JP2000057982A - 回転陽極型x線管およびその製造方法 - Google Patents

回転陽極型x線管およびその製造方法

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JP2000057982A
JP2000057982A JP10339418A JP33941898A JP2000057982A JP 2000057982 A JP2000057982 A JP 2000057982A JP 10339418 A JP10339418 A JP 10339418A JP 33941898 A JP33941898 A JP 33941898A JP 2000057982 A JP2000057982 A JP 2000057982A
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rotating
rotating anode
ray tube
anode disk
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Hideo Abu
秀郎 阿武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な回転バランスを維持できる回転陽極型
X線管およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 X線を発生する領域14bが設けられ中
心部に貫通孔14aを有する回転陽極円盤14と、この
回転陽極円盤14の貫通孔14aに先端部分が挿入され
て固定された回転シャフト13と、回転陽極円盤14お
よび回転シャフト13を収納した真空容器とを具備した
回転陽極型X線管において、回転陽極円盤14の貫通孔
14a部分の内面とこれに挿入された回転シャフト13
の先端部分との隙間に、円筒状の金属スリーブ15がは
め込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は回転陽極型X線管
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、電子ビームを発生
するフィラメントや回転陽極円盤を真空外囲器内に配置
し、回転状態にある回転陽極円盤からX線を発生させる
構成になっている。したがって、回転陽極型X線管で
は、外部から回転力が与えられる回転体の回転シャフト
と回転陽極円盤とを一体的に固定し、回転体の回転によ
って回転陽極円盤が回転するようにしている。
【0003】ところで、回転陽極型X線管はX線診断装
置やX線CT装置などに使用されている。X線診断装置
に使用される回転陽極型X線管の場合、回転陽極円盤の
大きさは、最大重量2kg、最大直径180mm程度と
なっている。そして、運用に入る場合、回転陽極円盤の
回転速度は、通常の回転数である3000から約100
00rpmまで4秒程度の短い時間で上昇する。このと
き、回転速度の上昇が急であるため、回転陽極円盤と回
転シャフトとの連結部分に大きなねじり力が作用する。
【0004】また、X線CT装置に使用される回転陽極
型X線管の場合、回転陽極円盤の大きさは、最大重量1
2kg、最大直径180mm程度となっている。そし
て、X線管を組み込んだX線管収容ハウジングを架台に
搭載し、運用時には、たとえば1秒間に最大2回転のス
ピードで架台が回転する。したがって、回転陽極円盤に
対し径方向に大きな遠心力が加わり、回転陽極円盤と回
転シャフトとの連結部分に大きな力が作用する。
【0005】上記したように、回転陽極型X線管は、回
転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分に大きな力が作
用する。このため、回転陽極円盤と回転シャフトとの固
定部分の機械的強度を大きくしている。
【0006】ここで、従来の回転陽極型X線管につい
て、回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を中心に
図10を参照して説明する。なお、線分M−Mは回転中
心軸を示している。
【0007】符号61は回転シャフトである。回転シャ
フト61は、筒状部61aや径大部61b、径大部61
bとの境に段部61cをもつ径小部61d、外面にねじ
溝が形成された先端部61eなどから構成されている。
【0008】符号62は回転陽極円盤である。回転陽極
円盤62の中心部に貫通穴62aが形成され、回転シャ
フト61の径小部61dが回転陽極円盤62の貫通穴6
2aに挿入され、はめ込まれている。
【0009】また、回転シャフト61と回転陽極円盤6
2とを固定するために、回転シャフト61と回転陽極円
盤62との間に1個ないし3個程度のモリブデン製のピ
ン63が打ち込まれている。ピン63の打ち込みは、例
えば、回転陽極円盤62と回転シャフト61とを仮止ナ
ットで固定し、回転陽極円盤62と回転シャフト61に
それぞれ穴を加工し、その穴の部分にピン63を打ち込
む方法で行われる。
【0010】また、回転シャフト61の先端部61eに
形成されたねじ溝にナット65がねじ込まれている。
【0011】従来の回転陽極型X線管のもう1つの例に
ついて、回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を中
心に図11を参照して説明する。図11では、図10に
対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明は一
部省略する。
【0012】この例では、回転陽極円盤62と回転シャ
フト61との接触部分がろう材71によってろう接され
ている。なお、回転陽極円盤62と回転シャフト61と
をろう接する構造については、特許第2697381号
明細書や特公平7−85407号公報、米国特許第56
55000号明細書、米国特許第5577093号明細
書などに開示されている。
【0013】また、特開平2−139840号公報や特
開平2−142043号公報に示されるように、金属ス
リーブを間にはめてろう付をした構造や、特開平1−5
4648号公報に示されるように、間にグラファイト円
筒をはめてナットで固定する構造、あるいは、特開昭6
1−8838号公報に示されるように、ニオブまたはニ
オブ合金製の回転シャフトとモリブデン製の陽極回転円
盤との間に純モリブデンまたは5%のタングステンを含
むモリブデン合金製の円筒状コアを介在させて拡散接合
する構造も知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転陽極型X線
管は、陽極回転円盤と回転シャフトとを固定する場合、
ピンを打ち込む方法やろう接する方法が用いられてい
る。
【0015】ピンを打ち込む方法は、通常、1個〜3個
のモリブデン製のピンが使用される。しかし、この構造
は、外部から作用する力を支えるには有効面積が不足
し、動作中に、陽極部分の回転バランスがくずれ、X線
管の振動が大きくなることがある。また、陽極回転円盤
と回転シャフトとを組み立てる際に、両者の軸合わせが
できないという問題もある。
【0016】また、ろう接する方法は、ろう材の耐熱性
に限界があり、連続して高出力を発生する機種には使用
できない。また、組み立て時に両者の軸合わせができな
いという問題もある。その結果、動作中などに陽極部分
の回転バランスがくずれ、X線管の振動が大きくなる。
【0017】この発明は、上記した欠点を解決するもの
で、良好な回転バランスを維持できる回転陽極型X線管
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、X線を発生す
る領域が設けられ中心部に貫通孔を有する回転陽極円盤
と、この回転陽極円盤の前記貫通孔に先端部分が挿入さ
れて固定された回転シャフトと、前記回転陽極円盤およ
び前記回転シャフトを収納した真空容器とを具備した回
転陽極型X線管において、前記回転陽極円盤の前記貫通
孔部分の内面とこれに挿入された前記回転シャフトの先
端部分との隙間に、円筒状の金属スリーブがはめ込まれ
ていることを特徴としている。
【0019】また、本発明の回転陽極型X線管の製造方
法は、X線を発生する領域が上面に設けられた回転陽極
円盤の中心部に形成された貫通穴に回転シャフトの先端
部分が挿入する工程と、前記回転陽極円盤の貫通穴部分
の内面と前記回転シャフトの先端部分との隙間に円筒状
の金属スリーブをはめ込む工程と、前記金属スリーブに
力を加え、前記金属スリーブを前記隙間に圧入する工程
とからなっている。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、陽極
の回転構造体を抜き出して断面にした図1を参照して説
明する。符号11は回転体で、円筒状部分12およびこ
の円筒状部分12から突出する回転シャフト13などか
ら構成されている。回転シャフト13は、たとえばTZ
Mのようなタングステン−ジルコニウム−モリブデン合
金で形成され、筒状部13aや径大部13b、径大部1
3bとの境に段部13cをもつ径小部13d、外面にね
じ溝が形成された先端部13eなどから構成されてい
る。円筒状部分12は、ステータ(図示せず)が発生す
る回転磁界の作用で回転する構造になっている。
【0021】符号14は回転陽極円盤で、その中心部に
貫通穴14aが形成され、図の上側表面にX線を発生す
るターゲット層14bが設けられている。また、回転陽
極円盤14の下面などに熱放出用の黒化膜14cが設け
られている。回転陽極円盤14は、純モリブデン、また
は、モリブデンを主体としてチタン、ジルコニウム、炭
素などを微量に含む合金、例えばTZMで構成されてい
る。ターゲット層14bは、レニウム入りタングステン
合金などの材料で構成されている。そして、貫通穴14
aには、回転シャフト13の先端部分が挿入され、例え
ば、その径小部13dが貫通穴14aにはめ込まれてい
る。
【0022】また、回転陽極円盤14の貫通穴14a部
分の内面と回転シャフト13の径小部13dとの隙間に
金属スリーブ15がはめ込まれ、回転陽極円盤14と回
転シャフト13とを固定している。そして、回転シャフ
ト13の先端部13eに形成された雄ねじに固定用ナッ
ト16がねじ込まれている。固定用ナット16は、回転
シャフト13の段部13cとの間に回転陽極円盤14を
挟んで締め付け、固定している。
【0023】上記した回転体11や回転陽極円盤14は
それぞれ、電子ビームを発生するフィラメントなどとと
もに真空外囲器に収納され、回転陽極型X線管を構成し
ている。
【0024】ここで、金属スリーブ15をはめ込む方法
を、図1の円C内を拡大して示した図2を参照して説明
する。図2では、図1に対応する部分には同一の符号を
付し、重複する説明は一部省略する。線分M−Mは回転
中心軸を示している。
【0025】金属スリーブ15は、たとえばニオブ製
で、肉厚0.4mm、直径約12mm、長さ約9mmの
円筒状をしている。また、金属スリーブ15と回転陽極
円盤14の貫通穴14a部分の内面との半径方向の隙
間、および、金属スリーブ15と回転シャフト13の径
小部13dとの半径方向の隙間は、どちらもはめ合いま
たは圧入隙間となっている。
【0026】それぞれの隙間が例えばはめ合い隙間の場
合、まず、回転シャフト13に回転陽極円盤14の貫通
穴14aをかぶせ、貫通穴14a周辺の下面が段部13
cに接触するように配置する。このとき、回転シャフト
13の径小部13dが貫通穴14aに嵌め込まれた状態
になる。
【0027】次に、径小部13dと回転陽極円盤14の
貫通穴14a部分の内面との隙間(半径方向の隙間は、
例えば約0.4mmとなっている)に金属スリーブ15
を挿入する。
【0028】次に、回転陽極円盤14の上面から突き出
ている金属スリーブ15の環状端面を均一に約6000
Nで加圧し、金属スリーブ15を塑性変形させる。これ
によって、回転シャフト13の径小部13dと回転陽極
円盤14の貫通穴14a部分の内面の隙間に、金属スリ
ーブ15が密着してはめ込まれた状態になる。このと
き、金属スリーブ15を塑性変形させるための加圧用ロ
ッド端面の平坦度を10μm以下にすれば、回転陽極円
盤14と回転体11とを1μm以下の精度で軸合わせで
きる。
【0029】その後、回転シャフト13の先端部13e
に形成された雄ねじに固定用ナット16をねじ込み、締
め付けが行われる。
【0030】図2の実施形態では、金属スリーブとして
ニオブ製を使用している。しかし、金属スリーブには、
ニオブ製の場合と同じ大きさで単結晶モリブデン製のも
のを使用することもできる。この場合、金属スリーブの
組み立ては、ニオブ製の場合と同じ方法で行われる。し
かし、単結晶モリブデンを使用する場合は、金属スリー
ブを塑性変形させる際、回転陽極円盤の上面から突き出
た金属スリーブの端面を約4800Nで均一に加圧す
る。この場合も、加圧用ロッド端面の平坦度を10μm
以下にすれば、回転陽極円盤と回転シャフトとを1μm
以下の精度で軸合わせすることができる。
【0031】次に、この発明の他の実施形態について、
回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を抜き出して
示した図3の断面図を参照して説明する。図3では、図
2に対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明
は省略する。
【0032】この実施形態は、固定用ナット16を締め
付け固定する直前に、回転陽極円盤14と回転シャフト
13の径大部13bとの間にピン31を打ち込んでい
る。ピン31を打ち込んだ場合、運用時などにおいて、
回転陽極円盤14と回転シャフト13との間に作用する
回転方向への位置ずれを起こそうとする外力に対し、よ
り強固に対抗できる。
【0033】次に、この発明の他の実施形態について図
4を参照して説明する。図4では、図2に対応する部分
には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0034】この実施形態は、図4(a)を線分A−A
で断面にした図4(b)で示すように、回転シャフト1
3の径小部13dが金属スリーブ15に接する外面、お
よび、回転陽極円盤14が金属スリーブ15に接する貫
通穴14a部分の内面に、それぞれ複数の凹部41a、
41bを設けている。
【0035】この場合、先端部分13や回転陽極円盤1
4の凹部41a、41bに、金属スリーブ15の少なく
とも一部が食い込む状態で塑性変形する。このため、運
用時などにおいて、回転陽極円盤14と回転シャフト1
3との間に作用する回転方向への位置ずれを起こそうと
する外力に対抗できる。
【0036】なお、凹部41a、41bが、回転シャフ
ト13と回転陽極円盤14の両方に形成されているが、
その一方だけに形成するようにしてもよい。しかし、両
方に形成した方が効果が大きい。
【0037】次に、この発明の他の実施形態について図
5を参照して説明する。図5では、図2に対応する部分
には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0038】この実施形態は、回転シャフト13の径小
部13dの外径を先端部13eの方ほど小さくし、金属
スリーブ15が位置する側の外面を傾斜させている。こ
の場合、金属スリーブ15を圧入する側の隙間がテーパ
状に徐々に広くなっている。したがって、部品の加工精
度にばらつきがあっても金属スリーブ15を安定に充填
できる。
【0039】金属スリーブを圧入する側の隙間を広くす
る場合、回転シャフトの径小部の外径を一定とし、回転
陽極円盤の貫通穴の内径を上面の方ほど大きくなるよう
にして、貫通穴部分の内面を傾斜させてもよい。また、
回転シャフトの径小部の外面および回転陽極円盤の貫通
穴部分の内面の両方をともに傾斜させ、金属スリーブを
圧入する側の隙間が広くすることもできる。
【0040】なお、回転陽極円盤の貫通穴部分の内面と
先端部分の径小部との隙間が一様でない場合、隙間の形
状に合わせて肉厚がテーパ状に変化する金属スリーブを
用いれば、金属スリーブが隙間部分に確実に充填され、
有効な固定が得られる。
【0041】また、金属スリーブを圧入する側の隙間を
広くする構造は、図1ないし図4のいずれの実施形態に
も適用できる。
【0042】次に、この発明の他の実施形態について図
6を参照して説明する。図6では、図2に対応する部分
には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0043】上記した実施形態と同様に、回転シャフト
13に回転陽極円盤14の貫通穴14aをかぶせ、貫通
穴14a周辺の下面が段部13cに接触するように配置
する。このとき、回転シャフト13の径小部13dが貫
通穴14aに嵌め込まれた状態になる。
【0044】そして、径小部13dと回転陽極円盤14
の貫通穴14a部分の内面との隙間に金属スリーブ15
を挿入する。
【0045】その後、回転陽極円盤14の上面よりも上
方に突き出た金属スリーブ15の端面に力を加え、金属
スリーブ15を塑性変形させ、回転シャフト13の径小
部13dと回転陽極円盤14の貫通穴14aとの隙間
に、金属スリーブ15が密着してはめ込まれた状態にす
る。
【0046】このとき、金属スリーブ15の環状端面を
2000Nで加圧し、たとえば、環状端面を円周方向に
3等分する3箇所に同時に力を加える。また、金属スリ
ーブ15の環状端面に力を加える箇所の面積は、それぞ
れが環状端面の総面積の1/9程度にしている。この場
合も、金属スリーブ15を塑性変形させる加圧用ロッド
端面の平坦度を10μm以下にすれば、回転陽極円盤1
4と回転体11とを1μm以下の精度で軸合わせでき
る。
【0047】その後、さらに、回転シャフト13の先端
部13eに形成された雄ねじに固定用ナット16をねじ
込み、締め付けが行われる。
【0048】次に、この発明の他の実施形態について図
7を参照して説明する。図7では、図2に対応する部分
には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
なお、この図では、固定用ナット16が省略されてい
る。一方、回転シャフト13に連結されている回転体1
1(図1)の円筒状部分12の下端部が示され、回転体
11は固定台81に載っている。
【0049】金属スリーブ15の上方には、その環状端
面を加圧するための円筒状の加圧治具82が配置されて
いる。加圧治具82は、金属スリーブ15よりも肉厚が
厚く、その環状下面を円周方向に等分するたとえば3箇
所で突出し、突出部82aが金属スリーブ15の環状端
面に接触している。この状態で、加圧治具82に矢印Y
方向に力を加え、金属スリーブ15を塑性変形させる。
【0050】次に、この発明の他の実施形態について図
8を参照して説明する。図8では、図7に対応する部分
には同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0051】この実施形態では、金属スリーブ15の上
方に、その環状端面を加圧する第1および第2の2つの
加圧治具91、92が配置されている。
【0052】金属スリーブ15側と接触する第1の加圧
治具91は、金属スリーブ15よりも肉厚が厚く円筒状
で、その環状下面を円周方向に等分するたとえば3箇所
が突出し、その突出部91aが金属スリーブ15の環状
端面に接触している。また、第2の加圧治具92は球面
を有し、その球面部分が第1の加圧治具91中央の貫通
孔を塞ぐ形で載っている。
【0053】上記した構造において、第2の加圧治具9
2に矢印Y方向に力が加えられる。この力が第1の加圧
治具91を通して金属スリーブ15に加えられ、金属ス
リーブ15が塑性変形する。この場合、第2の加圧治具
92は球面部分を通して第1の加圧治具91に力が加わ
り、第1の加圧治具91の突出部91aに均等に力が加
わる。
【0054】なお、図6ないし図8の実施形態では、金
属スリーブ15の環状端面全体でなく、3箇所を加圧し
ている。このように局所的に加圧する場合、環状端面全
体を加圧する場合に比較して、小さな力で金属スリーブ
15を塑性変形できる。また、金属スリーブ15の環状
端面をその円周方向に等分した箇所を加圧している。こ
の場合、金属スリーブ15全体が均一に加圧される。
【0055】また、図6ないし図8の実施形態では、金
属スリーブ15がニオブ製の例で説明している。しか
し、ニオブ製の場合と同じ形状で、多結晶モリブデン製
のものを用いることもできる。
【0056】多結晶モリブデン製の場合も、金属スリー
ブを塑性変形する方法や、これに用いられる加圧治具な
どは、ニオブ製の場合と同様である。しかし、多結晶モ
リブデン製の場合は、加圧する力を6000Nにしてい
る。
【0057】また、上記の実施形態では、金属スリーブ
の端面を3個所で同時に1回だけ加圧している。しか
し、金属スリーブを加圧する箇所は1箇所でも、任意の
複数箇所でもよく、また、複数回にわけて加圧してもよ
い。また、複数回にわけて加圧する場合、加圧する場所
を変更すれば、金属スリーブが全体にわたって塑性変形
し、良好な密着が得られる。その結果、回転シャフトと
回転陽極円盤を回転方向に位置ずれさせようとする外力
に抗する強度がより高くなる。
【0058】また、図4(b)で説明したように、回転
シャフトの径小部が金属スリーブに接する外面や、回転
陽極円盤が金属スリーブに接する貫通穴部分の内面に、
それぞれ複数の凹部を設けてもよい。このとき、金属ス
リーブを加圧する位置と凹部の位置を一致させれば、金
属スリーブが塑性変形する際に凹部に食い込み、回転シ
ャフトと回転陽極円盤とのより強固な結合が得られる。
【0059】また、図5で説明したように、回転シャフ
トの径小部の外面および回転陽極円盤の貫通穴部分の内
面の一方、あるいは、両方を傾斜させ、金属スリーブを
圧入する側の隙間が広くすることもできる。
【0060】また、この発明の場合、金属スリーブの形
状も平行円筒に限らず、テーパをもった円筒を用いるこ
ともできる。
【0061】次に、この発明で使用される金属スリーブ
の他の例について図9を参照して説明する。図9(a)
は、金属スリーブ15の円筒状壁部分15aの肉厚が上
下で薄く、中央で厚くなっている。また、図9(b)
は、金属スリーブ15の円筒状壁部分15aに複数のス
リット15bを形成している。このような構造とするこ
とにより、金属スリーブ15の密着性を向上できる。
【0062】なお、上記した実施形態では、金属スリー
ブとしてニオブおよびモリブデンを使用している。しか
し、ニオブおよびモリブデンに限らず、ハフニウム、タ
ンタル、ジルコニウム、または、これら各金属を主成分
とする合金を用いることができる。なお、金属スリーブ
の材料には、回転シャフトの材料よりも延性の高い金属
が適している。
【0063】上記した構成によれば、回転陽極円盤と回
転シャフトとを高精度で位置合わせでき、また、運用中
などに回転陽極円盤と回転シャフトとを径方向に偏芯さ
せようとする外力に対し十分な強度を確保でき、良好な
回転バランスを維持できる回転陽極型X線管を実現でき
る。
【0064】
【発明の効果】この発明によれば、良好な回転バランス
を維持できる回転陽極型X線管およびその製造方法を実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための断面図であ
る。
【図2】本発明の実施形態を説明するための図で、回転
陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を抜き出して示し
た断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を抜き出して
示した断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を抜き出して
示した断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を抜き出して
示した断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を抜き出して
示した断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を抜き出して
示した断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態を説明するための図で、
回転陽極円盤と回転シャフトとの固定部分を抜き出して
示した断面図である。
【図9】本発明で使用される金属スリーブの他の例を示
す概略の構造図である。
【図10】従来例を説明するための断面図である。
【図11】他の従来例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
11…回転体 12…回転体の円筒状部分 13…回転体の回転シャフト 13a…回転シャフトの筒状部 13b…回転シャフトの径大部 13c…回転シャフトの段部 13d…回転シャフトの径小部 13e…回転シャフトの先端部 14…回転陽極円盤 14a…回転陽極円盤の貫通孔 15…金属スリーブ 16…固定用ナット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を発生する領域が設けられ中心部に
    貫通孔を有する回転陽極円盤と、この回転陽極円盤の前
    記貫通孔に先端部分が挿入されて固定された回転シャフ
    トと、前記回転陽極円盤および前記回転シャフトを収納
    した真空容器とを具備した回転陽極型X線管において、
    前記回転陽極円盤の前記貫通孔部分の内面とこれに挿入
    された前記回転シャフトの先端部分との隙間に、円筒状
    の金属スリーブがはめ込まれていることを特徴とする回
    転陽極型X線管。
  2. 【請求項2】 金属スリーブは、モリブデン、ニオブ、
    ハフニウム、タンタル、ジルコニウム、または、これら
    の金属の1つを主成分とする合金から選択された材料で
    ある請求項1記載の回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】 金属スリーブは、上記回転シャフトの先
    端部分の材料よりも延性の高い金属である請求項1記載
    の回転陽極型X線管。
  4. 【請求項4】 金属スリーブは、単結晶体である請求項
    1記載の回転陽極型X線管。
  5. 【請求項5】 回転陽極円盤の貫通穴に挿入された回転
    シャフトの先端部分の外面および前記回転陽極円盤の貫
    通穴部分の内面の少なくとも一方の面に部分的に凹部が
    設けられた請求項1記載の回転陽極型X線管。
  6. 【請求項6】 回転陽極円盤の貫通穴に挿入された回転
    シャフトの先端部分と前記回転陽極円盤の貫通穴部分の
    内面との隙間が、前記回転陽極円盤の一方の面側に対し
    て他方の面側の方が大きくなっている請求項1記載の回
    転陽極型X線管。
  7. 【請求項7】 金属スリーブの肉厚が、回転陽極円盤の
    一方の面側の方で大きくなっている請求項6記載の回転
    陽極型X線管。
  8. 【請求項8】 X線を発生する領域が上面に設けられた
    回転陽極円盤の中心部に形成された貫通穴に回転シャフ
    トの先端部分が挿入する工程と、前記回転陽極円盤の貫
    通穴部分の内面と前記回転シャフトの先端部分との隙間
    に円筒状の金属スリーブをはめ込む工程と、前記金属ス
    リーブに力を加え、前記金属スリーブを前記隙間に圧入
    する工程とからなる回転陽極型X線管の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属スリーブに力が加えられる部分が、
    前記金属スリーブの環状端面の一部である請求項8記載
    の回転陽極型X線管の製造方法。
  10. 【請求項10】 金属スリーブに力が加えられる部分
    が、前記金属スリーブの環状端面を円周方向に等分した
    複数箇所である請求項8記載の回転陽極型X線管の製造
    方法。
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