JP2002205795A - 貯留槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】槽内の液体の遥動を防止する槽の提供にある。 【解決手段】槽内に、表面に透かし孔を有する成形体を
縦横に組み立てた構造物をその外側が槽内壁面に密接す
るよう充填した貯留槽である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】液体を貯留する、タンク技術
に属する。より詳しくは移動物体中に設けられる水槽あ
るいは屋上などに設置する小型の水槽の技術に属する。

【０００２】

【従来の技術】従来の水槽は、水を出入させる開口部を
有する空洞の空間であり、その使用目的、使用環境を考
慮してその材質、形状、大きさなどが決められていた。

【０００３】船、車、航空機等の移動する移動体中に積
載される油、水等を貯留する槽は、振動により槽内部の
液体が遥動する。その遥動の大きさによっては、それを
積載している移動体のバランスを崩し、転倒などの恐れ
があった。そのため、タンカーなどは、槽内に隔壁など
を設け、万が一の事故の場合の積荷の油がすべて流れ出
さないようにされている。また、その隔壁がその遥動を
槽全体に広がる大きなものとならない機能も併せ持って
いた。しかしながら、この隔壁も槽を大きなブロックに
分けているだけなので、遥動を抑える点では不十分であ
った。

【０００４】また、移動体に設置される槽ではないが、
屋上などに設置される貯水槽も、地震時には中の水が遥
動し、大きな力となり、槽の転倒や、転倒しないまでも
槽を支える支柱の破損等が起こり、その防止策が求めら
れていた。

【発明が解決しようとする課題】本発明は、槽内の遥動
を防止する手段の提供にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、槽内に、表面
に透かし孔を有する成形体を縦横に組み立てた構造物を
その外側が槽内壁面に接するよう充填した貯留槽であ
る。槽内に充填した成形物により中の液体の遥動がおさ
えられるとともに、その表面に設けられた孔によって中
の液体はその槽内を移動可能である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下本発明を図により詳細に説明
する。図1に示すように半発明は、容器内に表面に透か
し孔を有する成形体を組み立てた構成物を容器内壁面に
接するように充填した液体を貯留する貯留槽である。な
お、貯留槽に液体を出し入れするための開口部（配管、バ
ルブの類は図示しない）

【０００７】図２に表面に透かし孔を有する成形体の例
を示す。図２ａは円筒状の成形体の表面に透かし孔を有
する成形体である。図２ｂは箱状の成形体の表面に透か
し孔を有する成形体である。図２ｃは板状の成形体の表
面に透かし孔を有する成形体である。図２ｄは容器状の
成形体の表面に透かし孔を有し、かつ、その底部に強度
を高めるために筒状の突部を設けた成形体である。

【０００８】図２ａに示す成形体は、円筒に限らず三角
柱、四角柱、六角柱形状などの角筒であってもよい。図
２ｂに示す成形体は、直方体、立方体、三角柱、六角柱
などの箱型のものであってもよい。 図２ｃに示す成形体は、板状の成形体で、その上半分に
切り込みが入れられ、相互に噛み合わせ可能とされた例
である。 図２ｄに示す成形体は、四角形状に限らず円形、上記箱
型と同様多角形状のものであってもよく、突状部は円柱
状、戴円錐状、多角柱状であってもよい。必要に応じてそ
の側面に底部に向かって狭くなるようなテーパを設け互
いに重ね合わせることができるようにしてもよい。

【０００９】これら成形体の表面に設ける透かし孔は、
貯留槽内部で貯留された液体が自由に行き来できる程度
の透かし孔であればよい。すなわち、移動体に積載された
ときに受ける遥動を減少させるため、成形体の表面でそ
の遥動が妨げられかつ、貯留槽内外に液体を移送できる
程度の透かし孔となる。 槽の大きさ、流体の粘度、成形体の形状など勘案して、
透かし孔の数、その大きさ、配列など決定する。

【００１０】容器内の液体を全量排出できるように、透
かし孔が底部に接するようにしてもよい。またこれら成
形体を適宜組み合わせて使用してもよい。

【００１１】成形体の材質は、金属（鉄、銅、アルミニウ
ム、ステンレススチールなど）、プラスチック（ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリ
スチレン、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂など）な
どで、貯留槽内に貯留する液体の影響を受けないかつ影
響を与えない材料を選択すればよい。

【００１２】上記成形体を充填した貯留槽の製造法の一
例を図３に示す。 図３ａは、貯留槽内に成形体を順次積み上げて構造体と
する方法を示している。 図３ｂは、成形体を組み上げ構造体としてから、貯留槽
の展開図となる金属板で包み、その接続部を溶接、半田
付け、ロウ付け、接着剤などその貯留槽の大きさなど勘
案して適当な方法で密封する。包み込むときに加圧状態
で包み込めば構造体が槽内壁に密接し、槽内で構造体が
動くことがなくなる。図３ｃは、成形体を組み上げ構造
体としてから、貯留槽の中に挿入し、蓋部を上記同様密
封する。蓋部を密封する際上記同様加圧下で実施するこ
とが好ましい。

【００１３】成形体を組み上げた構造体は、継ぎ手など
を用いて一体となるように成形体同士を接続することが
好ましい。例えば、成形体の透かし孔を雌孔としそれに
係合する雄継ぎ手を用いればよい。あるいは、図2ｃに示
すように成形体の形状を組み合わせ可能な形状に変える
ことでもよい。

【発明の効果】本発明は、表面に透かし孔を設けた成形
体を組み上げた構成物を槽内に密接状態に充填されてい
るため以下の効果がある。 １．移動体に設置された場合、移動体の移動に伴う振動
による槽内部の液体の遥動を防止する。遥動が減少する
ことで静電気の発生も減少する。 ２．地震時には、地震による振動に伴う槽内部の液体の
遥動を防止する。 ３．危険物を貯蔵する槽の場合、転倒しても、中の液体
は透かし孔を通して移動するため、流出に時間がかか
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の概念図を示す。

【図２】本発明に用いる成形体の形状の例を示す。

【図３】本発明の槽の製造法の例を示す。

【符号の説明】

１ 槽 ２ プラスチック成形体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】槽内に、表面に透かし孔を有する成形体を
   縦横に組み立てた構造物をその外側が槽内壁面に接する
   よう充填したことを特徴とする貯留槽。