JP2002205956A - 高密度リポタンパク−コレステロール上昇剤 - Google Patents

高密度リポタンパク−コレステロール上昇剤

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JP2002205956A JP2001344074A JP2001344074A JP2002205956A JP 2002205956 A JP2002205956 A JP 2002205956A JP 2001344074 A JP2001344074 A JP 2001344074A JP 2001344074 A JP2001344074 A JP 2001344074A JP 2002205956 A JP2002205956 A JP 2002205956A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度リポタンパク(HDL)−コレステロー
ル上昇作用を有する、新規医薬を提供する。 【解決手段】スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合
物を含有してなる高密度リポタンパク(HDL)−コレ
ステロール上昇剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクアレン合成酵
素阻害作用を有する化合物を含有してなる高密度リポタ
ンパク(HDL)−コレステロール上昇剤に関する。ま
た、本発明は、スクアレン合成酵素阻害作用を有する化
合物を含有してなる家族性高コレステロール血症予防・
治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】血清脂質濃度の異常増加を高脂質血症
(hyperlipidemia)または高脂血症(hyperlipemia)と
呼ぶ。血清脂質にはコレステロール(コレステロールエ
ステル,遊離コレステロール)、リン脂質(レシチン,
スフィンゴミエリンなど)、トリグリセライド(中性脂
肪)、遊離脂肪酸、その他のステロール類などがある
が、とくに臨床的に問題となるのは、コレステロール,
トリグリセライドの増加である(COMMON DISEASE SERIE
S No.19 高脂血症 中村治雄編集 1991年10月10日発行南
江堂)。高コレステロール血症が、高血圧、喫煙ととも
に心筋梗塞、狭心症、脳梗塞等の動脈硬化性疾患の三大
危険因子であることは、数多くの疫学調査によって明ら
かにされている。従って、血中コレステロール値の適切
なコントロールは、虚血性心疾患をはじめとする動脈硬
化性疾患の予防または治療に極めて重要である。血中コ
レステロール値を低下させる薬剤としては、コレスチラ
ミン(Cholestyramine)、コレスチポール(Colestipo
l)等の胆汁酸を捕捉してその吸収を阻害するもの(例
えば米国特許第4027009号に開示)、メリナミド
(Melinamide)(英国特許第1123004号に開示)
等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル転移酵
素(ACAT)を阻害してコレステロールの腸管吸収を
抑制するもの、さらに最近では3―ヒドロキシ−3―メ
チルグルタリルコエンザイムA(HMG―CoA)還元
酵素を阻害するロバスタチン(Lovastatin)(米国特許
第4231938号に開示)、シンバスタチン(Simvas
tatin)(米国特許第4231938号に開示)、(米
国特許第4444784号に開示)、プラバスタチン
(Pravastatin)(米国特許第4346227号に開
示)等のコレステロールの生合成を抑制する薬剤が注目
されている。しかし、HMG−CoA還元酵素を阻害す
るとコレステロールの生合成以外に、ユビキノン、ドリ
コールやヘムAのような、その他の生体に必要な成分の
生合成も阻害されるため、それらに起因する副作用が懸
念される等十分に満足できる薬剤ではない。
【0003】ユビキノン、ドリコール、ヘムA等は、コ
レステロール生合成経路上のファルネシルピロリン酸か
ら生合成されることが知られており、従ってこれらの欠
損による副作用をなくするためには、コレステロール生
合成経路において、ファルネシルピロリン酸以降の酵素
系を阻害することが望ましい。例えば、2,3−オキシ
ドスクアレンシクラーゼ(EC 5.4.99.7)
は、2,3−オキシドスクアレンをラノステロールに変
換する酵素であり、2,3−オキシドスクアレンシクラ
ーゼの阻害は、コレステロールへの変換に利用されるラ
ノステロールの生成を阻害することによりコレステロー
ル合成量を減らす結果となり、最終的に血中コレステロ
ールの低下をもたらす。更に、2,3−オキシドスクア
レンシクラーゼを阻害した結果蓄積する2,3−オキシ
ドスクアレンは、ジオキシドスクアレンを経てオキシス
テロールに代謝変換され、このオキシステロールはHM
G−CoA還元酵素のレプレッサーであることが知られ
ている〔エフ・アール・テイラー(F. R. Taylor)ら,
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.
Biol. Chem.),1986年,第261巻(32),第
15039頁から第15044頁〕。従って、2,3−
オキシドスクアレンシクラーゼ阻害薬はコレステロール
生合成経路におけるファルネシルピロリン酸以降の一酵
素を阻害するだけでなく、HMG−CoA還元酵素を転
写レベルで抑制することによる相乗効果により、 コレス
テロール生合成を強力に阻害することができる。2,3
−オキシドスクアレンシクラ−ゼ阻害薬としては、ジフ
ェニル誘導体〔欧州特許第464465号に開示〕、ア
ミノアルコキシベンゼン誘導体〔欧州特許第41035
9号に開示〕およびピペリジン誘導体〔ディー・エス・
ドッド(D. S. Dodd)ら,ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー(J. Org. Chem.),1992年,
第57巻,第2794頁から第2803頁および第72
26頁から第7234頁および特開平4−234362
に記載〕、デカリン誘導体、アザデカリン誘導体および
インダン誘導体〔WO 80/08450; ジャーナル・オブ・バ
イオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Chem.),19
81年,第254巻,第11258頁から第11263
頁; エヌ・ガースト(N. Gerst)ら,バイオケミカル・
ファーマコロジー(Biochem Pharmacology),1988
年,第37巻,第1955頁から第1964頁;エム・
ダブリュウ・ワンナメイカー(M. W. Wannamaker),ジ
ャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J. Me
d. Chem.),1992年,第35巻,第3581頁から
第3583頁;特開平5−140112および特開昭6
4−3144に記載〕、2−アザ−2,3−ジヒドロス
クアレンおよび2,3−エピミノスクアレン〔エイ・ド
ゥリアッチ(A. Duriatti)ら,バイオケミカル・ファ
ーマコロジー(Biochem. Pharmacology),1985
年,第34巻,第2765頁から第2777頁に記
載〕、スクアレノイドエポキシドビニルエーテル〔エム
・セルチ(M. Ceruti)ら,ジャーナル・オブ・ザ・ケ
ミカル・ソサイエティー・パーキン・トランスアクショ
ン 1(J. Chem. Soc. Perkin. Trans,1),1988
年,第461頁から第469頁に記載〕、 29−メチリ
デン−2,3−オキシドスクアレン〔ジャーナル・オブ
・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J. Amer. C
hem. Soc.),1991年,第113巻,第9673頁
から第9674頁に記載〕、 アザシクロアルカン誘導体
〔特開平6−192256に開示〕およびアリールシク
ロアルキルアミン誘導体〔特開平6−211763〕等
が報告されている。コレステロール生合成を阻害する化
合物はいくつかの症候群の治療に有用である。特に、高
コレステロール血症および高脂血症が挙げられ、これら
はアテローム性動脈硬化血管病変およびそれらの続発
症、例えば、冠動脈疾患(CHD)、脳虚血、間欠性跛
行、壊疽等の発症におけるリスク因子である。アテロー
ム性動脈硬化は血管内膜におけるマクロファージや血管
平滑筋細胞の増殖とそれらの細胞へのコレステロール蓄
積といった血管病変が主である。アテローム性動脈硬化
の発症に高コレステロール血症、特に低密度リポタンパ
ク(LDL)−コレステロールの高値が重大なリスク因
子であることは一般に認められている。疫学的研究から
心臓病の発症頻度が血中コレステロール低下により減少
し得ることが明らかになった(Lipidology 2(4),234,19
91 参照)ことから、これまでは、血中脂質低下剤によ
りアテローム性動脈硬化性血管病変を抑制しようとして
きた。しかしながら、血中脂質低下剤はあくまでも予防
的であり、治療を目指したものではない。肝低密度リポ
タンパク(LDL)受容体は、コレステロール恒常性に
主要な役割を果たしている。特にLDL受容体遺伝子の異
常に基づく遺伝病である家族性高コレステロール血症は
最も高頻度で認められる遺伝疾患の一つであり、高LDL
コレステロール血症、黄色種および若年性粥状動脈硬化
の成因となる。LDLの形態で循環しているコレステロ
ールは、非常に特異的なLDL受容体により血漿から除
去され、受容体仲介細胞内取込みにより細胞内に取込ま
れる。細胞内に取込まれると、LDL粒子はリソソーム
で分解され、それによりコレステロールが遊離され、遊
離コレステロールの細胞内濃度を高める。増加した遊離
コレステロール濃度は肝細胞に信号を送ってコレステロ
ール生合成経路中のキー酵素の遺伝子の転写速度を低下
させ、新規コレステロール合成の低下を生ずる。また、
LDL受容体 mRNAおよびタンパク質は細胞内に増加
したコレステロールによリダウンレギュレートされ、増
加したLDLコレステロールを血漿から除去する肝臓の
能力が低下する。従って、LDL受容体を独立にアップ
レギュレートする機構は血漿コレステロール濃度を一層
大きく低下させると予想され、LDL受容体をアップレ
ギュレートするような薬剤は、新たな血中脂質低下剤と
なり得る可能性がある。また、トリグリセライド低下剤
としては、フィブリン酸系化合物、例えば、クロフィブ
ラート(英国特許第860303号),フェノフィブラ
ート(ドイツ特許第2250327号)などが医薬に供
されている。また、高密度リポタンパク(HDL)−コ
レステロールが、心臓病の発症頻度を抑制することも疫
学的に知られており、またその理由として、HDLが泡
沫化細胞からコレステロールを引き抜くことが認められ
ていた。一方、スクアレン合成酵素を阻害することによ
るコレテロールの生合成阻害作用を有する化合物として
は、例えば、スクアレスタチン類(例えば、米国特許第5
506262号、米国特許第5430055号、米国特許第5409950
号、米国特許第5369125号、特開平7-173166号、特開平9
-124655号、特開平9-227566号 Annual Review ofMicrob
iology, Vol.49, 607-639頁, 1995年、Journal of Medi
cinal Chemistry,Vol.38, 3502-3513頁, 1995年、Journ
al of Medicinal Chemistry, Vol.39, 207-216頁, 1996
年、Journal of Medicinal Chemistry, Vol.39, 1413-1
422頁, 1996年など)、基質アナローグのリン酸化合物お
よびカルボン酸化合物(例えば、米国特許第5374628号、
米国特許第5441946号、米国特許第5428028号、特開平7-
041554号、WO9504025号、Journal of Medicinal Chemis
try, Vol.38, 2596-2605頁,1995年、Arzniemittel-Fors
chung Drug Research, Vol.46, 759-762頁, 1996年、Jo
urnal of Medicinal Chemistry, Vol.31, 1869-1871頁,
1988年、Journal of Medicinal Chemistry, Vol.39, 6
57-660頁, 1996年、Journal of Medicinal Chemistry,
Vol.39, 661-664頁, 1996年など)、カルボン酸誘導体
(例えば、WO9740006号、WO9633159号、WO9521834号、WO
9748701号、欧州特許第645377号、欧州特許第645378
号、欧州特許第814080号、欧州特許第790235号、特開平
7-173120号、特開平10-316634号、特開平10-298134号、
特開平10-298177号、特開平10-316617号、特開平9-1368
80号、WO2000-00458号、WO98-29380号、Bioorganic Med
icinal Chemistry Letters, Vol.5, 1989-1994頁, 1995
年、Bioorganic Medicinal Chemistry Letters, Vol.6,
463-466頁, 1996年、Journal of Medicinal Chemistr
y, Vol.40, 2123-2125頁, 1997年など)、キヌクリジン
誘導体などのアミン系化合物(例えば、米国特許第53859
12号, 米国特許第5494918号, 米国特許第5395846号, 米
国特許第5451596号、特開平8-134067号、特開平2000-16
9474号、特開平10-152453号、特開平2000-502716号、WO
9403541号、WO 9405660号、WO9535295号、WO9626938
号、WO9531458号、WO9500146号、WO9725043号、WO98121
70号など)などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スクア
レン合成酵素阻害作用を有する化合物が、高密度リポタ
ンパク(HDL)−コレステロールの血中含有量に関与
し、特に血漿中の含有量を上昇させるとの報告はなく、
また、高脂血症予防・治療作用あるいは家族性高コレス
テロール血症予防・治療作用等において十分に満足でき
る効果を有する新規な薬剤の開発が待たれているのが現
状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スクアレ
ン合成酵素阻害作用を有する化合物が、高密度リポタン
パク(HDL)−コレステロール上昇剤として有用であ
ることを初めて見い出すと共に、さらに高脂血症予防・
治療作用、家族性高コレステロール血症予防・治療作用
等を有する医薬品として臨床的に十分に有用であること
を見い出して、本研究を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は (1)スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物また
はその塩、またはそのプロドラッグを含有してなる高密
度リポタンパク−コレステロール上昇剤; (2)原発性低高密度リポタンパク−コレステロール血
症予防・治療剤である前記(1)記載の剤; (3)タンジェール病予防・治療剤である前記(1)記
載の剤; (4)スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物が、
【化11】 〔式中、Rは水素または置換されていてもよい炭化水
素基を、RおよびRは同一または異なって水素,置
換されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていて
もよい複素環基を、X'はエステル化されていてもよい
カルボキシル基,置換されていてもよいカルバモイル
基,置換されていてもよい水酸基,置換されていてもよ
いアミノ基あるいは脱プロトン化しうる水素原子を有す
る置換されていてもよい複素環残基から構成される置換
基を、環Aは置換されていてもよいベンゼン環または置
換されていてもよい複素環を、環J'は環構成原子とし
て3個以下のヘテロ原子を含有する7または8員の複素
環を、環J'はR,R,R およびX'以外にさらに
置換基を有していてもよい〕で表わされる化合物または
その塩である前記(1)記載の剤; (5)Rが置換されていてもよい脂肪族非環状炭化水
素基である前記(4)記載の剤; (6)脂肪族非環状炭化水素基が分枝状アルキル基であ
る前記(5)記載の剤; (7)RまたはRが置換されていてもよいフェニル
基である前記(4)記載の剤; (8)X'がエステル化されていてもよいカルボキシル
基で置換されているアルキル基である前記(4)記載の
剤; (9)X'が脱プロトン化しうる水素原子を有する置換
されていてもよい複素環残基で置換されているアルキル
基である前記(4)記載の剤; (10)複素環残基が
【化12】 である前記(9)記載の剤; (11)X’が置換されていてもよいカルバモイル基で
置換されたアルキル基である前記(4)記載の剤; (12)置換されていてもよいカルバモイル基が置換さ
れていてもよい環状アミノカルボニル基である前記(1
1)記載の剤; (13)アルキル基が直鎖状の炭素数1ないし4のアル
キル基である前記(8)、(9)または(11)記載の
剤; (14)環Aで示される複素環が
【化13】 である前記(4)記載の剤; (15)環J'の置換基がオキソまたはチオキソである
前記(4)記載の剤; (16)環Aと環J'とからなる縮合環が
【化14】 である前記(4)記載の剤; (17)RおよびRがそれぞれ、水素原子,置換さ
れていてもよいアルキル基,置換されていてもよいフェ
ニル基または置換されていてもよい芳香族複素環基であ
る前記(4)記載の剤; (18)式
【化15】 〔式中、Rは水素または置換されていてもよい炭化水
素基を、RおよびRは同一または異なって水素,置
換されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていて
もよい複素環基を、Xは結合手または2価の原子鎖
を、Yはエステル化されていてもよいカルボキシル基,
置換されていてもよいカルバモイル基,置換されていて
もよい水酸基,置換されていてもよいアミノ基またはプ
ロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい
複素環残基を、環Bは置換されていてもよいベンゼン環
を示す〕で表わされる化合物またはその塩、またはその
プロドラッグを含有してなる前記(1)記載の剤; (19)Rが置換されていてもよい脂肪族非環状炭化
水素基である前記(18)記載の剤; (20)脂肪族非環状炭化水素基が分枝状アルキル基で
ある前記(19)記載の剤; (21)RまたはRが置換されていてもよいフェニ
ル基である前記(18)記載の剤; (22)Xが直鎖状または分枝状のアルキレンである
前記(18)記載の剤; (23)Xが直鎖状の炭素数1ないし4のアルキレン
である前記(18)記載の剤; (24)Yがエステル化されていてもよいカルボキシル
基である前記(18)記載の剤; (25)Yが置換されていてもよいカルバモイル基であ
る前記(18)記載の剤; (26)Yが脱プロトン化しうる水素原子を有する置換
されていてもよい複素環残基である前記(18)記載の
剤; (27)複素環残基が
【化16】 である前記(26)記載の剤; (28)式
【化17】 〔式中、Rは置換されていてもよい水酸基で置換され
ていてもよい低級アルキル基を、Xは置換されていて
もよいカルバモイル基または脱プロトン化しうる水素原
子を有する置換されていてもよい複素環基を、R1b
低級アルキル基を、Wはハロゲン原子を示す。〕で表わ
される化合物またはその塩、またはそのプロドラッグを
含有してなる前記(1)記載の剤; (29)Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニル
オキシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイル
オキシ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび2−アミ
ノプロピオニルオキシから選ばれた1ないし3個の置換
基を有していてもよいC1−6アルキルである前記(2
8)記載の剤; (30)R1bがメチルである前記(28)記載の剤; (31)Wが塩素原子である前記(28)記載の剤; (32)Xが式
【化18】 〔式中、R2bおよびR3bはそれぞれ水素原子、置換さ
れていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素
環基またはアシル基であるか、あるいはR2bおよびR
3bは隣接する窒素原子と一緒になって、窒素原子、硫
黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ない
し3個環構成原子として含んでいてもよい置換されてい
てもよい5または6員含窒素複素環を形成していてもよ
い〕で表される基である前記(28)記載の剤; (33)Xが式
【化19】 〔式中、R"は水素原子またはC1−4アルキルを示
す〕で表される基である前記(28)記載の剤; (34)式
【化20】 〔式中、R1cは置換基を有していてもよい1−カルボ
キシエチル基、置換基を有していてもよいカルボキシ−
3−6直鎖アルキル基、置換基を有していてもよいC
3−6直鎖アルキル−スルホニル基、置換基を有してい
てもよい(カルボキシ−C5−7シクロアルキル)−C
1−3アルキル基、または 式 −X−X −Ar−X
−X−COOH(式中、XおよびXはそれぞれ
結合手または置換基を有していてもよいC1−4アルキ
レン基を示し、XおよびXはそれぞれ結合手、−O
−または−S−を示し、Arは置換基を有していてもよ
い2価の芳香環基を示す。但し、Xが結合手のとき、
は結合手を示し、Xが結合手のとき、Xは結合
手を示す)で表される基を示し、R2cはアルカノイル
オキシ基および/または水酸基で置換されていてもよい
3−6アルキル基を示し、R3cは低級アルキル基を
示し、Wはハロゲン原子を示す〕で表される化合物また
はその塩、またはそのプロドラッグを含有してなる前記
(1)記載の剤; (35)R1cが3−カルボキシプロピル基、1−カル
ボキシエチル基、それぞれ置換基を有していてもよいC
3−6直鎖アルキル−スルホニル基、(カルボキシ−C
5−7シクロアルキル)−C1−3アルキル基、(カル
ボキシフリル)−アルキル基、カルボキシ−C6−10
アリール基、(カルボキシ−C2−3アルキル)−C
6−10アリール基または(カルボキシ−C1−3アル
キル)−C −14アラルキル基である前記(34)記
載の剤; (36)R1cが置換基を有していてもよい(カルボキ
シ−C1−4アルキル)−C6−10アリール基である
前記(34)記載の剤; (37)R2cがアルカノイルオキシ基および/または
水酸基を有するC3−6アルキル基である前記(34)
記載の剤; (38)R2cが水酸基、アセトキシ、プロピオニルオ
キシ、t−ブトキシカルボニルオキシおよびパルミトイ
ルオキシから選ばれた1ないし3個の置換基を有してい
てもよいC3−6アルキル基である前記(34)記載の
剤; (39)R3cがメチル基である前記(34)記載の
剤; (40)Wが塩素原子である前記(34)記載の剤; (41)3位がR−配位で5位がS−配位である前記
(34)記載の剤; (42) N−プロパンスルホニル−[(3R,5S)
−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセトアミド、(2
R)−2−〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(2,2−ジメ
チルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセ
チル〕アミノプロピオン酸、3-〔3-〔〔(3R,5S)-
7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1-(2,2-
ジメチルプロピル)−2−オキソ-1,2,3,5-テト
ラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチ
ル〕アミノフェニル〕プロピオン酸、4-〔〔(3R,5
S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1-
(2,2−ジメチルプロピル)-2-オキソ-1,2,3,5
-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル〕ア
セチル〕アミノブタン酸、トランス−4−〔〔(3R,
5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロ
ピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕ア
ミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸、トランス
−4−〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3
−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,
2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル〕アセチル〕アミノメチル−1−シクロヘキサンカル
ボン酸、3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−1−(3−
アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ
−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサ
ゼピン−3−イル〕アセチル〕アミノ〕−4−フルオロ
フェニル〕プロピオン酸、3−〔3−〔〔〔(3R,5
S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピ
ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕ア
ミノ〕−4−メチルフェニル〕プロピオン酸、3−〔3
−〔〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,
2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−
ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル〕アセチル〕アミノ〕−4−メチルフェニル〕プロピ
オン酸、3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−7−クロロ
−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒ
ドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサ
ゼピン−3−イル〕アセチル〕アミノメチル〕フェニ
ル〕プロピオン酸、3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−
1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕アミノメチ
ル〕フェニル〕プロピオン酸、3-〔3-〔〔〔(3R,5
S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1-(3
-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-オキソ-1,
2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-
イル〕アセチル〕アミノ〕-4-メトキシフェニル〕プロ
ピオン酸、2−〔2−〔〔〔(3R,5S)−7−クロ
ロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−
ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ
−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−イル〕アセチル〕アミノ〕エチル〕フラ
ン−3−カルボン酸、3−〔3−〔〔〔(3R,5S)
−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾオキサゼン−3−イル〕アセチル〕アミノ〕−4
−フルオロフェニル〕プロピオン酸、3-〔3-〔〔(3R,
5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1-
(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-オキソ-
1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-
3-イル〕アセチル〕 アミノフェニル〕プロピオン酸、
N−メタンスルホニル−[(3R,5S)−7−クロロ
−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒ
ドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル]アセトアミド、N−メタンスルホニル−
[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキ
シフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシ
メチル−2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3
−イル]アセトアミド、N−〔2−(ピロリジン−1−
イル)エチル〕−[(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキ
シ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾ
オキサゼピン−3−イル]アセトアミド、N−〔2−
(ピロリジン−1−イル)エチル〕−[(3R,5S)
−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベン
ゾオキサゼピン−3−イル]アセトアミド、N−メタン
スルホニル−[(3R,5S)−1−〔3−アセトキシ
−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,
3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]アセトアミド、N−メタンスルホニル−[(3R,
5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル
−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−
ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テ
トラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]
アセトアミド、N−〔〔(3R,5S)−1−(3−ア
セトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−
5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン
−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢酸、N−
〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセ
トキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5
−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン
−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢酸、N−
〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジ
メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメト
キシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒ
ドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチ
ル〕ピペリジン−4−酢酸 エチルエステル、N−
〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2−アセ
トキシメチル−2−メチルプロピル)−7−クロロ−5
−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン
−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチル
エステル、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−
ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2
−ジメチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−
3−〔1H(または3H)−テトラゾール−5−イル〕
メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン、(3
R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェ
ニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル
−2−メチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ
−3−〔1H(または3H)−テトラゾール−5−イ
ル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン、
(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメ
チルプロピル−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシ
フェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H
(または3H)−テトラゾール−5−イル〕メチル−
4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン、(3R,5S)
−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−
メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメト
キシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−
〔1H(または3H)−テトラゾール−5−イル〕メチ
ル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン、N−〔2
−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−[(3R,5
S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]アセトアミド、(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンズオキサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−
クロロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−ネ
オペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒド
ロ−4,1−ベンズオキサゼピン−3−酢酸、(3R,
5S)−7−クロロ−5−(4−エトキシ−2−メトキ
シフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンズオキサゼピ
ン−3−酢酸、4-〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-
5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-
2,2-ジメチルプロピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テト
ラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチ
ル〕アミノ〕-4-メトキシフェニル〕ブタン酸、5-
〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメト
キシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロ
ピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベ
ンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノ〕-4-メ
トキシフェニル〕ペンタン酸、5-〔3-〔〔〔(3R,5
S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1-(3
-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-オキソ-1,
2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-
イル〕アセチル〕アミノ〕-4-フルオロフェニル〕ペン
タン酸またはその薬理学的に許容し得る塩、またはその
プロドラッグを含有してなる前記(1)記載の剤; (43)スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物ま
たはその塩、またはそのプロドラッグを含有してなる家
族性高コレステロール血症予防・治療剤; (44)スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物ま
たはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動
物に投与することを特徴とする哺乳動物における高密度
リポタンパク−コレステロール上昇方法; (45)スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物ま
たはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動
物に投与することを特徴とする哺乳動物における原発性
低高密度リポタンパク−コレステロール血症の予防・治
療方法; (46)スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物ま
たはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動
物に投与することを特徴とする哺乳動物におけるタンジ
ェール病の予防・治療方法; (47)スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物ま
たはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動
物に投与することを特徴とする哺乳動物における家族性
高コレステロール血症の予防・治療方法; (48)スクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物ま
たはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動
物に投与することにより、哺乳動物における高密度リポ
タンパク−コレステロールを上昇させることを特徴とす
る高脂血症または動脈硬化の予防・治療方法; (49)高密度リポタンパク−コレステロール上昇のた
めの医薬の製造のためのスクアレン合成酵素阻害作用を
有する化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの
使用; (50)原発性低高密度リポタンパク−コレステロール
血症予防・治療のための医薬の製造のためのスクアレン
合成酵素阻害作用を有する化合物またはその塩、または
そのプロドラッグの使用; (51)タンジェール病予防・治療のための医薬の製造
のためのスクアレン合成酵素阻害作用を有する化合物ま
たはその塩、またはそのプロドラッグの使用; (52)家族性高コレステロール血症予防・治療のため
の医薬の製造のためのスクアレン合成酵素阻害作用を有
する化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの使
用;などに関する。
【0007】本発明で用いられる「スクアレン合成酵素
阻害作用を有する化合物」としては、スクアレン合成酵
素阻害作用を有するものであれば何れでもよく、例え
ば、スクアレスタチン類(例えば、米国特許第5506262
号、米国特許第5430055号、米国特許第5409950号、米国
特許第5369125号、特開平7-173166号、特開平9-124655
号、特開平9-227566号 Annual Review of Microbiolog
y, Vol.49, 607-639頁, 1995年、Journal of Medicinal
Chemistry, Vol.38, 3502-3513頁, 1995年、Journal o
f Medicinal Chemistry, Vol.39, 207-216頁, 1996年、
Journal of Medicinal Chemistry, Vol.39, 1413-1422
頁, 1996年など)、基質アナローグのリン酸化合物およ
びカルボン酸化合物(例えば、米国特許第5374628号、米
国特許第5441946号、米国特許第5428028号、特開平7-04
1554号、WO9504025号、Journal of Medicinal Chemistr
y, Vol.38, 2596-2605頁, 1995年、Arzniemittel-Forsc
hung Drug Research, Vol.46, 759-762頁, 1996年、Jou
rnal of Medicinal Chemistry, Vol.31, 1869-1871頁,
1988年、Journal of Medicinal Chemistry, Vol.39, 65
7-660頁, 1996年、Journal of Medicinal Chemistry, V
ol.39, 661-664頁, 1996年など)、カルボン酸誘導体(例
えば、WO9740006号、WO9633159号、WO9521834号、WO974
8701号、欧州特許第645377号、欧州特許第645378号、欧
州特許第814080号、欧州特許第790235号、特開平7-1731
20号、特開平10-316634号、特開平10-298134号、特開平
10-298177号、特開平10-316617号、特開平9-136880号、
特開2001-187777、WO2000-00458号、WO98-29380号、Bio
organic Medicinal Chemistry Letters, Vol.5, 1989-1
994頁, 1995年、Bioorganic Medicinal Chemistry Lett
ers, Vol.6, 463-466頁, 1996年、Journal of Medicina
l Chemistry, Vol.40, 2123-2125頁, 1997年など)、キ
ヌクリジン誘導体などのアミン系化合物(例えば、米国
特許第5385912号, 米国特許第5494918号, 米国特許第53
95846号, 米国特許第5451596号、特開平8-134067号、特
開平2000-169474号、特開平10-152453号、特開平2000-5
02716号、WO9403541号、WO 9405660号、WO9535295号、W
O9626938号、WO9531458号、WO9500146号、WO9725043
号、WO9812170号など)など、特願2000−19025
3号(PCT/JP01/05347)明細書、米国特
許第6207644号等に開示の化合物などが挙げられるが、
なかでも、式
【化21】 〔式中、Rは水素または置換されていてもよい炭化水
素基を、RおよびRは同一または異なって水素,置
換されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていて
もよい複素環基を、X'はエステル化されていてもよい
カルボキシル基,置換されていてもよいカルバモイル
基,置換されていてもよい水酸基,置換されていてもよ
いアミノ基あるいは脱プロトン化しうる水素原子を有す
る置換されていてもよい複素環残基から構成される置換
基を、環Aは置換されていてもよいベンゼン環または置
換されていてもよい複素環を、環J'は環構成原子とし
て3個以下のヘテロ原子を含有する7ないし8員の複素
環を、環J'はR,R,R およびX'以外にさらに
置換基を有していてもよい〕で表わされる化合物;ある
いは、式
【化22】 〔式中、Rは水素または置換されていてもよい炭化水
素基を、RおよびRは同一または異なって水素,置
換されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていて
もよい複素環基を、Xは結合手または2価の原子鎖
を、Yはエステル化されていてもよいカルボキシル基,
置換されていてもよいカルバモイル基,置換されていて
もよい水酸基,置換されていてもよいアミノ基またはプ
ロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい
複素環残基を、環Bは置換されていてもよいベンゼン環
を示す〕で表わされる化合物;などが好ましく用いられ
る。他のスクアレン合成酵素阻害薬としては、A-104109
(アボットラボラトリーズ), F-10863-A(三共製薬), ER-
28448、ER-27856(ER-28448 prodrug)とキヌクリジン誘
導体〔quinuclidine derivatives〕(エーザイ), RPR-10
7393(ローヌプーランローラー), チアジアゾール誘導体
〔thiadiazole derivatives〕(ノボノルディスク),イ
ソプロピルアミン誘導体〔isopropylamine derivative
s〕(山之内製薬), イソキヌクリジン誘導体〔isoquinuc
lidine derivatives〕(寿製薬), マロン酸誘導体〔malo
nic acid derivatives〕ジオキソラン誘導体〔dioxolan
e derivatives〕(日本化薬),プロピオニル誘導体〔prop
ionyl derivatives〕(第一製薬)などが挙げられ、これ
らのスクアレン合成酵素阻害薬も本発明の剤として用い
ることもできる。本発明で用いられる「スクアレン合成
酵素阻害作用を有する化合物」は、塩、プロドラッグな
どの形態で用いることもできる。本発明の「スクアレン
合成酵素阻害作用を有する化合物」の塩としては、医薬
品として許容される塩ないし生理学的に許容される酸付
加塩が好ましい。このような塩としては、例えば無機酸
(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)ある
いは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸など)などが用いられる。さらに本発明の「ス
クアレン合成酵素阻害作用を有する化合物」がカルボン
酸などの酸性基を有している場合、「スクアレン合成酵
素阻害作用を有する化合物」は、例えば無機塩基(例え
ば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム
などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、またはア
ンモニアなど)あるいは有機塩基(例えば、トリエチル
アミンなどのトリ−C1−3アルキルアミンなど)と塩
を形成していてもよい。本発明のスクアレン合成酵素阻
害作用を有する化合物またはその塩〔以下、SSI化合
物と称することがある〕のプロドラッグは、生体内にお
ける生理条件下で酵素や胃酸等による反応によりSSI
化合物に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還
元、加水分解等を起こしてSSI化合物に変化する化合
物、胃酸等により加水分解などを起こしてSSI化合物
に変化する化合物をいう。SSI化合物のプロドラッグ
としては、SSI化合物のアミノ基がアシル化、アルキ
ル化、りん酸化された化合物(例えば、SSI化合物の
アミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルア
ミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3
−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テ
トラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイ
ルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物な
ど)、SSI化合物の水酸基がアシル化、アルキル化、
りん酸化、ほう酸化された化合物(例えば、SSI化合
物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイ
ル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラ
ニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合
物など)、あるいは、SSI化合物のカルボキシル基が
エステル化、アミド化された化合物(例えば、SSI化
合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエ
ステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミ
ノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル
化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタ
リジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3
−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロ
ヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルア
ミド化された化合物など)等が挙げられる。これらの化
合物は自体公知の方法によってSSI化合物から製造す
ることができる。またSSI化合物のプロドラッグは、
広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計
163頁から198頁に記載されているような、生理的
条件でSSI化合物に変化するものであってもよい。ま
た、SSI化合物は水和物であってもよい。SSI化合
物の光学的に活性な形態が必要とされる場合、例えば、
光学的に活性な出発物質を使用して、あるいは従来の方
法を使用する該化合物のラセミ形態の分割によって得る
ことができる。また、SSI化合物は分子内に不斉炭素
を有することもあるが、R配位またはS配位の2種類の
立体異性体が存在する場合、それら各々またはそれらの
混合物のいずれも本発明に含まれる。
【0008】式(I)および(Ia)において、Rで示
される「置換されていてもよい炭化水素基」の炭化水素
基としては、脂肪族鎖式(非環式)炭化水素基、脂環式
炭化水素基およびアリール基などが挙げられるが、なか
でも脂肪族鎖式炭化水素基が好ましい。該炭化水素基の
脂肪族鎖式炭化水素基としては、直鎖状または分枝鎖状
の脂肪族炭化水素基、例えば、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基などが挙げられる。なかでも分枝状ア
ルキル基が好ましい。該アルキルとしては、例えばメチ
ル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチ
ル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,n−ペ
ンチル,イソペンチル,ネオペンチル,1−メチルプロ
ピル,n−ヘキシル,イソヘキシル,1,1−ジメチル
ブチル,2,2−ジメチルブチル,3,3−ジメチルブ
チル,3,3−ジメチルプロピル,2−エチルブチル,
n−ヘプチルなどのC1−7アルキルが挙げられ、なか
でも、n−プロピル,イソプロピル,イソブチル,ネオ
ペンチルなどのC3−5アルキルが好ましく、特にイソ
ブチル,ネオペンチルなどが好ましい。該アルケニル基
としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、
2−メチルアリル、1−プロペニル、2−メチル−1−
プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ブテニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブ
テニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−
ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペン
テニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニ
ル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニ
ル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等のC −6アル
ケニルが挙げられ、なかでも、ビニル、アリル、イソプ
ロペニル、2−メチルアリル、2−メチル−1−プロペ
ニル、2−メチル−2−プロペニル、3−メチル−2−
ブテニル等が特に好ましい。該アルキニル基としては、
例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、
1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペン
チニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチ
ニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニ
ル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等のC2−6アル
キニルが挙げられ、中でもエチニル、1−プロピニル、
2−プロピニル等が特に好ましい。
【0009】該炭化水素基の脂環式炭化水素基として
は、飽和または不飽和の脂環式炭化水素基、例えば、シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジ
エニル基等が挙げられる。該シクロアルキル基としては
炭素数3〜9個のシクロアルキル基が好ましく、例え
ば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シ
クロノニル等が挙げられ、中でも、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3−6シクロアルキル基が好ましい。該シクロアルケニ
ル基としては、例えば、2−シクロペンテン−1−イ
ル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセ
ン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1−シ
クロブテン−1−イル、1−シクロペンテン−1−イル
等のC5−6シクロアルケニル基が挙げられる。該シク
ロアルカジエニル基としては、例えば、2,4−シクロ
ペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン
−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イルの
5−6シクロアルカジエニル基などが挙げられる。該
炭化水素基のアリール基としては、炭素数6〜16の単
環式または縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、例
えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリ
ル、アセナフチレニル等が挙げられ、なかでもフェニ
ル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC6−10のアリ
ール基が特に好ましい。
【0010】Rで示される「置換されていてもよい炭
化水素基」の置換基としては、置換されていてもよいア
リール基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置
換されていてもよいシクロアルケニル基、置換されてい
てもよい複素環基、置換されていてもよいアミノ基、置
換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオ
ール基、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、オキソ等が挙げられ、該炭化水素基はこれらの任
意の置換基で置換可能な位置に1〜5個(好ましくは1
〜3個)置換されていてもよい。該置換されていてもよ
いアリール基のアリール基としては、フェニル、ナフチ
ル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル等
のC6−16のアリール基が挙げられ、なかでもフェニ
ル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC6−10のアリ
ール基が好ましい。該置換されていてもよいアリールの
置換基としては、炭素数1〜3個のアルコキシ基(例、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ等)、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜3個
のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル等)等が
挙げられ、該アリール基はこれらの任意の置換基で1〜
2個置換されていてもよい。該置換されていてもよいシ
クロアルキル基のシクロアルキル基としては、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル等のC3−7シクロアルキル基等が
挙げられる。該置換されていてもよいシクロアルキル基
の置換基とその置換数としては、前記置換されていても
よいアリール基における置換基と同様な種類と個数が挙
げられる。該置換されていてもよいシクロアルケニル基
のシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル、シ
クロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等
のC3−6シクロアルケニル基等が挙げられる。該置換
されていてもよいシクロアルケニル基の置換基とその置
換数としては、前記置換されていてもよいアリール基に
おける置換基と同様な種類と個数が挙げられる。該置換
されていてもよい複素環基の複素環基としては、環系を
構成する原子(環原子)として、酸素、硫黄、窒素のう
ち少なくとも1個好ましくは1〜4個のヘテロ原子をも
つ芳香族複素環基および飽和あるいは不飽和の非芳香族
複素環基(脂肪族複素環基)が挙げられるが、好ましく
は芳香族複素環基である。該芳香族複素環基としては、
5〜6員の芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエニ
ル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チア
ゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、
1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾ
リル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、
1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾ
リル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリ
アゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、
ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、
トリアジニル等)および5〜6員環が2〜3個縮合した
芳香族縮合複素環基(例:ベンゾフラニル、イソベンゾ
フラニル、ベンゾ〔〕チエニル、インドリル、イソイ
ンドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、
ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリ
ル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリ
ル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリ
ル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フ
タラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニ
ル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニ
ル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニ
ル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイ
ニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロ
リニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−〕ピリダ
ジニル、ピラゾロ〔1,5−〕ピリジル、イミダゾ
〔1,2−〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−〕ピリ
ジル、イミダゾ〔1,2−〕ピリダジニル、イミダゾ
〔1,2−〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ
〔4,3−〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ
〔4,3−〕ピリダジニル等)が挙げられるが、なか
でもフリル、チエニル、インドリル、イソインドリル、
ピラジニル、ピリジル、ピリミジニルなどの5〜6員芳
香族単環式複素環基が好ましい。該非芳香族複素環基と
しては、例えば、オキシラニル、アゼチジニル、オキセ
タニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリ
ル、チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、
モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等4〜
8員非芳香族複素環基が挙げられる。該置換されていて
もよい複素環基は1〜4個好ましくは1〜2個の置換基
を有していてもよく、このような置換基としては、炭素
数1〜3個のアルキル基(例:メチル、エチル、プロピ
ル等)等が挙げられる。該置換されていてもよいアミノ
基(アミノ基、モノ−またはジ−置換アミノ基が含まれ
る),置換されていてもよい水酸基、および置換されて
いてもよいチオール基における置換基としては、例えば
低級(C1−3)アルキル(例、メチル、エチル、プロ
ピル等)等が挙げられる。また、Rで表わされる置換
されていてもよい炭化水素基における炭化水素基が脂環
式炭化水素基またはアリール基である場合、置換基とし
ては、さらに炭素数1〜3個のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピルなど)でもよい。さらに、上述の
ように、Rはオキソ基と置換基として有していてもよ
く、R としては、このようなオキソ置換されて炭化水
素基であるカルボン酸アシル基も含まれる。このような
例としては例えば置換基を有していてもよい炭素数1〜
6のアシル基(例、ホルミル,アセチル,プロピオニ
ル,ブチリル,イソブチリル,バレリル,イソバレリ
ル,ピバロイル,ヘキサノイル,ジメチルアセチル,ト
リメチルアセチルなど)が挙げられる。また該アシル基
は、置換可能な位置に1〜5個の置換基を有していても
よく、該置換基としては、ハロゲン(例、フッ素,塩
素,臭素)が挙げられる。
【0011】式(I)および(Ia)において、Rおよ
びRで示される「置換されていてもよい炭化水素基と
しては、Rで示される「置換されていてもよい炭化水
素基」として述べた基が挙げられる。但し、アルキル基
とアリール基とそれらの置換基としては下記のものであ
ってもよい。すなわち「置換されていてもよいアルキル
基」のアルキル基としては炭素数1〜6個の低級アルキ
ル基(例:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキ
シル、イソヘキシル等)が挙げられ、好ましくはメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ter
t−ブチル等のC1−4アルキル基が挙げられ、例えば
この様な置換されていてもよいアルキル基は1〜4個の
置換基を有していてもよく、このような置換基として
は、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭
素数1〜4個の低級アルコキシ基(例、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ter
t−ブトキシ等)等が挙げられる。「置換されていても
よいアリール基」としては、単環式または縮合多環式芳
香族炭化水素基が挙げられ、例えば、フェニル、ナフチ
ル、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル等
があげられ、なかでもフェニルが特に好ましい。「置換
されていてもよいアリール基」の置換基としては、ハロ
ゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など),置換さ
れていてよい低級アルキル,置換されていてよい低級ア
ルコキシ,置換されていてもよい水酸基,ニトロ,シア
ノなどが挙げられ、これらの置換基の同一または異なる
1〜3個(好ましくは1〜2個)で置換されていてもよ
い。該低級アルキルとしては、例えば、メチル,エチ
ル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブ
チル,sec−ブチル,tert−ブチル等の炭素数1〜4の
アルキル基が挙げられるが、特にメチル,エチルが好ま
しい。該低級アルコキシとしては、メトキシ,エトキ
シ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,
イソブトキシ,sec−ブトキシ,tert−ブトキシ等の炭
素数1〜4のアルコキシ基が挙げられるが、特にメトキ
シ,エトキシが好ましい。該置換されていてもよい低級
アルキル基または置換されていてもよい低級アルコキシ
基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素等)等が挙げられ、任意の位置に1〜
5個置換されていてもよい。該置換されていてもよい水
酸基における置換基としては、例えば低級(C1−4
アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、t−ブチル等)、C 3−6シクロアルキ
ル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等)、C6−10アリール基(例、
フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、C
7−12アラルキル基(例、ベンジル、フェネチルな
ど)などが挙げられる。また、これらの置換基は、隣接
する置換基同志で環を形成していてもよく、Rまたは
で示される「置換されていてもよいアリール基」の
アリール基がフェニル基である場合例えば、
【化23】 で示されるものが用いられていてもよく、さらにこの様
な基は低級(C1−3)アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル等)などで1〜4個置換さ
れていてもよい。
【0012】RおよびRで示される「置換されてい
てもよい複素環基」の複素環基としては、Rで表され
る「置換されていてもよい炭化水素基」の置換基として
あげた「置換されていてもよい複素環基」に関連して詳
述されている複素環基が挙げられるが、なかでもフリ
ル,チエニル,インドリル,イソインドリル,ピラジニ
ル,ピリジル,ピリミジル,イミダゾリルなどの5〜6
員芳香族単環式複素環が特に好ましい。該複素環基の置
換基としては、炭素数1〜3個のアルキル(例、メチ
ル,エチル,プロピルなど)などが挙げられ、これらの
置換基を1〜4個有していてもよい。前記した中でも、
およびRとしては、置換されていてもよいフェニ
ル基が好ましく、さらに好ましくは、置換されたフェニ
ル基、特に、塩素、臭素等のハロゲン,低級
(C1−3)アルコキシなどで1〜3個、好ましくは1
〜2個置換されたフェニル基が好ましい。またR,R
のいずれか一方は水素が好ましい。
【0013】式(I)において、X'で示される「エステ
ル化されていてもよいカルボキシル基から構成される置
換基」としては、エステル化されていてもよいカルボキ
シル基およびエステル化されていてもよいカルボキシル
基を有している置換基が挙げられる。該エステル化され
ていてもよいカルボキシル基としては、下記Yで定義さ
れるエステル化されていてもよいカルボキシル基で挙げ
られるものと同様なものが挙げられる。X'で示される
「置換されていてもよいカルバモイル基から構成される
置換基」としては、置換されていてもよいカルバモイル
基および置換されていてもよいカルバモイル基を有して
いる置換基が挙げられる。該置換されていてもよいカル
バモイル基としては、下記Yで定義される置換されてい
てもよいカルバモイル基で挙げられるものと同様なもの
が挙げられる。X'で示される「置換されていてもよい
水酸基から構成される置換基」としては、置換されてい
てもよい水酸基および置換されていてもよい水酸基を有
している置換基が挙げられる。該置換されていてもよい
水酸基としては、下記Yで定義される置換されていても
よい水酸基で挙げられるものと同様なものが挙げられ
る。X'で示される「置換されていてもよいアミノ基か
ら構成される置換基」としては、置換されていてもよい
アミノ基および置換されていてもよいアミノ基を有して
いる置換基が挙げられる。該置換されていてもよいアミ
ノ基としては、下記Yで定義される置換されていてもよ
いアミノ基で挙げられるものと同様なものが挙げられ
る。X'で示される「脱プロトン化しうる水素原子を有
する、置換されていてもよい複素環残基から構成される
置換基」としては、脱プロトン化しうる水素原子を有す
る(すなわち活性プロトンを有する)、置換されていて
もよい複素環残基および脱プロトン化しうる水素原子を
有する、置換されていてもよい複素環残基を有している
置換基が挙げられる。該置換されていてもよい複素環残
基としては、下記Yで定義される脱プロトン化しうる水
素原子を有する、置換されていてもよい複素環残基で挙
げられるものと同様なものが挙げられる。X'として
は、例えば、式(a)
【化24】 〔式中、Xは結合手または2価もしくは3価の原子鎖
を、Yはエステル化されていてもよいカルボキシル基,
置換されていてもよいカルバモイル基,置換されていて
もよい水酸基,置換されていてもよいアミノ基または脱
プロトン化しうる水素原子を有する、置換されていても
よい複素環残基を、破線部分は単結合または二重結合を
示す〕で表される基が挙げられる。
【0014】式(a)中、Xで示される「2価の原子
鎖」としては、好ましくは、直鎖部分を構成する原子数
が1〜7個、さらに好ましくは1〜4個である2価の鎖
であればいずれでもよく、側鎖を有していてもよい。例
えば、
【化25】 で表わされるものが挙げられ、式中、m、nは独立して
0、1、2または3を表わし、Eは結合手または酸素原
子、イオウ原子、スルホキシド、スルホン、−N(R)
−、−NHCO−、−CON(R)−あるいは−NHC
ONH−を表わす。ここでRおよびRは水素、置換
されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよ
いアラルキル基、置換されていてもよいフェニル基を示
す。また、Rは水素、低級アルキル基、アラルキル基
またはアシル基を示す。RおよびRで示される「置
換されていてもよい低級アルキル基」のアルキル基とし
ては、炭素数1〜6個の直鎖もしくは分枝状の低級アル
キル基(例:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n
−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル等)が挙げら
れる。該置換されていてもよい低級アルキル基は1〜4
個好ましくは1〜2個の置換基をもっていてもよく、こ
れらの置換基としては、芳香族複素環基(例、フリル、
チエニル、インドリル、イソインドリル、ピラジニル、
ピリジル、ピリミジル、イミダゾリルなどN、O、Sの
ヘテロ原子を1〜4個含む5〜6員芳香族複素環)、置
換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水
酸基、置換されていてもよいチオール基、エステル化さ
れていてもよいカルボキシル基、ハロゲン原子(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素)などが挙げられる。該置換
されていてもよいアミノ基(アミノ基またはモノ−また
はジ置換アミノ基)、置換されていてもよい水酸基、お
よび置換されていてもよいチオール基における置換基と
しては、低級(C1−3)アルキル(例、メチル、エチ
ル、プロピルなど)などが挙げられる。該エステル化さ
れていてもよいカルボキシル基としては、例えばメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、フェノキシカルボニル、1−ナフトキシカルボニ
ルなどC2−5アルコキシカルボニルおよびC −11
アリールオキシカルボニルが挙げられるが、好ましくは
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニルである。
【0015】RおよびRで示される「置換されてい
てもよいアラルキル基」のアラルキル基としてはベンジ
ル、ナフチルメチル、フェニルプロピル、フェニルブチ
ル等C−C15アラルキル基が挙げられる。該置換さ
れていてもよいアラルキル基は1〜4個好ましくは1〜
2個の置換基を有していてもよく、かかる置換基として
は、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、炭素数1〜3個のアルコキシ基(例、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ基)、水酸基、アミノ基、カルボ
キシル基、スルフヒドリル基等が挙げられる。Rおよ
びRで示される「置換されていてもよいフェニル基」
の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素)、C1−3アルコキシ(例、メトキシ、
エトキシ、プロポキシなど)、C1−3アルキル(例、
メチル、エチル、プロピル)などが挙げられる。ただ
し、Rはメチレン鎖ごとに異なっていてもよい。ま
た、Rで示される「低級アルキル基」および「アラル
キル基」としては、炭素数1〜4個の低級アルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert−
ブチル等)、炭素数7〜15個のアラルキル基(例、ベ
ンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチ
ル、ナフチルメチル等)がそれぞれ挙げられる。
【0016】Rで示される「アシル基」としては、低
級(C1−6)アルカノイル基(例、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイルなど)、
低級(C3−7)アルケノイル基(例、アクリロイル、
メタクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイルな
ど)、C4−7シクロアルカンカルボニル基(例、シク
ロプロパンカルボニル基、シクロブタンカルボニル基、
シクロペンタンカルボニル基、シクロヘキサンカルボニ
ル基など)、低級(C1−4)アルカンスルホニル基
(例、メシル、エタンスルホニル、プロパンスルホニル
など)、C7−14アロイル基(例、ベンゾイル、p−
トルオイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、
6−10アリール低級(C2−4)アルカノイル基
(例、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル、ヒド
ロアトロポイル、フェニルブチリルなど)、C6−10
アリール低級(C3−5)アルケノイル基(例、シンナ
モイル、アトロポイルなど)、C −10アレーンスル
ホニル基(例、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスル
ホニル基など)などが挙げられる。さらに、Xとして
は、二重結合を含んでいる炭素鎖または−L−CH(O
H)−(Lは結合手または直鎖状もしくは分枝状のアル
キレン鎖を示す)でもよい。該「二重結合を含んでいる
炭素鎖」としては、好ましくは、直鎖部分を構成する炭
素数が1〜7個、さらに好ましくは1〜4個であるもの
が挙げられ、側鎖を有していてもよい。該炭素鎖におけ
る二重結合は、直鎖部分あるいは分枝鎖部分のいずれか
一方または両方に含まれるものであるが、好ましくは直
鎖部分に含まれるものが挙げられる。また、該炭素鎖に
含まれる二重結合の数は可能な限り特に限定されない
が、1〜2個が好ましい。
【0017】該二重結合を含んでいる炭素鎖としては、
例えば、メチン,ビニレン,プロペニレン,ブテニレ
ン,ブタジエニレン,メチルプロペニレン,エチルプロ
ペニレン,プロピルプロペニレン,メチルブテニレン,
エチルブテニレン,プロピルブテニレン,メチルブタジ
エニレン,エチルブタジエニレン,プロピルブタジエニ
レン,ペンテニレン,ヘキセニレン,ヘプテニレン,ペ
ンタジエニレン,ヘキサジエニレン,ヘプタジエニレン
などが挙げられるが、好ましくは、メチン,ビニレン,
プロペニレン,ブテニレン,ブタジエニレンが挙げられ
る。ここで、該炭素鎖が3価である場合、該炭素鎖は、
環J’の環上の置換可能な炭素原子と二重結合で結ばれ
ている。Lで示される「直鎖状もしくは分枝状のアルキ
レン鎖」としては、例えば、直鎖状もしくは分枝状の炭
素数1〜6個のアルキレン鎖が挙げられ、例えば、メチ
レン,エチレン,トリメチレン,テトラメチレン,ペン
タメチレン,ヘキサメチレン,ヘプタメチレン,プロピ
レン,エチルメチレン,エチルエチレン,プロピルエチ
レン,ブチルエチレン,メチルテトラメチレン,メチル
トリメチレンなどの2価基が挙げられるが、好ましく
は、メチレン,エチレン,トリメチレン,プロピレンな
どの炭素数1〜3個のものが挙げられる。
【0018】前記した中でも、X'としては、式(b)
【化26】 〔式中、Xは結合手または2価の原子鎖を、Yはエス
テル化されていてもよいカルボキシル基,置換されてい
てもよいカルバモイル基,置換されていてもよい水酸
基,置換されていてもよいアミノ基または脱プロトン化
しうる水素原子を有する、置換されていてもよい複素環
残基を示す〕で表される基が好ましい。式(b)中、X
で示される2価の原子鎖としては、前記Xで定義され
た2価の原子鎖と同様なものが挙げられる。式(a)お
よび(b)中、XまたはXで示される「2価の原子
鎖」としては、好ましくは、直鎖部分を構成する炭素数
が1〜7個(より好ましくは1〜4個)である直鎖状あ
るいは分枝鎖状のアルキレン鎖が挙げられる。該アルキ
レン鎖としては、例えば、メチレン,エチレン,トリメ
チレン,テトラメチレン,ペンタメチレン,ヘキサメチ
レン,ヘプタメチレン,プロピレン,エチルメチレン,
エチルエチレン,プロピルエチレン,ブチルエチレン,
メチルテトラメチレン,メチルトリメチレンなどの2価
基が挙げられるが、好ましくは、メチレン,エチレン,
トリメチレン,プロピレンなどの炭素数1〜4個のもの
が挙げられる。式(a)および(b)において、Yで示さ
れる「エステル化されていてもよいカルボキシル基」と
しては、炭素数2−7の低級アルコキシカルボニル
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキ
シカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、sec−ブト
キシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペン
チルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル
など)、C7−14アリールオキシカルボニル(例、フ
ェノキシカルボニル、1−ナフトキシカルボニル)、C
8−12アラルキルオキシカルボニル(例、ベンジルオ
キシカルボニルなど)などが挙げられる。なかでもカル
ボキシル基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル
が好ましい。
【0019】Yで示される「置換されていてもよいカル
バモイル基」の置換基としては、置換されていてもよい
低級(C1−6)アルキル(例、メチル,エチル,n−
プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−
ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオ
ペンチル,ヘキシル,イソヘキシル等)、置換されてい
てもよいC3−6シクロアルキル(例、シクロプロピ
ル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシルな
ど)、置換されていてもよいC6−14アリール基
(例、フェニル,1−ナフチル,2−ナフチルなど)、
置換されていてもよいC7−11アラルキル基(例、ベ
ンジル,フェネチルなど)などが挙げられ、これらの置
換基は同一または異なって1個または2個置換されてい
てもよい。該置換されていてもよい低級(C1−6)ア
ルキルおよび置換されていてもよいC −6シクロアル
キルにおける置換基としては、低級(C1−5)アルキ
ル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブ
チル,t−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペン
チル)でエステル化されていてもよいカルボキシル基、
ヘテロ原子を1〜4個含む5〜6員芳香族複素環基
(例、フリル,チエニル,インドリル,イソインドリ
ル,ピラジニル,ピリジル,ピリミジル,イミダゾリル
など),アミノ基,水酸基,フェニル基などが挙げら
れ、これらの置換基は、同一または異なって1〜3個置
換していてもよい。該置換されていてもよいアリール基
および置換されていてもよいアラルキル基の置換基とし
ては、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素),低級(C1−4)アルキル基(例、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル,t-ブチルなど)
でエステル化されていてもよいカルボキシル基などが挙
げられる。 また、該置換されていてもよいカルバモイル
基において、2個の窒素原子上の置換基が窒素原子と一
緒になって環状アミノ基を形成していてもよく、このよ
うな環状アミノ基の例としては、1−アゼチジニル,1
−ピロリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,1−ピペラ
ジニルなどが挙げられる。また、該環状アミノ基は、さ
らに置換基を有していてもよい。
【0020】Yで示される「置換されていてもよい水酸
基」の置換基としては、例えば低級(C1−4)アルキ
ル(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブ
チル,t−ブチルなど)、C3−6シクロアルキル基
(例、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチ
ル,シクロヘキシルなど)、置換されていてもよいC
6− 10アリール基(例、フェニル,1−ナフチル,2
−ナフチルなど)、置換されていてもよいC7−11
ラルキル基(例、ベンジル,フェネチルなど)などが挙
げられる。該置換されていてもよいアリール基および置
換されていてもよいアラルキル基の置換基としては、ハ
ロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),低級
(C1−4)アルキル基(例、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,t-ブチルなど)でエステル
化されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。
Yで示される「置換されていてもよいアミノ基」として
はモノ置換およびジ置換アミノ基を含み、これらの置換
基としては、例えば低級(C1−4)アルキル(例、メ
チル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,te
rt−ブチルなど)、C3−6シクロアルキル基(例、
シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シク
ロヘキシルなど)、置換されていてもよいC6−10
リール基(例、フェニル,1−ナフチル,2−ナフチル
など)、置換されていてもよいC 7−11アラルキル基
(例、ベンジル,フェネチルなど)などが挙げられる。
該置換されていてもよいアリール基および置換されてい
てもよいアラルキル基の置換基としては、ハロゲン原子
(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素),低級
(C −4)アルキル基(例、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,tert−ブチルなど)で
エステル化されていてもよいカルボキシル基などが挙げ
られこれらの置換基を1〜4個好ましくは1〜2個有し
ていてもよい。また、2個の窒素原子上の置換基が窒素
原子と一緒になって環状アミノ基を形成していてもよ
く、このような環状アミノ基の例としては、1−アゼチ
ジニル,1−ピロリジニル,ピペリジノ,モルホリノ,
1−ピペラジニルなどが挙げられる。また、該環状アミ
ノ基は、さらに置換基を有していてもよい。
【0021】Yで示される「脱プロトン化しうる水素原
子を有する、置換されていてもよい複素環残基」の複素
環残基としては、N,S,Oのうちの少なくとも1個を
含む5〜7員(好ましくは5員)の単環状の複素環残基
(好ましくは、含窒素複素環残基)が挙げられ、これら
が脱離してプロトンを形成しうる水素原子を有している
のがよい。例えば、テトラゾール−5−イルまたは式
【化27】 〔式中、iは−O−または−S−を、jは>C=O,>
C=Sまたは>S(O)2を示す〕で表される基(なかで
も、2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキ
サジアゾール−3−イル,2,5−ジヒドロ−5−チオ
キソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル,2,
5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−チアジアゾー
ル−3−イルが好ましい)などが挙げられる。前記複素
環残基は、置換されていてもよい低級アルキル基(好ま
しくはC1− アルキル)またはアシル基などで保護さ
れていてもよい。該置換されていてもよい低級アルキル
基としては、C1−3アルキル,ニトロ,C1−3アル
コキシで置換されていてもよいフェニルまたはC1−3
アルコキシで置換されていてもよいC1−4アルキル
(メチル,トリフェニルメチル,メトキシメチル,エト
キシメチル,p−メトキシベンジル,p−ニトロベンジ
ルなど)などが挙げられる。該アシル基としては、低級
(C2−5)アルカノイル,ベンゾイルなどが挙げられ
る。前記した中でも、X'としては、エステル化されて
いてもよいカルボキシル基で置換されているアルキル
基、脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されてい
てもよい複素環残基で置換されているアルキル基または
置換されていてもよいカルバモイル基で置換されている
アルキル基が好ましい。式(I)において、環Aで示さ
れる複素環としては、Rで表わされる炭化水素基の置
換基に関連して詳述されている複素環基が挙げられる
が、なかでも
【化28】 で表されるものが好ましい。
【0022】環Aで示される「置換されていてもよいベ
ンゼン環」および「置換されていてもよい複素環」の置
換基としては、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素)、炭素数1〜4個の置換されていてもよい低級ア
ルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、te
rt−ブチル等)、炭素数1〜4個の置換されていてもよ
い低級アルコキシ基(例:メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ
等)、水酸基、ニトロ基、シアノなどが挙げられる。環
Aはこれらの置換基を1〜3個、好ましくは1〜2個有
していてもよい。また、これらの置換基は、隣接する置
換基同志で環を形成してもよい。該置換されていてもよ
い低級アルキル基または置換されていてもよい低級アル
コキシ基の置換基としては、ハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられ、任意の位置に
1〜3個置換されていてもよい。環Aとしてはメトキシ
もしくは塩素原子で置換されたものが好ましく、特に塩
素原子で置換されたものが好ましい。式(Ia)におい
て、環Bで示される「置換されていてもよいベンゼン
環」の置換基としては、ハロゲン(例、フッ素,塩素,
臭素,ヨウ素)、炭素数1〜4個の置換されていてもよ
い低級アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、tert−ブチル等)、炭素数1〜4個の置換されて
いてもよい低級アルコキシ基(例:メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブ
トキシ等)、水酸基、ニトロ基、シアノなどが挙げられ
る。環Bはこれらの置換基を1〜3個、好ましくは1〜
2個有していてもよい。また、これらの置換基は、隣接
する置換基同志で環を形成してもよい。該置換されてい
てもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低
級アルコキシ基の置換基としては、ハロゲン原子(例、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)等が挙げられ、任意の位
置に1〜3個置換されていてもよい。環Bとしてはメト
キシもしくは塩素原子で置換されたものが好ましく、特
に塩素原子で置換されたものが好ましい。
【0023】式(I)において、環J'で示される「環構
成原子として3個以下のヘテロ原子を含有する7ないし
8員の複素環」における複素環としては、例えば、O,
S(O)q(qは0,1または2を示す)およびNのうち
の少なくとも1個を含む7〜8員の飽和もしくは不飽和
の複素環が挙げられる。ただし、該複素環の環を構成す
る原子(環構成原子)におけるヘテロ原子は3個以下で
ある。また、環J'は、R,R,R,X'で示され
る基以外に、さらに置換基を置換可能な位置に、1〜2
個有していてもよい。該置換基としては、該置換基が環
J'上の窒素原子に結合する場合、アルキル基(例、メ
チル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチ
ル,イソブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,イソペ
ンチル,ネオペンチル等のC1−6アルキルなど),ア
シル基(例、ホルミル,アセチル,プロピオニル,ブチ
ロイル等のC1−4アシル基)などが挙げられる。該ア
ルキル基またはアシル基は、さらにハロゲン原子(例、
フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)で1〜5個置換されてい
てもよい。また、該置換基が環J'上の炭素原子に結合
する場合、該置換基としては、オキソ,チオキソ,置換
されていてもよい水酸基,置換されていてもよいアミノ
基などが挙げられる。該置換されていてもよい水酸基お
よび置換されていてもよいアミノ基としては、前記Yで
定義された「置換されていてもよい水酸基」および「置
換されていてもよいアミノ基」と同様なものが挙げられ
る。環J'としては、R,R,R,X'で示される
基以外に、置換可能な位置に、オキソまたはチオキソが
置換しているものが好ましい。
【0024】環Aと環J'とからなる縮合環としては、
例えば
【化29】 などが挙げられる。
【0025】式(I)としては、式(I')
【化30】 〔式中、R,R,R,X',環Aは前記と同意義
を示す。環Jは7員の複素環を、Zは−N(R)−
(Rは水素,アルキル基またはアシル基を示す),−
S(O)q−(qは0,1または2を示す),−CH
または−O−を、KはCまたはNを、GはOまたはSを
示す。〕で表わされるものが好ましい。
【0026】前記式(Ia)中、Rで示されるアルキル
基としては、炭素数1〜6個の直鎖もしくは分枝状の低
級アルキル基(例、メチル,エチル,n−プロピル,イ
ソプロピル,n−ブチル,イソブチル,tert−ブチル,
n−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチルなど)が挙
げられ、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素)などで1〜5個置換されていてもよい。Rで示さ
れるアシル基としては、C1−4アシル基(例、フォル
ミル,アセチル,プロピオニル,ブチロイルなど)が挙
げられ、ハロゲン原子(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素)などで1〜5個置換されていてもよい。式(I')
中、Zとしては、S(O)q(qは0,1または2を示
す),Oが好ましい。またKとしてはCが、Gとしては
Oが好ましい。式(I')としては、さらに好ましくは、
式(I'')
【化31】 〔式中、R,R,R,X,Y,環Aは前記と同
意義を示す。ZはS(O)q(qは0,1または2を示
す)またはOを示す〕で表わされるものが好ましい。
【0027】式(I)で表わされる化合物としては、前
記式(Ia)
【化32】 で表される化合物が好ましい。式(Ia)としては、式
(Ia')
【化33】 〔式中、R,環Bは前記と同意義を示す。Qは水素ま
たは金属イオンを、環Cは置換されていてもよいフェニ
ル基を示す〕で表されるものであってもよい。式中、7
員環の面に対して、3位と5位の置換基が逆方向を向い
ているトランスを示し、(R)はR−配置を示す。前記
式(Ia')において、Qで示される金属イオンとして
は、ナトリウムイオン,カリウムイオン,カルシウムイ
オン,アルミニウムイオンなどが挙げられるが、なかで
もナトリウムイオン,カリウムイオンが好ましい。環C
で示される「置換されていてもよいフェニル基」の置換
基としては、前記RおよびRで定義された「置換さ
れていてもよい炭化水素基」の例として述べた「置換さ
れていてもよいアリール基」の置換基としてあげたもの
と同様なものが挙げられる。
【0028】式(I)で表わされる化合物の塩として
は、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リ
ン酸塩等の無機塩、例えば酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸
塩、フマール酸塩、マレイン酸塩、トルエンスルホン酸
塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、例えばナトリウ
ム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の
金属塩、例えばトリエチルアミン塩、グアニジン塩、ア
ンモニウム塩、ヒドラジン塩、キニーネ塩、シンコニン
塩等の塩基の塩等の薬理学的に許容されうる塩が挙げら
れる。とりわけナトリウム塩が好ましい。
【0029】式(I)で表わされる化合物を以下に具体
的に例示すると、(3R,5S)−7−シアノ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−
シアノ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−ネ
オペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒド
ロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3R,
5S)−7−シアノ−5−(2,3−メチレンジオキシ
フェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−
3−酢酸、(3R,5S)−7−シアノ−5−(2,3
−エチレンジオキシフェニル)−1−ネオペンチル−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−シ
アノ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−イソ
ブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3R,5
S)−7−シアノ−5−(2,4−ジメトキシフェニ
ル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢
酸、
【0030】(3R,5S)−7−シアノ−5−(2,
3−メチレンジオキシフェニル)−1−イソブチル−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−シ
アノ−5−(2,3−エチレンジオキシフェニル)−1
−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒ
ドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3
R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−
3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,4
−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキ
ソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオ
キサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−
5−(2,3−メチレンジオキシフェニル)−1−ネオ
ペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ
−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3R,5
S)−7−クロロ−5−(2,3−エチレンジオキシフ
ェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−
3−酢酸、
【0031】(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,
3−ジメトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキ
ソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオ
キサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−
5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−イソブチル
−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1
−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−メチレンジオキシフェニル)
−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テト
ラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−エチレン
ジオキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサ
ゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−シアノ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−シ
アノ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−ネオ
ペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ
−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、
【0032】(3R,5S)−7−シアノ−5−(2,
3−メチレンジオキシフェニル)−1−ネオペンチル−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−シ
アノ−5−(2,3−エチレンジオキシフェニル)−1
−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3
R,5S)−7−シアノ−5−(2,3−ジメトキシフ
ェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢
酸、(3R,5S)−7−シアノ−5−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン
−3−酢酸、(3R,5S)−7−シアノ−5−(2,
3−メチレンジオキシフェニル)−1−イソブチル−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−シア
ノ−5−(2,3−エチレンジオキシフェニル)−1−
イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒド
ロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、
【0033】(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,
3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾ
チアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−
5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチ
ル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,
1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7
−クロロ−5−(2,3−メチレンジオキシフェニル)
−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テ
トラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−エチレン
ジオキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼ
ピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−イソブチル−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロ
ロ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−1−イソブ
チル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、
【0034】(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,
3−メチレンジオキシフェニル)−1−イソブチル−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロ
ロ−5−(2,3−エチレンジオキシフェニル)−1−
イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒド
ロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5
S)−7−シアノ−5−(2−クロロフェニル)−1−
ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒ
ドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3
R,5S)−7−シアノ−5−(2−クロロフェニル)
−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テト
ラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢
酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−クロロフ
ェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,
5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−
酢酸、
【0035】(3R,5S)−7−シアノ−5−(2−
クロロフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼ
ピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−シアノ−5−
(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ
−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチア
ゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2−クロロフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキ
ソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチ
アゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5
−(2−クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキ
ソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチ
アゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5
−(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオ
ペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ
−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−酢酸、(3R)−
7−クロロ−5−(2−クロロフェニル)−2,3−ジ
ヒドロ−1−イソブチル−2−オキソ−1H−1,4−
ベンゾジアゼピン−3−酢酸、
【0036】(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−
クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1
−イソブチル−2−オキソ−1H−1,4−ベンゾジア
ゼピン−3−酢酸、N−〔〔(3R,5S)−7−クロ
ロ−5−(2−クロロフェニル)−1−ネオペンチル−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾチアゼピン−3−イル〕−アセチル〕グリシン、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−クロロフェニ
ル)−3−ジメチルアミノカルボニルメチル−1−ネオ
ペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ
−4,1−ベンゾチアゼピン、7−クロロ−5−(2−
クロロフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−2,
3,4,5−テトラヒドロ−1H−〔1〕−ベンズアゼ
ピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2−クロロフェニル)−1−ネオペンチル−1,2,
3,5−テトラヒドロ−2−チオキソ−4,1−ベンゾ
オキサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ
−5−(2−クロロフェニル)−1−ネオペンチル−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−チ
エノ〔2,3−e〕オキサゼピン−3−酢酸、
【0037】(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−
メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−チエノ〔2,
3−e〕オキサゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7
−クロロ−1−イソブチル−5−(2−メトキシフェニ
ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−チエノ〔2,3−e〕オキサゼピン−3−酢
酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−(3−ヒドロキ
シ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−
オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベン
ゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ
−5−(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1
−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3
R,5S)−7−クロロ−5−(3−ヒドロキシ−2−
メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼ
ピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−
(4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソ
ブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、
【0038】(3R,5S)−7−クロロ−5−(3−
エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル
−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1
−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−
クロロ−5−(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)
−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テ
トラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(3−エトキシ−2
−メトキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼ
ピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−
(4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−イソブ
チル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)
−7−クロロ−5−(2−クロロ−3−メトキシフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5
−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢
酸、
【0039】(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−
クロロ−4−メトキシフェニル)−1−ネオペンチル−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−ク
ロロ−5−(2−クロロ−3−メトキシフェニル)−1
−イソブチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒ
ドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,
5S)−7−クロロ−5−(2−クロロ−4−メトキシ
フェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3
−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−クロ
ロ−3−ヒドロキシフェニル)−1−ネオペンチル−2
−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
ンゾチアゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロ
ロ−5−(2−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1
−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−3−酢酸、(3
R,5S)−7−クロロ−5−(2−クロロ−3−ヒド
ロキシフェニル)−1−イソブチル−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン
−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2−
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−イソブチル−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−
ベンゾチアゼピン−3−酢酸、およびこれら塩などが挙
げられる。
【0040】前記一般式(I)で表される化合物および
その塩〔以下、塩も含めて単に化合物(I)と称するこ
とがある。〕は、例えば、EPA567026号、WO
95/21834(特願平6−15531号)、EPA
645377(特願平6−229159号)、EPA6
45378(特願平6−229160号)などで開示さ
れ、これらの公報の開示にしたがって製造することがで
きる。
【0041】式(I)で表わされる化合物としては、前
記式(Ib)
【化34】 で表される化合物が好ましい。式(Ib)で表わされる化
合物としては、Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピ
オニルオキシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミ
トイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび2
−アミノプロピオニルオキシから選ばれた1ないし3個
の置換基を有していてもよいC −6アルキルである化
合物;Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオ
キシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイルオ
キシ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび2−アミノ
プロピオニルオキシから選ばれた1ないし3個の置換基
を有していてもよい分枝状のC3−6アルキルである化
合物;Rが2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピ
ル、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチ
ルプロピル、3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピ
ル、3−アセトキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチ
ルプロピルまたは3−アセトキシ−2−アセトキシメチ
ル−2−メチルプロピルである化合物;R1bがメチル
である化合物;Wが塩素原子である化合物;Xが式
【化35】 〔式中、R2bおよびR3bはそれぞれ水素原子、置換
されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複
素環基またはアシル基であるか、あるいはR2bおよび
3bは隣接する窒素原子と一緒になって窒素原子、硫
黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ない
し3個環構成原子として含んでいてもよい置換されてい
てもよい5または6員含窒素複素環を形成する〕で表さ
れる基である化合物;Xで表される基において、R
2bが水素原子またはC1−7アルキル基を示し、R
3bが(1)(a)C1−7アルキル、(b)C3−7
クロアルキル、(c)C2−6アルケニル、(d)C
6−10アリールおよび(e)C6−10アリール−C
1−4アルキルから選ばれる炭化水素基〔ここで(a)
1−7アルキル、(b)C3− シクロアルキルおよ
び(c)C2−6アルケニルはそれぞれ(i)C1−6
ルキルまたはC6−10アリール−C1−4アルキルで
エステル化されていてもよいカルボキシル基、(ii)C
1−6アルキルまたはC2−7アルカノイルオキシ−C
1−6アルキルでモノまたはジ−置換されていてもよい
リン酸基、(iii)スルホン酸基、(iv)C1−6アル
キルまたはC6−10アリール−C1−4アルキルで置
換されていてもよいスルホンアミド基、(v)C1−3
アルキルでアルキル化されていてもよい水酸基、(vi)
1−3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフ
ヒドリル基、(vii)カルバモイル基、(viii)水酸
基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニルおよびC
1−3アルキルでモノまたはジ−置換されていてもよい
アミノ基より選ばれる1ないし5個の置換基で置換され
ていてもよいフェニル基、(ix)C1−3アルキルでモ
ノまたはジ−置換されていてもよいアミノ基、(x)ピ
ペリジン,ピロリジン,モルホリン,チオモルホリン,
ピペラジン,4−メチルピペラジン,4−ベンジルピペ
ラジン,4−フェニルピペラジン,1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリンまたはフタルイミドから導かれる
1− アルキル、ベンジルまたはフェニルで置換され
ていてもよい環状アミノ基および(xi)ピリジン,イミ
ダゾール,インドールまたはテトラゾ−ルから導かれる
芳香族5〜6員複素環基より選ばれる1ないし4個の置
換基を有していてもよく、(d)C6−10アリールお
よび(e)C6−10アリール−C1−4アルキルはそ
れぞれ(i)C1−4アルキルでエステル化されていて
もよいカルボキシル基、(ii)C1−6アルキルまたは
2−7アルカノイルオキシ−C1−6アルキルでモノ
またはジ−置換されていてもよいリン酸基、(iii)ス
ルホン酸基、(iv)C1−4アルキルスルホニル、C
6−10アリールスルホニルまたはC 6−10アリール
−C1−4アルキルスルホニル基、(v)C1−6アル
キルまたはC6−10アリ−ル−C1−4アルキルで置
換されていてもよいスルホンアミド基、(vi)C1−4
アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル
基、C −6アルキルでモノまたはジ−置換されていて
もよいリン酸基、スルホン酸基、C1−4アルキルスル
ホニル、C6−10アリールスルホニルまたはC
6−10アリール−C1−4アルキルスルホニル基、C
1−6アルキルまたはC6−10アリール−C1−4
ルキルで置換されていてもよいスルホンアミド基で置換
されていてもよいC1−3アルキル基および(vii)ハ
ロゲンより選ばれる1ないし4個の置換基を有していても
よい〕、(2)テトラゾリル,4,5−ジヒドロ−5−オ
キソ−1,2,4−オキサジアゾリル,4,5−ジヒドロ
−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,2,3
−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリ
ル,2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−オキ
サジアゾリル,3,5−ジオキソ−1,2,4−オキサジ
アゾリジニル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ−イソオ
キサゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−イソオ
キサゾリル,2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3,4
−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ−
1,2,4−テトラゾリルまたは2,3−ジヒドロ−3−
チオキソ−1,2,4−テトラゾリル基、または(3)
(i)1または2個のハロゲンで置換されていてもよい
2−7アルカノイル基、および(ii)C1−3アルキ
ル、C1−3アルコキシおよびハロゲンから選ばれる1
ないし4個の置換基で置換されていてもよいC6−10
アリールスルホニル基、C1−4アルキルスルホニル基
またはC6−10アリール−C1−4アルキルスルホニ
ル基から選ばれるアシル基を示すか、またはR2bおよ
びR3bは隣接の窒素原子と一緒になってピペリジン、
ピペラジン、ピロリジン、2−オキソピペラジン、2,
6−ジオキソピペラジン、モルホリンまたはチオモルホ
リンより導かれる5員または6員環〔ここで、5員また
は6員環は(A)C1−3アルキルまたはC2−7アル
カノイルで置換されていてもよい水酸基、(B)C
1−6アルキルまたはC6−10アリール−C1−4
ルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(C)C1−6アルキルまたはC2−7アルカノイルオ
キシ−C1−6アルキルでモノまたはジ−置換されてい
てもよいリン酸基、(D)スルホン酸基、(E)C1−6
アルキルまたはC6−10アリール−C1−4アルキル
で置換されていてもよいスルホンアミド基、(F)C
1−6アルキルまたはC6−10アリール−C1−4
ルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
1−6アルキルまたはC2−7アルカノイルオキシ−
1−6アルキルでモノまたはジ−置換されていてもよ
いリン酸基、スルホン酸基、C1−6アルキルまたはC
6−10アリール−C1−4アルキルで置換されていて
もよいスルホンアミド基、C1−3アルキルまたはC
2− アルカノイルで置換されていてもよい水酸基、C
1−3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒ
ドリル基、カルバモイル基、および水酸基、ハロゲン、
アミノスルホニルおよびC1−3アルキルで置換されて
いてもよいアミノ基より選ばれた1ないし5個の置換基
で置換されていてもよいフェニル、C1−3アルキルで
モノまたはジ−置換されていてもよいアミノ基またはテ
トラゾリルで置換されていてもよいC1−6アルキルお
よびC2−5アルケニル、(G)C1−3アルキルでモ
ノまたはジ−置換されていてもよいアミノ基、(H)ピ
ペリジン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、
4−メチルピペラジン、4−ベンジルピペラジン、また
は4−フェニルピペラジンから導かれる環状アミノ基、
(I)シアノ基、(J)カルバモイル基、(K)オキソ
基、(L)テトラゾリルまたは2,5−ジヒドロ−5−オ
キソ−1,2,4−オキサジアゾリル基、(M)C
6−10アリールスルホニル、C1−4アルキルスルホ
ニルまたはC −10アリール−C1−4アルキルスル
ホニルで置換されていてもよいカルバモイル基、(N)
1−3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフ
ヒドリル基、および(O)水酸基、ハロゲン、アミノス
ルホニルおよびC1−3アルキルで置換されていてもよ
いアミノ基から選ばれる1ないし5個の置換基で置換さ
れていてもよいフェニル基より選ばれる1ないし4個の置
換基を有していてもよい〕を形成する化合物;Xで表
される基において、R2bおよびR3bは隣接するカル
バモイル基の窒素原子と一緒になってピペリジン、ピペ
ラジン、ピロリジン、2−オキソピペラジンまたは2,
6−ジオキソピペラジンより導かれる5員または6員環
を形成し、その5員または6員環はそれぞれ(i)C
1−6アルキルまたはC6−10アリール−C1−4
ルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(ii)C1−6アルキルまたはC2−7アルカノイル−
1−6アルキルでモノまたはジ−置換されていてもよ
いリン酸基、(iii)スルホン酸基、(iv)C1−6
ルキルまたはC6−10アリール−C1−4アルキルで
置換されていてもよいスルホンアミド基、(v)C
1−3でアルキル化されていてもよい水酸基、(vi)C
1−3アルキルでアルキル化されていてもよいスルフヒ
ドリル基、(vii)カルバモイル基、(viii)水酸基、
ハロゲン、アミノスルホニルおよびC1−3アルキルで
置換されていてもよいアミノ基より選ばれた1ないし5
個の置換基で置換されていてもよいフェニル基、(ix)
1−3アルキルでモノまたはジ−置換されていてもよ
いアミノ基、および(x)テトラゾリル基から選ばれる
1〜2個の置換基を有していてもよいC1−6アルキル
基で置換されていてもよい環である化合物;Xで表さ
れる基において、R2bが水素原子またはC1−7アル
キル、R3bがC1−4アルキルスルホニルである化合
物;Xで表される複素環基がテトラゾリル、4,5−
ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、
4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジ
アゾリル、2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−
オキサジアゾリル、2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−
1,2,4−オキサジアゾリル、3,5−ジオキソ−1,
2,4−オキサジアゾリジニル、4,5−ジヒドロ−5−
オキソ−イソオキサゾリル、4,5−ジヒドロ−5−チ
オキソ−イソオキサゾリル、2,3−ジヒドロ−2−オ
キソ−1,3,4−オキサジアゾリル、2,3−ジヒドロ
−3−オキソ−1,2,4−テトラゾリルまたは2,3−
ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−テトラゾリルであ
る化合物;R1bがメチル、Wが塩素原子、Rが水酸
基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,tert−
ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメ
チルアミノアセチルオキシおよび2−アミノプロピオニ
ルオキシより選ばれる1個ないし3個の置換基で置換さ
れた分枝状のC3−6アルキル、Xが式
【化36】 〔式中、R2b'は水素原子またはC1−7アルキルを
示し、R3b'はC1−4アルキルを示す。〕で表され
る基である化合物;R1bがメチル、Wが塩素原子、R
が水酸基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,t
ert−ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキ
シ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび2−アミノプ
ロピオニルオキシより選ばれる1個ないし3個の置換基
で置換された分枝状のC3−6アルキル、Xが式
【化37】 〔式中、R'は水素原子またはC1−7アルキルを示
し、nは1ないし5の整数を示す。〕で表される基であ
る化合物;R1bがメチル、Wが塩素原子、Rが水酸
基,アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,tert−
ブトキシカルボニルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメ
チルアミノアセチルオキシおよび2−アミノプロピオニ
ルオキシより選ばれる1個ないし3個の置換基で置換さ
れた分枝状のC3−6アルキル、Xが式
【化38】 〔式中、R"は水素原子またはC1−4アルキルを示
す〕で表される基である化合物;R1bがメチル、Wが
塩素原子、Rが水酸基,アセチルオキシ,プロピオニ
ルオキシ,tert−ブトキシカルボニルオキシ,パル
ミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび
2−アミノプロピオニルオキシより選ばれる1個ないし
3個の置換基で置換された分枝状のC3−6アルキル、
がテトラゾリルである化合物;Rが1個または2
個の水酸基で置換されていてもよい低級アルキル、X
が(1)(a)C1−7アルキル、(b)C3−7シクロ
アルキル、(c)C2−6アルケニル、(d)C6−10
アリールおよび(e)C7−14アリールアルキルから
選ばれる炭化水素基〔ここで(a)C1−7アルキル、
(b)C3−7シクロアルキル、(c)C2−6アルケニ
ルはそれぞれ(i)C1−6アルキルまたはC7−10
アリールアルキルでエステル化されていてもよいカルボ
キシル基、(ii)リン酸基、(iii)スルホン酸基、(i
v)C1−6アルキルまたはC7−10アリールアルキ
ルで置換されていてもよいスルホンアミド基、(v)C
1−3アルキルでアルキル化されていてもよい水酸基、
(vi)C1−3アルキルでアルキル化されていてもよい
スルフヒドリル基、(vii)カルバモイル基、(viii)
水酸基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニルおよ
びC1−3アルキルでモノまたはジ−置換されていても
よいアミノ基より選ばれる置換基で置換されていてもよ
いフェニル基、(ix)C1−3アルキルでモノまたはジ
−置換されていてもよいアミノ基、および(x)ピペリ
ジン,ピロリジン,モルホリン,チオモルホリン,ピペ
ラジン,4−メチルピペラジン,4−ベンジルピペラジ
ンまたは4−フェニルピペラジンから導かれるC1−3
アルキル、ベンジルまたはフェニルで置換されていても
よい環状アミノ基および(xi)ピリジン,イミダゾー
ル,インドールまたはテトラゾ−ルから導かれる芳香族
5〜6員複素環基より選ばれる1ないし4個の置換を有
していてもよく、(d)C6−10アリールおよび(e)
7−14アリールアルキルはそれぞれ(i)C1−4
アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル
基、(ii)リン酸基、(iii)スルホン酸基、(iv)C
1−6アルキルまたはC7−10アリールアルキルで置
換されていてもよいスルホンアミド基、(v)C1−4
アルキルでエステル化されていてもよいカルボキシル
基、リン酸基、スルホン酸基、C1−6アルキルまたは
7−10アリールアルキルで置換されていてもよいス
ルホンアミド基で置換されていてもよいC1−3アルキ
ル基または(vi)ハロゲン原子より選ばれる1ないし4個
の置換基を有していてもよい〕で置換されていてもよい
カルバモイル基、(2)テトラゾリル,4,5−ジヒドロ
−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,4,5−
ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリ
ル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−オキサ
ジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,
4−オキサジアゾリル,3,5−ジオキソ−1,2,4−
オキサジアゾリジニル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ
−イソオキサゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ
−イソオキサゾリル,2,3−ジヒドロ−2−オキソ−
1,3,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−
オキソ−1,2,4−テトラゾリルまたは2,3−ジヒド
ロ−3−チオキソ−1,2,4−テトラゾリル基、(3)
(i)1または2個のハロゲンで置換されていてもよい
2−7アルカノイル基、および(ii)C1−3アルキ
ル、C1−3アルコキシおよびハロゲンから選ばれる1
ないし4個の置換基で置換されていてもよいC6−10
アリールスルホニル基、C1−4アルキルスルホニル基
またはC7−14アリールアルキルスルホニル基から選
ばれるアシル基で置換されていてもよいカルバモイル、
または(4)ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、2
−オキソピペラジン、2,6−ジオキソピペラジン、モ
ルホリンおよびチオモルホリンより導かれる環状アミノ
カルボニル基〔ここで環状アミノカルボニル基は(A)
水酸基、(B)C1−4アルキルでエステル化されてい
てもよいカルボキシル基、(C)リン酸基、(D)スルホ
ン酸基、(E)C1−6アルキルまたはC7−10アリ
ールアルキルで置換されていてもよいスルホンアミド
基、(F)前記(A)、(B)、(C)、(D)または(E)
で置換されていてもよいC −3アルキルまたはC
2−5アルケニル、(G)C1−3アルキルでモノまた
はジ−置換されていてもよいアミノ基、(H)ピペリジ
ン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、4−メ
チルピペラジン、4−ベンジルピペラジンまたは4−フ
ェニルピペラジンから導かれる環状アミノ基、(I)シ
アノ基、(J)カルバモイル基、(K)オキソ、(L)C
1−3アルコキシ、(M)テトラゾリルまたは2,5−ジ
ヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリルから
導かれる複素環基および(N)C6−10アリールスル
ホニル、C1−4アルキルスルホニルまたはC −14
アリールアルキルスルホニルで置換されていてもよいカ
ルバモイル基より選ばれる1ないし4個の置換基を有して
いてもよい〕である化合物;Rが2,2−ジメチル−
3−ヒドロキシプロピル基である化合物;などが好まし
い。前記式中、Rで示される低級アルキル基として
は、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n
−ブチル,イソブチル,n−ペンチル,イソペンチル,
ネオペンチル,ヘキチル等C1−6アルキルが挙げられ
る。なかでも、C3− アルキル基が好ましく、C
4−5アルキル基がより好ましい。とりわけイソブチ
ル,ネオペンチル等の分枝状C4−5アルキル基が好ま
しい。Rで示される低級アルキルの置換基としては例
えば炭素数C2−20アルカノイルまたはC1−7アル
キルで置換されていてもよい水酸基などが挙げられる。
このような置換基としては例えば水酸基,アセチルオキ
シ,プロピオニルオキシ,tert−ブトキシカルボニ
ルオキシ,パルミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチ
ルオキシおよび2−アミノプロピオニルオキジ等が挙げ
られる。このような置換基は置換可能な位置に1〜3個
置換していてもよい。さらに、Rで示される置換され
ていてもよい低級アルキルとしては例えば、2,2−ジ
メチル−3−ヒドロキシプロピル,3−ヒドロキシ−2
−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル,3−アセト
キシ−2,2−ジメチルプロピル,3−アセトキシ−2
−ヒトロキシメチル−2−メチル−プロピルおよび3−
アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピ
ル等が挙げられる。Xで示される置換されていてもよ
いカルバモイル基は式
【化39】 で表される基のようなものが挙げられる。
【0042】R2bおよびR3bで示される「置換され
ていてもよい炭化水素」としては置換されていてもよい
1−7の直鎖または分枝状のアルキル基(例えばメチ
ル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチ
ル,イソブチル,1,1−ジメチルエチル,n−ペンチ
ル,3−メチルブチル,2−メチルブチル,1−メチル
ブチル,1−エチルプロピル,n−ヘキシル,4−メチ
ルペンチル,3−メチルペンチル,2−メチルペンチ
ル,2−エチルブチル,1−エチルブチル,ネオペンチ
ル,ヘキシル,ヘプチル)、置換されていてもよいC
3−7のシクロアルキル基(シクロプロピル,シクロブ
チル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘキシ
ルメチル等)、置換されていてもよいC2−6の直鎖ま
たは分枝状のアルケニル基(例えば、ビニル,アリル,
イソプロペニル,2−メチルアリル,1−プロペニル,
2−メチル−1−プロペニル,2−メチル−2−プロペ
ニル,1−ブテニル,2−ブテニル,3−ブテニル,2
−エチル−1−ブテニル,2−メチル−2−ブテニル,
3−メチル−2−ブテニル,1−ペンテニル,2−ペン
テニル,3−ペンテニル,4−ペンテニル,4−メチル
−3−ペンテニル,1−ヘキセニル,2−ヘキセニル,
3−ヘキセニル,4−ヘキセニル,5−ヘキセニル
等)、置換されていてもよいC6−10アリール基(例
えば、フェニル,ナフチル基)および置換されていても
よいC7−14アリールアルキル基(例、ベンジル,フ
ェネチル,ナフチルメチル)等が挙げられる。
【0043】該「置換されていてもよいC1−7の直鎖
または分枝状のアルキル基、置換されていてもよいC
3−7シクロアルキル基,C2−6の直鎖または分枝状
のアルケニル基」の置換基としては、C1−6のアルキ
ル基またはC6−10アリール−C1−4アルキル基
(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,
ブチル,tert−ブチル,フェニル,ベンジル等)で
エステル化されていてもよいカルボキシル基,C1−6
アルキル(例えば、メチル,エチル,n−プロピル,イ
ソプロピル,n−ブチル,イソブチル,n−ペンチル,
イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル等)またはアセ
チルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル基のような
2−7アルカノイルオキシ−C1−6アルキルでモノ
またはジ−置換されていてもよいリン酸基,スルホン酸
基,C1−6のアルキル基またはC −10アリール−
1−4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,tert−ブチル,ベンジ
ル等)で置換されていてもよいスルホンアミド基,C
1−3のアルキル基(例、メチル,エチル,プロピル
等)でアルキル化されていてもよい水酸基およびスルフ
ヒドリル基,カルバモイル基,1ないし5個の置換基
〔例えば、水酸基,塩素,フッ素,アミノスルホニル
基,C1−3のアルキル基(例えば、メチル,エチル,
プロピル等)で置換されていてもよいアミノ基〕で置換
されていてもよいフェニル基,C1−3のアルキル基
(例えば、メチル,エチル,プロピル等)でモノ−また
はジ−置換されていてもよいアミノ基,環状アミノ基
(例えば、ピペリジン,ピロリジン,モルホリン,チオ
モルホリン,ピペラジン,4−メチルピペラジン,4−
ベンジルピペラジン,4−フェニルピペラジン,1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリン,フタルイミド等の
環状アミンから導かれるC1−3アルキル、 ベンジ
ル、フェニル等で置換されていてもよく、さらに酸素原
子、硫黄原子を環構成原子として含んでいてもよい5〜
6員環状アミノ基)および、N,O,Sから選ばれるヘ
テロ原子を1〜4個含む芳香族5〜6員複素環(例え
ば、ピリジン,イミダゾール,インドール,テトラゾー
ル等)が挙げられる。
【0044】さらにXで示される「置換されていても
よいカルバモイル基」のカルバモイル基を形成する置換
されていてもよいアミノ基の置換基としてのC6−10
アリール基およびC6−10アリール−C1−4アルキ
ル基の置換基としては、C −4のアルキル基(メチ
ル,エチル,プロピル,tert−ブチル基等)でエス
テル化されていてもよいカルボキシル基、C1−6アル
キル(メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,
n−ブチル,イソブチル,n−ペンチル,イソペンチ
ル,ネオペンチル,ヘキシル)またはピバロイルオキシ
メチル基、アセチルオキシメチル基のようなC2−7
ルカノイルオキシ−C1−6アルキル基でモノまたはジ
−置換されていてもよいリン酸基、スルホン酸基、C
1−4アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホ
ニルまたはC6−10アリール−C1− アルキルスル
ホニル、C1−6のアルキル基またはC6−10アリ−
ル−C −4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プ
ロピル,イソプロピル,ブチル,tert−ブチル,ベ
ンジル等)で置換されていてもよいスルホンアミド基お
よびC1−4のアルキル基でエステル化されていてもよ
いカルボキシル基,メチル,エチル,n−プロピル,イ
ソプロピル,n−ブチル,イソブチル,n−ペンチル,
イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル等のC1−6
アルキル基またはピバロイルオキシメチル基などのC
2−7アルカノイルオキシ−C1−6アルキル基でモノ
またはジ置換されていてもよいリン酸基,スルホン酸基
およびC1−6アルキル,C6−10アリ−ル−C
1−4アルキルで置換されていてもよいスルホンアミド
基で置換されていてもよいC1−3のアルキル基(例え
ば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル),ハロ
ゲン(フッ素,塩素)等が挙げられる。該「炭化水素
基」は置換可能な位置に置換基を1ないし5個有してい
てもよい。
【0045】R2bおよびR3bで示される「置換され
ていてもよい複素環基」としては、オキソ基,チオキソ
基等の置換基を1〜2個(好ましくは1個)有していて
もよく、かつ脱プロトン化しうる水素原子を有する複素
環基が好ましい。かかる複素環基は、S、O、Nから選
ばれるヘテロ原子を1〜4個、好ましくは2〜3個含む
5〜6員複素環基が好ましい。具体的にはテトラゾリ
ル,4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサ
ジアゾリル,4,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,
4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3−オキソ
−1,2,4−オキサジアゾリル,2,3−ジヒドロ−3
−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾリル,3,5−ジ
オキソ−1,2,4−オキサジアゾリジニル,4,5−ジ
ヒドロ−5−オキソ−イソオキサゾリル,4,5−ジヒ
ドロ−5−チオキソ−イソオキサゾリル,2,3−ジヒ
ドロ−2−オキソ−1,3,4−オキサジアゾリル,2,
3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2,4−テトラゾリルお
よび2,3−ジヒドロ−3−チオキソ−1,2,4−テト
ラゾリル等が挙げられる。とりわけテトラゾリル基が好
ましい。
【0046】R2bおよびR3bで示される「アシル
基」としては、カルボン酸から誘導されるカルボン酸ア
シル基(例えば、アセチル,プロピオニル,ブチリル,
ベンゾイル等C2−7カルボン酸アシル基)および置換
基を有していてもよいC6−1 アリールスルホニル
基,C1−4アルキルスルホニル基およびC6−10
リ−ル−C1−4アルキルスルホニル基(例えば、メチ
ルスルホニル,エチルスルホニル,フェニルスルホニ
ル,ナフチルスルホニル,フェニルメチルスルホニル,
フェニルエチルスルホニル,ナフチルメチルスルホニ
ル,ナフチルエチルスルホニル等)が挙げられる。アリ
ール,アルキル−およびアリールアルキルスルホニル基
の置換基としては、C−Cのアルキル(例メチル,
エチル,プロピル等),C1−3のアルコキシ(例メト
キシ,エトキシ,プロポキシ等),ハロゲン(塩素,フ
ッ素,臭素)等が挙げられ、これらが1〜4個好ましく
は1〜2個置換可能な位置に置換していてよい。前記、
カルボン酸アシル基は、ハロゲン(塩素、フッ素、臭
素)を1〜2個置換基として有していてもよい。
【0047】R2bおよびR3bは隣接のカルバモイル
の窒素原子と一緒になって形成する、C1−3アルキル
またはC2−7アルカノイルなどで置換されていてもよ
い環状アミノ基としては、例えば、ピペラジン,ピペリ
ジン,ピロリジン,ピペラジン−2−オン,ピペラジン
−2,6−ジオン,モルホリン,チオモルホリンのよう
な環状アミンであって、さらに、窒素原子、硫黄原子、
酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1〜3個環構成原子
として含んでいてもよい5または6員環状アミンから導
かれる基が挙げられる。これらの環状アミノ基は、1〜
4個、好ましくは1〜2個の置換基を有していてもよ
い。該置換基としては、C1−3アルキルまたはC
2−7アルカノイルで置換されていてもよい水酸基,C
1−4のアルキル基(メチル,エチル,プロピル,te
rt−ブチル基等)またはC7−10アリールアルキル
でエステル化されていてもよいカルボキシル基、C
1−6アルキルまたはC2−7アルカノイルオキシ−C
1−6アルキル基(アセチルオキシメチル基、ピバロイ
ルオキシメチル基)でモノまたはジ−置換されていても
よいリン酸基,スルホン酸基およびC1−6のアルキル
基またはC6−10アリ−ル−C1−4アルキル基(例
えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチ
ル,tert−ブチル,ベンジル等)で置換されていて
もよいスルホンアミド基、「C1−6アルキルまたはC
6−10アリ−ル−C1−4アルキルでエステル化され
ていてもよいカルボキシル基、C1−6アルキルまたは
2−7アルカノイルオキシ−C1−6アルキル基(ア
セチルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基な
ど)でモノまたはジ−置換されていてもよいリン酸基、
スルホン酸基、C1−6アルキルまたはC6−10アリ
−ル−C1−4アルキルで置換されていてもよいスルホ
ンアミド基、C1−3アルキルまたはC2−7アルカノ
イルで置換されていてもよい水酸基、C1−3アルキル
でアルキル化されていてもよいスルフヒドリル基、カル
バモイル基、1ないし5個の置換基(例えば、水酸基、
ハロゲン、アミノスルホニル、C1−3アルキルで置換
されていてもよいアミノ基など)で置換されていてもよ
いフェニル、C1−3アルキルでモノまたはジ−置換さ
れていてもよいアミノ基またはテトラゾリル」で置換さ
れていてもよいC 1−6アルキルおよびC2−5アルケ
ニル、C1−3のアルキル基(例えば、メチル,エチ
ル,プロピル等)でモノ−またはジ−置換されていても
よいアミノ基,環状アミノ基(例えば、ピペリジン,ピ
ロリジン,モルホリン,チオモルホリン,4−メチルピ
ペラジン,4−ベンジルピペラジン,4−フェニルピペ
ラジン等の、C−Cアルキル,ベンジル,フェニル
で置換されていてもよく、さらに窒素原子、硫黄原子、
酸素原子から選ばれるヘテロ原子を含んでいてもよい5
−または6−員環状アミンから導かれる基),シアノ
基,カルバモイル基,オキソ基,C1−3アルコキシ
(例えば、メトキシ,エトキシ,エチレンジオキシ
等),前記したのと同様な脱プロトン化しうる水素原子
を有するオキソ基又チオキソ基で置換されていてもよい
複素環基(例えば、テトラゾリル,2,5−ジヒドロ−
5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル等),Xで示
される「置換されていてもよいカルバモイル基」のカル
バモイルを形成する置換されていてもよいアミノ基の置
換基として挙げたC6−10アリールスルホニル,C
6−10アリ−ル−C1−4アルキルスルホニルおよび
1−4アルキルスルホニル(メチルスルホニル,エチ
ルスルホニル,プロピルスルホニル,ブチルスルホニ
ル,イソプロピルスルホニル,tert−ブチルスルホ
ニル,フェニル,スルホニル,ベンジルスルホニル
等)、C1−3アルキルでアルキル化されていてもよい
スルフヒドリル基または1ないし5個の置換基(例え
ば、水酸基、ハロゲン、アミノスルホニルおよびC
1−3アルキルで置換されていてもよいアミノ基など)
で置換されていてもよいフェニルで置換されたカルバモ
イル基等が挙げられる。
【0048】Xで表される置換されていてもよいカル
バモイル基の例としては例えば
【化40】
【化41】 等が挙げられる。R2b’およびRb’としては水素原
子およびC1−7アルキル等が挙げられる。とりわけ水
素原子が好ましい。R2b,R2b'およびR'で表さ
れるC1−7アルキルとしては前記の「炭化水素基」の
1−7アルキルと同様のものが挙げられる。R”とし
ては水素原子およびC1−4アルキル等が挙げられる。
とりわけ水素原子が好ましい。R3b'およびR"で表さ
れるC1−4アルキルとしては例えばメチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチ
ル等が挙げられる。
【0049】Xで示される脱プロトン化しうる水素原
子を有する置換されていてもよい複素環基としてはブレ
ンステッド酸的活性プロトンを有する含窒素(好ましく
は1〜4個の窒素原子を含む)5〜6員複素環が好まし
く、窒素原子、硫黄原子、酸素原子を1〜4個好ましく
は2〜3個含んでいるのがよい。これらの置換基として
は、オキソ基,チオキソ基等があげられ、これらの置換
基を1〜2個、特に1個有していてもよい。Xで示され
る「脱プロトン化しうる水素原子を有する置換されてい
てもよい複素環基」としては、例えば、テトラゾリル,
2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジア
ゾリル等のXで示される「置換されていてもよいカルバ
モイル基」の置換基としての「置換されていてもよい複
素環基」として例示したものなどが挙げられる。R1b
で示される「低級アルキル基」としては、メチル,エチ
ル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,ter
t−ブチル,ペンチル,ヘキシル等のC −Cアルキ
ル基が挙げられる。とりわけC−Cのアルキル基が
好ましい。R1bとしてはとくにメチル基が薬理活性面
から好ましい。Wで示される「ハロゲン原子」として
は、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。と
りわけ塩素原子が好ましい。
【0050】式(Ib)で表される化合物の塩としては、
例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸
塩等の無機塩、例えば酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、
フマル酸塩、マレイン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メ
タンスルホン酸塩等の有機酸塩、例えばナトリウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等の金属
塩、例えばトリエチルアミン塩、グアニジン塩、アンモ
ニウム塩、ヒドラジン塩、キニーネ塩、シンコニン塩等
の塩基の塩等の薬理学的に許容されうる塩が挙げられ
る。また、式(Ib)で表される化合物の水和物および非
水和物も本発明に包含されるものである。式(Ib)で表
わされる化合物またはその塩は、3位と5位に不斉炭素
が存在するが、7員環の面に対して、3位と5位の置換
基が逆方向を向いている異性体であるトランス体が好ま
しく、特に3位の絶対配置がR配置で、5位の絶対配置
がS配置のものが好ましい。
【0051】式(Ib)で表される化合物またはその塩と
しては具体的には以下のものが好ましい。N−メタンス
ルホニル−[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3
−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,
2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]アセトアミド、N−メタンスルホニル−[(3R,
5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−
2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テ
トラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]
アセトアミド、N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エ
チル〕−[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−
ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒ
ドロキシメチル−2−メチルプロピル)−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル]アセトアミド、N−〔2−(ピロリジン
−1−イル)エチル〕−[(3R,5S)−7−クロロ
−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒ
ドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−
1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル]アセトアミド、
【0052】N−メタンスルホニル−[(3R,5S)
−1−〔3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)
−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベン
ゾオキサゼピン−3−イル〕アセトアミド、N−メタン
スルホニル−[(3R,5S)−1−(3−アセトキシ
−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−
クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−イル]アセトアミド、N−[〔(3R,
5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロ
ピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1
−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕ピペリジ
ン−4−酢酸、N−[〔(3R,5S)−1−(3−ア
セトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピ
ル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1
−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕ピペリジ
ン−4−酢酸、N−〔〔(3R,5S)−1−(3−ア
セトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−
5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン
−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 エチル
エステル、N−〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキ
シ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7
−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−
オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオ
キサゼピン−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢
酸 エチルエステル、
【0053】(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3
−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,
2−ジメチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒドロ
−3−〔1H(または3H)−テトラゾ−ル−5−イ
ル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン、
(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシ
フェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメ
チル−2−メチルプロピル)−1,2,3,5−テトラヒ
ドロ−3−〔1H(または3H)−テトラゾ−ル−5−
イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オ
ン、(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−
ジメチルプロピル−7−クロロ−5−(2,3−ジメト
キシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−
〔1H(または3H)−テトラゾ−ル−5−イル〕メチ
ル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オン、(3R,5
S)−1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−
2−メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジ
メトキシフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3
−〔1H(または3H)−テトラゾ−ル−5−イル〕メ
チル−4,1−ベンゾオキサゼピン−2−オンN−〔2
−(ピロリジン−1−イル)エチル〕−[(3R,5
S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5−
テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イ
ル]アセトアミド;など
【0054】式(Ib)で表される化合物またはその塩
は、例えば、EPA567026号、WO95/218
34(特願平6−15531号に基づくPCT出願)、
EPA645377(特願平6−229159号に基づ
く出願)、EPA645378(特願平6−22916
0号に基づく出願)、WO9710224号などの公報
の開示の方法、またはそれに準ずる方法にしたがって製
造することができる。
【0055】式(I)で表わされる化合物としては、前
記式(Ic)
【化42】 で表される化合物が好ましい。式(Ic)で表わされる化
合物としては、R1cが置換基を有していてもよい(カ
ルボキシ−C2−3アルキル)−C6− 10アリール基
である化合物;R1cが置換基を有していてもよい(カ
ルボキシ−C2−3アルキル)−フェニル基である化合
物;R1cが置換基を有していてもよい(カルボキシフ
リル)−アルキル基である化合物;R2cが水酸基、ア
セトキシ、プロピオニルオキシ、tert−ブトキシカ
ルボニルオキシおよびパルミトイルオキシから選ばれた
1ないし3個の置換基を有していてもよいC3−6アル
キル基である化合物;R2cが2,2−ジメチルプロピ
ル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルまたは
3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピルである化合
物;R3cがメチル基である化合物;Wが塩素原子であ
る化合物;3位がR−配位で5位がS−配位である化合
物;などが好ましい。
【0056】前記式中、R1cは置換基を有していても
よい1−カルボキシエチル基、置換基を有していてもよ
いカルボキシ−C3−6直鎖アルキル基、置換基を有し
ていてもよいC3−6直鎖アルキル−スルホニル基、置
換基を有していてもよい(カルボキシ−C5−7シクロ
アルキル)−C1−3アルキル基、または 式 −X
−Ar−X−X−COOH(式中、Xおよび
はそれぞれ結合手または置換基を有していてもよい
1−4アルキレン基を示し、XおよびXはそれぞ
れ結合手、−O−または−S−を示し、Arは置換基を
有していてもよい2価の芳香環基を示す。但し、X
結合手のとき、Xは結合手を示し、X が結合手のと
き、Xは結合手を示す)で表される基を示す。R1c
で示される置換基を有していてもよいカルボキシ−C
3−6直鎖アルキル基におけるC3−6直鎖アルキル基
としては、n−プロピル,n−ブチル,n−ペンチル,
n−ヘキシルが挙げられる。これらのうち、n−プロピ
ル,n−ブチルが好ましく、n−プロピルがより好まし
い。前記式中、R1cで示される置換基を有していても
よいC3−6直鎖アルキル−スルホニル基におけるC
3−6直鎖アルキル基としては、n−プロピル,n−ブ
チル,n−ペンチル,n−ヘキシルが挙げられる。これ
らのうち、n−プロピル,n−ブチルが好ましく、n−
プロピルがより好ましい。R1cで示される置換基を有
していてもよい(カルボキシ−C5−7シクロアルキ
ル)−C1−3アルキル基におけるC5−7シクロアル
キル基としては、シクロペンチル,シクロヘキシル,シ
クロヘプチルが挙げられる。これらのうち、シクロペン
チル,シクロヘキシルが好ましく、シクロヘキシルがよ
り好ましい。R1cで示される置換基を有していてもよ
い(カルボキシ−C5−7シクロアルキル)−C1−3
アルキル基におけるC1−3アルキル基としては、メチ
ル,エチル,n−プロピル,イソプロピルが挙げられ
る。これらのうち、メチル,エチルが好ましく、メチル
がより好ましい。R1cとしての 式 −X−X−A
r−X−X−COOHで表される基において、X
およびXで示される「置換基を有していてもよいC
1−4アルキレン基」における「C1−4アルキレン
基」としては、例えば、メチレン、ジメチレン、トリメ
チレン、テトラメチレンなどが挙げられ、C1−3アル
キレン基が好ましく、なかでも、直鎖状のものが好まし
く用いられる。Arで示される「置換基を有していても
よい2価の芳香環基」における「2価の芳香環基」とし
ては、例えば、2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香族
複素環基などが挙げられる。ここで、2価の芳香族炭化
水素基としては、例えば、C6−10アリール基(例、
フェニル,ナフチルなど)から1個の水素原子を除去し
て形成される基などが挙げられ、2価の芳香族炭化水素
基としては、フェニレンが好ましく用いられる。2価の
芳香族複素環基としては、例えば、環系を構成する原子
(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子
等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1
ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4
個、さらに好ましくは1ないし2個)含む芳香族複素環
基から1個の水素原子を除去して形成される基などが挙
げられる。ここで、芳香族複素環基としては、例えばフ
リル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサ
ゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、
ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−
オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラ
ザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジ
アゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリ
アゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピ
リジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ト
リアジニル等の5ないし6員の芳香族単環式複素環基
(好ましくは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾ
リル、チアゾリル、ピリジルなど)、および例えばベン
ゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔〕チエニ
ル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリ
ル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2
−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ
ピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベン
ゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニ
ル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナ
フチリジニル、プリニル、ブテリジニル、カルバゾリ
ル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボ
リニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチア
ジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアント
レニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インド
リジニル、ピロロ〔1,2−〕ピリダジニル、ピラゾ
ロ〔1,5−〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−〕ピリ
ジル、イミダゾ〔1,5−〕ピリジル、イミダゾ〔1,
2−〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−〕ピリミ
ジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−〕ピリジ
ル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−〕ピリダジニル
等の8〜12員の芳香族縮合複素環基(好ましくは、前
記した5ないし6員の芳香族単環式複素環基がベンゼン
環と縮合した複素環または前記した5ないし6員の芳香
族単環式複素環基の同一または異なった複素環2個が縮
合した複素環、より好ましくは前記した5ないし6員の
芳香族単環式複素環基がベンゼン環と縮合した複素環)
等が挙げられる。
【0057】XおよびXで示される「置換基を有し
ていてもよいC1−4アルキレン基」における「C
1−4アルキレン基」;ならびにArで示される「置換
基を有していてもよい2価の芳香環基」における「2価
の芳香環基」がそれぞれ有していてもよい置換基として
は、(i)C1−6のアルキル基またはC6−10アリ
ール−C1−4アルキル基(例えば、メチル,エチル,
プロピル,イソプロピル,ブチル,tert−ブチル,
フェニル,ベンジル等)でエステル化されていてもよい
カルボキシル基,(ii)C1−6アルキル(例えば、
メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブ
チル,イソブチル,n−ペンチル,イソペンチル,ネオ
ペンチル,ヘキシル等)またはアセトキシメチル、ピバ
ロイルオキシメチル基のようなC2−7アルカノイルオ
キシ−C1−6アルキルでモノまたはジ−置換されてい
てもよいリン酸基,(iii)スルホン酸基,(iv)
1− のアルキル基またはC6−10アリール−C
1−4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,tert−ブチル,ベンジ
ル等)で置換されていてもよいスルホンアミド基,
(v)C1−3のアルキル基(例、メチル,エチル,プ
ロピル等)でアルキル化されていてもよい水酸基および
スルフヒドリル基,(vi)カルバモイル基,(vi
i)1ないし5個の置換基〔例えば、水酸基,塩素,フ
ッ素,アミノスルホニル基,C1−3のアルキル基(例
えば、メチル,エチル,プロピル等)で置換されていて
もよいアミノ基〕で置換されていてもよく、OまたはS
を介して結合していてもよいフェニル基,(viii)
1−3のアルキル基(例えば、メチル,エチル,プロ
ピル等)でモノ−またはジ−置換されていてもよいアミ
ノ基,(ix)C1−3アルキル(例、メチル,エチル
等)、ベンジル、フェニル等で1ないし3個置換されて
いてもよい環状アミノ基(例えば、ピペリジン,ピロリ
ジン,モルホリン,チオモルホリン,ピペラジン,4−
メチルピペラジン,4−ベンジルピペラジン,4−フェ
ニルピペラジン,1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リン,フタルイミド等の環状アミンから(水素原子を一
個除いて)導かれる環状アミノ基などの窒素原子の外に
酸素原子、硫黄原子を環構成原子として含んでいてもよ
い5〜6員環状アミノ基),(x)N,O,Sから選ば
れるヘテロ原子を1〜4個含み、OまたはSを介して結
合していてもよい5−6員芳香族複素環基(例えば、ピ
リジル,イミダゾリル,インドリル,テトラゾリル
等),(xi)ハロゲン原子(例、塩素、フッ素、臭
素、ヨウ素など),(xii)C1−4アルコキシ基、
1−4アルキルチオ基、カルボキシルおよびフェニル
から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよいC
1−4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,t−ブチル等)、C1−4
アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロポキ
シ,イソプロポキシ,ブトキシ,t−ブトキシ等)また
はC 1−4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチ
ルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチ
オ,t−ブチルチオ等)、(xiii)C5−7シクロ
アルキル基(例、シクロペンチル,シクロヘキシル,シ
クロヘプチル等)、(xiv)C1−7アルカノイルオ
キシ(例、ホルミルオキシ,アセトキシ,プロピオニル
オキシ,ブチリルオキシ,t−ブトキシカルボニルオキ
シ,イソブチリルオキシ,バレリルオキシ,ピバロイル
オキシ等)が挙げられる。このような置換基は、置換可
能位置に1ないし6個、好ましくは1ないし3個存在し
得る。また、2個の置換基が結合して、C3−6アルキ
レン、C3−6アルキレンオキシ、C3−6アルキレン
ジオキシなどを形成していてもよく、例えば、フェニル
基上の隣接した2個の置換基が結合して、Cアルキレ
ンを形成する場合は、テトラヒドロナフタレン基を形成
することとなる。R1cとしての 式 −X−X−A
r−X−X−COOHで表される基の具体例として
は、置換基を有していてもよい(カルボキシ−ヘテロア
リール)−C1−4アルキル基〔好ましくは、置換基を
有していてもよい(カルボキシ−フリル)−C1−4
ルキル基〕、置換基を有していてもよい(カルボキシ−
6−10アリール)−C1−4アルキル基、置換基を
有していてもよいカルボキシ−ヘテロアリール基、置換
基を有していてもよいカルボキシ−C6−10アリール
基、置換基を有していてもよい(カルボキシ−C1−4
アルキル)−ヘテロアリール基、置換基を有していても
よい(カルボキシ−C1−4アルキル)−C 6−10
リール基〔好ましくは、(カルボキシ−C2−3アルキ
ル)−C6− 10アリール基〕、置換基を有していても
よい(カルボキシ−C1−4アルキル)−ヘテロアリー
ル−C1−4アルキル基、置換基を有していてもよい
(カルボキシ−C1−4アルキル)−C7−14アラル
キル基〔好ましくは、置換基を有していてもよい(カル
ボキシ−C1−3アルキル)−C7−14アラルキル
基〕、置換基を有していてもよい(カルボキシ−C
1−4アルコキシ)−C6−10アリール基、置換基を
有していてもよい(カルボキシ−C1−4アルコキシ)
−C6−10アリール−C1−4アルキル基、置換基を
有していてもよい(カルボキシ−C1−4アルキル)−
6−10アリールオキシ−C1−4アルキル基、置換
基を有していてもよい(カルボキシ−C6−10アリー
ルオキシ)−C1− アルキル基、置換基を有していて
もよい(カルボキシ−C1−4アルキルチオ)−ヘテロ
アリール基などが挙げられる。ここで、ヘテロアリール
としては、前記した「芳香族複素環基」と同様なものが
挙げられ、該ヘテロアリールは、前記した「芳香族複素
環基」が有していてもよい置換基と同様な置換基を有し
ていてもよい。また、C6−10アリールとしては、フ
ェニル,ナフチル,アズレニルが挙げられ、フェニルが
好ましく用いられ、該C6−10アリールは、前記した
「芳香族複素環基」が有していてもよい置換基と同様な
置換基を有していてもよい。 Rで示される置換基を
有していてもよい(カルボキシフリル)−C1−4アル
キル基におけるアルキル基としては、例えばメチル,エ
チル,n−プロピル,イソプロピル、n−ブチル,イソ
ブチル,1,1−ジメチルエチル等のC1−4の直鎖ま
たは分枝状のアルキル基等が挙げられる。これらのう
ち、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n
−ブチル等のC1−4アルキル基が好ましく、メチル,
エチル,n−プロピルがより好ましい。該カルボキシフ
リル基としては、例えば3−カルボキシ−2−フリル、
4−カルボキシ−2−フリル、2−カルボキシ−3−フ
リル、2−カルボキシ−5−フリル等が挙げられる。こ
らのうち、3−カルボキシ−2−フリル、4−カルボキ
シ−2−フリルが好ましく、3−カルボキシ−2−フリ
ルがより好ましい。R1cで示される置換基を有してい
てもよい(カルボキシ−C2−3アルキル)−C
6−10アリール基におけるC2−3アルキルとして
は、エチル,n−プロピル,イソプロピルが挙げられ、
エチル,n-プロピルが好ましい。C6−1 アリール
基としては、フェニル,ナフチル,アズレニルが挙げら
れ、フェニルが好ましい。R1cで示される置換基を有
していてもよい(カルボキシ−C1−3アルキル)−C
7−14アラルキル基における、C1−3アルキル基と
しては、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル
が挙げられ、メチル,エチルが好ましく、エチルが特に
好ましい。C7−14アラルキル基(C6−10アリー
ル−C1− アルキル基)としては、フェニルメチル,
1−フェニルエチル,2−フェニルエチル、3−フェニ
ルプロピル,2−フェニルプロピル,4−フェニルブチ
ル,(1−ナフチル)メチル,(2−ナフチル)メチ
ル、1−(1−ナフチル)エチル,1−(2−ナフチ
ル)エチル、3−(1−ナフチル)プロピル,3−(1
−ナフチル)プロピル、4−(1−ナフチル)ブチル、
4−(2−ナフチル)ブチルが挙げられ、フェニルメチ
ル,1−フェニルエチル,3−フェニルプロピル,(1
−ナフチル)メチル、(2−ナフチル)メチル、(1−
ナフチル)エチル、(2−ナフチル)エチルが好まし
く、フェニルメチル,2−フェニルエチルが特に好まし
い。R1cで示される各基で置換基を有する場合の置換
基としては、Arで示される「置換基を有していてもよ
い2価の芳香環基」における「2価の芳香環基」が有し
ていてもよい置換基と同様なものが挙げられ、このよう
な置換基は、置換可能位置に1ないし6個、好ましくは
1ないし3個存在し得る。また、Rで示される各基に
おいて、カルボキシル部分は無置換であることが好まし
いが、カルボキシル以外の任意の部分は、置換可能位置
に置換可能な置換基を有していてもよい。R1cとして
は、3−カルボキシプロピル基、1−カルボキシエチル
基、それぞれ置換基を有していてもよいC3−6直鎖ア
ルキル−スルホニル基、(カルボキシ−C5−7シクロ
アルキル)−C1−3アルキル基、(カルボキシフリ
ル)−アルキル基、カルボキシ−C6−10アリール
基、(カルボキシ−C1−4アルキル)−C6−10
リール基〔好ましくは、(カルボキシ−C2−3アルキ
ル)−C6−10アリール基〕、(カルボキシ−C
1−3アルキル)−C7−1 アラルキル基などが好ま
しく、置換基を有していてもよい(カルボキシ−C
−4アルキル)−C6−10アリール基が好ましく、置
換基を有していても良い(カルボキシ−C2−3アルキ
ル)−C6−10アリール基がさらに好ましく、とりわ
け、置換基を有していてもよい(カルボキシ−C2−3
アルキル)−フェニル基が好ましい。
【0058】R2cで示される、アルカノイルオキシ基
または水酸基で置換されていてもよいC3−6アルキル
基におけるC3−6アルキル基としては例えば、n−プ
ロピル,イソプロピル,1,1−ジメチルエチル,n−
ブチル,イソブチル,n−ペンチル,2,2−ジメチル
プロピル,イソペンチル,n−ヘキシル,イソヘキシル
等が挙げられる。これらのうち、イソプロピル,1,1
−ジメチルエチル,n−ブチル、イソブチル,2,2−
ジメチルプロピル,イソヘキシルが好ましく、2,2−
ジメチルプロピルが特に好ましい。R2cで示される、
アルカノイルオキシ基または水酸基で置換されていても
よいC3−6アルキル基におけるアルカノイルオキシ基
としては例えば、ホルミルオキシ,アセトキシ,プロピ
オニルオキシ,ブチリルオキシ,tert−ブトキシカ
ルボニルオキシ,イソブチリルオキシ,バレリルオキ
シ,ピバロイルオキシ,ラウリルオキシ,パルミトイル
オキシ,ステアロイルオキシ等のC1−20アルカノイ
ルオキシ基(好ましくは、C1−7アルカノイルオキシ
基など)などが挙げられる。これらのうち、アセトキ
シ,プロピオニルオキシ,tert−ブトキシカルボニ
ルオキシ,パルミトイルオキシが好ましく、アセトキシ
が特に好ましい。アルカノイルオキシ基または水酸基は
置換可能な位置に1〜3個置換していてもよい。R2c
で示されるアルカノイルオキシ基または水酸基で置換さ
れていてもよいC3−6アルキル基の好ましい例として
は、2,2−ジメチルプロピル,3−ヒドロキシ−2,
2−ジメチルプロピル,3−ヒドロキシ−2−ヒドロキ
シメチル−2−メチルプロピル,3−アセトキシ−2,
2−ジメチルプロピル,3−アセトキシ−2−ヒトロキ
シメチル−2−メチル−プロピルおよび3−アセトキシ
−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル等が挙げ
られる。これらのうち、2,2−ジメチルプロピル,3
−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル,3−アセト
キシ−2,2−ジメチルプロピルが特に好ましい。ま
た、Rとしては、アルカノイルオキシ基および/また
は水酸基を有するC 3−6アルキル基が好ましい。
【0059】R3cで示される低級アルキル基として
は、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n
−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,ヘキシル等の
1− アルキル基が挙げられる。とりわけC1−3
アルキル基が好ましい。R3cとしてはとくにメチル基
が薬理活性面から好ましい。Wで示されるハロゲン原子
としては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素原子が挙げられ
る。とりわけ塩素原子が好ましい。
【0060】式(Ic)で表わされる化合物は遊離体であ
っても、薬理学的に許容される塩であっても本発明に含
まれる。このような塩としては、式(Ic)で表わされる
化合物がカルボキシル基等の酸性基を有する場合、無機
塩基(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カ
ルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、
鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基(例、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエ
チレンジアミンなどの有機アミン類、アルギニン、リジ
ン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸類等)などとの塩
を形成していてもよい。本発明の式(Ic)で表わされる
化合物がアミノ基等の塩基性基を有する場合、無機酸や
有機酸(例、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、炭酸、重炭酸、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、フマー
ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハ
ク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸等)、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸などの酸性アミノ酸等との塩を形成してもよ
い。
【0061】式(Ic)で表わされる化合物またはその塩
は、3位と5位に不斉炭素が存在するが、立体異性体の
混合物であってもよく、また公知手段で異性体を分離す
ることもできる。7員環の面に対して3位と5位の置換
基が逆方向を向いている異性体であるトランス体が好ま
しく、特に3位の絶対配置がR配置で、5位の絶対配置
がS配置のものが好ましい。またラセミ体または光学活
性体であってもよい。光学活性体は公知の光学分割手段
によりラセミ体より分離することができる。
【0062】本発明の式(Ic)で表わされる化合物また
はその塩としては具体的には以下のもなどが好ましい。 N−プロパンスルホニル−[(3R,5S)−7−クロ
ロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−
ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ
−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−イル]アセトアミド、もしくはその塩 (2R)−2−〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(2,2−ジメ
チルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラ
ヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセ
チル〕アミノプロピオン酸、もしくはその塩 3-〔3-〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメト
キシフェニル)-1-(2,2-ジメチルプロピル)−2−オ
キソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキ
サゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノフェニル〕プロピ
オン酸、もしくはその塩 4-〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシ
フェニル)-1-(2,2−ジメチルプロピル)-2-オキ
ソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピ
ン-3-イル〕アセチル〕アミノブタン酸、もしくはその
塩 トランス−4−〔〔(3R,5S)−1−(3−アセト
キシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル〕アセチル〕−アミノメチル−1−シクロ
ヘキサンカルボン酸、もしくはその塩 トランス−4−〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル〕アセチル〕−アミノメチル−1−シクロ
ヘキサンカルボン酸、もしくはその塩 3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキ
シ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル〕アセチル〕アミノ〕−4−フルオロフェ
ニル〕プロピオン酸、もしくはその塩 3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル〕アセチル〕アミノ〕−4−メチルフェニ
ル〕プロピオン酸、もしくはその塩 3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキ
シ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル〕アセチル〕アミノ〕−4−メチルフェニ
ル〕プロピオン酸、もしくはその塩 3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル〕アセチル〕アミノメチル〕フェニル〕プ
ロピオン酸、もしくはその塩 3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキ
シ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル〕アセチル〕アミノメチル〕フェニル〕プ
ロピオン酸、もしくはその塩 3-〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメ
トキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプ
ロピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-
ベンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノ〕-4-
メトキシフェニル〕プロピオン酸、もしくはその塩 2−〔2−〔〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピ
ン−3−イル〕アセチル〕アミノ〕エチル〕フラン−3
−カルボン酸、もしくはその塩 3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,
2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼン
−3−イル〕アセチル〕アミノ〕−4−フルオロフェニ
ル〕プロピオン酸、もしくはその塩 3-〔3-〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキ
シフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピ
ル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベン
ゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕 アミノフェニ
ル〕プロピオン酸、もしくはその塩 4-〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメ
トキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプ
ロピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-
ベンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノ〕-4-
メトキシフェニル〕ブタン酸、もしくはその塩 5-〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメ
トキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプ
ロピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-
ベンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノ〕-4-
メトキシフェニル〕ペンタン酸、もしくはその塩 5-〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメ
トキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプ
ロピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-
ベンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノ〕-4-
フルオロフェニル〕ペンタン酸、もしくはその塩などが
挙げられる。
【0063】前記式(Ic)で表わされる化合物またはそ
の塩は、例えば、EPA567026号、WO95/2
1834(特願平6−15531号に基づくPCT出
願)、EPA645377(特願平6−229159号
に基づく出願)、EPA645378(特願平6−22
9160号に基づく出願)などの公報、特願2000−
190253号(PCT/JP01/05347)明細
書などに開示の方法、またはそれに準ずる方法にしたが
って製造することができる。本発明の式(I)で表され
る化合物の原料化合物も、前記と同様の塩が用いられる
が、反応に支障のない限り特に限定されない。
【0064】本発明の高密度リポタンパク−コレステロ
ール上昇剤は、優れた高密度リポタンパク−コレステロ
ール上昇作用を有し、かつ低毒性である。よって、これ
らの化合物およびその塩は、哺乳動物(例えば、マウ
ス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、
ウマ、ヒツジ、サル、ヒト等)において、例えば原発性
低高密度リポタンパク−コレステロール血症予防治療
薬、タンジェール病予防治療薬などの他、心筋梗塞予防
治療薬、動脈硬化性疾患予防治療薬、高脂血症予防治療
薬、家族性高コレステロール血症予防治療薬、糖尿病予
防治療薬、糖尿病性合併症予防治療薬等として安全に用
いることができる。本発明の高密度リポタンパク−コレ
ステロール上昇剤および家族性高コレステロール血症予
防・治療剤において、活性成分であるスクアレン合成酵
素阻害作用を有する化合物またはその塩、またはそのプ
ロドラッグ(SSI化合物またはそのプロドラッグ)
は、原末のままでもよいが、通常製剤用担体、例えば賦
形剤(例えば、炭酸カルシウム、カオリン、炭酸水素ナ
トリウム、乳糖、澱粉類、結晶セルロース、タルク、グ
ラニュー糖、多孔性物質等)、結合剤(例えば、デキス
トリン、ゴム類、アルコール化澱粉、ゼラチン、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、プルラン等)、崩壊剤(例えば、カルボキシ
メチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナト
リウム、クロスポピドン、低置換度ヒドロキシプロピル
セルロース、部分アルファー化澱粉等)、滑沢剤(例え
ば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、タルク、澱粉、安息香酸ナトリウム等)、着色剤
(例えば、タール色素、カラメル、三二酸化鉄、酸化チ
タン、リボフラビン類等)、矯味剤(例えば、甘味類、
香料等)、安定剤(例えば、亜硫酸ナトリウム等)およ
び保存剤(例えば、パラベン類、ソルビン酸等)等の中
から適宜、適量用いて、常法に従って調製された形で投
与される。前記製剤を含む本発明の剤は、SSI化合物
またはそのプロドラッグを疾病を治療および予防するの
に有効な量を適宜含有する。SSI化合物またはそのプ
ロドラッグの本発明製剤中の含有量は、通常製剤全体の
0.1ないし100重量%である。また本発明で用いら
れる製剤は、活性成分としてSSI化合物またはそのプ
ロドラッグ以外の他の医薬成分を含有していてもよく、
これらの成分は本発明の目的が達成される限り特に限定
されず、適宜適当な配合割合で使用が可能である。剤形
の具体例としては、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコー
ティング錠を含む)、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒
剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、徐放性
注射剤、吸入剤、軟膏剤等が用いられる。これらの製剤
は常法(例えば日本薬局方記載の方法等)に従って調製
される。
【0065】具体的には、錠剤の製造法は、SSI化合
物またはそのプロドラッグをそのまま、賦形剤、結合
剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均
等に混和したものを、適当な方法で顆粒とした後、滑沢
剤等を加え、圧縮成型するかまたは、SSI化合物また
はそのプロドラッグをそのまま、または賦形剤、結合
剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均
等に混和したものを、直接圧縮成型して製するか、また
はあらかじめ製した顆粒にそのまま、もしくは適当な添
加剤を加えて均等に混和した後、圧縮成型しても製造す
ることもできる。また、本剤は、必要に応じて着色剤、
矯味剤等を加えることができる。さらに、本剤は、適当
なコーティング剤で剤皮を施すこともできる。注射剤の
製造法は、SSI化合物またはそのプロドラッグの一定
量を、水性溶剤の場合は注射用水、生理食塩水、リンゲ
ル液等、非水性溶剤の場合は通常植物油等に溶解、懸濁
もしくは乳化して一定量とするか、またはSSI化合物
またはそのプロドラッグの一定量をとり注射用の容器に
密封して製することができる。経口用製剤担体として
は、例えばデンプン、マンニトール、結晶セルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウム等の製剤分野に
おいて常用されている物質が用いられる。注射用担体と
しては、例えば蒸留水、生理食塩水、グルコース溶液、
輸液剤等が用いられる。その他、製剤一般に用いられる
添加剤を適宜添加剤することもできる。また、本発明の
製剤は、徐放性製剤として用いることもできる。本発明
の徐放性製剤は、例えば水中乾燥法(o/w法、w/o
/w法等)、相分離法、噴霧乾燥法あるいはこれらに準
ずる方法によって製造されたマイクロカプセル(例えば
マイクロスフェア・マイクロカプセル、マイクロパーテ
ィクル等)をそのまま、あるいはこのマイクロカプセル
または球状、針状、ペレット状、フィルム状、クリーム
状の医薬組成物を原料物質として種々の剤型に製剤化
し、投与することができる。該剤型としては、例えば非
経口剤(例えば、筋肉内、皮下、臓器等への注射または
埋め込み剤;鼻腔、直腸、子宮等への経粘膜剤等)、経
口剤(例えば、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、
散剤、懸濁剤等)等が挙げられる。本発明の徐放性製剤
が注射剤である場合は、マイクロカプセルを分散剤(例
えば、Tween 80,HCO−60等の界面活性
剤;カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ム、ヒアルロン酸ナトリウム等の多糖類;硫酸プロタミ
ン、ポリエチレングリコール等)、保存剤(例えば、メ
チルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化剤(例え
ば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブ
ドウ糖等)、局所麻酔剤(例えば、塩酸キシロカイン、
クロロブタノール等)等とともに水性懸濁剤とするか、
植物油(例えば、ゴマ油、コーン油等)あるいはこれに
リン脂質(例えば、レシチン等)を混合したもの、また
は中鎖脂肪酸トリグリセリド(例えば、ミグリオール8
12等)とともに分散して油性懸濁剤として徐放性注射
剤とする。本発明の徐放性製剤がマイクロカプセルであ
る場合、その平均粒子径は、約0.1ないし約300μ
mであり、好ましくは、約1ないし約150μm、さら
に好ましくは約2ないし約100μmである。マイクロ
カプセルを無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にす
る方法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方
法等が挙げられるが、特に限定されない。
【0066】本発明の高密度リポタンパク−コレステロ
ール上昇剤は、低毒性で、医薬品として有用であり、優
れた高密度リポタンパク−コレステロール上昇作用を有
する。それゆえ、本発明の剤は、この薬理作用に基づく
疾患の予防治療薬として有用である。すなわち、動脈硬
化、高脂血症、糖尿病、糖尿病性合併症、糖尿病性腎
症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、不整脈、末梢
血管疾患、血栓症、膵障害、虚血性心疾患、脳虚血、心
筋梗塞後遺症、心弁膜症、アルツハイマー病等の治療ま
たは予防に用いることができる。加えて家族性高コレス
テロール血症、原発性低HDL血症、Tangier
病、および閉経後の糖尿病患者に多発する虚血性心疾患
の治療および予防に適している。本発明の高密度リポタ
ンパク−コレステロール上昇剤は、LDL低下作用を有
するが、HDL上昇作用を示さない薬剤と比較すると、
LDL低下作用のみでは治療効果がない原発性低HDL
血症、Tangier病などの予防・治療に有用であ
る。高脂血症治療薬の最終目的は心筋梗塞等の致死的な
疾患の発症を予防することであり、LDL低下作用を有
するが、HDL上昇作用を示さない薬剤でも心筋梗塞な
どに対してある程度の発症予防効果が認められるが、高
密度リポタンパク−コレステロール上昇剤は心筋梗塞等
の発症をより強力に予防することが可能である。更に、
LDL低下作用を有するが、HDL上昇作用を示さない
薬剤では治療効果が認められない患者や疾患・症状(例
えば、難治性の高脂血症など)にも有効であり、血清脂
質が正常レベルであるヒトにおいても、心筋梗塞等の致
死的な疾患の発症率を抑制し、治療効果を改善すること
が可能である。また、高脂血症、特に高トリグリセリド
血症、高リポタンパク血症および高コレステロール血症
並びにそれから生じるアテロ−ム性動脈硬化血管病変お
よびそれらの続発症、例えば、冠動脈疾患、脳虚血、動
脈瘤、脳動脈硬化、末梢動脈硬化症、間欠性跛行、壊疽
等の治療および予防に特に適している。本発明の高密度
リポタンパク−コレステロール上昇剤の更に注目に値す
る適用例として、アルツハイマー病の予防、治療が挙げ
られる。血中コレテロールの上昇は、アルツハイマー病
の危険因子であることが知られている。式(I)で表わ
される化合物またはその塩、またはそのプロドラックな
どのSSI化合物は、その優れた高密度リポタンパク−
コレステロール上昇および脂質低下作用により、アルツ
ハイマー病の予防、治療に用いることができ、その際、
SSI化合物は、単独あるいは以下に例示する薬剤と組
み合わせて投与することができる。この場合の可能な組
み合わせは、例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害
薬(例えば、アリセプト、エクセロンなど)、アミロイド
β産生・分泌阻害薬(例えば、JT-52やLY-374973などの
γあるいはβセクレターゼ阻害剤、あるいはSIB-1848な
ど)、アミロイドβ凝集阻害薬(例えば、PTI-00703やBET
ABLOC(AN-1792)など)などが挙げられる。本発明におけ
る式(I)で表わされる化合物またはその塩、プロドラ
ック(以下、その塩およびプロドラックも含めて、単に
式(I)の化合物または化合物(I)と称することがあ
る)は、低毒性であり、高密度リポタンパク−コレステ
ロール上昇作用を有する。更に、スクアレン合成酵素阻
害作用、トリグリセライド低下作用を有し、すぐれた脂
質低下作用を有するので、哺乳動物(例、マウス、ラッ
ト、ウサギ、犬、ネコ、牛、豚、サル、ヒト等)高コレ
ステロール血症、高トリグリセライド血症等の高脂血症
の予防治療に安全な医薬として有用であり、また腎炎,
腎症などの腎疾患、動脈硬化、虚血性疾患、心筋梗塞、
狭心症、動脈瘤、脳動脈硬化、末梢動脈硬化症、血栓
症、高血圧症、骨粗鬆症、糖尿病(例えば、インスリン
抵抗性に基づく型など)、膵障害、経皮的冠動脈形成術
(PTCA)後の再狭搾の予防治療に安全な医薬として
有用である。
【0067】以下、本発明の有用性をさらに詳しく述べ
る。式(I)の化合物は優れたトリグリセライド低下作
用およびコレステロール低下作用並びにそれらの生物学
的性質を有しており、高脂血症、特に高トリグリセライ
ド血症、高リポタンパク血症および高コレステロール血
症並びにそれから生じるアテローム性動脈硬化血管病変
およびそれらの続発症、例えば、冠動脈疾患、脳虚血、
脳卒中、間欠性跛行、壊疽等の治療および予防に特に適
している。これらの疾患の治療において、式(I)の化
合物は単独で治療のために使用されてもよく、またはそ
の他の脂質低下薬またはコレステロール低下薬などの他
の医薬成分と共に組合わせて(同時投与あるいは時間差
を設けて投与して)使用されてもよく、この場合、これ
らの化合物は経口製剤として投与されることが好まし
く、また必要により直腸製剤として坐薬の形態で投与さ
れてもよい。この場合の可能な組み合わせ成分として
は、例えばフィブレート類〔例、クロフィブレート、ベ
ンザフィブレート、ジェムフィプロジル、フェノフイブ
レート、Wy−1463、GW9578等〕などのPP
ARα 作動薬,ニコチン酸、その誘導体および類縁体
〔例、アシピモックスおよびプロブコール〕,胆汁酸結
合樹脂〔例、コレスチラミン、コレスチポール等〕,コ
レステロール吸収を抑制する化合物〔例、シトステロー
ルやネオマイシン、βラクタム誘導体等〕,コレステロ
ール生合成を阻害する化合物〔例、ロバスタチン、シン
バスタチン、プラバスタチン、アトロバスタチン、ZD
−4522、イタバスタチン等のHMG−CoA還元酵
素阻害薬〕,スクアレンエポキシダーゼ阻害薬〔例、N
B−598および類縁化合物等〕が挙げられる。更に別
の可能な組み合わせ成分は、オキシドスクアレン−ラノ
ステロールサイクラーゼ阻害薬(例えばデカリン誘導
体、アザデカリン誘導体およびインダン誘導体など)や
MTP(ミクロソームトリグリセリド転送タンパク阻害
薬(implitapideなど)などである。
【0068】加えて、式(I)の化合物は、高カイロミ
クロン血症に関連する疾患、例えば、急性膵炎の治療に
適している。膵炎発症の機序については、カイロミクロ
ンによって膵毛細血管に微小塞栓がおこる、あるいは高
カイロミクロン血症のため膵リパーゼによってトリグリ
セライドが分解されて生成する遊離脂肪酸が増加し局所
を強く刺激するためにおこるともいわれている。したが
って、本発明の式(I)の化合物はトリグリセライド低
下作用を有するので膵炎の治療が可能であり、単独で、
または既知の治療法と組み合わせて膵炎の治療に使用し
得る。本疾患の治療のために、本発明の化合物(I)は
経口投与または局所投与でき、またはそれらは単独であ
るいは既知の活性化合物と組み合わせて使用し得る。こ
の場合の可能な組み合わせ成分は、例えば抗酵素療用に
アプロチニン(トラジロール),メシル酸ガベキサート
(エフオーワイFOY),メシル酸ナファモスタット
(フサン),シチコリン(ニコリン),ウリナスタチン
(ミラクリッド)等があげられる。又疼痛の除去の目的
で、抗コリン作動薬、非麻薬性鎮痛薬、麻薬も使用され
る。式(I)の化合物の更に注目に値する適用例とし
て、続発性高脂血症がある。これには、糖尿病、甲状腺
機能低下症、ネフローゼ症候群あるいは慢性腎不全など
が含まれ、これらの疾患によって高脂血症が発症する
が、多くの場合、高脂血症がこれらの疾患を憎悪させ
る、いわゆる悪循環を形成している。脂質低下作用から
考えて、式(I)の化合物はこれらの疾患の治療および
進展予防にも適しており、その際それらは単独で、また
は以下に挙げる医薬と組み合わせて投与できる。
【0069】糖尿病治療薬:キネダック,アバンデイ
ア、ベンフィル,ヒューマリン,オイグルコン,グリミ
クロン,ダオニール,ノボリン,モノタード,インシュ
リン類,グルコバイ,ジメリン,ラスチノン,バシルコ
ン,デアメリンS,イスジリン類; 甲状腺機能低下症治療薬:乾燥甲状腺(チレオイド),
レボチロキシンナトリウム(チラージンS),リオチロ
ニジンナトリウム(サイロニン、チロミン); ネフローゼ症候群治療薬:プレドニゾロン(プレドニ
ン),コハク酸プレドニゾロンナトリウム(プレドニ
ン),コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム(ソル
・メドロール),ベタメタゾン(リンデロン); 抗凝固療法剤:ジピリダモール(ベルサンチン),塩酸
ジラゼプ(コメリアン)等; 慢性腎不全治療薬:利尿薬〔例、フロセミド(ラシック
ス),ブメタニド(ルネトロン),アゾセミド(ダイア
ート)〕,降圧薬(例、ACE阻害薬、(マレイン酸エ
ナラプリル(レニベース))およびCa 拮抗薬(マニン
ヒロン)、α受容体遮断薬などと組み合わせて、好まし
くは経口投与で使用し得る。
【0070】高脂血症は動脈硬化症を増悪させ、高血圧
症を引き起こすことから、式(I)の化合物は高血圧症
の治療・予防にも適しており、その際式(I)の化合物
は単独、あるいは以下に例示する薬剤と組合わせて投与
することができる。この場合の可能な組合わせは、例え
ばアンジオテンシン−II拮抗薬〔例、ロサルタンカリ
ウム(ニュウロタン)、カンデサルタンレキセチル(プ
ロブレス)等〕、ACE阻害薬〔例、マレイン酸エナラ
プリル(レニベース)、リシノプリル(ゼストリル、ロ
ンゲス)、塩酸デラプリル(アテカット)、カプトプリ
ル等〕、カルシウム拮抗薬〔例、トシル酸アムロジピン
(アムロジン、ノルバスク)、塩酸マニジピン(カルス
ロット)等〕、降圧利尿剤、α受容体遮断薬、β受容体
遮断薬などが挙げられる。式(I)の化合物のさらに注
目すべき適応症は、血中コレステロールの上昇に伴う骨
粗鬆症である。式(I)の化合物の優れた脂質低下作用
により、血中コレステロールの上昇に伴う骨粗鬆症の治
療・予防に用いることができ、その際式(I)の化合物
は単独あるいは以下に例示する薬剤と組合わせて投与す
ることができる。この場合の可能な組合わせとしては、
例えば性ホルモンおよび関連薬剤〔例、エストロゲン製
剤、イプリフラボン(オステン)、ラロキシフェン、オ
サテロン、チボロン等〕、カルシトニン類、ビタミンD
製剤〔例、アルファカルシドール、カルシトリオール
等〕、ビスホスホン酸類(例、エチドロネート、クロド
ロネート等)などの骨吸収抑制剤、フッ素化合物、PT
Hなどの骨形成促進剤などが挙げられる。
【0071】本発明の式(I)の化合物の更に可能な用
途は、血栓形成の抑制である。血中トリグリセライド値
と血液凝固に関与する第VII因子とは正相関し、ω−3
系脂肪酸の摂取によりトリグリセライドが低下すると共
に、凝固は抑制されることから、高トリグリセライド血
症が血栓形成を促進する。また、正脂血症者よりも高脂
血症患者のVLDLが血管内皮細胞からのプラスミノー
ゲンアクチベータインヒビター分泌を強く増加させたこ
とから、トリグリセライド(以下TG)が線溶能を低下
させるとも考えられる。それゆえ、TG低下作用から考
えて、式(I)の化合物は血栓形成の予防および治療に
適している。その際それらは単独で、または既知の下記
治療薬と組み合わせて、好ましくは経口投与で使用し得
る。血栓形成予防治療薬:血液凝固阻止薬〔例、ヘパリ
ンナトリウム,ヘパリンカルシウム,ワルファリンカル
シウム(ワーファリン)〕,血栓溶解薬〔例、ウロキナ
ーゼ〕,抗血小板薬〔例、アスピリン,スルフィンピラ
ゾロ(アンツーラン),ジピリダモール(ペルサンチ
ン),アクロピジン(パナルジン),シロスタゾール
(プレタール)〕 前記した公知のSSI化合物も、式(I)の化合物と同
様な疾患の予防・治療に用いることができ、また、式
(I)の化合物と同様な併用薬を用いることができる。
【0072】また、本発明の高密度リポタンパク−コレ
ステロール上昇剤は血糖低下作用を示し、肥満型糖尿病
ラットにおいて血糖低下作用を示すことから、インスリ
ン抵抗性を改善する。それらの生物学的性質を考える
と、高血糖症およびそれから生じる続発症、例えば、糖
尿病性腎症および腎不全期に認められる合併症、貧血、
骨代謝異常、嘔吐、悪心、食欲不振、下痢などの循環器
疾患、神経障害などの神経症状、糖尿病性神経障害、糖
尿病性網膜症、糖尿病性血管障害並びにインスリン抵抗
性およびそれから生じる、例えば高血圧症や耐糖能異
常、さらにその続発症、例えば、心臓病、脳虚血、間欠
性跛行、壊疽等の治療および予防に特に適している。こ
れらの疾患の治療において、本発明の高密度リポタンパ
ク−コレステロール上昇剤は単独で予防治療のために使
用されてもよく、またその他の血糖低下薬または降圧薬
と共に使用されてもよく、この場合、これらの化合物は
経口製剤として投与されることが好ましく、また必要に
より直腸製剤として坐薬の形態で投与されてもよい。こ
の場合組み合わせが可能な成分としては、例えば、
(1)インスリン製剤(例えば、ヒトインスリン等)、
(2)スルホニルウレア剤(例えば、グリベンクラミ
ド、グリクラジド等)、(3)α−グルコシダーゼ阻害
剤(例えば、ボグリボース、アカルボース等)、(4)
インスリン感受性増強剤(例えば、ピオグリタゾン、ト
ログリタゾン等)、(5)アルドース還元酵素阻害剤
(例えば、エパルレスタット、トルレスタット等)、グ
リケーション阻害剤(例えば、アミノグアニジン等)等
が挙げられる。婦人科疾患治療薬(更年期障害治療薬
(結合型エストロゲン、エストラジオール、エナント酸
テストステロン・吉草酸エストラジオール等)、乳癌治
療薬(クエン酸タモキシフェン等)、子宮内膜症・子宮
筋腫治療薬(酢酸リュープロリン、ダナゾール等)等と
の組み合わせ、あるいはこれら薬剤と糖尿病治療薬との
組み合わせも可能である。更に降圧剤との組み合わせが
可能であり、例えば、(1)利尿薬(例えば、フロセミ
ド、スピロノラクトン等)、(2)交感神経抑制薬(例
えば、アテノロール等)、(3)アンジオテンシンII拮
抗薬(例えば、ロサルタン、カンデサルタン等)、
(4)アンジオテンシンI変換酵素阻害薬(例えば、マ
レイン酸エナラプリル、塩酸デラプリル等)、(5)カ
ルシウム拮抗薬(例えば、ニフェジピン、塩酸マニジピ
ン等)等が挙げられる。本発明の製剤の投与量は、投与
経路、症状、患者の年令あるいは体重等によっても異な
るが、例えば、動脈硬化治療剤、血糖低下剤、糖尿病合
併症治療剤、原発性低高密度リポタンパク−コレステロ
ール血症治療剤、タンジェール病治療剤、家族性高コレ
ステロール血症治療剤などとして、成人患者に経口的に
投与する場合、スクアレン合成酵素阻害作用を有する化
合物またはその塩、またはそのプロドラッグとして1日
当たり0.2〜50mg/day、好ましくは1.5〜
30mg/dayを1〜数回に分けて投与するのが望ま
しい。投与経路は経口、非経口のいずれでもよい。ま
た、本発明の徐放性製剤の投与量は、投与経路、症状、
患者の年令あるいは体重等の他に、放出の持続時間等に
よっても種々異なるが、活性成分の有効濃度が体内で保
持される量であれば特に制限されず、その投与回数は、
1日ないし3日あるいは1週間ないし3ヶ月に1回等状
況によって適宜選ぶことができる。
【0073】
【発明の実施の形態】本発明は、さらに下記の実施例で
詳しく説明されるが、これらの例は単なる実例であって
本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸
脱しない範囲で変化させてもよい。
【0074】
【実施例】以下に、本発明の製剤の薬理効果を示す実験
結果について記載する。 試験例1 雄性コモンマーモセット(300−500g)を正常食
(CMS−1、日本クレア)と水を自由に与えて飼育し
た。体重を測定し、大腿静脈から血液を採取して、血漿
中の総コレステロール(TC)、HDL-コレステロール
(HDL−C)およびトリグリセリド(TG)を和光純
薬キット(和光純薬製)を用い、自動分析機(日立70
70)にて測定し、1群5匹に分けた。被検化合物を
0.5%メチルセルロースで懸濁液として1日1回4日
間強制経口投与した。5日目の朝、体重を測定し、さら
に大腿静脈から血液を採取して、血漿中の総コレステロ
ール、トリグリセリドおよびHDL−コレステロールを
前記と同様の方法で測定した。なお、非HDL−C(n
on−HDL−C)は総コレステロールからHDL−コ
レステロールを差し引いて求めた。結果を表1に示す。
【表1】被検化合物:N−〔〔(3R,5S)−1−
(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−
クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 試験例2 LDL受容体欠損動物であるWHHL(Watanabe heritable hy
perlipidemic)ウサギ(2-3 ヶ月齢、雄 4 羽、雌 8
羽)を使用した。体重を測定し、耳中心動脈から血液を
採取した。血漿中のコレステロール(TC)およびトリグ
リセライド(TG)値を、和光純薬キット(和光純薬製)
を用いた自動分析装置(日立7070)にて測定し、6 羽ず
つ 2 群に分けた。被検化合物は基礎飼料(RC-4、オリ
エンタル酵母)に0.2% となるように混和し、混餌飼料
を一日 120g与えた(100 mg/kg/day 相当量)。対照群
には基礎飼料を一日 120g与えた。投与開始時、14 日間
投薬終了時の血中脂質値を、表2および表3に示す。
【表2】被検化合物:N−〔〔(3R,5S)−1−
(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−
クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢酸
【表3】被検化合物:N−〔〔(3R,5S)−1−
(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−
クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オ
キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキ
サゼピン−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢酸
【0075】製剤例 下記の組成に従い、化合物A175g、D−マンニトー
ル175g、コーンスターチ118.65gおよびクロ
スカルメロースナトリウム105gからなる混合物を、
バーチカルグラニュレーター(FM−VG−10型、パ
ウレックス社製)で充分混合後、ヒドロキシプロピルセ
ルロース19.25gを溶解した水溶液で練合する(練
合条件:400rpm,10分間)。白色の練合物を流動
乾燥機(FD−3S,パウレックス社製)を用い送風温
度60℃で30分間乾燥後、パワーミル(P−3型,昭
和化学機械工作所製)を用い1.5mmφパンチングスク
リーンで篩過して顆粒とする。この顆粒525.14
g、クロスカルメロースナトリウム31gおよびステア
リン酸マグネシウム1.86gを加え、混合機(TM−
15型,昭和化学機械工作所製)で5分間混合し打錠用
顆粒とする。この顆粒を錠剤機(Correct 19K,菊水
製作所製)で8.0mmφの隅角平面杵を用いて180m
g、圧力0.7ton/cm2 で打錠し、錠剤2,350錠を
得る。 化合物A:N−〔〔(3R,5S)−1−(3−アセト
キシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−
(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,
3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3
−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−酢酸 化合物A 50mg D−マンニトール 50mg コーンスターチ 33.9mg クロスカルメロースナトリウム 40mg ヒドロキシプロピルセルロース 5.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.6mg 計 180.0mg (1錠当り) 得られる50mg錠を1日一回夕方に経口投与する。
【0076】
【発明の効果】本発明の製剤は、優れた高密度リポタン
パク−コレステロール上昇作用を有するので、例えば、
原発性低高密度リポタンパク−コレステロール血症予防
治療薬、タンジェール病予防治療薬などの他、動脈硬化
性疾患予防治療薬、高脂血症予防治療薬、家族性高コレ
ステロール血症予防・治療薬、糖尿病予防治療薬、糖尿
病性合併症予防治療薬等として安全かつ有利に用いるこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 7/02 A61P 7/02 9/00 9/00 9/10 101 9/10 101 13/12 13/12 19/10 19/10 25/00 25/00 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 天野 雄一郎 大阪府大阪市東淀川区菅原7丁目1番19− 802号 Fターム(参考) 4C084 AA17 MA01 NA14 ZA452 ZC202 ZC332 ZC542 4C086 AA01 AA02 BC75 MA01 MA04 NA14 ZA45 ZC20 ZC33 ZC54

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクアレン合成酵素阻害作用を有する化
    合物またはその塩、またはそのプロドラッグを含有して
    なる高密度リポタンパク−コレステロール上昇剤。
  2. 【請求項2】 原発性低高密度リポタンパク−コレステ
    ロール血症予防・治療剤である請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】 タンジェール病予防・治療剤である請求
    項1記載の剤。
  4. 【請求項4】 スクアレン合成酵素阻害作用を有する化
    合物が、式 【化1】 〔式中、Rは水素または置換されていてもよい炭化水
    素基を、RおよびRは同一または異なって水素,置
    換されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていて
    もよい複素環基を、X'はエステル化されていてもよい
    カルボキシル基,置換されていてもよいカルバモイル
    基,置換されていてもよい水酸基,置換されていてもよ
    いアミノ基あるいは脱プロトン化しうる水素原子を有す
    る置換されていてもよい複素環残基から構成される置換
    基を、環Aは置換されていてもよいベンゼン環または置
    換されていてもよい複素環を、環J'は環構成原子とし
    て3個以下のヘテロ原子を含有する7または8員の複素
    環を、環J'はR,R,R およびX'以外にさらに
    置換基を有していてもよい〕で表わされる化合物または
    その塩である請求項1記載の剤。
  5. 【請求項5】 Rが置換されていてもよい脂肪族非環
    状炭化水素基である請求項4記載の剤。
  6. 【請求項6】 脂肪族非環状炭化水素基が分枝状アルキ
    ル基である請求項5記載の剤。
  7. 【請求項7】 RまたはRが置換されていてもよい
    フェニル基である請求項4記載の剤。
  8. 【請求項8】 X'がエステル化されていてもよいカル
    ボキシル基で置換されているアルキル基である請求項4
    記載の剤。
  9. 【請求項9】 X'が脱プロトン化しうる水素原子を有
    する置換されていてもよい複素環残基で置換されている
    アルキル基である請求項4記載の剤。
  10. 【請求項10】 複素環残基が 【化2】 である請求項9記載の剤。
  11. 【請求項11】 X’が置換されていてもよいカルバモ
    イル基で置換されたアルキル基である請求項4記載の
    剤。
  12. 【請求項12】 置換されていてもよいカルバモイル基
    が置換されていてもよい環状アミノカルボニル基である
    請求項11記載の剤。
  13. 【請求項13】 アルキル基が直鎖状の炭素数1ないし
    4のアルキル基である請求項8,9または11記載の
    剤。
  14. 【請求項14】 環Aで示される複素環が 【化3】 である請求項4記載の剤。
  15. 【請求項15】 環J'の置換基がオキソまたはチオキ
    ソである請求項4記載の剤。
  16. 【請求項16】 環Aと環J'とからなる縮合環が 【化4】 である請求項4記載の剤。
  17. 【請求項17】 RおよびRがそれぞれ、水素原
    子,置換されていてもよいアルキル基,置換されていて
    もよいフェニル基または置換されていてもよい芳香族複
    素環基である請求4記載の剤。
  18. 【請求項18】 式 【化5】 〔式中、Rは水素または置換されていてもよい炭化水
    素基を、RおよびRは同一または異なって水素,置
    換されていてもよい炭化水素基あるいは置換されていて
    もよい複素環基を、Xは結合手または2価の原子鎖
    を、Yはエステル化されていてもよいカルボキシル基,
    置換されていてもよいカルバモイル基,置換されていて
    もよい水酸基,置換されていてもよいアミノ基またはプ
    ロトン化しうる水素原子を有する置換されていてもよい
    複素環残基を、環Bは置換されていてもよいベンゼン環
    を示す〕で表わされる化合物またはその塩、またはその
    プロドラッグを含有してなる請求項1記載の剤。
  19. 【請求項19】 Rが置換されていてもよい脂肪族非
    環状炭化水素基である請求項18記載の剤。
  20. 【請求項20】 脂肪族非環状炭化水素基が分枝状アル
    キル基である請求項19記載の剤。
  21. 【請求項21】 RまたはRが置換されていてもよ
    いフェニル基である請求項18記載の剤。
  22. 【請求項22】 Xが直鎖状または分枝状のアルキレ
    ンである請求項18記載の剤。
  23. 【請求項23】 Xが直鎖状の炭素数1ないし4のア
    ルキレンである請求項18記載の剤。
  24. 【請求項24】 Yがエステル化されていてもよいカル
    ボキシル基である請求項18記載の剤。
  25. 【請求項25】 Yが置換されていてもよいカルバモイ
    ル基である請求項18記載の剤。
  26. 【請求項26】 Yが脱プロトン化しうる水素原子を有
    する置換されていてもよい複素環残基である請求項18
    記載の剤。
  27. 【請求項27】 複素環残基が 【化6】 である請求項26記載の剤。
  28. 【請求項28】 式 【化7】 〔式中、Rは置換されていてもよい水酸基で置換され
    ていてもよい低級アルキル基を、Xは置換されていて
    もよいカルバモイル基または脱プロトン化しうる水素原
    子を有する置換されていてもよい複素環基を、R1b
    低級アルキル基を、Wはハロゲン原子を示す。〕で表わ
    される化合物またはその塩、またはそのプロドラッグを
    含有してなる請求項1記載の剤。
  29. 【請求項29】 Rが水酸基,アセチルオキシ,プロ
    ピオニルオキシ,t−ブトキシカルボニルオキシ,パル
    ミトイルオキシ,ジメチルアミノアセチルオキシおよび
    2−アミノプロピオニルオキシから選ばれた1ないし3
    個の置換基を有していてもよいC1−6アルキルである
    請求項28記載の剤。
  30. 【請求項30】 R1bがメチルである請求項28記載
    の剤。
  31. 【請求項31】 Wが塩素原子である請求項28記載の
    剤。
  32. 【請求項32】 Xが式 【化8】 〔式中、R2bおよびR3bはそれぞれ水素原子、置換さ
    れていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素
    環基またはアシル基であるか、あるいはR2bおよびR
    3bは隣接する窒素原子と一緒になって、窒素原子、硫
    黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1ない
    し3個環構成原子として含んでいてもよい置換されてい
    てもよい5または6員含窒素複素環を形成していてもよ
    い〕で表される基である請求項28記載の剤。
  33. 【請求項33】 Xが式 【化9】 〔式中、R"は水素原子またはC1−4アルキルを示
    す〕で表される基である請求項28記載の剤。
  34. 【請求項34】 式 【化10】 〔式中、R1cは置換基を有していてもよい1−カルボ
    キシエチル基、置換基を有していてもよいカルボキシ−
    3−6直鎖アルキル基、置換基を有していてもよいC
    3−6直鎖アルキル−スルホニル基、置換基を有してい
    てもよい(カルボキシ−C5−7シクロアルキル)−C
    1−3アルキル基、または 式 −X−X −Ar−X
    −X−COOH(式中、XおよびXはそれぞれ
    結合手または置換基を有していてもよいC1−4アルキ
    レン基を示し、XおよびXはそれぞれ結合手、−O
    −または−S−を示し、Arは置換基を有していてもよ
    い2価の芳香環基を示す。但し、Xが結合手のとき、
    は結合手を示し、Xが結合手のとき、Xは結合
    手を示す)で表される基を示し、R2cはアルカノイル
    オキシ基および/または水酸基で置換されていてもよい
    3−6アルキル基を示し、R3cは低級アルキル基を
    示し、Wはハロゲン原子を示す〕で表される化合物また
    はその塩、またはそのプロドラッグを含有してなる請求
    項1記載の剤。
  35. 【請求項35】 R1cが3−カルボキシプロピル基、
    1−カルボキシエチル基、それぞれ置換基を有していて
    もよいC3−6直鎖アルキル−スルホニル基、(カルボ
    キシ−C5−7シクロアルキル)−C1−3アルキル
    基、(カルボキシフリル)−アルキル基、カルボキシ−
    6−10アリール基、(カルボキシ−C2−3アルキ
    ル)−C6−10アリール基または(カルボキシ−C
    1−3アルキル)−C7−14アラルキル基である請求
    項34記載の剤。
  36. 【請求項36】 R1cが置換基を有していてもよい
    (カルボキシ−C1− アルキル)−C6−10アリー
    ル基である請求項34記載の剤。
  37. 【請求項37】 R2cがアルカノイルオキシ基および
    /または水酸基を有するC3−6アルキル基である請求
    項34記載の剤。
  38. 【請求項38】 R2cが水酸基、アセトキシ、プロピ
    オニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシおよびパ
    ルミトイルオキシから選ばれた1ないし3個の置換基を
    有していてもよいC3−6アルキル基である請求項34
    記載の剤。
  39. 【請求項39】 R3cがメチル基である請求項34記
    載の剤。
  40. 【請求項40】 Wが塩素原子である請求項34記載の
    剤。
  41. 【請求項41】 3位がR−配位で5位がS−配位であ
    る請求項34記載の剤。
  42. 【請求項42】 N−プロパンスルホニル−[(3R,
    5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
    ル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピ
    ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
    4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセトアミ
    ド、(2R)−2−〔〔(3R,5S)−7−クロロ−
    5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(2,2−
    ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テ
    トラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕
    アセチル〕アミノプロピオン酸、3-〔3-〔〔(3R,5
    S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1-
    (2,2-ジメチルプロピル)−2−オキソ-1,2,3,
    5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル〕
    アセチル〕アミノフェニル〕プロピオン酸、4-〔〔(3
    R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-
    1-(2,2−ジメチルプロピル)-2-オキソ-1,2,
    3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イ
    ル〕アセチル〕アミノブタン酸、トランス−4−
    〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−
    ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメ
    トキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テト
    ラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕ア
    セチル〕アミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン
    酸、トランス−4−〔〔(3R,5S)−7−クロロ−
    5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒド
    ロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−
    1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサ
    ゼピン−3−イル〕アセチル〕アミノメチル−1−シク
    ロヘキサンカルボン酸、3−〔3−〔〔〔(3R,5
    S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピ
    ル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
    ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
    4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕ア
    ミノ〕−4−フルオロフェニル〕プロピオン酸、3−
    〔3−〔〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,
    3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−
    2,2−ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,
    3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−
    3−イル〕アセチル〕アミノ〕−4−メチルフェニル〕
    プロピオン酸、3−〔3−〔〔〔(3R,5S)−1−
    (3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−
    クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オ
    キソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾ
    オキサゼピン−3−イル〕アセチル〕アミノ〕−4−メ
    チルフェニル〕プロピオン酸、3−〔3−〔〔〔(3
    R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
    ェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプ
    ロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ
    −4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕
    アミノメチル〕フェニル〕プロピオン酸、3−〔3−
    〔〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2
    −ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジ
    メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テ
    トラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕
    アセチル〕アミノメチル〕フェニル〕プロピオン酸、3
    -〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメト
    キシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロ
    ピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベ
    ンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノ〕-4-メ
    トキシフェニル〕プロピオン酸、2−〔2−〔〔〔(3
    R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
    ェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプ
    ロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ
    −4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕
    アミノ〕エチル〕フラン−3−カルボン酸、3−〔3−
    〔〔〔(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジ
    メトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−
    ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テ
    トラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼン−3−イル〕ア
    セチル〕アミノ〕−4−フルオロフェニル〕プロピオン
    酸、3-〔3-〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメ
    トキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプ
    ロピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-
    ベンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕 アミノフェ
    ニル〕プロピオン酸、N−メタンスルホニル−[(3
    R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェ
    ニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロ
    ピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,
    1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセトアミド、N
    −メタンスルホニル−[(3R,5S)−7−クロロ−
    5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒド
    ロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピル)
    −2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベ
    ンゾオキサゼピン−3−イル]アセトアミド、N−〔2
    −(ピロリジン−1−イル)エチル〕−[(3R,5
    S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
    ル)−1−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−
    2−メチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テ
    トラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]
    アセトアミド、N−〔2−(ピロリジン−1−イル)エ
    チル〕−[(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,3−
    ジメトキシフェニル)−1−(3−ヒドロキシ−2,2
    −ジメチルプロピル)−2−オキソ−1,2,3,5−テ
    トラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]
    アセトアミド、N−メタンスルホニル−[(3R,5
    S)−1−〔3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピ
    ル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
    ル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1
    −ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセトアミド、N−
    メタンスルホニル−[(3R,5S)−1−(3−アセ
    トキシ−2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)
    −7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
    2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベン
    ゾオキサゼピン−3−イル]アセトアミド、N−
    〔〔(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジ
    メチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメト
    キシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒ
    ドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチ
    ル〕ピペリジン−4−酢酸、N−〔〔(3R,5S)−
    1−(3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メ
    チルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキ
    シフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒド
    ロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチ
    ル〕ピペリジン−4−酢酸、N−〔〔(3R,5S)−
    1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
    7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2
    −オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾ
    オキサゼピン−3−イル〕アセチル〕ピペリジン−4−
    酢酸 エチルエステル、N−〔〔(3R,5S)−1−
    (3−アセトキシ−2−アセトキシメチル−2−メチル
    プロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフ
    ェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
    4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル〕アセチル〕ピ
    ペリジン−4−酢酸 エチルエステル、(3R,5S)
    −7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−
    1−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−
    1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(または3
    H)−テトラゾール−5−イル〕メチル−4,1−ベン
    ゾオキサゼピン−2−オン、(3R,5S)−7−クロ
    ロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−(3−
    ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルプロピ
    ル)−1,2,3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(また
    は3H)−テトラゾール−5−イル〕メチル−4,1−
    ベンゾオキサゼピン−2−オン、(3R,5S)−1−
    (3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル−7−ク
    ロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,3,
    5−テトラヒドロ−3−〔1H(または3H)−テトラ
    ゾール−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサゼピ
    ン−2−オン、(3R,5S)−1−(3−アセトキシ
    −2−アセトキシメチル−2−メチルプロピル)−7−
    クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−1,2,
    3,5−テトラヒドロ−3−〔1H(または3H)−テ
    トラゾール−5−イル〕メチル−4,1−ベンゾオキサ
    ゼピン−2−オン、N−〔2−(ピロリジン−1−イ
    ル)エチル〕−[(3R,5S)−7−クロロ−5−
    (2,3−ジメトキシフェニル)−1−ネオペンチル−
    2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベン
    ゾオキサゼピン−3−イル]アセトアミド、(3R,5
    S)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニ
    ル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−1,2,3,5
    −テトラヒドロ−4,1−ベンズオキサゼピン−3−酢
    酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−(2,4−ジメ
    トキシフェニル)−1−ネオペンチル−2−オキソ−
    1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンズオキサ
    ゼピン−3−酢酸、(3R,5S)−7−クロロ−5−
    (4−エトキシ−2−メトキシフェニル)−1−ネオペ
    ンチル−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−
    4,1−ベンズオキサゼピン−3−酢酸、4-〔3-
    〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフ
    ェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル)-
    2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオ
    キサゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノ〕-4-メトキシ
    フェニル〕ブタン酸、5-〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-
    クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-1-(3-ヒドロ
    キシ-2,2-ジメチルプロピル)-2-オキソ-1,2,3,5
    -テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル〕ア
    セチル〕アミノ〕-4-メトキシフェニル〕ペンタン酸、
    5-〔3-〔〔〔(3R,5S)-7-クロロ-5-(2,3-ジメ
    トキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプ
    ロピル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-
    ベンゾオキサゼピン-3-イル〕アセチル〕アミノ〕-4-
    フルオロフェニル〕ペンタン酸またはその薬理学的に許
    容し得る塩、またはそのプロドラッグを含有してなる請
    求項1記載の剤。
  43. 【請求項43】 スクアレン合成酵素阻害作用を有する
    化合物またはその塩、またはそのプロドラッグを含有し
    てなる家族性高コレステロール血症予防・治療剤。
  44. 【請求項44】 スクアレン合成酵素阻害作用を有する
    化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの有効量
    を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけ
    る高密度リポタンパク−コレステロール上昇方法。
  45. 【請求項45】 スクアレン合成酵素阻害作用を有する
    化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの有効量
    を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけ
    る原発性低高密度リポタンパク−コレステロール血症の
    予防・治療方法。
  46. 【請求項46】 スクアレン合成酵素阻害作用を有する
    化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの有効量
    を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけ
    るタンジェール病の予防・治療方法。
  47. 【請求項47】 スクアレン合成酵素阻害作用を有する
    化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの有効量
    を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物におけ
    る家族性高コレステロール血症の予防・治療方法。
  48. 【請求項48】 スクアレン合成酵素阻害作用を有する
    化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの有効量
    を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物における高
    密度リポタンパク−コレステロールを上昇させることを
    特徴とする高脂血症または動脈硬化の予防・治療方法。
  49. 【請求項49】 高密度リポタンパク−コレステロール
    上昇のための医薬の製造のためのスクアレン合成酵素阻
    害作用を有する化合物またはその塩、またはそのプロド
    ラッグの使用。
  50. 【請求項50】 原発性低高密度リポタンパク−コレス
    テロール血症予防・治療のための医薬の製造のためのス
    クアレン合成酵素阻害作用を有する化合物またはその
    塩、またはそのプロドラッグの使用。
  51. 【請求項51】 タンジェール病予防・治療のための医
    薬の製造のためのスクアレン合成酵素阻害作用を有する
    化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの使用。
  52. 【請求項52】 家族性高コレステロール血症予防・治
    療のための医薬の製造のためのスクアレン合成酵素阻害
    作用を有する化合物またはその塩、またはそのプロドラ
    ッグの使用。
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WO2005065715A1 (ja) * 2003-12-25 2005-07-21 Takeda Pharmaceutical Company Limited 造粒性改善方法
JP2008501629A (ja) * 2004-06-11 2008-01-24 武田薬品工業株式会社 高選択的な新規アミド化法

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