JP2002217131A - 成膜方法及び装置 - Google Patents
成膜方法及び装置Info
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Abstract
グレーションの発生を抑制することができるAl配線膜
の成膜方法を提供すること。 【解決手段】 Al配線層MLの成膜に際して、基板W
Aに入射するAlイオンのエネルギーを30〜90eV
とする。これにより、Alイオンが既に堆積したAl配
線層MLを活性化する。Al配線層MLを活性化するこ
とで、高い配向性を示すAl配線層MLを得ることがで
きる。
Description
を形成するための成膜方法及び装置に関し、特にプラズ
マを用いてガラス基板上にAl膜を形成する成膜方法及
び装置に関する。
化されている成膜方法として、ターゲット材料であるA
lをAr等でスパッタして成膜材料を基板上に堆積する
スパッタ法がある。例えば、液晶ガラス基板上にAl配
線を形成する場合、ガラス基板上にSiOを成膜したも
のを準備し、その上にAl膜をスパッタ法を用いて堆積
し、このようにして得たAl膜をパターニングする。
成したAl配線では、以下のような問題がある。
線層のエッチング工程中における温度上昇や、配線形成
後の温度上昇により、配線の表面からヒロックと呼ばれ
る突起状の粒が成長し、隣接する配線とショートする問
題がある。この現象は、ストレスマイグレーションによ
って引き起こされると考えられている。すなわち、Al
配線内に圧縮応力が存在する場合、この圧縮応力を緩和
するように粒界から盛り上がりが生じ、やがてヒロック
に発達すると言われている。
し続けると、ボイドが発生し、やがて断線に至るという
問題がある。この現象は、エレクトロマイグレーション
によって引き起こされると考えられている。すなわち、
細いAl配線にある程度以上の電流密度で電流を流す
と、電子の衝撃によって電子の流れ方向にAl原子が移
動し、やがてボイドが生じて断線の原因となる。
にCu、Nd、Hf、B等の微量金属を添加したターゲ
ットをスパッタしてストレスマイグレーション等に対す
る耐性を高めたり、Al膜のパターニング後にAlパ
ターンの表面を陽極酸化してヒロックやボイドの発生を
抑制したり、Al膜上にMo等の保護金属層をコート
してストレスマイグレーション等に対する耐性を高める
ことが行われている。これらは、ヒロック等の発生を抑
制するため、単独で、或いはいくつかを組み合わせて用
いられる。
金系のスパッタターゲットは高価であり、成膜に要する
コストを上昇させることになる。また、陽極酸化の工程
や保護金属層の形成工程を増やすことも、成膜コストの
上昇を招く。
ョンやエレクトロマイグレーションの発生を抑制するこ
とができるAl配線膜の成膜方法及び装置であって、高
価な材料を用いず、簡単な工程でAl配線膜を形成する
ことができる成膜方法及び装置を提供することを目的と
する。
め、本発明の成膜方法は、成膜対象である基板の表面を
Ar等の不活性ガスのプラズマにさらすとともに、膜材
料であるアルミニウムをイオン化して基板の表面に入射
させる成膜方法であって、成膜に際して基板に入射する
アルミニウムイオンのエネルギーは、30から90eV
であることを特徴とする。
射するアルミニウムイオンのエネルギーが30から90
eVであるので、アルミニウムイオンが既に堆積したア
ルミニウム層に適度なエネルギーを与えてこれを活性化
し、高い配向性を有するアルミニウム膜を成長させるこ
とができる。なお、アルミニウムイオンのエネルギーが
30eV以下では、上記のような効果が得られず、アル
ミニウムイオンのエネルギーが90eV以上では、折角
付着したアルミニウムがアルミニウムイオンによるスパ
ッタで飛ばされるので成膜レートが下がる。
なエネルギーの不活性ガスのイオンが基板に入射するの
で、不活性ガスイオンが下地層(例えば基板自体や基板
表面に予め形成されたバリア層)の表面に付着した汚染
物質等を除去して下地層の表面を浄化するとともに、下
地層とアルミニウムの密着性や付着性に対応する濡れ性
を良好なものとする。さらに、不活性ガスイオンが既に
堆積したアルミニウム層に適度なエネルギーを与えてこ
れを活性化するので、いっそう配向性の良いアルミニウ
ム膜を成長させることができる。なお、不活性ガスイオ
ンが基板に入射するエネルギーは、アルミニウムをイオ
ン化するプラズマエネルギーに対応して90eV程度以
下と考えられる。
るプラズマイオンの密度は、101 0から1011個/
cm3の範囲とする。プラズマイオンの密度が1010
個/cm3以下では、上記したプラズマイオンによる下
地層表面の浄化、濡れ性の改善、既に付着したアルミニ
ウム層の活性化といった効果が不十分となり、プラズマ
イオンの密度が1011個/cm3以上では、基板温度
が上昇して基板にダメージを与えるなどの不都合が生じ
る。
基板の近傍の真空度が1.3×10 −2Paから1.3
×10−1Paであることを特徴とする。この場合、プ
ラズマイオンを基板の近傍に確実に供給することができ
る。なお、基板の近傍の真空度が1.3×10−2Pa
以下では、上記の効果が得られず、基板の近傍の真空度
が1.3×10−1Pa以上では、ガス粒子との衝突に
よる散乱のためにアルミニウムイオンが基板に入射しに
くくなる。
基板は、少なくとも表面がアモルファス層であることを
特徴とする。この場合、表面がアモルファス層であって
も、高い配向性と密着性とを有するアルミニウム層を形
成することができる。
成膜室中に配置されるとともに膜材料であるアルミニウ
ムを収容する材料蒸発源を有するハースに向けてプラズ
マ源からのプラズマビームを供給することによって、成
膜室中でハースに対向配置された基板に材料蒸発源から
蒸発したアルミニウムを堆積させることを特徴とする。
この場合、プラズマビームでアルミニウムを蒸発させつ
つ蒸発したアルミニウムをプラズマビームを通過させて
イオン化し、イオン化したアルミニウムイオンで成膜を
行うイオンプレーティングが可能になる。
石、又は磁石及びコイルからなる磁場制御部材を用い
て、ハースの近接した上方の磁界を制御することがで
き、さらに、プラズマ源は、アーク放電を利用した圧力
勾配型のプラズマガンとすることができる。この場合、
磁場制御部材によってハースに入射するプラズマビーム
の形状を修正してより均一な厚みの膜を形成することが
できる。
ある基板の表面に不活性ガスのプラズマを供給するプラ
ズマ供給手段と、膜材料であるアルミニウムを前記プラ
ズマ供給手段からのプラズマを介して前記基板の表面に
入射させる膜材料供給手段とを備える成膜装置であっ
て、基板に入射するアルミニウムイオンのエネルギー
は、30から90eVであることを特徴とする。
れて基板に入射するアルミニウムイオンのエネルギーが
30から90eVであるので、上記成膜方法の場合と同
様に、アルミニウムイオンが既に堆積したアルミニウム
層に適度なエネルギーを与えてこれを活性化し、高い配
向性を有するアルミニウム膜を成長させることができ
る。また本成膜装置では、適度なエネルギーの不活性ガ
スのイオンが基板に入射するので、不活性ガスイオンが
下地層の表面に付着した汚染物質等を除去して下地層の
表面を浄化するとともに、下地層とアルミニウムの密着
性や付着性に対応する濡れ性を良好なものとし、さら
に、不活性ガスイオンが既に堆積したアルミニウム層を
活性化するので、いっそう配向性の良いアルミニウム膜
を成長させることができる。
プラズマ供給手段は、基板を収容する成膜室中にプラズ
マビームを供給するプラズマ源を有し、膜材料供給手段
は、成膜室中に配置されて材料蒸発源を有するととも
に、この材料蒸発源にプラズマビームを導くハースを有
し、成膜装置が、ハースに対向して基板を支持する支持
部材をさらに備えることを特徴とする。この場合、アル
ミニウムイオンを被着させて成膜を行うイオンプレーテ
ィングが可能になる。
る成膜装置の全体構造を概略的に説明する図である。
0と、真空容器10中にプラズマビームPBを供給する
プラズマ源であるプラズマガン30と、真空容器10内
の底部に配置されてプラズマビームPBの流れを制御す
る陽極部材50と、真空容器10上部に配置されて基板
WAを保持する保持機構60と、真空容器10に不活性
ガスであるArを適当に供給して基板WA近傍の雰囲気
圧を調節するガス供給機構80と、これらの動作を統括
制御する主制御装置90とを備える。
60号公報等に開示の圧力勾配型のプラズマガンであ
り、その本体部分は、真空容器10の側壁に設けられた
筒状部12に装着されている。この本体部分は、陰極3
1によって一端が閉塞されたガラス管32からなる。ガ
ラス管32内には、モリブデンMoで形成された円筒3
3が陰極31に固定されて同心に配置されており、この
円筒33内には、LaB 6で形成された円盤34とタン
タルTaで形成されたパイプ35とが内蔵されている。
ガラス管32の両端部のうち陰極31とは反対側の端部
と、真空容器10に設けた筒状部12の端部との間に
は、第1及び第2中間電極41、42が同軸で直列に配
置されている。一方の第1中間電極41内には、プラズ
マビームPBを収束するための環状永久磁石44が内蔵
されている。第2中間電極42内にも、プラズマビーム
PBを収束するための電磁石コイル45が内蔵されてい
る。なお、筒状部12の周囲には、陰極31側で発生し
て第1及び第2中間電極41、42まで引き出されたプ
ラズマビームPBを真空容器10内に導くステアリング
コイル47が設けられている。
48によって制御されている。このガン駆動装置48
は、陰極31への給電をオン・オフしたりこれへの供給
電圧等を調整することができ、さらに第1及び第2中間
電極41、42、電磁石コイル45、及びステアリング
コイル47への給電を調整する。このようなガン駆動装
置48によって、真空容器10中に供給されるプラズマ
ビームPBの強度や分布状態が制御される。
置されるパイプ35は、プラズマビームPBのもととな
るアルゴンArをキャリアガスとしてプラズマガン30
中に導入するためものであり、ガス供給機構80に接続
されている。
供給手段である陽極部材50は、プラズマビームPBを
下方に導く主陽極であるハース51と、その周囲に配置
された環状の補助陽極52とからなる。
性材料で形成されるとともに接地された真空容器10に
図示を省略する絶縁物を介して支持されている。このハ
ース51は、陽極電源装置58によって適当な正電位に
制御されており、プラズマガン30から出射したプラズ
マビームPBを下方に吸引する。なお、ハース51は、
プラズマガン30からのプラズマビームPBが入射する
中央上部に形成された凹部に、ルツボ状の材料蒸発源で
あるハースライナー53を有している。ハースライナー
53には、膜材料であるアルミニウムAlが収容されて
おり、プラズマビームPBによって加熱されて溶融し、
Alの蒸発粒子を発生する。
にこれと同心に配置された環状の容器により構成されて
いる。この環状容器内には、フェライト等で形成された
環状の永久磁石55と、これと同心に積層されたコイル
56とが収納されている。これら永久磁石55及びコイ
ル56は、磁場制御部材であり、ハース51の直上方に
カスプ状磁場を形成する。これにより、ハース51に入
射するプラズマビームPBの向き等を修正することがで
きる。
成し、陽極電源装置58から給電される。この場合、励
磁されたコイル56における中心側の磁界の向きは、永
久磁石55により発生する中心側の磁界と同じ向きにな
るように構成される。陽極電源装置58は、コイル56
に供給する電流を変化させることができ、ハース51に
入射するプラズマビームPBの向きの微調整が可能にな
る。
に熱伝導率の良い導電性材料で形成される。この補助陽
極52は、ハース51に対して図示を省略する絶縁物を
介して取り付けられている。陽極電源装置58は、補助
陽極52に印加する電圧変化させることによってハース
ライナー53の上方の電界を補的に制御できるようにな
っている。すなわち、補助陽極52の電位をハース51
よりも高くすると、プラズマビームPBもこれに引き寄
せられてハース51へのプラズマビームPBの供給が減
少する。一方、補助陽極52の電位を真空容器10と同
じにすると、プラズマビームPBがハース51に引き寄
せられてハースライナー53が加熱される。
構60は、ハース51の上方において成膜面を下側にし
て基板WAを保持するための支持部材である基板ホルダ
61と、この基板ホルダ61上部に固定されて基板WA
を裏面側から温度調節する温度調節装置62とを備え
る。基板ホルダ61は、真空容器10に対して絶縁され
た状態で基板電源装置68から給電されており、ゼロ電
位の真空容器10に対して適当な電位にバイアスするこ
とができる。これにより、基板WAに入射するイオンの
エネルギーをある程度の精度で調節することができる。
温度調節装置62は、温調制御装置69によって制御さ
れており、温調制御装置69は、温度調節装置62に内
蔵したヒータに給電し、或いは内蔵した配管に冷却媒体
を供給して、温度調節装置62更には基板ホルダ61を
所望の温度に保持する。
からの供給ラインは、プラズマガン30にプラズマの元
となるArを供給するため、流量計83及び流量調節弁
84を介してパイプ35に接続されている。流量計83
によって検出されたキャリアガスの流量は、主制御装置
90で監視されており、流量調節弁84によるキャリア
ガスの流量調整等に利用される。
容器10に雰囲気ガスを補助的に供給するため、流量調
節弁85及び流量計86を介して真空容器10に直接接
続されている。また、真空容器10のプラズマガン30
に対向する側面には、真空容器10内を適宜減圧するた
め、真空ゲート87を介して排気ポンプ88が取り付け
られている。雰囲気圧センサ89によって検出された真
空容器10中のガス圧や、流量計86によって検出され
た雰囲気ガスの流量は、主制御装置90で監視されてお
り、流量調節弁85による雰囲気ガス供給量や排気ポン
プ88による排気量の調整、すなわち真空容器10の雰
囲気圧の制御に利用される。
設けた陰極31に対する保持機構60に設けた基板ホル
ダ61の電位を調節することにより、基板WAに入射す
るArイオンのエネルギーをある程度所望の範囲(具体
的には90eV以下)に設定することができる。また、
陽極部材50に設けたハース51に対する保持機構60
に設けた基板ホルダ61の電位を調節することにより、
基板WAに入射するAlイオンのエネルギーをある程度
所望の範囲(具体的には30から90eV)に設定する
ことができる。
工程を含む配線形成プロセスを説明する図である。
ラス基板GPを準備し、この液晶用ガラス基板GP上に
CVD等を用いて400Å程度のSiO層ILを形成す
る。このSiO層ILは、アモルファス層であり、ガラ
ス基板GPからNa等のアルカリ金属が拡散することを
防止するバリア層として機能する。成膜されたSiO層
ILは、弗酸処理によって表面が150Å程度エッチン
グされてクリーニングされ、蒸留水等で洗浄後に乾燥さ
せる。
す成膜装置を用いてSiO層IL上に3000〜500
0Å程度のAl配線層MLを形成する。
0内の真空度を1.3×10−2〜3.3×10−1P
a程度とし、プラズマガン30の陰極31と真空容器1
0内のハース51との間で100A程度の放電を生じさ
せる。これにより、Arイオン等を含むプラズマビーム
PBを生成する。このプラズマビームPBは、ステアリ
ングコイル47と補助陽極52内の永久磁石55等とに
より決定される磁界に案内されてハース51に到達す
る。ハース51上部のハースライナー53は、プラズマ
ビームPBにより加熱され、ハースライナー53に収容
された蒸発金属が溶融して金属の蒸気が安定して出射す
る。この蒸気は、プラズマビームPBによりイオン化さ
れ、負電圧が印加された基板WAの表面に付着して被膜
が形成される。
51の電位、真空容器10内の真空度等を調節すること
により、基板WAに入射するAlイオンの運動エネルギ
ーを30〜90eVとする。さらに、基板ホルダ61の
電位等を調節することにより、基板WAに入射するプラ
ズマイオンすなわちArイオンの運動エネルギーを例え
ば10〜70eVとする。
入射したArイオン等が下地層であるSiO層ILの表
面に付着した汚染物質等を除去してSiO層ILの表面
を浄化するとともに、SiO層ILの濡れ性を良好なも
のとすることができ、さらに、このようなArイオンや
Alイオンは、既に堆積したAl配線層MLの表面を活
性化して表面で既に付着したAlを拡散させる。
た汚染物質等を除去することで、成膜初期の核形成を外
乱の少ない状況で行なうことができ、高い配向性を示す
Al配線層MLを得ることができる。配向性の高いAl
配線層MLは、結晶方向が揃っており粒界が少ないの
で、ストレスマイグレーションによるヒロック等の欠陥
の発生確率を極めて小さくすることができ、エレクトロ
マイグレーションによるボイド等の発生確率も同様に小
さくすることができる。また、SiO層ILの濡れ性を
良好なものとすることで、Al配線層MLの密着性を向
上させることができる。さらに、Al配線層ML表面を
活性化しつつ成膜することで、よりエネルギーの低い
(111)面の配列を優勢にすることができ、Al配線
層MLの配向性をさらに改善することができる。
おけるArイオンの密度を、プラズマガン30の陰極3
1に供給する電流やパイプ35に供給するArの量の調
節等により、1010から1011個/cm3とする。
Arイオンの密度をこの程度に設定することにより、上
記したArイオンによる下地層表面の浄化、濡れ性の改
善、既に付着したAl配線層MLの活性化といった効果
をより適切に発揮させることができる。またこの際、基
板WAの近傍の真空度は、例えば5.3×10 −2〜
1.3×10−1Paとする。これにより、Arイオン
を基板WAの近傍に確実に供給することができる。
装置内で基板WAの表面をクリーニングすることもでき
る。このクリーニングに際しては、真空容器10内の真
空度を1.3×10−1Pa程度とし、プラズマガン3
0とハース51との間で約2分間20A程度の放電を生
じさせる。このようなクリーニングにより、得られるA
l配線層MLの配向性がさらに向上することが実験的に
確かめられている。
ソグラフィ技術を利用したドライ若しくはウェットエッ
チング処理を行って、形成したAl配線層MLを適宜パ
ターニングする。
法を用いて、パターニングされたAl配線層MLの表面
を酸化して、Al2O3からなる被覆層CLを形成す
る。このような被覆層CLは、Al配線層MLを覆うの
で、ヒロックの発生を確実に防止することができる。
膜時に基板WAに入射するAlイオンのエネルギー分布
を具体的に計測した実験結果を示すグラフである。ここ
で、横軸はAlの入射エネルギーを示し、縦軸はAlの
入射量に対応する検出強度を示す。
5.3×10−2Paである場合のAlイオンのエネル
ギー分布を示し、図3(b)は、真空容器10の雰囲気
圧が8.0×10−2Paである場合のAlイオンのエ
ネルギー分布を示し、図3(c)は、真空容器10の雰
囲気圧が1.1×10−1Paである場合のAlイオン
のエネルギー分布を示す。図4(a)は、真空容器10
の雰囲気圧が1.3×10−1Paである場合のAlイ
オンのエネルギー分布を示し、図4(b)は、真空容器
10の雰囲気圧が2.4×10−1Paである場合のA
lイオンのエネルギー分布を示す。
増加に伴い、Alイオンのエネルギー分布が低い方にシ
フトする。これは、真空度が悪くなるほど、Alイオン
の衝突が増大するとともにハース51電位が下がるため
と考えられる。つまり、図1の装置において、真空容器
10の雰囲気圧を概ね1.310−2〜1.3×10
−1Pa(10−4Torr台に相当)の真空に設定す
ることで、基板WAに入射するAlイオンのエネルギー
を30〜90eVとできることが分かる。
線層MLに発生する突起の具体的数量を説明するグラフ
である。ここで、横軸は成膜後の熱処理温度を示し、縦
軸は膜厚1500ÅのAl配線層MLの表面に形成され
る突起の密度を示す。真空容器10の雰囲気圧を5.3
×10−2Paとした場合に発生する突起密度は「■」
印や「▲」印で示してある。なお、▲印で示した場合に
は、成膜前にクリーニング工程を設けており、■印で示
した場合には、成膜前のクリーニングを行なっていな
い。グラフには、比較例も「●」印で示している。この
比較例では、成膜中の基板WAにプラズマイオンが入射
しないようにし、基板WAに入射するAlイオンのエネ
ルギーを30eV以下にした。具体的には、上記のよう
な環境を簡易に実現できるマグネトロンスパッタ法を便
宜的に用いて、基板WA上にAl配線層を形成した。
0の雰囲気圧を5.3×10−2Pa程度として基板W
Aに入射するAlイオンのエネルギーを30〜90eV
程度とした本実施例の場合、Al配線層MLに発生する
突起密度が極めて減少することが分かる。Al配線層M
Lに発生した突起はボイドに成長する可能性があるの
で、実施例のように突起密度を低くすることにより、A
l配線層MLにボイドが発生することを抑制できる。な
お、図示していないが、真空容器10の雰囲気圧を2.
7×10−1Paとして、Alイオンのエネルギーが2
0〜30eVの範囲をかなり含むものとした別の比較例
の場合、Al配線層MLに発生する突起密度は、■印と
●印の間になる。
線層MLの具体的な配向性を説明するグラフである。横
軸は回折角を示し、縦軸は回折強度を示す。グラフから
も明らかなように、真空容器10の雰囲気圧を5.3×
10−2Paとして基板WAに入射するAlイオンのエ
ネルギーを30〜90eV程度とした本実施例の場合、
(111)面に高いピークが現れ、Al配線層MLが極
めて高い配向性を有する。一方、成膜中の基板WAにプ
ラズマイオンが入射しないようにし、基板WAに入射す
るAlイオンのエネルギーを30eV以下にした比較例
の場合には、(111)面のピークが小さくなり、Al
配線層の配向性が低下したことが分かる。
線層MLの配向性を説明する別のグラフである。真空容
器10の雰囲気圧を5.3×10−2Paとして基板W
Aに入射するAlイオンのエネルギーを30〜90eV
程度とした本実施例の場合、(111)面に高いピーク
が現れ、Al配線層MLが極めて高い配向性を有する。
一方、真空容器10の雰囲気圧を2.7×10−1Pa
として、Alイオンのエネルギーが20〜30eVの範
囲をかなり含むものとした比較例の場合には、(11
1)面のピークが小さくなり、Al配線層の配向性が低
下することが分かる。
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、プラズマビームの元となる
不活性ガスとしてArガスを用いているが、他のKr、
Xe等の希ガスを用いてプラズマビームを形成したり、
成膜に際しての雰囲気ガスとすることができる。
成について説明したが、図1の成膜装置によって得られ
るAl膜は、高性能の光学部品の作製に応用することが
できる。すなわち、スパッタ法等の通常の成膜法によっ
て形成されたAl膜よりも大きな粒径を持ち、表面粗さ
が抑えられることが実験的に確かめられているので、こ
のようなAl膜を予め準備した任意の表面形状のガラス
部材に成膜すれば、高反射率で高精度の光学部品を提供
することができる。
するアルミニウムイオンのエネルギーが30から90e
Vであるので、アルミニウムイオンが既に堆積したアル
ミニウム層に適度なエネルギーを与えてこれを活性化
し、高い配向性を有するアルミニウム膜を成長させるこ
とができる。また本成膜方法では、成膜に際して適度な
エネルギーの不活性ガスのイオンが基板に入射するの
で、プラズマイオンが下地層の表面に付着した汚染物質
等を除去して下地層の表面を浄化するとともに、下地層
とアルミニウムの密着性や付着性に対応する濡れ性を良
好なものとし、さらに、プラズマイオンが既に堆積した
アルミニウム層を活性化するので、いっそう配向性の良
いアルミニウム膜を成長させることができる。
成膜方法と同様に、高い配向性を有するアルミニウム膜
を成長させることができ、下地層とアルミニウムの密着
性や付着性に対応する濡れ性を良好なものとし、いっそ
う配向性の良いアルミニウム膜を成長させることができ
る。
明する図である。
配線形成を説明する工程図である。
lイオンのエネルギー分布を示すグラフである。
lイオンのエネルギー分布を示すグラフである。
である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 成膜対象である基板の表面を不活性ガス
のプラズマにさらすとともに、膜材料であるアルミニウ
ムをイオン化して前記基板の表面に入射させる成膜方法
であって、 成膜に際して前記基板に入射するアルミニウムイオンの
エネルギーは、30から90eVであることを特徴とす
る成膜方法。 - 【請求項2】 前記基板の近傍の真空度が1.3×10
−2Paから1.3×10−1Paであることを特徴と
する請求項1記載の成膜方法。 - 【請求項3】 前記基板は、少なくとも表面がアモルフ
ァス層であることを特徴とする請求項1及び請求項2の
いずれか記載の成膜方法。 - 【請求項4】 成膜室中に配置されるとともに前記膜材
料であるアルミニウムを収容する材料蒸発源を有するハ
ースに向けてプラズマ源からのプラズマビームを供給す
ることによって、前記成膜室中で前記ハースに対向配置
された前記基板に前記材料蒸発源から蒸発したアルミニ
ウムを堆積させることを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれか記載の成膜方法。 - 【請求項5】 成膜対象である基板の表面に不活性ガス
のプラズマを供給するプラズマ供給手段と、膜材料であ
るアルミニウムを前記プラズマ供給手段からのプラズマ
を介して前記基板の表面に入射させる膜材料供給手段と
を備える成膜装置であって、 前記基板に入射するアルミニウムイオンのエネルギー
は、30から90eVであることを特徴とする成膜装
置。 - 【請求項6】 前記プラズマ供給手段は、前記基板を収
容する成膜室中にプラズマビームを供給するプラズマ源
を有し、前記膜材料供給手段は、前記成膜室中に配置さ
れて材料蒸発源を有するとともに、当該材料蒸発源に前
記プラズマビームを導くハースを有する成膜装置であっ
て、前記ハースに対向して前記基板を支持する支持部材
をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の成膜装
置。
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