JP2002203502A - 回転陽極型x線管およびその製造方法 - Google Patents

回転陽極型x線管およびその製造方法

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JP2002203502A
JP2002203502A JP2000402313A JP2000402313A JP2002203502A JP 2002203502 A JP2002203502 A JP 2002203502A JP 2000402313 A JP2000402313 A JP 2000402313A JP 2000402313 A JP2000402313 A JP 2000402313A JP 2002203502 A JP2002203502 A JP 2002203502A
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anode target
anode
hole
metal sleeve
ray tube
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Hideo Abu
秀郎 阿武
Hironori Nakamuta
浩典 中牟田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽極ターゲットとこの陽極ターゲットを支持
する支持部材とを強固に固定し、長期にわたり安定な回
転を維持できる回転陽極型X線管およびその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 中心部に貫通孔を有する陽極ターゲット
と、この陽極ターゲットの前記貫通孔に少なくとも一部
が挿入される支持部材と、前記陽極ターゲットの前記貫
通孔部分の内面と前記支持部材との隙間にはめ込まれた
円筒状の金属スリーブと、前記陽極ターゲットおよび前
記支持部材を収納した真空容器とを具備した回転陽極型
X線管において、前記金属スリーブは管軸方向に配置さ
れた第1および第2の少なくとも2つの金属スリーブか
らなり、かつ、前記第1および第2の金属スリーブの互
いに接する端面は管軸に対して傾斜したテーパー状であ
ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は回転陽極型X線管
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、電子ビームを発生
するフィラメントや陽極ターゲットを真空外囲器内に配
置し、回転状態にある陽極ターゲットからX線を発生さ
せる電子管で、医療用診断装置などに使用されている。
陽極ターゲットは回転機構に支持され、動作時、高速に
回転する。
【0003】X線診断装置に使用される回転陽極型X線
管の場合、陽極ターゲットの大きさは、最大重量2k
g、最大直径180mm程度となっている。運用状態に
入る場合、陽極ターゲットの回転速度は、通常の回転数
である3000から約10000rpmまで4秒程度の
短い時間で上昇する。回転速度の上昇が急であるため、
陽極ターゲットと回転シャフトとの連結部分に大きなね
じり力が作用する。
【0004】また、X線CT装置に使用される回転陽極
型X線管の場合、陽極ターゲットの大きさは、最大重量
12kg、最大直径180mm程度となっている。X線
管を組み込んだハウジングは架台に搭載され、運用時、
架台はたとえば1秒間に最大2回転のスピードで回転す
る。このとき、陽極ターゲットに対し径方向に大きな遠
心力が加わり、陽極ターゲットと回転シャフトとの連結
部分に大きな力が作用する。
【0005】上記したように、回転陽極型X線管は、陽
極ターゲットと回転シャフトとの固定部分に大きな力が
作用する。このため、両者の固定部分は機械的強度が大
きく構成されている。
【0006】ここで、従来の回転陽極型X線管につい
て、陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き
出した図17を参照して説明する。線分M−Mは管軸を
示している。
【0007】符号61は回転シャフトで、回転シャフト
61は、筒状部61aや径大部61b、段部61cを介
して径大部61bに連続する径小部61d、外面にねじ
溝が形成された先端部61eなどから構成されている。
符号62は陽極ターゲットで、陽極ターゲット62の中
心部に貫通穴62aが形成されている。陽極ターゲット
62の貫通穴62aに回転シャフト61の径小部61d
が挿入されはめ込まれている。
【0008】回転シャフト61と陽極ターゲット62と
の間に1個ないし3個程度のモリブデン製のピン63が
打ち込まれ、回転シャフト61と陽極ターゲット62が
固定されている。ピン63を打ち込む場合、例えば、陽
極ターゲット62と回転シャフト61とを仮止ナットで
固定し、陽極ターゲット62と回転シャフト61にそれ
ぞれ穴を加工し、その穴の部分に打ち込まれる。また、
回転シャフト61の端部61eに形成されたねじ溝にナ
ット65がねじ込まれている。
【0009】従来の回転陽極型X線管のもう1つの例に
ついて、陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を
抜き出した図18を参照して説明する。図18では、図
17に対応する部分には同一の符号を付し、重複する説
明は一部省略する。
【0010】この例では、陽極ターゲット62と回転シ
ャフト61との接触部分にろう材71が配置され、ろう
接されている。陽極ターゲット62と回転シャフト61
をろう接する構造については、特許第2697381号
の明細書や特公平7−85407号公報、米国特許第5
655000号明細書、米国特許第5577093号明
細書などに開示されている。
【0011】上記の方法の他、回転シャフトと陽極ター
ゲットの間にインサート材を配置し、このインサート材
を陽極ターゲットおよび回転シャフトの接合領域に拡散
させて接合する方法も知られている(特開昭61−88
38号公報参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転陽極型X線
管は、陽極ターゲットと回転シャフトを固定する場合、
ピンを打ち込む方法やろう接方法、拡散接合方法などが
用いられている。
【0013】ピンを打ち込む方法は、通常、1個〜3個
のモリブデン製のピンが使用される。この方法は、外部
から作用する力を支えるには有効面積が不足し、動作
中、陽極部分の回転バランスがくずれ、X線管の振動が
大きくなることがある。また、陽極ターゲットと回転シ
ャフトを組み立てる際に、両者の軸合わせができないと
いう問題もある。
【0014】ろう接方法は、ろう材の耐熱性に限界があ
り、連続して高出力を発生する機種には使用できない。
また、組み立て時に両者の軸合わせができないという問
題もある。その結果、動作中などに陽極部分の回転バラ
ンスがくずれ、X線管の振動が大きくなる。まら、ろう
材の蒸気圧が高く、製造工程や使用中に、蒸発したろう
材によって管球部品が汚染し、連続して高出力を必要と
する用途に適用できないという問題がある。
【0015】完全拡散接合法は、陽極ターゲットと回転
シャフトを強固に固定できる。しかし、インサート材の
蒸気圧が高いため、相手材に完全に拡散させ消失させる
必要がある。インサート材が残存したり、あるいは、拡
散工程で蒸発したりすると、管球部品が汚染する恐れが
ある。そのため、ろう接方法と同様に、連続して高出力
を必要とする用途への適用が難しいという問題がある。
【0016】この発明は、上記した欠点を解決し、陽極
ターゲットとこの陽極ターゲットを支持する支持部材と
を強固に固定し、長期にわたり安定な回転を維持できる
回転陽極型X線管およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、貫通孔を有す
る陽極ターゲットと、この陽極ターゲットの前記貫通孔
に少なくとも一部が挿入される支持部材と、前記陽極タ
ーゲットの前記貫通孔部分の内面と前記支持部材との隙
間にはめ込まれた円筒状の金属スリーブと、前記陽極タ
ーゲットおよび前記支持部材を収納した真空容器とを具
備した回転陽極型X線管において、前記金属スリーブは
管軸方向に配置された第1および第2の少なくとも2つ
の金属スリーブからなり、かつ、前記第1および第2の
金属スリーブの互いに隣合う端面は管軸に対し傾斜した
テーパー状であることを特徴としている。
【0018】本発明の回転陽極型X線管の製造方法は、
陽極ターゲットに形成された貫通穴に支持部材の少なく
とも一部を挿入する第1工程と、前記陽極ターゲットの
前記貫通穴の内面と前記支持部材との隙間に、互いに隣
合う端面が管軸に対して傾斜したテーパー状である少な
くとも2つの金属スリーブをはめ込む第2工程と、前記
金属スリーブに力を加える第3工程とからなっている。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、回転
陽極型X線管を構成する回転部分を抜き出した図1の断
面図を参照して説明する。符号11は回転部分を構成す
る回転体で、回転体11は、たとえば3層構造の円筒状
部分12およびこの円筒状部分12から突出する支持部
材たとえば回転シャフト13などから構成されている。
回転シャフト13はたとえばモリブデンあるいはモリブ
デン合金で形成され、筒状部13aおよび径大部13
b、段部13cを介して径大部13bに連続する径小部
13d、外面にねじ溝が形成された端部13eなどから
構成されている。
【0020】陽極ターゲット14はモリブデンまたはT
ZMなどのモリブデン合金で形成され、中心部に貫通穴
14aが形成されている。陽極ターゲット14の図示上
面にX線を発生するターゲット層14bが設けられ、図
示下面に熱放出用の黒化膜14cが設けられている。貫
通穴14aに、回転シャフト13の一部たとえば径小部
13dがはめ込まれている。
【0021】回転シャフト13の径小部13dと貫通穴
14aの内面との隙間に、たとえば第1および第2の円
筒状をした2個の金属スリーブ15a、15bが軸方向
に図の上下にはめ込まれている。
【0022】第1金属スリーブ15aの第2金属スリー
ブ15b側の環状端面は、内側に向って下がるテーパ状
に形成されている。第2金属スリーブ15bの第1金属
スリーブ15a側の環状端面も、内側に向って下がるテ
ーパ状に形成されている。第1金属スリーブ15aおよ
び第2金属スリーブ15bは、それぞれのテーパ状の端
面どうしがたとえば接触する形で配置される。その後、
第1金属スリーブ15aおよび第2金属スリーブ15b
は、たとえば軸方向に力が加えられ、隙間の部分で塑性
変形している。
【0023】回転シャフト13の端部13eに形成され
た雄ねじに固定用ナット16がねじ込まれている。固定
用ナット16は、回転シャフト13の段部13cとの間
に陽極ターゲット14を挟んで締め付け、陽極ターゲッ
ト14を固定している。
【0024】上記の回転体11および陽極ターゲット1
4は、電子ビームを発生するフィラメントなどとともに
真空外囲器(図示せず)に収納され、回転陽極型X線管
が構成される。
【0025】ここで、上記した回転部分の製造方法につ
いて、図1の円C内を拡大して示した図2を参照して説
明する。図2では、図1に対応する部分には同一の符号
を付し、重複する説明は一部省略する。線分M−Mは管
軸を示している。
【0026】2つの金属スリーブ15a、15bはたと
えばモリブデン製で、直径約12mm、肉厚約0.4m
m、長さ約4.5mmで、互いに接触する端面は内側に
向って管軸に対したとえば45°に傾斜している。な
お、陽極ターゲット14の少なくとも貫通孔14aに面
した部分および回転シャフト13の少なくとも径小部1
3dはたとえばTZMで形成されている。
【0027】金属スリーブ15a、15bと貫通孔14
aとの半径方向の隙間、および、金属スリーブ15a、
15bと径小部13dとの半径方向の隙間は、どちらも
はめ合いあるいは圧入隙間に形成される。ここでは、は
め合い隙間で説明する。
【0028】上記の構成において、まず、回転シャフト
13の先端部分に陽極ターゲット14の貫通孔14aを
かぶせ、貫通穴14a周辺の下面が段部13cに接触す
るように配置する。このとき、回転シャフト13の径小
部13dが貫通穴14aに嵌め込まれた状態になる。
【0029】次に、回転シャフト13の径小部13dと
貫通孔14aの隙間(半径方向の隙間は約0.4mm)
に2個の金属スリーブ15a、15bを順に挿入し、金
属スリーブ15aが図の上方に位置する形で積層する。
【0030】次に、陽極ターゲット14の面から上方に
突き出た金属スリーブ15aの端面を均一にたとえば軸
方向に加圧して、金属スリーブ15a、15bを塑性変
形させ、回転シャフト13の径小部13dと陽極ターゲ
ット14の貫通孔14a間に金属スリーブ15a、15
bを密着させてはめ込む。
【0031】次に、回転シャフト13の端部13eのネ
ジ部に固定用ナット16を嵌めて締め付ける。その後、
回転体12内部の空間に固定体(図示せず)を嵌合し、
回転体12と固定体が組み合わされる。
【0032】上記した構成によれば、陽極ターゲットの
貫通孔と回転シャフトの隙間に2個の金属スリーブの端
面どうしがたとえば接触して配置される。この場合、陽
極ターゲットから上方に突出する金属スリーブの端部に
力を加えると、2個の金属スリーブがテーパー状の突合
せ面で接しているため径方向に広がり、その部分が安定
して変形し隙間に密着する。その結果、使用中に陽極タ
ーゲットおよび回転シャフトを径方向に偏芯させようと
する外力に対し十分な接合強度が確保される。また、陽
極ターゲットと回転シャフトとを径方向に高精度で位置
合わせできる。金属スリーブが1個の場合は、力を加え
た際、上部に突き出た部分が不安定な座屈変形などを起
し、隙間との良好な密着が得られない。
【0033】上記の実施形態では、2個の金属スリーブ
を用いている。しかし、3個以上の金属スリーブを用い
ることもできる。この場合、隣接する金属スリーブの環
状端面は互いにテーパー状に形成される。
【0034】次に、本発明の他の実施形態について図3
の断面図を参照して説明する。図3では、図2に対応す
る部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0035】この実施形態は、固定用ナット16を締め
付け固定する前に、陽極ターゲット14と回転シャフト
13の径大部13bとの間にピン31を打ち込んでい
る。この場合、運用時などに、陽極ターゲット14と回
転シャフト13との間に回転方向への位置ずれを起こそ
うとする外力が生じても、ピン31の働きで十分に対抗
できる。
【0036】次に、この発明の他の実施形態について図
4を参照して説明する。図4では、図2に対応する部分
には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0037】この実施形態は、図4(a)を線分A−A
で断面にした図4(b)に示すように、金属スリーブ1
5a、15bと接する回転シャフト13の径小部13d
の外面および陽極ターゲット14の貫通穴14aの壁面
に、それぞれ複数の凹部41a、41bを設けている。
【0038】この場合、回転シャフト13および陽極タ
ーゲット14の凹部41a、41bに、金属スリーブ1
5a、15bの一部が食い込んで塑性変形する。したが
って、陽極ターゲット14と回転シャフト13との間に
作用する回転方向への位置ずれを起こそうとする外力に
対し十分に対抗できる。
【0039】凹部41a、41bは、回転シャフト13
および陽極ターゲット14の両方に形成しているが、そ
の一方だけに形成してもよい。しかし、両方に設けた方
が効果が大きい。
【0040】次に、本発明の他の実施形態について図5
を参照して説明する。図5では、図2に対応する部分に
は同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0041】この実施形態は、回転シャフト13に陽極
ターゲット14の貫通穴14aをかぶせ、貫通穴14a
周辺の下面が段部13cと接触するように配置する。そ
の後、貫通穴14aと径小部13dとの隙間に金属スリ
ーブ15a、15bを挿入する。
【0042】次に、陽極ターゲット14面よりも上方に
突き出た金属スリーブ15aの端面に、たとえば加圧用
ロッドで力を加え、金属スリーブ15a、15bを塑性
変形させ、回転シャフト13の径小部13dと陽極ター
ゲット14の貫通穴14aとの隙間に、金属スリーブ1
5a、15bを密着してはめ込んだ状態にする。
【0043】このとき、金属スリーブ15aの環状端面
をたとえば円周方向に3等分する3箇所に同時に力を加
える。また、金属スリーブ15aの環状端面に力を加え
る箇所の面積は、それぞれが環状端面の総面積の1/9
程度にしている。
【0044】その後、回転シャフト13の端部13eに
形成されたねじに固定用ナット16をねじ込み締め付け
る。
【0045】次に、この発明の他の実施形態について図
6を参照して説明する。図6では、図2に対応する部分
には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
この図では、固定用ナット16が省略されている。な
お、回転シャフト13に連結された回転体11(図1)
の円筒状部分12の下端部が示され、回転体11は固定
台81に載っている。また、金属スリーブ15a、15
bの上方に、その環状端面を加圧する第1および第2の
2つの加圧治具91、92が配置されている。
【0046】金属スリーブ15aと接触する第1の加圧
治具91は、金属スリーブ15a、15bよりも肉厚が
厚く円筒状で、その環状下面を円周方向に等分するたと
えば3箇所で突出し、その突出部91aが金属スリーブ
15aの環状端面に接触している。第2の加圧治具92
は球面を有し、その球面部分が第1の加圧治具91中央
の貫通孔を塞ぐ形で載っている。
【0047】上記した構成において、第2の加圧治具9
2に対し矢印Y方向に力を加える。この力が第1の加圧
治具91を通して金属スリーブ15aに加えられ、金属
スリーブ15a、15bが塑性変形する。この場合、第
2の加圧治具92は球面部分を通して第1の加圧治具9
1に力が加わるため、第1の加圧治具91の突出部91
aに均等に力が加えられる。
【0048】図5および図6の実施形態では、金属スリ
ーブの環状端面全体でなく、3箇所を加圧している。こ
のように局所的に加圧する場合、環状端面全体を加圧す
る場合に比較して、小さな力で金属スリーブを塑性変形
できる。また、金属スリーブの環状端面をその円周方向
に等分した箇所を加圧した場合、金属スリーブ全体が均
一に加圧される。
【0049】上記の実施形態では、金属スリーブの端面
を3個所で同時に1回だけ加圧している。しかし、金属
スリーブを加圧する箇所は1箇所でも、任意の複数箇所
でもよく、また、複数回にわけて加圧してもよい。ま
た、複数回にわけて加圧する場合、加圧する場所を変更
すれば、金属スリーブが全体にわたって塑性変形し、良
好な密着が得られる。その結果、回転シャフトと陽極タ
ーゲットを回転方向に位置ずれさせようとする外力に抗
するより強い強度が得られる。
【0050】また、図5や図6の実施形態の場合、図4
(b)で説明したように、金属スリーブと接する回転シ
ャフトの径小部の外面、あるいは、金属スリーブと接す
る陽極ターゲットの貫通穴の内面に、それぞれ複数の凹
部を設けてもよい。このとき、金属スリーブを加圧する
位置と凹部の位置を一致させれば、金属スリーブが塑性
変形する際に凹部に食い込み、回転シャフトと陽極ター
ゲットのより強固な結合が得られる。
【0051】次に、本発明で使用される金属スリーブの
例について図7を参照して説明する。1つの金属スリー
ブ15aは円筒状で、たとえば上側の端面Uaは平坦
で、下側の端面Laは内側が低くなるようにたとえば管
軸Mに対し45度で傾斜している。もう1つの金属スリ
ーブ15bも円筒状で、たとえば上側の端面Ubは外側
が低くなるようにたとえば管軸mに対し45度で傾斜
し、下側の端面Lbは平坦になっている。2つの金属ス
リーブ15a、15bは傾斜した面どうしがたとえば接
する形で隙間に配置される。
【0052】次に、本発明で使用される金属スリーブの
他の例について図8を参照して説明する。1つの金属ス
リーブ15aは円筒状で、たとえば上側の端面Uaは平
坦で、下側の端面Laは、外側が低くなるようにたとえ
ば管軸mに対し45度で傾斜している。もう1つの金属
スリーブ15bも円筒状で、たとえば上側の端面Ubは
外側が高くなるようにたとえば管軸mに対し45度で傾
斜し、下側の端面Lbは平坦になっている。2つの金属
スリーブ15a、15bは傾斜した面どうしがたとえば
接する形で隙間に配置される。
【0053】上記の実施形態では、金属スリーブにモリ
ブデンを使用している。しかし、モリブデンに限らず、
ニオブおよびハフニウム、タンタル、ジルコニウム、チ
タン、バナジウム、または、これら各金属を主成分とす
る合金を用いることができる。なお、金属スリーブの材
料には、回転シャフトの材料よりも延性の高い金属が適
している。
【0054】上記した構成によれば、陽極ターゲットと
回転シャフトとを高精度で位置合わせでき、また、運用
時、陽極ターゲットと回転シャフトとを径方向に偏芯さ
せようとする外力に対し十分な強度が確保され、良好な
回転バランスを維持できる回転陽極型X線管が実現され
る。
【0055】次に、この発明の他の実施形態について図
9を参照して説明する。図9では、図1に対応する部分
には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0056】この実施形態では、回転シャフト13の径
小部13dと貫通穴14aの内面との隙間にたとえば1
つの金属スリーブ15をはめ込み、後述する方法で、陽
極ターゲット14および回転シャフト13内に拡散さ
せ、陽極ターゲット14および回転シャフト13を接合
している。
【0057】ここで、上記した陽極ターゲット14と回
転シャフト13との接合方法について、図9の円C内を
拡大して示した図10を参照してに示す。図10では、
図9に対応する部分には同一の符号を付し、重複する説
明は一部省略する。線分M−Mは管軸を示している。
【0058】金属スリーブ15はたとえばモリブデン製
で円筒状に形成され、たとえば肉厚0.4mm、直径約
12mm、長さ約9mmの大きさとなっている。また、
金属スリーブ15の内外表面に拡散促進剤たとえばRh
やPtの化学的メッキ膜を2μm程度の膜厚に形成して
いる。
【0059】金属スリーブ15と貫通孔14aとの半径
方向の隙間および金属スリーブ15と回転シャフト13
との半径方向の隙間はどちらもはめ合い、または、圧入
隙間に形成されるが、ここでははめ合い隙間の場合で説
明する。たとえば、半径方向の隙間は10μm位で、ま
た、陽極ターゲット14の少なくとも貫通孔14aに面
する壁部分および回転シャフト13の少なくとも径小部
13dはたとえばTZMで形成されている。
【0060】上記した構成において、まず、回転シャフ
ト13の先端部に陽極ターゲット14の貫通孔14aを
かぶせる。次に、回転シャフト13と貫通孔14aの隙
間(半径隙間約0.4mm)に金属スリーブ15を挿入
する。
【0061】次に、陽極ターゲット14の面から上方に
突き出た金属スリーブ15の端面を均一に加圧して、回
転シャフト13と貫通孔14aの隙間に金属スリーブ1
5を密着させてはめ込む。次に、回転シャフト13のネ
ジ部に固定用ナット16をかけて締め付ける。
【0062】次に、この組み立て体を石英ベルジャー内
に設置する。そして、石英ベルジャー内を真空引きしな
がら、陽極ターゲット位置に対向して石英ベルジャー外
に配置したコイルに高周波電流を流し、陽極ターゲット
を約1300℃に加熱する。加熱された陽極ターゲット
の熱は回転シャフトを伝わって設置台へと逃げ、組み立
て体に温度勾配が生じる。
【0063】このとき、金属スリーブをはめ込んだ陽極
ターゲットと回転シャフトの界面付近の温度は約110
0℃に達する。この加熱状態をおよそ1H以上キープす
ることにより、メッキを構成する元素などが陽極ターゲ
ット側および回転シャフト側に拡散し、陽極ターゲット
および回転シャフトが接合する。
【0064】次に、接合が終了した段階で、加熱を終了
し、冷却後に組み立て体を取り出す。その後、この組み
立て体のバランス修正など行い、固定体と組み合わせ
る。
【0065】上記した構成の場合、陽極ターゲット14
の貫通穴14aと回転シャフト13との隙間に、たとえ
ば拡散促進剤の層を形成した円筒状の金属スリーブ15
をはめ込んでいる。円筒状の金属スリーブ15を用いて
いるため、金属スリーブ15が貫通穴14aの内面およ
び回転シャフト13とそれぞれ確実に密着する。そのた
め、接合面が上下方向たとえば管軸方向に位置する場合
でも良好な拡散接合が得られる。
【0066】したがって、使用中など、陽極ターゲット
と回転シャフトを径方向に偏芯させようとする外力に抗
する十分な強度が確保され、長期に亙って良好な回転バ
ランスが維持される。また、製造工程中および使用中な
どに、管球部品が高蒸気圧物質によって汚染されること
のない回転陽極型X線管が得られる。
【0067】なお、金属スリーブ15の表面に形成され
る拡散促進層の材料には、1000℃における飽和蒸気
圧が1×10-6Pa以下である材料、たとえばTiやP
t、Zr、V、Rh、および、これらの金属を含む合金
の中から選ばれた少なくとも1つが利用される。
【0068】たとえば、真空中にある部品の温度が上昇
し、その部品を構成する材料の飽和蒸気圧が1×10-5
Paを越える値となった場合、その材料の蒸発速度が無
視できない量になり、管内を汚染させるなどの不具合が
発生する。X線管の製造工程や使用時では、陽極ターゲ
ットと回転シャフトの固定部分の温度はほぼ1000℃
となっている。したがって、1000℃における飽和蒸
気圧が1×10-6Pa以下の場合、製造工程や使用時に
おける蒸発が防止され、管内を汚染させるようなことが
ない。
【0069】なお、拡散接合する際の加熱方法には、石
英ベルジャーを利用する方法のほか、真空チャンバ内で
電子ビームで加熱する方法、あるいは、管球に組み込ん
だ後に、排気工程で高周波加熱する方法、排気ボンバー
ドする際に同時に加熱する方法などを用いることができ
る。
【0070】次に、この発明の他の実施形態について、
陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き出し
た図11の断面図を参照して説明する。図11では、図
10に対応する部分には同一の符号を付し、重複する説
明は省略する。
【0071】この実施形態は、固定用ナット16を締め
付け固定する直前に、陽極ターゲット14と回転シャフ
ト13の径大部13bとの間にピン31を打ち込んでい
る。この場合、運用時などで陽極ターゲット14と回転
シャフト13との間に作用する回転方向への位置ずれを
起こそうとする外力が発生しても、ピン31の働きで対
抗できる。
【0072】次に、この発明の他の実施形態について図
12を参照して説明する。図12では、図10に対応す
る部分には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略
する。
【0073】この実施形態は、図12(a)を線分A−
Aで断面にした図12(b)で示すように、金属スリー
ブ15と接する回転シャフト13の径小部13dの外
面、および、金属スリーブ15と接する陽極ターゲット
14の貫通穴14aの壁面に、それぞれ複数の凹部41
a、41bを設けている。
【0074】この場合、回転シャフト13や陽極ターゲ
ット14の凹部41a、41bに、金属スリーブ15の
少なくとも一部が食い込む状態となる。そのため、運用
時など、陽極ターゲット14と回転シャフト13との間
に作用する回転方向への位置ずれを起こそうとする外力
に対し十分に対抗できる。
【0075】なお、凹部41a、41bが、回転シャフ
ト13と陽極ターゲット14の両方に形成されている
が、その一方だけに形成するようにしてもよい。しか
し、両方に形成した方が効果が大きい。
【0076】次に、この発明の他の実施形態について図
13を参照して説明する。図13では、図10に対応す
る部分には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略
する。この実施形態は、回転シャフト13の径小部13
dの外径を先端部13eの方ほど小さくし、金属スリー
ブ15が位置する側の外面を傾斜させている。この場
合、金属スリーブ15を圧入する側の隙間がテーパ状に
徐々に広くなっている。したがって、部品の加工精度に
ばらつきがあっても金属スリーブ15を安定に充填する
ことができる。
【0077】金属スリーブ15を圧入する側の隙間を広
くする場合、回転シャフト13の径小部の外径を一定と
し、陽極ターゲット14の貫通穴14aの内径を上面の
方ほど大きくなるようにして、貫通穴14a部分の内面
を傾斜させてもよい。また、回転シャフト14の径小部
の外面および陽極ターゲット14の貫通穴14a部分の
内面の両方をともに傾斜させ、金属スリーブを圧入する
側の隙間を広くすることもできる。
【0078】なお、陽極ターゲットの貫通穴部分の内面
と先端部分の回転シャフトの径小部との隙間が一様でな
い場合、隙間の形状に合わせて肉厚がテーパ状に変化す
る金属スリーブを用いれば、金属スリーブが隙間部分に
確実に充填されて密着し、強く固定される。
【0079】また、金属スリーブを圧入する側の隙間を
広くする構造は、図10ないし図12のいずれの実施形
態にも適用できる。
【0080】次に、この発明の他の実施形態について図
14を参照して説明する。図14では、図10に対応す
る部分には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略
する。
【0081】まず、回転シャフト13に陽極ターゲット
14の貫通穴14aをかぶせ、貫通穴14a周辺の下面
が段部13cに接触するように配置する。このとき、回
転シャフト13の径小部13dを貫通穴14aに嵌め込
んだ状態になる。
【0082】次に、径小部13dと陽極ターゲット14
の貫通穴14a部分の内面との隙間に金属スリーブ15
を挿入する。次に、陽極ターゲット14の上面よりも上
方に突き出た金属スリーブ15の端面に力を加え、回転
シャフト13の径小部13dと陽極ターゲット14の貫
通穴14aとの隙間に、金属スリーブ15が密着しては
め込む。
【0083】このとき、金属スリーブ15の環状端面を
円周方向に3等分する3箇所に同時に力を加える。その
後、回転シャフト13の端部13eに形成されたねじに
固定用ナット16をねじ込み、締め付けが行われる。
【0084】次に、この発明の他の実施形態について図
15を参照して説明する。図15では、図10に対応す
る部分には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略
する。図15では、固定用ナット16が省略されてい
る。なお、回転シャフト13に連結されている回転体1
1(図1)の円筒状部分12の下端部が示され、回転体
11は固定台81に載っている。また、金属スリーブ1
5の上方に、その環状端面を加圧する第1および第2の
2つの加圧治具91、92が配置されている。
【0085】金属スリーブ15側と接触する第1の加圧
治具91は、金属スリーブ15よりも肉厚が厚く円筒状
で、その環状下面を円周方向に等分するたとえば3箇所
が突出し、その突出部91aが金属スリーブ15の環状
端面に接触している。また、第2の加圧治具92は球面
を有し、その球面部分が第1の加圧治具91中央の貫通
孔を塞ぐ形で載っている。
【0086】上記した構造において、第2の加圧治具9
2に矢印Y方向に力が加えられる。この力が第2の加圧
治具92の球面部分を通して第1の加圧治具91に加わ
り、第1の加圧治具91の突出部91aに均等に力が加
わる。
【0087】なお、図14や図15の実施形態では、金
属スリーブ15の環状端面全体でなく、3箇所を加圧し
ている。このように局所的に加圧する場合、環状端面全
体を加圧する場合に比較して、小さな力で金属スリーブ
15を隙間に密着させることができる。また、金属スリ
ーブ15の環状端面をその円周方向に等分した箇所を加
圧している。この場合、金属スリーブ15全体が均一に
加圧される。
【0088】また、上記の実施形態では、金属スリーブ
の端面を3個所で同時に1回だけ加圧している。しか
し、金属スリーブを加圧する箇所は1箇所でも、任意の
複数箇所でもよく、また、複数回にわけて加圧してもよ
い。また、複数回にわけて加圧する場合、加圧する場所
を変更すれば、金属スリーブが全体にわたって隙間部分
と良好に密着する。その結果、強い接合強度が実現さ
れ、回転シャフトと陽極ターゲットを回転方向に位置ず
れさせようとする外力に対し十分に対抗できる。
【0089】また、図12(b)で説明したように、回
転シャフトの径小部が金属スリーブに接する外面や、陽
極ターゲットが金属スリーブに接する貫通穴部分の内面
に、それぞれ複数の凹部を設けてもよい。このとき、金
属スリーブを加圧する位置と凹部の位置を一致させれ
ば、金属スリーブが凹部に食い込み、回転シャフトと陽
極ターゲットとのより強固な結合が得られる。
【0090】次に、この発明で使用される金属スリーブ
の例について図16を参照して説明する。金属スリーブ
15はモリブデンなどによって全体が円筒状に形成さ
れ、その内面および外面に、たとえば拡散接合を促進す
るためのメッキ層161、162がたとえばRhで形成
されている。
【0091】拡散接合を促進するための層はRh以外に
も、たとえばチタン、プラチナ、ジルコニウム、バナジ
ウム等が適している。また、拡散接合を促進するための
層はメッキ法以外にも、真空蒸着法やイオンプレーティ
ング法等の物理蒸着法(PVD法)を採用することもで
きる。
【0092】
【発明の効果】この発明によれば、良好な回転バランス
を維持できる回転陽極型X線管およびその製造方法を実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための図で、回転
部分を抜き出して示した断面図である。
【図2】本発明の実施形態を説明するための図で、陽極
ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き出して示
した断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き出し
て示した断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き出し
て示した断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き出し
て示した断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き出し
て示した断面図である。
【図7】 本発明に使用される金属スリーブを説明する
ための断面図である。
【図8】 本発明に使用される他の金属スリーブを説明
するための断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
回転部分を抜き出して示した断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態を説明するための図
で、陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き
出して示した断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を説明するための図
で、陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き
出して示した断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態を説明するための図
で、陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き
出して示した断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態を説明するための図
で、陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き
出して示した断面図である。
【図14】本発明の他の実施形態を説明するための図
で、陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き
出して示した断面図である。
【図15】本発明の他の実施形態を説明するための図
で、陽極ターゲットと回転シャフトとの固定部分を抜き
出して示した断面図である。
【図16】本発明で使用される金属スリーブの他の例を
示す概略の断面図である。
【図17】従来例を説明するための断面図である。
【図18】他の従来例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
11…回転体 12…回転体の円筒状部分 13…回転体の回転シャフト 13a…回転シャフトの筒状部 13b…回転シャフトの径大部 13c…回転シャフトの段部 13d…回転シャフトの径小部 13e…回転シャフトの先端部 14…陽極ターゲット 14a…陽極ターゲットの貫通孔 15…金属スリーブ 16…固定用ナット

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有する陽極ターゲットと、この
    陽極ターゲットの前記貫通孔に少なくとも一部が挿入さ
    れる支持部材と、前記陽極ターゲットの前記貫通孔部分
    の内面と前記支持部材との隙間にはめ込まれた円筒状の
    金属スリーブと、前記陽極ターゲットおよび前記支持部
    材を収納した真空容器とを具備した回転陽極型X線管に
    おいて、前記金属スリーブは管軸方向に配置された第1
    および第2の少なくとも2つの金属スリーブからなり、
    かつ、前記第1および第2の金属スリーブの互いに隣合
    う端面は管軸に対し傾斜したテーパー状であることを特
    徴とする回転陽極型X線管。
  2. 【請求項2】 第1および第2の金属スリーブとそれぞ
    れ接する陽極ターゲットの貫通孔に面する壁部分および
    支持部材部分はモリブデンまたはモリブデン合金で形成
    された請求項1記載の回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】 金属スリーブは、モリブデンもしくはニ
    オブ、ハフニウム、タンタル、ジルコニウム、チタン、
    バナジウム、または、これらの金属を含む合金からなる
    請求項1または請求項2記載の回転陽極型X線管。
  4. 【請求項4】 第1および第2の金属スリーブとそれぞ
    れ接する陽極ターゲットの貫通孔に面する壁部分および
    支持部材の外面の少なくとも一方に凹部が形成され、前
    記第1および第2の金属スリーブが前記凹部に食い込ん
    でいる請求項1記載の回転陽極型X線管。
  5. 【請求項5】 貫通孔を有する陽極ターゲットと、この
    陽極ターゲットの前記貫通孔に少なくとも一部が挿入さ
    れる支持部材と、前記陽極ターゲットおよび前記支持部
    材を収納した真空容器とを具備した回転陽極型X線管に
    おいて、前記陽極ターゲットの前記貫通孔部分の内面と
    前記支持部材との隙間に金属スリーブがはめ込まれ、前
    記陽極ターゲットおよび前記支持部材と拡散接合されて
    いることを特徴とする回転陽極型X線管。
  6. 【請求項6】 金属スリーブとそれぞれ接する陽極ター
    ゲットの貫通孔に面する壁部分および支持部材部分はモ
    リブデンまたはモリブデン合金で形成された請求項5記
    載の回転陽極型X線管。
  7. 【請求項7】 金属スリーブはモリブデンもしくはニオ
    ブ、ハフニウム、タンタル、ジルコニウム、チタン、バ
    ナジウム、または、これらの金属を含む合金で形成され
    た請求項5記載の回転陽極型X線管。
  8. 【請求項8】 金属スリーブの表面および陽極ターゲッ
    トの貫通孔の内面、支持部材の外面の少なくとも1つ
    に、拡散接合を促進させる材料の層が形成された請求項
    5記載の回転陽極型X線管。
  9. 【請求項9】 拡散接合を促進させる材料はTiおよび
    Pt、Zr、V、Rh並びにこれらの金属を含む合金の
    中から選ばれた少なくとも1つである請求項8記載の回
    転陽極型X線管。
  10. 【請求項10】 拡散接合を促進させる材料は1000
    ℃における飽和蒸気圧が1×10-6Pa以下である請求
    項8記載の回転陽極型X線管。
  11. 【請求項11】 陽極ターゲットに形成された貫通穴に
    支持部材の少なくとも一部を挿入する第1工程と、前記
    陽極ターゲットの前記貫通穴の内面と前記支持部材との
    隙間に、互いに隣合う端面が管軸に対して傾斜したテー
    パー状である少なくとも2つの金属スリーブをはめ込む
    第2工程と、前記金属スリーブに力を加える第3工程と
    からなる回転陽極型X線管の製造方法。
  12. 【請求項12】 陽極ターゲットに形成された貫通孔に
    支持部材の少なくとも一部を挿入する第1工程と、前記
    陽極ターゲットの前記貫通孔部分の内面と前記支持部材
    との隙間に金属スリーブをはめ込む第2工程と、加熱に
    より、前記陽極ターゲットと前記金属スリーブ間および
    前記金属スリーブと前記支持部材間を拡散接合する第3
    工程とからなる回転陽極型X線管の製造方法。
  13. 【請求項13】 陽極ターゲットに形成された貫通穴の
    内面および前記貫通穴に少なくとも一部が挿入される支
    持部材の表面、前記貫通穴の内面と前記支持部材との隙
    間に嵌め込まれる金属スリーブの表面の少なくとも1つ
    に、1000℃における飽和蒸気圧が1×10-6Pa以
    下の拡散を促進させる材料からなる拡散促進層を形成す
    る工程を有する請求項12記載の回転陽極型X線管の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114334584A (zh) * 2021-12-10 2022-04-12 上海科颐维电子科技有限公司 一种用于x射线管阳极焊接装置
US11944592B2 (en) 2016-03-25 2024-04-02 Yuyama Mfg. Co., Ltd. Tablet cassette rotor and tablet cassette

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