JP2002202059A - 自動車の空調システム用コンプレッサ - Google Patents

自動車の空調システム用コンプレッサ

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JP2002202059A JP2001347698A JP2001347698A JP2002202059A JP 2002202059 A JP2002202059 A JP 2002202059A JP 2001347698 A JP2001347698 A JP 2001347698A JP 2001347698 A JP2001347698 A JP 2001347698A JP 2002202059 A JP2002202059 A JP 2002202059A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的な動作ノイズ、ならびに吐出チャンバ
に入るガスの振動ノイズの伝達を抑制した自動車の車室
の空調システム用の小型コンプレッサを提供する。 【解決手段】このコンプレッサは、空調システム内で循
環する冷却ガスの圧縮システム(10)を収容するケー
シング(4)を備えている。圧縮システム(10)は、
低圧ガスを吸入して、高圧でケーシング(4)に吐出す
る。電動機により、ガス圧縮システム(10)は駆動さ
れる。分離壁(26)が、ケーシング内で冷却ガスの吸
入チャンバ(28)を画定している。吸入チャンバ(2
8)には、管(30)が設けられている。この管は、吸
入チャンバの上部に配置される入口(32)と、ガス圧
縮システム(10)に接続される出口(34)とを有す
る。また、オイルを戻す戻し孔(38)が、管(30)
の下部に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車室の空
調システムに関する。
【0002】特に、本発明は、自動車の車室の空調シス
テム用のコンプレッサに関し、低圧ガスを吸入して、高
圧でケーシングに吐出する空調システム内において、循
環冷却ガスの圧縮システムを収容するケーシングと、冷
却ガス圧縮システムを駆動する電動機とを備えているも
のに関する。
【0003】
【従来の技術】住宅用の空調システムは、エバポレータ
の出口で冷却液を圧縮するコンプレッサを備えている。
気相の冷却液だけをコンプレッサに吸入するには、コン
プレッサの上流で、冷却液の気相と液相とを分離するこ
とが必要である。
【0004】公知のように、この分離は、接続管路によ
りコンプレッサに接続された、コンプレッサとは異なる
分離ボトルで行われる。
【0005】分離ボトルは、冷却液を濾過してから、こ
の冷却液を、コンプレッサの圧縮チャンバに送る。
【0006】しかし、このタイプの分離ボトルを備えて
いるコンプレッサには、多くの不都合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ボトルが分離されてい
るために、コンプレッサの外形寸法が大きくなり、ボト
ルの特別な固定部、ならびに、ボトルをコンプレッサに
結合する管路が必要になる。また。コンプレッサの吐出
弁の作動によって生じるノイズと、このコンプレッサの
チャンバに入るガスの振動ノイズを和らげることはでき
ない。
【0008】本発明は、特に、上記の欠点を解消するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、ケ
ーシング内に冷却ガスの吸入室を画定する分離壁を有
し、吸入チャンバに管が設けられ、この管が、吸入チャ
ンバの上部に配置された入口孔と、ガスの圧縮システム
に接続される出口孔とを有する、上記のタイプのコンプ
レッサを提案するものである。
【0010】これにより、冷却液の液相および気相の分
離、ならびに潤滑オイルの戻しが、コンプレッサにおけ
る吸入チャンバの内部で行われ、分かれた分離ボトルは
除去される。これにより、コンプレッサ全体の外形寸法
を最小化することができる。
【0011】さらに、吸入チャンバの存在によって、ガ
ス圧縮システムを隔離する二重底が構成され、機械的な
ノイズ、ならびに外部へのガスの振動ノイズの伝達が抑
制される。従って、コンプレッサは、きわめて静粛に作
動する。
【0012】コンプレッサは、吸入チャンバの管の下部
に設けられた、オイルを戻す戻し孔を備えているのがよ
い。この戻し孔は、吸入チャンバの底に溜まったオイ
ル、従って、ガス圧縮システムの潤滑オイルを吸入する
ことができる。戻し孔の直径は、好適には、0.2〜5
mmである。
【0013】また、ケーシングは、フィルタが組み立て
られる冷却ガスの吸入管を備えているのがよい。これに
より、ガスの濾過を、コンプレッサで行わせることがで
きる。
【0014】好適な実施形態では、ケーシングが、ガス
圧縮システムを備えている第1の部分と、電動機を備え
ている第2の部分とから構成され、この2つの部分が、
接合面に沿って互いに組み立てられる。これにより、コ
ンプレッサが備えている接合面やねじ面が最小限になる
ので、漏洩のおそれは最小限に抑えられる。
【0015】パッキンが、コンプレッサの分離壁とケー
シングとの間に配置される。このパッキンは、たとえ
ば、リブを付けた金属プラスチックパッキンである。
【0016】パッキンは、ガス圧縮システムにより、ケ
ーシングへの圧縮システムの組立時に圧縮させるのが有
利である。
【0017】ガス圧縮システムは、渦巻型または回転ピ
ストン型のコンプレッサであるのが好ましい。
【0018】さらに、コンプレッサの高圧チャンバから
吸入チャンバへの熱伝達をできる限り少なくするため
に、断熱材料で分離壁を構成するのがよい。
【0019】本発明の他の特徴および長所は、添付図面
を参照して行う実施例の以下の説明を読めば、いっそう
明らかになると思う。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜図4は、本発明によるコン
プレッサを示す。このコンプレッサは、自動車の車室の
空調システムの一部をなしている。このシステムは、公
知のように、コンデンサ、膨張手段、およびエバポレー
タ(以上、図示せず)を含んでいる。
【0021】コンデンサの上流に配置されるコンプレッ
サ2は、エバポレータから低圧で出る冷却液を吸入し、
これを高圧で圧縮して、コンデンサに向かって吐出す
る。
【0022】図示の例では、コンプレッサ2は、第1の
部分6と第2の部分8とからなるケーシング4を含む。
第1の部分6は、冷却ガスの圧縮システム10を有し、
第2の部分8は、圧縮システム10を駆動する電動機1
2を有する。電動機12は、ステータ14と、ガスの圧
縮システム10の可動部に接続されるロータ16とから
構成されている。電動機12には、端子板20で支持さ
れたプラグ18から電力が供給される。
【0023】ガスの圧縮システム10は、ガスの直接吸
入部と、ケーシング4の内部空間22に連通する排気孔
とを有している。吐出弁(図示せず)は、内部空間22
の高圧ガスが、圧縮チャンバへ戻らないようにしてい
る。
【0024】冷却ガスの圧縮システム10は、好適に
は、渦巻型(スクロール型)である。このガスの圧縮シ
ステム10は、固定渦巻部と、固定渦巻部に当接する可
動渦巻部とから構成されている。
【0025】この圧縮システム10は、吸入弁を備えて
おらず、広範囲の回転速度で、ほぼ一定の優れた容量が
得られるという長所を有する。しかし、たとえば回転ピ
ストンタイプのような、別のタイプの圧縮システムを使
用してもよい。
【0026】ケーシング4と、第1の部分6の接合面2
4同士は、パッキンを介してたとえば締付ねじ(図示せ
ず)により、組み立てられている。そのため、接合面お
よび締付ねじの数は少なく、冷却流体が漏れ出るおそれ
は小さい。
【0027】本発明においては、コンプレッサ2のケー
シング4の左側部に分離壁26が設けられている。分離
壁26とケーシング4との間には、パッキン27が設け
られている。パッキン27は、好適には、リブを付けた
金属プラスチックパッキンである。
【0028】図示の実施例では、パッキン27は、分離
壁26へ4本の締付ねじを通して、ガス圧縮システム1
0を固定する際に圧縮される。ガス圧縮システム10と
分離壁26との間に、ガス吐出空間を形成するために、
分離壁26には、管路36と対応する高さで、前記4本
の締付ねじを通しうる4本の筒状ピン29が設けられて
いる。従って、パッキン27と、吸入管36の環状パッ
キンとは、ケーシング6でガス圧縮システム10の4本
の締付ねじを締めつけたときに圧縮される。
【0029】かくして、吸入チャンバと、管路36(低
圧)と、吐出空間(高圧)との間の気密性は確保され、
ねじまたは追加手段を用いずにすみ、また、特別な組み
立て作業を実施する必要もない。
【0030】管30が、分離壁26に隣接して設けられ
ている。この管30の入口32は、吸入チャンバ28の
上部に開口している。管30の下部は、90゜肘形に曲
がって、分離壁26を貫通している。管30の出口34
は、前記管路36を介して、ガス圧縮システム10に直
接接続されている。
【0031】管30の下部に戻し孔38が設けられてい
る。動圧作用により、戻し孔38から吸入チャンバ28
の底に溜ったオイル40が吸入される。戻し孔38の直
径は、好適には、0.2〜5ミリメートルである。実施
例では、戻し孔38の直径は、1.2ミリメートルであ
る。
【0032】オイルは、ガス圧縮システム10における
冷却ガスと共に吸入され、次いで、ケーシング4の内部
空間に吐出されるので、コンプレッサの機械部品に注油
し、機械部品を冷却するとともに、電動機12を冷却す
ることができる。
【0033】圧縮された冷却ガスは、高圧の内部空間2
2を通った後、図ではコンプレッサの右側部分に配置さ
れた出口管42から出て、空調システムのコンデンサ
(図示せず)に入る。
【0034】特に図2からよく分かるように、コンプレ
ッサ2のケーシング4の第1の部分6には、継手44が
設けられている。継手44は、垂直を向いており、エバ
ポレータからのガス管を接続しうるようになっている。
【0035】フィルタ46により、矢印48で示すよう
に、吸入チャンバ28に入る前の冷却ガスは濾過され
る。吸入チャンバ28では、液体および気体の分離が行
われる。
【0036】液体50は、吸入チャンバ28の底に、オ
イル40の表面上に溜まり、一方気体は、矢印52で示
すように、管30の入口32から吸入される。
【0037】従って、本発明のコンプレッサでは、1つ
のケーシング内に、コンプレッサの入口で冷却ガスを濾
過する機能、冷却ガスの液体を蓄積する機能、ならびに
冷却液を液体と気体とに分ける機能が組み込まれてい
る。また、吸入チャンバ28と分離壁26とを特別な態
様で配置してあり、圧縮チャンバへオイル40を戻すこ
ともできる。外部との気密性を保つためのパッキンの数
も、最小限まで減らされ、流体の漏れのおそれも最小限
となっている。
【0038】しかも、吸入チャンバ28が二重底の役割
を果たすので、ガス圧縮システム10の機械的な動作ノ
イズ、ならびに吐出チャンバに入るガスの振動ノイズの
伝達は小となる。
【0039】なお、吸入チャンバ28への高圧の内部空
間22の熱伝達を最小とするために、分離壁26を、断
熱性の材料で構成するのがよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンプレッサの平面図である。
【図2】図1に示したコンプレッサのII−II線にお
ける縦断面図である。
【図3】図1に示したコンプレッサのIII−III線
における縦断面図である。
【図4】図1〜図3に示したコンプレッサの吸入チャン
バのIII−III線による拡大部分断面図である。
【符号の説明】
2 コンプレッサ 4 ケーシング 6 第1の部分 8 第2の部分 10 ガスの圧縮システム 12 電動機 14 ステータ 16 ロータ 20 端子板 22 内部空間 24 接合面 26 分離壁 27 パッキン 28 吸入チャンバ 29 筒状ピン 30 管 32 入口 34 出口 36 吸入管 38 戻し孔 40 オイル 42 出口管 44 継手 46 フィルタ 48 矢印 50 液体 52 矢印

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の車室の空調システム用コンプレ
    ッサであって、空調システム内で循環する冷却ガスの圧
    縮システム(10)を収容するケーシング(4)を有
    し、このガス圧縮システム(10)は、低圧冷却ガスを
    吸入して、高圧でケーシング(4)に吐出し、ガス圧縮
    システム(10)の駆動用電動機(12)が、ケーシン
    グ(4)内で冷却ガスの吸入チャンバ(28)を画定す
    る分離壁(26)を有し、吸入チャンバ(28)には管
    (30)が設けられ、この管(30)は、吸入チャンバ
    (28)の上部に配置されている入口(32)と、ガス
    圧縮システム(10)に接続される出口(34)とを有
    するコンプレッサにおいて、 オイルを戻すための戻し孔(38)が、管(30)の下
    部に設けられていることを特徴とするコンプレッサ。
  2. 【請求項2】 戻し孔(38)の直径が、0.2〜5ミ
    リメートルであることを特徴とする請求項1に記載のコ
    ンプレッサ。
  3. 【請求項3】 ケーシング(4)が、冷気ガスのフィル
    タ(46)を備えていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のコンプレッサ。
  4. 【請求項4】 ケーシング(4)が、ガス圧縮システム
    (10)を備えている第1の部分(6)と、電動機(1
    2)を含む第2の部分(8)とから構成され、この2つ
    の部分が、接合面(24)に沿って組み立てられている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコン
    プレッサ。
  5. 【請求項5】 パッキン(27)が、分離壁(26)と
    ケーシング(4)との間に配置されていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載のコンプレッサ。
  6. 【請求項6】 パッキン(27)が、リブを付けた金属
    プラスチックパッキンであることを特徴とする請求項5
    に記載のコンプレッサ。
  7. 【請求項7】 パッキン(27)が、ガス圧縮システム
    (10)により、ケーシング(4)への前記システムの
    組立時に圧縮されるようになっていることを特徴とする
    請求項5または6に記載のコンプレッサ。
  8. 【請求項8】 ガス圧縮システム(10)が、渦巻型ま
    たは回転ピストン型であることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載のコンプレッサ。
  9. 【請求項9】 分離壁(26)が、断熱材料からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のコンプ
    レッサ。
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