JP2002222653A - アルカリ二次電池用の正極集電体とその製造方法およびそれを用いた正極 - Google Patents

アルカリ二次電池用の正極集電体とその製造方法およびそれを用いた正極

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electrode current
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Masatoshi Mashima
正利 真嶋
Shinji Inasawa
信二 稲澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単でかつ製造が容易で、活物質粒子
を孔の奥の隅々まで隙間なく充てんでき、活物質粒子に
対する集電性能が良好で、活物質粒子を脱落させること
なく確実に保持できる正極集電体とその製造方法と正極
を提供する。 【解決手段】 正極集電体は、全体を金属によって形成
し、その片面1aに開口させた孔10の開口半径R1を
20μm以上、1000μm未満、深さDを50〜50
0μmとし、孔10の断面積を開口10aで広く、奥に
行くにしたがって小さくした。製造方法は、片面1aと
それに連続する孔の内面とに対応した立体形状を有する
電極領域をパターン形成しためっき金型の表面に、電気
めっきにより金属の薄膜を析出させた後、はく離する。
正極は孔10に活物質粒子を充てんした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルカリ二次電
池用の正極に使用する正極集電体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ二次電池は、高信頼性でかつ小
型化、軽量化が可能である。このため、ポータブル機器
用の小型のものから、産業用、大型設備用の大型のもの
まで、各種装置の電源として多用されている。アルカリ
二次電池には、正負両極の組み合わせによって多数の種
類がある。正極としては、多くの場合、集電体上に正極
活物質としての水酸化ニッケルを担持させたニッケル電
極が使用される。また負極としてはカドミウム電極、亜
鉛電極、鉄電極、水素電極などがある。特に近時、活物
質として水素吸蔵合金を使用した水素電極が、高容量化
と低公害化が可能であるため注目されている。
【0003】正極にニッケル電極を用いたアルカリ二次
電池は、正極活物質である水酸化ニッケルを酸化してオ
キシ水酸化ニッケルに変化させることで充電される。ま
たオキシ水酸化ニッケルを還元して水酸化ニッケルに変
化させることで放電される。近年、たとえば電気自動車
やハイブリッド自動車、あるいは電動工具などの電源と
して、これまでよりも高出力のアルカリ二次電池が求め
られている。また携帯電話やノート型パソコンなどの電
源としては、これまでよりもさらに急速な充放電が可能
で、しかも高容量化されたアルカリ二次電池が求められ
ている。そしてこれらの要求に対処すべく、種々の構造
を有する電極が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】正極の一例としては、
いわゆるシンター法により、パンチングメタルの片面ま
たは両面に、ニッケルの微粉末を焼結して多孔体の層を
形成し、この層の孔内に、化学反応によって直接に、活
物質である水酸化ニッケルを生成して担持させたものが
ある。上記のうちパンチングメタルは、例えば鉄のホッ
トコイルを繰り返し圧延して、厚みを50〜60μm程
度とした基材の両面に、それぞれ厚み5μm程度のニッ
ケルめっきを施した後、打ち抜きによって多数の孔を形
成することで製造される。
【0005】このためパンチングメタルを製造する際に
抜きカスが多量に発生するので、省資源および製造コス
トの点で問題がある。また、電池のさらなる高容量化を
目指すためには、パンチングメタルの厚みをできるだけ
薄くすることが望ましいが、ホットコイルの圧延を繰り
返してその厚みを現在以上に薄くすることは、主に製造
コスト上の制約から困難である。したがって電池の高容
量化に限界があるという問題もある。
【0006】また充放電を繰り返した際にパンチングメ
タルから鉄が溶出し、そのイオンが電池反応系に不純物
として混入して、電池の充放電特性が低下するという問
題もある。さらに近時、環境問題、資源問題等の観点か
ら、使用済みの電池を回収し、分解して部品ごとにリサ
イクルすることの必要性が、広く一般にも認知されつつ
ある。ところがパンチングメタルは、鉄基材とニッケル
めっき層の複合構造を有するためリサイクルが難しいと
いう問題がある。とくに高価で生産量も少ないニッケル
を回収することは重要であるが、鉄の混入による純度の
低下が避けられず、高純度のニッケルとして再利用でき
ないという問題を生じる。
【0007】しかもパンチングメタルを使用して、シン
ター法により、前記のように複雑な構造を有する正極を
製造する際には、当該パンチングメタルの片面または両
面に、ニッケルの微粉末を、およそ800℃以上という
高温で焼結して多孔体の層を形成する工程を必要とす
る。またその後、形成した多孔体の層の孔中に十分な量
の水酸化ニッケルを担持させるには、硝酸ニッケル水溶
液を含浸させたのち、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し
てから洗浄、乾燥する工程を何度も繰り返して行う必要
がある。したがって、正極を製造するために多大なエネ
ルギーと時間とを要するという問題もある。
【0008】正極の他の例としては、ポリウレタンの多
孔体をもとにして製造された、連続気孔構造を有する多
孔率の大きな3次元網目状構造の基体(発泡メタルとい
う)を集電体として用い、その空げき中に、いわゆるペ
ースト法により、水酸化ニッケル粒子(活物質粒子)を
含むペーストを充てんしたものがある。しかし上記構造
の正極では、とくに発泡メタルを製造する際に、多大な
エネルギーと時間とを要する上、製造コストも高くつく
という問題がある。すなわち発泡メタルを製造するため
には、まず不導体であるポリウレタンの多孔体の表面を
高価なパラジウム触媒などで活性化し、次いで無電解め
っき、および電気めっきによって金属化したのち、およ
そ1000℃以上という高温で焼成してポリウレタンを
除去する工程を経る必要がある。
【0009】そこで発明者らは、例えば特開昭51−1
10444号公報に開示された、ニッケルの電気めっき
箔からなる多孔質の有孔芯材を、上記公報に記載され
た、シンター法用のパンチングメタルの代替用としてで
はなく、それ自体を単体で使用して、アルカリ二次電池
用の正極を形成することを検討した。すなわち有孔芯材
の孔に直接に、ペースト法によって、活物質粒子を含む
ペーストを充てんして正極を構成することを考えた。
【0010】かかる正極は構造が簡単である。しかも集
電体は、孔に対応する位置に絶縁領域をパターン形成し
ためっき金型を使用して、電解めっきによりニッケルの
電気めっき箔を形成したのち、当該箔を型からはく離す
るだけで製造できる。このため、ペースト法による活物
質粒子の担持と併せて、正極の製造も容易である。しか
も、とくに高温の焼結工程や焼成工程を含まないので、
多大なエネルギーを要することもない。さらに集電体の
全体がニッケルにて形成される上、その製造に際して抜
きカスを生じないため、パンチングメタルを使用した場
合の問題点も全て解消する。
【0011】また正極の厚みを、従来に比べて著しく薄
肉化することができる。このため、単位面積あたりの活
物質の量こそ従来のものに及ばないものの、例えばそれ
ぞれ長尺帯状に形成した正極と負極、並びにセパレータ
をロール状に巻いて電池を製造する際に、その巻き数を
これまでよりも増加させることができる。したがって、
従来と同等またはそれ以上の容量の電池を製造すること
も可能である。ところが、電気めっき法で製造される従
来の集電体では、下記の問題を生じるおそれのあること
が、発明者らのさらなる検討によって明らかとなった。
【0012】すなわち集電体の孔は、集電体の片面から
反対面まで、めっき金型にパターン形成した絶縁領域の
平面形状に対応した一定の平面形状と、一定の開口半径
とを有する単純な筒型に形成される。このため個々の孔
の開口半径が小さすぎると、孔の容積が著しく小さくな
って、充てんできる活物質粒子の量が減少するため、電
池の容量が低下する。またペースト法により、集電体の
上にペーストを展張して、ブレードやローラなどを用い
て孔に充てんする際に、活物質粒子が孔にスムースに充
てんされない場合が生じる。そして、個々の孔に必要量
の活物質粒子を充てんできずに電池の容量が低下するお
それがある。
【0013】一方、これらの問題を解決すべく孔の開口
半径を大きくすると、集電体による、活物質粒子への集
電性能が低下する。すなわち水酸化ニッケルは不導体で
あり、集電体によって良好に集電されて放電するのは、
孔の内壁面の近傍に存在する粒子に限られる。そして、
これらの粒子が放電により還元されて、不導体である水
酸化ニッケルに変化すると、それより内側の粒子は放電
できなくなる。この現象は、孔の開口半径が大きくなる
ほど顕著に現れる。つまり孔の開口半径が大きくなるほ
ど、孔の内壁面の近傍に存在する、良好に集電される粒
子の割合が減少し、逆に放電できない内側の粒子の割合
が増加するため、集電体による活物質粒子への集電性能
が低下する。
【0014】また孔の開口半径を大きくすると、ペース
ト法によって、孔の奥の隅々まで隙間なく活物質粒子を
充てんできない場合が生じる。これは、前記のようにブ
レードやローラなどを用いてペーストを孔に充てんする
際の押圧力が、孔の奥へ行くほど分散、吸収されて、隅
々まで行き渡らない場合が生じるからである。したがっ
てこのいずれの場合においても、電池の容量が低下する
おそれがある。
【0015】さらに、孔の開口半径に関係なしに起こり
うる問題として、集電体の両面に同じ大きさの開口が開
いているため、一旦、孔に充てんした活物質粒子が脱落
しやすいという問題もある。例えばペースト法による充
てん時には反対側の開口から、またその後の工程で集電
体が曲げられた際などには集電体の両面に大きく開かれ
た両方の開口から、それぞれ活物質粒子が脱落しやす
い。そして、活物質粒子が多量に脱落して電池の容量が
低下するといった問題を生じるおそれがある。
【0016】この発明の主たる目的は、構造が簡単で製
造が容易である上、活物質粒子の充てんが容易で、孔の
奥の隅々まで、活物質粒子を隙間なく充てんすることが
でき、しかも充てんした活物質粒子に対する集電性能が
良好で、なおかつ充てんした活物質粒子を脱落させるこ
となく、確実に保持することができる、新規なアルカリ
二次電池用の正極集電体を提供することにある。また、
この発明の他の目的は、上記正極集電体を、効率的に製
造する方法を提供することにある。
【0017】また、この発明のさらに他の目的は、上記
正極集電体を用いた、構造が簡単でしかも容量や充放電
効率などにすぐれたアルカリ二次電池用の正極を提供す
ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1記載の発明は、全体を金属によって形成し、その片面
に、活物質粒子を収容する多数の孔を開口させた薄板状
の正極集電体であって、個々の孔の、開口の平面形状の
重心からその縁辺までの最短距離で表される孔の開口半
径R1を20μm以上、1000μm未満とし、かつ孔
の深さDを50〜500μmとするとともに、孔の断面
積を、上記開口部で最も広く、孔の奥に行くにしたがっ
て小さくしたことを特徴とするアルカリ二次電池用の正
極集電体である。
【0019】請求項1の構成では、活物質粒子の孔への
充てんのしやすさを確保し、また孔に充てんできる活物
質粒子の量を多くしながら、なおかつ活物質粒子を、孔
の奥の隅々まで隙間なく充てんすることが可能となる。
すなわち、開口半径R1を20μm以上に規定すること
で、例えばペースト法による、活物質粒子の孔への充て
んのしやすさを確保することができる。また、開口半径
R1を20μm以上、深さDを50μm以上に規定する
ことで、孔に充てんできる活物質粒子の量を多くして、
電池の容量を確保することができる。
【0020】さらに、孔の断面積を開口部で最も広く、
孔の奥に行くにしたがって小さくなるように規定するこ
とで、例えばペースト法によって、ブレードやローラな
どを用いてペーストを孔に充てんする際の押圧力を、孔
の内面に沿って、孔の奥に行くほど集束させることがで
きる。このため、押圧力の分散、吸収をある程度抑え
て、孔の奥の隅々まで十分に行き渡らせることができ、
活物質粒子を、孔の奥の隅々まで隙間なく充てんするこ
とができる。
【0021】また、上記のように孔の断面積を孔の奥に
行くにしたがって小さくなるように規定すると、とくに
孔の奥の領域で、放電時に集電体によって良好に集電さ
れない内側の粒子の数を、これまでよりも減少すること
ができる。したがって相対的に、孔の内壁面の近傍に存
在する、集電体によって良好に集電される粒子の割合を
高めて、集電体による活物質粒子への集電性能を改善す
ることもできる。なお開口半径R1を1000μm未満
に限定し、かつ深さDを500μm未満に限定するの
は、たとえ上記のように孔の断面積を孔の奥に行くにし
たがって小さくなるように規定しても、開口半径R1お
よび/または深さDが上記の範囲を超えると、集電性能
を改善することができないからである。すなわち、孔に
充てんされる活物質粒子の数が多くなりすぎて、集電体
によって良好に集電されない内側の粒子の数が著しく増
加するため、集電性能を改善できなくなる。
【0022】孔の奥である集電体の反対面側において
は、孔を開口してもよいし、開口しなくても良い。反対
面側で孔を開口していない集電体は、孔に充てんした活
物質粒子の脱落を防止して、確実に保持する効果にとく
にすぐれたものとなる。ただし、電解液の移動をスムー
スにして電池反応を円滑に行うためには、集電体の反対
面側で孔を開口しているのが好ましい。その場合の孔の
開口半径R2は、集電体の片面側における開口半径R1
の0.1倍以上、1倍未満であるのが好ましい。
【0023】したがって請求項2記載の発明は、孔を正
極集電体の反対面にも開口させており、反対面側におけ
る、開口の平面形状の重心からその縁辺までの最短距離
で表される孔の開口半径R2を、開口半径R1の0.1
倍以上、1倍未満とした請求項1記載のアルカリ二次電
池用の正極集電体である。開口半径R2が開口半径R1
の0.1倍未満では、前述した、電解液の移動をスムー
スにする効果が十分に得られないおそれがある。
【0024】また孔は、前記のようにその断面積を、孔
の奥に行くにしたがって小さくなるように規定している
ため、開口半径R2の上限は、開口半径R1の1倍未満
に規定される。そしてこの規定により、集電体の反対面
側における孔の開口を、片面側のそれよりも小さくでき
るため、反対面側の開口からの活物質粒子の脱落を、こ
れまでよりも抑制することができる。したがって反対面
側に孔が開口しているにもかかわらず集電体は、孔に充
てんした活物質粒子の脱落を防止して、確実に保持する
効果にすぐれている。
【0025】請求項3記載の発明は、反対面側の開口
に、当該開口の縁辺から内方に向かって突出するかえし
部を設けた請求項2記載のアルカリ二次電池用の正極集
電体である。請求項3の構成では、かえし部を設けるこ
とで、反対面側の開口からの活物質粒子の脱落を、より
一層、確実に抑制することができる。したがって集電体
は、反対面側に孔が開口しているにもかかわらず、孔に
充てんした活物質粒子の脱落を防止して、確実に保持す
る効果にさらにすぐれたものとなる。
【0026】請求項4記載の発明は、孔の開口の平面形
状を正六角形とし、かつ孔をハニカム状に配置した請求
項1記載のアルカリ二次電池用の正極集電体である。孔
の開口の平面形状、および配置を上記のように規定した
場合には、隣り合う孔間の距離が、いずれの方向にも等
しくなる。このため正極の製造時や、製造した正極の電
池への組み込み時などに、集電体に加えられる引張力を
均等に分散して、その変形を確実に防止することができ
る。
【0027】請求項5記載の発明は、正極集電体の片面
と、それに連続する孔の内面とに対応した立体形状を有
する、正極集電体の片面から反対面までの厚みより薄い
金属の薄膜によって形成した請求項1記載のアルカリ二
次電池用の正極集電体である。集電体は、その片面側か
ら反対面側までの厚みを有する金属のムクの板体で形成
することもできる。しかし、たとえば図1(a)(b)に示す
ように集電体1の片面1aと、それに連続する孔10の
内面10cとに対応した立体形状を有する、集電体1の
片面1aから反対面1bまでの厚みより薄い金属の薄膜
Mによって集電体1を形成した場合には、金属の使用量
を減少してさらなる低コスト化が可能となる。しかも上
記構造の集電体1は、薄膜Mのうち、孔10の内面10
cに対応した部分がリブとして、集電体1を補強するた
めに機能するため、薄肉化しているにもかかわらず十分
な強度を有している。
【0028】請求項6記載の発明は、請求項1記載の正
極集電体を2枚以上、重ね合わせて接合、一体化したこ
とを特徴とするアルカリ二次電池用の正極集電体であ
る。請求項6の構成では、単位面積あたりの活物質の充
てん量を、重ね合わせた正極集電体の枚数分近くに増加
にできるため、電池のさらなる高容量化が可能である。
請求項7記載の発明は、正極集電体を2枚、多数の孔を
開口させた片面側が背中合わせとなるように重ね合わせ
て接合、一体化した請求項6記載のアルカリ二次電池用
の正極集電体である。
【0029】請求項7の構成では、単位面積あたりの活
物質の充てん量を、およそ2倍にできるため、電池の高
容量化が可能である。また、その背中合わせの両面に、
多数の孔の片面側の開口が位置するため、後工程で活物
質粒子を充てんする作業を容易に行うことができる。請
求項8記載の発明は、請求項1記載の正極集電体を製造
する方法であって、正極集電体の片面と、それに連続す
る孔の内面とに対応した立体形状を有する電極領域をパ
ターン形成しためっき金型を使用して、電極領域を陰極
とする電気めっきにより、当該電極領域に、その立体形
状に対応した金属の薄膜を析出させた後、この薄膜をめ
っき金型からはく離することを特徴とする正極集電体の
製造方法である。
【0030】請求項8の構成では、集電体の製造が容易
である。とくに高温の焼結工程や焼成工程を含まないの
で、多大なエネルギーを要することもない。さらに集電
体の全体がニッケル等の金属にて形成される上、その製
造に際して抜きカスを生じないため、パンチングメタル
を使用した場合の問題点も全て解消できる。したがって
請求項8の構成によれば、集電体を、効率的に製造する
ことができる。請求項9記載の発明は、めっき金型とし
て、電極領域の孔の底に対応する位置に、正極集電体の
反対面側の開口に対応する絶縁領域をパターン形成した
ものを使用することで、孔を正極集電体の反対面にも開
口させる請求項8記載の正極集電体の製造方法である。
【0031】請求項9の構成によれば、集電体の製造と
同時に、その反対面にも開口を形成することができる。
請求項10記載の発明は、請求項1または6記載の正極
集電体の孔に、正極活物質を充てんしたことを特徴とす
る正極である。請求項10の構成では、正極集電体が、
前記のように活物質粒子を孔の奥の隅々まで隙間なく充
てんでき、しかも充てんした活物質粒子に対する集電性
能が良好で、なおかつ充てんした活物質粒子を脱落させ
ることなく確実に保持できるものである。したがって請
求項10の正極を用いれば、これまでよりも高容量で、
かつ充放電特性にすぐれたアルカリ二次電池を製造でき
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、この発明を説明する。 〈正極集電体〉図1(a)は、この発明の正極集電体1
の、実施の形態の一例を拡大して示す部分切り欠き斜視
図である。また図1(b)は、上記例の正極集電体1の、
さらに一部を拡大した断面図である。
【0033】正極集電体1は、その全体を、活物質粒子
を収容する多数の孔10を有する薄板状に形成してい
る。具体的には、上記孔10を開口させた正極集電体1
の片面(図では上面)1aと、それに連続する孔10の
内面10cとに対応した立体形状を有する、集電体1の
片面1aから反対面1bまでの厚みより薄い金属の薄膜
Mによって、全体形状を薄板状に形成している。それぞ
れの孔10は、その平面形状を正六角形に形成してお
り、それをハニカム状に配置している。また個々の孔1
0は、正極集電体1の反対面(図では下面)1b側にも
開口している。そして孔10は、その断面積が、片面1
a側の開口10aで最も広く、孔10の奥に行くにした
がって小さくなって、反対面1b側の開口10bで最も
狭くなるように、両開口10a、10bの開口半径R
1、R2と、内面10cの形状とを設定している。これ
らの理由は先に述べたとおりである。
【0034】孔10の開口半径R1は、図2に示すよう
に、開口10aの平面形状の重心、すなわちこの場合は
正六角形の中心Pから、その縁辺までの最短距離、つま
り正六角形の一辺E1の中心までの距離で表す。同様に
開口半径R2も、開口10bの平面形状の重心、つまり
正六角形の中心Pから、その縁辺までの最短距離、すな
わち正六角形の一辺E2の中心までの距離で表す。開口
半径R1は、20μm以上、1000μm未満に限定さ
れる。この理由も先に述べたとおりである。なお、例え
ばペースト法によって、孔10に活物質粒子を充てんす
る際の充てんのしやすさをさらに向上することと、孔1
0に充てんできる活物質粒子の量を多くして、電池の容
量を確保することとを考慮すると、開口半径R1は50
μm以上であるのが好ましく、90μm以上であるのが
さらに好ましい。また一方、集電体1による活物質粒子
への集電性能を高めることを考慮すると、開口半径R1
は500μm以下であるのが好ましく、150μm以下
であるのがさらに好ましい。
【0035】また開口半径R2は、先に述べたように開
口半径R1の0.1倍以上、1倍未満であるのが好まし
いが、電解液の移動をスムースにして電池反応を円滑に
行うことを考慮すると0.3倍以上であるのがさらに好
ましい。また、孔10の開口半径R2は、その断面積を
奥に行くにしたがって小さくすることの効果、つまり押
圧力の吸収、分散を抑制して、活物質粒子を孔10に隙
間なく良好に充てんすることと、充てんした活物質粒子
が開口10bから脱落するのを防止することとを考慮す
ると、開口半径R1の0.7倍以下であるのがさらに好
ましい。
【0036】孔10の、両開口10a、10b間の距離
で表される孔の深さDは、50〜500μmに限定され
る。この理由も先に述べたとおりである。ただし、孔1
0に充てんできる活物質粒子の量を多くして、電池の容
量を確保することを考慮すると、深さDは70μm以上
であるのが好ましく、90μm以上であるのがさらに好
ましい。一方、集電体1による活物質粒子への集電性能
を高めることを考慮すると、深さDは300μm以下で
あるのが好ましく、150μm以下であるのがさらに好
ましい。
【0037】孔10の個数を規定する開口率(%)、す
なわち集電体1の片面1aの全面積に占める孔10の開
口10aの、面積の合計の割合は、60〜95%である
のが好ましく、75〜90%であるのがさらに好まし
い。開口率が60%未満では、集電体1の全体で充てん
できる活物質粒子の量が少なくなって、電池の容量が低
下するおそれがある。また95%を超える場合には孔と
孔との距離が近くなりすぎるため、集電体の強度が低下
するおそれがある。
【0038】上記各部を形成する薄膜Mの厚みは、10
〜60μmであるのが好ましく、20〜40μmである
のがさらに好ましい。厚みが10μm未満では、正極集
電体1の強度が不足するおそれがある。また逆に、厚み
が60μmを超える場合には、薄膜Mの立体構造によっ
て集電体1を形成することの効果である、金属の使用量
を減少させる効果が不十分になるおそれがある。また後
述する電気めっきによる製造方法によって、めっき金型
の電極領域21の表面に薄膜Mを成長させて集電体1を
製造する際に、形状の再現性が低下するおそれもある。
【0039】上記正極集電体1の全体を形成する金属と
しては、例えば充てんする活物質粒子が水酸化ニッケル
粒子である場合、ニッケル、ニッケル−クロム合金、ニ
ッケル−クロム−アルミニウム合金等があげられ、特に
ニッケルが好ましい。図3(a)〜(c)は、この発明の正極
集電体1の、他の例を示す断面図である。このうち図3
(a)は、孔10を、反対面1b側で開口せずに塞いだ正
極集電体1である。かかる正極集電体1は、片面1a
と、それに連続する孔10の内面10cと、この内面1
0cに連続する孔の底面10dとに対応した立体形状を
有する金属の薄膜Mによって、全体形状を薄板状に形成
することで構成される。
【0040】その他は、図1(a)(b)のものと同様であ
る。すなわち開口10aの開口半径R1は20μm以
上、1000μm未満に限定される。また、開口10a
と底面10dとの間の距離で表される孔の深さDは50
〜500μmに限定される。さらに孔10は、その断面
積が、開口10aで最も広く、孔10の奥に行くにした
がって小さくなって、底面10dで最も狭くなるよう
に、開口10a開口半径R1と、底面10dの半径R3
と、内面10cの形状とが設定される。半径R3は、開
口半径R1、R2と同様に、底面10dの平面形状の重
心(正六角形の中心P)から、その縁辺までの最短距離
(正六角形の一辺の中心までの距離)で表す。
【0041】図3(b)は、孔10の反対面側の開口10
bに、その縁辺から内方に向かって突出するかえし部1
0eを設けたものである。具体的には、片面1aと、そ
れに連続する孔10の内面10cと、この内面10cに
連続するかえし部10eとに対応した立体形状を有する
金属の薄膜Mによって、全体形状を薄板状に形成するこ
とで、正極集電体1が構成される。その他は、図1(a)
(b)のものと同様である。すなわち開口10aの開口半
径R1は20μm以上、1000μm未満に限定され
る。また開口10bの開口半径R2は、開口半径R1の
0.1倍以上、1倍未満であるのが好ましい。また、開
口10a、10b間の距離で表される孔の深さDは50
〜500μmに限定される。さらに孔10は、その断面
積が、開口10aで最も広く、孔10の奥に行くにした
がって小さくなって、孔10の底面に相当するかえし部
10eの上面で最も狭くなるように、開口10a開口半
径R1と、上記かえし部10eの上面部分の半径R4
と、内面10cの形状とが設定される。
【0042】かえし部10eの突出量dは、孔10の底
面半径R4と、開口10bの開口半径R2とに応じて適
宜設定できるが、5〜100μmであるのが好ましく、
10〜50μmであるのがさらに好ましい。突出量dが
5μm未満では、当該かえし部10eを設けたことによ
る、開口10bから活物質粒子が脱落するのを防止する
効果が不十分になるおそれがある。また逆に、突出量d
が100μmを超える場合には、相対的に開口10bの
開口半径R2が小さくなって、電解液の移動をスムース
にする効果が十分に得られないおそれがある。
【0043】図3(c)は、図1(a)(b)の正極集電体1を
2枚、多数の孔10を開口させた片面1a側が背中合わ
せとなるように互いに重ね合わせて、スポット溶接など
で接合、一体化した正極集電体1′である。なお図で
は、2枚の正極集電体1の、孔10の位置を完全に一致
させて描いているが、これは理想像である。実際には多
少のずれが生じることの方が多い。しかし孔10の位置
にずれが生じたとしても、この発明の効果に影響はな
い。
【0044】その他は、図1(a)(b)のものと同様であ
る。すなわち開口10aの開口半径R1は20μm以
上、1000μm未満に限定される。また開口10bの
開口半径R2は、開口半径R1の0.1倍以上、1倍未
満であるのが好ましい。また、開口10a、10b間の
距離で表される孔の深さDは50〜500μmに限定さ
れる。さらに孔10は、その断面積が、開口10aで最
も広く、孔10の奥に行くにしたがって小さくなって、
孔10の底面に相当するかえし部10eの上面で最も狭
くなるように、開口10a開口半径R1と、上記かえし
部10eの上面部分の半径R4と、内面10cの形状と
が設定される。
【0045】なお、正極集電体1を3枚以上、重ね合わ
せて接合、一体化したものを正極集電体とすることもで
きる。その場合、間にはさまれる正極集電体1の孔10
には、接合、一体化に先立って、あらかじめ活物質粒子
を充てんしておくのが好ましい。 〈正極集電体の製造方法〉図4(a)は、この発明の製造
方法に使用されるめっき金型2の一部を拡大した断面図
である。
【0046】めっき金型2は、絶縁性の基材20の片面
に、正極集電体1の片面1aと、それに連続する孔10
の内面10cとに対応した立体形状を有する電極領域2
1をパターン形成したものである。電極領域21の、孔
10の底に対応する位置には、正極集電体1の反対面1
b側の開口10bに対応する絶縁領域として基材20の
片面20aが露出されている。かかるめっき金型2は、
基材20と、電極領域21となる金属板との積層体のう
ち、金属板をエッチングして、上記立体形状を有する電
極領域21をパターン形成することで得られる。
【0047】エッチングに際しては、金属板の厚み方向
のエッチング速度と、面方向のエッチング速度との比率
を調整する。そうすると電極領域21の側面21aが、
図に見るように孔10の内面10cに対応した、所定の
傾斜を有する面とされる。基材20を形成する絶縁材料
としては、めっき液や電気めっき工程に対して安定な樹
脂材料などがあげられる。また電極領域21を形成する
金属も、めっき液や電気めっき工程に対して安定である
ことが望ましく、その一例としてはステンレス鋼やチタ
ニウム、ニッケルなどがあげられる。
【0048】電極領域21の表面には、薄膜をはく離し
やすくする離型層を設けてもよい。離型層としては、例
えば酸化膜、金属化合物膜、黒鉛粉塗布被膜などがあげ
られる。また、例えば金属を圧延、熱処理などした際に
形成される不働態被膜を利用することもできる。また、
必要に応じて化学的あるいは電気化学的に不働態被膜を
形成して離型層としてもよい。かかる不働態被膜の例と
しては、電鋳用として形成用の薬剤が市販されているチ
アゾール系化合物の被膜などがあげられる。
【0049】次に、前記めっき金型2のうち電極領域2
1を電源の陰極に接続するとともに、電源の陽極には対
極を接続する。そしてめっき金型2と対極とをめっき液
に浸漬して電気めっきを行う。そうすると図4(b)に示
すように、めっき金型2の電極領域21の表面に、正極
集電体1の片面1aと、それに連続する孔10の内面1
0cとに対応した立体形状を有し、かつ絶縁領域として
露出した基材20の表面20aに対応した開口10bが
形成された薄膜Mが形成される。このあと、薄膜Mをめ
っき金型2の表面からはく離することによって、図1
(a)(b)に示した形状を有する正極集電体1が製造され
る。
【0050】なお上記の製造方法で、図3(b)のように
孔10の底面が塞がれた正極集電体1を製造するには、
めっき金型2の、孔10の底面に相当する部分に基材2
0を露出させずに、この部分も電極領域21で形成すれ
ばよい。まためっき金型2の、孔10の底面に相当する
部分のうち、その周縁から所定幅の領域に電極領域21
を延設し、あとは基材20を露出させて絶縁領域とする
と、図3(c)に示したかえし部10eを有する正極集電
体を製造することができる。
【0051】〈正極〉上記で製造した正極集電体1の孔
10に正極活物質粒子を充てんすることで正極が製造さ
れる。具体的にはペースト法によって、正極集電体1の
片面1aに、正極活物質粒子を含むペーストを展張し
て、ブレードやローラなどを用いて孔10に充てんし、
乾燥後、さらに必要に応じてプレスして厚みを均等に調
整することで正極が製造される。
【0052】正極活物質としては、例えば球状の、平均
粒径15〜25μm程度の水酸化ニッケル粒子が好適に
使用される。また水酸化ニッケル粒子の表面を、オキシ
水酸化コバルトなどで被覆してもよい。かくして製造さ
れる正極を、前述した各種の負極、多孔性樹脂フィルム
などのセパレータ、およびアルカリ性の電解液と組み合
わせることで、アルカリ二次電池が形成される。
【0053】この発明の正極集電体とその製造方法、お
よび正極の構成は、以上で示した各図の例には限定され
ず、この発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更
を施すことができる。
【0054】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
てさらに詳細に説明する。 実施例1 〈正極集電体〉正極集電体1としては、図1(a)(b)に示
す立体形状のものを金属ニッケルの薄膜Mによって形成
した。孔の平面形状は、これらの図に見るように正六角
形、配置はハニカム状とした。各部の寸法は、開口10
aの開口半径R1を100μm、開口10bの開口半径
R2を50μm、孔10の深さDを50μm、片面1a
側での開口率を80%、薄膜Mの厚みを20μmとし
た。 〈ペーストの作製〉正極活物質として平均粒径20μm
の球状水酸化ニッケル粒子を用いた。そしてこの水酸化
ニッケル粒子と、増粘剤としてのカルボキシメチルセル
ロースと、金属コバルトとを、重量比で10:1:0.
5の割合で混合したのち、水を加えてペーストを作製し
た。 〈電池の作製〉150mm×100mmの矩形状に切り
出した前記集電体1の片面1aに、上記ペーストを展張
して、ブレードを用いて孔10に充てんし、乾燥後、ロ
ールプレスによってプレスして厚みを均等に調整するこ
とで正極を得た。
【0055】次にこの正極と、セパレータ(厚み150
μmのスルフォン化ポリプロピレン不織布)と、水素吸
蔵合金からなる負極とをこの順に積層して電池ケースに
収容し、6Mの水酸化カリウム水溶液を電解液として加
え、蓋をして試験電池を作製した。 実施例2 集電体1の孔10の平面形状を円形としたこと以外は実
施例1と同様にして試験電池を作製した。開口半径R1
に相当する円の半径は100μm、開口半径R2に相当
する円の半径は50μmとした。それ以外の他のデータ
は実施例1と同じとした。
【0056】実施例3 上記実施例2の集電体1を2枚、図3(c)に示すよう
に、孔10を開口させた片面1a側が背中合わせとなる
ように互いに重ね合わせて、その周縁部をスポット溶接
により接合、一体化して集電体1′を作製した。そして
この集電体1′を使用したこと以外は実施例1と同様に
して試験電池を作製した。 実施例4 図3(b)に示すように、孔10の底にかえし部10eを
形成したこと以外は実施例2と同様にして試験電池を作
製した。なお開口半径R1に相当する円の半径は100
μm、孔の底の半径R4は50μm、開口半径R2に相
当する円の半径は30μm、かえし部10eの突出量d
は20μmとした。それ以外の他のデータは実施例1と
同じとした。
【0057】比較例1 開口半径R1に相当する円の半径を1000μm、開口
半径R2に相当する円の半径を500μmとしたこと以
外は実施例2と同様にして試験電池を作製した。 比較例2 孔10の深さDを30μmとしたこと以外は実施例2と
同様にして試験電池を作製した。
【0058】電池性能試験 上記各実施例、比較例で製造した試験電池に、充電レー
ト0.1Cで電池容量の120%まで充電したのち、放
電レート1Cで0.8Vまで放電させるサイクルを繰り
返し行い、充放電10サイクル目に、その容量を測定し
た。また放電時の、活物質の利用率を求めるとともに、
さらに充放電を繰り返して容量が70%まで低下したサ
イクル数をもって電池寿命とした。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表より、実施例1〜4で作製した試験電池
は、比較例1のものよりも放電効率が良好で、しかも長
寿命であることが確認された。また実施例1〜4の試験
電池は、比較例2のものよりも高容量であることも確認
された。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)は、この発明の正極集電体の、実施の
形態の一例を拡大して示す部分切り欠き斜視図、同図
(b)は、上記例の正極集電体の、さらに一部を拡大した
断面図である。
【図2】図1(a)(b)の例の正極集電体における、孔の開
口半径を説明する平面図である。
【図3】同図(a)〜(c)はそれぞれ、この発明の正極集電
体の、他の例の一部を拡大した断面図である。
【図4】同図(a)(b)はそれぞれ、図1(a)(b)の例の正極
集電体を製造する工程を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 正極集電体 1a 片面 10 孔 10a 開口 R1 開口半径 D 深さ
フロントページの続き Fターム(参考) 5H017 AA02 AS10 BB16 CC05 CC16 DD08 EE04 HH03 5H050 AA02 AA19 BA04 CA03 CA24 CB16 DA06 FA10 FA12 FA15 HA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体を金属によって形成し、その片面に、
    活物質粒子を収容する多数の孔を開口させた薄板状の正
    極集電体であって、個々の孔の、開口の平面形状の重心
    からその縁辺までの最短距離で表される孔の開口半径R
    1を20μm以上、1000μm未満とし、かつ孔の深
    さDを50〜500μmとするとともに、孔の断面積
    を、上記開口部で最も広く、孔の奥に行くにしたがって
    小さくしたことを特徴とするアルカリ二次電池用の正極
    集電体。
  2. 【請求項2】孔を正極集電体の反対面にも開口させてお
    り、反対面側における、開口の平面形状の重心からその
    縁辺までの最短距離で表される孔の開口半径R2を、開
    口半径R1の0.1倍以上、1倍未満とした請求項1記
    載のアルカリ二次電池用の正極集電体。
  3. 【請求項3】反対面側の開口に、当該開口の縁辺から内
    方に向かって突出するかえし部を設けた請求項2記載の
    アルカリ二次電池用の正極集電体。
  4. 【請求項4】孔の平面形状を正六角形とし、かつ孔をハ
    ニカム状に配置した請求項1記載のアルカリ二次電池用
    の正極集電体。
  5. 【請求項5】正極集電体の片面と、それに連続する孔の
    内面とに対応した立体形状を有する、正極集電体の片面
    から反対面までの厚みより薄い金属の薄膜によって形成
    した請求項1記載のアルカリ二次電池用の正極集電体。
  6. 【請求項6】請求項1記載の正極集電体を2枚以上、重
    ね合わせて接合、一体化したことを特徴とするアルカリ
    二次電池用の正極集電体。
  7. 【請求項7】正極集電体を2枚、多数の孔を開口させた
    片面側が背中合わせとなるように重ね合わせて接合、一
    体化した請求項6記載のアルカリ二次電池用の正極集電
    体。
  8. 【請求項8】請求項1記載の正極集電体を製造する方法
    であって、正極集電体の片面と、それに連続する孔の内
    面とに対応した立体形状を有する電極領域をパターン形
    成しためっき金型を使用して、電極領域を陰極とする電
    気めっきにより、当該電極領域に、その立体形状に対応
    した金属の薄膜を析出させた後、この薄膜をめっき金型
    からはく離することを特徴とする正極集電体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】めっき金型として、電極領域の孔の底に対
    応する位置に、正極集電体の反対面側の開口に対応する
    絶縁領域をパターン形成したものを使用することで、孔
    を正極集電体の反対面にも開口させる請求項8記載の正
    極集電体の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1または6記載の正極集電体の孔
    に、正極活物質を充てんしたことを特徴とする正極。
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