JP2002208465A - 加熱体、加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱体、加熱装置及び画像形成装置

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JP2002208465A
JP2002208465A JP2001000639A JP2001000639A JP2002208465A JP 2002208465 A JP2002208465 A JP 2002208465A JP 2001000639 A JP2001000639 A JP 2001000639A JP 2001000639 A JP2001000639 A JP 2001000639A JP 2002208465 A JP2002208465 A JP 2002208465A
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heating
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heating element
surface side
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Masahide Hirai
政秀 平井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SUS基板等の導体基材(金属材)30を用い
た金属ヒータ3について、加工性がよく、高強度でかつ
熱効率の優れたものを得る。 【解決手段】ヒータ裏面側の絶縁層36の熱伝導率に対
してヒータ表面側の絶縁層35の熱伝導率を大きくす
る。ヒータ裏面側の絶縁層36の表面粗さに対してヒー
タ表面側の絶縁層35の表面粗さを小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱体、加熱装
置、及び画像形成装置に関する。
【0002】より具体的は、加熱体基材(ヒータ基板)
として導体を用いた加熱体、該加熱体を用いた加熱装
置、及び該加熱装置を未定着画像の加熱定着手段として
備えた画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、例えば、電子写真、静電記録、磁
気記録等の適宜の作像プロセスを用いた複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の画像出力装置において、記録材に
転写方式あるいは直接方式で形成担持させたトナー像を
記録材面に定着させる定着装置(像加熱装置)としては
熱ローラ方式の加熱装置が用いられてきた。
【0004】この熱ローラ方式の加熱装置は、内部にヒ
ータを備えた金属製のローラと、それに圧接する弾性を
持つ加圧ローラを基本構成として、この一対のローラに
よりできる定着ニップ部(圧接ニップ部)に被加熱部材
としての記録材を導入して挟持搬送、通過させることに
より、トナー像を加熱、加圧して定着させるものであ
る。
【0005】しかし、このような熱ローラ方式の加熱装
置では、ローラの熱容量が大きいためにローラ表面を定
着温度まで上げるのには非常に多くの時間を要してい
た。また、このため、画像出力動作を速やかに実行する
ためには、装置を使用していないときにもローラ表面を
ある程度の温度に温調していなければならないという問
題点があった。
【0006】そこで、これらの問題点を解決するために
考案された加熱装置として、本出願人の先の出願に係る
例えば特開昭63―313182号公報、特開平2―1
57878号公報等に開示のフィルム加熱方式の加熱装
置がある。
【0007】このフィルム加熱方式の加熱装置は通常、
薄肉の耐熱性フィルムと、このフィルムの一方面側に固
定支持して配置された加熱体(以下、ヒータと記す)
と、他方面側にヒータに対向して配置された、ヒータに
対してフィルムを介して被加熱部材を密着させる加圧部
材とからなっている。
【0008】フィルムを挟んでヒータと加圧部材との圧
接で形成される圧接ニップ部のフィルムと加圧部材との
間に、被加熱部材、像加熱装置にあってはトナー像を形
成担持させた記録材を導入して通過させることにより、
記録材の顕画像担持面がフィルムを介してヒータで加熱
され、未定着画像に熱エネルギーを付与し、トナーが軟
化、溶融して画像の加熱定着がなされる。
【0009】このフィルム加熱方式はクイックスタート
性に優れ、またスタンバイ時の消費電力も大幅に削減で
き、オンデマンドタイプの加熱装置を構成することがで
きる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、このようなフィ
ルム加熱方式を採用した定着装置には、例えばヒータと
してはセラミックヒータのように基板としてアルミナ等
のセラミック基材が用いられることが多いが、セラミッ
クが脆いこと、あるいはコストが高いこと、曲げ加工等
に適さない等の問題があった。
【0011】そこで、特開平9−244442号公報、
特開平10−275671号公報では、金属材上に絶縁
層を形成することで、従来のセラミックス基材と同等の
絶縁性を持たせた基材を作り、その上に発熱抵抗パター
ンや導電パターン、最上層の絶縁摺動層を形成した加熱
体(導体基板ヒータ、以下、金属ヒータと記す)が提案
されている。
【0012】このようにヒータの基板材質に熱伝導率の
高い金属性基板等の導体基板を用いることで、ヒータ温
度を全域にわたり均一にでき、特に両端部での温度低下
を容易に防止できることによって長手にわたって生じや
すい定着ムラや光沢ムラ、オフセット等の画像ムラのな
い良好な画像を形成できる。また、ヒータの昇温スピー
ドも向上させることができ、よりクイックスタート性を
高めることが可能となる。さらにはセラミック等に比べ
金属性基板の破断強度自体が非常に高いので、ヒータの
急激な昇温時に生じる熱ストレス等に対して基板の破断
等がなく、また、製造工程での基板割れ等の問題の発生
も抑えることができ、生産性も高めることが可能とな
る。
【0013】また、ヒータとしては、より迅速に温度を
立ち上げるためにはヒータの熱を効率よく被加熱部材に
与えることが必要であり、ヒータに必要な特性として
は、ヒータの表面側(被加熱部材に対向する面側、通紙
面側、以下同じ)の熱伝導を向上させ、効率よく、フィ
ルム、記録材へ熱を付与させると同時に、ヒータ裏面側
(被加熱部材に対向する面側とは反対面側、非通紙面
側、以下同じ)にはヒータ支持体等への熱の逃げを極力
抑えるような断熱の効果があることが望ましい。
【0014】本発明は、上述の点に鑑み成されたもの
で、金属ヒータについて、加工性がよく、高強度でかつ
熱効率の優れた金属ヒータ、該ヒータを用いた加熱装
置、及び該加熱装置を未定着画像の加熱定着手段として
備えた画像形成装置を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、加熱体、加熱装置、及び画像形成装置であ
る。
【0016】(1)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、第一の絶縁層、第
二の絶縁層、第三の絶縁層の各熱伝導率の、少なくとも
1つが異なることを特徴とする加熱体。
【0017】(2)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の
絶縁層と第三の絶縁層の熱伝導率が異なることを特徴と
する加熱体。
【0018】(3)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の
絶縁層と第三の絶縁層の熱伝導率が異なり、その熱伝導
率の大小関係は、被加熱部材側になる絶縁層の熱伝導率
がそれとは反対側の絶縁層の熱伝導率よりも大きいこと
を特徴とする加熱体。
【0019】(4)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、第一の絶縁層、第
二の絶縁層、第三の絶縁層の各表面粗さの、少なくとも
1つが異なることを特徴とする加熱体。
【0020】(5)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の
絶縁層と第三の絶縁層の表面粗さが異なることを特徴と
する加熱体。
【0021】(6)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の
絶縁層と第三の絶縁層の表面粗さが異なり、その表面粗
さの大小関係は、被加熱部材側となる絶縁層の表面粗さ
がそれとは反対側の絶縁層の表面粗さよりも小さいこと
を特徴とする加熱体。
【0022】(7)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、第一の絶縁層、第
二の絶縁層、第三の絶縁層の各熱伝導率の、少なくとも
1つが異なり、かつ、第一の絶縁層、第二の絶縁層、第
三の絶縁層の各表面粗さの、少なくとも1つが異なるこ
とを特徴とする加熱体。
【0023】(8)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の
絶縁層と第三の絶縁層の熱伝導率が異なり、かつ、少な
くとも第二の絶縁層と第三の絶縁層の表面粗さが異なる
ことを特徴とする加熱体。
【0024】(9)導体基材と、この導体基材の一方面
側に形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に
形成された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱
抵抗パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、
導体基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に
形成された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の
絶縁層と第三の絶縁層の熱伝導率が異なり、その熱伝導
率の大小関係は、被加熱部材側となる絶縁層の熱伝導率
がそれとは反対側の絶縁層の熱伝導率よりも大きく、か
つ、少なくとも第二の絶縁層と第三の絶縁層の表面粗さ
が異なり、その表面粗さの大小関係は、被加熱部材側と
なる絶縁層の表面粗さがそれとは反対側の絶縁層の表面
粗さよりも小さいことを特徴とする加熱体。
【0025】(10)第一の絶縁層上に発熱抵抗パター
ン及びこの発熱抵抗パターンに給電するための導電パタ
ーンが形成されていることを特徴とする(1)から
(9)のいずれか1つに記載の加熱体。
【0026】(11)第二の絶縁層側または第三の絶縁
層側が被加熱部材側であることを特徴とする(1)から
(10)のいずれか1つに記載の加熱体。
【0027】(12)前記(1)から(10)のいずれ
か1つに記載の加熱体を有し、この加熱体の熱エネルギ
ーを被加熱部材に直接あるいは他物を介して付与して被
加熱部材を加熱することを特徴とする加熱装置。
【0028】(13)加熱体とそれに圧接する加圧部材
との間のニップ部に被加熱部材を通過させることにより
加熱体の熱エネルギーを被加熱部材に付与して被加熱部
材を加熱する加熱装置であり、加熱体が(1)から(1
0)のいずれか1つに記載の加熱体であることを特徴と
する加熱装置。
【0029】(14)加熱体とそれに摺動するフィルム
を有し、このフィルムを介した加熱体の熱エネルギーに
より被加熱部材を加熱する加熱装置であり、加熱体が
(1)から(10)のいずれか1つに記載の加熱体であ
ることを特徴とする加熱装置。
【0030】(15)加熱体と、それに摺動するフィル
ムと、このフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材
を有し、フィルムと加圧部材との間のニップ部に被加熱
部材を通過させることによりフィルムを介した加熱体の
熱エネルギーを被加熱部材に付与して被加熱部材を加熱
する加熱装置であり、加熱体が(1)から(10)のい
ずれか1つに記載の加熱体であることを特徴とする加熱
装置。
【0031】(16)被加熱部材が画像を担持した記録
材であり、加熱体の熱エネルギーを記録材に付与して画
像を加熱する像加熱装置であることを特徴とする(1
1)から(15)のいずれか1つに記載の加熱装置。
【0032】(17)被加熱部材が未定着画像を担持し
た記録材であり、加熱体の熱エネルギーを記録材に付与
して画像を熱定着させる加熱定着装置であることを特徴
とする(11)から(15)のいずれか1つに記載の加
熱装置。
【0033】(18)記録材上に未定着画像を形成担持
させる作像手段と、記録材上に形成担持させた未定着画
像を熱定着させる加熱定着手段を有する画像形成装置に
おいて、加熱定着手段が(11)から(15)のいずれ
か1つに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形
成装置。
【0034】[作 用] 1)第一の絶縁層、第二の絶縁層、及び第三の絶縁層の
各熱伝導率のうち、少なくとも1つを異ならせることに
よって、加熱体の熱伝達を任意に調整できるため、熱効
率を上げることが可能となり、立上げ時間の短縮や消費
電力の削減に効果がある。
【0035】2)少なくとも第二の絶縁層の熱伝導率と
第三の絶縁層の熱伝導率を異ならせることで、加熱体の
被加熱部材に対向する側の面である加熱体表面側への熱
伝達と、加熱体裏面側への熱伝達をそれぞれ任意に調整
できるため、加熱体表面側に効率よく熱を伝えることが
可能となり、立上げ時間の短縮や消費電力の削減に効果
がある。
【0036】3)少なくとも第二の絶縁層の熱伝導率と
第三の絶縁層の熱伝導率が異なり、かつ、その大小関係
が、加熱体表面側の絶縁層の熱伝導が高く、加熱体裏面
側の絶縁層の熱伝導率が低いことによって、加熱体裏面
側からの加熱体支持体への熱の伝達を抑えることがで
き、結果として熱の損失を最小限に抑えることができ、
加熱体表面側に効率よく熱を伝えることが可能となり、
立上げ時間の短縮や消費電力の削減に効果がある。
【0037】4)第一の絶縁層、第二の絶縁層、及び第
三の絶縁層の各表面粗さのうち、少なくとも1つを異な
らせることによって、加熱体の熱伝達を任意に調整でき
るため、より簡単な構成で熱効率を上げることが可能と
なり、立上げ時間の短縮や消費電力の削減に効果があ
る。
【0038】5)少なくとも第二の絶縁層の熱伝導率と
第三の絶縁層の表面粗さを異ならせることで、加熱体表
面側への熱伝達と、加熱体裏面側への熱伝達をそれぞれ
任意に調整できるため、より簡単な構成で、加熱体表面
側に効率よく熱を伝えることが可能となり、立上げ時間
の短縮や消費電力の削減に効果がある。
【0039】6)少なくとも第二の絶縁層の熱伝導率と
第三の絶縁層の表面粗さが異なり、かつ、その大小関係
が、加熱体表面側の絶縁層の表面粗さが小さく、加熱体
裏面側の絶縁層の表面粗さが大きいことによって、加熱
体裏面側からの加熱体支持体への熱の伝達を抑えること
ができ、結果として、より簡単な構成で、熱の損失を最
小限に抑えることができ、加熱体表面側に効率よく熱を
伝えることが可能となり、立上げ時間の短縮や消費電力
の削減に効果がある。
【0040】7)また、上記1)から6)の組み合わせ
により、さらに効率を上げ、立上げ時間の短縮や消費電
力の削減を可能にする。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0042】[第1の実施例] (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置の一例の概略構成模型図である。本
例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用の、例
えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等である。
【0043】101は像担持体としてドラム型の電子写
真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。感光ドラ
ム101は画像形成装置本体M内に回転自在に支持され
ており、駆動手段(不図示)によって矢印R1の時計方
向に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0044】感光ドラム101の周囲には、その回転方
向に沿って順に、帯電ローラ(帯電装置)102、露光
手段103、現像装置104、転写ローラ(転写装置)
105、クリーニング装置106が配置されている。
【0045】また、画像形成装置本体M内の下部には、
紙等のシート状の記録材(転写材)Pを収納した給紙カ
セット107が配置されている。そして、記録材Pの搬
送経路に沿って上流側から順に、給紙ローラ115、搬
送ローラ108、トップセンサ109、転写ローラ10
5、搬送ガイド110、加熱定着装置111、定着排紙
ローラ112、排出ローラ113、排紙トレイ114が
配置されている。
【0046】駆動手段によって矢印R1方向に回転駆動
された感光ドラム101は、帯電ローラ102によって
所定の極性、所定の電圧に一様に帯電される。
【0047】帯電後の感光ドラム101は、その表面に
対しレーザー光学系等の露光手段103によって画像情
報に基づいた画像露光Lがなされ、露光部分の電荷が除
去されて静電潜像が形成される。
【0048】静電潜像は、現像装置104によって現像
される。現像装置104は、現像ローラ104aを有し
ており、この現像ローラ104aに現像バイアスを印加
して感光ドラム101上の静電潜像にトナーを付着させ
トナー像として現像(顕像化)する。
【0049】トナー像は、転写ローラ105によって紙
等の記録材Pに転写される。記録材Pは、給紙カセット
107に収納されており、給紙ローラ115によって給
紙され、搬送ローラ108によって搬送され、トップセ
ンサ109を介して、感光ドラム101と転写ローラ1
05との間の転写ニップ部に搬送される。このとき記録
材Pは、トップセンサ109によって先端が検知され、
感光ドラム101のトナー像と同期がとられる。転写ロ
ーラ105には、転写バイアスが印加され、これによ
り、感光ドラム101上のトナー像が記録材P上の所定
の位置に転写される。
【0050】転写によって表面に未定着画像を担持した
記録材Pは、搬送ガイド110に沿って加熱定着装置1
11に搬送され、ここで未定着トナー像が加熱、加圧さ
れて記録材P表面に定着される。
【0051】トナー像定着後の記録材Pは、定着排紙ロ
ーラ112によって搬送され、排出ローラ113によっ
て画像形成装置本体Mの上面の排紙トレイ114上に排
出される。
【0052】一方、トナー像転写後の感光ドラム101
は、記録材Pに転写されないで表面に残ったトナー(転
写残トナー)がクリーニング装置106のクリーニング
ブレード106aによって除去され、次の画像形成に供
される。
【0053】以上の動作を繰り返すことで、次々と画像
形成を行うことができる。
【0054】(2)加熱定着装置111 本例における加熱定着装置111は加圧ローラ駆動型・
テンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置で
ある。図2は該装置111の概略構成図である。図3は
定着ニップ部部分の部分拡大模型図である。
【0055】1は円筒状(エンドレス)の薄肉の耐熱性
フィルム(定着フィルム)、2は横断面略半円形樋型の
加熱体支持体、3はこの加熱体支持体2に支持させた加
熱体である金属ヒータ、4はフィルム1を挟んでヒータ
3に圧接して定着ニップ部Nを形成する加圧部材として
の加圧ローラである。
【0056】円筒状フィルム1は、ヒータ3を含む加熱
体支持体2に外嵌させてあり、該円筒状フィルム1の内
周長とヒータ3を含む加熱体支持体2の外周長はフィル
ム1の方を例えば3mm程度大きくしてあり、したがっ
てフィルム1は加熱体支持体2に対し周長が余裕をもっ
てルーズに外嵌している。
【0057】フィルム1は熱容量を小さくしてクイック
スタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100
μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱
性のあるPTFE、PFA、FEPの単層、あるいはポ
リイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PP
S等の外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーテ
ィングした複合層フィルムを使用できる。本実施例では
ポリイミドフィルムの外周表面にPTFEをコーティン
グしたものを用いた。
【0058】加熱体支持体2は横断面略半円形樋型の部
材であり、断熱性・剛性を有する部材である。この加熱
体支持体2の下面側に長手に沿って、ヒータ3を嵌め入
れることができる細長・底浅溝状の座ぐり部21を具備
させてあり、この座ぐり部21内に金属ヒータ3を嵌め
入れて加熱体支持体2に支持させてある。加熱体支持体
2は、PPSや液晶ポリマー、フェノール樹脂といった
耐熱樹脂に、ガラスを入れて強度を増したものを用い
る。これらの樹脂は成型用の型に注入されて用いられ
る。
【0059】ヒータ3は、本発明に従う加熱体としての
金属ヒータ(導体基板ヒータ)であり、図面に対して垂
直方向を長手とする細長・薄板状で、全体に低熱容量の
部材である。このヒータ3の構造については次の(3)
項で詳述するけれども、該ヒータ3の発熱抵抗パターン
への電力供給により迅速に発熱・昇温し、温調系で所定
の定着温度に温度管理される。より詳しくは、加熱体3
上に設けられたサーミスタ37の出力をA/D変換して
制御回路(CPU)10に取り込み、その情報をもとに
トライアック11によりヒータ3の発熱抵抗パターンに
通電するAC電圧を位相、波数制御等のパルス幅変調を
かけ、ヒータ通電電力を制御することで行う。
【0060】加圧ローラ4は、芯金41と、該芯金に同
心一体に設けたシリコンゴム等の離型性のよい耐熱ゴム
弾性層42からなり、芯金41の両端部をそれぞれ装置
の不図示のシャーシ側板間に軸受を介して回転自由に支
持させてある。
【0061】この加圧ローラ4の上側に、上記のフィル
ム1・加熱体支持体2・ヒータ3のアセンブリを、ヒー
タ3側を下向きして対向位置させ、加熱体支持体2に不
図示の付勢手段により押し下げ力を作用させてヒータ3
の下向き面をフィルム1を挟ませて加圧ローラ4の上面
に対してゴム弾性層4bの弾性に抗して所定の押圧力で
圧接させてある。これによりヒータ3と弾性加圧ローラ
4との間にフィルム1を挟んで所定幅の定着ニップ部N
が形成される。
【0062】加圧ローラ4は不図示の駆動手段により反
時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ロ
ーラ4の回転による該ローラ4の外面とフィルム1の外
面との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力で円筒状の
フィルム1に回転力が作用して、該フィルム1がその内
面が定着ニップ部Nにおいてヒータ3の下向き面に密着
して摺動しながら矢印の時計方向に加圧ローラ4の回転
周速度に略対応した周速度をもって加熱体支持体2の外
回りを回転状態になる(加圧ローラ駆動方式)。
【0063】加熱体支持体2はこの回転するフィルム1
のガイド部材としても機能している。またヒータ3の下
向き面とフィルム1の内面との間に耐熱性グリス等の潤
滑剤を介在させることで、上記のフィルム1の回転をよ
り滑らかなものにすることができる。
【0064】加圧ローラ4が回転駆動され、それに伴っ
て円筒状フィルム1が回転状態になり、後述するように
ヒータ3に通電がなされて該ヒータ3の発熱で定着ニッ
プ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態にお
いて、定着ニップ部Nのフィルム1と加圧ローラ4との
間に未定着トナー像tを担持した記録材Pが導入され、
定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー画像担持面側
がフィルム1の外面に密着してフィルムと一緒に定着ニ
ップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程にお
いて、ヒータ3の熱がフィルム1を介して記録材Pに付
与され、記録材P上の未定着トナー像tが加熱溶融定着
される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると、回転
するフィルム1の外面から曲率分離して搬送される。
【0065】(3)ヒータ3 ヒータ3は、本発明に従う加熱体としての金属ヒータで
あり、図4の(a)は該ヒータ3の表面図、(b)は
(a)において第二の絶縁層を除いて発熱抵抗パターン
を露出させて見せた図、(c)はヒータ3の裏面図であ
る。
【0066】このヒータ3は、導体基材(導電性基材)
30と、この導体基材30の一方面側に形成された第一
の絶縁層としての絶縁ガラス層31と、この第一の絶縁
層上に形成された、並行2条の発熱抵抗パターン32・
32と、この発熱抵抗パターンに給電するための給電電
極としての2つの導電体パターン33・33と、折り返
し電極としての導電パターン34と、発熱抵抗パターン
32を覆うように形成された第二の絶縁層としての絶縁
ガラス層35と、導体基材30の前記一方面側とは反対
面側である他方面側に形成された第三の絶縁層としての
絶縁ガラス層36を有している。
【0067】本実施例では上記ヒータ3の第二の絶縁層
35側がフィルム1の裏面が当接するヒータ表面側であ
り、第三の絶縁層36側がヒータ裏面側である。そして
図3のようにこのヒータ3をその表面側である第二の絶
縁層35側を下向きに露出させて加熱体支持体2の座ぐ
り部21内に嵌め入れて支持させてある。
【0068】導体基材30には絶縁層としてのガラス層
との膨張係数を合わせやすいSUS430といった金属
を用いた。該基材30の厚みは本実施例においては0.
5〜0.6mm程度のものを用いた。この該基材30の
厚みが薄すぎると印刷・焼成後の基材と絶縁ガラス層の
熱膨張率差によって反りが発生しやすくなり、また折れ
曲がりやすくなるため、製造工程時等の取り扱いも難し
くなる。一方、厚すぎると基材自体の熱容量が大きくな
るため、ヒータの立上げ時間の遅延や、また、温調の制
御自体が困難になる。これにより定着不良や、光沢ム
ラ、オフセットといった画像問題の発生にもつながる。
【0069】第一の絶縁層としての絶縁ガラス層31は
導体基材30の一方面側のほぼ全域に形成している。こ
の絶縁ガラス層31は例えばガラスペースト材をスクリ
ーン印刷により導体基材30の面に印刷塗布し、焼成す
ることで形成される。
【0070】この絶縁ガラス層31上に、発熱抵抗パタ
ーン32・32、給電電極としての2つの導電体パター
ン33・33、折り返し電極としての導電パターン34
を形成することで、導体基材30との電気的絶縁が確保
される。
【0071】第一の絶縁層としての絶縁ガラス層31
は、1.5kV以上の耐圧を持たせるために、30μm
〜100μmの厚みで形成され、ピンホールを防止する
ためは、複数回印刷する方法をとることが好ましい。ま
た、導体基材30とこの絶縁ガラス層31との接着性を
増すために、導体基材30をサンドブラストやエッチン
グ等で粗し処理をし、脱脂した後に、絶縁ガラス層31
を印刷すると良い。
【0072】通電発熱抵抗パターン32は、例えば、A
g/Pd(銀パラジウム)等の電気抵抗材料(発熱抵抗
体、通電発熱抵抗体)のペーストを用いて所定のパター
ンにスクリーン印刷等で印刷し、焼成することで形成さ
れる。
【0073】また導電パターン33・34は、例えば、
Ag(銀)等の導電体のペーストを用いて所定のパター
ンにスクリーン印刷等で印刷し、焼成することで形成さ
れる。
【0074】第二の絶縁層としての絶縁ガラス層35
は、発熱抵抗パターン32・32と、折り返し電極とし
ての導電パターン34と、給電電極としての2つの導電
パターン33・33の一部を覆ってそれ等を保護する役
目をしている。この絶縁ガラス層35は例えばガラスペ
ースト材をスクリーン印刷により導体基材30の面に印
刷塗布し、焼成することで形成される。
【0075】第三の絶縁層としての絶縁ガラス層36は
導体基材30の他方面側のほぼ全域に形成している。こ
の絶縁ガラス層36は例えばガラスペースト材をスクリ
ーン印刷により導体基材30の面に印刷塗布し、焼成す
ることで形成される。
【0076】そしてこの絶縁ガラス層36に当接させ
て、ヒータへの通電を制御するための温度検知素子であ
るサーミスタ37を設けてある。37aはサーミスタ3
7のリード線であり、制御回路10に接続されている
(2次回路系DC)。
【0077】また、安全装置としてのサーモスイッチ3
8を第三の絶縁層としての絶縁ガラス層36に接触させ
てあるいは近接させて配設してある。38aはサーモス
イッチ38のリード線である。サーモスイッチ38はヒ
ータ3の発熱抵抗パターンに32に対する給電路(1次
回路系AC)に直列に接続させている。
【0078】ヒータ3の給電電極としての2つの導電パ
ターン33・33間に不図示の給電回路(1次回路系A
C)から給電がなされることにより発熱抵抗パターン3
2・32が全長にわたって発熱してヒータ3の全体が迅
速に昇温する。
【0079】サーミスタ37は、本実施例においては、
ヒータ3の導体基板30との絶縁耐圧の確保のため、ガ
ラスで保護されたサーミスタビーズで構成されるサーミ
スタであり、このサーミスタビーズの抵抗値を測定する
ことによってヒータ3の温度を検出し、ヒータ2の発熱
抵抗パターン32・32に加える電力を制御してヒータ
3の温度を所定の値に制御している。
【0080】また、本実施例の構成以外にも、たとえ
ば、サーミスタや熱電対に絶縁保護シートを被せたタイ
プのものを用いても良く、またはヒータ裏面の第三の絶
縁層として絶縁ガラス層36上に、導電パターンを形成
し、チップ型サーミスタをマウントしたものでも良い
し、印刷抵抗体を直接印刷形成しても何ら問題はない。
【0081】また、本実施例のヒータ3においては、第
一の絶縁ガラス層31の熱伝導率K1、第二の絶縁ガラ
ス層35の熱伝導率K2、第三の絶縁ガラス層36の熱
伝導率K3とした時に、それぞれの関係が、K2>K3
(=K1)となるように形成した。具体的にはガラスの
組成物、添加物等を調整して所望の熱伝導率を得られる
ように調整するが、本実施例においては第二の絶縁ガラ
ス層35の熱伝導率K2を約0.5〜0・8W/m・
K、第三の絶縁ガラス層36の熱伝導率K3、第一の絶
縁ガラス層31の熱伝導率K1を約1.0〜1.5W/
m・Kとなるように調整した。 図5は本実施例で用い
たヒータ3の熱伝達の関係を示した模式図である。この
ように、本実施例においては、(第二の絶縁層35の熱
伝導率K2)>(第三の絶縁層36の熱伝導率K3)と
したことで、ヒータ3の裏面への熱伝達量Q2に対しヒ
ータ表面側への熱伝達量Q1を大きくすることができ、
ヒータ裏面への熱伝達を極力抑え、効率よくヒータ表面
側に熱を伝達することができるために、その結果、ヒー
タの迅速な立上げを可能とし、かつ定着性の向上、消費
電力の削減が可能となる。
【0082】このときの熱伝導率と消費電力の関係につ
いて示したのが図6である。図6は、ヒータ表面側であ
る第二の絶縁ガラス層35の熱伝導率K2、ヒータ裏面
側である第三の絶縁ガラス層36の熱伝導率K3の熱伝
導比率K2/K3に対する消費電力の関係を示したグラ
フであり、熱伝導比率K2/K3=1のときの消費電力
を100%としたときの消費電力の割合を示したもので
ある。
【0083】この結果からわかるように、熱伝導比率K
2/K3を上げていくことにより消費電力を削減するこ
とが可能であることがわかる。
【0084】また、当然のことながらヒータ以外の定着
装置構成部品の材質、形状等によっても、削減可能な消
費電力は当然変化するが、本実施例の構成においては1
5〜20%の削減が達成できた。
【0085】このように本実施例においては、原材料費
が安く、加工性の高い金属ヒータを用い、かつ、ヒータ
表面側とヒータ裏面側の絶縁層としてのコートガラスの
熱伝導の調整により、加熱体支持体2への熱の逃げを極
力抑え、同時に効率よくヒータ表面側へ熱を伝達できる
ため、より簡単な構成で、定着性の向上、さらには消費
電力の低減を達成できるヒータをより低コストで実現で
きた。
【0086】また、上述例のヒータ3は、被加熱部材に
対向する側の面であるヒータ表面側に発熱抵抗パターン
32を形成したタイプ(表面加熱型ヒータ)であるが、
例えば、図7のように、被加熱部材と対向する側とは反
対面側であるヒータ裏面側に発熱抵抗パターン32を形
成したタイプのヒータ(裏面加熱型ヒータ)にも本発明
は適用できる。
【0087】この場合の構成では、第一の絶縁ガラス3
1の熱伝導率K1、第二の絶縁ガラス層35の熱伝導率
K2、第三の絶縁ガラス層36の熱伝導率K3の関係が
少なくとも、K3>K2であれば同様の効果が得られ
る。図7の(a)はこの裏面加熱型ヒータの概略断面
図、(b)はこのヒータの表面図であり、(c)は一部
切欠き裏面図である。
【0088】このとき、より好ましくは、第一の絶縁ガ
ラス31の熱伝導率K1も第二の絶縁ガラス層35と同
様にK1>K2の関係があることが望ましい。
【0089】言い換えると、発熱抵抗パターン32を境
界として被加熱部材と対向する面側に配置された絶縁層
の熱伝導率を、被加熱部材と対向する面側とは反対側に
配置された絶縁層の熱伝導率よりも大きくすることで、
より熱効率を高めることが可能となり、定着性の向上、
さらには消費電力の低減を達成できる。
【0090】[第2の実施例]本実施例においては、前
述した図3・図4の表面加熱型の金属ヒータ3におい
て、ヒータ表面側である第二の絶縁ガラス層35の表面
粗さRa2とヒータ裏面側の第三の絶縁ガラス層36の
表面粗さRa3の関係を、Ra2<Ra3、となるよう
に形成している。
【0091】具体的には、本実施例で用いたヒータにお
いては、絶縁ガラス層の表面粗さはガラスコートを印刷
する際のスクリーンのパターンやメッシュを変えること
で調整している。
【0092】ヒータ表面側の絶縁ガラス層35の表面粗
さRa2は、定着フィルム1との密着性を高め、効率よ
く熱を伝達させるためにRaで0.1μm以下が好まし
く、本実施例においては、表面粗さRa2が約0.07
〜0.1μm程度としている。
【0093】また、ヒータ裏面側はヒータ3を支持する
加熱体支持体2への熱の逃げを抑えることが好ましく、
ヒータ裏面側の絶縁ガラス層36の表面粗さを大きくす
ることで接触面積を小さくし、微小の空気層を設け断熱
効果を得ることで、熱の逃げを抑えることができ、本実
施例においてはヒータ裏面側の絶縁ガラス層36の表面
粗さRa3を0.5〜2.0μmの範囲で形成した。
【0094】例として、以下の構成のヒータ3を用いた
際の消費電力、必要温調温度の比較結果を示す。
【0095】ヒータ表面側である絶縁ガラス層35の表
面粗さRa2、ヒータ裏面側である絶縁ガラス層36の
表面粗さRa3の関係が、 .Ra2=Ra3≒0.1μm(REF)の場合と、 .Ra2≒0.1μm、Ra3≒1.0μmの場合 において、同等の定着性を得られる場合でのそれそれの
消費電力、温調温度を比較した場合、の場合の消費電
力に対し、の場合は約1割程度の電力削減がみられ
た。また、同時に、必要最低温調温度としてもの構成
の場合よりも、の構成を用いた方が約10℃下げる事
が可能になった。
【0096】このようにヒータ裏面側の絶縁層36の表
面粗さを、ヒータ表面側の絶縁層35の表面粗さに対し
て大きくすることで、ヒータ裏面側の加熱体支持体2と
の接触部での断熱効果を高め、熱の逃げを抑えることが
でき、同時にヒータ裏面側においては、密着性を高め、
フィルム1、記録材Pへ効率よく熱を伝えることができ
るため、より簡単な構成で、定着性の向上、さらには消
費電力の低減を達成できるヒータを、より低コストで実
現できた。
【0097】また前述した図7の裏面加熱型ヒータ3に
おいても、ヒータ裏面側となる第二の絶縁ガラス層35
の表面粗さRa2、ヒータ表面側となる第三の絶縁ガラ
ス層36の表面粗さRa3の関係が少なくとも、Ra2
>Ra3であれば同様の効果が得られる。
【0098】より好ましくは、第一の絶縁ガラス層31
の熱伝導率K1も第二の絶縁ガラス層35と同様にK1
>K2の関係があることが望ましい。
【0099】[第3の実施例]本実施例においては、前
述した図3・図4で示した表面加熱型の金属ヒータ3に
おいて、ヒータ裏面側である第三の絶縁層36のガラス
の熱伝導率K3と、ヒータ表面側である第一の絶縁層3
1の熱伝導率K1、第二の絶縁層35の熱伝導率K2の
関係が、K2>K3(=K1)となるように形成し、か
つ、第二の絶縁層35の表面粗さRa2、第三の絶縁層
36の表面粗さRa3の関係が、Ra2<Ra3となる
ように形成している。
【0100】これにより、第1の実施例の効果と第2の
実施例の効果を組み合わせられることにより、より効率
よく表面側に熱を伝達することができ、さらにクイック
スタート性を向上させ、定着性の向上を図ることがで
き、さらには消費電力の低減を達成できるヒータを、よ
り低コストで実現できた。
【0101】[その他] 1)フィルム加熱方式の加熱装置において、エンドレス
ベルト状のフィルムをテンションを与えて懸回張設し、
これを回転駆動させる装置構成にすることもできる。ま
た、ロール巻きにした長尺の有端フィルムを用い、これ
を繰り出し軸側からヒータを経由させて巻き取り軸側へ
所定の速度で走行させるように装置構成することもでき
る。
【0102】2)また本発明の加熱体はフィルム加熱方
式の加熱装置ばかりではなく、加熱体支持体に支持させ
た加熱体を被加熱部材に直接接触させて加熱する等の加
熱装置等にも適用できることは勿論である。
【0103】3)また本発明の加熱装置は画像加熱定着
装置としてばかりではなく、その他、例えば、画像を担
持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する像加
熱装置、仮定着処理する像加熱装置、シート状物を給送
して乾燥処理・ラミネート処理する等の加熱装置、イン
クジェットプリンタ等に用いられる乾燥用の加熱装置に
用いられるヒータ、ないしこのヒータを用いた加熱装置
等として広く使用出来ることは勿論である。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加熱体基板材質に、導体基材を用い、加熱体表面側と加
熱体裏面の絶縁層の熱伝導率や表面粗さを任意に調整す
ることで、より加熱体裏面側への熱の逃げを抑え、効率
よく加熱体表面側に伝達できることにより、強度が高
く、断熱性にすぐれ、加熱装置をより容易にかつ低コス
トで実現できた。また加熱定着装置として、定着性の良
好な、クイックスタート性に優れた加熱定着装置を、よ
り容易にかつ低コストで実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の画像形成装置の概略構成模型図
【図2】 フィルム加熱方式の加熱定着装置の概略構成
【図3】 定着ニップ部部分の部分拡大模型図
【図4】 ヒータの構造説明図
【図5】 ヒータ熱伝達模式図
【図6】 熱伝導率比に対する消費電力のグラフ
【図7】 裏面加熱型ヒータの構造説明図
【符号の説明】
1‥‥フィルム 2‥‥加熱体支持体 3‥‥加熱体 4‥‥加圧ローラ 30‥‥導体基材 31‥‥第一の絶縁層 32‥‥発熱抵抗パターン(発熱抵抗体) 33‥‥導電パターン(給電電極パターン) 34‥‥導電パターン(折り返し導電パターン) 35‥‥第二の絶縁層 36‥‥第三の絶縁層 37‥‥サーミスタ 38‥‥サーモスイッチ
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA30 BA11 BA12 BA25 BE03 3K034 AA02 AA10 AA34 BA05 BA15 BA17 BB02 BB13 BC04 BC12 CA03 CA14 CA22 CA27 DA02 DA03 DA04 DA05 FA02 FA13 FA14 3K058 AA02 AA73 AA81 AA86 AA87 CA02 CA12 CA23 CA61 CA71 3K092 PP08 QA05 QB02 QB32 QB43 QB60 QB76 QC07 QC49 RF03 RF09 RF17 RF22 SS12

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、第一の絶縁層、第二の
    絶縁層、第三の絶縁層の各熱伝導率の、少なくとも1つ
    が異なることを特徴とする加熱体。
  2. 【請求項2】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の絶縁
    層と第三の絶縁層の熱伝導率が異なることを特徴とする
    加熱体。
  3. 【請求項3】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の絶縁
    層と第三の絶縁層の熱伝導率が異なり、その熱伝導率の
    大小関係は、被加熱部材側になる絶縁層の熱伝導率がそ
    れとは反対側の絶縁層の熱伝導率よりも大きいことを特
    徴とする加熱体。
  4. 【請求項4】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、第一の絶縁層、第二の
    絶縁層、第三の絶縁層の各表面粗さの、少なくとも1つ
    が異なることを特徴とする加熱体。
  5. 【請求項5】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の絶縁
    層と第三の絶縁層の表面粗さが異なることを特徴とする
    加熱体。
  6. 【請求項6】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の絶縁
    層と第三の絶縁層の表面粗さが異なり、その表面粗さの
    大小関係は、被加熱部材側となる絶縁層の表面粗さがそ
    れとは反対側の絶縁層の表面粗さよりも小さいことを特
    徴とする加熱体。
  7. 【請求項7】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、第一の絶縁層、第二の
    絶縁層、第三の絶縁層の各熱伝導率の、少なくとも1つ
    が異なり、かつ、第一の絶縁層、第二の絶縁層、第三の
    絶縁層の各表面粗さの、少なくとも1つが異なることを
    特徴とする加熱体。
  8. 【請求項8】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の絶縁
    層と第三の絶縁層の熱伝導率が異なり、かつ、少なくと
    も第二の絶縁層と第三の絶縁層の表面粗さが異なること
    を特徴とする加熱体。
  9. 【請求項9】 導体基材と、この導体基材の一方面側に
    形成された第一の絶縁層と、この第一の絶縁層上に形成
    された、少なくとも発熱抵抗パターンと、この発熱抵抗
    パターンを覆うように形成された第二の絶縁層と、導体
    基材の前記一方面側とは反対面側である他方面側に形成
    された第三の絶縁層と、を有し、少なくとも第二の絶縁
    層と第三の絶縁層の熱伝導率が異なり、その熱伝導率の
    大小関係は、被加熱部材側となる絶縁層の熱伝導率がそ
    れとは反対側の絶縁層の熱伝導率よりも大きく、かつ、
    少なくとも第二の絶縁層と第三の絶縁層の表面粗さが異
    なり、その表面粗さの大小関係は、被加熱部材側となる
    絶縁層の表面粗さがそれとは反対側の絶縁層の表面粗さ
    よりも小さいことを特徴とする加熱体。
  10. 【請求項10】 第一の絶縁層上に発熱抵抗パターン及
    びこの発熱抵抗パターンに給電するための導電パターン
    が形成されていることを特徴とする請求項1から9のい
    ずれか1つに記載の加熱体。
  11. 【請求項11】 第二の絶縁層側または第三の絶縁層側
    が被加熱部材側であることを特徴とする請求項1から1
    0のいずれか1つに記載の加熱体。
  12. 【請求項12】 請求項1から10のいずれか1つに記
    載の加熱体を有し、この加熱体の熱エネルギーを被加熱
    部材に直接あるいは他物を介して付与して被加熱部材を
    加熱することを特徴とする加熱装置。
  13. 【請求項13】 加熱体とそれに圧接する加圧部材との
    間のニップ部に被加熱部材を通過させることにより加熱
    体の熱エネルギーを被加熱部材に付与して被加熱部材を
    加熱する加熱装置であり、加熱体が請求項1から10の
    いずれか1つに記載の加熱体であることを特徴とする加
    熱装置。
  14. 【請求項14】 加熱体とそれに摺動するフィルムを有
    し、このフィルムを介した加熱体の熱エネルギーにより
    被加熱部材を加熱する加熱装置であり、加熱体が請求項
    1から10のいずれか1つに記載の加熱体であることを
    特徴とする加熱装置。
  15. 【請求項15】 加熱体と、それに摺動するフィルム
    と、このフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材を
    有し、フィルムと加圧部材との間のニップ部に被加熱部
    材を通過させることによりフィルムを介した加熱体の熱
    エネルギーを被加熱部材に付与して被加熱部材を加熱す
    る加熱装置であり、加熱体が請求項1から10のいずれ
    か1つに記載の加熱体であることを特徴とする加熱装
    置。
  16. 【請求項16】 被加熱部材が画像を担持した記録材で
    あり、加熱体の熱エネルギーを記録材に付与して画像を
    加熱する像加熱装置であることを特徴とする請求項11
    から15のいずれか1つに記載の加熱装置。
  17. 【請求項17】 被加熱部材が未定着画像を担持した記
    録材であり、加熱体の熱エネルギーを記録材に付与して
    画像を熱定着させる加熱定着装置であることを特徴とす
    る請求項11から15のいずれか1つに記載の加熱装
    置。
  18. 【請求項18】 記録材上に未定着画像を形成担持させ
    る作像手段と、記録材上に形成担持させた未定着画像を
    熱定着させる加熱定着手段を有する画像形成装置におい
    て、加熱定着手段が請求項11から15のいずれか1つ
    に記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004221154A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Kyocera Corp プリント配線板の製造装置
JP2015219343A (ja) * 2014-05-16 2015-12-07 キヤノン株式会社 ヒータ制御装置、像加熱装置および画像形成装置
JP2019197727A (ja) * 2018-05-02 2019-11-14 大日本印刷株式会社 発熱板、導電体付きフィルム及び発熱板の製造方法

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