JP2002213836A - アンモニア吸収冷凍機の制御方法及びアンモニア吸収冷凍機 - Google Patents

アンモニア吸収冷凍機の制御方法及びアンモニア吸収冷凍機

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JP2002213836A JP2001009688A JP2001009688A JP2002213836A JP 2002213836 A JP2002213836 A JP 2002213836A JP 2001009688 A JP2001009688 A JP 2001009688A JP 2001009688 A JP2001009688 A JP 2001009688A JP 2002213836 A JP2002213836 A JP 2002213836A
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定和 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発生器1で生成するアンモニア稀水溶液Sw
を貯留する液溜部3からアンモニア稀水溶液Swを吸収
器8に導く稀液管路15に減圧機構16を備え、吸収器
8と発生器1との間を接続する濃液管路18に、アンモ
ニア濃水溶液Ssを還流供給する濃液供給ポンプ9を備
えるアンモニア吸収冷凍機に対して、安価な設備機器を
用いながら、発生器と吸収器との間のアンモニア水溶液
の循環ループが安定し、正確に作動させる制御を可能と
する。 【解決手段】 液溜部3の所定液位の高さ位置に接続し
たフロート式トラップ20を、稀液管路15に設けてあ
り、フロート式トラップ20の弁座23をオリフィスと
して機能するように構成し、又は、フロート式トラップ
20と吸収器8との間の稀液管路15にオリフィスを設
けて、減圧機構16を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発生器で生成する
アンモニア稀水溶液を貯留する液溜部からアンモニア稀
水溶液を稀液管路を経て減圧した後吸収器に供給し、前
記吸収器からのアンモニア濃水溶液を濃液供給ポンプに
より前記発生器に還流供給するアンモニア吸収冷凍機及
びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記従来のアンモニア吸収冷凍機におい
ては、例えば図5に示すように、発生器1の加熱部2で
熱源蒸気Sにより加熱されて主としてアンモニアからな
る蒸気を放出したアンモニア稀水溶液Swを前記蒸気と
共に液溜部3及びその上部空間に供給するように構成し
てある。前記アンモニア稀水溶液Swを貯留する前記液
溜部3の底部から前記アンモニア稀水溶液Swを吸収器
8に導く稀液管路15には減圧機構16として絞り弁1
6Cを備えている。また、前記吸収器8と前記液溜部3
の上方に設けられた精留部4の回収段4aとの間を接続
する濃液管路18には、アンモニア濃水溶液Ssを還流
供給する濃液供給ポンプ9を備えており、アンモニア濃
水溶液Ssを前記回収段4aを経て前記発生器1に循環
供給するように構成されている。一方、前記精留部4の
上部に備える濃縮段4bで濃縮され、さらに上昇しなが
ら精留されて分縮段4cから放出された冷媒蒸気である
アンモニア蒸気Avを冷媒蒸気管路10を経て冷却水管
を備える凝縮器5に導き、この凝縮器5で冷却水W1に
より冷却されて凝縮した濃アンモニア液Alは、アンモ
ニア液流路11から膨張弁6を介して減圧した後蒸発器
7に導き、減圧した低温の濃アンモニア液Alをブライ
ンBと熱交換させて前記ブラインBを冷却し、その冷却
過程で前記濃アンモニア液Alが気化したアンモニア蒸
気Avを前記吸収器8に供給するように構成されてい
る。前記吸収器8には、前記蒸発器7で蒸発したアンモ
ニア蒸気Avを前記吸収器8に導くするアンモニア蒸気
流路14を接続してあり、また、前記稀液管路15の終
端部を器内に導入して、器内のアンモニア蒸気Av中に
前記アンモニア稀水溶液Swを噴霧するように構成して
ある。前記アンモニア稀水溶液Swは、系内においては
吸収液として機能する。前記吸収器8には冷却水W2を
通流する冷却管が配置されており、前記アンモニア稀水
溶液Swがアンモニア蒸気Avを吸収してアンモニア濃
水溶液Ssを生成する際に発生する吸収熱を前記冷却水
W2に吸収させて系外に放出している。
【0003】前記精留部4においては、前記発生器1で
放出されるアンモニアを主体とする蒸気も供給され、前
記回収段4a、前記濃縮段4b及び前記分縮段4cを経
て濃縮精留された後、前記分縮段4cから前記冷媒蒸気
管路10に放出される。この過程でアンモニア蒸気Av
を分離したアンモニア稀水溶液Swは、前記濃縮段4b
から前記回収段4aを経て流下し、前記回収段4aに循
環供給されるアンモニア濃水溶液Ssと共に前記発生器
1に戻される。前記濃液管路18には溶液熱交換器17
が介装されており、その高温側流路には前記稀液管路1
5を通流するアンモニア稀水溶液Swを通流させて熱回
収を図っている。また、前記凝縮器5からの濃アンモニ
ア液Alを前記蒸発器7に導くアンモニア液流路11に
は、前記アンモニア蒸気流路14のアンモニア蒸気Av
により前記濃アンモニア液Alを過冷却する過冷却器1
3を配置して、前記膨張弁6に至る前の濃アンモニア液
Alが前記アンモニア液流路11内で部分蒸発するフラ
ッシングを抑制し、前記膨張弁6で減圧される濃アンモ
ニア液Alの流量を安定化し、冷却効率の向上を図って
いる。この系においては、アンモニア水溶液及び濃アン
モニアの流体循環は、前記濃液供給ポンプ9による低圧
側の吸収器8から高圧側の発生器1へのアンモニア濃水
溶液Ssの還流供給の外は、各流路の両端部間の圧力差
により行われる。この系における高圧側を構成する精留
部4内の圧力、即ち発生器圧力は、通常約1.5MPa
である。
【0004】上述のアンモニア吸収冷凍機を制御する制
御機構30には、生成するブラインBの温度を基に冷凍
容量を制御する冷凍容量制御部31と、液溜部3の液面
を所定の液位に維持する発生器液面制御部32と、冷媒
即ちアンモニアの凝縮圧力を制御する凝縮圧力制御部3
3と、冷媒即ちアンモニアの循環流量を制御する冷媒流
量制御部34と、冷媒蒸気管路10に放出される冷媒濃
度、即ちアンモニア蒸気Avのアンモニア濃度を制御す
る冷媒濃度制御部35と、発生器1でアンモニア蒸気を
分離したアンモニア稀水溶液Swのアンモニア濃度を制
御する発生器入熱量制御部36とを備えている。
【0005】前記冷凍容量制御部31は、前記ブライン
Bの温度を所定温度に維持するように、系内の溶液の循
環量を調節するもので、前記蒸発器7出口におけるブラ
インBの温度を検出するブライン温度検出器7aを備
え、検出するブライン温度に応じて前記濃液管路18に
設けた濃液供給ポンプ9の回転数を、その揚程を所要範
囲内に維持しながら変化し、同時にその下流側に備える
流量調節弁18aの開度を調節し、前記濃液管路18か
ら前記回収段4aへのアンモニア濃水溶液Ssの還流供
給量を調節するように構成されている。つまり、後述の
冷媒流量制御部34と連係し、前記蒸発器7における冷
凍負荷を間接的に検出して、冷凍能力を調節するのであ
る。
【0006】前記発生器液面制御部32は、前記液溜部
3におけるアンモニア稀水溶液Swの液面を所定レベル
に維持するもので、前記液溜部3における液面を検出可
能な液位検出機構3aを備え、検出した液位に応じて前
記稀液管路15に備える絞り弁16Cの開度を制御し
て、前記吸収器8へのアンモニア稀水溶液Swの供給量
を調節するように構成されている。つまり、前記液溜部
3からのアンモニア稀水溶液Swの前記吸収器8への供
給と、前記吸収器8からの前記発生器1へのアンモニア
濃水溶液Ssの還流供給との均衡を維持し、系の安定化
を図っているのである。また、従来のシステムにおいて
は、前記濃液供給ポンプ9としてタービンポンプを用い
ている関係上、ポンプ内でのキャビテーションを起こし
やすく、これを防止するために、前記冷凍容量制御手段
31の制御動作と協調して前記吸収器8におけるアンモ
ニア濃水溶液Ssの液面を所定液位以上に維持すること
も図っている。前記絞り弁16Cは、空気圧作動式のも
のを用い、液位検出機構3aからの差圧信号を前記発生
器液面制御部32に入力し、前記絞り弁16Cに対する
開度設定信号を基に設定した制御量を、電空変換器を介
して前記絞り弁16Cに伝達して開度調節するように構
成されている。
【0007】前記凝縮圧力制御部33は、前記冷媒蒸気
管路10から前記凝縮器5に供給されるアンモニア蒸気
Avの凝縮圧力を調節して、系内に供給する冷媒、即ち
前記吸収器8に供給するアンモニア蒸気Avを生成する
濃アンモニア液Alの凝縮量を所定の量に維持するもの
で、前記凝縮器5内の圧力を検出して、その凝縮器5に
供給する冷却水W1の水量を調節するものである。前記
精留部4から供給されるアンモニア蒸気Avの純度に対
応して、適正な凝縮温度を維持するものである。ここで
生成する濃アンモニア液Alの温度により系の冷媒とし
てのアンモニアの純度が決まり、その低温側温度がほぼ
定まる。前記冷却水W1の流量を調節する制水弁には、
空気圧作動の流量調節弁を用いており、前記凝縮器5内
で圧力を検出した検出信号を前記凝縮圧力制御部33に
入力し、前記圧力検出信号に基づいて設定される制水弁
の開度調節量を、電空変換器を介して前記制水弁に伝達
し、その開度を調節するように構成されている。
【0008】前記冷媒流量制御部34は、前記アンモニ
ア蒸気流路14における前記過冷却器13出口のアンモ
ニア蒸気Avの温度を所定温度に維持するもので、前記
アンモニア蒸気流路14の過冷却器13出口にアンモニ
ア気体温度計14aを配置してその検出温度に基づき、
前記膨張弁6の開度を調節するようにしてある。つま
り、前記蒸発器7における前記ブラインBとの交換熱量
を間接的に検出し、冷凍負荷に合わせて冷媒供給量を調
節するのである。この膨張弁6も空気圧作動のものが用
いられており、前記アンモニア気体温度計14aからの
温度信号を前記冷媒流量制御部34に入力し、前記膨張
弁6の開度を設定し、その開度設定信号を、電空変換器
を介して前記膨張弁6に伝達するように構成されてい
る。
【0009】前記冷媒濃度制御部35は、冷媒であるア
ンモニア蒸気Avの濃度を目標濃度に維持するもので、
前記凝縮器5出口の低圧のアンモニア液流路11から分
岐して、高圧の前記分縮段4cに濃アンモニア液Alを
一部還流するリフラックスポンプ12aを備える冷媒還
流路12と、前記分縮段4c出口の前記冷媒蒸気管路1
0におけるアンモニア蒸気Avの温度を検出する蒸気温
度計10aとを備えており、前記蒸気温度計10aで検
出する温度に応じて前記リフラックスポンプ12aの出
口に備える流量制御弁12bの開度を調節するように構
成してある。つまり、一旦凝縮させた濃アンモニア液A
lを前記精留部4の分縮段4cに一部還元することで、
前記冷媒蒸気管路10におけるアンモニア蒸気の濃度を
極力高く維持するのである。前記流量制御弁12bも空
気圧作動式のものであり、前記蒸気温度計10aで検出
した検出温度は前記冷媒濃度制御部35に入力され、前
記検出温度に基づき設定される前記流量制御弁12bの
開度信号も、一旦電空変換器で空気圧信号に変換された
後、前記流量制御弁12bに伝達される。
【0010】前記発生器入熱量制御部36は、前記発生
器1の加熱部2に備える加熱蒸気管19への熱源蒸気の
供給量を調節するもので、前記稀液管路15に通流する
前記液溜部3からのアンモニア稀水溶液Swの温度を検
出する稀液温度計15aを前記稀液管路15に配置し
て、検出した温度を所定温度範囲内に維持するように、
前記加熱蒸気管19に付設した蒸気調節弁19aの開度
を調節するように構成してある。熱源蒸気の温度変動に
よっても前記発生器1からのアンモニア蒸気Avの濃度
を変化させないようにするのである。
【0011】以上のように構成して、前記制御機構30
は、前記冷凍容量制御部31、前記発生器液面制御部3
2、前記凝縮圧力制御部33、前記冷媒流量制御部3
4、前記冷媒濃度制御部35、前記発生器入熱量制御部
36の間の調和を図り、各制御機構の協同により、アン
モニア吸収冷凍機の冷凍能力と、ブライン温度を目標範
囲に維持する。これは、アンモニア吸収冷凍機の運転が
安定し、且つ、所定の性能が発揮されるためには、前記
液溜部3と前記吸収器8における液面の変動をできるだ
け小さくするための制御が必要である点に鑑みて構成さ
れたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアンモニア吸収冷凍機においては、高圧側と低圧側
との間の圧力差が約1.5MPaであり、前記アンモニ
ア濃水溶液Ssを前記発生器1に還流供給する濃液供給
ポンプ9には、それ以上の揚程を確保する必要がある。
しかも、その圧力差は、運転条件によって変化しやす
く、タービンポンプ等の非容積型ポンプを採用した前記
濃液供給ポンプ9では、回転数を変化させれば、その吐
出量と揚程とが同時に変化するため、吐出圧力と吐出量
とを同時に制御できないという問題を有していた。その
ために、前記アンモニア濃水溶液Ssの前記発生器1へ
の還流供給量を調節するのに、前記濃液供給ポンプ9を
必要な揚程を維持できる以上の回転数に維持しながら、
下流側に設けた流量調節弁18aの弁開度を調整する必
要があり、精密な制御を行うには複雑な制御を必要と
し、装置のコストアップを招くという問題も有してい
た。つまり、前記濃液供給ポンプ9として、高圧タービ
ンポンプで構成されたキャンドポンプを用いたり、液溜
部3の液面検出機構3aとしての差圧発信器や、その差
圧信号を受信して開度調節する絞り弁16C等が必要に
なり、これらが何れも高価なものであるために、殊に、
小型のアンモニア吸収冷凍機であれば、そのコストアッ
プ要因として大きな割合を占めるのである。
【0013】そこで、本発明に係るアンモニア吸収冷凍
機の制御方法及びアンモニア吸収冷凍機は、安価な設備
機器を用いながら、発生器と吸収器との間のアンモニア
水溶液の循環ループが安定し、正確に作動させる制御を
可能とする手段を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
【0015】〔本発明の特徴手段〕
【0016】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機及びそ
の制御方法の第1特徴手段は、請求項1に記載のごと
く、発生器からのアンモニア稀水溶液を貯留する液溜部
からアンモニア稀水溶液を稀液管路を経て減圧した後吸
収器に供給し、前記吸収器からのアンモニア濃水溶液を
濃液供給ポンプにより前記発生器に還流供給するアンモ
ニア吸収冷凍機の制御方法において、前記液溜部の所定
液位の高さ位置に前記稀液管路を接続し、前記液溜部に
おける液面が前記所定液位を下回った場合に、前記吸収
器へのアンモニア稀水溶液の供給を停止する点にある。
【0017】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の制御
方法の第2特徴手段は、請求項2に記載のごとく、発生
器からのアンモニア稀水溶液を貯留する液溜部からアン
モニア稀水溶液を稀液管路を経て減圧した後吸収器に供
給し、前記吸収器からのアンモニア濃水溶液を濃液供給
ポンプにより前記発生器に還流供給するアンモニア吸収
冷凍機の制御方法において、前記稀液管路にオリフィス
を介装すると共に、前記液溜部上方における発生器圧力
若しくは前記吸収器における濃液液面を検出して、前記
検出結果に基づいて、前記発生器への前記アンモニア濃
水溶液の還流供給量を調節する点にある。
【0018】〔特徴手段の作用及び効果〕
【0019】上記本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の
制御方法の第1特徴手段によれば、簡単な機構で液溜部
の液面が所定の液位より下に低下することを防止でき、
複雑且つ高価な制御機構を用いることなく、発生器から
吸収器を経て発生器に戻るアンモニア水溶液の循環ルー
プを安定化させ、且つ正確に系を機能させることができ
るようになる。つまり、所定液位の高さ位置に稀液管路
を接続したから、液溜部における液面が、その所定液位
以下になれば、アンモニア稀水溶液が前記稀液管路に流
出することを防止できる。
【0020】例えば、前記液面が前記所定液位よりも低
くなれば、その上部の気体空間と前記稀液管路が連通す
る状態になるから、前記稀液管路にアンモニア蒸気が流
入して前記吸収器に至ることを防止するために、前記吸
収器への前記アンモニア稀水溶液の供給を停止するので
ある。この間に、前記吸収器内で生成したアンモニア濃
水溶液が濃液管路を介して前記発生器に還流し、前記発
生器からアンモニア稀水溶液が前記液溜部に補充される
から、前記液溜部内の液面が再び上昇して所定液位に達
すれば、前記稀液管路から前記アンモニア稀水溶液を前
記吸収器に再び供給することが可能になる。その結果、
前記液溜部の液面は、極めて安定した液位に維持される
のである。
【0021】上記本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の
制御方法の第2特徴手段によっても、簡単な機構で液溜
部の液面が所定の液位より下に低下することを防止で
き、複雑且つ高価な制御機構を用いることなく、発生器
から吸収器を経て発生器に戻るアンモニア水溶液の循環
ループを安定化させ、且つ正確に系を機能させることが
できるようになる。つまり、系内においては、アンモニ
ア稀水溶液とアンモニア濃水溶液とを総合したアンモニ
ア水溶液の総量はほぼ一定である。これは、冷媒である
アンモニアがアンモニア蒸気及び濃アンモニア液として
発生器と吸収器との間の経路を循環するが、その総量
が、定常運転時にはあまり変化しないからである。そこ
で、前記稀液管路にオリフィスを介装しておけば、前記
液溜部から前記吸収器に流入するアンモニア稀水溶液の
流量は、前記液溜部と前記吸収器との間の圧力差によっ
て定まるようになる。
【0022】こうした構成において、仮に前記液溜部上
方において検出される発生器圧力が増大する場合には、
前記液溜部から前記吸収器へのアンモニア稀溶液の流量
が増大し、前記液溜部における液面の低下を招きやすく
なるから、前記発生器へのアンモニア濃水溶液の還流供
給量を増せばよく、前記発生器圧力が低下する場合に
は、前記液溜部における液面が上昇しようとするから、
前記発生器へのアンモニア濃水溶液の還流供給量を減ず
ればよいのである。これにより、濃液供給ポンプがアン
モニア蒸気を吸入することも防止できる。
【0023】また、前記液溜部における液面が低下する
場合には、前記吸収器におけるアンモニア濃水溶液の液
面が上昇するから、前記液面の吸収器における所定液位
との偏差に応じて前記アンモニア濃水溶液の前記発生器
への還流供給量を調節すればよいのである。前記吸収器
における液面を所定液位以上に維持することによって
も、前記濃液供給ポンプがアンモニア蒸気を吸入するこ
とを防止できる。従って、冷凍負荷が変化しても系全体
を安定して、且つ正確に制御することが可能になる。
【0024】〔本発明の特徴構成〕
【0025】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の第1
特徴構成は、請求項3に記載のごとく、発生器からのア
ンモニア稀水溶液を貯留する液溜部から前記アンモニア
稀水溶液を吸収器に導く稀液管路に減圧機構を備え、前
記吸収器と前記発生器との間を接続する濃液管路に、ア
ンモニア濃水溶液を還流供給する濃液供給ポンプを備え
るアンモニア吸収冷凍機において、前記液溜部の所定液
位の高さ位置に接続したフロート式トラップを、前記稀
液管路に設けてある点にある。
【0026】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の第2
特徴構成は、請求項4に記載のごとく、上記第1特徴構
成における減圧機構を、フロート式トラップの弁座をオ
リフィスとして機能するように構成し、又は、前記フロ
ート式トラップと吸収器との間の稀液管路にオリフィス
を設けて構成してある点にある。
【0027】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の第3
特徴構成は、請求項5に記載のごとく、発生器からのア
ンモニア稀水溶液を貯留する液溜部から前記アンモニア
稀水溶液を吸収器に導く稀液管路に減圧機構を備え、前
記吸収器と前記発生器との間を接続する濃液管路に、ア
ンモニア濃水溶液を還流供給する濃液供給ポンプを備え
るアンモニア吸収冷凍機において、前記液溜部上方にお
ける発生器圧力を検出する圧力検出器を設け、又は、前
記吸収器における濃液液面を検出する液面検出機構を設
けて、前記検出した発生器圧力又は濃液液面に基づき前
記濃液供給ポンプの濃液供給量を調節する制御機構を設
けてある点にある。
【0028】〔特徴構成の作用及び効果〕
【0029】上記本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の
第1特徴構成によれば、上記各特徴手段におけると同様
に、簡単な機構で液溜部の液面が所定の液位より下に低
下することを防止でき、複雑且つ高価な制御機構を用い
ることなく、発生器から吸収器を経て発生器に戻るアン
モニア水溶液の循環ループを安定化させ、且つ正確に系
を機能させることができるようになる。つまり、上記第
1特徴手段におけると同様の作用効果を奏するもので、
液溜部の所定高さ位置にフロート式トラップを接続し、
これに稀液管路を接続してあることで、前記液溜部にお
ける液面が前記フロート式トラップの接続位置よりも低
下すれば、前記フロート式トラップには前記液面上のア
ンモニア蒸気が流入するから、フロートが下降し、弁座
に着座して、前記稀液管路を閉塞するようになる。従っ
て、この構成だけで前記液溜部の液面が所定液位以下に
低下することを防止でき、且つ、前記稀液管路への前記
アンモニア蒸気の流入も防止できるのである。前記稀液
管路が閉塞された状態で前記液溜部内の液面が上昇し
て、前記フロート式トラップの接続部よりも高くなれ
ば、前記フロートの上方からアンモニア稀水溶液が補給
されるから、前記フロートは再び浮上して前記アンモニ
ア稀水溶液を前記稀液管路に再び供給することが可能に
なる。
【0030】上記本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の
第2特徴構成によれば、前記第1特徴構成の作用効果に
加えて、構成をさらに簡素化できながら、系の制御をさ
らに安定化させることができる。つまり、フロート式ト
ラップの弁座を小口径にしてオリフィスとして機能さ
せ、或いは、前記フロート式トラップの下流側の稀液管
路にオリフィスを設けて、減圧機構とすることで、前記
フロート式トラップによる前記稀液管路の閉塞がない状
態では、前記稀液管路における絞り開口が一定口径とな
り、前記稀液管路を通流するアンモニア稀水溶液の流量
は、液溜部における発生器圧力と吸収器における器内圧
力との間の差圧によりほぼ決定されるから、前記発生器
圧力が安定しておれば、そのままで系の安定化を図る制
御が可能になる。
【0031】上記本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の
第3特徴構成によっても、簡単な機構で液溜部の液面が
所定の液位より下に低下することを防止でき、複雑且つ
高価な制御機構を用いることなく、発生器から吸収器を
経て発生器に戻るアンモニア水溶液の循環ループを安定
化させ、且つ正確に系を機能させることができるように
なる。つまり、濃液供給ポンプの濃液供給量を調節する
制御機構を設けて、その制御機構により、液溜部上方に
おける発生器圧力を検出する場合には、圧力検出器で検
出した発生器圧力の高低に応じて、また、吸収器におけ
る濃液液面を検出する場合には、液面検出機構で検出し
た濃液液面の高低に応じて、前記濃液供給量を増大減少
するのである。
【0032】例えば前記圧力検出器で検出した発生器圧
力が高くなれば、前記吸収器における器内圧力は殆ど変
化しないから、前記発生器圧力と前記器内圧力との差圧
が増大し、稀液管路を通流するアンモニア稀水溶液の流
量が増大する傾向を有するから、アンモニア水溶液が前
記吸収器に偏らないように前記濃液供給量を増大するの
である。逆に前記発生器圧力が低下すれば、前記稀液管
路を通流するアンモニア稀水溶液の流量が減少するか
ら、前記アンモニア水溶液が前記液溜部に偏らないよう
に前記濃液供給量を減少するのである。
【0033】また、液溜部における液面と前記吸収器に
おける濃液液面とは互いに逆の変化を示すものであるか
ら、前記液面検出機構で検出した濃液液面が上昇すれ
ば、前記液溜部における液面は低下の傾向を有してお
り、前記吸収器側にアンモニア水溶液が偏ろうとしてい
ることが判るから、前記濃液供給量を増大するのであ
る。逆に前記濃液液面が下降する場合には、前記液溜部
における液面が上昇する傾向を有しており、前記液溜部
側に前記アンモニア水溶液が偏ろうとしていることが判
るから、前記濃液供給量を減少するのである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るアンモニア吸
収冷凍機及びその制御方法に関する実施の形態の一例つ
いて図面を参照しながら説明する。尚、先に従来の技術
の項で説明した内容と重複する点に関しては、図5に示
した符号と同一若しくは対応する符号を要素に付して、
詳細の説明の一部を省略する。
【0035】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機は、基
本的には、図5に示した系と同様に、アンモニア濃水溶
液Ssを加熱して冷媒であるアンモニア蒸気Avを分離
してアンモニア稀水溶液Swを生成する発生器1と、前
記発生器1内で分離したアンモニア蒸気Avを精留濃縮
して、冷媒蒸気を生成する精留部4と、精留濃縮した冷
媒蒸気であるアンモニア蒸気Avを凝縮させて、濃アン
モニア液Alを生成する凝縮器5と、前記濃アンモニア
液Alをアンモニア蒸気Avとして蒸発させると共に、
その蒸発潜熱を奪ってブラインBを冷却する蒸発器7
と、その蒸発器で蒸発した冷媒蒸気であるアンモニア蒸
気Avを、吸収液である前記発生器1で生成したアンモ
ニア稀水溶液Swに吸収させて、アンモニア濃水溶液S
sを生成する吸収器8と、その吸収器8で生成したアン
モニア濃水溶液Ssを前記精留部4の回収段4aを介し
て前記発生器1の加熱部2に還流供給する濃液供給ポン
プ9とを備えている。
【0036】また、上記各機器の間夫々を接続する流路
として、前記精留部4と前記凝縮器5とを流路接続して
前記アンモニア蒸気Avを導く冷媒蒸気管路10と、前
記凝縮器5と前記蒸発器7との間を開度調節可能な膨張
弁6を介して流路接続し、前記濃アンモニア液Alを導
くアンモニア液流路11と、前記蒸発器7と前記吸収器
8とを流路接続して、前記蒸発器7で生成した冷媒蒸気
であるアンモニア蒸気Avを導くアンモニア蒸気流路1
4と、前記発生器1で生成したアンモニア稀水溶液Sw
を貯留する液溜部3と前記吸収器8とを流路接続して、
前記アンモニア稀水溶液Swを吸収液として前記吸収器
8に供給する稀液管路15と、前記濃液供給ポンプ9を
流路に備えて前記吸収器8と前記回収段4aとを流路接
続し、前記アンモニア濃水溶液Ssを前記発生器1に還
流供給する濃液管路18と、前記アンモニア液流路11
から分岐して前記精留部4の分縮段4cに接続し、前記
分縮段4cに前記濃アンモニア液Alを一部供給する冷
媒還流路12とを備えている。そして、前記アンモニア
液流路11と前記アンモニア蒸気流路14とに過冷却器
13を介装し、前記稀液管路15と前記濃液供給ポンプ
9の下流側における前記濃液管路18とに溶液熱交換器
17を介装してある。
【0037】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機におい
ては、例えば図1に示すように、前記液溜部3の所定液
位の高さ位置にフロート式トラップ20を接続し、その
フロート式トラップ20を介在させて前記稀液管路15
を、前記液溜部3の所定液位の位置に接続する。そし
て、前記濃液供給ポンプ9及び前記リフラックスポンプ
12aは、交流電動機で駆動される容積型ポンプで構成
する。図示の例においては、前記発生器1では、前記精
留部4と前記液溜部3とを上下に配置して一体に形成
し、前記加熱部2を外側に配置して流路連結するように
構成する。また、前記濃液供給ポンプ9及び前記リフラ
ックスポンプ12aは何れも容積型ポンプであり、この
システムのために開発されたダイアフラムポンプで構成
し、両ポンプ9,12aは共に、インバータを駆動電源
に備える交流電動機で駆動し、回転数制御を可能に構成
する。さらに、前記膨張弁6を感温式膨張弁で構成す
る。
【0038】前記フロート式トラップ20は、図2に示
すように、浮体で形成された球形の浮体弁球21を、上
側に蓋体26を取り付けた本体ケーシング22内の空間
部Vに収容し、その本体ケーシング22には、前記空間
部Vの上方に連通する液流入部24と、前記空間部Vの
下方に設けた前記浮体弁球21が接当自在な弁座23
と、前記弁座23の外側の空間に連通する液流出部25
とを設けたものである。前記液流入部24は、前記液溜
部3の所定液位の位置に接続し、前記液流出部25に前
記稀液管路15を接続する。そして、前記弁座23の弁
座開口16Bを、前記液流入部24及び前記稀液管路1
5の流路断面積に比して十分に小さい流路断面積となる
ように小さな開口径とし、固定開度のオリフィス16A
として機能するように減圧機構16として構成する。ま
た、前記蓋体26には、貫通孔を備えるガス抜き部27
を形成し、このガス抜き部27を前記液溜部3の上方空
間に連通させて、前記空間部V内へのアンモニア稀水溶
液Swの流入の円滑化を図る。
【0039】そして、前記制御機構30においては、図
1に示したように、冷凍容量制御部31において、前記
蒸発器7に付設したブライン温度検出器7aで検出する
ブライン温度を入力し、そのブライン温度に基づき濃液
供給ポンプ9を駆動するインバータの周波数を設定す
る。また、前記発生器液面制御部32には、前記発生器
1における前記液溜部3上方の空間に設けられ、アンモ
ニア蒸気Avの発生器圧力を検出する圧力検出器1aの
検出信号を入力し、前記発生器圧力の高低に応じて前記
冷凍容量制御部31で設定する周波数に対する制御補正
量を設定する。前記凝縮器5における冷却水量の制御に
関しては従来と同様にして制水弁を調節するが、検出し
た前記凝縮器5内の圧力を前記凝縮圧力制御部33に入
力して、前記制水弁を直接駆動する。また、前記冷媒流
量制御部34においては、前記膨張弁6に前記アンモニ
ア蒸気流路14の過冷却器出口温度をそのまま入力する
ように構成する。さらに、冷媒濃度制御部35において
は、前記冷媒蒸気管路10で前記蒸気温度計10aによ
り検出した検出温度に基づき前記リフラックスポンプ1
2aを駆動するインバータの周波数を設定する。
【0040】上記のように構成したアンモニア吸収冷凍
機は、前記制御機構30において前記濃液供給ポンプ9
及び前記リフラックスポンプ12aを回転数制御する
が、両ポンプ9,12aが容積型ポンプであり、定量ポ
ンプとして機能するから、系内における高圧側の圧力が
変動しても支障なく、その回転数に応じた液量を吐出す
る。従って、制御における操作量の数も少なく、且つ、
プロセス値も安定したものとすることができる。
【0041】また、前記稀液管路15を前記液溜部3の
所定水位の位置に接続し、前記稀液管路15の入口に前
記フロート式トラップ20を備えさせたから、前記液溜
部3内の液面が前記所定水位より低くなることがなく、
前記発生器1における液面を安定させることができる。
さらに、前記液溜部3における液面が前記所定液位を下
回った場合に、前記フロート式トラップ20の空間部に
おける液面が下がり、前記浮体弁球21が前記弁座23
に接当するようになれば、そこで閉弁するから、前記吸
収器8への前記アンモニア稀水溶液の供給を停止するこ
とができる。これと同時に、前記圧力検出器1aで検出
した発生器圧力の昇降変化に応じて、前記冷凍容量制御
部31に対する濃液供給ポンプ9の回転数を増減補正す
るから、冷凍負荷の変化或いは熱源蒸気による入熱量の
変化が生じても、前記液溜部3における液面を常に良好
な位置に維持できる。
【0042】以上説明したように、本発明に係るアンモ
ニア吸収冷凍機においては、従来のように発生器液面制
御に対して影響を及ぼす絞り弁16Cと流量調節弁18
aとの開度と、濃液供給ポンプ9の回転数とを組み合わ
せた状態で系の調整を行うのではなく、アンモニア濃水
溶液Ssの還流供給量を、前記濃液供給ポンプ9の回転
数のみによって調節するようにし、冷凍負荷に応じて設
定される前記アンモニア濃水溶液Ssの還流供給量を、
前記液溜部3の液面の上下に応じて増減補正するように
したから、制御のロジックが単純化され、その機構も簡
素化されて、計装設備のコストも低減されておりなが
ら、従来よりも制御応答が良好な冷凍システムを構築で
きた。
【0043】〔別実施形態〕上記実施の形態において示
さなかった本発明に係るアンモニア吸収冷凍機及びその
制御方法の他の実施の形態について以下に説明する。
【0044】〈1〉 上記実施の形態に於いては、稀液
管路15を、液溜部3の所定液位の位置にフロート式ト
ラップ20を介在させて接続する例について説明した
が、前記稀液管路15を直接前記所定液位の位置で前記
液溜部3に接続してもよい。この場合においては、前記
液溜部3の液面にフロートを浮かべるボールタップ弁を
前記稀液管路15に配置してもよく、また、前記稀液管
路15における前記液溜部3に近い位置に管径膨大部を
設けてその位置にフロートバルブを配置してもよい。要
するに、前記稀液管路15を前記液溜部3の所定液位の
位置に接続した場合には、前記液溜部3の液面が前記所
定液位よりも低くなった際に、前記液面上の蒸気が前記
稀液管路15内に吸引されることを防止できればよいの
である。
【0045】〈2〉 上記実施の形態に於いては、フロ
ート式トラップ20の弁座23にオリフィスとして機能
する弁座開口16Bを形成する例について説明したが、
稀液管路15の下流側に従来と同様の減圧機構16を備
えていてもよい。尚、前記減圧機構16として、前記稀
液管路15の何れかの位置にオリフィスを介装してある
ことが好ましい。これは、オリフィスによるアンモニア
稀水溶液Swに対する抵抗により、前記稀液管路15を
吸収器8に向けて通流するアンモニア稀水溶液Swの流
量が、液溜部3又はその上方における発生器圧力にほぼ
依存するようになるからである。このアンモニア稀水溶
液Swの流量を制御することなく、アンモニア濃水溶液
Ssの発生器1への還流供給量を制御すれば、系の安定
運転が容易に実現できるからである。
【0046】〈3〉 上記実施の形態に於いては、フロ
ート式トラップ20を稀液管路15に設けると共に、発
生器圧力を検出する圧力検出器1aを設けて、検出した
発生器圧力に基づき、冷凍容量制御部31で設定する濃
液供給ポンプ9の回転数を補正する例について説明した
が、前記圧力検出器1aを設けず、前記濃液供給ポンプ
9の回転数を補正することなく前記冷凍容量制御部31
で設定するようにしてもよい。
【0047】〈4〉 上記実施の形態に於いては、液溜
部3上方における発生器圧力を検出する圧力検出器1a
を設け、前記検出した発生器圧力に基づき前記濃液供給
ポンプ9の濃液供給量を調節する例について説明した
が、例えば図3に示すように、前記吸収器8における濃
液液面を検出する液面検出機構8aを設けて、前記検出
した濃液液面に基づき前記濃液供給ポンプ9の濃液供給
量を調節する制御機構30を構成してもよい。
【0048】〈5〉 上記実施の形態に於いては、稀液
管路15を、液溜部3の所定液位の位置にフロート式ト
ラップ20を介在させて接続し、前記稀液管路15にオ
リフィス16Aを備えさせる例について説明したが、例
えば図4に示すように、前記稀液管路15は、従来と同
様に前記液溜部3の底部に接続し、前記液溜部3上方に
おける発生器圧力を検出する圧力検出器1aを設けて、
前記検出した発生器圧力に基づき前記濃液供給ポンプ9
の濃液供給量を調節するように制御機構30を構成して
もよい。この構成であれば、例えば前記制御機構30の
発生器液面制御部32を、上記実施の形態において説明
したと同様に、前記液溜部3上方における発生器圧力を
検出して、前記検出結果に基づいて、冷凍容量制御部3
1において設定するアンモニア濃水溶液の還流供給量を
増減補正する補正量を、前記発生器圧力の目標圧力との
偏差に比例するように設定すればよい。
【0049】〈6〉 上記〈5〉に於いては、液溜部3
上方における発生器圧力を検出する圧力検出器1aを設
け、前記検出した発生器圧力に基づき冷凍容量制御部3
1において設定するアンモニア濃水溶液の還流供給量を
増減補正する補正量を設定する例について説明したが、
前記圧力検出器1aに代えて、図3に示したと同様に、
吸収器8における濃液液面を検出する液面検出機構8a
を設けて、前記検出した濃液液面の高低に基づいて前記
冷凍容量制御部31において設定する前記濃液供給ポン
プ9の回転数に対して補正するようにしてもよい。例え
ば、前記濃液液面の標準水位を設定しておき、検出した
濃液液面の前記標準水位に対する偏差に比例する補正量
を求めて、前記冷凍容量制御部31に対して補正を加え
るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機につき構成
の一例を示す説明図
【図2】フロート式トラップの構成を説明する概念図
【図3】制御系統の他の例を示す系統図
【図4】本発明に係るアンモニア吸収冷凍機の他の構成
例を示す説明図
【図5】従来のアンモニア吸収冷凍機の構成を示す説明
【符号の説明】
1 発生器 3 液溜部 8 吸収器 8a 液面検出機構 9 濃液供給ポンプ 15 稀液管路 16 減圧機構 16A オリフィス 18 濃液管路 20 フロート式トラップ 23 弁座 30 制御機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発生器で生成するアンモニア稀水溶液を
    貯留する液溜部からアンモニア稀水溶液を稀液管路を経
    て減圧した後吸収器に供給し、前記吸収器からのアンモ
    ニア濃水溶液を濃液供給ポンプにより前記発生器に還流
    供給するアンモニア吸収冷凍機の制御方法であって、 前記液溜部の所定液位の高さ位置に前記稀液管路を接続
    し、前記液溜部における液面が前記所定液位を下回った
    場合に、前記吸収器への前記アンモニア稀水溶液の供給
    を停止するアンモニア吸収冷凍機の制御方法。
  2. 【請求項2】 発生器で生成するアンモニア稀水溶液を
    貯留する液溜部からアンモニア稀水溶液を稀液管路を経
    て減圧した後吸収器に供給し、前記吸収器からのアンモ
    ニア濃水溶液を濃液供給ポンプにより前記発生器に還流
    供給するアンモニア吸収冷凍機の制御方法であって、 前記稀液管路にオリフィスを介装すると共に、前記液溜
    部上方における発生器圧力若しくは前記吸収器における
    濃液液面を検出して、前記検出結果に基づいて、前記発
    生器へのアンモニア濃水溶液の還流供給量を調節するア
    ンモニア吸収冷凍機の制御方法。
  3. 【請求項3】 発生器で生成するアンモニア稀水溶液を
    貯留する液溜部から前記アンモニア稀水溶液を吸収器に
    導く稀液管路に減圧機構を備え、前記吸収器と前記発生
    器との間を接続する濃液管路に、アンモニア濃水溶液を
    還流供給する濃液供給ポンプを備えるアンモニア吸収冷
    凍機であって、 前記液溜部の所定液位の高さ位置に接続したフロート式
    トラップを、前記稀液管路に設けてあるアンモニア吸収
    冷凍機。
  4. 【請求項4】 前記フロート式トラップの弁座をオリフ
    ィスとして機能するように構成し、又は、前記フロート
    式トラップと前記吸収器との間の稀液管路にオリフィス
    を設けて、前記減圧機構を構成してある請求項3記載の
    アンモニア吸収冷凍機。
  5. 【請求項5】 発生器で生成するアンモニア稀水溶液を
    貯留する液溜部から前記アンモニア稀水溶液を吸収器に
    導く稀液管路に減圧機構を備え、前記吸収器と前記発生
    器との間を接続する濃液管路に、アンモニア濃水溶液を
    還流供給する濃液供給ポンプを備えるアンモニア吸収冷
    凍機であって、 前記液溜部上方における発生器圧力を検出する圧力検出
    器を設け、又は、前記吸収器における濃液液面を検出す
    る液面検出機構を設けて、前記検出した発生器圧力又は
    濃液液面に基づき前記濃液供給ポンプの濃液供給量を調
    節する制御機構を設けてあるアンモニア吸収冷凍機。
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