JP2002201286A - ポリカルボジイミド被覆ポリマー粒子およびこれを用いた多孔性成形体 - Google Patents

ポリカルボジイミド被覆ポリマー粒子およびこれを用いた多孔性成形体

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JP2002201286A JP2001201559A JP2001201559A JP2002201286A JP 2002201286 A JP2002201286 A JP 2002201286A JP 2001201559 A JP2001201559 A JP 2001201559A JP 2001201559 A JP2001201559 A JP 2001201559A JP 2002201286 A JP2002201286 A JP 2002201286A
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Yutaka Kishii
豊 岸井
Keisuke Yoshii
敬介 喜井
Masakatsu Urairi
正勝 浦入
Takashi Yamamura
隆 山村
Masao Abe
正男 阿部
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池の自己放電を抑制することができるセパ
レータを得る。 【解決手段】 芯材粒子の表面に、下式: 【化1】 (式中、Rは有機基、nは1〜10000の整数を意味
する。)で表されるカルボジイミド構造単位を有するポ
リカルボジイミドの被覆層を設けたポリカルボジイミド
被覆ポリマー粒子。このポリマー粒子が集合してなる多
孔性成形体及びこれを用いた電池用セパレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカルボジイミドを
表面に有するポリカルボジイミド被覆ポリマー粒子、多
孔性成形体、多孔性シートおよびその製造方法に関す
る。また、本発明は自己放電を抑制する機能を有する電
池用セパレータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル水素電池、ニッケル−カドミウ
ム(ニッカド)電池などの二次電池は、近年、電気・電子
機器用の小型電池のみならず、電気自動車用の電源とし
ても期待されている。このような二次電池は、一般に正
極、負極及びセパレータから構成されている。これらの
うち、セパレータは電池内部で両極の短絡を防ぎイオン
の透過を行うことにあり、親水性、耐薬品性、機械的強
度を必要とする。従来、セパレータとしては、ポリアミ
ド系樹脂などを用いた親水性の不織布が知られている。
しかしながら、かかるセパレータは耐薬品性(アルカ
リ、酸)が充分でない。このため、種々の処理を行った
ポリオレフィン不織布のセパレータも知られている。す
なわち、ポリオレフィン系不織布に対して、界面活性剤
の含浸、プラズマ処理、グラフト処理、スルホン化処理
等の親水化処理を施したセパレータが提案されている
(特開平4−167355号公報、特開平11−238496号公報
等)。
【0003】また、ポリアミド系の不織布は、アミド結
合を有するため、電気化学的に不活性なポリオレフィン
不織布と比べて電池の自己放電が大きく、これをセパレ
ータとする電池は電池特性に劣る。これに対し、ポリオ
レフィン系の不織布に特定処理を施してセパレータとし
た電池では、ポリアミド系のセパレータを用いたものに
比べ、全般的な電池特性は良好であるものの、自己放電
特性については充分に満足すべきものとは言えない。
【0004】すなわち、ポリオレフィン系不織布を界面
活性剤処理したセパレータは、使用の初期においては有
効な親水性を示すが、一旦、水に浸漬した後取り出して
乾燥し、再度水に浸けると親水性は大きく低下し、また
自己放電特性も満足すべきものではない。
【0005】また、プラズマ処理を行ったポリオレフィ
ン系不織布は、基材表面に共有結合により結合した親水
性基を形成するため、水に浸漬した後、一旦乾燥して、
再度水に浸けても充分な濡れ性を保ち、wet-dry revers
ibleである。しかしながら、高濃度のアルカリ水溶液に
浸漬した場合には、水洗、乾燥し、再度水に浸けると水
には濡れない。これはプラズマ処理により基材表面に生
成した、親水性であるが密着力の弱い境界層が高濃度の
アルカリ水溶液と接触して剥離したと推察される。かか
るセパレータにも自己放電抑制の大きな改善はない。
【0006】グラフト処理したポリオレフィン系不織布
の場合は、水溶性モノマーを共有結合により基材に強固
に結合させるが、アクリル酸、メタクリル酸を用いたグ
ラフト処理では、カルボン酸型であるので強い酸化雰囲
気下では酸化分解の恐れがあり、電池セパレータ用途に
は制限されて用いられている。
【0007】またスルホン化処理したポリオレフィン系
不織布は、共有結合により基材に強固にスルホン酸基を
結合させるため、親水性が持続し、電池の自己放電が抑
制される機能を有する。しかしながら、その処理には、
後洗浄の工程が必要である。
【0008】
【発明の目的及び概要】本発明者らは、二次電池の自己
放電を防止するため、セパレータに自己放電抑制機能を
付与すべく鋭意検討を重ねた。その結果、芯材粒子の表
面にポリカルボジイミドの被覆層を設けたポリカルボジ
イミド被覆ポリマー粒子を得ること、又かかる被覆ポリ
マー粒子よりなる樹脂成形物を形成し、これをセパレー
タとして用いることにより前記課題が解決し得るとの知
見を得て本発明を完成した。
【0009】本願の第1の発明は、芯材粒子の表面に、
下式:
【0010】
【化2】 (式中、Rは有機基、nは1〜10000の整数を意味
する。)で表されるカルボジイミド構造単位を有するポ
リカルボジイミドの被覆層を設けたポリカルボジイミド
被覆ポリマー粒子を提供するものである。
【0011】また、その第2の発明は、前記ポリカルボ
ジイミド被覆ポリマー粒子を芯材粒子の融点以上で焼結
するなどした多孔性成形体を提供するものである。ま
た、本発明の多孔性シートは、例えば前記多孔性成形体
を切削することにより得られる。この多孔性シートは電
池用セパレータなどとして好ましく、この多孔性シート
をセパレータとして用いた電池は自己放電が少ない。
【0012】なお、式(I)においてnが10000を超
えると溶媒に不溶となり、目的とするポリカルボジイミ
ド被覆ポリマー粒子を得ることができない。均一に被覆
されたポリマー粒子を得るにはnを5〜100とするの
が好ましく、10〜50がより好ましい。
【0013】(ポリカルボジイミド)本発明にて用いら
れるポリカルボジイミドは前記式(I)にて表される。こ
こで、有機基Rとしては、芳香族系または脂肪族系有機
基が挙げられる。 (i)芳香族系有機基としては
【0014】
【化3】 (式中、pは0〜10の整数であり、qは0〜5の整数
を意味する。)で表される置換基が挙げられる。
【0015】また、上記式中、Xは
【化4】 である。また、Xは繰り返し単位中において同一であっ
てもよく、異なっていてもよい。a、b、cおよびdは
−H、−CH、−OCH、−CFまたは−OCF
であり、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0016】(ii)脂肪族系有機基としては
【化5】 (式中、rは0〜10の整数を意味する。)で表される
置換基が挙げられる。
【0017】また、上記式中、Yは
【化6】 である。また、Yは繰り返し単位中において同一であっ
てもよく、異なっていてもよい。
【0018】(ポリカルボジイミドの製造法)つぎに、本
発明被覆ポリマー粒子の表面に被覆される前記式(I)の
ポリカルボジイミドの製造法について以下に述べる。
【0019】このようなポリカルボジイミドを製造する
には、公知の方法を用いることがでる。例えばT.W.Camp
bell et a1. , J.0rg. Chem., 28,2069(l963)、L.M.A1b
erino et al., J.App1.Po1ym.Sci.,21,1999(l977)、特
開平2−292316号公報、特開平4−275359号公報などに記
載のように有機溶媒中にて有機ジイソシアネートをカル
ボジイミド化触媒の存在下で反応させることにより容易
に製造することができる。
【0020】前記有機ジイソシアネートとしては、具体
的には2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、l−メトキシフェニル−2,4−
ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニル
エーテルジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'
−ジフェニルエーテルジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
2,2−ビス[4−(4−イソシアナトフェノキシ)フェ
ニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−イソシアナトフェノキシ)メチル]プロパン、2,2−
ジメチル−1,3−ビス (4−イソシアナトフェノキシ)
プロパンなどを用いることができる。これらは一種又は
二種以上を併用(共重合体が得られる)することができ
る。また、疎水性を与えるため、一部フッ素基と置換し
た有機ジイソシアネートを用いてもよい。
【0021】反応に用いられる有機溶媒としては、具体
的にはトルエン、キシレン、テトラクロロエチレン、
1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン
化炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類
などが挙げられ、これらは一種又は二種以上を併用する
ことができる。
【0022】また、反応に用いられるカルボジイミド化
触媒としては、具体的には、3−メチル−1−フェニル
ホスホレン−l−オキシド、l−フェニル−2−ホスホレ
ン−l−オキシド、l−エチル−2−ホスホレン−1−オ
キシド、l−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、
あるいはこれらの3−ホスホレン異性体などのホスホレ
ンオキシドを用いることができる。これらは一種又は二
種以上を併用することができる。
【0023】また重合反応の末期、中間、初期のいずれ
か、もしくは全般にわたり、モノイソシアネートを加え
て末端封鎖処理をしてもよい。このようなモノイソシア
ネートとしては、フェニルイソシアネート、p−ニトロ
フェニルイソシアネート、p−及びm−トリルイソシア
ネート、p−ホルミルフェニルイソシアネート、p−イ
ソプロピルフェニルイソシアネートなどを用いることが
できる。このようにして得られたポリカルボジイミド溶
液は、溶液の保存安定性に優れている。
【0024】重合反応により得られたポリカルボジイミ
ド溶液は真空乾燥することにより、ポリカルボジイミド
の粒子または粉末が得られる。
【0025】なお、ポリカルボジイミドのシートはアン
モニアガスと接触すると、赤外吸収スペクトルにおいて
カルボジイミド基が消失する。本発明の樹脂成形物が自
己放電抑制機能を有するのは、このようなカルボジイミ
ド基のアンモニアガストラップ機能(Weith W., Ber.,7,
10(1874))に基づくものと推測される。
【0026】(芯材粒子)本発明のポリカルボジイミド被
覆ポリマー粒子に用いられる芯材粒子としては、熱可塑
および熱硬化性樹脂がいずれも用いられる。この芯材粒
子の粒径は1〜100μmであることが好ましい。
【0027】熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、
フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリメチル
メタアクリレート、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル
共重合体、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、ポリア
セタール、塩素化ポリエチレン、ポリカーボネート、ポ
リビニルアルコールなどが挙げられる。
【0028】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウ
レタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂などが挙げられ
る。
【0029】特に、アルカリ電解液中における優れた耐
性から、ポリオレフィン樹脂およびフッ素系樹脂が好ま
しい。ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキ
セン等のオレフィン単独重合体や共重合体及びこれらの
ブレンド物などが挙げられ、ポリプロピレン、ポリエチ
レンが好ましい。特に、重量平均分子量が100万以上
の超高分子量ポリエチレン(以下、UHPEと略す)が好
ましい。
【0030】(ポリカルボジイミド被覆ポリマー粒子の
製造)本発明で好適なポリマー粒子は、前記芯材粒子、
ポリカルボジイミドを用い、例えばつぎのようにして製
造する。まず、ポリカルボジイミドが固体の場合は溶融
可能な溶液にて希釈する。溶液の場合は、取り扱いが容
易なように所定の濃度に希釈する。ここで用いられる溶
媒は、ポリカルボジイミドが溶解可能なものならば特に
限定されないが、トルエン、キシレンなどの炭化水素
類;テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、
クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどの環状エーテル類などが挙げられ、これらは
一種又は二種以上を併用することができる。ポリカルボ
ジイミドの濃度は、取り扱いが容易な粘度に適宜調整す
るが、3〜20重量%が好ましい。
【0031】このように調製したポリカルボジイミド溶
液中に、芯材ポリマー粒子が20〜50重量%程度の濃
度になるよう添加し、ミキサーで攪拌し、スラリー状物
を得る。これらスラリー状物を芯材粒子の融点以下の温
度にて、攪拌しながら加熱し脱溶媒処理を行う。得られ
た被覆ポリマー粒子が凝集している場合は、攪拌機や粉
砕機などを使用し、凝集を解く処理を適宜行う。
【0032】(多孔性成形体の製造)前記のポリカルボジ
イミド被覆ポリマー粒子を、例えば、円筒状の金属製保
形具に充填し、熱風乾燥炉中で処理するか、あるいは保
形具を耐圧容器に入れ容器内の空気を排気した後、熱風
水蒸気などによりポリカルボジイミドの融点以上の温度
に加熱して焼結する。加熱焼結した後は、冷却して容器
から取り出し多孔質成形物を得る。これを施盤にて所定
厚みに切削して多孔性シートが得られる。また、一定の
隙間を有する金型内で常温にて圧縮してシート状成形体
を得、これを加熱焼結する方法によっても多孔性シート
が得られる。後者は、製造が比較的容易であるが、薄膜
シートを得るのが困難である。一方、切削法は例えば、
厚さ50〜200μmの多孔性シートを得ることがで
き、厚みの設定も比較的容易であり好ましい。粒子径、
充填状態にもよるが空孔率10〜60%、孔径1〜15
0μmの多孔性シートが得られる。
【0033】焼結温度は、ポリカルボジイミドの融点及
び熱分解温度で規定される。融点以上かつ熱分解温度以
下の温度にて熱処理する。ポリカルボジイミドの融点
は、得られるポリカルボジイミドの分子構造、分子量な
どに影響を受ける。ただし、焼結温度は、多くの場合1
40〜200℃である。焼結時間は1〜24時間が好ま
しい。処理時間がこれより少ないと、強固な結合を有す
る多孔性焼結体が得られ難い。また、これより長時間で
あると生産性が低くなることがある。前記のとおり、焼
結温度、時間は所望の多孔質焼結体の空孔率を得る為、
適宜調整する。
【0034】このようにして得られた多孔性シートは、
電池用セパレータとしてそのまま使用することが可能で
あるが、多孔度を大きくするために、さらに延伸処理を
行ってもよい。
【0035】(電池セパレータおよび電池)本発明の多孔
性シートを使用した電池用セパレータは、アルカリ電池
用セパレータとして好適に用いることができる。電極と
セパレータを重ね合わせ捲回する円筒状電池、それらを
重ね合わせた角型電池のいずれにも使用可能である。
【0036】本発明のセパレータを用いた電池の構造は
従来品と同じであってよく、正極と負極、およびこれら
両極間に配置されたセパレータを有する。また、電解
液、電池容器など電池を構成する他の材料も従来品と同
様であってよい。図1は本発明のセパレータを用いたボ
タン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示すよ
うに電池の内ケース1内にNi網2及びNi集電板3を
設け、さらに負極4、セパレータ5、正極6を積層しパ
ッキン7を介して外蓋8を取りつける。また、本発明の
電池は電極とセパレータを重ね合わせ捲回する円筒状電
池、電極とセパレータを重ね合わせケースに収納した角
形電池のいずれであってもよい。
【0037】
【実施例】つぎに本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。なお、電池の評価はつぎのように
して行った。
【0038】(電池の評価)まず、実施例及び比較例にて
得られた電池の放電容量を測定した。次に、満充電後4
5℃で1週間保管して自己放電させた後、放電容量を測
定し、再度満充電後に放電容量を測定した。結果を表1
に示した。放電レートは0.2CAとし、容量保持率
を以下の式で求めた。
【0039】容量保持率[%]=(自己放電後の放電容量
[Ah]/((自己放電前の放電容量[Ah]+自己放電後再満充
電後の放電容量[Ah])/2)×100
【0040】[実施例1]タケネート80(武田薬品工
業(株)製:2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート混合物)100gをカルボジ
イミド化触媒(3−メチル−1−フェニルホスホレン−l
−オキシド)0.06gとイソプロピルフェニルイソシア
ネート10gと共にトルエン500g中に投入し、10
0℃で6時間反応し、芳香族ポリカルボジイミド溶液を
得た。得られたポリカルボジイミドのテトラヒドロフラ
ン中でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)によるポリスチレン換算分子量は数平均分子量4,
000であり、式(I)のnは31に相当する。得られた
溶液と、UHPE粉末(重量平均分子量450万、融点
135℃、平均拉径106μm(メッシュ分級品))1.8
kgとを混合し、ミキサーを用いて30分間攪拌した。
その後、熱風乾燥機(100℃)にて3時間乾燥し、得ら
れた粒子凝集体を小型粉砕機にて粉砕し、UHPE粉末
にポリカルボジイミドを被覆した。
【0041】つぎに、この粒子を隙間を有する金型に入
れ、温度25℃において圧力20MPaで圧縮したの
ち、熱風乾燥炉中、145℃にて2時間焼結を行った。
焼結後、炉から取り出して冷却し焼結した多孔性シート
(厚み300μm、空孔率25%、孔径50μm)を得
た。
【0042】[実施例2]保形具として、円筒形金網カ
ゴ(内径15cm)の中心に、外径4cmの円筒形金網カ
ゴを配し、その空隙のドーナツ状部にポリテトラフルオ
ロエチレン多孔質フィルムを内側に貼った金型からなる
保形具を準備した。この保形具に、実施例1にて用いた
ポリカルボジイミド被覆ポリマー粒子を充填した。この
金型を金属製の耐熱耐圧容器(水蒸気の導入管及びその
開閉バルブを備える)に入れ、真空ポンプを用いて雰囲
気圧を1.3kPaとした。ついで、ポンプを停止し、
そのまま30分放置後、バルブを開放し、水蒸気を導入
し120℃まで10分で昇温し30分保持した。その
後、水蒸気圧を0.4MPaまで上げ温度145℃と
し、このまま3時間加熱焼結した後、バルブを閉じ自然
冷却して、円筒状の多孔質体を得た。得られた多孔質体
を切削旋盤により厚さ200μmに切削し、空孔率50
%の多孔性シートを得た。
【0043】[比較例1]ポリカルボジイミド被覆ポリ
マー粒子の代わりに、UHPE粉末を用いた以外は実施
例2と同様にして多孔性シート(厚み200μm、空孔
率43%)を得た。
【0044】[実施例3]イソプロピルフェニルイソシ
アネートの使用量を20gとした以外は、実施例1と同
じ条件でポリカルボジイミド溶液を得た。得られたポリ
カルボジイミドの数平均分子量は2,000であり、式
(I)のnはおおよそ15に相当する。以下実施例2と同
様に操作して、厚み200μm、空孔率52%の多孔性
シートを得た。
【0045】[実施例4]イソプロピルフェニルイソシ
アネートの使用量を0.5gとした以外は、実施例1と
同じ条件でポリカルボジイミド溶液を得た。得られたポ
リカルボジイミドの数平均分子量は1,000であり、
式(I)のnはおおよそ77に相当する。以下実施例2と
同様に操作して、厚み200μm、空孔率50%の多孔
性シートを得た。
【0046】[実施例5]脂肪族ポリカルボジイミド溶
液(日清紡(株)製、品名GX−V07)を用いた以外は実
施例1と同様に操作してポリカルボジイミド被覆ポリマ
ー粒子を得た。その後、実施例2と同様に操作して、厚
み200μm、空孔率51%の多孔性シートを得た。
【0047】[実施例6](電池の作製) 実施例1〜5及び比較例1にて得られた多孔性シートを
セパレータとして用い電池を作製した。まず、セパレー
タを予め電解液中に浸漬して真空含浸を行い、孔中に電
解液を導入し、直径20mm、高さ3.2mmの6種の
コイン型ニッケル水素電池(正極活物質:水酸化ニッケ
ル、負極活物質:水素吸蔵合金、電解液:水酸化カリウ
ム水溶液)を作製した。このようにして作製した電池の
放電容量を測定し、更に満充電後45℃の雰囲気下で保
管した。満充電後、1週間後の自己放電を測定し、結果
を表1に示した。放電率は0.2CAとし、容量保持
率を以下の式で求めた。 容量保持率[%]=(自己放電後の放電容量[Ah]/((自
己放電前の放電容量[Ah]+自己放電後再満充電後の放電
容量[Ah])/2)×100
【0048】
【0049】上記の結果から、ポリカルボジイミド構造
単位を有するポリカルボジイミド被覆ポリマー粒子から
なる多孔質フィルムを電池用セパレータとして用いると
電池の自己放電が著しく抑制される。
【0050】
【発明の効果】本発明のポリカルボジイミド被覆粒子を
用いたセパレータによれば、電池の自己放電を抑制する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセパレータを用いたボタン電池の一
例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 内ケース 2 Ni網 3 Ni集電板 4 負極 5 セパレータ 6 正極 7 パッキン 8 外蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 23:00 C08L 23:00 (72)発明者 浦入 正勝 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 山村 隆 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 阿部 正男 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA15 AA17 AA18 AA19 AA22 AA32 AA33 AA34 AA36 AA37 AA38 AA39 AA42 AB38 AB65 BA06 BA07 CA08 4F070 AA06 AA07 AA08 AA12 AA18 AA22 AA23 AA26 AA32 AA34 AA42 AA50 AA53 AA54 AC90 AE27 BA07 BB08 CA03 CB11 DB03 DC02 DC11 4F074 AA17 AA23 AA24 AA26 AA33 AA36 AA38 AA42 AA50 AA59 AA64 AA69 AA70 AA71 AA74 AA78 CA52 CC10X CC12Y DA24 DA49 5H021 AA06 BB12 CC03 CC04 EE02 EE04 EE27 5H028 AA00 AA05 CC02 CC17 EE06 EE10 FF05 FF10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材粒子の表面に、下式: 【化1】 (式中、Rは有機基、nは1〜10000の整数を意味
    する。)で表されるカルボジイミド構造単位を有するポ
    リカルボジイミドの被覆層を設けたポリカルボジイミド
    被覆ポリマー粒子。
  2. 【請求項2】 芯材粒子がポリオレフィン樹脂である請
    求項1のポリカルボジイミド被覆ポリマー粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1のポリカルボジイミド被覆ポリ
    マー粒子が集合してなる多孔性成形体。
  4. 【請求項4】 多孔性成形体が、多孔性シートである請
    求項3の多孔性成形体。
  5. 【請求項5】 請求項4の多孔性シートからなる電池用
    セパレータ。
  6. 【請求項6】 正極と負極およびこれら両極間に配置さ
    れた請求項5のセパレータを有する電池。
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