JP2002211414A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2002211414A
JP2002211414A JP2001010227A JP2001010227A JP2002211414A JP 2002211414 A JP2002211414 A JP 2002211414A JP 2001010227 A JP2001010227 A JP 2001010227A JP 2001010227 A JP2001010227 A JP 2001010227A JP 2002211414 A JP2002211414 A JP 2002211414A
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Ryoji Toyofuku
亮二 豊福
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動パワーステアリング装置において、電動
機における電動機ケースと軸受との間の熱膨張差を吸収
できること。 【解決手段】 電動パワーステアリング装置10は、ス
テアリングホイールから操舵車輪に至るステアリング系
に、操舵トルクに応じて電動機50で発生した補助トル
クを付加するようにしたものである。電動機50は、電
動機ケース103に軸受132を介してロータ55を回
転可能に支承し且つ収納するようにしたものである。電
動機ケース103と軸受132との間に熱膨張吸収材と
してのブッシュ133を介在させた。電動機ケース10
3と軸受132との間の径方向の熱膨張差を吸収するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動パワーステアリ
ング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ステアリングホイールの操舵力を
軽減して快適な操舵感を与えるために、電動パワーステ
アリング装置が多用されてきた。この種の電動パワース
テアリング装置は、電動機で操舵トルクに応じた補助ト
ルクを発生し、この補助トルクをステアリング系のラッ
ク軸に伝達するものであって、例えば特開平7−165
089号「ステアリング装置」(以下、「従来の技術」
と言う。)が知られている。
【0003】上記従来の技術は同公報の図1、図2及び
図4に示される通り、ステアリングホイール3(番号は
公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)に加え
た操舵トルクをステアリングシャフト4、トーションバ
ー、出力軸5、ラック・ピニオン機構の経路でラック軸
2に伝達するとともに、操舵トルクに応じて電動機20
が発生した補助トルクをボールナット機構33を介して
ラック軸2に伝達し、ラック軸2によって図示せぬ操舵
車輪を操舵するというものである。電動機20のロータ
22は、ボールベアリング31,32を介してハウジン
グ1に回転可能に支承され且つ収納されたものである。
ボールナット機構33は、電動機20で発生した補助ト
ルクをラック軸2に伝達するトルク伝達部材である。
【0004】また、上記従来の技術の別実施例は同公報
の図6に示される通り、ロータ22の一端をボールナッ
ト機構33のナットに一体的に取付けたというものであ
る。この場合のハウジング1は、ボールベアリング51
を介してロータ22を回転可能に支承し且つ収納すると
ともに、ニードルベアリング52を介してボールナット
機構33のナットを回転可能に支承し且つ収納すること
になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、燃費向上のため
に車両の軽量化を促進する要求が高まっている。その要
求を達成するために、ステアリング装置の重量も見直さ
れるようになってきた。ステアリング装置のハウジング
1、軸受類31,32,51,52、軸類の材質は一般
に鋼材であり、比較的重い。特にハウジング1は、ステ
アリング装置の全重量に占める重量割合が大きいので、
軽量化の対象になる。ハウジング1を軽量にするには、
材質をアルミニウム系やマグネシウム系等の軽量合金材
に変更することが考えられる。
【0006】ところが、鋼材と軽量合金材との線膨張係
数は大きく異なる。さらにステアリング装置は、エンジ
ンの熱や外気温の影響を受けやすい所に配置されるもの
である。しかも、比較的苛酷な条件で用いる電動機20
からの発熱の影響も受けやすい。このように、ステアリ
ング装置を温度変化が激しい条件で使用することになる
ので、ハウジング1と他の部材との熱膨張差に対する、
十分な配慮が必要になる。例えば、ハウジング1の線膨
張係数が軸受31,32,51,52の線膨張係数より
も大きい場合には、両者の温度条件が同じであれば高温
になるにつれて、ハウジング1の嵌合孔と軸受31,3
2,51,52との径方向の隙間が大きくなる。この隙
間が適切でないと振動が発生することにより、騒音の要
因となる。
【0007】そこで本発明の目的は、電動パワーステア
リング装置において、電動機における電動機ケースと軸
受との間の径方向の熱膨張差や、ハウジングと軸受との
間の径方向の熱膨張差を吸収することができる技術を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、ステアリングホイールから操舵車輪に至
るステアリング系に、操舵トルクに応じて電動機で発生
した補助トルクを付加するようにした電動パワーステア
リング装置であって、電動機が、電動機ケースに軸受を
介してロータを回転可能に支承し且つ収納するようにし
た電動パワーステアリング装置において、電動機が、電
動機ケースと軸受との間に熱膨張吸収材を介在させるこ
とで、電動機ケースと軸受との間の径方向の熱膨張差を
吸収するように構成したことを特徴とする。
【0009】電動機ケースと軸受との線膨張係数が異な
る場合であっても、電動機ケースと軸受との間の径方向
の熱膨張差を、熱膨張吸収材で吸収することができる。
電動機ケースに対する軸受の嵌合部分の隙間を、常に適
切なものに維持することができる。
【0010】請求項2は、電動機ケースをアルミニウム
材又はアルミニウム合金材で構成するとともに、軸受を
電動機ケースとは異なる材料で構成したことを特徴とす
る。電動機ケースを軽量化することができ、この結果、
電動パワーステアリング装置全体を軽量化することがで
きる。さらに軸受として、一般的なころがり軸受等の安
価なものを採用することができる。
【0011】請求項3は、ステアリングホイールから操
舵車輪に至るステアリング系に、操舵トルクに応じて電
動機で発生した補助トルクをトルク伝達部材を介して付
加するようにした電動パワーステアリング装置であっ
て、電動機によって回転し得るトルク伝達部材を、軸受
を介してハウジングに回転可能に支承し且つ収納するよ
うにした電動パワーステアリング装置において、ハウジ
ングと軸受との間に熱膨張吸収材を介在させることで、
ハウジングと軸受との間の径方向の熱膨張差を吸収する
ように構成したことを特徴とする。
【0012】ハウジングと軸受との線膨張係数が異なる
場合であっても、ハウジングと軸受との間の径方向の熱
膨張差を、熱膨張吸収材で吸収することができる。ハウ
ジングに対する軸受の嵌合部分の隙間を、常に適切なも
のに維持することができる。
【0013】請求項4は、ハウジングをアルミニウム材
又はアルミニウム合金材で構成するとともに、軸受をハ
ウジングとは異なる材料で構成したことを特徴とする。
ハウジングを軽量化することができ、この結果、電動パ
ワーステアリング装置全体を軽量化することができる。
さらに軸受として、一般的なころがり軸受等の安価なも
のを採用することができる。
【0014】請求項5は、熱膨張吸収材を樹脂材で構成
したことを特徴とする。熱膨張吸収性能が良好な熱膨張
吸収材を、加工性が良く低コストなものにできる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の模式図である。電動パワーステアリング装置
10は、車両のステアリングホイール21から操舵車輪
29,29に至るステアリング系20と、このステアリ
ング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40と
からなる。この電動パワーステアリング装置10は、ラ
ック軸26の両端から操舵トルクを取り出すようにした
エンドテイクオフ型操舵装置である。
【0016】ステアリング系20は、ステアリングホイ
ール21にステアリングシャフト22及び自在軸継手2
3,23を介してピニオン軸24を連結し、ピニオン軸
24にラックアンドピニオン機構25を介してラック軸
26を連結し、ラック軸26の両端に左右のタイロッド
27,27及びナックル28,28を介して左右の操舵
車輪29,29を連結したものである。ラックアンドピ
ニオン機構25は、ピニオン軸24に形成したピニオン
31に、ラック軸26に形成したラック32を噛み合わ
せたものである。運転者がステアリングホイール21を
操舵することで、この操舵トルクによりラックアンドピ
ニオン機構25及び左右のタイロッド27,27を介し
て、左右の操舵車輪29,29を操舵することができ
る。
【0017】補助トルク機構40は、ステアリングホイ
ール21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操
舵トルクセンサ41で検出し、この検出信号に基づき制
御手段47で制御信号を発生し、この制御信号に基づき
操舵トルクに応じた補助トルクを電動機50で発生し、
補助トルクをトルク伝達部材としてのボールねじ70を
介してラック軸26に伝達するようにしたものである。
【0018】以上を要約すれば、電動パワーステアリン
グ装置10は、車両のステアリングホイール21に加え
た操舵トルクをラックアンドピニオン機構25を介して
ラック軸26に伝達するとともに、操舵トルクに応じて
電動機50が発生した補助トルクを電動機50の出力軸
からボールねじ70を介してラック軸26に付加し、こ
のラック軸26によって操舵車輪29,29を操舵する
ようにしたものである。従って、ステアリング系20の
操舵トルクに電動機50の補助トルクを付加した複合ト
ルクによって、操舵車輪29,29を操舵することがで
きる。
【0019】図2は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置の全体構成図であり、要部を断面して表したもの
である。電動パワーステアリング装置10は、ラックア
ンドピニオン機構25(図1参照)、電動機50及びボ
ールねじ70を車幅方向(図左右方向)へ延びるハウジ
ング101に収納したものである。ハウジング101
は、概ね管状の第1ハウジング102並びに第2ハウジ
ング103の一端面同士をボルト結合することで、1つ
の細長いギヤボックスに組立てたものである。第1ハウ
ジング102は、図示せぬ車体に取付けるためのブラケ
ット104を備える。第2ハウジング103は、電動機
50における電動機ケースの役割を兼ねる。
【0020】車幅方向に延びたラック軸26は、車幅方
向へスライドするようにハウジング101を貫通した軸
である。このようなラック軸26は、図右の一端側をラ
ックアンドピニオン機構25に連結し、ほぼ長手中央位
置をボールねじ70に連結し、図左の他端側(ボールね
じ70よりも端寄り位置)に電動機50を配置したもの
である。図中、105,105はボールジョイント、1
06,106はダストシール用ブーツである。
【0021】図3は本発明に係るラック軸、電動機、ボ
ールねじ回りの要部断面図である。電動機50は、第2
ハウジング103内に嵌合した筒状の強磁性材製ヨーク
51と、ヨーク51内に配置した複数個の永久磁石製ス
テータ52・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)
と、これらのステータ52・・・を整列した状態で第2
ハウジング103内に取付ける外部ステータホルダ53
並びに内部ステータホルダ54と、ステータ52・・・
の内部(すなわち内部ステータホルダ54の内部)に配
置したロータ55と、からなる。
【0022】ロータ55は、ラック軸26に相対的に回
転可能に嵌合した管状の出力軸56と、出力軸56の外
周面に嵌合にて取付けたコア57と、コア57の外周面
に巻いたコイル58と、コイル58に接続した整流子5
9と、からなる。整流子59は、コイル58の側部で出
力軸56の外周部分に取付けたものであり、ラック軸2
6の左端側(図左側)に向く平坦な面がブラシ接触面で
ある。整流子59のブラシ接触面に接触するブラシ61
は、ブラシホルダ62を介して第2ハウジング103内
に収納されたものである。63はブラシ弾発用の圧縮ば
ね、64はブラシ用コードである。
【0023】ボールねじ70は、ラック軸26に形成し
たねじ部(ねじ溝)71と、多数のボール72・・・
(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、ねじ部71に
ボール72・・・を介して取付けた外筒部分のナット7
3と、からなるボールナット機構である。このボールね
じ70は、電動機50の補助トルクを、ナット73から
ボール72・・・を介してねじ部71へ伝達するもので
あって、ナット73のねじ溝の端部に到達したボール7
2・・・が図示せぬチューブ内を通って循環する、いわ
ゆる内部循環形式又は外部循環形式の一般的な構成であ
る。
【0024】ところで、電動機50の出力軸56は、ボ
ールねじ70のナット73にトルクリミッタ90を介し
て連結することで、一定以上のトルクが伝わらぬように
したものである。具体的に説明すると、出力軸56にお
ける出力端56aの外周面に一定幅の溝を全周にわたっ
て形成し、この溝にリング状のトルクリミッタ90を嵌
め込むことで、電動機50の出力軸56とナット73の
内周面との間にトルクリミッタ90を介在させた。トル
クリミッタ90は、摩擦力によって出力軸56とナット
73の内周面とを連結するとともに、一定以上のトルク
が作用した場合にスリップしてトルク伝達を遮断する部
材であり、一般にトレランス・リング(tolerance rin
g)とも言われている。電動機50に過大なトルクが作
用することはない。なお、出力軸56は、トルクリミッ
タ90を介することなく直接にナット73に連結しても
よい。また、出力軸56にナット73を一体に形成した
ものであってもよい。
【0025】電動機50が発生した補助トルクは、出力
軸56→トルクリミッタ90→ボールねじ70のナット
73→ボール72・・・→ねじ部71の経路でラック軸
26に伝わる。この結果、補助トルクをスラスト(ラッ
ク軸26への軸力)に変換してラック軸26に付加する
ことができる。
【0026】この図は、第1ハウジング102の一端の
フランジ102aに、第2ハウジング103の一端のフ
ランジ103aを、ボルト136にて結合したことを示
す。電動パワーステアリング装置10は、電動機50に
よって回転し得るトルク伝達部材としてのボールねじ7
0を、第1軸受131を介して第1ハウジング102
(ハウジング101)に回転可能に支承し且つ収納する
ようにしたものである。
【0027】具体的には、第1ハウジング102は、第
2ハウジング103内に嵌合するためのボールねじ収納
部102bを一体に形成し、このボールねじ収納部10
2b内に第1軸受131を介してナット73を支持した
ものである。第1軸受131は、第1ハウジング102
に対する軸方向移動がロックスクリュー134によって
規制されるとともに、ナット73の中心又はその近傍位
置を回転可能に支持した、ころがり軸受である。
【0028】ナット73は、第1軸受131に嵌合する
支承部74と支承部74の一端に連なり支承部74より
も大径の大径部75とからなる。支承部74に嵌合した
第1軸受131を、大径部75とロックスクリュー13
5とによって挟み込むことで、第1ハウジング102に
対するナット73の軸方向移動を規制することができ
る。この結果、ナット73は回転可能であり且つ軸方向
移動不能である。
【0029】上述のように、出力軸56の出力端56a
をナット73の内周面に嵌合し且つ連結したので、第1
ハウジング102は、ナット73及び第1軸受131を
介して出力軸56の出力端56a側を回転可能に支持す
ることができる。図中、137,138はスペーサ、1
39はOリングである。
【0030】さらに電動パワーステアリング装置10
は、電動機ケースとしての第2ハウジング103に第2
軸受132及びブッシュ133を介してロータ55を回
転可能に支承し且つ収納するようにしたものである。具
体的には、ころがり軸受からなる第2軸受132で出力
軸56の反出力端側を回転可能に支持したものである。
【0031】ブッシュ133は、第2ハウジング103
の内周面(軸受嵌合孔)と、第2軸受132における外
輪の外周面と、の間に介在した熱膨張吸収材である。ブ
ッシュ133を介在した理由について以下に説明する。
【0032】本発明は、電動機ケースとしての第2ハウ
ジング103をアルミニウム材又はアルミニウム合金材
(例えばアルミニウム合金鋳造品)で構成するととも
に、第2軸受132を第2ハウジング103とは異なる
材料、すなわち鋼材で構成したことを特徴とする。第2
ハウジング103をアルミニウム材又はアルミニウム合
金材にしたので、電動パワーステアリング装置10全体
を軽量化できる。さらには、第2軸受132を第2ハウ
ジング103とは異なる材料で構成することによって、
一般的なころがり軸受等の安価なものを採用することが
できる。
【0033】その一方、互いに材料が異なる第2ハウジ
ング103と第2軸受132の線膨張係数は、互いに異
なる。これに対して本発明は、第2ハウジング103と
第2軸受132との間にブッシュ133を介在させた。
ブッシュ133は、第2ハウジング103と第2軸受1
32との間の径方向の熱膨張差を吸収する熱膨張吸収材
の役割を果たすものであり、一定幅の筒状部材である。
ブッシュ133の材質は、グラス30%入りPBT(ポ
リ・ブチレン・テレフタラート)等の樹脂材である。
【0034】図4は本発明に係るブッシュ(熱膨張吸収
材)の特性図であり、グラス30%入りPBTからなる
ブッシュ133を用いた実施例の、熱膨張吸収特性の測
定値を示したものである。なお、D,d,t,を次のよ
うに定義する。 D;第2ハウジング103の軸受嵌合孔の内径(mm) d;第2軸受132の外径(mm) t;ブッシュ133の厚み(mm) 但し、各数値は各温度条件において測定した実測値であ
り、温度20℃における寸法を基準値とする。
【0035】この図によれば、温度−40〜100℃に
おける「Δ1−Δ2」の値が、−0.0002〜0.0
002の範囲内に収っていることが判る。従って、第2
ハウジング103と第2軸受132との間の径方向の熱
膨張差をブッシュ133で十分に吸収できたことが判
る。
【0036】図5は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置の変形例図であり、上記図3に対応した要部断面
図である。変形例の電動パワーステアリング装置10
は、(1)第2ハウジング103と第2軸受132との
間に熱膨張吸収材としてのブッシュ133を介在させる
とともに、(2)第1ハウジング102と第1軸受13
1との間にも熱膨張吸収材としてのブッシュ141を介
在させたことを特徴とする。ブッシュ141の材質はブ
ッシュ133と同一である。第1ハウジング102と第
1軸受131との間の径方向の熱膨張差を吸収すること
ができる。
【0037】この変形例においては、第1・第2ハウジ
ング102,103をアルミニウム材又はアルミニウム
合金材で構成するとともに、第1・第2軸受131,1
32を第1・第2ハウジング102,103とは異なる
材料、すなわち鋼材で構成したことを特徴とする。第1
・第2ハウジング102,103をアルミニウム材又は
アルミニウム合金材にしたので、電動パワーステアリン
グ装置10全体をより軽量化できる。さらには、第1・
第2軸受131,132を第1・第2ハウジング10
2,103とは異なる材料で構成することによって、一
般的なころがり軸受等の安価なものを採用することがで
きる。その他の構成・作用については、上記図1〜図4
に示すものと同じなので同一符号を付し、その説明を省
略する。
【0038】なお、上記本発明の実施の形態において、
トルク伝達部材は、電動機50によって回転すること
で、電動機20で発生した補助トルクをステアリング系
20に付加するものであればよく、ボールねじ70に限
定するものではない。トルク伝達部材を、例えばウォー
ムギヤ機構におけるウォームやホイールとするなど、各
種ギヤとすることができる。また、第1ハウジング10
2だけをアルミニウム材又はアルミニウム合金材で構成
するとともに、第1軸受131だけを第1ハウジング1
02とは異なる材料で構成し、第1ハウジング102と
第1軸受131との間に熱膨張吸収材としてのブッシュ
141を介在させることで、第1ハウジング102と第
1軸受131との間の径方向の熱膨張差を吸収するよう
にしてもよい。さらにまた、請求項1の電動機ケースや
請求項3のハウジングについては、アルミニウム系の材
質に限定するものではなく、例えばマグネシウム系等の
他の軽量合金材であってもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、ロータを収納する電動機ケースとロ
ータを支承する軸受との間に熱膨張吸収材を介在させた
ので、電動機ケースと軸受との線膨張係数が異なる場合
であっても、電動機ケースと軸受との間の径方向の熱膨
張差を吸収することができる。従って、電動機ケースに
対する軸受の嵌合部分の隙間を、常に適切なものに維持
することができる。
【0040】請求項2は、電動機ケースをアルミニウム
材又はアルミニウム合金材で構成することによって軽量
化することができ、この結果、電動パワーステアリング
装置全体を軽量化することができる。また、軸受を電動
機ケースとは異なる材料で構成することによって、一般
的なころがり軸受等の安価なものを採用することができ
る。
【0041】請求項3は、トルク伝達部材を収納するハ
ウジングとトルク伝達部材を支承する軸受との間に熱膨
張吸収材を介在させたので、ハウジングと軸受との線膨
張係数が異なる場合であっても、ハウジングと軸受との
間の径方向の熱膨張差を吸収することができる。従っ
て、ハウジングに対する軸受の嵌合部分の隙間を、常に
適切なものに維持することができる。
【0042】請求項4は、ハウジングをアルミニウム材
又はアルミニウム合金材で構成することによって軽量化
することができ、この結果、電動パワーステアリング装
置全体を軽量化することができる。また、軸受をハウジ
ングとは異なる材料で構成することによって、一般的な
ころがり軸受等の安価なものを採用することができる。
【0043】請求項5は、熱膨張吸収材を樹脂材で構成
したので、熱膨張吸収性能が良好な熱膨張吸収材を、加
工性が良く低コストなものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の模
式図
【図2】本発明に係る電動パワーステアリング装置の全
体構成図
【図3】本発明に係るラック軸、電動機、ボールねじ回
りの要部断面図
【図4】本発明に係るブッシュ(熱膨張吸収材)の特性
【図5】本発明に係る電動パワーステアリング装置の変
形例図
【符号の説明】
10…電動パワーステアリング装置、20…ステアリン
グ系、21…ステアリングホイール、29…操舵車輪、
50…電動機、55…ロータ、70…トルク伝達部材
(ボールねじ)、101…ハウジング、102…第1ハ
ウジング、103…電動機ケース(第2ハウジング)、
131,132…軸受(第1・第2軸受)、133,1
41…熱膨張吸収材(ブッシュ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 史佳 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D033 CA02 CA28 JB01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールから操舵車輪に至
    るステアリング系に、操舵トルクに応じて電動機で発生
    した補助トルクを付加するようにした電動パワーステア
    リング装置であって、前記電動機が、電動機ケースに軸
    受を介してロータを回転可能に支承し且つ収納するよう
    にした電動パワーステアリング装置において、前記電動
    機は、前記電動機ケースと前記軸受との間に熱膨張吸収
    材を介在させることで、電動機ケースと軸受との間の径
    方向の熱膨張差を吸収するように構成したことを特徴と
    する電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記電動機ケースをアルミニウム材又は
    アルミニウム合金材で構成するとともに、前記軸受を前
    記電動機ケースとは異なる材料で構成したことを特徴と
    する請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 ステアリングホイールから操舵車輪に至
    るステアリング系に、操舵トルクに応じて電動機で発生
    した補助トルクをトルク伝達部材を介して付加するよう
    にした電動パワーステアリング装置であって、前記電動
    機によって回転し得る前記トルク伝達部材を、軸受を介
    してハウジングに回転可能に支承し且つ収納するように
    した電動パワーステアリング装置において、前記ハウジ
    ングと前記軸受との間に熱膨張吸収材を介在させること
    で、ハウジングと軸受との間の径方向の熱膨張差を吸収
    するように構成したことを特徴とする電動パワーステア
    リング装置。
  4. 【請求項4】 前記ハウジングをアルミニウム材又はア
    ルミニウム合金材で構成するとともに、前記軸受を前記
    ハウジングとは異なる材料で構成したことを特徴とする
    請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記熱膨張吸収材を樹脂材で構成したこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4記載の電動パワーステアリング装置。
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