JP2002214512A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JP2002214512A
JP2002214512A JP2001005154A JP2001005154A JP2002214512A JP 2002214512 A JP2002214512 A JP 2002214512A JP 2001005154 A JP2001005154 A JP 2001005154A JP 2001005154 A JP2001005154 A JP 2001005154A JP 2002214512 A JP2002214512 A JP 2002214512A
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distance measuring
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Koichi Nakada
康一 中田
Osamu Nonaka
修 野中
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 AFの為にも苦手な被写体が無く、しかもタ
イムラグ対策やまぶしさ対策が図られた測距装置を提供
すること。 【解決手段】 被写体像をモニタして複数の像信号を出
力する複数のセンサアレイ3a,3bと、これらセンサ
アレイから出力される複数の像信号が測距演算に適した
信号であるか否かを判定する手段(パターン判定部11)
と、この手段の判定結果に応じて被写体にパルス光を投
射する手段(IRED4a又はストロボ装置5a)と、上
記各センサアレイに定常的に入射する信号光に基づく像
信号を除去し上記パルス光に応じた複数の信号を抽出す
る手段(定常光除去部7,A/D変換部16)と、この手段
により出力される所定の抽出信号を用いて被写体距離を
算出する手段(制御部1a)とを備えた測距装置を提案す
る。そして上記判定部11の判定基準としては、上記像
信号のコントラスト、その像信号の変化率の高低、或い
はその像信号のパターンの規則性を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オートフォーカス
(AF)カメラ等に用いられる測距装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラのAF技術を2つに大別すると、
被写体像を利用するパッシブタイプと、カメラから投射
した測距用光を利用するアクティブタイプとの二方式に
分けられる。しかし、これらの方式には各々その方式の
原理に基づく欠点があるため、両方式を組み合わせたハ
イブリッド方式のAF方式(以下「ハイブリッドAF」
と称す)が提案されている。従来、アクティブタイプに
関する技術としては、例えば特開昭48−52231号
に低輝度時のアクティブ測距技術が開示された。
【0003】また、パッシブ/アクティブタイプの測距
方式切換については古くから周知であり、近年では、例
えば特開昭63−49738号にも開示されている。こ
のような技術を用いれば、ある程度の広い測距適用性が
確保できるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、この
ような種類のAF方式では、種々の被写体に対し最適な
方式で測距する必要があり、その判断を誤ると、不適格
な方式で不得意な測距を行なう事になって、正しいピン
ト合せができなくなるおそれがあった。
【0005】従来の提案では、例えばパッシブAFでも
アクティブ方式でも不得意とするシーンに対する改善に
ついては充分に述べられていなかった。さらに、アクテ
ィブ時に赤外発光ダイオード(IRED)/ストロボを効
果的に切り換えるような特許技術は見当たらない。よっ
て、上述の欠点に対処して、対象物の輝度や距離によら
ず安定した測距を可能とするような測距装置が必要とさ
れる。
【0006】また、カメラにおける測距においては、パ
ッシブ方式のみならず、IREDやストロボ装置を用い
たアクティブ方式をもすべて行なえるようにすると、動
作におけるタイムラグが拡大したり、或いはストロボ発
光時にまぶしい場合も生じる。
【0007】そこで本発明の目的は、AFのためにも苦
手な被写体が無く、しかもタイムラグ対策やまぶしさ対
策が図られた測距装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するため、本発明では次のような手段を講じてい
る。即ち、本発明によれば、アクティブ又はパッシブの
両方式を適切に選択して、誤測距を防止し、さらに通常
のLED補助光に加え、強力なストロボ光を並用してア
クティブAFが不得意とする遠距離の被写体にも正しく
対応するために、次のような構成にしている。
【0009】被写体像をモニタして複数の像信号を出力
する複数のセンサアレイと、これら複数のセンサアレイ
から出力される複数の像信号が測距演算に適した信号で
あるか否かを判定する第1の判定手段と、この第1の判
定手段の判定結果に応じて被写体にパルス光を投射する
投光手段と、上記各センサアレイに定常的に入射する信
号光に基づく像信号を除去し上記パルス光に応じた複数
の信号を抽出する抽出手段と、この抽出手段により出力
される所定の抽出信号を用いて被写体距離を算出する算
出手段とを備える測距装置を提案する。
【0010】上記第1の判定手段は、上記像信号のコン
トラストの高低に基づき判定を行なうことを特徴とす
る。また上記第1の判定手段は、上記像信号の変化率に
基づき、或いは、上記像信号のパターンの規則性に基づ
き判定を行なうことを特徴とするものを提案する。
【0011】また、上記投光手段は発光ダイオード及び
ストロボを有して成り、上記第1の判定手段の判定結果
に基づいて上記投光手段が被写体にパルス光を投射する
際に、上記発光ダイオード又は上記ストロボのいずれを
用いて被写体への投射を行なうかを判定する第2の判定
手段を備えることを特徴とする測距装置を提案する。そ
してこの第2の判定手段は、上記発光ダイオードによる
パルス光投射時の受光結果に応じて上記判定を行なうこ
とを特徴とするものを提案する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明はハイブリッドAFの切換
技術に特徴を有するもので、例えば、パッシブAFで苦
手とするローコントラストや単調増加、繰返しパターン
被写体に対して、パターン照射補助光を使っても使用不
可能な場合(例えば遠距離で光が届かない場合)には、
ストロボ装置からの光量にてAFを行なうように適宜制
御するものである。
【0013】以下に、実施形態を挙げて本発明について
詳しく説明する。まず本発明に係わる測距装置の基本構
成を図1に示し、その後この発明の改良点を交えて、図
2から詳しく本発明を説明する。図1に示すように本発
明の測距装置においては、受光素子用の画素が並んだセ
ンサアレイ3a,3bが測距対象の被写体21に対面す
るように並設されている。また、ここに被写体21の像
を結像させるために、センサアレイ3a,3bの前に2
つの受光レンズ2a,2bを焦点距離fだけ離間して設
け、これらのレンズ2a,2bに視差Bを持たせて「三
角測距の原理」にて、被写体距離Lを求めるように構成
されている。
【0014】被写体距離Lの大小によって2つのセンサ
アレイ3a,3bに結像する被写体21の像は、各レン
ズ光軸基準の相対位置を変化させる。これを検出するた
めにA/D変換手段(A/D変換部:コンバータ16)
はセンサアレイ3a,3bからの積分出力(但しここで
は、積分回路は各センサアレイ3a,3bの各画素に含
めて表わしている。)をディジタル信号に変換し、ワン
チップマイコンなどから成る演算制御手段および被写体
距離算出手段(制御部:CPU1)が2つのセンサアレ
イ3a,3bのディジタル像信号を比較して、上記相対
位置差検出及び距離算出を行なうように構成されてい
る。
【0015】2つのセンサアレイ3a,3bから検出さ
れた像が同じ被写体21のものであるか否かを調べるた
め、CPU1はその像の相対位置差を検出するための相
関演算手段(相関演算部12)や像のパターンが測距に
ふさわしいか否かを調べるパターン判定手段(パターン
判定部11)等の機能を有する。またCPU1は更に、
上記相対位置誤差を検出した時の像の一致度や上記像の
パターン判定の結果、低コントラストや繰返しパター
ン、単調増加、単調減少のパターンである時には、当該
測距の信頼性が低いと判定する信頼性判定手段(信頼性
判定部13)を有している。
【0016】さらにこの測距装置は、上記定常除去時に
測距用光を投射し、被写体21で反射して入射してきた
入射光量を判定する光量判定手段(光量判定部14)を
有し、これらの各機能の結果より、ピント合せ手段(ピ
ント合せ部9)の制御量を決定する。またCPU1は、
レリーズスイッチ8の入力状態を検出し、その他、カメ
ラ撮影シーケンスを司り、測距時にも必要に応じてドラ
イバ4bを介して前述のIRED4aを投光制御した
り、ストロボ発光手段(ストロボ装置5a)を介してス
トロボ発光部を適宜に発光制御するようになっている。
【0017】そしてこの測距装置は、対象物の明るさを
判定する判定手段(光量判定部14)を更に有し、この
判定手段の出力に応じてパルス的投光のパルス幅を決定
する。尚この判定手段は、測距用光投光時のセンサアレ
イ3a,3bの出力結果によって上記明るさを判定する
ように構成されている。
【0018】次に、上述のような構成をもつ測距装置が
測距の際に考慮しなければならないもの、即ち、被写体
を照らしている太陽光や人工照明のような定常光に起因
する光成分に関する除去機能について、図2(a),
(b)に基づき詳しくその回路構成と動作を説明する。
図2(a)に示す受光素子3a1は、例えば像信号検出
用のセンサアレイを構成する1つの画素に相当するもの
である。入射光量に応じてここから出力される光電流I
p は、定数光除去トランジスタ7aを介してGNDに流
れるようになっている。積分アンプ16a、積分コンデ
ンサ16b、リセット用のスイッチ16c、16d等か
ら成る積分回路には電流が流れないように、電流検出部
7cの回路がトランジスタ7aのゲート電圧を制御して
いる。
【0019】ホールド用のコンデンサ7bは上記ゲート
電位を固定するため設けられている。この固定状態で、
例えば赤外発光ダイオード(IRED)4aを発光させ
て、集光レンズ4を介して被写体21に対して測距用光
をパルス的に投光し、且つ電流検出部7cを非作動にす
ると、そのパルス光の急激な変化にはコンデンサ7bの
両端の電圧変化は応答できず、スイッチ16dをONさ
せておくと、パルス光に応じた光電流のみが積分回路に
入力され、積分アンプ16aの出力には、上記測距用パ
ルス光に基づく光電変換電圧が出力される。尚、IRE
D4a以外にストロボ装置5aを補助光源として使って
もよい。この出力をA/D変換すれば、反射信号光に応
じた反射光量データが検出可能となる。
【0020】ただし、明るいシーンで定常光電流Ip
大きくなるにつれ、熱雑音やショットノイズ等の影響
で、誤って積分回路に入力される誤差成分が増加してし
まう。また、回路のオフセット誤差の影響なども受け易
くなる。また、前述した如く明るいシーンの場合、この
ままでは正確な反射光量検出が困難となっていた。
【0021】そこで本発明ではこれに対処し、上記の定
常光の明暗を判定するためには、電流検出手段7cを非
作動として、図2(b)に示すようにリセットスイッチ
16cをいったんONした後、積分回路に上記定常光電
流Ip を流し込み、積分電圧が所定レベルVcになるま
での時間tINT をコンパレータ17を利用して検出する
ようにしている。例えば明るいシーンでは、このtINT
が短く、暗いシーンではtINT が長くなるため、このt
INT をカウントするだけで明暗判定ができる。このと
き、余計な光が入らないようにIRED4aは非作動と
しておくように制御する。
【0022】また本発明では、図3(a)のように並ん
だ測距センサ3aにて所定エリアから出力される像信号
が図3(b)のようにローコントラストであったり、図
3(c)のように繰り返しパターンであったり、図3
(d)のように単調変化パターンであったりした場合、
更には相関演算の結果の信頼性が低い場合には、投光手
段4aを投射して反射信号光のパターンによって測距を
行なうように構成している。
【0023】なお、投光レンズ4の前方にはパターン形
成用のマスクをおいてもよいし、発光部そのもののパタ
ーンを用いてもよい。また、このIRED4aによる反
射信号光が少ない場合には、IRED4aより光量の多
いストロボ光投射による測距を行なう。ただし、この場
合、反射信号光には特定のパターンが無いので、多くの
場合、図3(f)のようにコントラストの低い信号光分
布となる。
【0024】このようなセンサアレイ3a(,3b)と投
光パターンの位置関係を、この発明応用のカメラの画面
20を基準に図8に図示すると、センサアレイ3aのモ
ニタエリアは画面中心部の符号3cとなり、ストロボ光
は画面全体を照射して露出を制御しなければならず、符
号5bで示すように広いパターンとなり、IRED4a
のパターン光は符号4cで示すような赤外光パターンを
形成する。
【0025】このように、測距装置において上記の測距
用光投射なしで測距対象物の像信号の相対位置差で測距
するモードを「パッシブAF」と呼ぶ。また、上記の定
常光除去動作を伴いIRED4aやストロボ等の光投射
を伴う測距モードを「アクティブAF」と呼ぶ。
【0026】つづいて、図4及び図5には、本発明の第
1実施形態における測距装置の動作をフローチャートに
例示して具体的にその動作制御について説明する。図4
のフローチャートには、この測距装置の測距動作の手順
を示している。最初は、前述のパッシブモードによる測
距(パッシブAF)を行ない(S1)、所定のレベルまで
像信号が積分された場合の積分時間tINTを求める(S
2)。
【0027】前述の「パターン判定」によって、又は相
関演算の結果によって上記パッシブAFの信頼性を判定
し(S3)、もし信頼性が高ければステップS29へ分
岐し、2つの像信号位置より三角測距にて距離算出を行
ない(S29)、リターンする。 一方、そのパッシブ
AFの信頼性が低い場合は、ステップS4にてIRED
4aを用いた「プリ測距」を行なう。この時、所定時間
のパルス光をn回投光しA/D変換部16によって積分
電圧VINT を求める(S4)。この積分電圧V INT が大
きい程IREDの光が充分に対象物まで届いていて明る
いと判断できる。逆に、もしVINT が小さいとIRED
の光量では不充分なのでより強力なストロボ光投射を行
なうが、この時、前述のように被写体21を照らしてい
る太陽光や人工照明のような定常光成分を考慮しなけれ
ば、正しい判定はできない。
【0028】従って、その定常光成分を検出するため
に、上記ステップS1のパッシブAF時の積分時間モニ
タ結果tINT (ステップS2の結果)を用い、ステップ
S5にて明るさの判断を行なう(S5)。つまり、所定
時間t0 との比較によってS4におけるIREDプリ積
分時の積分電圧VINT の大小を判断する判定電圧V1
2 を決定する。もしtINT が短い時間値であり明るい
と判断された場合には、V1 より大きな判定電圧V2
INT を比較する(S6)。また暗いシーンで定常光が
少なくtINT が長い場合にはV2 より小さい定数V1
INT を比較する(S7)。これによって、投光源とし
てのIREDによる測距を行なうか、又はストロボ装置
5aによる投光のもとで測距を行なうかを判定する。な
お、この積分電圧はVINTはセンサアレイを構成する全
センサのうち最も入射光量の大きいものの積分電圧を選
択するように実施してもよいし、センサアレイの所定エ
リアのうち最も入射光量の大きいものを選ぶようにして
もよい。
【0029】こうして択一的に決定された投光源によっ
て、ステップS8,S11にてIREDの光、又はスト
ロボ装置の光を利用したアクティブモードによる測距動
作が「本測距」として行われる。これは、所定時間の発
光で所定の電圧に到るまで投光積分を繰り返していくも
ので、利用する投光源がIREDの場合はステップS8
にて次のように実行する。即ち、対象物の輝度を測定
し、その輝度によって積分時間を切り換える。詳しく
は、高輝度の場合は発光時間を短く設定し、そうでなけ
れば発光時間を相対的に長く設定して発光し、積分処理
を行なう。その後は、続くステップS9,S10の判定
ループにて積分回数リミッタn1 を設けてその回数で積
分終了時期を制御する。
【0030】また上記判定ステップS7の結果、利用す
る投光源がストロボ装置の場合はステップS11,S1
2,S13のループにて次のように制御される。即ち、
所定回数以上の投光積分を行なうとエネルギーが無駄に
なりタイムラグにも影響するので、上記判定ステップS
10,S13にて所定の時間で積分処理を終了させ(S
12)、積分回数リミッタn2 を設け、回数で終了時期
を制御している(S13)。
【0031】以上の本測距の後は、反射光量を積分され
た結果P(即ち積分電圧VINTを積分回数で割った値)
を考慮し(S20)、パターン判定(S21)の結果よ
り、三角測距ができるか否かを判断する(S22)。こ
の時、発光時間を被写体の明るさによって適宜に切り換
えてもよい。もし三角測距ができる反射光像信号になっ
ていればステップS24にて三角測距を行なう(S2
4)。一方、パターンが充分でない場合又はステップS
25にて三角測距の信頼性が低いと判断した場合は(S
25)、ステップS23にて先の反射光量による光量A
Fを行なう(S23)。
【0032】このように、光を投射して反射光量を調べ
た時、近距離の対象物からは多くの光が戻り、遠距離の
対象物からは少ない光が返ってくる事を利用した距離測
定方式により、コントラストの無い被写体にとっても有
効な測距方式となる。ただし、この場合、被写体の反射
率は所定範囲内に入っているものと仮定している。
【0033】上述したフローチャート(図4)に基づく
処理の結果をタイミングチャートに図示すると、図5及
び図6(a),(b)のようになる。図5には、IRE
Dを三回発光させてのプリ測距結果(n0 =3の時のV
INT)が、V1 以下であってIREDの光では測距でき
ないと判断し、ストロボ光による測距動作に移行した一
例を示している。ストロボ装置は5回の発光で積分判定
電圧Vc に達したので発光を終了している。
【0034】また、図6(a),(b)は3回のIRE
Dの発光で、同じ積分量だけ積分してもパッシブAF時
のtINTがt0 より大きかった時(暗時)とt0 以下だ
った時(明時)で判定電圧がV2 ,V1 と切り換わる事
によって、後半の本測距がIRED又はストロボ装置に
切り換わる様子を示している。明るい時には前述のよう
に光電流Ip が増加してセンサやホールドトランジスタ
にノイズがのりやすく、それが積分されて実際より多く
積分される事を、このような工夫にて対策している。も
しこのような対策を講じないと、実際にはIREDでは
測距できないシーンでIREDが選択されたりして、本
測距で誤測距してしまう。
【0035】よって、このような場合であっても、本発
明の如き工夫にて正しくストロボ利用の測距に切り換わ
り、充分な反射光量による正確な測距が可能となる。ま
た、充分に近くてストロボ発光が不必要な場合には、よ
り消費電力の少ないIREDを用いた測距を行なうこと
ができるので省エネルギー効果も得られる。
【0036】次に、本測距においてもこの高輝度時のノ
イズ誤差が測距に影響する事を対策するための制御につ
いて、図7に示すフローチャートに基づき説明する。ス
テップS30〜S34は、パッシブ測距時の積分時間t
INTによって光量AFの補正係数Kを切り換える時の判
断処理である。t0 <t1 とすると、上記ステップS3
0にてYESに分岐する場合は非常に明るいシーンである
と判断し、上記ステップS30をNO、上記ステップS3
1もNOに分岐する場合は暗いシーンであると判断し、ス
テップS31をYESに分岐する場合はその中間の明るさ
のシーンであると判断する。
【0037】暗いシーンではノイズ誤差を考慮する必要
がないので、ステップS33の補正係数Kは1であるが
(S33)、明るくなるにつれこの補正係数Kを1/2
に設定し(S34),更に1/4に小さく設定して(S
32)、続くステップS35における計算では「遠距
離」が出るように設定している。つまり、このような補
正係数Kの調整は、明るいシーンにてノイズやオフセッ
ト分が積分されて近距離側の出力となり易い事に対する
1つの対策である。すなわち、例えばAFカメラなどで
ピント合せレンズの繰出し量に比例する被写体距離xの
逆数VL を算出するとき、1回の発光積分で1mの被写
体から反射してくる光量P0 と、発光回数n、入射光量
Pを利用する計算式に前述の補正係数Kを乗ずる事(S
35)によって、明るい被写体の場合の光量AFの誤差
に対処したものである。
【0038】このように、像信号にて測距できる対象物
に対してはパッシブモード、IREDで測距できる被写
体でも、明確なパターン判定ができるものは、アクティ
ブ三角測距モード、遠距離ならIREDの光量測距モー
ド、又はストロボ三角測距モード、ストロボ光量測距モ
ードを使い分けて苦手な対象物のない測距装置が提供で
き、明るいシーンでも切換の誤判定をしたり誤った光量
判定のない正確な測距が可能となる。
【0039】つづいて図9(a)〜(d)に、パッシブ
AFの苦手とする被写体において得られるセンサアレイ
3a,3bの出力をグラフで示し、これらについて詳し
く説明する。図9(a)はコントラストのない被写体に
て得られるセンサアレイ出力(像出力)であり、左
(L)、右(R)とも、どのエリアにも特徴的なパター
ンが見られず、これでは、図1で説明した三角測距時の
センサアレイ3a,3bの各センサエリア上での像位置
比較ができない。
【0040】図9(b)は像変化が単調に減少(又は増
加)するパターンであり、フレア等でL,Rのどちらか
の像にオフセットが生じると、そのオフセット分がその
まま三角測距時の誤差となる。左右のセンサアレイ3
a,3bに完全に均等な光が入る事は少ないので、この
ような像信号も測距には苦手なものと考えられる。
【0041】次に図9(c)のように、繰り返し同じパ
ターンが生じる対象物もピント合せが難しい。例えば、
Lのセンサアレイの(A)のパターンが、R側のセンサ
アレイの(B)と同じと考えるか、(C)と同じと考え
るかによって、三角測距の結果(相対像位置差)が異な
るからである。さらに、図9(d)のように2つのセン
サアレイに入射した光のパターンが大きく異なる場合
も、正しい測距は望めない。
【0042】そこで本実施形態では、これらの各パター
ンを判定するために、図10に示すようなフローチャー
トの手順に従ってCPU1が、入力したセンサデータを
判断する。(尚これは、図4中のステップS3に相当す
る)。
【0043】ステップS40〜S42は、コントラスト
の低い対象物(図9(a))を判断する手順例であり、
センサアレイ3a,3bの最大値,最小値の差を求め
(S40,S41)、その差と所定値SDφを比較し
(S42)、その差が所定値SDφより小さいときは、
上記ステップS42をYに分岐して、パッシブNG(即
ち不可能か否か)の判断を行ない(S55)、リターン
する。
【0044】続くステップS43〜S47は、センサア
レイのn番目のセンサ出力をSD(n)と表わすと(S
43)、まず、SD(n+1)とSD(n)を比較して
隣接したセンサのデータ差ΔSDを求め(S44)、そ
の差が所定値ΔSDφより小さい場合、又は、差の符号
が変化するか否かを調べる(S45)。そして、ステッ
プS46〜S47からこのステップS47に戻るループ
を利用して、全域にわたって変化が小さく、且つ、符号
変化もないと判断した場合には、ステップS46をYに
分岐してパッシブAFでの測距は「不得手」と判定す
る。これは、前述の図9(b)のような状態を判定する
処理手順となる。一方、全アレイの処理が終了したか否
かを判断し(S46)、まだであれば、nを更新して
(S47)上記ステップS43に戻り、次のアレイにつ
いて同様に処理する。
【0045】また、ステップS48,S49,S50は
図9(c)のような繰返しパターンの状態を判断するも
のであり、L側センサアレイの(A)部パターンとR側
センサアレイの(B)部とを比較し、差の和を求める
(S48)。同様にL側センサアレイの(A)部パター
ンとR側センサアレイの(C)部とを比較し、差の和を
求める(S49)。
【0046】すなわち、像の一致の比較としては、図1
1のように所定区間のL側とR側のセンサデータの差を
各センサ番号(No.)ごとにとる。そして、その差を上記
所定区間分、加算した値を基にして判定を行えばよい。
【0047】つまり、図11(a),(b)に示す如く
左右のパターンが全く同じならば、図11(c)に示す
如くその差のパターンはすべて0となり、所定区間の和
も0となるので、パターンの一致度が高い事が判断でき
る。このような考え方により、上記ステップS48,S
49では、R側の所定領域を変えながら、センサデータ
の差の和をとってΣΔSDB ,ΣΔSDC を算出し、続
くステップS50にて、ΣΔSDB とΣΔSDC の差が
小さいと判断されれば(S50)、繰返しパターンであ
るとし、ステップS55のNG判断へ分岐する。実際に
上記ステップS48,S49は、(B)と(C)の部分
だけでなく、更に細かく領域をずらしながらパターン比
較を行なう。
【0048】また、続くステップS51,S52では、
ステップS48,S49で求めた像パターンの差の和を
所定の値ΣΔSD1 と比較し(S51,S52)、像の
一致度を判定する。この一致度が悪い場合は、図9
(d)に例示したように左右(L,R)のパターンが異
なるため、「正しい測距ができない状況である」とCP
U1は判断することができる。
【0049】以上の説明した如く、このようなパッシブ
NG(即ち不可能)の場合においても、本発明によればI
REDを利用したアクティブAF、ストロボを利用した
遠距離用アクティブAFを適宜組み合わせて、正しい距
離検出を可能とした測距装置を構成実施する事ができ
る。また、IREDを利用した測距結果によりストロボ
利用を決定するので、アクティブAF時も最適の方法に
よる測距が可能となる。
【0050】(変形例)このほかにも、本発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0051】以上、実施形態に基づき説明したが、本明
細書中には次の発明が含まれる。
【0052】(1) 被写体像をモニタして複数の像信
号を出力する複数のセンサアレイと、上記複数のセンサ
アレイから出力される複数の像信号が、測距演算に適し
た信号であるか否かを判定する判定手段と、上記判定手
段の判定結果に応じて被写体にパルス光を投射する投光
手段と、上記各センサアレイに定常的に入射する信号光
に基づく像信号を除去し、上記パルス光に応じた複数の
信号を抽出する抽出手段と、上記抽出手段により出力さ
れる所定の抽出信号を用いて被写体距離を算出する算出
手段と、を具備する測距装置を提供できる。
【0053】(2) 被写体像を異なる視野でモニタす
る複数のセンサアレイと、上記複数のセンサアレイによ
って得られた複数の像信号の一致度を判定する判定手段
と、上記判定手段の判定結果に応じて被写体にパルス光
を投射する投光手段と、上記各センサアレイに定常的に
入射する信号光に基づく像信号を除去し、上記パルス光
に応じた複数の信号を抽出する抽出手段と、上記抽出手
段により出力される抽出信号を用いて被写体距離を算出
する算出手段と、を具備する測距装置を提供できる。 (3) 上記(1)又は(2)において、上記距離算出
手段は、上記複数の抽出信号の相対位置差又は該抽出信
号のレベルに従って距離算出を行なうことを特徴とす
る。
【0054】(4) 被写体像をモニタして複数の像信
号を出力する複数のセンサアレイと、上記複数の像信号
が、測距にふさわしいかどうかを判定する判定手段と、
上記判定手段の判定結果に応じて、被写体にパルス光を
投射する投光手段及び上記各センサアレイに定常的に入
射する信号光に基づく像信号を除去し、上記パルス光に
応じた複数の信号を抽出する抽出手段を作動させ、上記
抽出信号を用いて上記被写体距離を算出する算出手段
と、を有する測距装置を提供できる。 (5) 上記(4)において、上記判定手段は、上記像
信号のコントラストが低い事、上記像信号の変化率の大
小を判定する事、或いは上記像信号のパターンの規則性
を判定する事を判定する事を特徴とする。
【0055】(6) 被写体像を異なる視野でモニタす
る複数のセンサアレイと、これら複数のセンサアレイに
よって得られた複数の像信号の一致度を検出する判定手
段と、上記複数の像信号が測距にふさわしいかどうかを
判定する判定手段と、上記判定手段の判定結果に応じ
て、被写体にパルス光を投射する投光手段及び上記各セ
ンサアレイに定常的に入射する信号光に基づく像信号を
除去し、上記パルス光に応じた複数の信号を抽出する抽
出手段を作動させ、上記抽出信号を用いて上記被写体距
離を算出する算出手段とを有する測距装置を提供でき
る。 (7) 上記(4),(6)において、上記抽出信号に
よる被写体距離算出手段は、上記複数の抽出信号の相対
位置差、又は、上記抽出信号のレベルに従って距離算出
を行なう事を特徴とする。
【0056】(8) ローコントラスト、信頼性小、繰
返しパターン、単調増加判定時、或いはパターン投光ア
クティブAFを行ないこれが不可能な場合は、ストロボ
装置を利用する光量AFに切り換える事を特徴とする測
距装置を提供できる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来、パッシブAFでもアクティブAFでも測距が困難
だったシーンの測距精度を向上させたので、本発明の測
距装置を搭載したカメラは、シーンを選ばず測距及びピ
ント合せが可能なものとなる。
【0058】また、アクティブAF時は遠距離被写体に
対しては、ストロボ光を利用したより大きな光量による
光量による測距を行なうが、このような大きなエネルギ
ーの可視の光を利用した測距を繰り返すと、消エネ的に
も、対象物に与えるまぶしさの点でも好ましくないの
で、極力このようなモードでの測距の頻度を押さえる工
夫をして、エネルギーの損失の少なく、まぶしさの少な
い測距装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の測距装置の構成を示す概略構成図。
【図2】図2(a)は、この測距装置の部分構成を示す
構成図、図2(b)は、その部分に係わる処理動作を示
すグラフ。
【図3】図3(a)は、この測距装置の受光素子を示す
正面図、図3(b)〜(f)は、この受光素子に対応す
る波形グラフ。
【図4】 本発明の測距装置の測距手順を示すフローチ
ャート。
【図5】 この測距手順のうち、本測距の一部の処理動
作を示すタイミングチャート。
【図6】 図6(a),(b)は、暗時から明時の複数
回のストロボ発光に切り換わる動作を示すタイミングチ
ャート。
【図7】 本測距でのノイズ誤差に対する対策処理を示
すフローチャート。
【図8】 本発明を適用したカメラの画面を示し、セン
サアレイと投光パターンの位置関係を示す説明図。
【図9】 図9(a)〜(d)は、パッシブAFの苦手
な被写体で得られるセンサアレイの出力を示すグラフ。
【図10】 パターン判定においてパッシブNGの判断
と信頼性判断の手順を示すフローチャート。
【図11】 図11(a)〜(c)は左右の各センサ毎
にセンサデータの差を表わすグラフと、所定区間分の加
算結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1…CPU(演算制御手段、算出手段)、1a…制御
部、 1b…EEPROM、2a,2b…受光レ
ンズ、3a,3b…センサアレイ、4,5…集光レン
ズ、4a…IRED、 4b…ドライバ、5a…ス
トロボ装置(ストロボ発光手段)、7…定常光除去部
(定常光除去手段)、7a…トランジスタ、 7b…コ
ンデンサ、7c…電流検出部、8…レリーズスイッチ、
9…ピント合せ部(ピント合せ手段)、11…パターン
判定部(パターン判定手段)、12…相関演算部(相関
演算手段)、13…信頼性判定部(信頼性判定手段)、
14…光量判定部(光量判定手段)、16…A/D変換
部(A/D変換手段)、16a…積分アンプ、 16
b…積分コンデンサ、16c,16d…スイッチ、17
…積分判定部(コンパレータ)。S1〜S29…測距手
順、S8a〜S8d…IRED-AFの手順、S30〜
S35…光量AFの手順、S40〜S55…パッシブ方
式測距とその判断手順。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F112 AA07 BA01 CA12 DA21 DA26 EA03 FA07 FA21 FA29 2H011 AA01 BA05 BA14 BB04 DA01 DA07 DA08 2H051 BB07 BB09 BB10 BB20 CB20 CB24 CC03 CC11 CC18 CC19 CE08 CE28 DA22 EB07 EB19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体像をモニタして複数の像信号を出
    力する複数のセンサアレイと、 上記複数のセンサアレイから出力される複数の像信号
    が、測距演算に適した信号であるか否かを判定する第1
    の判定手段と、 上記判定手段の判定結果に応じて被写体にパルス光を投
    射する投光手段と、 上記各センサアレイに定常的に入射する信号光に基づく
    像信号を除去し、上記パルス光に応じた複数の信号を抽
    出する抽出手段と、 上記抽出手段により出力される所定の抽出信号を用いて
    被写体距離を算出する算出手段と、 を具備することを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の判定手段は、上記像信号のコ
    ントラストの高低に基づき判定を行なうことを特徴とす
    る、請求項1に記載の測距装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の判定手段は、上記像信号の変
    化率に基づき判定を行なうことを特徴とする、請求項1
    に記載の測距装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の判定手段は、上記像信号のパ
    ターンの規則性に基づき判定を行なうことを特徴とす
    る、請求項1に記載の測距装置。
  5. 【請求項5】 上記投光手段は発光ダイオード及びスト
    ロボを有して成り、上記第1の判定手段の判定結果に基
    づいて上記投光手段が被写体にパルス光を投射する際
    に、上記発光ダイオード又は上記ストロボのいずれを用
    いて被写体への投射を行なうかを判定する第2の判定手
    段を具備することを特徴とする、請求項1に記載の測距
    装置。
  6. 【請求項6】 上記第2の判定手段は、上記発光ダイオ
    ードによるパルス光投射時の受光結果に応じて上記判定
    を行なうことを特徴とする、請求項5に記載の測距装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012063217A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Sharp Corp パッシブ型光学式測距センサ、電子機器および測距方法

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