JP2002201574A - 難燃性皮革様シート基体およびその製造方法 - Google Patents

難燃性皮革様シート基体およびその製造方法

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JP2002201574A
JP2002201574A JP2000396454A JP2000396454A JP2002201574A JP 2002201574 A JP2002201574 A JP 2002201574A JP 2000396454 A JP2000396454 A JP 2000396454A JP 2000396454 A JP2000396454 A JP 2000396454A JP 2002201574 A JP2002201574 A JP 2002201574A
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Yoshiaki Yasuda
佳明 安田
Yoshihiro Tanba
善博 丹波
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲンフリーで難燃性に優れ、インテリア分
野、特に乗物用座席等の難燃性を必要とする用途に適し
た、ソフトな風合いを有する難燃性皮革様シート基体を
提供する。 【解決手段】0.5デシテックス以下の極細繊維(A)
が三次元絡合されている不織布と高分子弾性体(B)か
らなる皮革様シート基体において、極細繊維(A)が有
機リン成分共重合ポリエステルからなり、また高分子弾
性体(B)が有機リン成分共重合ポリウレタンからなる
ことを特徴とする難燃性皮革様シート基体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンフリーで
難燃性に優れ、インテリア分野、特に乗物用座席等の難
燃性を必要とする用途に適した、極細繊維および高分子
弾性体からなる、ソフトな風合いを有する難燃性皮革様
シート基体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維、特にポリエステル繊維
やポリアミド繊維等は、その優れた寸法安定性、耐候
性、機械的特性、耐久性などの点から、衣料、インテリ
ア等の素材として不可欠なものとなっている。しかしな
がらその用途によっては、更なる特殊機能の付与が望ま
れている。例えば、インテリア分野、特に鉄道車両用座
席や自動車用座席、航空機用座席等の上張材に用いられ
る人工皮革の分野においては難燃性能を付与することが
極めて重要となっている。
【0003】従来より、人工皮革の基体層として、極細
繊維不織布の絡合空間に高分子弾性体を有する布帛が用
いられており、この布帛の表面に樹脂層を付与するとい
わゆる銀付調人工皮革となり、また該布帛の表面を毛羽
立てるといわゆるスエード調の人工皮革となる。このよ
うな人工皮革基体層に難燃性を付与する方法としては、
難燃剤を後加工法などにより繊維および高分子弾性体の
表面に付着させる方法、難燃性を有するシートを裏面に
積層する方法、難燃性微粒子を繊維形成熱可塑性ポリマ
ー中に練り込む方法などが一般に行われている。
【0004】これらの方法のうち、後加工法の場合に
は、人工皮革の風合いを悪化させると共に、該人工皮革
が表面を起毛したスエード調のものである場合には、難
燃処理により表面の緻密な立毛状態が集毛し、外観を悪
化させることとなる。また、難燃性を有するシートを裏
面に積層する方法の場合には、表面と裏面の難燃性に差
が生じるとともに、人工皮革の風合いが損なわれる。
【0005】難燃剤を熱可塑性ポリマーに練り込む添加
方法の場合には、一般に用いられている具体的方法は、
リン系またはハロゲン系化合物を有効成分とする難燃剤
を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンポリ
プロピレン共重合体、ポリスチレン等の成形材料に練り
込み、難燃効果を付与する方法である。一方、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド系ポ
リマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル系ポリマー等への該難燃
剤の練り込みは、溶融紡糸温度における難燃剤とポリマ
ーの安定性の点から紡糸温度の設定、ポリマーおよび難
燃剤の選択等に制約があり、生産性に問題があった。
【0006】さらに上記の難燃剤を繊維に練り込む方法
の場合には、上記難燃性繊維がレギュラーデシテック
ス、すなわち0.5デシテックスを越える繊維である場
合には適用の可能性があるが、極端に細い繊維の場合に
は適用できない。例えば繊維の細いことが重要であるス
エード調人工皮革のような場合には、繊維の繊度を0.
5デシテックス以下とすることが、緻密な高級感ある繊
維立毛を得る上で、また風合いの点で、さらに天然皮革
様の充実感を得る上からも好ましいが、このような極細
繊維に難燃性微粒子を練り込むと、難燃性微粒子の粒径
と繊維断面積の関係から、繊維物性の低下が甚だしく、
実用に耐え得るものは得られない。また、繊維物性を低
下させることなく難燃性の有機物質等を分散せしめた場
合においても、極細化の際に通常用いられる海成分除去
工程において難燃性の有機物質が抜け落ちてしまうた
め、目標の難燃レベルを達成できない場合が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、2成
分以上の熱可塑性ポリマーからなる複合または混合紡糸
繊維の1成分以上を除去して得られる、あるいは該熱可
塑性ポリマー間の界面で剥離分離して得られる単繊度
0.5デシテックス以下の極細繊維に繊維物性を大きく
低下させることなく難燃性能を付与すると共に、高分子
弾性体にもその分解を促進することなく難燃性を付与す
ることで、ソフトな風合いを有し、かつハロゲンフリー
の、耐久性に優れた難燃性皮革様シート基体を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
0.5デシテックス以下の極細繊維(A)が三次元絡合
されている不織布と高分子弾性体(B)からなる皮革様
シート基体において、極細繊維(A)の少なくとも一部
が有機リン成分共重合ポリエステルからなり、また高分
子弾性体(B)が有機リン成分を共重合せしめたポリカ
ーボネート系ポリウレタンからなることを特徴とする難
燃性皮革様シート基体であり、好ましくは、極細繊維
(A)中のリン原子濃度が3000ppm以上で、また
高分子弾性体(B)の有機リン成分を共重合せしめたポ
リカーボネート系ポリウレタン中のリン原子濃度が30
00ppm以上である上記難燃性皮革様シート基体であ
る。
【0009】また本発明は、0.5デシテックス以下の
極細繊維(A)が三次元絡合されている不織布と高分子
弾性体(B)からなる皮革様シート基体を製造するに際
し、下記〜の工程 有機リン成分共重合ポリエステルを極細繊維(A)と
なる成分の少なくとも一部とする極細繊維発生型繊維か
らなる繊維絡合不織布を製造する工程 該不織布に高分子弾性体(B)として有機リン成分を
共重合せしめたポリカーボネート系ポリウレタンを付与
する工程、 該繊維を単繊度0.5デシテックス以下の極細繊維
(A)の束に変換する工程 をの順序またはの順序で行うことを特徴と
する難燃性皮革様シート基体の製造方法である。
【0010】この製造方法において、単繊維繊度0.5
デシテックス以下の極細繊維の束は、従来公知の方法で
作られる。例えば、相溶性のない少なくとも2種類のポ
リマーからなり、断面において少なくとも1種類のポリ
マーが島成分、そしてそれ以外の少なくとも1種類のポ
リマーが海成分となっている極細繊維発生型繊維から少
なくとも1成分(通常は海成分ポリマー)を溶解又は分
解除去することにより、または、相溶性のない2種以上
のポリマーが接合した断面形状を有する貼合わせ型の極
細繊維発生型繊維を機械的または化学的な処理により2
成分の界面で剥離させることにより得ることができる。
得られる極細繊維の束を構成する極細繊維の単繊維繊度
を0.5デシテックス以下、特に0.2デシテックス以
下とするためには、貼合わせ型の極細繊維発生型繊維を
用いるよりは繊維断面が海島構造となっている極細繊維
発生型繊維を用いる方が工程上有利であり好ましい。ま
たメルトブローンなどのように直接極細繊維を製造する
方法を用いてもよい。なお、上記〜の工程は、本発
明の皮革様シート基体を製造する上での必須の工程のみ
を記載したものであり、この〜以外の工程が付加さ
れていてもよく、例えば、の工程の後に、不織布をポ
リビニルアルコールで代表される糊材で仮固定する工程
等を付加してもよい。
【0011】本発明に用いる海島構造繊維は、相溶性を
有していない2種以上の熱可塑性ポリマーを複合紡糸ま
たは混合紡糸することにより得られる。海島構造繊維か
ら海成分を除去して得られる極細繊維束に難燃性を付与
するためには、島成分に用いる樹脂を難燃化すればよ
い。一般に、繊維自体の難燃化(後加工ではなく)に
は、紡糸時に無機化合物、有機ハロゲン化合物、ハロゲ
ン含有有機リン化合物、有機リン化合物等の難燃剤を練
り込む方法が採られるが、難燃剤の反応劣化、繊維物性
の低下等の問題があり、さらに極細繊維を対象とする場
合には、海成分ポリマー除去時の難燃剤の脱落が問題と
なる。また、含ハロゲン化合物の使用は、優秀な難燃性
能を付与できる反面、燃焼時に人体に有害な物質を発生
するという問題がある。したがって、含ハロゲン化合物
の使用は、乗物の座席シートに用いられる人工皮革の難
燃性を達成する方法として好ましい方法とはいえない。
【0012】これらの問題をことごとくクリアし、極細
繊維に難燃性を付与せしめる方法として、本発明におい
ては、有機リン成分共重合樹脂を極細繊維となる成分、
好ましくは島成分に用いる。有機リン成分共重合樹脂と
しては、セルロース、ポリエステル、フェノール等への
共重合樹脂が知られているが、本発明においては、溶融
紡糸が可能であること及び人工皮革としての必要物性を
満たすことから、有機リン成分共重合ポリエステルを用
いる。例えば特開昭51−82392号公報、特開昭5
5−7888号公報、特公昭55−41610号公報に
記載されているような公知の有機リン成分共重合ポリエ
ステルを用いることができる。ここで、有機リン成分共
重合ポリエステルの製法は特に限定しないが、例えばジ
カルボン酸ジエステルとジオールとのエステル交換法に
よる場合にはエステル交換反応の際に有機リン化合物を
添加する方法、重縮合反応前または反応の初期段階にお
いて有機リン化合物を添加する方法を採ることができ、
ジカルボン酸とジオールとのエステル化法による場合に
も任意のエステル化反応段階において有機リン化合物を
添加する方法を採ることができる。反応に用いる有機リ
ン化合物としては、前述の公報中に挙げられているよう
な、オキサホスホラン、ホスフィン酸誘導体、ホスファ
フェナントレン誘導体等の公知のリン原子含有化合物を
使用できる。また、母体となるポリエステルとしては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等をはじめとする公知のポリエステルおよびそれら
の変性ポリマー、混合ポリマー、共重合ポリマー等を用
いることができる。
【0013】この有機リン成分共重合ポリエステルを用
いた場合、リン成分が共重合すなわち共有結合によりポ
リマーと結合しているため、紡糸時およびその後の人工
皮革製造の諸工程において難燃剤の脱落等のトラブルが
生じない。また、昨今の環境事情より忌避されている含
ハロゲン化合物の使用を回避できる。この際、該有機リ
ン成分共重合ポリエステルは、十分に強度等の繊維物性
を発揮する樹脂であってかつ紡糸条件下で海成分ポリマ
ーより溶融粘度が大きく、かつ表面張力が小さい樹脂が
好ましく、溶融紡糸可能な樹脂であるのが好ましい。例
えば、オリフィス口径:2mmφ、荷重:325gで測
定した紡糸温度におけるメルトフローレートが5〜5
0、繊維強度が1.0〜5.0g/デシテックスである
樹脂が好ましい。また、有機リン成分共重合ポリエステ
ル中のリン原子濃度は3000ppm以上20000p
pm以下であることが好ましく、5000ppm以上1
5000ppm以下が特に好ましい。3000ppm未
満では、皮革様シート基体とした際に満足できる難燃性
能が得られない。20000ppmを越えると樹脂の粘
度低下により海島構造繊維の生産性が悪化するため使用
が難しくなる。
【0014】一方、海成分ポリマーとしては、島成分ポ
リマーと溶剤または分解剤に対する溶解性又は分解性を
異にし(島成分ポリマーよりも溶解性又は分解性が大き
い)、島成分ポリマーとの相溶性の小さい樹脂であり、
例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンプロ
ピレン共重合体、スルホイソフタル酸ソーダ等を共重合
した変性ポリエステルなどのポリマーから選ばれた少な
くとも1種のポリマーである。例えばポリスチレンやポ
リエチレンはトルエンやトリクレンにより容易に抽出可
能であり、またスルホイソフタル酸ソーダ共重合ポリエ
チレンテレフタレート等の変性ポリエステルはアルカリ
により分解除去可能である。そしてこの海島構造繊維か
ら海成分を抽出又は分解除去することにより海島構造繊
維を極細繊維束に変換することができる。なお本発明に
おいて海島構造繊維は、繊維横断面において、海成分が
島成分により複数個に分割されていてもよく、例えば海
成分と島成分とがそれぞれ層となり、多層貼り合わせ状
態となっているような繊維であってもよい。
【0015】なお島成分は繊維長さ方向に切れ目なく連
なっていても、あるいは不連続の状態であってもよい。
また海島構造繊維の繊維横断面における島の個数は特に
規定しないが、極細繊維束への変換後に単繊維繊度が
0.5デシテックス以下になるように設定する必要があ
る。本発明に用いられる海島構造繊維の製造法としては
各種溶融紡糸法(チップブレンド方式、ニードルパイプ
法式、貼り合せ方式等)が挙げられる。また本発明に用
いられる海島構造繊維を構成する海成分と島成分との比
率は重量比で8:2〜2:8の範囲が好ましい。
【0016】本発明において、海島構造繊維から海成分
ポリマーを除去した後に形成される極細繊維束を構成す
る極細繊維の太さは0.5デシテックス以下であること
が前記したように必須であり、特に0.001〜0.2
デシテックスの範囲が好ましい。なお、繊維の島成分に
は、上記した有機リン成分共重合ポリエステルの他に、
染料や顔料等の着色剤や各種安定剤等が添加されていて
もよい。なお、本発明において、相溶性のない2種以上
のポリマーが接合した断面形状を有する貼合わせ型の極
細繊維発生型繊維を機械的または化学的な処理により2
成分の界面で剥離させる方法を用いる場合には、該ポリ
マーの内の1種が有機リン成分共重合ポリエステルであ
り、かつ極細繊維発生型繊維中に占める有機リン成分共
重合ポリエステルの割合として50重量%以上、特に6
0重量%以上が好ましい。
【0017】次に、極細繊維形成型繊維からなる絡合不
織布に高分子弾性体を付与する際には、高分子弾性体を
含有する液状組成物に該不織布を浸漬し、然る後に該不
織布を凝固浴に浸漬して高分子弾性体を凝固させる方
法、あるいは高分子弾性体エマルジョン液を加熱ゲル化
させる方法等が用いられる。本発明においては、高分子
弾性体中にも難燃成分を包含せしめるが、シート中の高
分子弾性体相に難燃成分を含有せしめるには、シートが
出来上がった後に難燃剤含有液を含浸させる方法、不織
布に含浸せしめる液状組成物に難燃成分を溶解・分散さ
せておく方法、高分子弾性体そのものの分子中に難燃成
分を含有させる方法を採ることが出来る。このうち、シ
ートが出来上がった後に難燃剤含有液を含浸させる方法
では、難燃剤の浸透が不充分なことにより難燃効果の耐
久性が不充分となることや、皮革様構造が完成した後に
難燃剤が付着することによる風合いの硬化という問題点
がある。したがって本発明では高分子弾性体に難燃成分
を含有させる。
【0018】高分子弾性体に包含せしめる難燃成分とし
ては、一般に樹脂に対して使用されるような公知の難燃
剤、例えば、ハロゲン系やリン系、窒素系の有機難燃
剤、金属水酸化物や赤リン、シリコン系の無機化合物等
が考えられるが、高分子弾性体および極細繊維の劣化を
促進しないこと、また、本発明における処理工程中にお
いては凝固浴や極細繊維発生工程での処理液により実質
的に溶解・分解しないことが求められる。低分子量の有
機難燃剤や、水溶性の難燃剤を用いた場合には、工程中
に難燃剤が脱落する恐れがある。また、無機難燃剤を多
量に導入した場合には、高分子弾性体の硬化に伴う皮革
様シートの風合い硬化、重量増大という問題がある。こ
れらの条件に加えて、高分子弾性体中に包含させ、前述
の有機リン成分共重合ポリエステルよりなる極細繊維と
組み合わせて皮革様シート基体とし、実際に燃焼させる
際の効果の観点から鋭意研究を行なった結果、高分子弾
性体そのものの分子中に難燃成分を含有させる方法、特
に、高分子弾性体に有機リン成分を共重合させたものを
用いることが効果的であることを見出した。極細繊維中
の難燃成分と、高分子弾性体の難燃成分が異なる場合に
は、難燃機構が異なることにより、双方の難燃剤の添加
量の比率を考慮する等のバランス調整が必要となるが、
高分子弾性体に導入する難燃剤として、極細繊維と同様
の有機リン系難燃成分を採用することで、シート全体が
同じ難燃機構で統一され、単純に難燃成分の濃度により
難燃効果を制御できる。
【0019】ここで、高分子弾性体中のリン原子濃度
は、3000ppm以上が好ましく、より好ましくは5
000ppm以上20000ppm以下である。リン原
子濃度が3000ppm未満では皮革様シート基体とし
た際に充分に満足できる難燃性が得られず、20000
ppmを越えると皮革様シートとして必要な物性を満た
すことが出来ない。また、有機リン成分としては、リン
酸エステル類、有機ホスフィン化合物等を使用できる
が、高分子弾性体の加水分解による劣化への影響を考慮
すると有機ホスフィン化合物が好ましく用いられる。有
機ホスフィン化合物のなかでも、三官能型のように反応
時のゲル化を起こさない点で二官能型化合物がより好ま
しく用いられる。
【0020】本発明において、高分子弾性体として、ポ
リカーボネート系ポリウレタンを用いる。ポリウレタン
は、柔軟性、弾性回復性、多孔質高分子弾性体形成性、
耐久性等に優れていることから皮革様シートに好適に用
いられており、一般に、平均分子量500〜3000の
ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカ
ーボネートジオール等のジオールあるいはポリエステル
ポリエーテルジオール等の複合ジオール等から選ばれた
少なくとも1種類のポリマージオールと、4、4’ージ
フェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香
族系、脂環族系、脂肪族系のジイソシアネートなどから
選ばれた少なくとも1種類のジイソシアネートと、エチ
レングリコール、イソホロンジアミン等の2個以上の活
性水素原子を有する少なくとも1種類の低分子化合物と
を所定のモル比で反応させて得たポリウレタンおよびそ
の変性物である。本発明では、これらポリウレタンのな
かで、加水分解に対する安定性を考慮して、ポリカーボ
ネート系ポリウレタンが用いられる。ポリエーテル系や
ポリエステル系のポリウレタンを使用した場合には、人
工皮革作製直後には難燃性を有するが、熱水に対する安
定性で劣り、例えば染色処理や洗濯処理中に加水分解に
よる劣化に伴い難燃性が低下するという問題がある。ポ
リカーボネート系のポリウレタンを使用した場合には、
劣化の進行速度を大幅に抑制できる。
【0021】本発明では、ポリカーボネート系ポリウレ
タンが用いられるが、ポリカーボネート系ポリウレタン
とは、ポリウレタンを構成する高分子ジオールの大半が
ポリカーボネートジオールであることを意味する。本発
明において、高分子弾性体として、ポリカーボネート系
ポリウレタンが用いられるが、ポリカーボネート系ポリ
ウレタンのみから場合であっても、それと他の高分子弾
性体との混合物であってもよいが、好ましくは、高分子
弾性体の殆どがポリカーボネート系ポリウレタンである
場合である。他の高分子弾性体の代表例として、ポリエ
ステルエラストマー、スチレン−イソプレンブロック共
重合体の水素添加物等の高分子弾性体およびアクリル系
等の樹脂などが挙げられる。
【0022】本発明における有機リン成分共重合ポリカ
ーボネート系ポリウレタンは、例えば以下のポリウレタ
ンの調製過程; :ポリヘキサメチレンカーボネート等の公知のカーボ
ネートが主成分となるような少なくとも1種類のポリマ
ージオール、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系の
ジイソシアネートなどから選ばれた少なくとも1種類の
ジイソシアネートの反応により中間ジオールを得る反
応、 :で得られた中間ジオールにエチレングリコール、
イソホロンジアミン等の2個以上の活性水素原子を有す
る少なくとも1種類の低分子化合物と4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族
系、脂環族系、脂肪族系のジイソシアネートなどから選
ばれた少なくとも1種類のジイソシアネートを添加して
鎖伸長反応によりポリマーを成長させる反応、のうち、
のポリマージオールの一部として、またはの活性水
素原子を有する低分子化合物の一部としてまたはの
両反応においてn−ブチル−ビス(3−ヒドロキシプロ
ピル)ホスフィンオキシド、n−ブチル−(2−ヒドロ
キシ−1−メチルエチル)−3−ヒドロキシプロピルホ
スフィンオキシド、n−ブチル−ビス(2−ヒドロキシ
−1−メチルエチル)ホスフィンオキシド等のリン含有
ジオールを添加することにより得られる。最終的にポリ
ウレタン中のリン濃度を3000ppm以上という好適
範囲にすることができるならば、リン含有ジオールはい
ずれの段階で導入しても、皮革様シート基体に用いるの
に好適なポリウレタンが得られる。また、公知のワンシ
ョット法やプレポリマー法を用いる方法において、反応
や得られるポリウレタンの物性を著しく損なわない限
り、原料の一部としてリン含有化合物を用いることもで
きる。
【0023】次に、本発明の製造方法について説明す
る。まず、前記したような公知の方法により、極細繊維
成分、好ましくは島成分に有機リン成分共重合ポリエス
テルを用いた極細繊維発生型繊維ステープルを製造す
る。繊維としては、繊度1.0〜10.0デシテックス
が良好なカード通過性を確保する点で好ましく、さらに
好ましくは3.0〜6.0デシテックスである。次に該
極細繊維発生型繊維ステープルから作製したウェッブ
を、所望の重さ及び厚さに積層し、次いで、公知の方
法、例えばニードルパンチ方法や高圧水流絡合処理方法
等で絡合処理を行って不織布とするか、あるいはこのス
テープルを重ね合わせた編織布に水流等を使用して絡合
させて絡合不織布とする。該不織布は、皮革様シートと
した際の厚さ等を考慮して目的に応じた形態にする必要
が有るが、目付けとしては200〜1500g/m2
厚みとしては1〜10mmの範囲が工程中での取り扱い
の容易さの観点から好ましい。なお、必要に応じて上記
方法により製造された不織布に、ポリビニルアルコール
系の糊剤を付与したり或いは構成繊維の表面を溶融した
りして不織布構成繊維間を接着し、不織布を仮固定する
処理を行ってもよい。この処理を行うことにより、その
後に行う高分子弾性体溶液の含浸等の工程で不織布が張
力等により構造破壊することを防ぐことができる。
【0024】前記のような有機リン成分を共重合せしめ
たポリカーボネート系ポリウレタンを溶剤あるいは分散
剤に溶解あるいは分散させて得た重合体液を不織布に含
浸し、該ポリウレタンの非溶剤で処理して湿式凝固さ
せ、多孔質状の高分子弾性体相を形成させる、或いはそ
のまま加熱乾燥しゲル化させ多孔質状の高分子弾性体を
形成させる等の方法で、極細繊維形成型繊維と高分子弾
性体で構成されたシートを得る。この重合体液には必要
に応じて着色剤、凝固調節剤、酸化防止剤、分散剤等の
添加剤が配合されていてもよい。
【0025】次に、極細繊維発生型繊維が海島構造繊維
の場合には、海島構造繊維と高分子弾性体で構成された
シートを、島成分ポリマー及び高分子弾性体の非溶剤で
あり、かつ海成分ポリマーの溶剤または分解剤である薬
剤によって処理することで海島構造繊維を極細繊維束に
変換する。また極細繊維発生型繊維が、相溶性のない2
種以上のポリマーが接合した断面形状を有する貼合わせ
型の繊維である場合には、機械的または化学的な処理に
より2成分の界面で剥離させる。極細繊維あるいは高分
子弾性体に難燃成分を含有させる方法として低分子量の
難燃剤を添加した場合には、この工程において容易に流
失する恐れがあるが、本発明におけるポリエステル極細
繊維中の有機リン成分およびポリカーボネート系ポリウ
レタン中の有機リン成分はそれぞれのポリマー中に共重
合により包含されているため、全く脱落が起こらない。
本発明において、海成分除去後のシートに占める高分子
弾性体の比率は固形分として重量比で10%以上、好ま
しくは30〜50%の範囲である。弾性体比率が10%
未満では緻密な多孔質高分子弾性体が形成されない。3
0〜50%の範囲であるときに、シートの風合いが良好
となる。海島構造繊維から海成分を除去して形成される
極細繊維の細さとしては、高級感あるスエード調の立毛
が得られることから0.5デシテックス以下が用いられ
る。
【0026】このようにして作製した難燃性皮革様シー
ト基体は、有機リン成分共重合ポリエステルの極細繊維
と有機リン成分共重合ポリカーボネート系ポリウレタン
よりなる多孔質高分子弾性体の組み合わせとなってい
る。ここで、難燃成分を含まないポリエステル繊維と有
機リン成分含有多孔質高分子弾性体の組み合わせ、ある
いは、有機リン成分共重合ポリエステルの極細繊維と難
燃成分を含まない多孔質高分子弾性体との組み合わせで
は、一方の難燃成分の濃度を可能な限り高くしてもシー
ト全体を難燃化することはできない。本発明のような複
合材においてはそれぞれの構成要素に難燃成分を存在さ
せることが有効であり、双方に有機リン系難燃成分を採
用することで、シート全体が同じ難燃機構で統一され、
難燃機構が異なる場合に必要なバランス調整が不要とな
り、難燃剤の濃度のみで難燃性を制御できる。
【0027】繊維シートに難燃剤を付与する方法として
は、該シートに難燃剤含有液を含浸し、乾燥する方法が
一般的であるが、このような方法の場合には、繊維が極
細繊維束で難燃剤が微粒子である場合、極細繊維束の内
部まで難燃剤が侵入することはほとんどなく、難燃剤の
大部分は繊維束の外部や高分子弾性体の外部表面に存在
することとなる。このような状態の場合には、難燃剤が
容易に脱落して、耐久性ある難燃効果は得られない。ま
た難燃剤の脱落を防ぐために、バインダー樹脂中に難燃
剤を練り込み、このバインダー樹脂液をシートに含浸す
る方法もあるが、このような方法を用いても、極細繊維
束の内部までは浸透せず、また難燃剤は樹脂に覆われる
ため難燃性能が大きく低下し、さらにシートにも樹脂が
充填されるため、シートの有する柔軟性が損なわれ、か
つ良好な立毛状態が得られない等の欠点が生じるが、本
発明の場合にはこのような欠点が生じない。
【0028】本発明の難燃性皮革様シート基体は、その
表面を毛羽立てることによりスエード調の人工皮革が得
られ、さらに繊維シートの表面を溶融して平滑化したり
或いは表面に樹脂を塗布することにより、さらに表面に
天然皮革様の表面凹凸を付与することにより銀付調人工
皮革とすることもできる。このような人工皮革からは、
靴、鞄、小物入れ等の雑貨の他、ソファーの上張り材等
のインテリア用品、衣料等の用途に用いることができ
る。特に自動車用座席、鉄道車両用座席、飛行機用座
席、船舶用座席等の乗物用座席の上張材等の難燃性が要
求される用途で、かつ強度を要する用途に本発明の難燃
性皮革様シート基体は適している。
【0029】
【実施例】次に本発明を具体的に実施例で説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の部及び%はことわりのない限り重量に関
するものである。また、本発明で言う繊維の太さは繊維
束重量の実測により求めた。また、実施例中の難燃性評
価は、自動車用内装材料試験法(FMVSS−302)
により測定し、シート作成直後に難燃であったものは、
14日間90℃の熱水に浸漬(加水分解性の加速試験)
したのち再度難燃性を調査した。実施例中のシート中の
リン原子濃度は、ジャーレルアッシュ社製ICP発光分
析装置IRISAPにて測定した。
【0030】実施例1〜2 公知のポリエステル重合方法を用い、リン系難燃剤M−
Ester(三光(株)製,分子量434,リン含量7w
t%)を重合中に添加して、リン原子濃度5000pp
mならびに12000ppmの2種のリン系難燃剤共重
合ポリエステルを得た。該リン系難燃剤共重合ポリエス
テルを島成分に、高流動性低密度ポリエチレンを海成分
に用いた海島型複合紡糸繊維(海成分/島成分=35/
65,島数16)を溶融紡糸により得て、これを70℃
の温水中で2.5倍に延伸し、繊維油剤を付与し、機械
捲縮をかけて乾燥後、51mmにカットして5.0デシ
テックスのステープルとし、クロスラップ法で目付65
0g/m2のウェッブを形成、ついで両面から交互に合
わせて約2500P/cm2ニードルパンチングし、さ
らに加熱し、カレンダーロールでプレスすることで表面
の平滑な絡合不織布をつくった。この絡合不織布の目付
は1200g/m2、見かけ密度は、0.48g/cm3
であった。
【0031】この不織布に含浸させる高分子弾性体溶液
を以下のように調製した。三級アミノ基含有ジオールと
してN−メチルジエタノールアミン8.2重量部、ポリ
マージオールとして数平均分子量2000のポリヘキシ
レンカーボネート236.1重量部、数平均分子量20
00のポリブチレンアジペート40.3重量部、および
数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール
44.0重量部、有機ジイソシアネートとしてヘキサン
ジイソシアネート28.9重量部、およびDMF10
5.9重量部を反応器に投入し、窒素気流下に所定温度
で所定時間反応させ中間体を得た。イソシアネート基が
なくなったことを確かめた後、該中間体をGPCを用い
て重量平均分子量を測定したところ4万であった。上記
で得た中間体ジオールのDMF溶液に、低分子ジオール
としてエチレングリコール18.2重量部、ヒシコーリ
ンPO−4500(日本化学工業(株)製,分子量22
2.26,リン含量13.9wt%)21.8重量部お
よびジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート1
12.6重量部を添加し反応させ、濃度25%、重量平
均分子量32万のポリウレタン溶液を得た。得られたポ
リウレタン溶液100重量部にDMF78重量部を加
え、固型分14%の含浸液とした。
【0032】この含浸液を前述の絡合不織布に含浸し、
ついでこの含浸させた不織布をDMF/水混合液の中に
浸漬して湿式凝固した後、熱トルエン中で海島型複合繊
維中の海成分を溶出除去して極細繊維を発現させ、難燃
性能を持った厚さ1.30mmの皮革様シート基体を得
た。極細繊維の平均繊度は0.2デシテックスであっ
た。この皮革様シート基体中の繊維の重量とポリウレタ
ンの重量比率は約7:2であった。得られた各シートの
難燃性,リン原子濃度を評価した結果を表1に示す。
【0033】このシートの表面を毛羽立てて、染色し、
スエード調の人工皮革を作製したところ、染色性が良好
で難燃性に優れ、インテリア分野、特に乗物用座席等の
難燃性を必要とする用途に適した、ソフトな風合いを有
するスエード調の皮革様シートであった。また表面を毛
羽立てる方法に代えて、表面に厚さ60ミクロンのポリ
ウレタン層を付与し、天然皮革調のエンボス模様を付与
し、揉み処理を行ったところ、同様に、難燃性に優れ、
インテリア分野、特に乗物用座席等の難燃性を必要とす
る用途に適した、ソフトな風合いを有する銀面層付きの
皮革様シートが得られた。なお、これらの仕上げ処理後
においても、該シートはFMVSS−302試験により
難燃と判定された。また、該シートは、作成後30日間
90℃の熱水に浸漬処理後も難燃性を維持していた。得
られたスエード調あるいは銀面相付きの皮革様シートを
用いて実際にカーシート用の座席を作製したところ、強
度等に起因する加工上の問題は発生せず、天然皮革使用
時に近い感触・外観ならびにカーシートに必要な難燃性
を併せ持つ座席となった。
【0034】比較例1 島成分に通常のポリエステルを使用するほかは、実施例
1と同一の条件を用いて皮革様シート基体を作製した。
得られたシートの難燃性,リン原子濃度を評価した結果
を表1に示す。
【0035】比較例2、3 高分子弾性体の合成時に、有機リン系難燃成分を添加し
ない他は、実施例1,2と同一の条件にて皮革様シート
基体を作製した。得られたシートの難燃性、リン原子濃
度を評価した結果を表1に示す。
【0036】比較例4,5 高分子弾性体のベースとしてポリカーボネート系ポリウ
レタンのかわりにポリエーテル系、ポリエステル系の各
ポリウレタンを使用するほかは、実施例1と同一の条件
にて繊維質シート基体を作製した。得られたシートの難
燃性,リン原子濃度を評価した結果を表1に示す。これ
らのシートは作製直後には難燃であったが、14日間9
0℃の熱水に浸漬することでの加水分解による劣化の度
合いが実施例1に比べて大きく、それに伴い難燃性も失
った。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の皮革様シート基体は、ハロゲン
フリーで難燃性に優れ、かつ該難燃性の耐久性にも極め
て優れている。本発明の皮革様シート基体は、天然皮革
様のソフトな風合いを有し、スエード調ならびに銀付調
人工皮革の基体層として極めて優れており、自動車用座
席、鉄道車両用座席、航空機の座席、ソファーの上張り
材等の難燃性能を要する用途に適している。本発明の皮
革様シート基体は、共重合により難燃成分を材料中に導
入しており、低分子量の難燃剤を使用しないため、難燃
剤由来のフォギング,難燃剤のブリードアウト等を全く
生じず、難燃剤の添加に伴う風合いの硬化も無いという
利点がある。さらに本発明の皮革様シートは人工皮革以
外の一般的な用途、例えば壁紙、絨毯等にも使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D01F 8/14 D01F 8/14 Z C08L 75:06 C08L 75:06 Fターム(参考) 4F055 AA02 AA03 BA12 DA07 DA12 EA04 EA12 EA24 FA20 FA28 GA02 HA04 HA05 HA06 4F072 AB05 AB29 AD43 AG03 AH31 AK02 AL02 AL17 4L041 AA07 BA04 BA05 BA17 BA48 BC11 BD15 CA10 CA36 DD01 DD11 EE06 4L047 AA21 AA27 AA29 AB07 AB08 BA03 BA09 BB06 BB09 CC01 DA00 EA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.5デシテックス以下の極細繊維(A)
    が三次元絡合されている不織布と高分子弾性体(B)か
    らなる皮革様シート基体において、極細繊維(A)の少
    なくとも一部が有機リン成分共重合ポリエステルからな
    り、また高分子弾性体(B)が有機リン成分を共重合せ
    しめたポリカーボネート系ポリウレタンからなることを
    特徴とする難燃性皮革様シート基体。
  2. 【請求項2】有機リン成分共重合ポリエステル中のリン
    原子濃度が3000ppm以上であり、かつ、有機リン
    成分を共重合せしめたポリカーボネート系ポリウレタン
    中のリン原子濃度が3000ppm以上である請求項1
    記載の難燃性皮革様シート基体。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の基体が用いられ
    ているスエード調人工皮革。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の基体が用いられ
    ている銀付調人工皮革。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載されている人工皮
    革が上張材として用いられている乗物用座席。
  6. 【請求項6】0.5デシテックス以下の極細繊維(A)
    が三次元絡合されている不織布と高分子弾性体(B)か
    らなる皮革様シート基体を製造するに際し、下記〜
    の工程 有機リン成分共重合ポリエステルを極細繊維(A)と
    なる成分の少なくとも一部とする極細繊維発生型繊維か
    らなる繊維絡合不織布を製造する工程、 該不織布に高分子弾性体(B)として有機リン成分を
    共重合せしめたポリカーボネート系ポリウレタンを付与
    する工程、 該繊維を0.5デシテックス以下の極細繊維(A)に
    変換する工程 をの順序またはの順序で行うことを特徴と
    する難燃性皮革様シート基体の製造方法。
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