JP2002210789A - 熱硬化性樹脂成形金型 - Google Patents
熱硬化性樹脂成形金型Info
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- JP2002210789A JP2002210789A JP2001013723A JP2001013723A JP2002210789A JP 2002210789 A JP2002210789 A JP 2002210789A JP 2001013723 A JP2001013723 A JP 2001013723A JP 2001013723 A JP2001013723 A JP 2001013723A JP 2002210789 A JP2002210789 A JP 2002210789A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 使用する樹脂ペレットの各ポット間での体積
バラツキを連通カル構造によって調整する成形金型に関
して、連通カルの断面積をゲート部の断面積よりも一定
の割合で大きくし、ポット間の樹脂バランスを取った後
に製品部で成形することで、安定した樹脂成形品の量産
を可能とすることを目的とする。 【解決手段】 連通カル8の断面積をゲート部6の断面
積に対して3から5倍に設定し、製品パッケージ5の充
填前に連通カル8を通じて各ポット1間の樹脂バランス
を調整する。また、連通カル8の中央部にガス抜き溝1
0を設け、連通カル8の樹脂充填時間の短縮と、連通カ
ル8内の空気の確実な排除を図る。
バラツキを連通カル構造によって調整する成形金型に関
して、連通カルの断面積をゲート部の断面積よりも一定
の割合で大きくし、ポット間の樹脂バランスを取った後
に製品部で成形することで、安定した樹脂成形品の量産
を可能とすることを目的とする。 【解決手段】 連通カル8の断面積をゲート部6の断面
積に対して3から5倍に設定し、製品パッケージ5の充
填前に連通カル8を通じて各ポット1間の樹脂バランス
を調整する。また、連通カル8の中央部にガス抜き溝1
0を設け、連通カル8の樹脂充填時間の短縮と、連通カ
ル8内の空気の確実な排除を図る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性樹脂でト
ランスファ成形を行う成形金型に関するもので、とくに
半導体製造等に用いられる成形金型に関し、各ポットに
投入する樹脂ペレットの体積バラツキに起因して生ずる
製品パッケージへの充填バランスの崩れによる成形不良
の発生を防止し、常に安定した成形による量産を可能と
する熱硬化性樹脂成形金型に関する。
ランスファ成形を行う成形金型に関するもので、とくに
半導体製造等に用いられる成形金型に関し、各ポットに
投入する樹脂ペレットの体積バラツキに起因して生ずる
製品パッケージへの充填バランスの崩れによる成形不良
の発生を防止し、常に安定した成形による量産を可能と
する熱硬化性樹脂成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱硬化性樹脂成形金型について、
図3〜図6を参照して説明する。
図3〜図6を参照して説明する。
【0003】図3は従来の各プランジャ同士が連結され
て、一体で駆動する成形金型の構造を示している。図に
おいて、1は樹脂を投入するポット、2は樹脂ペレッ
ト、3は樹脂ペレット2を金型内に押し出すプランジ
ャ、4は樹脂ペレット2が溶融するカル部、5は製品パ
ッケージ、6は製品パッケージ5に樹脂が流入するゲー
ト、7はカル部4とゲート部6とを結ぶランナーであ
る。
て、一体で駆動する成形金型の構造を示している。図に
おいて、1は樹脂を投入するポット、2は樹脂ペレッ
ト、3は樹脂ペレット2を金型内に押し出すプランジ
ャ、4は樹脂ペレット2が溶融するカル部、5は製品パ
ッケージ、6は製品パッケージ5に樹脂が流入するゲー
ト、7はカル部4とゲート部6とを結ぶランナーであ
る。
【0004】上記した成形金型において、各プランジャ
3がそれぞれ独立して可動する型式ではなく、全てのプ
ウランジャ3が一体で可動する構造を有する成形機の場
合は、成形時に次のような原因により成形不具合が生じ
る。
3がそれぞれ独立して可動する型式ではなく、全てのプ
ウランジャ3が一体で可動する構造を有する成形機の場
合は、成形時に次のような原因により成形不具合が生じ
る。
【0005】すなわち、トランスファ成形を行う場合、
各ポット1に樹脂ペレット2を投入し、プランジャ3で
金型内に樹脂を押し出すが、一般的に各ポット1に投入
される樹脂ペレット2間には体積のバラツキが存在す
る。
各ポット1に樹脂ペレット2を投入し、プランジャ3で
金型内に樹脂を押し出すが、一般的に各ポット1に投入
される樹脂ペレット2間には体積のバラツキが存在す
る。
【0006】しかし、プランジャ3同士は一体で移動
し、全てが等しい位置まで樹脂ペレット2を押し出す構
造となっているため、樹脂ペレット2の体積が金型の必
要樹脂量よりも大きい場合には、過充填による金型への
製品のくらいつきや、樹脂漏れ、金型破損が発生する原
因となる。一方、樹脂ペレット2の体積が少ない場合に
は、製品の未充填等の不具合が生ずる。
し、全てが等しい位置まで樹脂ペレット2を押し出す構
造となっているため、樹脂ペレット2の体積が金型の必
要樹脂量よりも大きい場合には、過充填による金型への
製品のくらいつきや、樹脂漏れ、金型破損が発生する原
因となる。一方、樹脂ペレット2の体積が少ない場合に
は、製品の未充填等の不具合が生ずる。
【0007】これらの成形不具合を解消するため、従来
は図4に示すように、カル部4同士を連通する連通カル
8を設け、カル部4間で樹脂が行き来できるようにして
いる。この連通カル8で各カル部4間を連結することに
よって、各カル部4間の成形圧力を一定にし、樹脂を移
動することで樹脂体積のバラツキを平均化している。
は図4に示すように、カル部4同士を連通する連通カル
8を設け、カル部4間で樹脂が行き来できるようにして
いる。この連通カル8で各カル部4間を連結することに
よって、各カル部4間の成形圧力を一定にし、樹脂を移
動することで樹脂体積のバラツキを平均化している。
【0008】次に、このような連通カル8を設けた成形
金型における樹脂の体積バラツキの調整のメカニズムに
ついて説明する。まずポット1からカル部4に入った樹
脂ペレット2を、最初にランナー7からゲート6を通過
させて製品パッケージ部5に流し込む。製品パッケージ
部5への樹脂充填が完了した段階で連通カル8に樹脂が
流れ込み、連通カル8を通じて樹脂が各カル部4間を移
動し、各ポット1間に投入される樹脂ペレット2同士の
体積バラツキの調整を行う。
金型における樹脂の体積バラツキの調整のメカニズムに
ついて説明する。まずポット1からカル部4に入った樹
脂ペレット2を、最初にランナー7からゲート6を通過
させて製品パッケージ部5に流し込む。製品パッケージ
部5への樹脂充填が完了した段階で連通カル8に樹脂が
流れ込み、連通カル8を通じて樹脂が各カル部4間を移
動し、各ポット1間に投入される樹脂ペレット2同士の
体積バラツキの調整を行う。
【0009】この充填順序は、充填初期の早い段階で樹
脂を製品パッケージ5内に流し込むことが成形上重要で
あると考えられているためであり、上記の充填順序を実
現するため、連通カル8の断面積をゲート6の断面積よ
りも小さい寸法に設定して、連通カル8への流動抵抗を
大きくすることで、連通カル8への樹脂流動がしにくい
ようにしたり、あるいは図5に示すように、連通カル8
の中間に機械的に動作する可動ピン9を設けて、樹脂充
填初期は、可動ピン9で連通カル8を塞いでカル部4間
で樹脂の行き来ができないようにし、充填後半で図6に
示すように、ピン9を後退させて連通カル8を連通し、
カル部4間で樹脂の移動を可能にして、樹脂の調整がで
きるような構造になっており、樹脂ペレット2の体積バ
ラツキによる成形不具合の発生を防止している。
脂を製品パッケージ5内に流し込むことが成形上重要で
あると考えられているためであり、上記の充填順序を実
現するため、連通カル8の断面積をゲート6の断面積よ
りも小さい寸法に設定して、連通カル8への流動抵抗を
大きくすることで、連通カル8への樹脂流動がしにくい
ようにしたり、あるいは図5に示すように、連通カル8
の中間に機械的に動作する可動ピン9を設けて、樹脂充
填初期は、可動ピン9で連通カル8を塞いでカル部4間
で樹脂の行き来ができないようにし、充填後半で図6に
示すように、ピン9を後退させて連通カル8を連通し、
カル部4間で樹脂の移動を可能にして、樹脂の調整がで
きるような構造になっており、樹脂ペレット2の体積バ
ラツキによる成形不具合の発生を防止している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記した寸法設
定による連通カル8や、また可動ピン9構造を有する成
形金型によって、トランスファ成形を行う場合、以下の
ような問題が生じる。
定による連通カル8や、また可動ピン9構造を有する成
形金型によって、トランスファ成形を行う場合、以下の
ような問題が生じる。
【0011】図2は一般的な製品レイアウトを示してい
るが、従来の金型寸法、構造で樹脂ペレット2の体積バ
ラツキに対してバランスをとる場合、充填後半で樹脂が
連通カル8を通じて、樹脂ペレット2の体積の多いカル
部4から少ないカル部4へ移動する。
るが、従来の金型寸法、構造で樹脂ペレット2の体積バ
ラツキに対してバランスをとる場合、充填後半で樹脂が
連通カル8を通じて、樹脂ペレット2の体積の多いカル
部4から少ないカル部4へ移動する。
【0012】この時、樹脂ペレット2の樹脂量が最も少
いカル部4には、他の全てのカル部4から樹脂が流入し
てくるため、樹脂の調整が行われる充填後半の段階で、
樹脂圧力、樹脂流入速度が急激に上昇する。
いカル部4には、他の全てのカル部4から樹脂が流入し
てくるため、樹脂の調整が行われる充填後半の段階で、
樹脂圧力、樹脂流入速度が急激に上昇する。
【0013】そのため、体積が最も少ない樹脂ペレット
2を使用したカル部4の製品パッケージ5は速度や圧力
の急激な変化によって、充填不良や内部チップのワイヤ
切れ等の不具合が発生する。不具合が発生する確率は統
計によれば約1/15である。
2を使用したカル部4の製品パッケージ5は速度や圧力
の急激な変化によって、充填不良や内部チップのワイヤ
切れ等の不具合が発生する。不具合が発生する確率は統
計によれば約1/15である。
【0014】また、充填後半まで連通カル8に樹脂が充
填しにくい構造になっているため、連通カル8内部に空
気が残り易く、充填後半のカル部4間の樹脂移動時に空
気がカル部4に移動し、保圧状態の変化や低下等、成形
条件に悪影響を与える可能性がある。
填しにくい構造になっているため、連通カル8内部に空
気が残り易く、充填後半のカル部4間の樹脂移動時に空
気がカル部4に移動し、保圧状態の変化や低下等、成形
条件に悪影響を与える可能性がある。
【0015】以上のように、従来の連通カル8を設けた
成形金型では、カル部4間の樹脂バランスをとることは
できるものの、全ての製品パッケージ部5の成形条件を
等しくすることは極めて困難である。
成形金型では、カル部4間の樹脂バランスをとることは
できるものの、全ての製品パッケージ部5の成形条件を
等しくすることは極めて困難である。
【0016】本発明は、連通カル8を用いて樹脂ペレッ
ト2の体積バラツキのバランス調整を行う際、樹脂の充
填順序を変更することにより、各製品パッケージ部5へ
の成形条件が均一で安定した品質の樹脂成形品の量産を
可能とする成形金型を提供することを目的としている。
ト2の体積バラツキのバランス調整を行う際、樹脂の充
填順序を変更することにより、各製品パッケージ部5へ
の成形条件が均一で安定した品質の樹脂成形品の量産を
可能とする成形金型を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
の、本発明は、ポット間の各プランジャが連結されて一
体で駆動するトランスファ成形を行う成形機に用いられ
る成形金型において、カル部間を連通する連通カルを備
え、連通カルの断面積をゲートの断面積よりも大きい寸
法に設定することを特徴とするもので、樹脂がゲートに
流れ込む圧力より、連通カルに流れ込む圧力を小さくす
ることにより、樹脂の充填順序を変更し、ポットより樹
脂ペレットが注入される樹脂充填初期の段階で、連通カ
ルを通して樹脂体積・圧力の調整を行い、各ポット間の
使用樹脂量のバラツキを調整しながら、各製品間の成形
条件のバラツキの発生を防止した成形を行うことが可能
になる。
の、本発明は、ポット間の各プランジャが連結されて一
体で駆動するトランスファ成形を行う成形機に用いられ
る成形金型において、カル部間を連通する連通カルを備
え、連通カルの断面積をゲートの断面積よりも大きい寸
法に設定することを特徴とするもので、樹脂がゲートに
流れ込む圧力より、連通カルに流れ込む圧力を小さくす
ることにより、樹脂の充填順序を変更し、ポットより樹
脂ペレットが注入される樹脂充填初期の段階で、連通カ
ルを通して樹脂体積・圧力の調整を行い、各ポット間の
使用樹脂量のバラツキを調整しながら、各製品間の成形
条件のバラツキの発生を防止した成形を行うことが可能
になる。
【0018】また、連通カルにガス抜き溝を設けた構成
とし、連通カル内に存在する空気を素早く取り除くこと
により、連通カルへの充填時間を短縮し、空気の巻き込
みによる成形不具合の発生を防止して安定した成形品を
得ることができる。
とし、連通カル内に存在する空気を素早く取り除くこと
により、連通カルへの充填時間を短縮し、空気の巻き込
みによる成形不具合の発生を防止して安定した成形品を
得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載された発
明は、樹脂を投入するポットと、樹脂を金型内に押し出
すプランジャと、樹脂を溶融するカル部と、カル部から
製品パッケージへの樹脂の流入口であるゲート部と、カ
ル部とゲート部とを結ぶランナー部と、カル部同士を連
通する連通カルを有し、各プランジャが連結して一体で
駆動し、トランスファ成形を行う熱硬化性樹脂成形金型
において、連通カルの断面積をゲート部の断面積より大
きく設定し、樹脂充填初期段階において、連通カルを通
じて各カル部間の樹脂体積及び圧力の調整を行うことを
特徴とするもので、樹脂ペレットの体積バラツキの調整
を行うために使用する連通カルの断面積をゲート部の断
面積より大きい寸法に設定することにより、樹脂の充填
順序およびタイミングが変更され、各製品パッケージへ
均一な成形条件で樹脂を充填でき、安定した品質の量産
品の生産が可能となる作用を有する。
明は、樹脂を投入するポットと、樹脂を金型内に押し出
すプランジャと、樹脂を溶融するカル部と、カル部から
製品パッケージへの樹脂の流入口であるゲート部と、カ
ル部とゲート部とを結ぶランナー部と、カル部同士を連
通する連通カルを有し、各プランジャが連結して一体で
駆動し、トランスファ成形を行う熱硬化性樹脂成形金型
において、連通カルの断面積をゲート部の断面積より大
きく設定し、樹脂充填初期段階において、連通カルを通
じて各カル部間の樹脂体積及び圧力の調整を行うことを
特徴とするもので、樹脂ペレットの体積バラツキの調整
を行うために使用する連通カルの断面積をゲート部の断
面積より大きい寸法に設定することにより、樹脂の充填
順序およびタイミングが変更され、各製品パッケージへ
均一な成形条件で樹脂を充填でき、安定した品質の量産
品の生産が可能となる作用を有する。
【0020】請求項2に記載された発明は、連通カル
に、連通カル内の空気を抜くガス抜き溝を設け、カル部
間の樹脂充填を行うことを特徴とするもので、ガス抜き
溝を設けることによって、連通カル内の空気を逃がし
て、短時間で樹脂を連通カルに充填することができるた
め、カル部間における樹脂の充填を早めることができ、
体積バラツキの調整後、製品パッケージ部へ樹脂を流入
させることによって、製品パッケージ部への樹脂充填タ
イミングを早め、安定した品質の量産品の生産が可能と
なる作用を有する。 〔実施の形態〕以下本発明の一実施の形態について、図
1を用いて説明する。
に、連通カル内の空気を抜くガス抜き溝を設け、カル部
間の樹脂充填を行うことを特徴とするもので、ガス抜き
溝を設けることによって、連通カル内の空気を逃がし
て、短時間で樹脂を連通カルに充填することができるた
め、カル部間における樹脂の充填を早めることができ、
体積バラツキの調整後、製品パッケージ部へ樹脂を流入
させることによって、製品パッケージ部への樹脂充填タ
イミングを早め、安定した品質の量産品の生産が可能と
なる作用を有する。 〔実施の形態〕以下本発明の一実施の形態について、図
1を用いて説明する。
【0021】図において、1は樹脂を投入するポット、
2は樹脂ペレット、3は樹脂ペレット2を金型内に押し
出すプランジャで、各プランジャは連結して同期駆動す
る。4は樹脂ペレット2が接触し溶融を開始するカル
部、5は製品パッケージ、6は製品パッケージ5への樹
脂の流入口であるゲート、7はカル部4とゲート6とを
結ぶランナー、8はカル部4同士を連通する連通カル、
10はガス抜き溝である。
2は樹脂ペレット、3は樹脂ペレット2を金型内に押し
出すプランジャで、各プランジャは連結して同期駆動す
る。4は樹脂ペレット2が接触し溶融を開始するカル
部、5は製品パッケージ、6は製品パッケージ5への樹
脂の流入口であるゲート、7はカル部4とゲート6とを
結ぶランナー、8はカル部4同士を連通する連通カル、
10はガス抜き溝である。
【0022】本発明では、連通カル8の断面積をゲート
6の断面積よりもある特定の割合で大きい寸法に設定
し、樹脂がゲート6に流れ込む圧力よりも、連通カル8
に流れ込む圧力のほうを小さくなるようにしている。こ
れにより、まず、ポット1より樹脂ペレット2が注入さ
れる樹脂充填初期の段階で、連通カル8を通じて各カル
部4間の樹脂体積及び圧力の調整が行われ、その後ゲー
ト6を通って製品パッケージ部5に樹脂が充填するよう
な充填順序となる。連通カル8の断面積が大きいほど、
カル部4間の樹脂のバランスは取りやすくなるが、過度
に大きい場合、充填量が増加し、材料歩留まりが悪化す
ると共に、樹脂バランスを取るまでの時間が長くなるた
め、製品パッケージ5に充填を開始する時間が遅くな
り、硬化し始めた溶融樹脂が製品パッケージ5に流入す
るため、成形不良の原因となる。
6の断面積よりもある特定の割合で大きい寸法に設定
し、樹脂がゲート6に流れ込む圧力よりも、連通カル8
に流れ込む圧力のほうを小さくなるようにしている。こ
れにより、まず、ポット1より樹脂ペレット2が注入さ
れる樹脂充填初期の段階で、連通カル8を通じて各カル
部4間の樹脂体積及び圧力の調整が行われ、その後ゲー
ト6を通って製品パッケージ部5に樹脂が充填するよう
な充填順序となる。連通カル8の断面積が大きいほど、
カル部4間の樹脂のバランスは取りやすくなるが、過度
に大きい場合、充填量が増加し、材料歩留まりが悪化す
ると共に、樹脂バランスを取るまでの時間が長くなるた
め、製品パッケージ5に充填を開始する時間が遅くな
り、硬化し始めた溶融樹脂が製品パッケージ5に流入す
るため、成形不良の原因となる。
【0023】実験より、連通カル8の断面積は、一般に
はゲート部16の断面積に対して3から5倍になるよう
に設定した場合に成形が最も安定し、不具合の発生を防
止することができた。
はゲート部16の断面積に対して3から5倍になるよう
に設定した場合に成形が最も安定し、不具合の発生を防
止することができた。
【0024】ただし、充填初期に樹脂バランスを調整す
る時間が長くなると、樹脂が固化を開始し、樹脂の粘度
が変化するため、製品パッケージ部5への樹脂の充填条
件が悪化する。そのため、充填初期に連通カル8へ樹脂
が充填する際、可能な限り短時間で連通カル8に樹脂を
充填させ、樹脂バランスの調整を行った後、製品パッケ
ージ部5へ樹脂を流入するようにした方が成形が安定す
る。そのため、カル部4の中間位置の連通カル8の側面
にガス抜き溝10が設けられており、ガス抜き溝10に
より連通カル8内の空気を逃がし、両カル部4間からの
樹脂の充填を早くするように構成している。ガス抜き溝
10の寸法としては、例えば幅1.5mm、深さ25μ
mのものが用いられる。
る時間が長くなると、樹脂が固化を開始し、樹脂の粘度
が変化するため、製品パッケージ部5への樹脂の充填条
件が悪化する。そのため、充填初期に連通カル8へ樹脂
が充填する際、可能な限り短時間で連通カル8に樹脂を
充填させ、樹脂バランスの調整を行った後、製品パッケ
ージ部5へ樹脂を流入するようにした方が成形が安定す
る。そのため、カル部4の中間位置の連通カル8の側面
にガス抜き溝10が設けられており、ガス抜き溝10に
より連通カル8内の空気を逃がし、両カル部4間からの
樹脂の充填を早くするように構成している。ガス抜き溝
10の寸法としては、例えば幅1.5mm、深さ25μ
mのものが用いられる。
【0025】以上の説明において、連通カル8の断面積
はゲート部の断面積の3から5倍が好ましいとしたが、
使用する樹脂のグレードにより適宜変更されるものであ
り、形状に関しては図の形状に限定したものではない。
また、連通カル部8に設けるガス抜き溝10は、深さは
使用する樹脂のグレードによって±5μmの変動があ
り、幅に関しては特に1.5mmに限定するものではな
い。
はゲート部の断面積の3から5倍が好ましいとしたが、
使用する樹脂のグレードにより適宜変更されるものであ
り、形状に関しては図の形状に限定したものではない。
また、連通カル部8に設けるガス抜き溝10は、深さは
使用する樹脂のグレードによって±5μmの変動があ
り、幅に関しては特に1.5mmに限定するものではな
い。
【0026】なお、上記実施の形態は、半導体成形部品
において使用される例として説明した。
において使用される例として説明した。
【0027】以上のように、樹脂ペレット2の体積バラ
ツキの調整を行うのに使用する連通カル8の断面積をゲ
ート部6の断面積の3〜5倍に設定することにより、樹
脂の充填順序及びタイミングが変更され、各製品パッケ
ージ5へ均一な成形条件で樹脂が充填されることで、安
定した品質の量産品の生産が可能となり、さらに、連通
カル8にガス抜き溝10を設けることにより、短時間で
連通カル8に樹脂が充填され、カル部4への樹脂の充填
を早めることができるため、安定した品質の量産品の生
産が可能となり、従来の成形金型において成形時に発生
するボイドやチップ上のワイヤー断線等の不具合いの発
生を皆無とすることができる。
ツキの調整を行うのに使用する連通カル8の断面積をゲ
ート部6の断面積の3〜5倍に設定することにより、樹
脂の充填順序及びタイミングが変更され、各製品パッケ
ージ5へ均一な成形条件で樹脂が充填されることで、安
定した品質の量産品の生産が可能となり、さらに、連通
カル8にガス抜き溝10を設けることにより、短時間で
連通カル8に樹脂が充填され、カル部4への樹脂の充填
を早めることができるため、安定した品質の量産品の生
産が可能となり、従来の成形金型において成形時に発生
するボイドやチップ上のワイヤー断線等の不具合いの発
生を皆無とすることができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、連通カル構造を有し、製
品間の各プランジャが連結して駆動する成形金型におい
て、従来の成形金型においては、連通カルの断面積がゲ
ート部の断面積より小さく設定されているため、ボイド
と呼ばれる気泡が発生し、また成形を行うチップ上のワ
イヤー断線の発生割合が1/15の確率であるという不
具合が生じていたが、本発明においては、連通カルの断
面積をゲート部の断面積より大きく設定し、好ましくは
3〜5倍に設定することにより、各製品パッケージに均
一な成形条件で樹脂を充填でき、さらに連通カルにガス
抜き溝を設けることにより、短時間で連通カルに樹脂が
充填され、カル部への樹脂の充填を早めることができる
ため、従来の成形金型における上記した不具合の発生を
皆無とすることができる。
品間の各プランジャが連結して駆動する成形金型におい
て、従来の成形金型においては、連通カルの断面積がゲ
ート部の断面積より小さく設定されているため、ボイド
と呼ばれる気泡が発生し、また成形を行うチップ上のワ
イヤー断線の発生割合が1/15の確率であるという不
具合が生じていたが、本発明においては、連通カルの断
面積をゲート部の断面積より大きく設定し、好ましくは
3〜5倍に設定することにより、各製品パッケージに均
一な成形条件で樹脂を充填でき、さらに連通カルにガス
抜き溝を設けることにより、短時間で連通カルに樹脂が
充填され、カル部への樹脂の充填を早めることができる
ため、従来の成形金型における上記した不具合の発生を
皆無とすることができる。
【図1】本発明による樹脂成形金型である。
【図2】成形品レイアウトである。
【図3】従来の方法による樹脂成形金型(連通カル無
し)である。
し)である。
【図4】従来の方法による樹脂成形金型(連通カルあ
り)である。
り)である。
【図5】従来の方法による樹脂成形金型(可動ピン構
造)である。
造)である。
【図6】従来の方法による樹脂成形金型(可動ピン構
造)である。
造)である。
1 ポット 2 樹脂ペレット 3 プランジャ 4 カル部 5 製品パッケージ 6 ゲート 7 ランナー 8 連通カル 9 可動ピン 10 ガス抜き溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城田 昌尚 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA36 CA12 CB01 CK02 CK15 CK17 CK89 CP04 CP08
Claims (2)
- 【請求項1】 樹脂を投入するポットと、樹脂を金型内
に押し出すプランジャと、樹脂を溶融するカル部と、前
記カル部から製品パッケージへの樹脂の流入口であるゲ
ート部と、カル部とゲート部とを結ぶランナー部と、カ
ル部同士を連通する連通カルを有し、各プランジャが連
結して一体で駆動し、トランスファ成形を行う熱硬化性
樹脂成形金型において、連通カルの断面積をゲート部の
断面積より大きく設定し、樹脂充填初期段階において、
連通カルを通じて各カル部間の樹脂体積及び圧力の調整
を行うことを特徴とする熱硬化性樹脂成形金型。 - 【請求項2】 連通カルに、連通カル内の空気を抜くガ
ス抜き溝を設け、カル部間の樹脂充填を行うことを特徴
とする請求項1記載の熱硬化性樹脂成形金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001013723A JP2002210789A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | 熱硬化性樹脂成形金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001013723A JP2002210789A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | 熱硬化性樹脂成形金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002210789A true JP2002210789A (ja) | 2002-07-30 |
Family
ID=18880539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001013723A Pending JP2002210789A (ja) | 2001-01-22 | 2001-01-22 | 熱硬化性樹脂成形金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002210789A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106079286A (zh) * | 2016-07-22 | 2016-11-09 | 深圳天珑无线科技有限公司 | 浇注模具以及流道切换件 |
KR20220030163A (ko) * | 2020-08-28 | 2022-03-10 | 토와 가부시기가이샤 | 수지 성형 장치 및 수지 성형품의 제조 방법 |
-
2001
- 2001-01-22 JP JP2001013723A patent/JP2002210789A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106079286A (zh) * | 2016-07-22 | 2016-11-09 | 深圳天珑无线科技有限公司 | 浇注模具以及流道切换件 |
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KR102571952B1 (ko) * | 2020-08-28 | 2023-08-30 | 토와 가부시기가이샤 | 수지 성형 장치 및 수지 성형품의 제조 방법 |
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