JP2002201520A - スポーツ用衣料 - Google Patents

スポーツ用衣料

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JP2002201520A
JP2002201520A JP2000398254A JP2000398254A JP2002201520A JP 2002201520 A JP2002201520 A JP 2002201520A JP 2000398254 A JP2000398254 A JP 2000398254A JP 2000398254 A JP2000398254 A JP 2000398254A JP 2002201520 A JP2002201520 A JP 2002201520A
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sports
sports clothing
jis
water
fluorescent whitening
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JP2000398254A
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Yasuyuki Tokui
康之 徳井
Mamoru Omuro
守 大室
Katsuhiro Imazato
克博 今里
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Asics Corp
Original Assignee
Asics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度を損なわずに且つ内部にまで入り込んだ
泥の微粒子を洗濯により除去する効果が著しく改善され
た、耐汚染性に優れたスポーツ用衣料を提供する。 【解決手段】 a)蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定
剤の少なくとも1種以上を0.01〜5重量%含有し且
つ溶融紡糸により得られたポリエステル繊維からなるシ
ート状物であり、(b)JIS L 1907のバイレ
ック法で100〜170mmの吸水性を有し、(c)J
IS L 1018での通気性試験において100〜1
30cm/cm/secの通気性を有することを特
徴とするスポーツ用衣料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性に優れた
スポーツ用衣料を提供するものである。詳しくは泥汚れ
に対して、シート状物内部にまで入り込んだ泥の微粒子
を洗濯により除去する効果が著しく改善されたスポーツ
用衣料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種スポーツおけるシャツ、パンツ、ソ
ックス、ユニフォームなどのスポーツ用衣料は、グラウ
ンドでの泥汚れが洗濯で容易に除去できない問題を抱え
ている。そのため、洗濯では、予備洗い、二度、三度等
の複数回の洗濯や、漂白剤を追加使用するなど洗濯労力
が増え、しかも過剰な洗剤の使用と、その下水への流出
により水質汚染を引き起こし環境悪化の原因ともなって
いる。従ってどのような汚れも、1回ないし2回の洗濯
で除去されることが望まれている。
【0003】例えばウインドブレーカ、トレーニングウ
エアでは、フッ素系、シリコン系撥水・撥油処理剤によ
る表面処理が施されている。その結果、コーヒー、お
茶、雨、泥水などの水溶性の汚れの付着を防ぐことがで
き、結果として汚れにくくなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、野球、
ソフトボール、ラグビー、サッカーなどの競技では、ユ
ニフォーム、ソックスなどのスポーツ用衣料は、スライ
ディング、転倒や競技の目的に応じて地面に接触摩擦し
なければならず、そのため、布帛、編物の組織内部まで
に直径10μm以下の泥粒子が入り込みやすくなってい
る。この汚れに対して撥水、撥油処理は、洗濯水をはじ
くために、組織内部の泥が除去できず、その結果、十分
な効果が得られていない。
【0005】特開平9−273071号では繊維および
生地に平均粒子径が1μm以下の水溶性粉体、例えば二
酸化珪素、酸化アルミニウムなどの水溶性粉体を含有さ
せた処理液で処理することで繊維表面を親水化させ洗濯
液の生地組織内部への侵入を容易にし、汚れの離脱を促
進させようとする提案がなされている。しかしこの処理
のみでは、スライディング、転倒などの地面接触摩擦に
よる汚れは十分に除去できない。
【0006】この問題に対して、特開平8−14415
1号では防汚性、耐摩耗性、白度、不透明性の改善のた
め芯部に酸化チタンを、鞘部に酸化チタンとベンゾオキ
サゾール系蛍光増白剤を含有せしめた同心円状の芯鞘型
ポリエステル複合系を用いたポリエステル布帛の提案が
ある。ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤を含有させるこ
とにより、特に土埃り等の乾燥汚れ(ドライソイル)に
対する優れた防汚性を発揮する。しかし、雨天時の濡れ
たグラウンドでのスライディング、転倒等の圧力が加わ
った接触摩擦による汚れは十分に除去できない。
【0007】近年の耐汚染性を高めた素材への要求が一
段と高まっているなか、スライディングや転倒などの接
触摩擦で発生する汚れを除去できるスポーツ用衣料を満
足させる技術はいまだ開発されていないのが現状であ
る。
【0008】本発明の課題は、強度を損なわずに且つ内
部にまで入り込んだ泥の微粒子を洗濯により除去する効
果が著しく改善された、耐汚染性に優れたスポーツ用衣
料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、a)蛍光増白
剤、紫外線吸収剤、光安定剤の少なくとも1種以上を
0.01〜5重量%含有し且つ溶融紡糸により得られた
ポリエステル繊維からなるシート状物であり、(b)J
IS L 1907のバイレック法で100〜170m
mの吸水性を有し、(c)JIS L 1018での通
気性試験において100〜130cm/cm/se
cの通気性を有することを特徴とするスポーツ用衣料に
係る。
【0010】例えば野球競技でのスライディングではわ
ずか0.5秒間に0.3〜1kgf/cmの圧力が加わ
りながら約1mを地面と接触しながら摩擦する。一般衣
料と違ってスポーツ用衣料はこのようなスライディング
等の地面との接触摩擦が発生するような苛酷な条件で使
用される。
【0011】このような状態ではシート状物例えば編物
の表面は多少でも地面の砂粒子などで摩耗する。そして
ポリエステル繊維個々では切削および/または切断をお
こす。つまり、切削および/または切断面では分子切断
によるフリーラジカルが発生し、いわゆる静電気発生と
同じ状態になる。
【0012】一方、土は酸化珪素、酸化アルミなどが主
体であるが有色物として酸化鉄、カーボンなどが存在す
る。つまり、目視での泥汚れとはこの酸化鉄やカーボン
などがシート状物の組織の表面および/または内部に残
存することである。
【0013】したがってスライディングや転倒によって
ポリエステル繊維の切削面および/または切断面から発
生したフリーラジカルは、泥中の酸化鉄やカーボンなど
と静電吸着を起こす。吸着した酸化鉄やカーボンの泥粒
子は経時で繊維内部に沈着をおこし洗濯では簡単に除去
できなくなる。
【0014】更に従来のシート状物への撥水・撥油処理
では洗濯機による洗濯で、撥水効果が逆に働き十分に除
去できなくなる。また、織、編組織が緻密であれば、一
旦入り込んだ泥粒子は洗濯でも容易に除去できなくな
る。
【0015】本発明の改善のポイントは以下の3点で構
成される。本発明の第1のポイントは、フリーラジカル
を捕捉するために、その捕捉剤として蛍光増白染料、紫
外線吸収剤、光安定剤の1種以上をあらかじめポリエチ
レンテレフタレートに含有させることである。一般に蛍
光増白染料、紫外線吸収剤、光安定剤は、分子切断で発
生するフリーラジカルを捕捉できるため予め繊維断面方
向では均質に分散させることが好ましい。このフリーラ
ジカルを捕捉することにより、泥粒子が繊維内部に沈着
することが防止される
【0016】本発明の第2のポイントは、シート状物内
部に入り込んだ泥の微粒子を洗濯液により容易に除去す
るために、シート状物に吸水性を付与するこにもある。
吸水性はJIS L 1907のバイレック法で100
〜170mmの範囲が好ましい。
【0017】本発明の第3のポイントは、泥の微粒子を
効果的に除去するためにシート状物に適度な空隙率を付
与することにある。本発明では、JIS L 1018
での通気性試験において、100〜130cm/cm
/secの範囲であれば最適な空隙率であることを見
出した。糸の太さ、シート状物の目付け、シート状物の
編、織組織、密度個々の関係から上記範囲に設定するこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明でいうスポーツ用衣料と
は、トレーニングウエア、パンツ、野球用ユニフォーム
上下、ソフトボール用ユニフォーム上下、野球用アンダ
ーシャツ、ソフトボール用アンダーシャツ、サッカーシ
ャツ、サッカーパンツ、野球用ストッキング、野球用ア
ンダーストッキング、サッカー用ストッキング、ラグビ
ー用シャツ、ラグビー用パンツ、ラグビー用ストッキン
グ、スクール用シャツ、スクール用パンツ、登山用パン
ツ、シャツなど屋外での競技、レジャースポーツ用衣料
が含まれ、上記例示に限定されない。
【0019】本発明でいうシート状物とは、織物、編
物、不織布又はこれらの立毛品等を意味するものであ
る。かかるシート状物を構成する糸種としては、フィラ
メントヤーン、紡績糸、フィラメントと短繊維の混紡糸
など、いずれをも使用することができる。かかる繊維
は、単独で用いることもできるし、また、混紡、交撚あ
るいは交織、交編など公知の方法を用いて、本発明の効
果を損なわない範囲で、該繊維以外の糸と混用しても構
わない。
【0020】また、織物、編物ならびに不織布の種類と
しては、平織、綾織、朱子織、およびそれらの織り方を
基本とした各種織物、経編、トリコット編で代表される
緯編、レース編、丸編およびそれらの編み方を基本とし
た各種編物、スパンボンド、メルトブロー、スパンレー
ス、ステッチボンドおよびそれらの交絡方法を基本とし
た各種不織布などいずれも採用することができ、特に限
定されるものではない。
【0021】また、ここでいう立毛品とは、表裏面のう
ち少なくとも片面が毛羽で覆われている繊維構造物をい
い、バフィング等で単繊維または繊維束を引き出した状
態のものや、ループを剪毛した状態のものを例示でき
る。
【0022】本発明のポリエステル繊維は特に限定され
ないが、例えばポリエチレンテレフタレートおよびこれ
らの共重合体類、ポリブチレンテレフタレートおよびこ
れらの共重合体類、ポリプロピレンテレフタレートおよ
びこれらの共重合体類等のポリエステル系重合体に対し
て蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤の1種以上を混
入し溶融して紡糸口金に供給し紡出しながら捲き取り、
延伸して得られる、延伸糸を例示できるが、これに限定
されるものではない。
【0023】以下本発明で使用される3種の化合物、即
ち蛍光増白剤、紫外線吸収剤及び光安定剤(以下、これ
らを捕捉剤という)について説明する。
【0024】本発明でいう蛍光増白剤としては、例えば
ベンゾオキサゾール系染料、スチルベン系染料、ピラゾ
リン系染料、クマリン系染料、ナフタルイミド系染料な
どがあげられる。好ましい染料として4,4−ビス(ト
リアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2−ジス
ルホン酸、モノ(アゾール−2−イル)スチルベン、ビ
ス(アゾ-ル−2−イル)スチルベン、7−ヒドロキシ
クマリン、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリンなどを
例示できる。
【0025】本発明の紫外線吸収剤としては、少なくと
も波長400nm以下の光エネルギーを吸収して熱エネ
ルギー等に変換し得る化合物をいい、低分子化合物、高
分子化合物、無機化合物等があり、適宜用いることがで
きる。例えば、低分子化合物としては、ベンゾトリアジ
ン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノール系、サ
リチル酸系化合物等、高分子化合物としては前述の低分
子化合物をポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン
等の高分子に共重合したものなど、無機化合物として
は、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、カーボンブ
ラック等を使用することができる。これらのうちベンゾ
トリアジン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン
系化合物が特に好ましい。
【0026】紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾト
リアジン、メチルベンゾトリアジンなどのベンゾトリア
ジン系紫外線吸収剤、2−(5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキ
シ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニ
ル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−
t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−
ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)
−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチ
レングリコールとの縮合物などのベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォ
ン酸、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェ
ノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられ
る。これらの中でも、2−(3,5−ジ−t−ブチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−
ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾールが好ましい。
【0027】本発明でいう光安定剤としては、抗酸化効
果あるいはラジカル捕捉効果などにより光劣化を防止し
得る物質が使用でき、低分子化合物、高分子化合物、無
機化合物等が含まれ、適宜用いることができる。例え
ば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ベ
ンゾエート系、ホスファイト系、チオエーテル系、ヒド
ラジン系化合物などを使用することができる。これらの
うち、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系化
合物が好ましい。
【0028】ヒンダードフェノール系光安定剤の具体例
としては、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキシメチル−2,6
−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−α−ジ
メチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチ
ル−4−エチルフェノール、4,4’−ビス(2,6−ジ
−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス
−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’−
メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−o
−クレゾール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ
−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス
(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,
4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−
3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、4,
4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、
2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t
−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノ
ール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼ
ンスルホン酸のジエチルエステル、
【0029】2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α
−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジフ
ェニルメタン、α−オクタデシル−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルア
ニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−
トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス[β−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノー
ル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂
皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンゼンホスホン酸のジオクタデシルエステル、
【0030】テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
イソシアヌレート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシ
エチル]イソシアヌレートなどが挙げられる。これらの
中でも特にテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンのような分子量が500以上のものが好まし
い。
【0031】これら蛍光増白剤、紫外線吸収剤または光
安定剤の配合量(合計量)は、繊維形成ポリマー100
重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜
3重量部、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部であ
る。配合量が0.01重量部未満では目的とする耐汚染
効果の得られる度合いが小さく、また5重量部を越える
とブルーミングを生じたり、ポリエステル繊維の機械的
強度が低下したりするため好ましくない。
【0032】本発明において吸水性はJIS L 19
07におけるバイレック法により評価される。試料を縦
方向、横方向、又はウエール方向およびコース方向から
大きさ200×25mmの試験片をそれぞれ5枚採取す
る。次に、水を入れた水槽の水面上に支えた水平棒上に
試験片をピンなどで固定した後、水平棒を降下させて、
試験片の下端が水に浸漬するように調整し、そのまま1
0分間放置する。10分経過後、毛細管現象によって水
が上昇した高さを1mmまで測定する。
【0033】吸水性付与方法の代表例として、吸水性付
与剤をシート状物にグラフト加工や浸漬加工する方法等
が挙げられる。吸水性付与剤としては例えば親水性ビニ
ル系化合物として、アクリル酸、メタクリル酸、ポリビ
ニルピロリドンなどが、ポリアルキレンオキサイド系化
合物として、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオ
キサイド、アルキレンオキサイド付加ポリエステル系化
合物、アルキレンオキサイド付加フッ素系化合物、アル
キレンオキサイド付加シリコン系化合物などがあげられ
る。更に親水性天然物系で、セリシン、シルクプロテイ
ン、コラーゲン、ミルクプロテイン、スクワレン、キチ
ンキトサンなどの水または溶剤中への分散剤があげられ
る。
【0034】いずれもグラフト加工や浸漬加工等を用い
て処理できる。また、通常用いる染色機を使用すること
ができ、サーキュラー、ユニエースなどの液流染色機が
好ましく用いられる。
【0035】本発明では、吸水性の付与方法については
特に限定するものではないが、好ましくはポリアルキレ
ンオキサイドを付加したフッ素系化合物を用いる方法が
あげられる。上記試験方法で100〜170mm、好ま
しくは110〜160mm、更に好ましくは120〜1
50mmの範囲であればよい。吸水性が100mm未満
であれば洗濯時にシート状物内部にまで十分に洗濯液が
入り込まず、その結果、十分に汚れが除去できない。1
70mmより大きい場合、泥がシート状物内部に拡散し
汚れが広がり、結果として満足した除去ができなくな
る。
【0036】本発明ではシート状物に染料で染色するこ
ともできる。併用、前処理、後処理でもよく、使用する
染料は、分散染料、バット染料などの耐光性の良好な染
料を用いることが好ましい。
【0037】本発明の通気性は、JIS L 1018
の通気性評価によるもので、試験片20×20cmを採
取しフラージル形試験機を用い、円筒の一端に試験片を
取り付けた後、加減抵抗器によって傾斜形気圧計が12
5Pa(1.27cmH0)の圧力を示すように吸込
みファンを調整し、そのときの垂直気圧計の示す圧力
と、使用した空気孔の種類とから、試験片を通過する空
気量(cm/cm・sec)を求める。測定は5回
とし、その平均値を算出する。
【0038】適度な通気性を付与するためには、シート
状物の糸の太さ、織、編み密度、目付けから調整する
が、本発明では特に限定しない。ただし、好ましくは例
えばポリエステル繊維の単糸では糸径が3〜5デニール
の範囲が好ましい。糸径が3デニール未満なら強度が不
足し、5デニールより太ければ肌触りが悪くなる。撚糸
では、好ましくは270〜330デニール、より好まし
くは280〜310デニール、または135〜165デ
ニールの双糸、より好ましくは140〜155デニール
の双糸である。また目付け量は好ましくは220〜30
0g/m、より好ましくは240〜280g/m
あり、220g/m未満なら強度が不足し、300g
/mより高ければ織、編密度が上り、結果として汚れ
が落ちにくくなる。シートの厚みは、好ましくは0.8
〜1.3mm、より好ましくは0.9〜1.1mmであ
る。0.8mm未満だと強度が不足し、1.3mmを越え
ると汚れが落ちにくくなる。
【0039】通気性の範囲は100〜130cm/c
/secが好ましく、更に好ましくは110〜12
5cm/cm/sec、更に好ましくは115〜1
20cm/cm/secである。100cm/c
/sec未満であると織、編密度が高くなりシート
状物内部に入り込んだ泥粒子は洗濯で除去しづらくな
り、逆に130cm/cm/secより大きくなる
と糸の太さや編、織組織の密度が疎になり結果として競
技に必要とする強度が不足する。
【0040】尚、本発明のシート状物は染色しても機能
には何ら差し支えない。また、シート状物にポリエステ
ル以外に他の素材、例えば綿、ナイロン、ポリウレタ
ン、アクリル、絹などの1種または2種以上を併用する
こともできる。
【0041】本発明の繊維断面形状も特に限定するもの
ではなく、異種形状の組み合わせや同一形状のサイズが
違ったものの1種または2種以上を組み合わせることも
できる。本発明のポリエステル繊維に強度付与剤、ダル
剤、難燃剤等の各種添加剤を併用することは任意であ
る。本発明のスポーツ用衣料は上記のポリエステル繊維
を通常公知の方法で裁断縫製等することにより製造する
ことができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は何らこれらによって限定されたり
制約されたりするものではない。
【0043】尚、実施例 比較例の評価方法を示す。 1)汚染試験 摩擦試験:アシックス法(摩擦条件:摩擦圧1.0〜3.
0kgf/cm、摩擦擦距離0.5m、摩擦時間1s
ec) 泥:[(社)日本粉体工業技術協会JIS Z 890
1試験用粉体製関東ローム微粒子 平均粒径6.6〜8.
6μm] 湿潤調整:(乾燥泥100重量部に対し水50重量部) 洗濯:摩擦試験後の試料を同一条件で洗濯、乾燥。 汚れ計測:洗濯で残存する汚れ部と比較として未使用の
新品とを色彩色差ΔE値を求めた。ΔE値が小さいほど
汚れが除去できたことになる。ΔEは15以下が好まし
く、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下
である。 2)強度評価:JIS L 1018A(ユニフォーム
型)摩耗試験で破れるまでの回数を計測。数値が大きい
と強度が高い。磨耗回数は350以上が好ましく、より
好ましくは400以上、更に好ましくは430以上であ
る。
【0044】実施例1 ポリエチレンテレフタレートベースチップ100重量部
に捕捉剤としてベンゾオキサゾール系蛍光増白剤 Ea
st Bright OB1(イーストマンケミカルズ
社製)を含有するポリエチレンテレフタレートマスター
チップレジンを、OB1の含有率が0.3重量部となる
ように混合し、溶融混合押出し機に供給して、溶融紡糸
を行なう。口金から吐出した糸に冷却風を吹き付けて冷
却、固化させ、引き取り、その後延伸して延伸糸を得
た。この延伸糸を丸編機で本発明の通気性を有する目付
け273g/cm、厚さ1.12mmのシート状物
(編物)を製造した。その後、高速液流染色機を用いて
蛍光増白染料により染色してからポリアルキレンオキサ
イドのフッ素系化合物で吸水性付与処理をおこない吸水
性を付与し、このシート状物を裁断縫製した野球ユニフ
ォームから耐汚染試験をおこなった。
【0045】実施例2〜12及び比較例1〜13 表1〜7に記載の蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤
を含む捕捉剤を使用した以外は実施例1と同様にして野
球ユニフォームを作成した。結果を表1〜7に示す。
【0046】尚、実施例の捕捉剤1)〜5)において使
用した蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安定剤は以下の通
りである。 1):ベンゾオキサゾール系蛍光増白剤 「East
Bright」 OB1イーストマンケミカルズ社製 2):ヒンダードアミン系光安定剤「チヌビン」144
C−1 チバガイギー社製 3):ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤「チヌビン」
327 チバガイギー社製 4):ジフェニルアミン系光安定剤「ナウガード」44
5F−1 ユニロイヤル社製 5):ヒンダードフェノール系光安定剤「イルガノック
ス」1 チバガイギー社製
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、強度を損なわずに且つ
内部にまで入り込んだ泥の微粒子を洗濯により除去する
効果が著しく改善された、優れた耐汚染効果を高めたシ
ート状物からなるスポーツ用衣料を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A41D 31/00 503 A41D 31/00 503G 13/00 13/00 Z D03D 15/00 D03D 15/00 A D04B 1/16 D04B 1/16 21/00 21/00 B (72)発明者 今里 克博 兵庫県神戸市中央区港島中町7丁目1番1 株式会社アシックス内 Fターム(参考) 3B011 AA01 AA05 AB11 AC18 AC24 4L002 AA07 AB02 AC00 BB03 CA01 FA02 4L048 AA20 AB07 BA06 CA00 CA07 DA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)蛍光増白剤、紫外線吸収剤、光安
    定剤の少なくとも1種以上を0.01〜5重量%含有し
    且つ溶融紡糸により得られたポリエステル繊維からなる
    シート状物であり、(b)JIS L 1907のバイ
    レック法で100〜170mmの吸水性を有し、(c)
    JIS L 1018での通気性試験において100〜
    130cm/cm/secの通気性を有することを
    特徴とするスポーツ用衣料。
  2. 【請求項2】 蛍光増白剤がベンゾオキサゾール系蛍光
    増白剤である請求項1記載のスポーツ用衣料。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤がベンゾトリアジン系、ベ
    ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系又はサリチル酸
    系化合物である請求項1記載のスポーツ用衣料。
  4. 【請求項4】 光安定剤がヒンダードフェノール系、ヒ
    ンダードアミン系、ベンゾエート系、ホスファイト系、
    チオエーテル系又はヒドラジン系化合物である請求項1
    記載のスポーツ用衣料。
  5. 【請求項5】 織物、編物又は不織布の形態からなる請
    求項1記載のスポーツ用衣料。
  6. 【請求項6】 エチレンオキサイド系化合物、アクリル
    酸又はメタクリル酸系の吸水性付与剤および染料で処理
    されたものである請求項1記載のスポーツ用衣料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102152519A (zh) * 2010-11-30 2011-08-17 吴江市凌志纺织有限公司 一种防紫外线增白面料
CN103820939A (zh) * 2014-02-28 2014-05-28 常熟市欣鑫经纬编有限公司 一种抗紫外线绒面料及其制备方法
CN109056181A (zh) * 2018-09-17 2018-12-21 海安启弘纺织科技有限公司 一种抗紫外线面料的制备方法及抗紫外线面料

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