは、再構成画像デー
タメモリ25に格納される。
【0059】〔ステップS17〕画像再構成部30で得
られたMPR画像用の再構成画像データは画像再処理部
aの再構成画像データメモリ26に配信され、画像再構
成部30で得られたMIP画像用の再構成画像データは
画像再処理部bの再構成画像データメモリ26に配信さ
れる。そして、各画像再処理部a,bは、次に説明する
ようにそれぞれの再処理を同時に並列して実行する。具
体的には、画像再処理部aは、直ちに、再構成画像デー
タメモリ26のMPR画像用の再構成画像データについ
て、MPR画像を作成するための再処理条件に従って画
像再処理を実行してMPR画像を作成し、この作成した
MPR画像を画像再処理部aの再処理画像データメモリ
29に記憶させる。画像再処理部bは、直ちに、再構成
画像データメモリ26のMIP画像用の再構成画像デー
タについて、MIP画像を作成するための再処理条件に
従って画像再処理を実行してMIP画像を作成し、この
作成したMIP画像を画像再処理部bの再処理画像デー
タメモリ29に記憶させる。
【0060】〔ステップS18〕画像再構成部30の再
構成画像データメモリ25に記憶されている2D画像お
よび画像再処理部a,bの各再処理画像データメモリ2
9に記憶されているMPR画像とMIP画像が、必要に
応じて表示用モニタ18の画面に表示されたり、画像焼
付け器19でシートに印刷されて出力されるとX線断層
撮影は完了となる。
【0061】以上に詳述したように、第3実施例のX線
CT装置によれば、複数個の画像再処理部(例えば、2
個の画像再処理部a,b)によって、再構成画像データ
について、再処理条件の異なる複数種類(例えば2種
類)の画像再処理がパラレル(並列)に実行されるの
で、全ての種類(例えば2種類)の画像再処理を実行す
るのにかかる時間は、再処理条件の異なる各画像再処理
の個別実行時間を全て合計した時間ではなく、事実上、
個別実行時間の中の最長時間と略等しい時間まで短くす
ることができ、その結果、複数種類(例えば2種類)の
X線CT画像を作成するためのデータ処理時間を十分に
短縮することができる。このように、第3実施例のX線
CT装置は、例えば、画像再構成を実行するのにかかる
時間が比較的短くて、画像再処理を実行するのにかかる
時間が非常に長いようなX線断層撮影を行う場合に適し
ている。
【0062】(第4実施例)続いて、この発明に係る第
4実施例のX線CT装置について説明する。図10は第
4実施例のX線CT装置のデータ処理部17Cの構成を
示すブロック図である。第4実施例のX線CT装置の場
合、図10に示すように、データ処理部17Cには、再
構成条件が異なる複数種類の画像再構成処理をパラレル
(並列)に実行するための複数個(例えば3個)の画像
再構成部A〜Cと、再処理条件が異なる複数種類の画像
再処理をパラレル(並列)に実行するための複数個(例
えば2個)の画像再処理部a,bとが設けられている他
は、前述の第1実施例と同様に構成されているので、そ
の構成の相違点のみを説明し、共通点の説明は省略する
ものとする。
【0063】データ処理部17Cでは、複数個(例えば
3個)の画像再構成部A〜Cによって、再構成条件の異
なる複数種類(例えば3種類)の画像再構成処理がパラ
レル(並列)に実行されるので、全ての種類(例えば3
種類)の画像再構成処理を実行するのにかかる時間は、
再構成条件の異なる各画像再構成処理の個別実行時間の
中の最長時間と略等しい時間まで短くすることができる
し、複数個(例えば2個)の画像再処理部a,bによっ
て、再処理条件の異なる画像再処理がパラレル(並列)
に実行されるので、全ての種類(例えば2種類)の画像
再処理を実行するのにかかる時間は、再処理条件の異な
る各画像再処理の個別実行時間の中の最長時間と略等し
い時間まで短くすることができるので、前述の第1〜第
3実施例と比べて、複数種類のX線CT画像を作成する
ためのデータ処理時間を最も短縮することができる。
【0064】この発明は、上記実施の形態に限られるこ
とはなく、下記のように変形実施することができる。
【0065】(1)上述した各実施例装置では、図1に
示すように表示用モニタ18の個数を1個としている
が、例えば、図11に示すように、複数個(例えば3
個)の表示用モニタ18A〜18Cを設け、各種のX線
CT画像などを個別に各表示用モニタ18A〜18Cに
表示するように構成した装置が、変形例として挙げられ
る。
【0066】(2)上述した各実施例装置では、X線検
出素子配列ライン2Aが4列設けられているマルチスラ
イスタイプの装置であったが、この発明のX線CT装置
は、X線検出素子配列ライン2Aが4列以外の複数列あ
るマルチスライスタイプの装置でもよいし、X線検出素
子配列ライン2Aが1列だけのシングルスライスタイプ
の装置であってもよい。
【0067】(3)上述した各実施例装置では、データ
処理部に3個の画像再構成部を設けているが、データ処
理部に複数設ける画像再構成部の数は3個に限らず、2
個あるいは4個以上であってもよい。また、データ処理
部に2個の画像再処理部を設けているが、データ処理部
に複数設ける画像再処理部の数も2個に限らず、3個以
上であってもよい。
【0068】(4)この発明の医用診断装置は、実施例
のようなX線CT装置に限られることはなく、例えばM
RI装置などのX線を使わない装置であってもよい。
【0069】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1に記載
の発明の医用診断装置によれば、CT画像作成用データ
について画像再構成処理を行って再構成画像を得るデー
タ処理手段には、再構成条件が異なる複数種類の画像再
構成処理を並列に実行するように複数個の画像再構成手
段が設けられているので、全ての種類の画像再構成処理
を実行するのにかかる時間は、再構成条件の異なる各画
像再構成処理の個別実行時間を全て合計した時間ではな
く、事実上、個別実行時間の中の最長時間と略等しい時
間まで短くすることができ、その分、複数種類のCT画
像を作成するためのデータ処理時間を短縮することがで
きる。
【0070】また、請求項2に記載の発明の医用診断装
置によれば、CT画像作成用データについて画像再構成
処理を行って再構成画像を得るとともに、この得られた
再構成画像について画像再処理を行うデータ処理手段に
は、再処理条件が異なる複数種類の画像再処理を並列に
実行するように複数個の画像再処理手段が設けられてい
るので、全ての種類の画像再処理を実行するのにかかる
時間は、再処理条件の異なる各画像再処理の個別実行時
間を全て合計した時間ではなく、個別実行時間の中の最
長時間と略等しい時間まで短くすることができ、その
分、複数種類のCT画像を作成するためのデータ処理時
間を短縮することができる。
【0071】また、請求項3に記載の発明の医用診断装
置によれば、データ検出手段は、X線ビームを被検体に
照射するX線照射手段と、多数のX線検出素子がX線ビ
ームの広がり方向にライン状に配列されているとともに
X線ビームの照射に伴ってX線検出データを出力するX
線検出手段と、X線照射手段およびX線検出手段と被検
体とをこの被検体の体軸の方向に相対的に移動させる位
置移動手段とを備え、X線検出手段から出力されたX線
検出データをX線CT画像作成用データとしてデータ処
理手段へ送り込むように構成されているので、複数種類
のX線CT画像を作成するためのデータ処理時間を短縮
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のX線CT装置の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図2】第1実施例のX線CT装置における撮像系の概
略構成を示す模式図である。
【図3】第1実施例のX線CT装置のX線検出器におけ
るX線検出素子の配列状態を示す平面図である。
【図4】第1実施例のX線CT装置の画像再構成部の構
成を示すブロック図である。
【図5】第1実施例のX線CT装置の画像再処理部の構
成を示すブロック図である。
【図6】第1実施例のX線CT装置によるX線断層撮影
の進行状況を示すフローチャートである。
【図7】第2実施例のX線CT装置のデータ処理部の構
成を示すブロック図である。
【図8】第3実施例のX線CT装置のデータ処理部の構
成を示すブロック図である。
【図9】第3実施例のX線CT装置によるX線断層撮影
の進行状況を示すフローチャートである。
【図10】第4実施例のX線CT装置のデータ処理部の
構成を示すブロック図である。
【図11】変形実施例のX線CT装置のデータ処理部と
表示用モニタとの構成を示すブロック図である。
【図12】従来のX線CT装置の撮像系の概略構成を示
す模式図である。
【図13】従来のX線CT装置のデータ処理系の概略構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 …X線管(データ検出手段の一部のX
線照射手段) 2 …X線検出器(データ検出手段の一部
のX線検出手段) 2a …X線検出素子 5 …天板(位置移動手段の一部) 12 …天板駆動部(位置移動手段の一部) 17 …データ処理部(データ処理手段) 17A〜17C …データ処理部(データ処理手段) A〜C …画像再構成部(画像再構成手段) a,b …画像再処理部(画像再処理手段) FX …X線ファンビーム M …被検体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 義徳 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所内 Fターム(参考) 4C093 AA22 BA03 CA28 FE26 4C096 AB26 DB14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体から所定のスライス断面について
    のCT画像作成用データを得るデータ検出手段と、得ら
    れたCT画像作成用データについて画像再構成処理を行
    って再構成画像を得るデータ処理手段とを備えている医
    用診断装置において、前記データ処理手段には、再構成
    条件が異なる複数種類の画像再構成処理を並列に実行す
    るように複数個の画像再構成手段が設けられていること
    を特徴とする医用診断装置。
  2. 【請求項2】 被検体から所定のスライス断面について
    のCT画像作成用データを得るデータ検出手段と、得ら
    れたCT画像作成用データについて画像再構成処理を行
    って再構成画像を得るとともに、この得られた再構成画
    像について画像再処理を行うデータ処理手段とを備えて
    いる医用診断装置において、前記データ処理手段には、
    再処理条件が異なる複数種類の画像再処理を並列に実行
    するように複数個の画像再処理手段が設けられているこ
    とを特徴とする医用診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の医用診
    断装置において、前記データ検出手段は、X線ビームを
    被検体に照射するX線照射手段と、多数のX線検出素子
    がX線ビームの広がり方向にライン状に配列されている
    とともにX線ビームの照射に伴ってX線検出データを出
    力するX線検出手段と、前記X線照射手段および前記X
    線検出手段と被検体とをこの被検体の体軸の方向に相対
    的に移動させる位置移動手段とを備え、前記X線検出手
    段から出力されたX線検出データをX線CT画像作成用
    データとして前記データ処理手段へ送り込むように構成
    されていることを特徴とする医用診断装置。
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