JP2002217685A - アナログ信号処理装置 - Google Patents

アナログ信号処理装置

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JP2002217685A JP2001005797A JP2001005797A JP2002217685A JP 2002217685 A JP2002217685 A JP 2002217685A JP 2001005797 A JP2001005797 A JP 2001005797A JP 2001005797 A JP2001005797 A JP 2001005797A JP 2002217685 A JP2002217685 A JP 2002217685A
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    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H19/00Networks using time-varying elements, e.g. N-path filters
    • H03H19/004Switched capacitor networks

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  • Power Engineering (AREA)
  • Analogue/Digital Conversion (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Amplifiers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い動作安定性を有し、かつ、アナログ信号
処理回路内部での信号飽和による信号歪みを低減するこ
とができるアナログ信号処理装置を提供する。 【解決手段】 アナログ信号を処理するためのスイッチ
トキャパシタ回路2−nを含むアナログ信号処理回路2
に対し、アナログ信号処理回路2の出力信号に生じるオ
フセット電圧を自動的に補償するために、アナログ信号
処理回路2の出力信号におけるオフセット電圧を検出す
るオフセット検出回路4をアナログ信号処理回路2の出
力端に接続するとともに、検出されたオフセット電圧を
アナログ信号処理回路2で処理されるアナログ信号から
減算するための減算回路5をアナログ信号処理回路2の
入力端または内部配線に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチトキャパ
シタ回路を含むアナログ信号処理回路と、上記アナログ
信号処理回路の出力信号に生じるオフセット電圧を自動
的に補償するオフセット補償回路とを備えるアナログ信
号処理装置に関するものであり、特に、時間連続アナロ
グ信号処理要素回路と、スイッチトキャパシタ回路を含
む時間離散アナログ信号処理要素回路とを組み合わせた
アナログ信号処理回路を備えるアナログ信号処理装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のスイッチトキャパシタ回路を含む
アナログ信号処理回路のオフセット補償回路として、例
えば、特公平7−20049号公報に記載されているよ
うなスイッチトキャパシタフィルタの出力オフセット
(出力信号に生じるオフセット電圧)を補償する回路が
知られている。この構成例を、図29および図30に示
す。なお、図29および図30において、「SC」は、
スイッチトキャパシタ等価抵抗を示す。
【0003】図29の構成では、2つのオペアンプ(演
算増幅器)183・184を備えるスイッチトキャパシ
タフィルタ181の出力をオフセット検出器182にお
いて検出し、オフセット検出器182の出力をスイッチ
トキャパシタフィルタ181中の一方のオペアンプ18
4の+入力端子に接続している。これにより、スイッチ
トキャパシタフィルタ181の出力オフセットを低減す
ることが可能となる。
【0004】一方、図30の構成では、2つのオペアン
プ183・184を備えるスイッチトキャパシタフィル
タ181の出力をオフセット検出器182に入力し、オ
フセット検出器182の出力とスイッチトキャパシタフ
ィルタの出力とを加算器185によって合成(加算)し
ている。これにより、オフセットを低減することが可能
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、演算増幅器(オペアンプ)の入力には最適に動作で
きるバイアス電圧(最適バイアス電圧)が存在する一
方、演算増幅器(オペアンプ)の出力にも出力の中心と
なる電圧が存在する。これらの電圧は、必ずしも全ての
演算増幅器(オペアンプ)で同じとは限らない。図29
の構成では、オペアンプ184の入力端子に別のオペア
ンプ182aの出力が直接入力するようになっているの
で、適切な動作点が外れ、不安定になる可能性がある。
【0006】具体的には、図29の構成のように、オペ
アンプ184の入力端子に、直接、オペアンプ182a
の出力が入力している場合、オペアンプ184の非反転
入力端はオペアンプ182aの出力電圧の中心を基準と
して動作するため、オペアンプ182aの出力電圧の中
心がオペアンプ184の入力の最適な動作電圧と異なる
場合、オペアンプ184の動作が不安定になることが起
こり得る。
【0007】また、図30の構成では、加算器83をス
イッチトキャパシタフィルタ181の後段に設けている
ので、スイッチトキャパシタフィルタ181の出力端で
オフセット電圧を補償することになる。そのため、オフ
セット電圧によるスイッチトキャパシタフィルタ181
内部での信号飽和が避けられず、信号歪みが発生しやす
い。すなわち、図30の構成では、「フィードフォワー
ド」と呼ばれる手法を採用しており、検出したオフセッ
ト電圧を信号経路とは別の経路を辿らせ、スイッチトキ
ャパシタフィルタ181の出力部からオフセット分だけ
減算してオフセットを除去している。そのため、オペア
ンプ183の出力端で信号飽和が起きた場合には、確実
にオフセット補償することができない。
【0008】本発明は、上記従来の問題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、高い動作安定性を有し、か
つ、アナログ信号処理回路内部での信号飽和による信号
歪みを低減することができるアナログ信号処理装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のアナログ信号処
理装置は、上記の課題を解決するために、アナログ信号
を処理するためのスイッチトキャパシタ回路を含むアナ
ログ信号処理回路と、上記アナログ信号処理回路の出力
信号に生じるオフセット電圧を自動的に補償するための
オフセット補償回路とを備えるアナログ信号処理装置で
あって、上記オフセット補償回路が、上記アナログ信号
処理回路の出力信号におけるオフセット電圧を検出する
ためにアナログ信号処理回路の出力端に接続されたオフ
セット検出回路と、上記オフセット電圧を上記アナログ
信号処理回路に帰還するための負帰還路とを備えるアナ
ログ信号処理装置において、上記負帰還路によって帰還
されたオフセット電圧を上記アナログ信号処理回路で処
理されるアナログ信号に対して加算または減算するため
の加減算回路が、上記アナログ信号処理回路の入力端に
接続されていることを特徴としている。
【0010】上記構成によれば、オフセット検出回路の
出力信号を加減算回路を介してアナログ信号処理回路の
入力端に帰還するので、オフセット検出器182の出力
をスイッチトキャパシタフィルタ181(アナログ信号
処理回路)内部へ直接帰還する従来の図29の構成のよ
うに1つの演算増幅器の入力端子に別の演算増幅器の出
力が直接入力するようになっていない。そのため、演算
増幅器の動作点を適切な範囲に保つことができ、高い動
作安定性を得ることができる。
【0011】さらに、上記構成によれば、加減算回路を
上記アナログ信号処理回路の入力端に接続したことで、
アナログ信号処理回路の入力端でオフセット電圧を補償
することができる。それゆえ、スイッチトキャパシタフ
ィルタ181(アナログ信号処理回路)の出力端でオフ
セット電圧を補償する従来の図30の構成と比較して、
オフセット電圧によるアナログ信号処理回路内部での信
号飽和を避けることが可能となる。その結果、低歪みの
アナログ信号処理装置を実現できる。
【0012】本発明のアナログ信号処理装置は、上記の
課題を解決するために、アナログ信号を処理するための
スイッチトキャパシタ回路を含むアナログ信号処理回路
と、上記アナログ信号処理回路の出力信号に生じるオフ
セット電圧を自動的に補償するためのオフセット補償回
路とを備えるアナログ信号処理装置であって、上記オフ
セット補償回路が、上記アナログ信号処理回路の出力信
号におけるオフセット電圧を検出するためにアナログ信
号処理回路の出力端に接続されたオフセット検出回路
と、上記オフセット電圧を上記アナログ信号処理回路に
帰還するための負帰還路とを備えるアナログ信号処理装
置において、上記負帰還路によって帰還されたオフセッ
ト電圧を上記アナログ信号処理回路で処理されるアナロ
グ信号に対して加算または減算するための加減算回路
が、上記アナログ信号処理回路内部の配線上に設けられ
ていることを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、オフセット検出回路の
出力信号を加減算回路を介してアナログ信号処理回路内
部へ帰還するので、オフセット検出器182の出力をス
イッチトキャパシタフィルタ181(アナログ信号処理
回路)内部へ直接帰還する従来の図29の構成のように
1つの演算増幅器の入力端子に別の演算増幅器の出力が
直接入力するようになっていない。そのため、演算増幅
器の動作点を適切な範囲に保つことができ、高い動作安
定性を得ることができる。
【0014】さらに、上記構成によれば、加減算回路を
上記アナログ信号処理回路内部の配線上に接続したこと
で、アナログ信号処理回路の内部でオフセット電圧を補
償することができる。それゆえ、スイッチトキャパシタ
フィルタ181(アナログ信号処理回路)の出力端でオ
フセット電圧を補償する従来の図30の構成と比較し
て、オフセット電圧によるアナログ信号処理回路内部で
の信号飽和を避けることが可能となる。その結果、低歪
みのアナログ信号処理装置を実現できる。
【0015】なお、本願明細書において使用する次の用
語は、以下に説明する特定の意味を持つものとする。
【0016】まず、「スイッチトキャパシタ回路」と
は、入力信号をサンプリングして処理する信号処理回路
の1種である。スイッチトキャパシタ回路は、クロック
信号で動作し、入力信号をサンプリングして処理するの
で、離散時間で信号処理を行うことになる。したがっ
て、スイッチトキャパシタ回路は、時間離散回路の1種
である。スイッチトキャパシタ回路は、サンプリング回
路、増幅回路、フィルタ、アナログ/デジタル変換器、
デジタル/アナログ変換器、ピーク検出回路などのアナ
ログ信号処理回路としてよく使用される。さらに、「ス
イッチトキャパシタフィルタ」とは、上述したスイッチ
トキャパシタ回路で実現されるフィルタである。また、
「スイッチトキャパシタ等価抵抗」とは、抵抗と等価な
スイッチトキャパシタ回路を指す。
【0017】また、「アナログ信号処理要素回路」と
は、量子化していないすべてのアナログ信号を扱う回路
であり、スイッチトキャパシタ回路などの時間離散回路
だけでなく、時間連続な信号処理回路も含む。また、
「要素回路」とは、一般的な概念であり、抵抗、キャパ
シタ、インダクタ、演算増幅器(オペアンプ)、スイッ
チ、トランジスタなど、電気回路を構成しうるあらゆる
素子(部品)の中から選択されるいくつかの素子を組み
合わせて構成され、かつ、単独(単体)で増幅器やサン
プリング回路などの所定の機能を提供できる最小の回路
単位(機能ブロック)を指す。したがって、「アナログ
信号処理要素回路」とは、アナログ信号を処理する要素
回路を指している。また、「アナログ信号処理回路」と
は、1つあるいは複数のアナログ信号処理要素回路で構
成される信号処理回路全体を指す。
【0018】図24ないし図28に、アナログ信号処理
要素回路の例を示す。図24に示すアナログ信号処理要
素回路は積分回路、図25に示すアナログ信号処理要素
回路は増幅回路、図26に示すアナログ信号処理要素回
路はRCフィルタ(パッシブ)、図27に示すアナログ
信号処理要素回路はスイッチトキャパシタ積分回路であ
り、図28に示すアナログ信号処理要素回路はフィルタ
回路である。図28に示すフィルタ回路のように、2つ
の演算増幅器105・105を持ち、一方の演算増幅器
105の出力端から他方の演算増幅器106の入力端へ
の帰還路107を内部に持った回路は、1つのアナログ
信号処理要素回路である。なぜなら、このような回路で
は、個々の演算増幅回路、すなわち、演算増幅器105
を含む回路部分108や、演算増幅器106を含む回路
部分109だけでは機能を有しておらず、帰還路107
を含めた回路全体110で機能(この場合はフィルタと
しての機能)を発揮するからである。
【0019】また、「加減算回路」とは、加算回路また
は減算回路を指す。「時間離散回路」とは、離散時間で
信号処理を行う信号処理回路である。「時間連続回路」
とは、連続時間(Continuous-time) 回路とも呼ばれるも
のであり、信号のサンプリングを行わずに、正弦波なら
正弦波のまま信号の処理を行う回路である。時間連続回
路は、離散時間で動作する時間離散回路の対極にある。
時間連続回路としては、RCフィルタなどがある。
【0020】ところで、上記従来の特公平7−2004
9号公報に開示されているオフセット補償回路では、オ
フセット補償の対象となるスイッチトキャパシタフィル
タ181は、2段ではなく1つのアナログ信号処理要素
回路のみからなっている。アナログ信号処理要素回路と
は、前述したように、明らかに何らかの機能を有してい
る機能ブロックである。上記のスイッチトキャパシタフ
ィルタ181は、前述した図28のフィルタ回路と同様
に、2つのオペアンプ183・184を持ち、一方のオ
ペアンプ183の出力端から他方のオペアンプ184の
入力端への帰還を内部に持った回路である。そのため、
上記のスイッチトキャパシタフィルタ181は、個々の
オペアンプ183・184を含む回路部分では機能を持
たず、帰還を含めた回路全体で機能を発揮するものであ
る。その意味で、上記のスイッチトキャパシタフィルタ
81は、2段ではなく、全体で1個のアナログ信号処理
要素回路である。
【0021】そのため、上記従来のオフセット補償回路
では、複数のアナログ信号処理要素回路からなるアナロ
グ信号処理回路全体のオフセットを補償していない。言
い換えると、上記従来のオフセット補償回路では、時間
連続なアナログ信号処理要素回路やスイッチトキャパシ
タ回路を含む複数のアナログ信号処理要素回路からなる
アナログ信号処理回路全体のオフセット除去を行うこと
ができない。それゆえ、上記従来のオフセット補償回路
では、各アナログ信号処理要素回路に対して、特に時間
連続なアナログ信号処理要素回路に対して個別にオフセ
ット除去を行なう必要があった。その結果、回路の複雑
化、面積増大、消費電力増加などの問題を生じていた。
【0022】すなわち、例えば、時間連続なアナログ入
力信号をスイッチトキャパシタフィルタのような時間離
散フィルタ(discrete-time filter) で処理する場合、
実用上、エイリアシングエラーと呼ばれる折り返し誤差
を除去する必要がある。そのため、このエイリアシング
エラーの発生を防止するために、時間離散フィルタの前
段に配置した時間連続フィルタ(continuous-time filt
er) によって、アナログ信号の帯域をアナログ信号の時
間離散フィルタのサンプリング周波数fsの半分の周波
数、すなわちfs/2までの周波数成分に予め制限して
おかなければならない。
【0023】このように時間離散フィルタの前段に時間
連続フィルタを設けた場合、時間離散フィルタと同様
に、時間連続フィルタもオフセットを生じるので、時間
離散フィルタの前段に付加した時間連続フィルタのオフ
セットも補償しなければならない。このような場合、時
間離散フィルタに上記従来のオフセット補償回路を付加
しても、時間連続フィルタのオフセットを補償できない
可能性がある。
【0024】すなわち、前述したような要素回路がゲイ
ンを持っている(増幅率が1倍より大きい)場合、アナ
ログ信号が増幅されるだけでなく、オフセットも同様に
増幅されてしまう。そのため、各要素回路毎にオフセッ
ト補償を行う必要がある。時間離散フィルタであるスイ
ッチトキャパシタフィルタのみにゲインがありスイッチ
トキャパシタフィルタで発生するオフセットが増幅され
る場合に関しては、上記従来技術のオフセット補償回路
を用いてオフセットを除去(補償)することができる。
しかしながら、スイッチトキャパシタフィルタの前段ま
たは後段にゲインを持つ時間連続フィルタを備え付けた
場合、時間連続フィルタ自体にオフセット補償機能を付
加しない限り、時間連続フィルタのオフセットは除去で
きない。つまり、従来の手法では、離散時間処理を行う
スイッチトキャパシタと時間連続フィルタとをまとめて
オフセット補償することはできず、それぞれに対してオ
フセット除去(補償)の手段を講じる必要があった。さ
らに、時間連続フィルタで増幅されたオフセットは、時
間連続フィルタの出力信号の電圧レベルの中心を+側、
或いは−側に偏らせてしまう。したがって、フィルタ内
の演算増幅器の出力電圧レベルの中心を+側、或いは−
側に偏らせてしまう。そのため、出力できる電圧範囲に
限界のある実際の演算増幅器では、出力信号の電圧レベ
ルの振れ幅(信号振幅)を押し狭めることとなり、+側
あるいは−側の信号が飽和し、結果として、信号歪みを
発生する。すなわち、良好な信号処理特性が得られなく
なる。
【0025】また、スイッチトキャパシタ型デジタル/
アナログ変換器によって処理したアナログ信号は、離散
的である。そのため、デジタル/アナログ変換したアナ
ログ信号に対して、帯域制限によるスムージング処理を
行うための時間連続フィルタをスイッチトキャパシタ型
デジタル/アナログ変換器の後段に設ける場合がある。
このような場合、スイッチトキャパシタ型デジタル/ア
ナログ変換器のオフセットだけでなく、時間連続フィル
タのオフセットも補償する必要がある。
【0026】本発明の他の目的は、上記課題に鑑み、ス
イッチトキャパシタ回路を含む一連の複数のアナログ信
号処理要素回路からなるアナログ信号処理回路のオフセ
ットを一括して自動的に補償し、回路規模と回路消費電
力の低減を可能にした、信号歪みの少ないアナログ信号
処理装置を提供することにある。
【0027】上記の課題を解決するために、上記アナロ
グ信号処理回路は、複数のアナログ信号処理要素回路か
らなることが好ましい。
【0028】上記構成によれば、スイッチトキャパシタ
回路を含むアナログ信号処理回路において、ただ一つの
オフセット検出回路によって、スイッチトキャパシタ回
路を含む複数のアナログ信号処理要素回路からなるアナ
ログ信号処理回路全体に負帰還を形成することで、アナ
ログ信号処理回路内の全てのアナログ信号処理要素回路
のオフセットを一括して補償することができる。特に、
アナログ信号処理回路内の個々のアナログ信号処理要素
回路毎にオフセット補償回路を設ける必要がなくなり、
回路規模や消費電力の著しい増大を抑えることができ
る。
【0029】また、上記の加減算回路がアナログ信号処
理回路内部の配線上に設けられたアナログ信号処理装置
においては、上記アナログ信号処理回路が、複数のアナ
ログ信号処理要素回路を接続してなり、上記加減算回路
が、アナログ信号処理要素回路間を接続する配線上に設
けられ、上記負帰還路によって帰還されたオフセット電
圧を直前のアナログ信号処理要素回路の出力信号に対し
て加算または減算するようになっていることがより好ま
しい。
【0030】上記構成によれば、加減算回路の後段とな
るアナログ信号処理要素回路の入力端においてオフセッ
ト電圧を補償することができるので、加減算回路の後段
となるアナログ信号処理要素回路の内部でのオフセット
電圧による信号飽和をより確実に避けることができる。
それゆえ、より低歪みのアナログ信号処理装置を実現で
きる。
【0031】上記各構成のアナログ信号処理装置におい
ては、アナログ信号処理回路が離散時間回路であるスイ
ッチトキャパシタ回路を含んでいるので、上記オフセッ
ト検出回路も離散時間回路、好ましくはスイッチトキャ
パシタ回路を含むことが望ましい。
【0032】また、上記加減算回路は、上記オフセット
電圧に対してゲインを持つ、すなわち、上記オフセット
電圧に対して1より大きい増幅率を持つようにすること
もできる。
【0033】本発明のアナログ信号処理装置において、
オフセットを十分に補償するためには、アナログ信号処
理回路の出力信号のオフセット電圧を十分に増幅したう
えでアナログ信号処理装置の入力端または内部に負帰還
する必要がある。上述したように加減算回路が少なくと
も上記オフセット電圧に対して1より大きい増幅率を持
つと、オフセット補償に必要な信号増幅をオフセット検
出回路と加減算回路とで分担することができる。これに
よって、オフセット検出回路の出力飽和を防止すること
ができ、また、より安定した帰還ループを形成すること
ができる。
【0034】また、上記オフセット検出回路は、上記ア
ナログ信号処理回路の出力信号が入力されるスイッチト
キャパシタ等価抵抗と、上記スイッチトキャパシタ等価
抵抗の出力端に接続された第1演算増幅器と、上記第1
演算増幅器の入力端および出力端に接続されたキャパシ
タとを備えるスイッチトキャパシタ積分回路であること
が好ましい。
【0035】本発明のアナログ信号処理装置において、
オフセットを十分に補償するためには、オフセット検出
回路の入力インピーダンスを十分に高くして負荷を軽く
する必要がある。上記構成のオフセット検出回路では、
スイッチトキャパシタ等価抵抗を介してアナログ信号処
理回路の出力信号を第1演算増幅器に入力するようにな
っているため、抵抗を用いたオフセット検出回路と比較
して等価的にインピーダンスを高くできる。その結果、
アナログ信号処理回路の設計が容易になる。
【0036】また、本発明のアナログ信号処理装置は、
上記スイッチトキャパシタ回路を制御するための第1制
御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ回路に供給
する第1クロック信号供給手段と、上記スイッチトキャ
パシタ積分回路を制御するための第2制御クロック信号
を上記スイッチトキャパシタ積分回路に供給する第2ク
ロック信号供給手段とをさらに備え、第2制御クロック
信号が、第1制御クロック信号と同期していることがよ
り好ましい。
【0037】上記構成によれば、オフセット補償回路の
スイッチトキャパシタ積分回路のサンプリング動作とア
ナログ信号処理回路のスイッチトキャパシタ回路のサン
プリング動作とが同期するため、これらのサンプリング
のタイミングが一致する。これにより、信号のサンプリ
ングエラーを起こすことなく信号処理を行うことができ
る。また、オフセット補償回路のスイッチトキャパシタ
積分回路が、アナログ信号処理回路の出力がセトリング
した状態のアナログ信号処理回路の出力信号を取り込む
ことが可能となり、正確な信号処理が可能となる。ま
た、アナログ信号処理回路も、オフセット補償回路の出
力がセトリングした状態のオフセット補償回路の出力信
号を取りこむことができる。これによって、互いに本来
の信号成分ではないセトリングしていない状態の出力を
取りこまないようにできるため、これによる信号歪みの
発生を抑えることができる。すなわち、回路全体の同期
が、回路内の各点での正確な信号の伝達を可能とするこ
とができる。
【0038】また、本発明のアナログ信号処理装置は、
上記アナログ信号処理回路のスイッチトキャパシタ回路
を制御するための第1制御クロック信号を上記スイッチ
トキャパシタ回路に供給する第1クロック信号供給手段
と、上記スイッチトキャパシタ積分回路を制御するため
の第2制御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ積
分回路に供給する第2クロック信号供給手段とをさらに
備え、上記第2クロック信号供給手段が、第1制御クロ
ック信号を分周したクロック信号(第1制御クロック信
号の周波数の約数であるような周波数を持ったクロック
信号)を第2制御クロック信号として上記スイッチトキ
ャパシタ積分回路に供給するものであってもよい。
【0039】上記構成によれば、アナログ信号処理回路
内のスイッチトキャパシタ回路を制御する第1制御クロ
ック信号を分周したクロック信号をスイッチトキャパシ
タ積分回路を制御する第2制御クロック信号としてスイ
ッチトキャパシタ積分回路に与えることで、オフセット
補償に必要なオフセット検出回路の通過帯域をさらに下
げることが可能となる。したがって、オフセット補償回
路で必要な帯域を確保するために、面積の広いキャパシ
タを用いる必要がなくなり、キャパシタの面積を小さく
抑えることができる。その結果、回路の面積の増大を抑
えることができるだけでなく、キャパシタ容量に伴う負
荷の増大を抑えることができるので、消費電力の増大も
抑えることができる。さらに、オフセット補償回路の通
過帯域を下げることで、アナログ信号処理回路の通過帯
域を広げることが可能になる。
【0040】さらに、本発明のアナログ信号処理装置
は、上記スイッチトキャパシタ回路を制御するための第
1制御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ回路に
供給する第1クロック信号供給手段と、上記スイッチト
キャパシタ積分回路を制御するための第2制御クロック
信号を上記スイッチトキャパシタ積分回路に供給する第
2クロック信号供給手段とをさらに備え、上記第2クロ
ック信号供給手段が、第1制御クロック信号を倍周(周
波数逓倍)したクロック信号(第1制御クロック信号の
周波数の整数倍であるような周波数を持ったクロック信
号)を第2制御クロック信号として上記スイッチトキャ
パシタ積分回路に供給するものであってもよい。
【0041】上記構成によれば、オフセット補償回路の
ゲインを上げて、オフセット補償に要する時間を短縮す
ることができる。
【0042】また、上記加減算回路は、+入力端子およ
び−入力端子を有する第2演算増幅器と、抵抗素子また
はスイッチトキャパシタ等価抵抗(好ましくはスイッチ
トキャパシタ等価抵抗)からなる入力素子とを含み、上
記演算増幅器の+入力端子および−入力端子の少なくと
も一方が、上記入力素子を介してオフセット検出回路の
出力端に接続されていることがより好ましい。
【0043】上記構成によれば、アナログ信号処理回路
へオフセット信号(オフセット検出回路の出力信号)を
入力するための加減算回路が、抵抗素子またはスイッチ
トキャパシタ等価抵抗(好ましくはスイッチトキャパシ
タ等価抵抗)からなる入力素子を備えるため、オフセッ
ト補償回路の負荷を容量負荷とすることができる。これ
によって、オフセット補償回路内の演算増幅器の消費電
力の増加を抑えることが可能となる。
【0044】また、オフセット検出回路および加減算回
路の両方にスイッチトキャパシタ等価抵抗を用いると、
それぞれの高入力インピーダンス特性により、上記アナ
ログ信号処理回路本体およびオフセット検出回路内部の
演算増幅器の消費電力の増大を抑えることが可能にな
る。
【0045】また、上記加減算回路は、抵抗、スイッチ
トキャパシタ等価抵抗、およびキャパシタからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種の素子と、演算増幅器とを備
えることが好ましい。
【0046】また、上記加減算回路は、演算増幅器と、
演算増幅器の入力端子に接続され、かつ、処理対象のア
ナログ信号が入力される第1入力素子と、オフセット検
出回路の出力端および演算増幅器の入力端子に接続され
た第2入力素子と、演算増幅器の入力端子および出力端
子に接続された帰還素子とを備え、第1入力素子、第2
入力素子、および帰還素子が、抵抗、スイッチトキャパ
シタ等価抵抗、およびキャパシタからなる群より選ばれ
る少なくとも1種の素子であることが好ましい。上記構
成では、加減算回路のゲインが、素子同士の抵抗比また
は容量比により設定可能である。
【0047】また、上記オフセット検出回路は、上記オ
フセット電圧に対して非常に大きいゲインを持つ、すな
わち、上記オフセット電圧に対して1よりずっと大きい
増幅率を持つことが好ましい。上記構成によれば、オフ
セット検出回路が上記オフセット電圧に対して非常に大
きいゲインを持つことで、オフセット除去に必要な帯域
を制限することができ、かつ、アナログ信号処理装置の
安定性を確保することができる。また、上記オフセット
検出回路のゲインは、アナログ信号処理装置の製造者が
スイッチトキャパシタ等価抵抗の容量とキャパシタの容
量との比を選択することによって任意に設定可能であ
る。アナログ信号処理装置の製造者は、上記オフセット
検出回路のゲインを調整して、装置の動作が開始されて
からオフセット電圧が補償されるまでの時間を短くした
り長くしたりすることが可能である。
【0048】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図19に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。なお、本実施形態では、本発明
を、複数のアナログ信号処理要素回路で構成されるアナ
ログ信号処理回路のオフセット補償に適用した場合につ
いて説明する。
【0049】図1に示すように、本実施形態のアナログ
信号処理装置としてのオフセット補償回路付きアナログ
信号処理回路1は、少なくとも1個がスイッチトキャパ
シタ回路であるN個(N>1)のアナログ信号処理要素
回路を縦続接続してなるアナログ信号処理回路2と、ア
ナログ信号処理回路2の出力信号に生じるオフセット電
圧を自動的に補償(キャンセル)するためのオフセット
補償回路3とを備えている。
【0050】アナログ信号処理回路2は、処理対象とな
るアナログ信号が入力される第1アナログ信号処理要素
回路2−1から、処理済のアナログ信号を出力する第N
アナログ信号処理要素回路2−NまでのN個のアナログ
信号処理要素回路2−1〜2−Nで構成される。これら
アナログ信号処理要素回路2−1〜2−Nのうち、1つ
または複数の第nアナログ信号処理要素回路2−n(n
は1〜Nの任意の自然数)は、スイッチトキャパシタ回
路である。
【0051】このスイッチトキャパシタ回路としては、
特に制限なく、公知の種々のスイッチトキャパシタ回
路、例えば、特公平7−20049号公報に記載されて
いるスイッチトキャパシタフィルタ、公知のスイッチト
キャパシタ型デジタル/アナログ変換器、公知のスイッ
チトキャパシタ回路で実現される他のアナログ信号処理
要素回路(増幅器、積分器、バッファ、アナログ/デジ
タル変換器など)を使用することができる。
【0052】ところで、上記従来の特公平7−2004
9号公報に開示されているオフセット補償回路では、オ
フセット補償の対象となる回路の種類が、スイッチトキ
ャパシタバンドパスフィルタまたはスイッチトキャパシ
タローパスフィルタであり、適用範囲が限られている。
上記従来の公報には、他の回路、例えばスイッチトキャ
パシタ型デジタル/アナログ変換器などの他のスイッチ
トキャパシタ回路のオフセット補償については、記述が
ない。スイッチトキャパシタ型デジタル/アナログ変換
器などの他のスイッチトキャパシタ回路も、オフセット
を補償する必要がある。
【0053】これに対し、本発明では、スイッチトキャ
パシタフィルタ以外の他のスイッチトキャパシタ回路の
オフセット補償にまで適用範囲を広げているので、スイ
ッチトキャパシタフィルタ以外の他のスイッチトキャパ
シタ回路のオフセット補償が可能である。また、アナロ
グ信号処理回路2は、スイッチトキャパシタ回路以外の
アナログ信号処理要素回路、例えば、図2に示す時間連
続フィルタなどの時間連続回路を含んでいてもよく、そ
の場合、スイッチトキャパシタ回路以外のアナログ信号
処理要素回路のオフセットを補償できる。
【0054】図2に示す時間連続フィルタは、出力端子
が出力端68に接続されるとともに+入力端子が接地さ
れた演算増幅器66と、入力端67と演算増幅器66の
−入力端子との間に入力側からこの順で直列接続された
抵抗69および抵抗62と、抵抗69および抵抗62の
接続点と演算増幅器66の出力端子とに接続された抵抗
63と、演算増幅器66の−入力端子および出力端子に
接続されたキャパシタ64と、抵抗69および抵抗62
の接続点に接続されるとともに接地されたキャパシタ6
5とを備えている。
【0055】オフセット補償回路3は、アナログ信号処
理回路2の出力信号におけるオフセット電圧を含む低周
波成分を検出するために第Nアナログ信号処理要素回路
2−Nに接続されたオフセット検出回路4と、オフセッ
ト検出回路4の出力信号(検出された低周波成分)をア
ナログ信号処理回路2に帰還するための負帰還路6と、
負帰還路6によって帰還されたオフセット検出回路4の
出力信号を処理対象のアナログ信号である入力信号8か
ら減算するための減算回路(加減算回路)5とを備えて
いる。減算回路5は、アナログ信号処理回路2の入力端
に処理対象のアナログ信号を入力するための配線上に設
けられている。すなわち、減算回路5は、出力端子がア
ナログ信号処理回路2の入力端に接続され、+入力端子
に処理対象のアナログ信号が入力されるようになってい
る。また、減算回路5の−入力端子は、オフセット検出
回路4の出力端に接続されている。
【0056】オフセット検出回路4は、アナログ信号処
理回路2の出力信号のうち、オフセット電圧を含む低周
波数成分(ある周波数以下の成分)を検出し、検出した
低周波数成分を負帰還路6を通して減算回路5へ出力す
るものである。すなわち、オフセット検出回路4は、オ
フセット電圧を含む低周波数成分(ある周波数以下の成
分)、例えば10Hzまでの周波数成分のみを通過させ
るとともに、直流(周波数0Hz)に対するゲインが十
分に大きくなっている。なお、本発明のアナログ信号処
理回路2で処理されるアナログ信号は、オフセット検出
回路4の通過帯域より高い周波数の成分を含み、かつ、
直流には情報を有していない信号であり、例えば、1M
Hz以上の周波数の信号である。
【0057】ここで、第1アナログ信号処理要素回路2
−1から第Nアナログ信号処理要素回路2−NまでのN
個のアナログ信号処理要素回路2−p(p=1,2,
…,N)のゲインをGp (G1,2,…,GN )、N個の
アナログ信号処理要素回路2−pの入力換算オフセット
電圧をOp (O1,2,…,ON )、オフセット検出回路
4のゲインをF(>0)、入力信号8の電圧をVin、出
力信号9の電圧をVoutで表し、入出力の関係(Vinと
Vout との関係)を伝達関数で表すと、次式のようにな
る。
【0058】
【数1】
【0059】上記式中において、O0 は、オフセット補
償回路付きアナログ信号処理回路1からオフセット補償
回路3を除いた場合のアナログ信号処理回路2の出力オ
フセット電圧(従来のアナログ信号処理装置の出力オフ
セット電圧)を表す。
【0060】一方、オフセット補償回路付きアナログ信
号処理回路1からオフセット補償回路3を除いた場合の
出力信号9の電圧Vout ’は、次式で表される。
【0061】 Vout ’=G12…GNVin+O0 …(3) また、このときの入力信号8の電圧Vinと、出力信号9
の電圧Vout およびVout ’との時間変化(時間tによ
る電圧Vの変化)を図3に示す。
【0062】入力信号8として、図3(a)に示す電圧
Vinを持つ入力信号8が与えられたとき、式(3)に示
したオフセット補償回路3を除いた場合のアナログ信号
処理回路2の出力信号9の電圧Vout ’は、図3(b)
に示すように、入力信号8の電圧レベルVinの中心(平
均値;この場合は0)に対して出力信号9が出力オフセ
ットO0 の分だけ、中心がシフトする。
【0063】一方、オフセット補償回路3を接続した本
発明に係るオフセット補償回路付きアナログ信号処理回
路1においては、オフセット検出回路4の直流(周波数
0Hz)に対するゲインFが十分に大きいので、F→∞
とみなせる。すると、G12…GNF→∞となり、式
(1)のオフセットの項(第2項)が消え、出力信号9
のVout は次式(4)で表される。
【0064】
【数2】
【0065】したがって、直流(周波数0Hz)におけ
るアナログ信号処理回路2の出力オフセットは、0にな
る。その結果、オフセット電圧が直流成分(周波数0H
z)のみからなっていれば、オフセット電圧が完全に除
去される。このとき、直流(周波数0Hz)について
は、Vout =0となり、信号に含まれる直流成分も通過
しないことになるが、入力信号8は、直流には情報を有
していないので、問題は生じない。
【0066】一方、ここで、入力信号8あるいは出力信
号9が、ある周波数f1 (>0)までの帯域に情報を有
する信号であるとする。また、オフセット検出回路4
が、図4(a)のような周波数応答を持ち、通過帯域が
周波数f2 以下であるとし、さらに、F=1となる周波
数をfa とする。すると、周波数fa より高い周波数の
信号については、F=0となる。f1 >f2 とすると、
式(1)から直流成分であるオフセットは既に存在しな
いので、前記の式(4)のようになる。さらに、F→0
であるため、 Vout =G12...GNVin とできる。例えば、図4(a)のように、オフセット検
出回路4がf2 =10Hzまでの通過帯域を有し、直流
でのゲインFがF≫G(理想的には直流でF→∞)であ
り、図4(b)のように、入力信号8が、f1 =100
kHzまでの帯域に情報を有する信号であり、直流には
情報を有していないとすると、Vout /Vinの関係は、
図4(c)に示すようになる。
【0067】すなわち、直流に対するオフセット検出回
路4のゲインFが非常に大きいので、直流(周波数0H
z)については、信号もオフセットもキャンセルされ
る。すなわち、周波数f=0では、直流なので、オフセ
ットが存在しない。また、F=1となるある周波数f=
a において、出力Vout はVout =Vinとなる。ま
た、f2 <f<f1 においては、出力Vout は、 Vout =G12...GNVin となる。
【0068】以上のように、図1のオフセット補償回路
付きアナログ信号処理回路1では、入力信号8とオフセ
ット電圧との周波数の違いを利用して、オフセット成分
をキャンセルすることができる。このときの出力信号9
を図3(c)に示す。
【0069】なお、図3では、入力信号8および出力信
号9を共に時間連続なアナログ的な信号として示してい
たが、入力信号8および出力信号9は、時間的に離散な
信号や、デジタル信号などにもなり得る。時間的に離散
な出力信号9の電圧Vout の時間的変化の例を図5に示
す。また、アナログ信号処理回路2中において、アナロ
グ信号は、位置によって、時間連続なアナログ的な信号
になったり、時間的に離散な信号になったり、デジタル
信号になったりすることもある。
【0070】次に、本実施形態および後述する他の実施
形態で用いることのできるオフセット検出回路4の例
を、図6を参照して説明する。
【0071】この例のオフセット検出回路4は、スイッ
チトキャパシタ型オフセット電圧検出回路であり、図6
に示すように、演算増幅器(第1演算増幅器)40と、
アナログ信号処理回路2の出力信号が入力される信号入
力端Finと、信号入力端Finおよび演算増幅器40の−
入力端子に接続されたスイッチトキャパシタ等価抵抗4
1と、演算増幅器40の−入力端子および出力端子に接
続された第1キャパシタ(キャパシタ)42とを備え、
演算増幅器40の+入力端子が接地され、演算増幅器4
0の出力端子に減算回路5の一方の入力端であるオフセ
ット補償信号入力端Fout が接続されたものである。
【0072】また、スイッチトキャパシタ等価抵抗41
としては、1つまたは複数のキャパシタ、キャパシタの
一端と入力端および接地電位との間に設けられた1対ま
たは複数対の入力側スイッチ、およびキャパシタの他端
と出力端および接地電位との間に設けられた1対または
複数対の出力側スイッチを備えるスイッチトキャパシタ
を用いることができる。各スイッチ対を構成する2つの
スイッチは、互いに逆相である第1クロック信号および
第2クロック信号によってそれぞれ制御され、クロック
信号がハイレベル(Hレベル)のときに導通状態(O
N)となる一方、クロック信号がローレベル(Lレベ
ル)のときには遮断状態(OFF)となる。したがっ
て、各スイッチ対を構成する2つのスイッチは、各々が
交互に導通状態および遮断状態となるとともに、一方の
スイッチが導通状態になっているときには、他方のスイ
ッチが遮断状態となる。また、入力側スイッチにおける
導通状態と遮断状態との切り替えと、出力側スイッチに
おける導通状態と遮断状態との切り替えとは同期する。
【0073】スイッチトキャパシタ等価抵抗41として
使用できるスイッチトキャパシタの例を図7ないし図1
0に示す。
【0074】図7に示すスイッチトキャパシタは、第2
キャパシタ10、第2キャパシタ10の一端と入力端1
6および接地電位との間に設けられた1対の入力側スイ
ッチ12・13、および第2キャパシタ10の他端と出
力端17および接地電位との間に設けられた1対の出力
側スイッチ14・15を備えている。また、スイッチ1
2・14は、図11(a)に示す第1クロック信号によ
って制御される一方、スイッチ13・15は、図11
(b)に示す第2クロック信号によって制御される。し
たがって、第2キャパシタ10の両端は、第1クロック
信号がHレベルであるときには入力端16および出力端
17に接続される一方、第1クロック信号がLレベルで
あるときには図7に示すように接地される。
【0075】図8に示すスイッチトキャパシタは、図7
に示すスイッチトキャパシタにおける出力側スイッチ1
4・15に代えて出力側スイッチ18・19を備えるも
のであり、また、スイッチ19は、図11(a)に示す
第1クロック信号によって制御される一方、スイッチ1
8は、図11(b)に示す第2クロック信号によって制
御される。したがって、第1クロック信号がHレベルで
あるときには入力端16が第2キャパシタ10を介して
接地される一方、第1クロック信号がLレベルであると
きには図8に示すように出力端17が第2キャパシタ1
0を介して接地される。
【0076】図9に示すスイッチトキャパシタは、図7
に示すスイッチトキャパシタと、図7に示すスイッチト
キャパシタと逆相で動作する以外は同一の構成を備える
スイッチトキャパシタとを並列接続したものに相当す
る。したがって、図9に示すスイッチトキャパシタは、
図7に示すスイッチトキャパシタの構成要素に加えて、
第2キャパシタ30と、図11(a)に示す第1クロッ
ク信号によって制御される入力側スイッチ33および出
力側スイッチ35と、図11(b)に示す第2クロック
信号によって制御される入力側スイッチ32および出力
側スイッチ34とを備えている。また、第2キャパシタ
30の両端は、第1クロック信号がHレベルであるとき
には接地される一方、第1クロック信号がLレベルであ
るときには図9に示すように入力端16および出力端1
7に接続される。
【0077】図10に示すスイッチトキャパシタは、図
8に示すスイッチトキャパシタと、図8に示すスイッチ
トキャパシタと逆相で動作する以外は同一の構成を備え
るスイッチトキャパシタとを並列接続したものに相当す
る。したがって、図10に示すスイッチトキャパシタ
は、図8に示すスイッチトキャパシタの構成要素に加え
て、第2キャパシタ30と、図11(a)に示す第1ク
ロック信号によって制御される入力側スイッチ33およ
び出力側スイッチ39と、図11(b)に示す第2クロ
ック信号によって制御される入力側スイッチ32および
出力側スイッチ38とを備えている。また、第1クロッ
ク信号がHレベルであるときには出力端17が第2キャ
パシタ30を介して接地される一方、第1クロック信号
がLレベルであるときには図10に示すように入力端1
6が第2キャパシタ30を介して接地される。
【0078】図6に示すオフセット検出回路は、スイッ
チトキャパシタ等価抵抗41として図7ないし図10に
示すスイッチトキャパシタのいずれを用いた場合におい
ても、シングルエンド型のスイッチトキャパシタ積分回
路として動作するようになっている。また、オフセット
検出回路4の伝達関数H(z)は、次式に示すように第
1キャパシタ42の容量C12と第2キャパシタ10(お
よび30)の容量C13との比C13/C12に比例する。
【0079】
【数3】
【0080】積分回路においては、直流ゲインH(z=
1)は、理想的には無限大である。ゆえに、直流成分で
あるオフセット電圧に対して、このような積分回路とし
て動作するオフセット検出回路は、非常に大きいゲイン
を有するため、前記の式(1)〜式(4)を得る条件
(あるいは後述する式(7)および式(8)を得る条
件)、すなわち、オフセット電圧に対してオフセット検
出回路4のゲインFが非常に大きくなる条件は、 F=|H(z=1)|=∞ …(6) である。したがって、積分回路であるオフセット検出回
路4のゲインFは、直流成分であるオフセット電圧に対
して非常に大きくなり、その結果、オフセット電圧をキ
ャンセルできる。
【0081】次に、図1に示したオフセット補償回路付
きアナログ信号処理回路1において、図6に示すオフセ
ット検出回路4を用いた場合の、オフセット電圧補償の
プロセスを図12を用いて説明する。
【0082】第1出力信号21、第2出力信号22、お
よび第3出力信号23は、回路動作開始時(オフセット
補償回路付きアナログ信号処理回路1の動作開始時)を
t=0として、それぞれt=0,t=t1 ,t=t
2 (0<t1 <t2 )だけ時間が経過した時のオフセッ
ト補償回路付きアナログ信号処理回路1の出力信号9を
書き表したものであり、出力オフセット成分20は、オ
フセット補償回路付きアナログ信号処理回路1の出力信
号9に含まれるオフセット電圧成分のみを、回路動作開
始時から時間を追って書き表したものである。また、オ
フセット補償信号24は、オフセット検出回路4の出力
信号を回路動作開始時から時間経過を追って書き表した
ものである。
【0083】t=0でオフセット補償回路付きアナログ
信号処理回路1が動作を開始したとき、オフセット補償
回路付きアナログ信号処理回路1の出力信号9は、図1
2(a)に示す第1出力信号21のように、出力オフセ
ット電圧O0 の分だけシフトして出力される。このと
き、オフセット検出回路4は、アナログ信号処理回路2
の出力オフセット電圧O0 を検出できていないので、オ
フセット検出回路4の出力信号は、図12(b)に示す
オフセット補償信号24のようにゼロである。
【0084】次に、t=t1 のときを考える。オフセッ
ト検出回路4が、アナログ信号処理回路2の出力オフセ
ット電圧O1 を検出すると、オフセット検出回路4の出
力信号の電圧値は、オフセット補償信号24のようにF
1 となる。オフセット検出回路4の出力信号は、アナロ
グ信号処理回路2に負帰還となるように、加算または減
算されるため、アナログ信号処理回路2のオフセット電
圧は、オフセット補償信号24の分だけ、すなわちF1
の分だけキャンセルされる。これにより、出力オフセッ
ト成分20は、O2 に減少する。したがって、t=t1
の時のオフセット補償回路付きアナログ信号処理回路1
の出力信号9の電圧Vout(t=t1 )は、図12(a)
に示す第2出力信号22のように、オフセット電圧分O
2 だけ0に近づく方向にシフトする。
【0085】さらに時間が経過したt=t2 のときを考
える。オフセット検出回路4は、すでに一部のオフセッ
ト電圧をキャンセルされたアナログ信号処理回路2の出
力オフセット成分20のO2 を検出しているため、t=
1 の時の電圧値F1 より大きい電圧値F2 を持つオフ
セット補償信号24を出力する。これにより、アナログ
信号処理回路2の出力オフセット成分20はさらにキャ
ンセルされる。したがって、t=t2 の時のオフセット
補償回路付きアナログ信号処理回路1の出力信号9の電
圧Vout(t=t2 )は、図12(a)に示す第3出力信
号23のように、さらに0に近づく。このようにして、
十分に時間が経過すると、オフセット補償回路付きアナ
ログ信号処理回路1の出力オフセット電圧がキャンセル
される。
【0086】なお、オフセット検出回路4として、図1
3に示すようなフル差動型のスイッチトキャパシタ積分
回路を用いることも有効である。図13は、オフセット
検出回路のフル差動構成の一例で、従来より、信号を差
動で処理するアナログ信号処理回路に対してよく用いら
れているものである。
【0087】図13に示すフル差動型のスイッチトキャ
パシタ積分回路は、−入力端子、+入力端子、−出力端
子、および+出力端子を持つ演算増幅器(第1演算増幅
器)50と、アナログ信号処理回路2の出力信号が入力
される信号入力端Fin+ およびFin- と、信号入力端F
in+ および演算増幅器50の−入力端子に接続されたス
イッチトキャパシタ等価抵抗41と、信号入力端Fin-
および演算増幅器50の+入力端子に接続されたスイッ
チトキャパシタ等価抵抗41と、演算増幅器50の−入
力端子および−出力端子に接続された第1キャパシタ
(キャパシタ)42と、演算増幅器50の−入力端子お
よび−出力端子に接続された第1キャパシタ(キャパシ
タ)42とを備え、演算増幅器50の−出力端子および
+出力端子のそれぞれに減算回路5の一方の入力端であ
るオフセット補償信号入力端Fout-およびFout+が接続
されたものである。
【0088】このオフセット検出回路は、差動であるた
め、信号の加算、減算を信号端子の接続を変更するだけ
で実現できる。そのため、わざわざ反転回路を用いなけ
ればならない回路構成(差動でない回路)と比較して、
回路構成の簡素化に有効である。
【0089】なお、オフセット検出回路4として、さら
に他のオフセット検出回路、例えば、特公平7−200
49号公報に記載されているオフセット検出回路を用い
ることも可能である。
【0090】次に、本実施形態および後述する他の実施
形態における減算回路5に使用可能な減算回路の一例と
して差動入力形減算回路を、図14を参照して説明す
る。
【0091】図14に示すように、この例の差動入力形
減算回路79は、+入力端子が抵抗78を介して接地さ
れた演算増幅器74と、処理対象のアナログ信号8(電
圧Vin) が入力される信号入力端75と、信号入力端7
5および演算増幅器74の−入力端子に接続された第1
入力素子71と、オフセット検出回路4の出力端と接続
されたオフセット補償信号入力端76(Fout)と、オフ
セット補償信号入力端76および演算増幅器74の+入
力端子に接続された第2入力素子72と、演算増幅器7
4の−入力端子および出力端子に接続された帰還素子7
3と、演算増幅器74の出力端子に接続された、演算増
幅器74の出力信号をアナログ信号処理回路2に送るた
めの信号出力端77とを備えている。
【0092】第1入力素子71および第2入力素子72
には、抵抗またはスイッチトキャパシタ等価抵抗を用い
ることができる。また、帰還素子73には、抵抗、スイ
ッチトキャパシタ等価抵抗、またはキャパシタを用いる
ことができる。
【0093】なお、本実施形態および後述する他の実施
形態において、他の周知のアナログ減算回路によっても
減算回路5を実現できることは明らかである。また、本
発明における加減算回路は、オフセット電圧がキャンセ
ルされるようにオフセット検出回路4の出力を入力信号
8に対して加算または減算するものであればよい。した
がって、オフセット検出回路4の出力信号の正負を反転
させれば、減算回路5に代えて加算回路を用いることも
可能である。
【0094】減算回路5に代えて使用可能な加算回路と
しては、例えば、図15に示す反転形加算回路98があ
る。反転形加算回路98は、図15に示すように、+入
力端子が接地された演算増幅器(第2演算増幅器)94
と、処理対象のアナログ信号8(電圧Vin) が入力され
る信号入力端95と、信号入力端95および演算増幅器
94の−入力端子に接続された第1入力素子91と、オ
フセット検出回路4の出力端と接続されたオフセット補
償信号入力端96(Fout)と、オフセット補償信号入力
端96および演算増幅器94の−入力端子に接続された
第2入力素子(入力素子)92と、演算増幅器94の−
入力端子および出力端子に接続された帰還素子93と、
演算増幅器94の出力端子に接続された、演算増幅器9
4の出力信号をアナログ信号処理回路2に送るための信
号出力端97とを備えている。
【0095】第1入力素子91および第2入力素子92
には、抵抗またはスイッチトキャパシタ等価抵抗を用い
ることができる。また、帰還素子93には、抵抗、スイ
ッチトキャパシタ等価抵抗、またはキャパシタを用いる
ことができる。
【0096】次に、図1に示すオフセット補償回路付き
アナログ信号処理回路1における減算回路5に代えて反
転形加算回路98を用いたオフセット補償回路付きアナ
ログ信号処理回路の構成例を図16に示す。
【0097】図16に示すように、この例のオフセット
補償回路付きアナログ信号処理回路(アナログ信号処理
装置)31は、オフセット補償回路付きアナログ信号処
理回路1における減算回路5に代えて反転形加算回路9
8を用い、かつ、帰還素子93として抵抗93A、第1
入力素子91として抵抗91Aを用いたものである。反
転形加算回路98における第2入力素子92を除く部分
は、時間連続アナログ回路で実現した増幅器として機能
する。この構成では、演算増幅器94の−入力端子に、
単純な抵抗またはスイッチトキャパシタ等価抵抗からな
る第2入力素子92を介して、オフセット検出回路4の
出力信号が入力される。このようにして、オフセット検
出回路4の出力信号を加減算入力させることができる。
【0098】反転形加算回路98における第2入力素子
92を除く部分は、アナログ信号処理要素回路とみなす
ことができる(以下、この部分をアナログ信号処理要素
回路部分と称する)。図16において、結果的に、アナ
ログ信号処理要素回路部分と第2入力素子92とによっ
て加減算回路が構成されているように見えるが、アナロ
グ信号処理要素回路部分はもともとアナログ信号処理回
路の一部であり、これは本来、オフセット電圧を加算す
る機能は有していない。図16のアナログ信号処理要素
回路部分は例として増幅器として描いている。これにオ
フセット検出回路4の出力を入力する第2入力素子92
を用いることにより、初めてオフセット電圧を加減算す
る加減算回路のように動作することができる。図16の
構成は、加減算回路として演算増幅器を別途用いていな
いことに特徴があり、それにより省面積、低消費電力と
いう効果が発生する。したがって、アナログ信号処理要
素回路部分を、あくまでアナログ信号処理回路の構成要
素の一部であるように捉えれば、図1と図16との相違
はある。
【0099】なお、本発明に係るオフセット補償回路
は、ありとあらゆるアナログ信号処理装置のオフセット
を補償できる万能な回路ではなく、全てのオフセットが
補償できるとは限らない。例えば、アナログ信号処理回
路2の各段(アナログ信号処理要素回路2−1〜2−
N)全てのオフセットが非常に大きい場合や、各段(ア
ナログ信号処理要素回路2−1〜2−N)のゲインが非
常に大きい場合など、条件付きでオフセット補償が不可
能な場合がありうる。
【0100】図17ないし図19のように各段での信号
が飽和しない範囲を明記したとき、図17に示すゲイン
が非常に大きい場合や、図18に示すオフセットが非常
に大きい場合には、オフセット補償が不可能であること
もありえる。しかし、実際の回路設計上では、それらの
大きさの範囲を十分に予測して設計する。あるいは、別
の回路方式を選択することも可能であろう。また、図1
9に示すように、事実上、オフセット検出回路4で逆の
オフセットを出力させることで、アナログ信号処理回路
2の中間段での飽和を防ぎ、アナログ信号処理回路2の
出力でのオフセットを補償することも可能になる。その
ように単純にどれだけの電圧を差し引いてやるかだけで
なく、逆のオフセット電圧としてどれだけの電圧を与え
ればよいかを自動で決められるのは、全体に掛かってい
る帰還路の効果である。
【0101】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図20に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した
各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付
記し、その説明を省略する。
【0102】本実施形態に係るアナログ信号処理装置と
してのオフセット補償回路付きアナログ信号処理回路1
1は、減算回路5が、少なくとも1個がスイッチトキャ
パシタ回路であるN(N≧2)個のアナログ信号処理要
素回路のうちの第mアナログ信号処理要素回路2−mと
第(m+1)アナログ信号処理要素回路2−(m+1)
との間を接続する配線(アナログ信号処理回路内部の配
線)上に設けられている以外は、実施の形態1のオフセ
ット補償回路付きアナログ信号処理回路1と同一の構成
を備えている。ただし、1≦m<Nである。
【0103】この場合、減算回路5は、直前の第mアナ
ログ信号処理要素回路2−mの出力信号から、負帰還路
6によって帰還されたオフセット検出回路4の出力信号
(低周波成分)を減算することになる。
【0104】本実施形態のオフセット補償回路付きアナ
ログ信号処理回路11の出力は、次式で表される。
【0105】
【数4】
【0106】本実施形態のオフセット補償回路付きアナ
ログ信号処理回路11においても、第1の実施形態で示
したのと同様に、直流については、オフセット検出回路
4のゲインFが十分に大きいので、Gm+1m+2...GN
が十分に大きいとみなせる。そのため、直流の場合、式
(7)の第2項はキャンセルされ、アナログ信号処理回
路2の出力から、オフセットを含む項が無くなり、次式
で表される。
【0107】
【数5】
【0108】このようにして、本実施形態のオフセット
補償回路付きアナログ信号処理回路11においても、実
施の形態1と同様に直流オフセットをキャンセルするこ
とができる。
【0109】〔実施の形態3〕本発明の他の実施の形態
について図21ないし図23に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態
1または2にて示した各部材と同一の機能を有する部材
には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0110】本実施形態に係るアナログ信号処理装置と
してのオフセット補償回路付きアナログ信号処理回路6
1は、図22に示すように、第1クロック信号生成回路
(第1クロック信号供給手段)57および第2クロック
信号生成回路(第2クロック信号供給手段)58を追加
した点以外は、オフセット補償回路付きアナログ信号処
理回路1またはオフセット補償回路付きアナログ信号処
理回路11と同様の構成を備えている。また、図示しな
いが、オフセット検出回路4は、前記の図6に示すスイ
ッチトキャパシタ積分回路である。
【0111】第1クロック信号生成回路57は、メイン
制御クロック信号60から、アナログ信号処理回路2に
含まれているスイッチトキャパシタ回路2−nを制御す
るための第1制御クロック信号51を生成し、スイッチ
トキャパシタ回路2−nに供給するものである。また、
第2クロック信号生成回路58は、メイン制御クロック
信号60から、スイッチトキャパシタ積分回路であるオ
フセット検出回路4を制御するための第2制御クロック
信号53を生成し、オフセット検出回路4に供給するも
のである。
【0112】図21は、アナログ信号処理回路2に含ま
れているスイッチトキャパシタ回路を制御するための制
御クロック信号と出力動作の関係を示している。
【0113】第1制御クロック信号51は、アナログ信
号処理回路2に含まれているスイッチトキャパシタ回路
2−nの制御クロック信号であり、信号出力52はその
スイッチトキャパシタ回路2−nの出力信号を示す。一
方、第2制御クロック信号53は、オフセット検出回路
4を制御する制御クロック信号であり、オフセット検出
回路出力54は、オフセット検出回路4の出力信号を示
す。また、第3制御クロック信号55は、減算回路5に
スイッチトキャパシタ等価抵抗を用いた場合に用いられ
る減算回路5を制御するための制御クロック信号を示
す。
【0114】スイッチトキャパシタ回路では、離散的な
動作で信号を出力するため、その出力信号をサンプリン
グするスイッチトキャパシタ回路の次段は、前段の出力
がセトリングしていないと、エラーを発生する。
【0115】このようなエラーを発生させないために、
本実施形態では、図21に示すように、アナログ信号処
理回路2に含まれているスイッチトキャパシタ回路2−
nを制御する第1制御クロック信号51、オフセット検
出回路4を制御する第2制御クロック信号53、および
減算回路5を制御する第3制御クロック信号55の全て
を同期させている。すなわち、制御クロック信号51・
53・55のエッジを揃えている。これにより、すべて
のスイッチング動作する回路の出力がセトリングした状
態で信号の伝達が行なわれるため、サンプリングのエラ
ーが発生することを回避できる。
【0116】なお、図22に示す構成では、第1制御ク
ロック信号51をアナログ信号処理回路2に供給する第
1クロック信号生成回路57と第2制御クロック信号5
3をオフセット検出回路4に供給する第2クロック信号
生成回路58とを別々に設けていたが、これらの回路に
代えて、アナログ信号処理回路2およびオフセット検出
回路4の両方に共通のクロック信号を供給するクロック
信号生成回路を用いてもよい。
【0117】上記実施形態の第1クロック信号生成回路
57および第2クロック信号生成回路58は、互いに同
期したクロック信号(第1制御クロック信号51および
第2制御クロック信号53)を生成するようになってい
たが、第2クロック信号生成回路58は、図23に示す
ように、第1制御クロック信号51を1/k(kは2以
上の自然数)に分周したクロック信号を第2制御クロッ
ク信号53として生成し、スイッチトキャパシタ積分回
路であるオフセット検出回路4に供給するものであって
もよい。
【0118】このとき、第2制御クロック信号53のレ
ベルが変化するタイミング(エッジ)は全て、第1制御
クロック信号51のレベルが変化するタイミング(エッ
ジ)と同期していることが望ましい。すなわち、第2ク
ロック信号生成回路58は、第1制御クロック信号51
を同期分周したクロック信号を第2制御クロック信号5
3としてオフセット検出回路4に供給するものであるこ
とが好ましい。
【0119】図6に示すオフセット検出回路4に図7に
示すスイッチトキャパシタ等価抵抗を用いた場合、オフ
セット検出回路4の伝達関数H(z)は、次式(9)で
表される。さらに、ゲインの絶対値H(z)が1になる
周波数がfu で与えられたときの、式(5)で与えられ
る容量比は、式(10)で求めることができる。
【0120】
【数6】
【0121】ただし、fs2はオフセット検出回路4の第
2制御クロック信号53の周波数であり、C12およびC
13はそれぞれ、図6に示す第1キャパシタ42の容量値
および図7に示す第2キャパシタ10の容量値である。
【0122】式(10)から分かるように、オフセット
検出回路4のサンプリング速度fS2を下げることでも、
ゲインや帯域を選択することが可能である。例えば、第
1制御クロック信号51の周波数fs が1MHzとし
て、式(10)より、同じ周波数の第2制御クロック信
号53を用いて1kHzまでのオフセットを除去するた
めに必要なC13/C12の比は、0.0063と求められ
る。精度のよいキャパシタの大きさにはLSIの製造上
の下限があるため、第2キャパシタ10の容量C 13を下
げるのには限界がある。例えば、第2キャパシタ10の
容量C13を0.2pFまで下げたとしても、第1キャパ
シタ42の容量C12は31.8pFとなり、大きなサイ
ズの第1キャパシタ42が必要になり、非常に大きな配
置面積を必要とする。
【0123】しかし、オフセット検出回路4の第2制御
クロック信号53の周波数を1/10に分周し、100
kHzとすると、式(10)より、先ほどと同じ1kH
zまでのオフセットを除去するために必要なC13/C12
の比は、0.063と求められる。そのため、第2キャ
パシタ10の容量C13を先の場合と同じ0.2pFにし
た場合、容量値C12が3.18pFの第1キャパシタ4
2で実現できることとなり、先の場合に比べ、第1キャ
パシタ42の面積を1/10に減らすことができる。ま
た、第1キャパシタ42の配置面積を小さくすることが
できるので、容易に実現ができるようになる。
【0124】また、同様に分周クロック信号を用いた場
合の影響を示すと、アナログ信号処理回路2が扱う信号
帯域に、低い周波数帯にまで信号が存在する場合、同じ
サイズの第1キャパシタ42および第2キャパシタ10
(および第2キャパシタ30)を用いたオフセット検出
回路4に比べ、分周比に比例して、低域の帯域を広げる
ことができる。
【0125】なお、オフセット補償回路3にさらにゲイ
ンが必要な場合や、オフセット補償に要する時間の短縮
を可能にするため、図22における第1クロック信号生
成回路57および第2クロック信号生成回路58におい
て、分周回路ではなく、倍周回路を用いることも可能で
ある。すなわち、第2クロック信号生成回路58が、第
1制御クロック信号51を倍周したクロック信号を第2
制御クロック信号53として、スイッチトキャパシタ積
分回路であるオフセット検出回路4に供給するものであ
ってもよい。
【0126】この場合にも、第1制御クロック信号51
のレベルが変化するタイミング(エッジ)は全て、第2
制御クロック信号53のレベルが変化するタイミング
(エッジ)と同期していることが望ましい。すなわち、
第2クロック信号生成回路58は、第1制御クロック信
号51を同期倍周したクロック信号を第2制御クロック
信号53としてオフセット検出回路4に供給するもので
あることが好ましい。
【0127】なお、以上の各実施形態では、アナログ信
号処理回路2がスイッチトキャパシタ回路を含む複数の
アナログ信号処理要素回路からなる場合について説明し
たが、本発明は、スイッチトキャパシタ増幅器のよう
な、1つのスイッチトキャパシタ回路だけからなるアナ
ログ信号処理回路のオフセット補償にも適用することが
できる。
【0128】
【発明の効果】本発明のアナログ信号処理装置は、以上
のように、負帰還路によって帰還されたオフセット電圧
をアナログ信号処理回路で処理されるアナログ信号に対
して加算または減算するための加減算回路が、上記アナ
ログ信号処理回路の入力端に接続されている構成であ
る。
【0129】上記構成によれば、オフセット検出回路の
出力信号を加減算回路を介してアナログ信号処理回路の
入力端に帰還するので、演算増幅器の動作点を適切な範
囲に保つことができ、高い動作安定性を有するアナログ
信号処理装置を提供できるという効果が得られる。さら
に、上記構成によれば、アナログ信号処理回路の入力端
でオフセット電圧を補償することができるので、オフセ
ット電圧によるアナログ信号処理回路内部での信号飽和
を回避して信号歪みを低減できるという効果が得られ
る。
【0130】したがって、これらにより、高い動作安定
性を有し、かつ、アナログ信号処理回路内部での信号飽
和による信号歪みを低減することができるアナログ信号
処理装置を提供することができる。
【0131】また、本発明のアナログ信号処理装置は、
以上のように、負帰還路によって帰還されたオフセット
電圧をアナログ信号処理回路で処理されるアナログ信号
に対して加算または減算するための加減算回路が、上記
アナログ信号処理回路内部の配線上に設けられている構
成である。
【0132】上記構成によれば、オフセット検出回路の
出力信号を加減算回路を介してアナログ信号処理回路内
部へ帰還するので、演算増幅器の動作点を適切な範囲に
保つことができ、高い動作安定性を有するアナログ信号
処理装置を提供できるという効果が得られる。さらに、
上記構成によれば、アナログ信号処理回路の内部でオフ
セット電圧を補償することができるので、オフセット電
圧によるアナログ信号処理回路内部での信号飽和を回避
して信号歪みを低減できるという効果が得られる。
【0133】したがって、これらにより、高い動作安定
性を有し、かつ、アナログ信号処理回路内部での信号飽
和による信号歪みを低減することができるアナログ信号
処理装置を提供することができる。
【0134】また、上記アナログ信号処理回路は、複数
のアナログ信号処理要素回路からなることが好ましい。
これにより、ただ一つのオフセット検出回路によって、
複数のアナログ信号処理要素回路からなるアナログ信号
処理回路全体に負帰還を形成することで、複数のアナロ
グ信号処理要素回路のオフセットを一括して補償するこ
とができる。
【0135】また、上記加減算回路は、上記オフセット
電圧に対して1より大きい増幅率を持つようにすること
もできる。これにより、オフセット補償に必要な信号増
幅をオフセット検出回路と加減算回路とで分担すること
ができるので、オフセット検出回路の出力飽和を防止す
ることができ、また、より安定した帰還ループを形成す
ることができる。
【0136】また、上記オフセット検出回路は、上記ア
ナログ信号処理回路の出力信号が入力されるスイッチト
キャパシタ等価抵抗と、上記スイッチトキャパシタ等価
抵抗の出力端に接続された第1演算増幅器と、上記第1
演算増幅器の入力端および出力端に接続されたキャパシ
タとを備えるスイッチトキャパシタ積分回路であること
が好ましい。これにより、アナログ信号処理回路の出力
の負荷の駆動能力を小さく抑えることができる。その結
果、消費電力の増大を抑えることができる。
【0137】また、上記各構成のアナログ信号処理装置
は、上記スイッチトキャパシタ回路を制御するための第
1制御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ回路に
供給する第1クロック信号供給手段と、上記スイッチト
キャパシタ積分回路を制御するための第2制御クロック
信号を上記スイッチトキャパシタ積分回路に供給する第
2クロック信号供給手段とをさらに備え、第2制御クロ
ック信号が、第1制御クロック信号と同期していること
が好ましい。これにより、スイッチトキャパシタ積分回
路とスイッチトキャパシタ回路との間でサンプリングタ
イミングが一致する。それゆえ、信号のサンプリングエ
ラーを起こすことなく信号処理が可能となる。また、ス
イッチトキャパシタ積分回路とスイッチトキャパシタ回
路とが互いに本来の信号成分ではないセトリングしてい
ない状態の出力を取りこまないので、回路内の各点にお
いて信号歪みの発生を抑えて正確な信号の伝達を可能と
することができる。
【0138】また、上記各構成のアナログ信号処理装置
は、上記スイッチトキャパシタ回路を制御するための第
1制御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ回路に
供給する第1クロック信号供給手段と、上記スイッチト
キャパシタ積分回路を制御するための第2制御クロック
信号を上記スイッチトキャパシタ積分回路に供給する第
2クロック信号供給手段とをさらに備え、上記第2クロ
ック信号供給手段が、第1制御クロック信号を分周した
クロック信号を第2制御クロック信号として上記スイッ
チトキャパシタ積分回路に供給するものであってもよ
い。これにより、オフセット補償に必要なオフセット検
出回路の通過帯域をさらに下げることができるので、オ
フセット補償回路で必要な帯域を確保するために面積の
広いキャパシタを用いる必要がなくなる。その結果、回
路の面積の増大を抑えることができるだけでなく、キャ
パシタ容量に伴う負荷の増大を抑えて消費電力を低く抑
えることができる。さらに、オフセット補償回路の通過
帯域を下げることで、アナログ信号処理回路の通過帯域
を広げることも可能になる。
【0139】また、上記各構成のアナログ信号処理装置
は、上記スイッチトキャパシタ回路を制御するための第
1制御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ回路に
供給する第1クロック信号供給手段と、上記スイッチト
キャパシタ積分回路を制御するための第2制御クロック
信号を上記スイッチトキャパシタ積分回路に供給する第
2クロック信号供給手段とをさらに備え、上記第2クロ
ック信号供給手段が、第1制御クロック信号を倍周した
クロック信号を第2制御クロック信号として上記スイッ
チトキャパシタ積分回路に供給するものであってもよ
い。これにより、オフセット補償回路のゲインを上げ
て、オフセット補償に要する時間を短縮することができ
る。
【0140】また、上記加減算回路は、+入力端子およ
び−入力端子を有する第2演算増幅器と、抵抗素子また
はスイッチトキャパシタ等価抵抗からなる入力素子とを
含み、上記第2演算増幅器の+入力端子および−入力端
子の少なくとも一方が、上記入力素子を介してオフセッ
ト検出回路の出力端に接続されていることが好ましい。
これにより、オフセット補償回路の負荷を容量負荷とす
ることができるので、オフセット補償回路内の演算増幅
器の消費電力を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアナログ信号処理装置の実施の一形態
としてのオフセット補償回路付きアナログ信号処理回路
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】上記オフセット補償回路付きアナログ信号処理
回路が備えるアナログ信号処理要素回路として使用可能
な時間連続フィルタの例を示す回路図である。
【図3】上記オフセット補償回路付きアナログ信号処理
回路、および、図1に示すオフセット補償回路付きアナ
ログ信号処理回路からオフセット補償回路を除いたアナ
ログ信号処理回路(従来のアナログ信号処理装置)のそ
れぞれにおいて、アナログ的な信号が入力された場合の
入力信号の電圧レベルと出力信号の電圧レベルとの関係
を説明するための図であり、(a)は入力信号の電圧レ
ベル、(b)は上記オフセット補償回路付きアナログ信
号処理回路の出力信号の電圧レベル、(c)は従来のア
ナログ信号処理装置の出力信号の電圧レベルを示す。
【図4】オフセット補償回路によってオフセット電圧が
除去される原理を説明するための説明図であり、(a)
はオフセット検出回路の周波数応答特性、(b)は入力
信号の周波数分布、(c)は上記オフセット補償回路付
きアナログ信号処理回路のゲインの周波数依存性を示
す。
【図5】図1に示すオフセット補償回路付きアナログ信
号処理回路で出力可能な離散的な信号を示す図である。
【図6】本発明に用いられるオフセット検出回路の一例
を示すブロック図である。
【図7】上記オフセット検出回路に用いられるスイッチ
トキャパシタ等価抵抗の一例を示す回路図である。
【図8】上記オフセット検出回路に用いられるスイッチ
トキャパシタ等価抵抗の他の一例を示す回路図である。
【図9】上記オフセット検出回路に用いられるスイッチ
トキャパシタ等価抵抗のさらに他の一例を示す回路図で
ある。
【図10】上記オフセット検出回路に用いられるスイッ
チトキャパシタ等価抵抗のさらに他の一例を示す回路図
である。
【図11】上記スイッチトキャパシタ等価抵抗を制御す
るクロック信号の波形を示す波形図である。
【図12】上記オフセット補償回路付きアナログ信号処
理回路におけるオフセット電圧補償のプロセスを説明す
るための説明図であり、(a) は出力信号および出力
オフセット成分の時間変化を示し、(b) はオフセッ
ト検出回路の出力信号の時間変化を示す。
【図13】オフセット検出回路として使用可能なフル差
動型のスイッチトキャパシタ積分回路の例を示すブロッ
ク図である。
【図14】上記オフセット補償回路付きアナログ信号処
理回路に使用可能な加減算回路の一例としての差動入力
形減算回路を示すブロック図である。
【図15】上記オフセット補償回路付きアナログ信号処
理回路に使用可能な加減算回路の他の一例としての反転
形加算回路を示すブロック図である。
【図16】図15に示す反転形加算回路を用いた場合の
オフセット補償回路付きアナログ信号処理回路の構成例
を示すブロック図である。
【図17】ゲインが非常に大きい場合におけるアナログ
信号処理回路の各段での信号と各段で信号が飽和しない
範囲とを示す図である。
【図18】オフセットが非常に大きい場合におけるアナ
ログ信号処理回路の各段での信号と各段で信号が飽和し
ない範囲とを示す図である。
【図19】オフセット検出回路で逆のオフセットを出力
させた場合におけるアナログ信号処理回路の各段での信
号と各段で信号が飽和しない範囲とを示す図である。
【図20】本発明のアナログ信号処理装置の他の実施の
形態としてのオフセット補償回路付きアナログ信号処理
回路の全体構成を示すブロック図である。
【図21】オフセット補償回路付きアナログ信号処理回
路に含まれる各回路を制御する制御クロック信号と、各
回路の出力信号との時間的相関を示す図である。
【図22】本発明のアナログ信号処理装置のさらに他の
実施の形態としての制御クロック信号生成回路を備える
オフセット補償回路付きアナログ信号処理回路の全体構
成を示すブロック図である。
【図23】上記制御クロック信号生成回路で生成される
制御クロック信号の波形を示す波形図である。
【図24】アナログ信号処理要素回路の一例を示す図で
ある。
【図25】アナログ信号処理要素回路の他の一例を示す
図である。
【図26】アナログ信号処理要素回路のさらに他の一例
を示す図である。
【図27】アナログ信号処理要素回路のさらに他の一例
を示す図である。
【図28】アナログ信号処理要素回路のさらに他の一例
を示す図である。
【図29】従来のスイッチトキャパシタフィルタのオフ
セット補償回路の要部構成を示す図である。
【図30】他の従来のスイッチトキャパシタフィルタの
オフセット補償回路の要部構成を示す図である。
【符号の説明】
1 オフセット補償回路付きアナログ信号処理回路(ア
ナログ信号処理装置) 2 アナログ信号処理回路 2−1〜2−N アナログ信号処理要素回路 2−n スイッチトキャパシタ回路(アナログ信号処理
要素回路) 2−m 第mアナログ信号処理要素回路 2−(m+1) 第(m+1)アナログ信号処理要素回
路 3 オフセット補償回路 4 オフセット検出回路 5 減算回路(加減算回路) 6 負帰還路 8 入力信号 9 出力信号 11 オフセット補償回路付きアナログ信号処理回路
(アナログ信号処理装置) 31 オフセット補償回路付きアナログ信号処理回路
(アナログ信号処理装置) 40 演算増幅器(第1演算増幅器) 41 スイッチトキャパシタ等価抵抗 42 第1キャパシタ(キャパシタ) 50 演算増幅器(第1演算増幅器) 51 第1制御クロック信号 53 第2制御クロック信号 57 第1クロック信号生成回路(第1クロック信号供
給手段) 58 第2クロック信号生成回路(第2クロック信号供
給手段) 61 オフセット補償回路付きアナログ信号処理回路
(アナログ信号処理装置) 92 第2入力素子(入力素子) 94 演算増幅器(第2演算増幅器)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アナログ信号を処理するためのスイッチト
    キャパシタ回路を含むアナログ信号処理回路と、 上記アナログ信号処理回路の出力信号に生じるオフセッ
    ト電圧を自動的に補償するためのオフセット補償回路と
    を備えるアナログ信号処理装置であって、 上記オフセット補償回路が、 上記アナログ信号処理回路の出力信号におけるオフセッ
    ト電圧を検出するためにアナログ信号処理回路の出力端
    に接続されたオフセット検出回路と、 上記オフセット電圧を上記アナログ信号処理回路に帰還
    するための負帰還路とを備えるアナログ信号処理装置に
    おいて、 上記負帰還路によって帰還されたオフセット電圧を上記
    アナログ信号処理回路で処理されるアナログ信号に対し
    て加算または減算するための加減算回路が、上記アナロ
    グ信号処理回路の入力端に接続されていることを特徴と
    するアナログ信号処理装置。
  2. 【請求項2】アナログ信号を処理するためのスイッチト
    キャパシタ回路を含むアナログ信号処理回路と、 上記アナログ信号処理回路の出力信号に生じるオフセッ
    ト電圧を自動的に補償するためのオフセット補償回路と
    を備えるアナログ信号処理装置であって、 上記オフセット補償回路が、 上記アナログ信号処理回路の出力信号におけるオフセッ
    ト電圧を検出するためにアナログ信号処理回路の出力端
    に接続されたオフセット検出回路と、 上記オフセット電圧を上記アナログ信号処理回路に帰還
    するための負帰還路とを備えるアナログ信号処理装置に
    おいて、 上記負帰還路によって帰還されたオフセット電圧を上記
    アナログ信号処理回路で処理されるアナログ信号に対し
    て加算または減算するための加減算回路が、上記アナロ
    グ信号処理回路内部の配線上に設けられていることを特
    徴とするアナログ信号処理装置。
  3. 【請求項3】上記アナログ信号処理回路が、複数のアナ
    ログ信号処理要素回路からなることを特徴とする請求項
    1または2に記載のアナログ信号処理装置。
  4. 【請求項4】上記加減算回路が、上記オフセット電圧に
    対して1より大きい増幅率を持つことを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載のアナログ信号処理
    装置。
  5. 【請求項5】上記オフセット検出回路が、 上記アナログ信号処理回路の出力信号が入力されるスイ
    ッチトキャパシタ等価抵抗と、 上記スイッチトキャパシタ等価抵抗の出力端に接続され
    た第1演算増幅器と、 上記第1演算増幅器の入力端および出力端に接続された
    キャパシタとを備えるスイッチトキャパシタ積分回路で
    あることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項
    に記載のアナログ信号処理装置。
  6. 【請求項6】上記スイッチトキャパシタ回路を制御する
    ための第1制御クロック信号を上記スイッチトキャパシ
    タ回路に供給する第1クロック信号供給手段と、 上記スイッチトキャパシタ積分回路を制御するための第
    2制御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ積分回
    路に供給する第2クロック信号供給手段とをさらに備
    え、 第2制御クロック信号が、第1制御クロック信号と同期
    していることを特徴とする請求項5記載のアナログ信号
    処理装置。
  7. 【請求項7】上記スイッチトキャパシタ回路を制御する
    ための第1制御クロック信号を上記スイッチトキャパシ
    タ回路に供給する第1クロック信号供給手段と、 上記スイッチトキャパシタ積分回路を制御するための第
    2制御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ積分回
    路に供給する第2クロック信号供給手段とをさらに備
    え、 上記第2クロック信号供給手段が、第1制御クロック信
    号を分周したクロック信号を第2制御クロック信号とし
    て上記スイッチトキャパシタ積分回路に供給するもので
    あることを特徴とする請求項5記載のアナログ信号処理
    装置。
  8. 【請求項8】上記スイッチトキャパシタ回路を制御する
    ための第1制御クロック信号を上記スイッチトキャパシ
    タ回路に供給する第1クロック信号供給手段と、 上記スイッチトキャパシタ積分回路を制御するための第
    2制御クロック信号を上記スイッチトキャパシタ積分回
    路に供給する第2クロック信号供給手段とをさらに備
    え、 上記第2クロック信号供給手段が、第1制御クロック信
    号を倍周したクロック信号を第2制御クロック信号とし
    て上記スイッチトキャパシタ積分回路に供給するもので
    あることを特徴とする請求項5記載のアナログ信号処理
    装置。
  9. 【請求項9】上記加減算回路が、+入力端子および−入
    力端子を有する第2演算増幅器と、抵抗素子またはスイ
    ッチトキャパシタ等価抵抗からなる入力素子とを含み、 上記第2演算増幅器の+入力端子および−入力端子の少
    なくとも一方が、上記入力素子を介してオフセット検出
    回路の出力端に接続されていることを特徴とする請求項
    1ないし8のいずれか1項に記載のアナログ信号処理装
    置。
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