JP2002206882A - シート状ヒートパイプおよびその製法 - Google Patents

シート状ヒートパイプおよびその製法

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JP2002206882A
JP2002206882A JP2001226445A JP2001226445A JP2002206882A JP 2002206882 A JP2002206882 A JP 2002206882A JP 2001226445 A JP2001226445 A JP 2001226445A JP 2001226445 A JP2001226445 A JP 2001226445A JP 2002206882 A JP2002206882 A JP 2002206882A
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sheet
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heat pipe
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Masaki Goto
正樹 後藤
Shingo Hibino
真吾 日比野
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】形状の自由度が高く、かつ、性能が高い(熱伝
導量が多い)シート状ヒートパイプおよびその製法を提
供する。 【解決手段】コンテナ1は、2枚のフィルム1aが真空
封止されてなるフィルム製シート状コンテナとなってお
り、平面方向に曲がっている。また、上記コンテナ1の
内部は、両側端部およびこの両側端部の間に所定の数の
スペーサー2が所定の間隔でコンテナ1の形状に合わせ
て配設されている。そして、隣り合うスペーサー2とス
ペーサー2との間隙が蒸気流路4となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノートパソコン等
の電子機器における熱伝導部材として用いられるシート
状ヒートパイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ノートパソコン等の電子機器では、中央
演算処理装置(CPU)等からの発熱が誤作動や製品寿
命の低下につながるため、放熱対策がなされている。ま
た、近年の電子機器の高性能化によるCPUの発熱量の
増加、薄型化、軽量化、小型化の要求に伴う筐体内部の
発熱密度の増加により、ますます放熱対策が重要となっ
ている。従来は発熱部に放熱フィンを設けファンで冷却
する方式が採られていたが、ファンによる消費電力の増
加、重量の増加、騒音、小型化の妨げという問題があっ
た。よって駆動電力を必要とせず、限られたスペース内
で効率的に放熱するため、熱伝導性に優れたヒートパイ
プを用いて、CPU等の発熱部の熱を、ノートパソコン
の底面やキーボード面に設けられた放熱板に伝導させた
り、ディスプレイ側に設けられた放熱板にヒンジを介し
て伝導させたりして、放熱する機構がとられるようにな
っている。
【0003】そこで、上記ヒートパイプとして、金属管
製のコンテナを用いたものや、2枚の金属板を貼り合わ
せたのちに、その貼り合わせ面の一部を管状に膨管させ
たもの等の薄型平板状のものが開発された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記金
属管製のコンテナを用いたヒートパイプは、金属管を用
いているため、柔軟性に乏しく、形状の自由度は低かっ
た。また、上記膨管によるヒートパイプは、形状の自由
度は高いものの、コンテナの内部の作動液が循環する量
や力は小さく、性能は低(熱伝導量は少な)かった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、形状の自由度が高く、かつ、性能が高い(熱伝
導量が多い)シート状ヒートパイプおよびその製法の提
供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、平面方向に曲げられた減圧封止のフィル
ム製シート状コンテナ内に、そのコンテナの潰れ防止用
のスペーサーがそのコンテナの曲げ形状に合わせて配設
され、上記スペーサーの外周に沿う上記コンテナ内の部
分が蒸気流路に形成されているとともに、上記スペーサ
ーの内部およびその外周部の少なくとも一方が作動液の
還流路に形成されているシート状ヒートパイプを第1の
要旨とし、2枚のフィルムを準備する工程と、そのうち
の1枚のフィルムの上にスペーサーを平面方向に曲げた
形状に配設する工程と、他の1枚のフィルムを上記スペ
ーサーの上から重ね合わせ上記曲げ形状に沿ってシール
することにより袋体を形成する工程と、その袋体の内部
に作動液を注入したのち減圧封止する工程とを備えてい
るシート状ヒートパイプの製法を第2の要旨とし、1枚
のフィルムを準備する工程と、そのフィルムの一部分に
スペーサーを平面方向に曲げた形状に配設する工程と、
上記スペーサーを折り曲げることにより上記フィルムの
他の部分を上記スペーサーの上から重ね合わせ上記曲げ
形状に沿ってシールすることにより袋体を形成する工程
と、その袋体の内部に作動液を注入したのち減圧封止す
る工程とを備えているシート状ヒートパイプの製法を第
3の要旨とする。
【0007】すなわち、本発明のシート状ヒートパイプ
は、コンテナがフィルム製シート状であるため、平面方
向に適宜に曲げられた形状に簡単に設計することがで
き、形状の自由度が高いものとなっている。さらに、コ
ンテナの潰れ防止用のスペーサーが上記コンテナの曲げ
形状に合わせて配設されているため、コンテナの内部の
蒸気流路の潰れを防止でき、確実に蒸気流路を確保でき
る。また、上記スペーサーの内部およびその外周部の少
なくとも一方が作動液の還流路に形成されているため、
還流路の断面積を大きくすることができ、作動液の還流
量を増加させることができる。したがって、本発明のシ
ート状ヒートパイプは、従来の膨管によるヒートパイプ
よりも、性能が高い(熱伝導量が多い)ものとなってい
る。
【0008】また、本発明のシート状ヒートパイプの製
法は、1枚のフィルムの上にスペーサーを平面方向に曲
げた形状に配設し、他の1枚のフィルムを上記スペーサ
ーの上から重ね合わせ上記曲げ形状に沿ってシールして
いる。このため、シート状ヒートパイプを平面方向に適
宜に曲げられた形状に簡単に設計することができる。さ
らに、シート状ヒートパイプの内部の蒸気流路および還
流路の断面積を大きくすることができるため、作動液の
還流量を増加させることができ、性能が高い(熱伝導量
が多い)シート状ヒートパイプを作製することができ
る。
【0009】また、本発明の他のシート状ヒートパイプ
の製法は、1枚のフィルムの一部分にスペーサーを平面
方向に曲げた形状に配設し、上記フィルムを折り曲げる
ことにより上記フィルムの他の部分を上記スペーサーの
上から重ね合わせ上記曲げ形状に沿ってシールしてい
る。このような製法によっても、上記シート状ヒートパ
イプの製法と同様の作用・効果を奏する。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図
面にもとづいて詳しく説明する。
【0011】図1および図2は、本発明のシート状ヒー
トパイプの一実施の形態を示している。この実施の形態
では、シート状ヒートパイプは、L字状に曲がった形状
をしており、これに伴って、コンテナ1もL字状に曲が
った形状をしている。そして、そのコンテナ1は、2枚
のフィルム1aが減圧封止されてなるフィルム製シート
状コンテナとなっている。また、上記コンテナ1の内部
は、両側端部およびこの両側端部の間に所定の数(図2
では4本)のスペーサー2が所定の間隔でコンテナ1の
L字形状に合わせて配設されている。そして、隣り合う
スペーサー2とスペーサー2との間隙が蒸気流路4とな
っている。
【0012】より詳しく説明すると、上記コンテナ1を
形成するフィルム1aとしては、ガス透過性を抑えたも
のが用いられ、金属箔や,無機フィラーあるいは金属粉
を充填した樹脂フィルム,無機フィラーあるいは金属粉
を充填したゴム等の単層フィルムがあげられる。また、
金属箔と樹脂の複合フィルム,金属箔とゴムの複合フィ
ルム,金属箔と高伝熱性フィルム(グラファイトシート
等)の複合フィルム,金属蒸着樹脂フィルム,金属蒸着
ゴム,金属蒸着高伝熱性フィルム,無機フィラーあるい
は金属粉を塗工した樹脂フィルム,無機フィラーあるい
は金属粉を塗工したゴム等の多層フィルム等もあげられ
る。
【0013】また、上記金属箔,金属粉,無機フィラー
の材料としては、銅,黄銅,アルミニウム,アルミニウ
ム合金,ステンレス,アルミナ等が用いられ、そのなか
でも、熱伝導率やコストの点から銅,アルミニウムが好
ましく用いられる。
【0014】さらに、上記フィルム1aの厚みは、特に
限定されるものではないが、熱伝導性,強度等の点か
ら、0.06〜0.11mmの範囲が好ましい。
【0015】上記スペーサー2は、コンテナ1が潰れる
のを防止して蒸気流路を確保している。また、そのスペ
ーサー2の材料としては、コンテナ1が潰れるのを防止
できれば、特に限定されるものではなく、PP系の樹脂
等の透過性の低いものを用いてもよいし、銅やステンレ
ス等の金属繊維メッシュ,硝子繊維メッシュ,樹脂繊維
メッシュ等のメッシュ〔線径(直径)が0.11mm程
度、線間距離が0.23mm程度の80メッシュ程度の
ものが好適に用いられる〕、不織布、金属粉末を焼結さ
せたもの等の透過性の高いものを用いてもよい。そし
て、上記透過性の低いものを用いた場合には、スペーサ
ー2の外周部のうちの特に隅部3が作動液の還流路とな
り、透過性の高いものを用いた場合には、スペーサー2
の内部が作動液の還流路となり、スペーサー2の内部の
毛細管力により作動液の循環力を向上させている。
【0016】例えば、上記透過性の高いものとして不織
布を用いる場合には、その不織布を構成する繊維は合成
樹脂繊維,金属繊維,または硝子繊維であり、その繊維
径(直径)は30〜150μmの範囲であり、その不織
布の空隙率は30〜90%の範囲であることが好まし
い。
【0017】上記不織布の空隙率は、下記の式(1)に
よって算出される。そのために、まず、上記不織布から
なる直方体状の小片をサンプルとして、このサンプルの
縦の長さ,横の長さ,高さから、下記の式(2)によっ
て、そのサンプルの見かけの体積を算出する。また、そ
のサンプルの重量と上記不織布の作製に用いられた繊維
の比重とから、下記の式(3)によって、そのサンプル
における繊維の体積を算出する。そして、下記の式
(2),(3)によって算出したサンプルの見かけの体
積,サンプルにおける繊維の体積を下記の式(1)に代
入することにより、上記不織布の空隙率が算出される。
【0018】
【数1】
【0019】
【数2】
【0020】
【数3】
【0021】また、上記不織布に代えて、SUSやチタ
ン等を発泡させた多孔質金属、長さ方向に孔を成長させ
連通させた多孔質金属、ウレタン等の発泡樹脂、または
銅,黄銅,アルミニウム,SUS等の粉体を焼結させた
焼結品を用いてもよい。
【0022】また、上記スペーサー2の大きさは、特に
限定されるものではないが、幅が0.5〜2.0mmの
範囲が好ましく、高さが0.5〜0.6mmの範囲が好
ましい。そして、上記スペーサー2は、材料を所定の幅
のL字状に打ち抜きすることにより得られる。特に、材
料として上記メッシュや不織布を用いる場合には、それ
ぞれを所定の厚みになるように積層したのち、所定の幅
のL字状に打ち抜きすることによりスペーサー2が得ら
れ、金属粉末を焼結させたものを用いる場合には、所定
の幅のL字状になるように金属粉末を焼結させることに
よりスペーサー2が得られる。
【0023】上記蒸気流路4の大きさも、特に限定され
るものではないが、幅が1.0〜3.0mmの範囲が好
ましく、高さが0.5〜0.6mmの範囲が好ましい。
【0024】上記作動液としては、水、メタノール、ア
ンモニア、フロン等があげられ、これらは上記コンテナ
1を形成するフィルム1aに用いられた金属箔等の金属
の種類や使用温度に応じて選択される。
【0025】上記シート状ヒートパイプは、つぎのよう
にして作製することができる。すなわち、まず、コンテ
ナ1を形成する2枚のフィルム1aならびにシート状ヒ
ートパイプのL字形状に合わせたスペーサー2を準備す
る。そして、図3および図4に示すように、そのうちの
1枚のフィルム1aの上に、L字状のスペーサー2(図
3では4本)を所定間隔で平行に配設する。ついで、図
5に示すように、これらスペーサー2の上から、他の1
枚のフィルム1aを重ね合わせ、両側端部のスペーサー
2の外側部分ならびにスペーサー2の両先端部分を潰す
ようにプレス機で圧着してシールすることにより、作動
液を注入するための口部をあけた袋体を形成する。そし
て、その袋体の口部から作動液を注入したのち、その口
部を減圧封止する。そののち、シート状ヒートパイプと
なる部分をL字状に打ち抜き、上記重ね合っている2枚
のフィルム1aのうち不要となる部分を取り除く。この
ようにして、図1および図2に示すシート状ヒートパイ
プを作製することができる。
【0026】上記シート状ヒートパイプは、例えば、ノ
ートパソコンやTVゲーム機等の電子機器における熱伝
導部材として用いられる。すなわち、上記コンテナ1
(シート状ヒートパイプ)のL字状の一方の先端部に放
熱ゴムや粘着剤を介して電子機器のCPU(発熱部)を
装着し、L字状の他方の先端部に放熱ゴムや粘着剤を介
して放熱板(放熱部)を装着することにより、上記CP
Uと放熱板とをL字状に接続する態様で用いられる。
【0027】そして、上記シート状ヒートパイプは、つ
ぎのようにして熱伝導部材として作用する。すなわち、
CPUからの発熱でシート状ヒートパイプ内の作動液が
蒸発して蒸気となり、この蒸気がシート状ヒートパイプ
内のL字状の蒸気流路4を通って放熱板に伝わる。そし
て、放熱板で熱を奪われた後、凝縮されて再び作動液と
なり、シート状ヒートパイプ内のL字状の還流路を通っ
てCPUとの接触側に還流される。このようなサイクル
を繰り返すことにより、CPUの発熱を放熱板に伝導す
ることができる。
【0028】このように、上記実施の形態によれば、コ
ンテナ1がフィルム1aからなるため、簡単にL字状の
シート状ヒートパイプを作製することができる。したが
って、上記シート状ヒートパイプは、形状の自由度が高
いものとなっている。その結果、電子機器の筐体内のス
ペースを充分に有効利用することができ、電子機器の更
なる薄型化や小型化に応えることができる。
【0029】また、コンテナ1の内部にスペーサー2を
配設しているため、コンテナ1の内部の蒸気流路4の潰
れを防止でき、確実に蒸気流路を確保できる。また、上
記スペーサー2の内部やその外周部の隅部3等が作動液
の還流路になっているため、還流路の断面積を大きくす
ることができ、作動液の還流量を増加させることができ
る。したがって、上記シート状ヒートパイプは、性能が
高い(熱伝導量が多い)ものとなっている。その結果、
上記シート状ヒートパイプは、従来のヒートパイプと比
較すると、性能が同じでも、薄型化することができ、電
子機器の更なる薄型化や小型化に応えることができる。
【0030】図6および図7は、本発明のシート状ヒー
トパイプの他の実施の形態を示している。この実施の形
態では、コンテナ5を形成するフィルム5a,5bのう
ちの1枚のフィルム5aに、平面視L字状の凹所6が形
成されている。そして、この凹所6の底面に、上記実施
の形態と同様にして、スペーサー2が配設されており、
上記スペーサー2は、上記凹所6の両側壁に当接して配
設されている。また、スペーサー2の高さは、上記凹所
6の深みと同じとなっている。そして、2枚のフィルム
5a,5bのシールは、上記凹所6の開口周縁部で施さ
れている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であ
り、同様の部分には同じ符号を付している。
【0031】このシート状ヒートパイプの作製は、つぎ
のようにして作製することができる。すなわち、上記実
施の形態における作製において、スペーサー2の配設に
先立って、図8および図9に示すように、1枚のフィル
ム5aを絞り加工することにより凹所6を形成する。そ
して、図10および図11に示すように、上記凹所6の
底面に、上記実施の形態と同様にして、スペーサー2を
配設する。このとき、上記スペーサー2は、上記凹所6
の両側壁に当接させて配設する。また、2枚のフィルム
5a,5bのシールは、上記凹所6の開口周縁部で施
す。それ以外は上記実施の形態と同様にして作製する。
このようにして、図6および図7に示すシート状ヒート
パイプを作製することができる。
【0032】そして、この実施の形態のシート状ヒート
パイプによっても、上記実施の形態と同様の作用・効果
を奏する。
【0033】図12は、本発明のシート状ヒートパイプ
のさらに他の実施の形態を示している。この実施の形態
では、コンテナ7の周縁部に、このコンテナ7を形成す
る上記フィルム1a,5a,5bが、上記コンテナ7と
一体に延設されている。そして、その延設部分8のフィ
ルム1a,5a,5bが放熱板として作用する。このよ
うなシート状ヒートパイプは、上記各実施の形態の製法
(図3,図10参照)において、フィルム1a,5a,
5bをシート状ヒートパイプとなるL字状に打ち抜かず
に、そのL字状以外の部分(延設部分8)を適宜の形状
に残すことにより作製することができる。
【0034】そして、この実施の形態のシート状ヒート
パイプによれば、上記延設部分8のフィルム1a,5
a,5bが放熱板として作用するため、別体の放熱板を
準備して装着する必要がなく、上記コンテナ7のL字状
の一方の先端部に装着されたCPUからの熱は、蒸気と
なった作動液によりL字状の他方の先端部に伝わるとと
もに、上記延設部分8のフィルム1a,5a,5bの全
体に伝わる。そして、この実施の形態のシート状ヒート
パイプによっても、上記各実施の形態と同様の作用・効
果を奏する。
【0035】なお、上記各実施の形態では、コンテナ
1,5,7をL字状として説明したが、その形状は、他
の形状でもよく、電子機器の筐体内のスペースを有効利
用できるように適宜の曲げ形状に設計される。
【0036】また、上記各実施の形態では、2枚のフィ
ルム1a,5a,5bを用いる製法について説明した
が、フィルムは1枚でもよい。すなわち、1枚のフィル
ムの一部分に、上記各実施の形態のように、スペーサー
2を配設したのち、そのフィルムを折り曲げることによ
り、そのフィルムの他の部分を上記スペーサー2の上か
ら重ね合わせる。それ以外は、上記各実施の形態と同様
にして作製する。
【0037】そして、フィルム1a,5a,5bのシー
ル方法は、特に限定されるものではないが、変性PP等
のシーラントを用いてシールしてもよいし、上記フィル
ム1a,5a,5bが樹脂フィルム等の場合には、熱融
着によりシールしてもよい。また、使用温度によって
は、熱等により硬化する接着剤や樹脂を用いてもよい。
【0038】また、上記コンテナ1,5の一端部または
両端部の外側には、予め、放熱ゴムを設けたり、粘着剤
をコーティングしたりしてもよい。これにより、電子機
器を組み立てる際には、シート状ヒートパイプの端部を
CPUや放熱板に貼り付けるだけで簡単に接続すること
ができる。そして、上記各実施の形態のシート状ヒート
パイプは、平面状であるため、CPU(発熱部)や放熱
板(放熱部)との接触面の凹凸が小さく、密着性が高
い。このため、上記放熱ゴムは薄肉化でき、粘着剤は薄
くコーティングできる。また、粘着剤を薄くコーティン
グすると、伝熱ロスを小さくすることができる。
【0039】さらに、上記コンテナ1,5の一端部に、
放熱ゴムまたは粘着剤を介して放熱板を装着し、コンテ
ナ1,5と放熱板とを一体化してもよい。これにより、
部品点数の減少による薄型化、軽量化および組み立て工
程の簡素化を図ることができる。
【0040】また、スペーサー2をシート状ヒートパイ
プの形状(L字形状)に合わせ、コンテナ1,5の内部
に配設したが、これに限定されるものではなく、一部の
スペーサーを柱状のものとし、コンテナ1,5の内部に
点在させる等してもよい。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明のシート状ヒート
パイプは、コンテナがフィルム製シート状であるため、
平面方向に適宜に曲げられた形状に簡単に設計すること
ができ、形状の自由度が高いものとなっている。さら
に、コンテナの潰れ防止用のスペーサーが上記コンテナ
の曲げ形状に合わせて配設されているため、コンテナの
内部の蒸気流路の潰れを防止でき、確実に蒸気流路を確
保できる。また、上記スペーサーの内部およびその外周
部の少なくとも一方が作動液の還流路に形成されている
ため、還流路の断面積を大きくすることができ、作動液
の還流量を増加させることができる。したがって、本発
明のシート状ヒートパイプは、従来の膨管によるヒート
パイプよりも、性能が高い(熱伝導量が多い)ものとな
っている。
【0042】また、本発明のシート状ヒートパイプの製
法は、1枚のフィルムの上にスペーサーを平面方向に曲
げた形状に配設し、他の1枚のフィルムを上記スペーサ
ーの上から重ね合わせ上記曲げ形状に沿ってシールして
いる。このため、シート状ヒートパイプを平面方向に適
宜に曲げられた形状に簡単に設計することができる。さ
らに、シート状ヒートパイプの内部の蒸気流路および還
流路の断面積を大きくすることができるため、作動液の
還流量を増加させることができ、性能が高い(熱伝導量
が多い)シート状ヒートパイプを作製することができ
る。
【0043】また、本発明の他のシート状ヒートパイプ
の製法は、1枚のフィルムの一部分にスペーサーを平面
方向に曲げた形状に配設し、上記フィルムを折り曲げる
ことにより上記フィルムの他の部分を上記スペーサーの
上から重ね合わせ上記曲げ形状に沿ってシールしてい
る。このような製法によっても、上記シート状ヒートパ
イプの製法と同様の作用・効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状ヒートパイプの一実施の形態
を示す平面図である。
【図2】上記シート状ヒートパイプを示す図1のA−A
断面図である。
【図3】上記シート状ヒートパイプの製法を示す説明図
である。
【図4】上記製法を示す図3のB−B断面図である。
【図5】上記製法を示す説明図である。
【図6】本発明のシート状ヒートパイプの他の実施の形
態を示す平面図である。
【図7】上記シート状ヒートパイプを示す図6のC−C
断面図である。
【図8】上記シート状ヒートパイプの製法を示す説明図
である。
【図9】上記製法を示す図8のD−D断面図である。
【図10】上記シート状ヒートパイプの製法を示す説明
図である。
【図11】上記製法を示す図10のE−E断面図であ
る。
【図12】本発明のシート状ヒートパイプのさらに他の
実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 コンテナ 1a フィルム 2 スペーサー 4 蒸気流路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面方向に曲げられた減圧封止のフィル
    ム製シート状コンテナ内に、そのコンテナの潰れ防止用
    のスペーサーがそのコンテナの曲げ形状に合わせて配設
    され、上記スペーサーの外周に沿う上記コンテナ内の部
    分が蒸気流路に形成されているとともに、上記スペーサ
    ーの内部およびその外周部の少なくとも一方が作動液の
    還流路に形成されていることを特徴とするシート状ヒー
    トパイプ。
  2. 【請求項2】 スペーサーが複数用いられ、これらスペ
    ーサーが所定間隔で配設され、上記スペーサーとスペー
    サーとの間隙が蒸気流路に形成されている請求項1記載
    のシート状ヒートパイプ。
  3. 【請求項3】 フィルム製シート状コンテナが、金属
    箔、金属箔と樹脂の複合フィルム、金属箔とゴムの複合
    フィルム、金属箔と高伝熱性フィルムの複合フィルム、
    無機フィラーあるいは金属粉を充填した樹脂フィルム、
    および無機フィラーあるいは金属粉を充填したゴムから
    なる群から選ばれた少なくとも一種を用いて形成された
    ものである請求項1または2記載のシート状ヒートパイ
    プ。
  4. 【請求項4】 フィルム製シート状コンテナの一端部ま
    たは両端部の外側に放熱ゴムまたは粘着剤が備えられて
    いる請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート状ヒー
    トパイプ。
  5. 【請求項5】 フィルム製シート状コンテナの一端部ま
    たは両端部の外側に放熱ゴムまたは粘着剤が備えられ、
    上記フィルム製シート状コンテナの一端部に上記放熱ゴ
    ムまたは粘着剤を介して放熱部材が装着されている請求
    項1〜3のいずれか一項に記載のシート状ヒートパイ
    プ。
  6. 【請求項6】 フィルム製シート状コンテナの周縁部
    に、このコンテナを形成する上記フィルムが、上記コン
    テナと一体に延設されている請求項1〜3のいずれか一
    項に記載のシート状ヒートパイプ。
  7. 【請求項7】 2枚のフィルムを準備する工程と、その
    うちの1枚のフィルムの上にスペーサーを平面方向に曲
    げた形状に配設する工程と、他の1枚のフィルムを上記
    スペーサーの上から重ね合わせ上記曲げ形状に沿ってシ
    ールすることにより袋体を形成する工程と、その袋体の
    内部に作動液を注入したのち減圧封止する工程とを備え
    ていることを特徴とするシート状ヒートパイプの製法。
  8. 【請求項8】 1枚のフィルムを準備する工程と、その
    フィルムの一部分にスペーサーを平面方向に曲げた形状
    に配設する工程と、上記スペーサーを折り曲げることに
    より上記フィルムの他の部分を上記スペーサーの上から
    重ね合わせ上記曲げ形状に沿ってシールすることにより
    袋体を形成する工程と、その袋体の内部に作動液を注入
    したのち減圧封止する工程とを備えていることを特徴と
    するシート状ヒートパイプの製法。
  9. 【請求項9】 スペーサーの配設に先立ってフィルムを
    絞り加工することにより曲げ形状の凹所を形成し、この
    凹所の底面にスペーサーを凹所の曲げ形状に合わせて配
    設するようにした請求項7または8記載のシート状ヒー
    トパイプの製法。
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