JP2002203312A - 磁気記録媒体、その製造方法、製造装置、および磁気記録再生装置 - Google Patents
磁気記録媒体、その製造方法、製造装置、および磁気記録再生装置Info
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Abstract
記録媒体を提供する。 【解決手段】 非金属基板1と、その上に形成された非
磁性下地膜3、磁性膜4および保護膜5を基本構成と
し、磁性膜4が、hcp構造を有し、かつ(110)に
優先的に配向しており、非磁性下地膜3が、bcc構造
を有し、非金属基板1と非磁性下地膜3との間に、非磁
性下地膜3を(200)に優先的に配向させる配向調整
膜2が形成され、この配向調整膜2が、柱状微結晶粒2
aが半径方向に傾いた結晶構造を有し、周方向の保磁力
Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcr
が、1より大きくされている。
Description
などに用いられる磁気記録媒体、その製造方法、製造装
置、および上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置
に関するものである。
アルミニウム合金等からなる金属基板が多く用いられて
いる。金属基板は、通常、表面にテクスチャ加工が施さ
れて用いられている。テクスチャ加工は、基板表面に所
定方向(通常は円周方向)に沿う凹凸を形成する加工で
あり、テクスチャ加工を施すことによって、基板上に形
成される下地膜、磁性膜の結晶配向性を向上させ、磁性
膜に磁気異方性をもたせ、熱揺らぎ耐性や分解能などの
磁気特性を向上させることができる。ところで、近年で
は、磁気記録媒体用の基板として、アルミニウム等から
なる金属基板に代えて、ガラス、セラミックスなどから
なる非金属基板が多く用いられてきている。非金属基板
は、硬度が高いためヘッドスラップが生じにくく、しか
も表面平滑性が高いためグライドハイト特性の点で有利
である。しかしながら、ガラス基板などの非金属基板に
は、表面に十分なテクスチャ加工を施すのが難しい問題
がある。
なる非金属基板上に、テクスチャ加工が容易な硬質膜を
形成することが提案されている。例えば特開平5−19
7941号公報には、非金属基板表面に、テクスチャ加
工が容易な硬質膜であるNiP膜をスパッタ法により形
成した磁気記録媒体が開示されている。非金属基板表面
に硬質膜を設けた磁気記録媒体を製造するには、スパッ
タ装置などの成膜装置内において基板上に硬質膜を形成
した後、基板を一旦成膜装置から搬出し、テクスチャ加
工装置を用いてテクスチャ加工を施し、次いで再び成膜
装置内に搬入し下地膜や磁性膜の形成を行う方法が採ら
れる。
来の磁気記録媒体では、硬質膜に十分な表面平滑性をも
たせることが難しく、磁気異方性の点で劣り、磁気特性
が不十分となる不満があった。また製造工程が煩雑であ
るため製造コストが嵩む不満があり、容易に製造できる
磁気記録媒体が要望されていた。このほか、磁性膜に磁
気異方性を与える技術としては、特開平5−14398
8号公報に記載された方法がある。この公報に記載され
た磁気記録媒体の製造方法は、下地層および磁気記録層
をスパッタ法で形成するにあたり、スパッタ粒子の入射
角を30〜65°とする方法である。しかしながら、こ
の方法によって得られた磁気記録媒体は、非磁性下地膜
の優先的な配向面が(110)となり、磁性膜の優先的
な配向面が(101)となるため磁気異方性が不十分と
なりやすく、磁気特性の点で満足できるものでなかっ
た。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、磁気
特性に優れ、かつ容易に製造することができる磁気記録
媒体、この磁気記録媒体を容易に製造することができる
方法および装置、さらには磁気特性に優れた磁気記録媒
体を用いた磁気記録再生装置を提供することを目的とす
る。
は、磁性膜が、hcp構造を有し、かつ(110)に優
先的に配向しており、非磁性下地膜が、bcc構造を有
し、非金属基板と非磁性下地膜との間に、非磁性下地膜
を(200)に優先的に配向させる配向調整膜が形成さ
れ、この配向調整膜が、柱状微結晶粒が半径方向に傾い
た結晶構造を有し、周方向の保磁力Hccと径方向の保
磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1より大きいこと
を特徴とする。非磁性下地膜は、bcc構造を有し、か
つ配向面が(200)であることが望ましい。配向調整
膜は、bcc構造の非磁性下地膜を(200)に優先的
に配向させる材料である、Cr、V、Nb、Mo、W、
Taのうち1種または2種以上からなるものとすること
ができる。配向調整膜は、bcc構造の非磁性下地膜を
(200)に優先的に配向させる材料である、Crを主
成分とする合金からなるものとすることができる。配向
調整膜は、bcc構造の非磁性下地膜を(200)に優
先的に配向させる構成、すなわちCoTaまたはCoN
bを主成分とするものであり、TaまたはNbの含有量
が30〜75at%であり、かつFd3m構造またはア
モルファス構造を有する構成とすることができる。配向
調整膜は、bcc構造の非磁性下地膜を(200)に優
先的に配向させる構成、すなわちCrTaまたはCrN
bを主成分とするものであり、TaまたはNbの含有量
が15〜75at%である構成とすることができる。配
向調整膜は、bcc構造の非磁性下地膜を(200)に
優先的に配向させる構成、すなわちNiTaまたはNi
Nbを主成分とするものであり、TaまたはNbの含有
量が30〜75at%であり、かつFd3m構造または
アモルファス構造を有する構成とすることができる。配
向調整膜は、bcc構造の非磁性下地膜を(200)に
優先的に配向させる材料である、Fd3m構造を有する
非磁性金属からなるものとすることができる。配向調整
膜は、bcc構造の非磁性下地膜を(200)に優先的
に配向させる材料である、C15構造を有する非磁性金
属からなるものとすることができる。非金属基板と配向
調整膜との間には、配向性向上膜を形成することができ
る。配向性向上膜は、B2構造またはアモルファス構造
を有する材料からなるものとすることができる。配向性
向上膜は、NiAl、FeAl、CoAl、CoZr、
CoCrZr、およびCoCrCのうちいずれかを主成
分とするものであることが好ましい。本発明の磁気記録
媒体は、非金属基板と非磁性下地膜との間に、直上の膜
の結晶配向性を調整する配向調整膜が形成され、磁性膜
が、hcp構造を有し、かつ(110)に優先的に配向
しており、非磁性下地膜が、bcc構造を有し、配向調
整膜が、アモルファス構造のNiP合金からなるもので
あり、かつ非磁性下地膜を(200)に優先的に配向さ
せることができるようにされ、周方向の保磁力Hccと
径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1より
大きい構成とすることができる。本発明では、配向調整
膜が、窒素または酸素を1at%以上含む構成とするこ
とができる。
磁気記録媒体を製造する方法であって、配向調整膜を構
成する材料からなる成膜粒子を放出源から放出させて被
付着面に付着させることにより配向調整膜を形成し、こ
の際、成膜粒子軌道の被付着面への投影線が非金属基板
の径方向に沿い、かつ非金属基板に対する入射角度が1
0〜75°となるように成膜粒子の方向を設定すること
を特徴とする。配向調整膜には、酸化処理または窒化処
理を施すのが好ましい。配向調整膜を形成するにあたっ
ては、成膜粒子の放出源としてスパッタリングターゲッ
トを用いるスパッタ法を採用することができる。本発明
では、配向調整膜を形成するに際して、スパッタ法を採
用し、酸素または窒素を含むスパッタガスを用いること
によって酸化処理または窒化処理を行うことができる。
酸化処理または窒化処理は、配向調整膜の表面を酸素含
有ガスまたは窒素含有ガスに接触させることにより行う
ことができる。本発明の磁気記録媒体の製造装置は、前
記磁気記録媒体を製造する装置であって、配向調整膜を
構成する材料からなる成膜粒子を放出し被付着面に付着
させることにより配向調整膜を形成する放出源と、この
放出源から放出された成膜粒子の方向を定める方向設定
手段とを備え、この方向設定手段が、成膜粒子軌道の被
付着面への投影線が非金属基板の径方向に沿い、かつ非
金属基板に対する入射角度が10〜75°となるように
成膜粒子の方向を設定することができるようにされてい
ることを特徴とする。本発明の磁気記録再生装置は、前
記磁気記録媒体と、この磁気記録媒体に情報を記録再生
する磁気ヘッドとを備えていることを特徴とする。な
お、本明細書中において「配向調整膜」は、bcc構造
の非磁性下地膜を(200)に優先的に配向させるよう
に構成される。また、本明細書中において「主成分」と
は、その成分の含有率が50at%を越えるものをい
う。
媒体の第1の実施形態を示す一部断面図で、ここに示す
磁気記録媒体は、非金属基板1上に配向調整膜2が形成
され、その上に非磁性下地膜3、磁性膜4、保護膜5、
潤滑膜6が順次形成されたものである。以下、非金属基
板1および配向調整膜2を媒体基板Mという。図1
(b)は、図1(a)に示す磁気記録媒体の断面の透過
型電子顕微鏡(TEM)写真に基づいて作成した要部拡
大図である。
クス、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの
非金属材料からなるものが用いられる。特に、耐久性、
コストなどの観点からガラス基板を用いるのが好まし
い。ガラス基板としては、アモルファスガラス、結晶化
ガラスが使用可能であり、アモルファスガラスとして
は、汎用のソーダライムガラス、アルミノケートガラ
ス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また結晶
化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いるこ
とができる。セラミックス基板としては、汎用の酸化ア
ルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分
とする焼結体や、それらの繊維強化物などが使用可能で
ある。
下地膜3の結晶配向性を整え、さらにはその上に形成さ
れる磁性膜4の結晶配向性を調整し、磁性膜4の磁気異
方性を向上させるためのものである。配向調整膜2は、
bcc構造の非磁性下地膜3を(200)に優先的に配
向させることができるように構成されている。配向調整
膜2の材料としては、非磁性下地膜3を(200)に優
先的に配向させる材料である、Cr、V、Nb、Mo、
W、Taのうち1種または2種以上を挙げることができ
る。
分とする(すなわちCrの含有率が50at%を越え
る)合金を用いることもでき、特にCrX(XはB、
C、N、O、Si、Ti、V、Nb、Mo、Ta、Wの
うち1種または2種以上)系合金を用いるのが好まし
い。CrX系合金を用いる場合、Xの含有率は、1at
%以上、50at%未満とするのが好ましい。これは、
Xの含有率を上記範囲とすることによって、非磁性下地
膜3および磁性膜4の結晶配向性を高め磁気異方性を向
上させることができるためである。配向調整膜2の材料
としては、bcc構造の非磁性下地膜3を(200)に
優先的に配向させる材料であるCrRu(Ruの含有率
が1〜30at%)を用いることもできる。
膜3を(200)に優先的に配向させる構成、すなわち
CoTaまたはCoNbを主成分とするものであり、T
aまたはNbの含有量が30〜75at%であり、かつ
Fd3m構造(空間群(Space Group)表
記)またはアモルファス構造を有する構成とするのが好
適である。また配向調整膜2は、bcc構造の非磁性下
地膜3を(200)に優先的に配向させる構成、すなわ
ちCrTaまたはCrNbを主成分とするものであり、
TaまたはNbの含有量が15〜75at%である構成
とすることもできる。また配向調整膜2は、bcc構造
の非磁性下地膜3を(200)に優先的に配向させる構
成、すなわちNiTaまたはNiNbを主成分とするも
のであり、TaまたはNbの含有量が30〜75at%
であり、かつFd3m構造またはアモルファス構造を有
する構成とすることができる。配向調整膜2がこれらC
oTa、CoNb、CrTa、CrNb、NiTa、N
iNbを主成分とするものである場合において、Taま
たはNbの含有量を上記範囲とするのが好適であるとし
たのは、この含有量が低すぎると保磁力が低くなりやす
く、含有量が高すぎると磁性膜内の配向性が低下し保磁
力が低くなるおそれがあるためである。
下地膜3を(200)に優先的に配向させる材料、すな
わちTaまたはNbを30at%以上含有する非磁性合
金材料からなるものとすることもできる。
膜3を(200)に優先的に配向させる材料である、F
d3m構造を有する非磁性金属からなるものとするのが
好ましい。Fd3m構造を有する非磁性金属としては、
CrX系合金のうち、CrNb系(70Cr30Nbな
ど)、CrTa系(65Cr35Taなど)、CrTi
系(64Cr36Tiなど)等のC15構造(Skru
kturbercht Symbol表記)を有する合
金が好適である。配向調整膜2に用いることができるF
d3m構造金属としては、このほか、CoTa系(65
Co35Taなど)、CoNb系(70Co30Nbな
ど)、WHf系(66W34Hf)、AlY系(67A
l33Yなど)等のC15構造を有する合金がある。ま
た配向調整膜2に用いることができるFd3m構造金属
としては、CoTa系(比較的Co含有率が小さいも
の、例えば50Co50Taなど)、FeNb系(50
Fe50Nbなど)等の合金を挙げることができる。こ
れらFd3m構造を有する材料を用いる場合には、配向
調整膜2の形成時に酸化処理または窒化処理(後述)を
行うことによってその結晶構造(Fd3m構造)を整え
たものが好ましい。配向調整膜2は、非磁性下地膜3の
結晶配向性を調整するだけでなく、非磁性下地膜3、磁
性膜4中の結晶粒を微細化する結晶粒微細化膜としても
機能する。
t%以上含有させるのが好ましい。これは、窒素または
酸素を1at%以上含有させることによって、非磁性下
地膜3の結晶を、より正確に(200)に配向させ、磁
性膜4の磁気異方性を高めることができるためである。
は、柱状微結晶粒2aが、非金属基板1に垂直な線2b
に対して半径方向に傾いた結晶構造を有する。すなわち
柱状微結晶粒2aの傾斜角度α1(垂直線2bに対する
柱状微結晶粒2a軸方向の傾き)が0°を越え、90°
未満となるようになっている。柱状微結晶粒2aの傾斜
角度α1は、10〜75°(好ましくは15〜75°、
さらに好ましくは20〜75°、さらに好ましくは25
〜55°)であることが好ましい。傾斜角度α1が上記
範囲未満である場合には、非磁性下地膜3、磁性膜4の
結晶配向性が悪化し磁気異方性が低下する。また成膜装
置の構成の点から、角度α1を上記範囲を越える範囲に
設定するのは難しい。傾斜角度α1は、10°以上、3
0°未満となる値とすることができる。また65°を越
え、90°未満となる値とすることもできる。また配向
調整膜2は、柱状微結晶粒2aが周方向にほとんど傾い
ていないようにするのが好ましい。
0〜1000Å)とするのが望ましい。この膜厚は、上
記範囲未満であると磁性膜の磁気異方性が低下し、上記
範囲を越えると製造効率が低下する。
料、例えばCr、V、Ti、Si、Ta、Ni、W、M
o、Nbのうち1種以上、またはこれらに結晶性を損な
わない範囲で他の元素を添加した合金からなるものとす
ることができる。なかでも特に、CrまたはCr合金
(例えばCrTi系、CrW系、CrMo系、CrV
系)を用いるのが好適である。またこの材料としては、
Ni50Al(Ni−50at%Al)等のB2構造を
有する材料を用いることもできる。また非磁性下地膜3
は厚さ方向に均一な単層構造としてもよいし、2種類以
上の層を複数積層させた多層構造としてもよい。非磁性
下地膜3の厚さは、1〜100nm(10〜1000
Å)、好ましくは2〜50nm(20〜500Å)とす
るのが望ましい。
非磁性下地膜3は、配向面(非磁性下地膜3の表面にお
ける支配的な結晶面)を(200)とすると、磁性膜4
の磁気異方性を高めることができるため好ましい。また
非磁性下地膜3の材料としてCrを用いた場合には、非
磁性下地膜3の格子定数と磁性膜4の格子定数との差が
大きくなるため、非磁性下地膜3と磁性膜4との間にC
rX'(X'はMo、Ti、V、Ta、Wのうち1種以
上)からなる中間膜を設け、格子の整合性の向上を図る
のが好ましい。
面が(110)とされている。磁性膜4は、この構成に
よって、高い磁気異方性を得ることができる。
が好ましい。この材料としては、例えばCr、Pt、T
a、B、Ti、Ag、Cu、Al、Au、W、Nb、Z
r、V、Ni、FeおよびMoのうち1種以上を、Co
に加えたCo合金を用いることができる。上記材料の好
適な具体例としては、CoPt系、CoCrPt系、C
oCrPtTa系、CoCrPtB系、CoCrPtB
Ta系、CoCrPtTaCu系、CoCrPtTaZ
r系、CoCrPtTaW系、CoCrPtCu系、C
oCrPtZr系、CoCrPtBCu系、CoCrP
tBZr系、CoNiTa系、CoNiTaCr系、C
oCrTa系等が利用できる。また、Ag、Ti、R
u、C等の非磁性金属、この非磁性金属の化合物、酸化
物(SiO2、SiO、Al2O3等)、窒化物(Si3N
4、AlN、TiN、BN等)、フッ化物(CaF
等)、炭化物(TiC等)などの非磁性母材中に磁性粒
が分散したグラニュラー膜を採用することもできる。
oCrB系合金、好ましくはCoCrPtB系合金)を
用いる場合には、Co合金中のBの含有率は、1〜10
at%(好ましくは2〜7at%、さらに好ましくは
2.5〜6at%)とするのが好ましい。Bの含有率が
上記範囲未満であると、保磁力が低くなることに加え、
磁性結晶粒が大きくなりノイズが増大する。またこの含
有率が上記範囲を越えると、磁性膜内の配向性が低下し
保磁力が低くなるおそれがある。Co合金中のCr含有
率は、40at%以下(好ましくは5〜35at%、さ
らに好ましくは10〜25at%)とするのが好まし
い。Co合金中のPtの含有率は、1〜30at%(好
ましくは3〜27at%、さらに好ましくは6〜25a
t%)とするのが好ましい。磁性膜4は単層構造として
もよいし、2種類以上の層を複数積層させた多層構造と
してもよい。磁性膜4の厚さは、5〜30nm(50〜
300Å)とすることができる。
を使用してよく、例えばカーボン、酸化シリコン、窒化
シリコン、酸化ジルコニウム等の単一成分またはこれら
を主成分とする材料を使用することができる。保護膜5
の厚さは、2〜10nm(20〜100Å)とするのが
好ましい。
のフッ素系潤滑剤などからなるものとすることができ
る。
力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcr
が、1より大きくなる(好ましくは1.1以上、さらに
好ましくは1.2以上となる)。この比Hcc/Hcr
が上記範囲未満であると、磁気記録媒体の磁気異方性が
不足し、熱揺らぎ耐性、エラーレート、S/Nなどの磁
気特性が不十分となる。
例として、本発明の磁気記録媒体の製造方法の一実施形
態を説明する。図2は、本発明の磁気記録媒体の製造装
置の一実施形態を示すものである。ここに示すスパッタ
装置21は、非金属基板1上に配向調整膜2を形成する
ためのもので、成膜粒子を放出する放出源であるスパッ
タリングターゲット22と、このスパッタリングターゲ
ット22から放出された成膜粒子の方向を定める方向設
定手段である遮蔽板23とをチャンバ28内に備えてい
る。符号29はスパッタガス等をチャンバ28内に導入
する導入経路であり、符号30はチャンバ28内のスパ
ッタガス等を系外に導出する導出経路である。
向調整膜2の構成材料からなるものであり、円板状に形
成されている。遮蔽板23は、スパッタリングターゲッ
ト22から放出された成膜粒子のうち、目的とする方向
以外の方向に放出された成膜粒子を遮ることにより成膜
粒子の方向を定めるためのもので、円板状に形成され、
ほぼ中央部に、円形の成膜粒子通過口24が形成されて
いる。遮蔽板23は、スパッタリングターゲット22に
対しほぼ平行に、スパッタリングターゲット22に対し
て所定の間隔をおいて設置されている。遮蔽板23は、
その軸線23aがスパッタリングターゲット22の軸線
22aに対しほぼ一致するように設置されている。また
成膜粒子の入射角度の精度を高めるためには、遮蔽板2
3を可能な限り薄く形成するのが好ましい。例えば、外
径2.5インチ(63.5mm)の非金属基板1を用い
る場合には、遮蔽板23の厚さは1.5〜5mm(好ま
しくは2〜4mm)とするのが好ましい。遮蔽板23に
は、耐熱性に優れ、不純物発生が少ない材料である金属
材料(例えばステンレス、アルミニウム合金)を用いる
のが好ましく、特に、付着した成膜粒子を除去する作業
が容易であり、しかも安価であることからアルミニウム
合金を用いるのが好ましい。
成膜粒子が非金属基板1の表面1aの配向調整膜形成領
域1bに付着する際の成膜粒子の非金属基板1に対する
入射角度αが10〜75°となるように設定されてい
る。この入射角度αとは、非金属基板1に対し垂直な線
1cに対する角度をいう。成膜粒子通過口24の内径
は、成膜効率を低下させない範囲で小さくするのが好ま
しい。例えば、外径2.5インチ(63.5mm)の非
金属基板1を用いる場合には、成膜粒子通過口24の内
径は20mm以下(好ましくは15mm以下、さらに好
ましくは7mm以下)とするのが好ましい。
2を形成するには、非金属基板1をチャンバ28内に搬
入し、遮蔽板23のスパッタリングターゲット22側に
対し反対側(図中左側)に非金属基板1を配置する。こ
の際、非金属基板1はスパッタリングターゲット22、
遮蔽板23に対しほぼ平行に配置する。
入経路29を通してチャンバ28内に導入するととも
に、スパッタリングターゲット22に給電し、成膜粒子
をスパッタ法により放出させる。この際、スパッタリン
グターゲット22の中央部からやや離れた位置の成膜粒
子放出箇所25、25から放出された成膜粒子のうち、
遮蔽板23中央部に向かったものは、成膜粒子通過口2
4を通過し、それ以外のものは遮蔽板23に遮られる。
過口24を通過した成膜粒子は、ターゲット22の中央
部からやや離れた位置の放出箇所25から放出され、遮
蔽板23中央部の通過口24を通過したものである(図
2を参照)。このため、成膜粒子の軌道26の基板1の
表面1aへの投影線27は、非金属基板1の径方向に沿
うものとなる(図3を参照)。また、成膜粒子は基板1
の周方向に均一に表面1aに付着する。成膜粒子は、入
射角度αが10〜75°となるように、被付着面である
表面1aの環状の配向調整膜形成領域1bに付着する。
この入射角度αは、15〜75°(好ましくは20〜7
5°、さらに好ましくは25〜55°)とするのがさら
に好適である。この入射角度αが上記範囲未満である場
合には、非磁性下地膜3、磁性膜4の結晶配向性が悪化
し磁気異方性が低下する。また装置構成の点から入射角
度αを上記範囲を越える範囲に設定するのは難しい。ま
た傾斜角度αは、10°以上、30°未満となる値とす
ることができる。また65°を越え、75°以下となる
値とすることもできる。
って、図1(b)に示すように、配向調整膜2は、柱状
微結晶粒2aが、非金属基板1に垂直な線2bに対して
半径方向に傾いた結晶構造を有するものとなる。
理を施すのが好ましい。酸化処理または窒化処理を行う
には、スパッタ装置21を用いて配向調整膜2を形成す
るに際し、導入経路29を通してチャンバ28に導入す
るスパッタガスとして、酸素または窒素を含むものを用
いる方法を採ることができる。酸素を含むスパッタガス
としては、酸素とアルゴンの混合ガスを用いることがで
きる。窒素を含むスパッタガスとしては、窒素とアルゴ
ンの混合ガスを用いることができる。スパッタガス中の
酸素または窒素の含有率は、1〜50vol%とするこ
とができる。
後に、その表面を酸素含有ガスまたは窒素含有ガスに接
触させる方法によって酸化または窒化処理を行うことも
できる。酸素含有ガスとしては、空気、純酸素、水蒸気
を用いることができる。また空気中の酸素含有率を増加
させた酸素富化ガスを用いることもできる。窒素含有ガ
スとしては、空気、純窒素、窒素富化ガスを用いること
ができる。
素含有ガスに接触させる方法の具体例としては、上述の
ように、スパッタ装置21内において基板1上に配向調
整膜2を形成した後、このスパッタ装置21のチャンバ
28内に、導入経路29を通して酸素含有ガスまたは窒
素含有ガスを導入する方法を挙げることができる。酸素
含有ガスまたは窒素含有ガス中の酸素または窒素含有率
は、1〜100vol%とするのが好ましい。酸素含有
ガスまたは窒素含有ガスの使用によって、酸化処理また
は窒素処理を容易な操作で行うことができるようにな
る。
向調整膜2は少なくとも表面付近が酸化または窒化され
る。なお酸化処理または窒化処理を行うには、スパッタ
ガスとして、酸素または窒素を含むものを用いて配向調
整膜2を形成した後に、その表面を酸素含有ガスまたは
窒素含有ガスに接触させる方法を採ることもできる。
ッタ法により行うことができる。非磁性下地膜3を形成
する際、配向調整膜2の影響下で成長する非磁性下地膜
3は、優れた結晶配向性を有するものとなる。非磁性下
地膜3は、bcc構造を有し、好ましくは配向面(非磁
性下地膜3の表面における支配的な結晶面)が(20
0)となる。非磁性下地膜3が優れた結晶配向性を有す
るものとなる結果、その上に形成される磁性膜4の結晶
配向性が向上する。磁性膜4は、hcp構造を有し、か
つ配向面が(110)となる。
ッタ法などにより形成することができる。潤滑膜6の形
成には、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系液体潤
滑剤などの潤滑剤を保護膜5上にディッピング法により
塗布する方法を採用することができる。
1と非磁性下地膜3との間に、bcc構造の非磁性下地
膜3を(200)に配向させる配向調整膜2が形成さ
れ、この配向調整膜2が、柱状微結晶粒2aが半径方向
に傾いた結晶構造を有するので、非磁性下地膜3および
磁性膜4の結晶配向性を向上させ、磁性膜4における周
方向の磁気異方性を高めることができる。
定数(Ku)が大きい媒体において良好となる。本実施
形態の磁気記録媒体では、円周方向の磁気異方性が高め
られることにより結晶磁気異方性定数(Ku)が向上す
ることから、熱揺らぎ耐性が高められると考えられる。
なお、熱揺らぎとは、記録ビットが不安定となり記録し
たデータの熱消失が起こる現象をいい、磁気記録装置に
おいては、記録したデータの再生出力の経時的な減衰と
して現れる。また再生出力ピークの半値幅を小さくし、
再生出力の分解能を向上させることができる。従って、
エラーレートの点で優れた磁気記録媒体を得ることがで
きる。また、磁気異方性を高めることによって、保磁力
を向上させ、再生出力(S)を向上させることができ
る。このため、S/Nの向上を図ることができる。さら
には、非磁性下地膜3内の結晶粒を微細化し、下地膜3
の影響下で成長する磁性膜4内の磁性粒を微細化、均一
化することができるため、ノイズ(N)の低減を図るこ
とができる。このため、磁性膜4を薄膜化することによ
って、磁性粒の過度の成長を抑制し磁性粒を微細化する
ことができ、さらなるノイズ低減が可能となる。よっ
て、いっそうのS/Nの向上が可能となる。従って、磁
気記録媒体の磁気特性(熱揺らぎ耐性、エラーレート、
S/Nなど)を向上させることができ、高記録密度化を
図ることが可能となる。
しテクスチャ加工を行うことなく磁気異方性を向上させ
ることができるため、テクスチャ加工が不要となり、製
造が容易となり製造コスト削減が可能となる。またテク
スチャ加工に起因して、配向調整膜2の表面形状が粗く
なり媒体の表面平均粗さRaが大きくなることによるグ
ライドハイト特性の低下を防ぐことができる。
膜3を(200)に配向させることができる材料であ
る、Fd3m構造を有する非磁性金属からなるものとす
る場合には、非磁性下地膜3、磁性膜4における結晶配
向性を向上させ、磁性膜4における磁気異方性を高める
ことができる。
リングターゲット22から成膜粒子を放出させ、非金属
基板1の表面1aに付着させることにより配向調整膜2
を形成するにあたり、成膜粒子の軌道26の非金属基板
1への投影線27が非金属基板1の径方向に沿い、かつ
非金属基板1に対する入射角度αが10〜75°となる
ように成膜粒子の方向を設定するので、hcp構造を有
し、(110)に優先配向した磁性膜4における磁気異
方性を高めることができる。従って、磁気記録媒体の磁
気特性(熱揺らぎ耐性、エラーレート、S/Nなど)を
向上させることができ、高記録密度化を図ることが可能
となる。
なるため、製造が容易となり製造コスト削減が可能とな
る。またテクスチャ加工に起因して配向調整膜2の表面
形状が粗くなり媒体の表面平均粗さRaが大きくなるこ
とによるグライドハイト特性の低下を防ぐことができ
る。
窒化処理することによって、非磁性下地膜3の結晶を、
より正確に(200)に配向させ、磁性膜4の磁気異方
性をさらに高め、磁気記録媒体の磁気特性(熱揺らぎ耐
性、エラーレート、S/Nなど)を向上させることがで
き、高記録密度化を図ることが可能となる。
成するにあたって、成膜粒子の放出源としてスパッタリ
ングターゲット22を用いるスパッタ法を採用するの
で、配向調整膜2を容易に形成することができる。
は窒素を含むスパッタガスを用いて配向調整膜2を形成
する方法により行うことによって、配向調整膜2の形成
と、酸化または窒素処理とを1つの工程で行うことがで
き、製造工程の簡略化が可能となる。従って、作業を容
易にするとともに製造効率の向上を図ることができる。
膜2の表面を酸素含有ガスまたは窒素含有ガスに接触さ
せることにより行う場合には、スパッタ装置21を用い
て非金属基板1上に配向調整膜2を形成した後、得られ
た媒体基板Mをこのスパッタ装置21から搬出すること
なく、引き続きこのスパッタ装置21内において配向調
整膜2表面の酸化または窒化処理を行うことができる。
従って、製造工程を簡略化し、作業の容易化および製造
効率向上を図ることができる。
放出源となるスパッタリングターゲット22と、放出さ
れた成膜粒子の方向を定める遮蔽板23を備えているの
で、非金属基板1に対する成膜粒子の入射方向を、正確
に定めることができる。このため、非磁性下地膜3およ
び磁性膜4の結晶配向性を向上させ、磁性膜4における
磁気異方性を確実に高めることができる。
録再生装置の例を示すものである。ここに示す磁気記録
再生装置は、図1に示す構成の磁気記録媒体7と、磁気
記録媒体7を回転駆動させる媒体駆動部8と、磁気記録
媒体7に情報を記録再生する磁気ヘッド9と、ヘッド駆
動部10と、記録再生信号処理系11とを備えている。
記録再生信号処理系11は、入力されたデータを処理し
て記録信号を磁気ヘッド9に送ったり、磁気ヘッド9か
らの再生信号を処理してデータを出力することができる
ようになっている。
録媒体の磁気異方性を高めることができるため、S/
N、エラーレートの向上が可能となることから、高記録
密度化が可能となる。また熱揺らぎ現象に起因するデー
タ消失などのトラブルを未然に防ぐことができる。
ァス構造を有するNiP合金(以下、アモルファスNi
P合金という)からなるものとすることもできる。配向
調整膜をアモルファスNiP合金からなるものとした磁
気記録媒体としては、図1(a)に示す構造のものを例
示できる。この図を利用して本発明の磁気記録媒体の第
2の実施形態を説明する。本実施形態の磁気記録媒体で
は、配向調整膜2がアモルファスNiP合金からなるも
のとされ、そのNi含有率は、50〜90at%とする
のが好ましい。アモルファスNiP合金からなる配向調
整膜2は、上記製造方法と同様にして形成することがで
きる。すなわち、アモルファスNiP合金からなるスパ
ッタリングターゲット22と遮蔽板23を有するスパッ
タ装置21を用い、スパッタリングターゲット22から
の成膜粒子を、入射角度αが10〜75°となるように
非金属基板1の表面1aに付着させる。
の方法に従って、酸素または窒素を含むスパッタガスを
用いるか、または配向調整膜2表面を酸素含有ガスまた
は窒素含有ガスに接触させることによって、配向調整膜
2に酸化処理または窒化処理を施す。これによって、配
向調整膜2の少なくとも表面が結晶化する可能性があ
る。この磁気記録媒体は、周方向の保磁力Hccと径方
向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1より大き
くなる(好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.
2以上となる)。
ルファスNiP合金からなるものであり、周方向の保磁
力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcr
が、1より大きくされているので、上記第1の実施形態
の磁気記録媒体と同様に、非磁性下地膜3および磁性膜
4の結晶配向性を向上させ、磁気異方性を高めることが
できる。従って、磁気記録媒体の磁気特性(熱揺らぎ耐
性、エラーレート、S/Nなど)を向上させることがで
き、高記録密度化を図ることが可能となる。また製造に
際しテクスチャ加工を行うことなく磁気異方性を高める
ことができるため、製造が容易となり製造コスト削減が
可能となる。
録媒体では、非金属基板1と配向調整膜2との間に、ス
パッタ法などによって配向性向上膜12を設けることも
できる。配向性向上膜12は、配向調整膜2の配向性を
調整するとともに、配向調整膜2の基板側からの剥離を
防ぐためのもので、材料としては、例えばCr、Mo、
Nb、V、Re、Zr、W、Tiのうち1種以上を主成
分とする合金を使用することができ、なかでも特に、C
rMo系、CrTi系、CrV系、CrW系などの合金
や、Crの使用が好適である。またB2構造またはアモ
ルファス構造を有する材料を用いることもできる。B2
構造を有する材料としては、Ni50Al(Ni−50
at%Al)、Co50Al(Co−50at%A
l)、Fe50Al(Fe−50at%Al)等を挙げ
ることができる。アモルファス構造を有する材料として
は、CuZr系、TiCu系、NbNi系、NiP系な
どの合金を用いることができる。
としては、NiAl、FeAl、CoAl、CoZr、
CoCrZr、およびCoCrCのうちいずれかを主成
分とするものを挙げることができる。配向性向上膜12
の膜厚は、200nm以下、例えば5〜200nmとす
るのが好ましい。200nmを越えると磁性膜4の磁気
異方性を高める効果が低下する。
向上膜12を設けることによって、配向調整膜2の初期
成長時の配向性の乱れを防ぎ、非磁性下地膜3および磁
性膜4の結晶配向性を向上させ、磁性膜4の磁気異方性
をさらに高めることができる。また非金属基板1から配
向調整膜2が剥離するのを防ぐことができる。
調整膜を複数設けることもできる。ここに示す磁気記録
媒体は、第1および第2の配向調整膜2c、2dを備え
ている。これら配向調整膜2c、2dに用いる材料やこ
れらの厚さは、図1に示す磁気記録媒体の配向調整膜2
と同様とすることができる。なお配向調整膜の数は3以
上とすることもできる。
磁性下地膜3と磁性膜4との間に、CoCrなどからな
る非磁性中間膜13を設けることもできる。非磁性中間
膜13を設けることによって、磁性膜4の初期成長の乱
れを抑制し、磁性膜4の配向性を向上させ、優れた磁気
特性を得ることができる。
の他の実施形態を示すもので、ここに示すスパッタ装置
31は、成膜粒子の放出源であるスパッタリングターゲ
ット32が環状に形成され、遮蔽板33が、環状の外側
遮蔽板33aと外側遮蔽板33aの開口部内に配設され
た円板状の内側遮蔽板33bとから構成されている点で
図2に示すスパッタ装置21と異なる。
外側遮蔽板33aの内径よりも小さくなるように形成さ
れ、外側遮蔽板33aの内周縁と内側遮蔽板33bの外
周縁との間に、成膜粒子が通過する成膜粒子通過スリッ
ト34が形成されている。外側遮蔽板33aの内径と内
側遮蔽板33bの外径は、放出された成膜粒子が、非金
属基板1に付着する際の成膜粒子の非金属基板1に対す
る入射角度α’が10〜75°となるように設定されて
いる。
2を形成する際には、スパッタリングターゲット32か
ら放出されて成膜粒子通過スリット34を通過した成膜
粒子が、非金属基板1に対する入射角度α’が10〜7
5°となるように非金属基板1の表面1aに付着する。
4を形成する際においても、スパッタ装置21、31を
用いて、成膜粒子軌道の被付着面への投影線が非金属基
板の径方向に沿い、かつ非金属基板に対する入射角度が
10〜75°となるように成膜粒子の方向を設定するこ
ともできる。この方法によれば、磁性膜4の磁気異方性
をさらに高めることができる。
法として、スパッタ法のほかに、真空蒸着法、ガス中ス
パッタ法、ガスフロースパッタ法、イオンビーム法など
の物理蒸着法を用いることができる。
る。 (試験例1)配向調整膜2を備えていないこと以外は図
1(a)に示すものと同様の磁気記録媒体を以下のよう
にして作製した。DCマグネトロンスパッタ装置(アネ
ルバ社製3010)を用いたスパッタ法によって、非金
属基板1(アモルファスガラス、直径65mm、厚さ
0.635mm)上に、CrMo合金からなる非磁性下
地膜3(厚さ30nm)、CoCrPtTa合金からな
る磁性膜4(厚さ25nm)、カーボンからなる保護膜
5(厚さ10nm)を形成した。次いで、ディッピング
法によりパーフルオロエーテルからなる潤滑膜6を形成
した。成膜の際には、スパッタ装置のチャンバ内を真空
到達度2×10-7Paとなるまで減圧した。また非金属
基板1は200℃に加熱した。スパッタガスとしてはア
ルゴンを用いた。
動式磁気特性測定装置(VSM)を用いて測定した。ま
た周方向の保磁力Hccと半径方向の保磁力Hcrの比
(Hcc/Hcr)を測定し磁気異方性の指標とし、表
1中に磁気異方性として示した。また電磁変換特性を、
GUZIK社製リードライトアナライザRWA163
2、およびスピンスタンドS1701MPを用いて測定
した。電磁変換特性の評価には、再生部に巨大磁気抵抗
(GMR)素子を有する複合型薄膜磁気記録ヘッドを用
い、記録条件を線記録密度350kFCIとして測定を
行った。熱揺らぎ耐性(熱減磁)については、スピンス
タンドS1701MPを用い、70℃において記録密度
40kFCIでの出力減少を測定した。また表中、PW
50とは出力ピークの半値幅を示し、S/Nは記録再生
出力とノイズの比を示す。試験結果を表1に示す。
体を以下のようにして作製した。スパッタ装置21を用
いて、非金属基板1上に配向調整膜2を形成し、この
際、成膜粒子の軌道26の非金属基板1への投影線27
が非金属基板1の径方向に沿い、かつ非金属基板1に対
する入射角度が10〜75°となるように成膜粒子の方
向を設定した。配向調整膜2を形成する際には、窒素と
アルゴンの混合ガス(窒素含有率20vol%)をスパ
ッタガスとして用いた。そのほかの条件は試験例1に準
じた。得られた磁気記録媒体断面をTEMにより観察し
た結果、配向調整膜2が、柱状微結晶粒2aが半径方向
に10〜75°傾いた結晶構造を有するものとなったこ
とが明らかになった。試験結果を表1に併せて示す。
する際に、遮蔽板23を用いず、成膜粒子の入射角度を
限定しないこと以外は試験例2〜17に準じて磁気記録
媒体を作製した。試験結果を表2に示す。
する際に、スパッタガスとして、窒素を表3に示す含有
率となるようにアルゴンに添加した混合ガスを用いるこ
と以外は試験例2〜17に準じて磁気記録媒体を作製し
た。配向調整膜2は、柱状微結晶粒2aが半径方向に1
0〜75°傾いた結晶構造を有するものとなった。試験
例26における配向調整膜2の窒素含有率をオージェ電
子分光法で測定したところ、10at%であった。試験
結果を表3に示す。
として表4に示すものを用いること以外は試験例2〜1
7に準じて磁気記録媒体を作製した。配向調整膜2は、
柱状微結晶粒2aが半径方向に10〜75°傾いた結晶
構造を有するものとなった。試験結果を表4に示す。
する際に、スパッタガスとして、酸素を表5に示す含有
率となるようにアルゴンに添加した混合ガスを用いるこ
と以外は試験例2〜17に準じて磁気記録媒体を作製し
た。配向調整膜2は、柱状微結晶粒2aが半径方向に1
0〜75°傾いた結晶構造を有するものとなった。試験
例41における配向調整膜2の酸素含有率をオージェ電
子分光法で測定したところ、4at%であった。試験結
果を表5に示す。
に用いるスパッタガスとしてアルゴンを用いること以外
は試験例34に準じて磁気記録媒体を作製した。配向調
整膜2は、柱状微結晶粒2aが半径方向に10〜75°
傾いた結晶構造を有するものとなった。試験結果を表6
に示す。
した後、配向調整膜2を表6に示す曝露ガスに曝すこと
以外は試験例49に準じて磁気記録媒体を作製した(試
験例52、55、57、59、62、65、68では曝
露を行わなかった)。配向調整膜2は、柱状微結晶粒2
aが半径方向に10〜75°傾いた結晶構造を有するも
のとなった。試験結果を表6に示す。
するに先だって、非金属基板1と配向調整膜2との間に
配向性向上膜12を形成すること以外は試験例2〜17
に準じて磁気記録媒体を作製した。配向調整膜2は、柱
状微結晶粒2aが半径方向に10〜75°傾いた結晶構
造を有するものとなった。試験結果を表7に示す。
び非磁性下地膜3の材料として表8に示すものを用いる
こと以外は試験例2〜17に準じて磁気記録媒体を作製
した。試験例94、97、102、108、111、1
15については、配向調整膜2を形成する際に、表8に
示す含有率となるように窒素をアルゴンに添加した混合
ガスをスパッタガスとして用いた。他の試験例では、ス
パッタガスとしてアルゴンを用いた。配向調整膜2は、
柱状微結晶粒2aが半径方向に10〜75°傾いた結晶
構造を有するものとなった。試験結果を表8に示す。
よび非磁性下地膜3の材料として表9に示すものを用
い、かつ曝露ガスとして表9に示すものを用いること以
外は試験例49〜69に準じて磁気記録媒体を作製し
た。表中、角度限定無しとしたものは、配向調整膜2を
形成する際に、遮蔽板23を用いず、成膜粒子の入射角
度を限定しない製造方法を採った。試験結果を表9に示
す。
って、非磁性下地膜3および磁性膜4がそれぞれbcc
構造、hcp構造を有するものとなり、非磁性下地膜3
および磁性膜4の配向面がそれぞれ(200)、(11
0)となったことがわかる。また磁気異方性が高く、磁
気特性を向上させることができたことがわかる。また試
験例7〜9の比較、試験例11〜13の比較により、配
向調整膜2を構成する材料としてCrXを用い、このX
の含有率を50at%未満とすることによって、磁気特
性向上効果を高めることができたことがわかる。表2よ
り、成膜粒子の入射角度を限定し、柱状微結晶粒2aが
半径方向に傾いた結晶構造を有する配向調整膜2を形成
することによって、優れた磁気特性向上効果を得ること
ができたことがわかる。表3より、スパッタガスとして
窒素を含有するものを用いて配向調整膜2表面を窒化処
理する方法によれば、窒化処理を行わない方法に比べ、
磁気異方性を同等またはそれ以上に高めることができた
ことがわかる。表4より、配向調整膜2の材料として、
表に示す単体金属を用いた場合でも優れた磁気異方性が
得られたことがわかる。表5より、スパッタガスとして
酸素を含有するものを用いて配向調整膜2表面を酸化処
理する方法によれば、酸化処理を行わない方法に比べ、
磁気異方性を同等またはそれ以上に高めることができた
ことがわかる。表6より、配向調整膜2形成後に、配向
調整膜2表面を酸化または窒化処理する方法によれば、
この処理を行わない方法に比べ、磁気異方性を同等また
はそれ以上に高めることができたことがわかる。また配
向調整膜2に、CoTa、CoNb、NiNb、NiT
aを用いた場合には、優れた静磁気特性が得られたこと
がわかる。表7より、配向性向上膜12を形成した場合
には、これを形成しない場合に比べ、磁気異方性を同等
またはそれ以上に高めることができたことがわかる。さ
らに、配向性向上膜12をB2構造を有する材料、また
はアモルファス構造を有する材料で形成することによ
り、磁気異方性を高めることができたことがわかる。表
8より、配向調整膜2の材料として、Fd3m構造を有
するCrX系合金を用いることにより、これ以外の結晶
構造を有する材料を用いた場合に比べ、磁気異方性を同
等以上に高めることができたことがわかる。また配向調
整膜2に、CoNb、NiTa、NiNbを用いた場合
には、優れた静磁気特性が得られたことがわかる。また
試験例99〜115に示すように、配向調整膜2として
CrX系合金以外の非磁性金属材料でFd3m構造を有
する材料を用いた場合にも優れた磁気異方性が得られた
ことがわかる。表9より、配向調整膜2にNiP合金を
用いた場合においても、優れた磁気異方性が得られたこ
とがわかる。また試験例118と試験例119の比較、
試験例126と試験例127の比較により、配向調整膜
2に酸化処理または窒化処理を行うことによって、優れ
た磁気特性を得ることができたことがわかる。
非磁性下地膜との間に、bcc構造の非磁性下地膜を
(200)に優先的に配向させる配向調整膜が形成さ
れ、この配向調整膜が、柱状微結晶粒が半径方向に傾い
た結晶構造を有するので、非磁性下地膜および磁性膜の
結晶配向性を向上させ、磁性膜における磁気異方性を高
めることができる。従って、磁気記録媒体の磁気特性
(熱揺らぎ耐性、エラーレート、S/Nなど)を向上さ
せることができ、高記録密度化を図ることが可能とな
る。また製造に際しテクスチャ加工を行うことなく磁気
異方性を高めることができるため、製造が容易となり製
造コスト削減が可能となる。
金からなるものであり、周方向の保磁力Hccと径方向
の保磁力Hcrとの比Hcc/Hcrが、1より大きく
された構成を採用することによって、非磁性下地膜およ
び磁性膜の結晶配向性を向上させ、磁気異方性を高める
ことができる。従って、磁気記録媒体の磁気特性を向上
させ、高記録密度化を図ることできる。また製造に際し
テクスチャ加工を行うことなく磁気異方性を高めること
ができるため、製造が容易となり製造コスト削減が可能
となる。
っては、配向調整膜を構成する材料からなる成膜粒子を
放出源から放出させて被付着面に付着させることにより
配向調整膜を形成し、この際、成膜粒子軌道の被付着面
への投影線が非金属基板の径方向に沿い、かつ非金属基
板に対する入射角度が10〜75°となるように成膜粒
子の方向を設定するので、非磁性下地膜および磁性膜の
結晶配向性を向上させ、磁性膜における磁気異方性を高
めることができる。従って、磁気記録媒体の磁気特性
(熱揺らぎ耐性、エラーレート、S/Nなど)を向上さ
せることができ、高記録密度化を図ることが可能とな
る。また製造に際しテクスチャ加工が不要となるため、
製造が容易となり製造コスト削減が可能となる。
放出する放出源と、放出された成膜粒子の方向を定める
方向設定手段とを備え、この方向設定手段が、成膜粒子
軌道の被付着面への投影線が非金属基板の径方向に沿
い、かつ非金属基板に対する入射角度が10〜75°と
なるように成膜粒子の方向を設定することができるよう
にされているので、非金属基板に対する成膜粒子の入射
方向を正確に定めることができる。このため、得られる
磁気記録媒体の磁気異方性を高めることができ、S/
N、エラーレートの向上が可能となることから、高記録
密度化が可能となる。また熱揺らぎ現象に起因するデー
タ消失などのトラブルを未然に防ぐことができる。
は、磁気記録媒体の磁気異方性を高めることができるた
め、S/N、エラーレートの向上が可能となることか
ら、高記録密度化が可能となる。また熱揺らぎ現象に起
因するデータ消失などのトラブルを未然に防ぐことがで
きる。
を示す一部断面図である。(b)(a)に示す磁気記録
媒体の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真に基づい
て作成した要部拡大図である。
形態を示す概略構成図である。
形態を説明する説明図である。
示す一部断面図である。
す一部断面図である。
態を示す一部断面図である。
態を示す一部断面図である。
施形態を示す概略構成図である。
面)、2・・・配向調整膜、2a・・・柱状微結晶粒、3・・・
非磁性下地膜、4・・・磁性膜、7・・・磁気記録媒体、9・・
・磁気ヘッド、22・・・スパッタリングターゲット、23
・・・遮蔽板(方向設定手段)、26・・・成膜粒子の軌道、
27・・・投影線、α、α'・・・入射角度、α1・・・柱状微結
晶粒の傾斜角度
Claims (21)
- 【請求項1】 非金属基板(1)と、その上に形成さ
れた非磁性下地膜(3)、磁性膜(4)および保護膜
(5)を基本構成とする磁気記録媒体において、 磁性膜が、hcp構造を有し、かつ(110)に優先的
に配向しており、 非磁性下地膜が、bcc構造を有し、 非金属基板と非磁性下地膜との間に、非磁性下地膜を
(200)に優先的に配向させる配向調整膜(2)が形
成され、 この配向調整膜が、柱状微結晶粒(2a)が半径方向に
傾いた結晶構造を有し、 周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比H
cc/Hcrが、1より大きいことを特徴とする磁気記
録媒体。 - 【請求項2】 非磁性下地膜は、bcc構造を有し、
かつ配向面が(200)であることを特徴とする請求項
1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 配向調整膜は、Cr、V、Nb、M
o、W、Taのうち1種または2種以上からなるもので
あることを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 配向調整膜は、Crを主成分とする合
金からなるものであることを特徴とする請求項2記載の
磁気記録媒体。 - 【請求項5】 配向調整膜は、CoTaまたはCoN
bを主成分とするものであり、TaまたはNbの含有量
が30〜75at%であり、かつFd3m構造またはア
モルファス構造を有することを特徴とする請求項2項記
載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 配向調整膜は、CrTaまたはCrN
bを主成分とするものであり、TaまたはNbの含有量
が15〜75at%であることを特徴とする請求項2記
載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】 配向調整膜は、NiTaまたはNiN
bを主成分とするものであり、TaまたはNbの含有量
が30〜75at%であり、かつFd3m構造またはア
モルファス構造を有することを特徴とする請求項2記載
の磁気記録媒体。 - 【請求項8】 配向調整膜は、Fd3m構造を有する
非磁性金属からなるものであることを特徴とする請求項
2項記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】 配向調整膜は、C15構造を有する非
磁性金属からなるものであることを特徴とする請求項2
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項10】 非金属基板と配向調整膜との間に、
配向性向上膜(12)が形成されていることを特徴とす
る請求項2項記載の磁気記録媒体。 - 【請求項11】 配向性向上膜は、B2構造またはア
モルファス構造を有する材料からなるものであることを
特徴とする請求項10記載の磁気記録媒体。 - 【請求項12】 配向性向上膜は、NiAl、FeA
l、CoAl、CoZr、CoCrZr、およびCoC
rCのうちいずれかを主成分とするものであることを特
徴とする請求項10記載の磁気記録媒体。 - 【請求項13】 非金属基板と、その上に形成された
非磁性下地膜、磁性膜および保護膜を基本構成とする磁
気記録媒体において、 非金属基板と非磁性下地膜との間に、直上の膜の結晶配
向性を調整する配向調整膜が形成され、 磁性膜が、hcp構造を有し、かつ(110)に優先的
に配向しており、 非磁性下地膜が、bcc構造を有し、 配向調整膜が、アモルファス構造のNiP合金からなる
ものであり、かつ非磁性下地膜を(200)に優先的に
配向させることができるようにされ、 周方向の保磁力Hccと径方向の保磁力Hcrとの比H
cc/Hcrが、1より大きいことを特徴とする磁気記
録媒体。 - 【請求項14】 配向調整膜は、窒素または酸素を1
at%以上含むことを特徴とする請求項2記載の磁気記
録媒体。 - 【請求項15】 請求項2記載の磁気記録媒体を製造
する方法であって、 配向調整膜を構成する材料からなる成膜粒子を放出源
(22)から放出させて被付着面(1a)に付着させる
ことにより配向調整膜を形成し、この際、成膜粒子軌道
(26)の被付着面への投影線(27)が非金属基板の
径方向に沿い、かつ非金属基板に対する入射角度(α)
が10〜75°となるように成膜粒子の方向を設定する
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項16】 配向調整膜に、酸化処理または窒化
処理を施すことを特徴とする請求項15記載の磁気記録
媒体の製造方法。 - 【請求項17】 配向調整膜を形成するにあたって、
成膜粒子の放出源としてスパッタリングターゲット(2
2)を用いるスパッタ法を採用することを特徴とする請
求項15記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項18】 配向調整膜を形成するに際し、スパ
ッタ法を採用し、酸素または窒素を含むスパッタガスを
用いることによって酸化処理または窒化処理を行うこと
を特徴とする請求項16記載の磁気記録媒体の製造方
法。 - 【請求項19】 酸化処理または窒化処理を、配向調
整膜の表面を酸素含有ガスまたは窒素含有ガスに接触さ
せることにより行うことを特徴とする請求項16記載の
磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項20】 請求項2記載の磁気記録媒体を製造
する装置であって、 配向調整膜を構成する材料からなる成膜粒子を放出し被
付着面に付着させることにより配向調整膜を形成する放
出源と、この放出源から放出された成膜粒子の方向を定
める方向設定手段(23)とを備え、 この方向設定手段は、成膜粒子軌道の被付着面への投影
線が非金属基板の径方向に沿い、かつ非金属基板に対す
る入射角度が10〜75°となるように成膜粒子の方向
を設定することができるようにされていることを特徴と
する磁気記録媒体の製造装置。 - 【請求項21】 請求項2記載の磁気記録媒体(7)
と、この磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッド
(9)とを備えていることを特徴とする磁気記録再生装
置。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004206802A (ja) * | 2002-12-25 | 2004-07-22 | Fujitsu Ltd | 多結晶構造膜 |
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2001
- 2001-08-29 JP JP2001260383A patent/JP3732769B2/ja not_active Expired - Fee Related
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