JP2002218272A - 画像処理方法、画像処理装置、それを備えた画像形成装置及び記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、それを備えた画像形成装置及び記録媒体

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JP2002218272A
JP2002218272A JP2001012458A JP2001012458A JP2002218272A JP 2002218272 A JP2002218272 A JP 2002218272A JP 2001012458 A JP2001012458 A JP 2001012458A JP 2001012458 A JP2001012458 A JP 2001012458A JP 2002218272 A JP2002218272 A JP 2002218272A
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signal
image
color
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Application number
JP2001012458A
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English (en)
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Toshihiro Kaneda
利宏 金田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 RGB入力画像データをCMYKの出力画像
データに変換すると、文字周囲に不必要な濃度値が発生
してしまい、文字部の出力画像の品質を向上させること
ができない。 【解決手段】 RGBの入力画像データを文字領域・網
点領域・写真領域に分離した後、さらに文字領域に対し
て、高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属さない
その他領域に判別する領域分離処理部13を備える。黒
生成下色除去部では領域分離処理部13にて分離された
結果である高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属
さないその他領域毎に黒生成量・下色除去量を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スキャナ等のカラ
ー画像入力装置により読み取られた入力画像データを、
黒を含む出力画像データに変換する色変換処理を行なう
画像処理方法及び画像処理装置、該画像処理装置を備え
る画像形成装置及び該画像処理方法を記録した記録媒体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA機器のデジタル化が急速に進
展し、またユーザーのカラー画像出力の需要が増加して
きたことに伴い、スキャナ等のカラー画像入力装置によ
り読み取ったRGB(R:赤、G:緑、B:青)画像デ
ータをCMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエ
ロー、K:ブラック)の4色の出力画像データに変換し
て出力するデジタルカラー複写機やカラープリンタが一
般に広く普及している。
【0003】これらのデジタルカラー複写機において
は、通常はユーザーがマニュアルで「文字モード」・
「写真モード」・「文字写真モード」等の画像モードを
選択し、その画像モードに対応した領域分離処理等を行
なう場合と、もしくはデジタル複写機が自動に、出力し
たい画像に対して領域分離処理で、エッジ領域・網点領
域・写真領域等に分離している。
【0004】そしてそれぞれの画像モード、領域に応じ
て色変換テーブルや黒生成、下色除去(UCR:Und
er Color Removal)、空間フィルタ、
ディザ処理等を切り換えて、各種画像処理内容を制御し
ている。
【0005】一般的に出力画像データを得るためには、
スキャナ等のカラー画像入力装置により読み取ったRG
B画像データを、C、M、Yに色(空間)変換し、さら
にこのC、M、Yから黒文字再現性向上を目的としてK
を再生成する。そしてその黒生成量に応じて下色除去処
理を行ない、さらに空間フィルタ等の処理を行ない、C
MYKの4色の出力画像データを得る。
【0006】しかし、入力画像の全ての領域に対して一
律に黒生成を行ない、その生成量に応じて下色除去処理
を行なえば、各領域に応じた高品質な画像は得られな
い。例えば黒文字品質を向上させたいために、黒生成量
及び下色除去量を増加させると、全体に暗い画像が得ら
れてしまう。
【0007】従来、黒生成量及び下色除去量を制御する
ために、様々な改良がなされている。例えば、特開平4
−204567号公報では、どのような種類の画像であ
るかを判定し、判別された領域ごとに黒生成/下色除去
処理を切り換える方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本手法は出力
画像の光沢の制御を行なうために、黒生成量に伴って下
色除去量を決定するのみであって、文字部などの出力画
像の品質を向上させることはできない。そして現在のと
ころ文字部などで生じる文字ぼやけ等の問題に対して、
黒生成処理及び下色除去処理を用いた有効な解決策は提
案されていない。
【0009】本発明は上記のような従来の問題に鑑みて
なされたものであり、上記の様な文字部などで生じる文
字ぼやけ等の問題を解消し、文字部の画質の向上を図る
ため、RGB信号等のような黒信号を含まない複数の色
から成る入力画像データを、CMYK信号等のような、
黒色信号を含む複数の色から成る出力画像データに変換
する画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置及び該
画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログ
ラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理方法
は、上記課題を解決するために、第1色成分を含む複数
の色成分からなる入力画像データを第1色成分とは異な
る第2色成分を含む複数の色成分からなる画像入力信号
に変換した後、上記画像入力信号を基に黒と第2色成分
とを含む複数の色成分からなる出力画像データを生成す
る黒生成下色除去処理を行なう画像処理方法において、
上記画像入力信号を文字領域・網点領域・写真領域に分
離して、文字領域信号・網点領域信号・写真領域信号に
変換し、さらに上記文字領域信号及び上記文字領域信号
の近傍領域を表す近傍領域信号を、高濃度文字領域・文
字周辺領域・これらに属さないその他領域に判別し、上
記高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属さないそ
の他領域毎に黒の生成量を制御することを特徴としてい
る。
【0011】尚、上記高濃度文字領域・文字周辺領域・
これらに属さないその他領域の判定は、黒という特定色
の文字に限るものではなく、他の色の文字にも適用でき
る。
【0012】上記処理方法によると、文字領域信号及び
近傍領域信号をさらに高濃度文字領域・文字周辺領域・
これらに属さないその他領域に判別し、各領域毎に黒生
成量を制御することができ、従来技術で問題となってい
た文字周囲に発生する不必要な濃度値がほとんど発生す
ることなく文字部の出力画像の品質を向上させることが
できる。
【0013】さらに本発明の画像処理方法は、上記高濃
度文字領域・文字周辺領域・これらに属さないその他領
域の判別において、上記文字領域信号及び上記近傍領域
信号に対して、M×N(M≧2、N≧2の整数)の画素
サイズのマスクを設定し、上記マスク内の注目画素の画
像入力信号の濃度値と、注目画素と文字領域信号との間
の隣接画素の画像入力信号の濃度値との差分を求め、予
め定められた閾値と比較して、上記高濃度文字領域・文
字周辺領域・これらに属さないその他領域の判別を行な
うことが好ましい。
【0014】このように、マスクを設定し、そのサイズ
を任意に変化させて上記処理をすることで、正確に文字
領域及び近傍領域を高濃度文字領域・文字周辺領域・こ
れらに属さないその他領域に領域分離処理を行うことが
できる。
【0015】さらに、上記各領域を正確に表す領域識別
信号に対応して黒生成量を決定するため、文字周囲に発
生する不必要な濃度値がほとんど発生することなく、一
層文字部の出力画像の品質を向上させるという効果を奏
する。
【0016】本発明の画像処理方法は、さらに出力画像
データにおける黒以外の色成分の下色除去処理を行なう
とき、上記高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属
さないその他領域毎に、下色除去量を制御することが好
ましい。
【0017】このように高濃度文字領域・文字周辺領域
・これらに属さないその他領域毎に下色除去量を制御さ
せて行なうことで、黒生成量のみに依存せずに、各領域
毎に必要な下色除去を行なうことができる。
【0018】また本発明の画像処理方法は、下色除去処
理を行なうとき、上記の各領域毎の下色除去量の制御に
加えて、第1色成分を含む複数の色成分からなる入力画
像データの色成分毎に、下色除去量を制御することが好
ましい。
【0019】これは、出力画像の品質低下の原因の一つ
である、入力画像データから出力画像データまでの変換
の際に生じるデータの劣化、例えばカラー画像入力装置
の特性により、入力画像データRGBのいずれかのMT
F(ModulationTransfer Func
tion)が悪く、画像入力信号が劣化する場合、上記
劣化に起因した文字部の再現性の低下を防止するため、
カラー画像入力装置の各色のMTFに応じた入力画像デ
ータに対応して、下色除去量を制御する機能を加える。
これにより、必要な下色除去処理を行い、劣化した画像
入力信号から生じる文字部の画像品質の劣化を改善する
事ができる。また、各領域毎の下色除去量制御のみでは
図られない画像品質の向上を図ることができる。
【0020】本発明の画像処理装置は、上記課題を解決
するために、画像入力手段により読み込まれた第1色成
分を含む複数の色成分からなる入力画像データを、第1
色成分とは異なる第2色成分を含む複数の色成分からな
る画像入力信号に変換する画像信号変換手段と、上記画
像入力信号を文字領域・網点領域・写真領域に分離し
て、文字領域信号・網点領域信号・写真領域信号に変換
し、さらに上記文字領域信号及び上記文字領域信号の近
傍領域を表す近傍領域信号を、高濃度文字領域・文字周
辺領域・これらに属さないその他領域に判別する領域分
離手段と、上記領域分離手段の結果である、高濃度文字
領域・文字周辺領域・これらに属さないその他領域毎に
黒の生成量を制御する黒生成処理手段を有することを特
徴としている。
【0021】尚、上記高濃度文字領域・文字周辺領域・
これらに属さないその他領域の判定は、黒という特定色
の文字に限るものではなく、他の色の文字にも適用でき
る。
【0022】このように、領域分離手段によって、文字
領域信号を最終的に高濃度文字領域・文字周辺領域・こ
れらのどちらにも属さないその他領域に判別し、さらに
各領域毎に黒生成量を制御することで、従来技術で問題
となっていた文字周囲に発生する不必要な濃度値がほと
んど発生することなく文字部の出力画像の品質を向上さ
せることができる。
【0023】特に本発明の画像処理装置においては、上
記高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属さないそ
の他領域の判別において、上記文字領域信号及び上記近
傍領域信号に対して、M×N(M≧2、N≧2の整数)
の画素サイズのマスクを設定し、上記マスク内の注目画
素の画像入力信号の濃度値と注目画素と文字領域信号と
の間の隣接画素の画像入力信号の濃度値との差分をもと
め、予め定められた閾値と比較して、上記高濃度文字領
域・文字周辺領域・これらに属さないその他領域の判断
を行なう領域分離手段を有することを特徴とする。
【0024】このように、マスクを設定し、そのサイズ
を任意に変化させて上記処理を行なう手段を有すること
で、正確に文字領域及び近傍領域を高濃度文字領域・文
字周辺領域・これらに属さないその他領域に領域分離処
理できる。
【0025】さらに、上記各領域を表す領域識別信号に
対応して黒生成量を決定するため、文字周囲に発生する
不必要な濃度値がほとんど発生することなく、一層文字
部の出力画像の品質を向上させることができる。
【0026】本発明の画像処理装置においては、黒生成
処理に加えて下色除去処理を行なう必要がある。すなわ
ち黒生成処理は、C、M、Yの画像信号の最小値を黒成
分とみなして黒に置き換えることで行なうため、黒に置
き換えられた量に相等したC、M、Y量の減少を行なう
下色除去処理を行なう必要が生じるためである。
【0027】そのため本発明の画像処理装置において
は、出力画像データにおける黒以外の色成分を減少させ
る下色除去処理を行なう下色除去処理手段を備え、上記
下色除去処理手段は、上記領域分離手段にて分離された
高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属さないその
他領域毎に下色除去量を制御するものである。
【0028】このように高濃度文字領域・文字周辺領域
・これらに属さないその他領域毎に下色除去量を制御す
ることで、黒生成量のみに依存せずに、各領域毎に必要
な下色除去ができる。
【0029】また本発明の画像処理装置における下色除
去処理手段は、第1色成分を含む複数の色成分からなる
入力画像データの色成分毎に、下色除去量を制御するこ
ともできる。この結果目的とする下色除去量を任意に調
整させ、各色に必要な下色除去を行なうものである。
【0030】これは、出力画像の品質低下の原因の一つ
である、入力画像データから出力画像データまでの変換
の際に生じるデータの劣化、例えばカラー画像入力装置
の特性により、入力画像データRGBのいずれかのMT
F(ModulationTransfer Func
tion)が悪く、画像入力信号が劣化する場合、上記
劣化に起因した文字部の再現性の低下を防止するため、
カラー画像入力装置の各色のMTFに応じた入力画像デ
ータに対応して、下色除去量を制御することを下色除去
手段の機能に加えることにより、必要な下色除去処理を
行ない、劣化した画像入力信号から生じる文字部の画像
品質の劣化を改善するこができる。
【0031】また、領域識別信号のみに応じた下色除去
量制御のみでは図られない画像品質の向上を図ることが
できる。
【0032】本発明の画像形成装置は、上記課題を解決
するために、前記の画像処理装置と、これによって生成
された出力画像データに基づいて、記録媒体上に画像を
形成する画像出力手段とを備えることを特徴としてい
る。
【0033】これにより、黒生成処理及び下色除去処理
を用いて、文字部などで生じる文字ぼやけ等の問題を解
決することが可能な画像形成装置を提供することができ
る。
【0034】また本発明の記録媒体は、上記課題を解決
するために、前記の画像処理方法をコンピュータに実行
させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取
り可能な記録媒体であることを特徴としている。
【0035】この結果、前記画像処理方法を行なうため
に必要なプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
能な記録媒体を自在に持ち運ぶという利便性を提供する
ことができる。
【0036】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明に係る実
施の一形態を、図1から図10に基づいて説明すれば以
下の通りである。尚、本発明は、ここではデジタルフル
カラー複写機を例に挙げて説明するが、複数の機器から
構成されるシステム(例えば画像入力装置・画像処理装
置・画像形成装置がネットワークを介して接続されてい
る様なシステム等)や、1つの機器からなる装置に適用
してもよい。
【0037】図1に本発明に係る画像処理方法及び画像
処理装置の構成が適用されたカラー画像処理装置1の構
成を示す。図1に示すように、カラー画像処理装置1は
A/D変換部10、シェーディング補正部11、入力階
調補正部12(画像信号変換手段)、領域分離処理部1
3(領域分離処理手段)、色補正処理部14、黒生成下
色除去部15(黒生成/下色除去処理手段)、空間フィ
ルタ処理部16、及び中間調生成処理部17を備えてい
る。このカラー画像処理装置1に、カラー画像入力装置
2(カラー画像入力手段)とカラー画像出力装置3(カ
ラー画像出力手段)とが接続されている。これらのカラ
ー画像処理装置1、カラ−画像入力装置2、及びカラー
画像出力装置3によってカラー画像形成装置5としての
デジタルフルカラー複写機が構成されている。
【0038】カラー画像入力装置2は、例えばスキャナ
等により構成されており、原稿からの反射光像であるR
GB(第1色成分)のアナログ信号を入力画像データと
してCCD(Charge Coupled Devi
ce)にて読み取り、カラー画像処理装置1に入力す
る。
【0039】読み取られたアナログ信号は、カラ−画像
処理装置1内のA/D変換部10、シェーディング補正
部11、入力階調補正部12(画像信号変換手段)、領
域分処理部13(領域分離処理手段)、色補正処理部1
4、黒生成下色除去部15(黒生成/下色除去処理手
段)、空間フィルタ処理部16、及び中間調生成処理部
17の順で送られ、CMYK(第2色成分)からなる出
力画像データ103として、カラー画像出力装置3に出
力される。
【0040】A/D変換部10では、原稿からの反射光
像であるRGB(第1色成分)のアナログ信号である入
力画像データをデジタル信号に変換してシェーディング
補正部11に送る。そしてシェーディング補正部11で
は、カラー画像入力装置2の照明系・結像系・撮像系で
生じる各種歪みを取り除く処理が行なわれ、さらに入力
階調補正部12にて、RGB(第1色成分)からなるデ
ジタルの入力画像データのカラーバランス整えると同時
に、濃度信号など画像処理システムにて扱いやすい画像
入力信号101に変換する処理を行なう(本実施の形態
例ではRGB(第1色成分)のデジタル信号を補色反転
したCMY(第2色成分)の画像入力信号101に変換
する)。
【0041】そして変換された画像入力信号は領域分離
処理部13を通って色補正処理部14に入力されるもの
と、同領域分離処理部13にて画像入力信号101から
文字領域、網点領域等に判別され、領域識別信号102
として出力されるものがある。尚、領域分離処理部13
の処理内容の詳細は後述する。
【0042】色補正処理部14では、領域識別信号10
2に基づいて、それぞれの領域に適した特性を持つ色再
現を実現させるために、不要な吸収成分を含むCMY色
材成分の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理が行
なわれる。
【0043】図5に示すように、黒生成下色除去部15
は黒生成処理部(黒生成処理手段)31及び下色除去処
理部(下色除去処理手段)32から構成されている。黒
生成処理部31では領域識別信号102に基づいて、色
補正処理部14にて色補正されたCMYの3色の画像入
力信号101から黒(K)信号を生成しており、下色除
去処理部32では、黒生成処理部31により生成された
K信号をC、M、Y、3色の画像入力信号から減算する
ことでCUCR 、MUCR 、YUCR 、K、4色の信号からな
る出力画像データ103へと変換される。尚、黒生成下
色除去部15の処理内容の詳細は後述する。
【0044】空間フィルタ処理部16では、上記黒生成
下色除去部15より送られてきた出力画像データ103
を、領域識別信号102に基づいてそれぞれの領域に適
した特性を持つ空間フィルタを用いて空間フィルタ処理
を行なう。上記空間フィルタ処理によりそれぞれの領域
が有する空間周波数特性を補正することより、出力画像
にあらわれるぼやけ、粒状性劣化、モアレ等の発生を抑
制することができる。
【0045】中間調生成処理部17においては、上記空
間フィルタ処理部16より送られてきた出力画像データ
103を、領域識別信号102に基づいてそれぞれの領
域に適した特性を持つスクリーンを用いて、2値化処理
または多値化処理が行なわれる。
【0046】また領域分離処理部13においては文字領
域と分類された領域については、近傍画素の領域も含
め、黒文字領域(高濃度文字領域)・黒文字周辺領域
(文字周辺領域)・これらに属さないその他領域に分類
される。
【0047】上述した各処理が施された出力画像データ
103は、一旦記憶手段(不図示)に記憶され、所定の
タイミングで読み出されカラー画像出力装置3に入力さ
れる。
【0048】カラー画像形成装置5は、上記カラー画像
出力装置3により、上述した各処理が施された出力画像
データ103に基づいて記録媒体(例えば紙等)上に画
像を出力するもので、例えば電子写真方式やインクジェ
ット方式を用いたカラー画像形成装置等を挙げることが
できるが、特に限定されるものではない。
【0049】以下、領域分離処理部13及び黒生成下色
除去部15についての処理内容を詳細に説明する。
【0050】図2に領域分離処理部13の構成を示す。
領域分離処理部13は、文字・網点・写真領域判定部2
1と文字領域信号判定部22により構成されている。
【0051】本実施の形態に係るカラー画像処理装置1
では、カラー画像入力装置2により入力された入力画像
データを、領域分離処理部13の文字・網点・写真領域
判定部21にて文字領域・網点領域・写真領域に分離
し、次に文字領域信号判定部22にて、文字領域及び上
記文字領域の近傍を表すその他近傍領域を、黒文字領域
・黒文字周辺領域・これらに属さないその他領域に分類
する処理を行なう。
【0052】上記領域分離処理部13での処理は、ユー
ザーによるカラー画像形成装置5の操作パネル4の画像
モード設定ボタンから選択された画像モードに対応した
領域分離処理を行なう場合と、もしくはカラー画像形成
装置5が自動に、出力したい画像に対して、領域分離処
理を行なう場合とがある。
【0053】上記ユーザーによるカラー画像形成装置5
の操作パネル4の画像モード設定ボタンから画像モード
が選択されると、その画像モード信号が領域分離処理部
13に入力され、領域分離処理のパラメーターが設定さ
れる。例えば、「文字モード」の場合は確実に「文字」
が検出されるようにパラメーターが設定され、また「文
字/写真モード」では、「文字」と「印刷写真」をバラ
ンスよく分離できるようなパラメーターが設定される。
このようにして入力された画像データ応じて、領域分離
処理が行なわれて、領域識別信号が出力される。
【0054】カラー画像形成装置5が自動に領域分離処
理を行なう場合は、出力したい画像になるために、つま
り原稿画像を忠実に再現するために、カラー画像入力装
置2により入力された入力画像データに対して、領域分
離処理部13の文字・網点・写真領域判定部21にて文
字領域・網点領域・写真領域に分離し、次に文字領域信
号判定部22にて、文字領域及び上記文字領域の近傍を
表す近傍領域を、黒文字領域・黒文字周辺領域・これら
に属さないその他領域に分類する処理を行なう。
【0055】尚、上記黒文字領域・黒文字周辺領域・こ
れらに属さないその他領域の判定は、黒という特定色の
文字に限るものではなく、他の色の文字にも適用でき
る。
【0056】文字・網点・写真領域判定部21での画像
入力信号101の文字領域・網点領域・写真領域への分
離方法の一例を説明する。
【0057】一例としては「画像電子学会研究会予稿9
0−06−04のp19〜p24」に記載されている方
法を用いることができる。以下、詳細を説明する。
【0058】この方法は、注目画素を中心としたM×N
(M、Nは自然数)画素のブロック内で以下のような判
定を行ない、それを注目画素の識別信号とする。
【0059】まず、ブロック内中央の9画素(例えば、
注目画素を中心とした3×3画素)に対して、信号レベ
ルの平均値(Dave )を求め、その平均値を用いてブロ
ック内の画素を2値化する。また最大画素信号レベル
(Dmax )、最小画素信号レベル(Dmin )も同時に求
める。
【0060】次に、網点領域では、小領域における画像
入力信号101の変動が大きいことや、背景に比べて濃
度が高いこと利用して、網点領域を識別する。具体的に
は、2値化されたデータに対して、主走査方向、副走査
方向で、それぞれ0から1への変化点数、1から0への
変化点数を求めて、それぞれの変化数をKH 、KV
し、またそれぞれの閾値をTH 、TV とし、両者の比較
を行なう。そして変化点数KH 、KV がともに閾値
H 、TV を上回る場合は網点領域と判定する。
【0061】さらに網点領域と判定した場合、背景部と
の誤判定を防ぐために、最大画素信号レベル(Dmax
と信号レベルの平均値(Dave )との差〔Dmax −D
ave 〕及び、信号レベルの平均値(Dave )と最小画素
信号レベル(Dmin )との差〔Dave −Dmin 〕を、そ
れぞれの閾値B1 及びB2 と比較する。
【0062】そしてこれらの差が共に閾値を上回った場
合は網点領域と判定し、他の場合は網点領域以外(非網
点領域)と判定する。
【0063】即ち、以下の条件にて網点領域と非網点領
域を判定する。
【0064】
【数1】
【0065】文字領域では、その領域での固有の特徴、
つまり最大画素信号レベル(Dmax)と最小画素信号レ
ベル(Dmin )との差が大きく、濃度も高いといった特
徴を持つと考えられている。そこで文字領域の判定にお
いては、この特徴を利用して識別を以下のように行な
う。
【0066】先の網点領域と非網点領域との判定の際に
求められている最大画素信号レベル(Dmax )と最小画
素信号レベル(Dmin )及び最大画素信号レベル(D
max )と最小画素信号レベル(Dmin )から求められる
これらの差分(Dsub )を、それぞれ閾値PA 、PB
びPC と比較し、どれか一つが閾値を上回ったならば文
字領域、全てが閾値以下ならば写領領域と判定される。
【0067】即ち、以下の条件で非網点領域を文字領域
と写真領域とに判定する。
【0068】
【数2】
【0069】次に本発明に係る処理方法である、文字領
域をさらに黒文字領域・黒文字周辺領域・これらに属さ
ないその他領域(黒文字領域・黒文字周辺領域ではない
領域)へ分離するための判定方法を説明する。
【0070】上記方法は領域分離処理部13内の文字領
域信号判定部22にて行なう。文字領域信号判定部22
は、文字領域信号認識部23、下地比較部24、及び閾
値比較部25、画素処理確認部26から構成されてい
る。
【0071】上記方法の処理の流れを図2にて説明す
る。まず、上記方法により、文字・網点・写真領域判定
部21にて文字領域・網点領域・写真領域に分離された
各々の文字領域信号・網点領域信号・写真領域信号から
なる領域識別信号102及び画像入力信号101を、文
字領域信号認識部23に送る。
【0072】次に上記文字領域信号認識部23内の処理
において、まず、送られてきた信号のうち、文字領域信
号を認識する。
【0073】具体的には、図3(a)に示されるような
注目画素を中心としたM×N(本例では5×5のマス
ク)の画素サイズのマスクを文字領域信号認識部23に
て設定し、該当するこの5×5のマスク内の注目画素を
除く領域において、文字領域信号の有無を判定する。
【0074】文字領域信号が有る場合は下地比較部24
へ信号を送り、無い場合は網点領域信号または写真領域
信号と判定して、信号201として進む。
【0075】さらに、注目画素に関しては、文字領域信
号が有る場合は信号202として進み、文字領域信号が
無い場合は、網点領域信号または写真領域信号として信
号201として進む。
【0076】次に下地比較部24に送られてきた信号へ
の処理を記す。
【0077】上記下地比較部24に信号が送られてきた
場合は、図3(b)に示すように、5×5のマスク内
に、文字領域信号が存在する場合である。
【0078】まず、図3(c)〔但し図3内の隣接画素
の濃度値は下地比較部24での処理においては考慮しな
い〕に示すように、文字領域信号が存在する5×5のマ
スクの領域に対応する画像入力信号の濃度値を抽出す
る。
【0079】次に注目画素の濃度値と下地の濃度値の比
較を行なう。
【0080】具体的には、注目画素の濃度値が下地の濃
度値よりも大きい場合、つまり注目画素が下地以外と判
定された場合は閾値比較部25へと信号を送る。
【0081】上記以外の場合、つまり注目画素の濃度値
が下地の濃度値よりも大きい場合以外においては、例え
ば、注目画素の濃度値が下地の濃度値と同等ならば、注
目画素は黒文字周辺領域以外であると判定されるため、
信号203として進む。
【0082】閾値比較部25に送られてきた信号への処
理を記す。
【0083】上記閾値比較部25に信号が送られてきた
場合は、図3(c)に示されるように注目画素と文字領
域信号が送られている文字領域との間の画素を隣接画素
とする(但し、文字領域が注目画素に隣接する場合は、
隣接画素は文字領域とする)。
【0084】そして、この隣接画素の濃度値と注目画素
の濃度値との絶対値の差分を求め、その差分と予め定め
ておいた閾値とを比較する。
【0085】比較の結果、閾値よりも小さい場合は、注
目画素を黒文字周辺領域と判定し、信号206として、
画素処理確認部26へと送る。
【0086】閾値よりも小さくなかった場合は、信号2
04として、画素処理確認部26へと送る。
【0087】上記閾値は、事前に多くの画像を用いて黒
文字周辺領域を抽出できるような適切な値を求めておく
必要がある。
【0088】画素処理確認部26に送られてきた信号へ
の処理を記す。
【0089】上記画素処理確認部26での処理は、全て
の画素について黒文字周辺領域の判定が行なわれている
か否かの判断がなされる。
【0090】全ての画素について判定が終了していれ
ば、上記処理にて判定された黒文字周辺領域を表す黒文
字周辺領域信号とそれ以外の信号である黒文字領域信号
及びその他領域信号(黒文字周辺領域信号、黒文字領域
信号以外の信号)を、文字領域判定信号207として色
補正処理部14へと送る。
【0091】全ての画素について黒文字周辺領域の判定
が行なわれていない場合は、再処理信号205を文字領
域信号認識部23に送り、注目画素を1画素シフトさせ
て、再度マスク内の領域識別信号を利用して上記の一連
の処理を行うようにする。
【0092】図2の領域分離処理部13について、図4
のフローチャートに対応させて説明する。
【0093】まず、文字・網点・写真領域判定部21に
て文字領域・網点領域・写真領域に分離された各々の文
字領域信号・網点領域信号・写真領域信号からなる領域
識別信号102及び画像入力信号101に対して、ステ
ップ1において(以下ステップをSと記す)、図3
(a)に示されるような注目画素を中心としたM×N
(本例では5×5のマスク)の画素サイズのマスクを文
字領域信号認識部23にて設定する。
【0094】次に上記文字領域信号認識部23におい
て、S2に示すように、5×5のマスク内に文字領域信
号が有るか無いかを判定する。
【0095】具体的には、まず該当するこの5×5のマ
スク内の注目画素を除く領域おいて、文字領域信号が有
る場合は下地比較部24へ信号を送り、無い場合、注目
画素を除く5×5マスク内に網点領域または写真領域ま
たはその他の領域が存在するものとして、S8に進む。
【0096】さらに、注目画素に関しては、文字領域信
号が有る場合はS8へ進み、文字領域信号でない場合
は、網点領域または写真領域またはその他の領域が存在
する場合とみなす。
【0097】S3は、文字領域信号認識部23から下地
比較部24に送られてきた、図3(b)に示すような、
5×5のマスク内に、文字領域信号が有る場合に処理を
施すステップである。
【0098】具体的には、上記下地比較部24に送られ
てきた信号に対して、まず、図3(c)〔但し図3内の
隣接画素の濃度値は下地比較部24での処理においては
除外〕に示すように、文字領域信号が存在する5×5の
マスクの領域に対応する画像入力信号の濃度値を抽出す
る。
【0099】S4は、注目画素の濃度値と下地の濃度値
の比較を行なう。
【0100】比較した結果、注目画素の濃度値が下地の
濃度値よりも大きい場合、つまり注目画素が下地以外と
判定された場合は閾値比較部25へと信号を送る。
【0101】上記以外の場合、つまり注目画素の濃度値
が下地の濃度値よりも大きい場合以外においては、例え
ば、注目画素の濃度値が下地の濃度値と同等ならば、注
目画素は黒文字周辺領域以外であると判定されるため、
S8へと進む。
【0102】S5は、閾値比較部25に送られてきた信
号に処理を施している。
【0103】処理内容は、上記閾値比較部25に送られ
てきた信号に対して、図3(c)に示されるように注目
画素と文字領域信号が送られている文字領域との間の画
素を隣接画素(但し、文字領域が注目画素に隣接する場
合は、隣接画素は文字領域とする。)とし、この隣接画
素の濃度値と注目画素の濃度値との絶対値の差分を求め
る。
【0104】S6は、上記S5で求められた差分に対し
て、予め定めておいた閾値を使い、両値を比較する。
【0105】S7は、S6の比較の結果、閾値よりも小
さい場合は、注目画素を黒文字周辺領域と判定し、閾値
よりも小さくなかった場合は、S8へと進む。
【0106】これらの処理は、黒文字領域から黒文字周
辺領域が、図12(a)、図13(a)に示す濃度断面
図のように、濃度値がゆるやかに変化している特性に着
目している。つまり、注目画素の濃度と隣接画素の濃度
との絶対値の差分を求めると、その値は小さくなるとい
う特性を利用しているのである。
【0107】上記閾値は、事前に多くの画像を用いて黒
文字周辺領域を抽出できるような適切な値を求めておけ
ば良い。
【0108】S8は、上記の一連の処理である黒文字周
辺領域の判定が全ての画素について行なわれているか否
かの判断がなされる。
【0109】全ての画素について判定が終了していれ
ば、上記処理にて判定された黒文字周辺領域を表す黒文
字周辺領域信号とそれ以外の信号である黒文字領域信号
及びその他領域信号(黒文字領域信号と黒文字周辺領域
信号以外の信号)を、文字領域判定信号207として色
補正処理部14へと送る。
【0110】S9は、上記S8の処理にて、全ての画素
について黒文字周辺領域の判定が行なわれていない場合
に、注目画素を1画素シフトさせる。
【0111】そして、S2に戻り、再度マスク内の領域
識別信号を利用して上記黒文字周辺領域の判定のための
一連の処理を行なうようにする。
【0112】次に、黒生成下色除去部15について説明
する。
【0113】図5に示すように、黒生成下色除去部15
は、黒生成処理部31と下色除去処理部32から構成さ
れる。
【0114】黒生成処理部31は、領域分離処理部13
から黒生成下色除去部15に送られてくる、CMYの3
色の画像入力信号101を受け取り、さらに上記領域分
離処理部13からの領域識別信号102の両信号を用い
て、領域識別信号102に応じて、黒(K)信号であ
る、黒生成量を制御している。
【0115】本発明の黒生成処理は、画像入力信号10
1、例えばC、M、Yの画像入力信号からK信号を生成
するものであり、その際に領域識別信号102を用い
て、黒生成手法を切り換えるものである。
【0116】黒生成処理における、処理の一例を図6か
ら図10を用いて説明する。
【0117】図6はC、M、Yの画像情入力信号から、
K信号を生成する概念図である。一般的に黒(K)を生
成する手法としては、数式3に示すような黒生成γカー
ブにより、算出される。
【0118】
【数3】
【0119】Kは黒生成量を表し、C、M、Yはそれぞ
れの画像入力信号の濃度値を表す。
【0120】ここで黒生成γカーブは任意のカーブであ
り、C、M、Yの画像入力信号の濃度値のうち、最小値
min(C、M、Y)に対して、一意に決まる黒生成量
を表す。
【0121】従って、図6の黒生成γカーブの場合、図
10に示されるように、画像入力信号の濃度値(C、
M、Y)における、最小値min(C、M、Y)の濃度
値に対して、同一の濃度値である黒が生成される〔以
下、図6と同様に最小値min(C、M、Y)の濃度値
に対して、同一の濃度値である黒が生成される場合を図
7、8、9においては破線で表す〕。
【0122】領域識別信号102を用いる本願発明で
は、各領域に応じて、黒生成γカーブを領域識別信号毎
に不図示の記憶手段に記憶しており、複数のγカーブを
持っている。
【0123】例えば、領域識別信号102が黒文字領域
信号・黒文字周辺信号・これらに属さないその他領域を
表す信号の場合に、対応する黒生成量γカーブをGam
ma1、2、3(図7〜9参照)として、それぞれの領
域において対応した黒生成量γカーブを用いて黒生成量
を決定する。
【0124】上記γカーブは各領域に必要なカーブを設
定しておけば良い。上記例ならば、黒文字領域でより文
字を際立たせたい場合なら、最小値min(C、M、
Y)の濃度値が大きい部分には、黒生成量を最小値mi
n(C、M、Y)の濃度値よりも多く生成量するような
γカーブ(Gamma1;図7)を用いれば良いし、こ
れらに属さないその他領域ならば、黒生成量を増やすと
全体に暗い画像を得ることになるため、最小値min
(C、M、Y)の濃度値に対して、黒生成量を最小値m
in(C、M、Y)の濃度値よりも少なく生成するよう
なγカーブ(Gamma3;図9)を用いれば良い。
【0125】ここでは、黒生成処理として黒生成γカー
ブを一例として挙げて説明しているが、それ以外の黒生
成手法にて黒を生成しても構わない。
【0126】以上のように、本実施形態の画像処理方法
及び上記画像処理方法を利用するカラー画像処理装置1
とカラー画像形成装置5は、RGBなどの第1色成分を
含む複数の色成分からなる入力画像データを、CMYな
どの第1色成分とは異なる第2色成分を含む複数の色成
分からなる画像入力信号101に変換した後、上記画像
入力信号101を基に黒と第2色成分とを含む複数の色
成分からなる出力画像データ103を生成する黒生成処
理を行なう際に、上記画像入力信号101を文字領域・
網点領域・写真領域に分離した後、さらに上記文字領域
信号を黒文字領域・黒文字周辺領域・これらに属さない
その他領域に判別し、上記黒文字領域・黒文字周辺領域
・これらに属さないその他領域毎に黒の生成量を制御す
ることができる。その結果従来技術で問題となっていた
文字周囲に発生する不必要な濃度値がほとんど発生する
ことなく文字部の出力画像の品質を向上させることがで
きる。
【0127】また、黒文字領域・黒文字周辺領域・これ
らに属さないその他領域の判別の際、上記文字領域信号
及びその近傍領域信号に対して、M×N(M≧2、N≧
2の整数)の画素サイズのマスクを設定し、上記マスク
内の注目画素の画像入力信号の濃度値と、注目画素と文
字領域信号との間の隣接画素の画像入力信号の濃度値と
の差分をもとめ、予め定められた閾値と比較して、上記
黒文字領域・黒文字周辺領域・これらに属さないその他
領域を判別することで、正確に文字領域を黒文字領域・
黒文字周辺領域・これらに属さないその他領域へと領域
分離処理を行なうことができる。
【0128】さらに、黒生成処理は上記のように正確に
分離された領域識別信号102に応じて、それぞれの領
域において対応した黒生成γカーブを用いて黒生成量を
決定するため、一層、文字周囲に発生する不必要な濃度
値がほとんど発生することなく文字部の出力画像の品質
を向上させることができる。
【0129】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
を、図5、図11から図13に基づいて説明する。
【0130】実施の形態1においては、入力画像データ
を画像入力信号101に変換し、この画像入力信号10
1を領域分離処理を施すことで、文字領域を抽出し、さ
らに、黒文字領域・黒文字周辺領域・これらに属さない
その他領域に分離し、各領域毎に黒生成量を変化させる
方法を説明した。
【0131】この方法の上記黒生成処理に加えて、下色
除去処理を行なうことが望ましい。理由は、黒生成処理
は、C、M、Yの画像信号の最小値を黒成分とみなして
黒に置き換えることで行なうため、黒に置き換えられた
量に相等したC、M、Y量の減少を行なう下色除去処理
を行なう必要が生じるためである。
【0132】そのため本発明の実施の形態2では、図5
に示すように、カラー画像処理装置1にて、画像入力信
号101における黒以外の色成分を減少させる下色除去
処理を行なう下色除去処理部32を備え、さらに、上記
下色除去処理部32は、領域分離処理部13にて分離さ
れた領域を表す信号(領域識別信号102)に応じて、
下色除去量を制御することができる構成である。
【0133】下色除去処理に関して、図11から図13
を用いて説明する。
【0134】図11は、黒生成処理で得られた黒生成量
を用いて、画像入力信号101(C、M、Y)から、出
力画像データ103(CUCR 、MUCR 、YUCR )を生成
する概念図である。
【0135】下色除去処理部32においては、次のよう
な数式によって、出力画像データ103を生成してい
る。
【0136】
【数4】
【0137】Kは黒生成処理部31によって生成された
黒生成量を表し、(CUCR 、MUCR、YUCR )は下色除
去処理が行なわれた後の出力画像データ103を表す。
そしてβは任意の係数であり、下色除去率を表してい
る。図11は、β=1.0の場合の例を示す。
【0138】領域識別信号102を用いる本手法では、
領域識別信号102に応じた下色除去率βを、各領域識
別信号102毎に不図示の記憶手段に記憶している。つ
まり、複数の下色除去率βを有している。
【0139】例えば、領域識別信号102が黒文字領域
41を表す場合の下色除去率β1 を0.8、黒文字周辺
領域42を表す場合の下色除去率β2 を3.0、その他
領域43(黒文字領域・黒文字周辺領域ではない領域)
を表す場合の下色除去率β3を1.0として、下色除去
処理を行ない、(CUCR 、MUCR 、YUCR )を求める。
【0140】このように黒文字領域41・黒文字周辺領
域42・これらに属さないその他領域43毎に下色除去
量を制御させることで、黒生成量のみに依存せずに、各
領域毎に必要な下色除去を行うことができる。
【0141】上記方法を図12、図13の濃度断面図を
用いて説明する。
【0142】図12は黒生成処理と比較例としての下色
除去処理を表す出力画像データ103を生成する流れで
ある。ここで黒生成処理に利用するγカーブは上記実施
例と同じくGamma1、2、3を用いており、下色除
去率βは領域識別信号102に因らずに一律0.8にし
た場合を表している。
【0143】また、領域識別信号102は黒文字領域信
号、黒文字周辺領域信号、これらに属さないその他領域
信号とし、これらの信号に応じた領域を黒文字領域4
1、黒文字周辺領域42、これらに属さないその他領域
43とする。
【0144】図12(a)はある黒文字を表す領域近辺
の画像入力信号(C、M、Y)の濃度断面図を表す。画
像入力信号101は、領域識別信号102に基づいて分
類され、それぞれの領域に応じたγカーブに基づいた黒
生成処理が行なわれる。その結果、図12(b)に図示
されるような黒生成量K値が決定する。
【0145】図12(c)は、画像入力信号101
(C、M、Y)から黒生成処理が行なわれ、その黒に置
き換えられた量に相等したC、M、Y量の減少を行なう
下色除去処理を経て、作り出される出力画像データ10
3(CUCR 、MUCR 、YUCR )の濃度断面図である。
【0146】ここで問題となるのは、黒文字周辺領域4
2の部分である。
【0147】その理由は、黒文字領域の周辺(いわゆる
黒文字周辺領域42)にあるために、黒生成処理におい
て、若干黒が生成されてしまった場合、下色除去率βを
一律0.8で下色除去処理を行なってしまうと黒文字周
辺領域42に、不必要な出力画像データ(CUCR 、M
UCR 、YUCR )が存在することになり、結果、黒文字周
辺領域42に低濃度の領域(不必要な濃度値)があらわ
れてしまい、文字のぼやけが生じてしまうためである。
【0148】そこで、本発明である上記黒文字領域41
・黒文字周辺領域42・これらに属さないその他領域4
3毎に下色除去量の制御を行なうと、上記問題を解決す
ることができる。
【0149】上記問題の解決方法である本発明を図13
によって説明する。
【0150】図13は黒生成処理と下色除去処理を領域
識別信号102を用いて行なうときの、出力画像データ
103を生成する流れである。ここで黒生成処理に利用
するγカーブは上記実施例と同じくGamma1、2、
3を用いており、下色除去率βは領域識別信号102が
黒文字領域41を表す場合は下色除去率β1 を0.8、
黒文字周辺領域42を表す場合は下色除去率β2 を3.
0、これらに属さないその他の領域43(黒文字領域4
1・黒文字周辺領域42ではない領域)を表す場合の下
色除去率β3 は1.0として、下色除去処理を行い、
(CUCR 、MUCR、YUCR )を求める。
【0151】図13(a)は図12(a)同様に、ある
黒文字を表す領域近辺の画像入力信号101(C、M、
Y)の濃度断面図を表す。画像入力信号101は、領域
識別信号102に基づいて分類され、それぞれの領域に
応じたγカーブに基づいた黒生成処理が行なわれ、結
果、図13(b)に図示されるような黒生成量K値が決
定する。
【0152】図13(c)は、画像入力信号101
(C、M、Y)から黒生成処理が行なわれ、次段階の下
色除去処理において下色除去率βを領域識別信号102
に基づいて変化させて、下色除去量の制御を行なった場
合の、作り出された出力画像データ103(CUCR 、M
UCR 、YUCR )の濃度断面図である。
【0153】上記本発明の下色除去処理を行なうと、問
題点である黒文字周辺領域42は、例え黒生成処理にお
いて、若干黒が生成されてしまった場合でも、その黒生
成量よりも大きい量を除去するために下色除去率βを
1.0以上(本例では3.0)にしておくことで、一律
の下色除去率βにて黒生成処理を行なった場合に生じる
不必要な出力画像データ103(CUCR 、MUCR 、Y
UCR )を取り除くことが可能である。
【0154】以上のように、本実施の形態の画像処理方
法及び上記画像処理方法を利用するカラー画像処理装置
1とカラー画像形成装置5は、実施の形態1で正確に分
離された領域識別信号102に応じて、それぞれの領域
において対応した黒生成γカーブを用いて黒生成量を決
定する処理と同様に、黒文字領域41・黒文字周辺領域
42・これらに属さないその他領域43を表す領域識別
信号102毎に下色除去量の制御を行なうことで、黒生
成量のみに依存せずに、各領域毎に必要な下色除去を行
なうことができる。
【0155】そのため、文字周囲に発生する不必要な濃
度値を抑え、文字部の出力画像の品質を向上させること
ができる。
【0156】尚、上述した各処理が施された出力画像デ
ータ103に基づいて記録媒体(例えば紙等)上に画像
を出力するものでは、例えば電子写真方式やインクジェ
ット方式を用いたカラー画像形成装置等を挙げることが
できるが、特に限定されるものではない。
【0157】〔実施の形態3〕本発明の他の実施形態を
示す。
【0158】上記の実施の形態1、2に示されるような
画像処理方法及び上記画像処理方法を利用するカラー画
像処理装置1、カラー画像形成装置5では、カラー画像
入力装置2の特性によって、入力画像データRGBのい
ずれかのMTF(Modulation Transf
er Function)が悪く、画像入力信号101
が劣化した場合、その劣化した信号に起因して、出力画
像の再現性は低下し、高い品質の画像を得ることができ
ないときがある。
【0159】これは上記実施の形態1、2では、領域分
離処理部13から送られる領域識別信号102に応じ
て、黒生成量、下色除去量を制御しているためである。
つまり、入力画像データの領域に着目してはいるが、色
成分については考慮していないためである。
【0160】そこで、上記実施の形態1、2の処理に加
え、カラー画像入力装置2のMTFに応じて、第1色成
分含む複数の色成分からなる入力画像データの色成分毎
に、下色除去率βを変化させて、下色除去量を制御する
ようにする。
【0161】その結果、改善すべき画像入力信号101
に対しての文字のぼやけを解消することができ、さらに
他の画像入力信号101に影響を与えることなく、文字
再現性を向上させることができる。
【0162】カラー画像入力装置2のMTFを求めると
きには、簡易的な場合には、図14(a)に示すよう
な、カラー画像入力装置2の走査方向に直交する方向の
白黒のラインチャート(この例示の場合は縦縞ラインチ
ャート)を用いたCTF(Constant Tran
sfer Function)によって測定する。
【0163】この場合、例えば図14(b)に示す濃度
分布が測定されたとすると、CTFは下記式で表され
る。
【0164】 CTF=(最大入力値−最小入力値)/総入力階調値 =(ピーク値−ディップ値)/(255−0) 上記式を用いて、入力画像データを各色について求めれ
ば良い。
【0165】以上のように、本実施の形態の画像処理方
法及び上記画像処理方法を利用するカラー画像処理装置
1とカラー画像形成装置5は、実施の形態1、2のよう
に、黒文字領域41・黒文字周辺領域42・これらに属
さないその他領域43を表す領域識別信号102毎に応
じて、それぞれの領域において対応した黒生成γカーブ
と下色除去率βを用いて黒生成量と下色除去量を制御す
ることに加え、カラー画像入力装置2のMTFに応じ
て、第1色成分を含む複数の色成分からなる入力画像デ
ータの色成分毎に、さらに下色除去率βを変化させて、
下色除去量を制御するようにする。
【0166】そのため、文字周囲に発生する不必要な濃
度値を抑え、文字部の出力画像の品質を向上させること
ができる。
【0167】これにより、各色に必要な下色除去を行な
い、目的とする下色除去量を任意に調整させることで、
劣化した画像入力信号101から生じる文字部の画像品
質の劣化を防ぐことができる。
【0168】尚、上述した各処理が施された出力画像デ
ータ103に基づいて記録媒体(例えば紙等)上に画像
を出力するものでは、例えば電子写真方式やインクジェ
ット方式を用いたカラー画像形成装置等を挙げることが
できるが、特に限定されるものではない。
【0169】〔実施の形態4〕本実施形態は、実施の形
態1、2及び3に記載の画像処理方法をコンピュータに
実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ
読み取り可能な記録媒体に、実施の形態1、2及び3の
画像処理方法を記録することを特徴としている。
【0170】尚、本実施形態での記録媒体としては、マ
イクロコンピュータで処理が行なわれるためにメモリ、
例えばROM(Read Only Memory)の
ような、そのものがプログラムメディアであっても良い
し、外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設け
られ、そこに記録媒体を挿入することにより、読み出し
可能な記録媒体であってもかまわない。
【0171】何れの場合においても、格納されているプ
ログラムはマイクロプロセッサが、アクセスして実行さ
せる構成であっても良いし、あるいは何れの場合もプロ
グラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイク
ロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロード
されて、そのプログラムが実行される方式であっても良
い。尚、このダウンロード用のプログラムは予め本体装
置に格納されているものとする。
【0172】ここで上記プログラムメディアは、本体と
分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープ/カ
セットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)デ
ィスク/ハードディスク等の磁気ディスクや、CD−R
OM/MO/MD/DVD等の光ディスク等のディスク
系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等の
カード系、あるいはマスクROM/EPROM(Era
sable Programmable Read O
nly Memory)/EEPROM(Electr
ically Erasable Programma
ble Read OnlyMemory)/フラッシ
ュROM等の半導体メモリを含めた固定的にプログラム
を担持する媒体であっても良い。
【0173】また本実施形態においては、インターネッ
トを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成で
あることから、通信ネットワークからプログラムをダウ
ンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体
であっても良い。尚、このように通信ネットワークから
プログラムをダウンロードする場合には、ダウンロード
用プログラムは予め本体に格納しておくか、あるいは別
の記録媒体からインストールされるものであってもかま
わない。また、記録媒体に格納されている内容としては
プログラムに限定されずにデータであっても良い。
【0174】この結果、本画像処理方法を行なうプログ
ラムを記録した記録媒体を自由に持ち運ぶことで、カラ
ー画像処理装置1及びカラー画像形成装置5に実施の形
態1、2及び3の画像処理方法を実施させることを可能
にするという、利便性を提供することができる。
【0175】
【発明の効果】本発明の画像処理方法は、以上のよう
に、第1色成分を含む複数の色成分からなる入力画像デ
ータを、第1色成分とは異なる第2色成分を含む複数の
色成分からなる画像入力信号に変換した後、上記画像入
力信号を文字領域・網点領域・写真領域に分離して、文
字領域信号・網点領域信号・写真領域信号に変換し、さ
らに上記文字領域信号及び上記文字領域信号の近傍領域
を表す近傍領域信号を、高濃度文字領域・文字周辺領域
・これらに属さないその他領域に判別し、上記高濃度文
字領域・文字周辺領域・これらに属さないその他領域毎
に黒生成下色除去処理を行なう画像処理方法によって、
黒と第2色成分とを含む複数の色成分からなる出力画像
データを生成するという構成である。
【0176】これにより、文字領域が、高濃度文字領域
・文字周辺領域・これらに属さないその他領域毎に分類
され、各領域毎に黒生成量が制御されるので、各領域に
必要とされる黒を生成することができるために、入力画
像の全ての領域に対して一律に黒生成を行なったときに
文字周囲に発生する不必要な濃度値がほとんど発生する
ことなく、文字部の出力画像の品質を向上させることが
できるという効果を奏する。
【0177】また、本発明の画像処理方法は、上記高濃
度文字領域・文字周辺領域・これらに属さないその他領
域の判別において、上記文字領域信号及び上記近傍領域
信号に対して、M×N(M≧2、N≧2の整数)の画素
サイズのマスクを設定し、上記マスク内の注目画素の画
像入力信号の濃度値と、注目画素と文字領域信号との間
の隣接画素の画像入力信号の濃度値との差分を求め、予
め定められた閾値と比較して、上記高濃度文字領域・文
字周辺領域・これらに属さないその他領域に判別すると
いう構成である。
【0178】これより、注目画素と文字領域信号との間
の隣接画素の画像入力信号の濃度値との差分を求め、予
め定められた閾値と比較することで、より正確な領域分
離を行なうことができる。
【0179】また、上記の正確に分離された領域識別信
号に応じて黒生成量を決定するため、文字周囲に発生す
る不必要な濃度値がほとんど発生することなく、一層文
字部の出力画像の品質を向上させるという効果を奏す
る。
【0180】尚、上記高濃度文字領域・文字周辺領域・
これらに属さないその他領域の判定は、黒という特定色
の文字に限るものではなく、他の色の文字にも適用でき
る。
【0181】また、本発明の画像処理方法は、さらに出
力画像データにおける黒以外の色成分の下色除去処理を
行なうとき、上記高濃度文字領域・文字周辺領域・これ
らに属さないその他領域毎に、下色除去量を制御させる
ものである。
【0182】これにより、高濃度文字領域・文字周辺領
域・これらに属さないその他領域毎に必要な量だけの下
色除去量を制御させることができるため、一律に下色除
去量を決定した場合や、黒生成量のみに依存して下色除
去量を決定した場合に生じる文字のぼやけを解消すると
いう効果を奏する。
【0183】また、本発明の画像処理方法は、下色除去
処理を行なうとき、上記高濃度文字領域・文字周辺領域
・これらに属さないその他領域毎に下色除去量を制御す
ることに加え、第1色成分を含む複数の色成分からなる
入力画像データの色成分毎に、下色除去量を制御する構
成である。
【0184】これにより、出力画像の品質低下の原因の
一つである、入力画像データから出力画像データまでの
変換の際に生じるデータの劣化、例えばカラー画像入力
装置の特性により、入力画像データRGBのいずれかの
MTF(Modulation Transfer F
unction)が悪く、画像入力信号が劣化する場
合、上記劣化に起因した文字部の再現性の低下を防止す
るため、カラー画像入力装置の各色のMTFに応じた入
力画像データに対応して、下色除去量を制御することが
できる。これにより、必要な下色除去処理を行ない、劣
化した画像入力信号から生じる文字部の画像品質の劣化
を改善することができるという効果を奏する。
【0185】また、領域判別信号のみに応じた下色除去
量制御のみでは図られない画像品質の向上を図ることが
できるという効果も奏する。
【0186】本発明の画像処理装置においては、以上の
ように、画像入力手段により読み込まれた第1色成分を
含む複数の色成分からなる入力画像データを第1色成分
とは異なる第2色成分を含む複数の色成分からなる画像
入力信号に変換する画像信号変換手段と、上記画像入力
信号を文字領域・網点領域・写真領域に分離して、文字
領域信号・網点領域信号・写真領域信号に変換し、さら
に上記文字領域信号及び上記文字領域信号の近傍領域を
表す近傍領域信号を、高濃度文字領域・文字周辺領域・
これらに属さないその他領域に判別する領域分離手段
と、上記領域分離手段の結果である、高濃度文字領域・
文字周辺領域・これらに属さないその他領域毎に黒の生
成量を制御する黒生成処理手段とを有する構成である。
【0187】これにより、文字領域が、高濃度文字領域
・文字周辺領域・これらに属さないその他領域毎に分類
され、各領域毎に黒生成量が制御されるので、各領域に
必要とされる黒を生成することができるために、入力画
像の全ての領域に対して一律に黒生成を行なったときに
文字周囲に発生する不必要な濃度値がほとんど発生する
ことなく、文字部の出力画像の品質を向上させることが
できるという効果を奏する。
【0188】また、本発明の画像処理装置は、上記高濃
度文字領域・文字周辺領域・これらに属さないその他領
域の判別において、上記文字領域信号及び上記近傍領域
信号に対して、M×N(M≧2、N≧2の整数)の画素
サイズのマスクを設定し、上記マスク内の注目画素の画
像入力信号の濃度値と注目画素と文字領域信号との間の
隣接画素の画像入力信号の濃度値との差分をもとめ、予
め定められた閾値と比較して、上記高濃度文字領域・文
字周辺領域・これらに属さないその他領域の判断を行な
う領域分離手段を有する構成である。
【0189】これより、予め定められた閾値と比較する
ことで、より一層正確な領域分離を行なうことができ
る。
【0190】結果、上記の正確に分離された領域識別信
号に応じて黒生成量を決定するため、文字周囲に発生す
る不必要な濃度値がほとんど発生することなく、一層文
字部の出力画像の品質を向上させるという効果を奏す
る。
【0191】尚、上記高濃度文字領域・文字周辺領域・
これらに属さないその他領域の判定は、黒という特定色
の文字に限るものではなく、他の色の文字にも適用でき
る。
【0192】また、本発明の画像処理装置は、出力画像
データにおける黒以外の色成分を減少させる下色除去処
理を行なう下色除去処理手段をさらに備え、上記下色除
去処理手段は、上記領域分離手段にて分離された高濃度
文字領域・文字周辺領域・これらに属さないその他領域
毎に下色除去量を制御する構成である。
【0193】これにより、高濃度文字領域・文字周辺領
域・これらに属さないその他領域毎に必要な量だけの下
色除去量を制御させることができるため、一律に下色除
去量を決定した場合や、黒生成量のみに依存して下色除
去量を決定した場合に生じる文字のぼやけを解消すると
いう効果を奏する。
【0194】また、本発明の画像処理装置における下色
除去処理手段は、上記高濃度文字領域・文字周辺領域・
これらに属さないその他領域毎に必要な量だけの下色除
去量を制御することに加え、第1色成分を含む複数の色
成分からなる入力画像データの色成分毎に、下色除去量
を制御する構成である。
【0195】これにより、出力画像の品質低下の原因の
一つである、入力画像データから出力画像データまでの
変換の際に生じるデータの劣化、例えばカラー画像入力
装置の特性により、入力画像データRGBのいずれかの
MTF(Modulation Transfer F
unction)が悪く、画像入力信号が劣化する場
合、上記劣化に起因した文字部の再現性の低下を防止す
るため、カラー画像入力装置の各色のMTFに応じた入
力画像データに対応して、下色除去量を制御することが
できる。これにより、必要な下色除去処理を行い、劣化
した画像入力信号から生じる文字部の画像品質の劣化を
改善することができるという効果を奏する。
【0196】また、各領域毎の下色除去量制御のみでは
図られない画像品質の向上を図ることができるという効
果も奏する。
【0197】また、本発明の画像形成装置は、上記の画
像処理装置と、これによって生成された出力画像データ
に基づいて、記録媒体上に画像を形成する画像出力手段
とを備える構成である。
【0198】これにより、黒生成処理及び下色除去処理
を用いて、文字部などで生じる文字ぼやけ等の問題を解
決することが可能な画像形成装置を提供することができ
る。
【0199】また、本発明の画像処理方法を記録した記
録媒体は、上記画像処理方法を行うために必要なプログ
ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体と
いう構成である。
【0200】これにより、本画像処理方法を行なうプロ
グラムを記録した記録媒体を自由に持ち運ぶことで、画
像処理装置及び画像形成装置に上記画像処理方法を実施
させることを可能にするという、利便性を提供できると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る、カラー画像処理
装置の構成を主に示すブロック図である。
【図2】上記カラー画像処理装置における、領域分離処
理部を示すブロック図である。
【図3】(a)は領域識別信号に対して施される注目画
素を中心としたマスクを示す説明図であり、(b)はマ
スク内に文字領域信号が存在する場合のマスクの説明図
であり、(c)はマスク内の濃度値を表した説明図であ
る。
【図4】文字領域を高濃度文字領域・文字周辺領域・こ
れらに属さないその他領域に分離する処理の流れを表す
フローチャートである。
【図5】上記カラー画像処理装置内の黒生成下色除去部
の構成を示すブロック図である。
【図6】黒生成処理におけるγカーブの説明図である。
【図7】黒生成処理における図6とは異なるγカーブの
説明図である。
【図8】黒生成処理における図6及び図7のγカーブと
は異なるγカーブの説明図である。
【図9】黒生成処理における図6、図7及び図8のγカ
ーブとは異なるγカーブの説明図である。
【図10】画像入力信号から黒生成量を得る概念を示す
説明図である。
【図11】下色除去処理の概念を示す説明図である。
【図12】比較例での黒生成下色除去処理が行なわれる
様子を表す図であり、(a)は黒文字の画像入力信号値
(C、M、Y)を示す説明の濃度断面図、(b)は黒生
成処理後の信号値(K)を示す説明図、(c)は下色除
去処理後の出力信号を示す説明図である。
【図13】本発明の黒生成下色除去処理が行なわれる様
子を表す図であり、(a)は黒文字の画像入力信号値
(C、M、Y)を示す説明の濃度断面図、(b)は黒生
成処理後の信号値(K)を示す説明図、(c)は下色除
去処理後の出力信号を示す説明図である。
【図14】カラー画像入力装置のMTFを求める一例を
表す図であり、(a)は白黒のラインチャートを示す説
明図、(b)はカラー画像入力装置が白黒のラインチャ
ートを読み取ったときの濃度断面図である。
【符号の説明】
1 カラー画像処理装置 2 カラー画像入力装置(カラー画像入力手段) 3 カラー画像出力装置(カラー画像出力手段) 12 入力階調補正部(画像信号変換手段) 13 領域分離処理部(領域分離処理手段) 15 黒生成下色除去部(黒生成/下色除去処理手
段) 22 文字領域信号判定部 23 文字領域信号認識部 24 下地比較部 25 閾値比較部 26 画素処理確認部 31 黒生成処理部(黒生成処理手段) 32 下色除去処理部(下色除去処理手段) 41 黒文字領域 42 黒文字周辺領域 43 その他領域(上記黒文字領域及び黒文字周辺領
域を含まない領域) 101 画像入力信号 102 領域識別信号 103 出力画像データ 205 再処理信号 207 文字領域判定信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/40 H04N 1/40 F 1/46 1/46 Z Fターム(参考) 2C262 AA24 AA26 AB13 BA01 BA07 BA13 BB03 DA02 DA09 EA04 EA07 EA08 5B057 AA11 BA28 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB07 CB12 CB16 CC01 CE17 CE18 CH18 DA08 DB02 DB06 DC22 5C077 LL19 MP06 MP08 PP15 PP27 PP28 PP32 PP33 PP38 PP43 PP47 PP65 PP68 5C079 HB01 HB03 HB12 LA06 LA21 LA31 LA39 MA11 NA02 5L096 AA02 AA06 BA07 DA02 FA43 FA44 FA45 GA07 GA51

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1色成分を含む複数の色成分からなる入
    力画像データを第1色成分とは異なる第2色成分を含む
    複数の色成分からなる画像入力信号に変換した後、上記
    画像入力信号を基に黒と第2色成分とを含む複数の色成
    分からなる出力画像データを生成する黒生成下色除去処
    理を行なう画像処理方法において、 上記画像入力信号を文字領域・網点領域・写真領域に分
    離して、文字領域信号・網点領域信号・写真領域信号に
    変換し、さらに上記文字領域信号及び上記文字領域信号
    の近傍領域を表す近傍領域信号を、高濃度文字領域・文
    字周辺領域・これらに属さないその他領域に判別し、上
    記高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属さないそ
    の他領域毎に黒の生成量を制御することを特徴とする画
    像処理方法。
  2. 【請求項2】上記高濃度文字領域・文字周辺領域・これ
    らに属さないその他領域の判別は、上記文字領域信号及
    び上記近傍領域信号に対して、M×N(M≧2、N≧2
    の整数)の画素サイズのマスクを設定し、 上記マスク内の注目画素の画像入力信号の濃度値と、注
    目画素と文字領域信号との間の隣接画素の画像入力信号
    の濃度値との差分をもとめ、予め定められた閾値と比較
    して、上記高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属
    さないその他領域に判別することを特徴とする請求項1
    記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】上記出力画像データにおける黒以外の色成
    分を減少させる下色除去処理を行なうとき、 上記高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属さない
    その他領域毎に、下色除去量を制御することを特徴とす
    る請求項1または2記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】上記各領域毎の下色除去量の制御に加え、
    さらに第1色成分を含む複数の色成分からなる入力画像
    データの色成分毎に、下色除去量を制御することを特徴
    とする請求項3記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】画像入力手段により読み込まれた第1色成
    分を含む複数の色成分からなる入力画像データを第1色
    成分とは異なる第2色成分を含む複数の色成分からなる
    画像入力信号に変換する画像信号変換手段と、 上記画像入力信号を文字領域・網点領域・写真領域に分
    離して、文字領域信号・網点領域信号・写真領域信号に
    変換し、さらに上記文字領域信号及び上記文字領域信号
    の近傍領域を表す近傍領域信号を、高濃度文字領域・文
    字周辺領域・これらに属さないその他領域に判別する領
    域分離手段と、 上記領域分離手段の結果である、高濃度文字領域・文字
    周辺領域・これらに属さないその他領域毎に黒の生成量
    を制御する黒生成処理手段とを有することを特徴とする
    画像処理装置。
  6. 【請求項6】上記領域分離手段は、上記文字領域信号及
    び上記近傍領域信号に対して、M×N(M≧2、N≧2
    の整数)の画素サイズのマスクを設定し、 上記マスク内の注目画素の画像入力信号の濃度値と注目
    画素と文字領域信号との間の隣接画素の画像入力信号の
    差分をもとめ、予め定められた閾値とを比較して、上記
    高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属さないその
    他領域に判別することを特徴とする請求項5記載の画像
    処理装置。
  7. 【請求項7】出力画像データにおける黒以外の色成分を
    減少させる下色除去処理を行なう下色除去処理手段を備
    え、 上記下色除去処理手段は、上記領域分離手段にて分離さ
    れた高濃度文字領域・文字周辺領域・これらに属さない
    その他領域毎に下色除去量を制御することを特徴とする
    請求項5または6記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】上記下色除去処理手段は、さらに第1色成
    分を含む複数の色成分からなる入力画像データの色成分
    毎に、下色除去量を制御することを特徴とする請求項7
    記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】請求項5、6、7または8に記載の画像処
    理装置と、 上記画像処理装置で生成された出力画像データに基づい
    て記録媒体上に画像を出力する画像出力手段とを備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】請求項1、2、3または4に記載の画像
    処理方法を、コンピュータに実行させることを特徴とす
    るプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006311381A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Sharp Corp 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
JP2010206438A (ja) * 2009-03-03 2010-09-16 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理装置及び画像処理プログラム

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JP2006311381A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Sharp Corp 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体
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