JP2002201061A - 鋳込み成形用泥漿及びこれを用いて製造された陶磁器製品 - Google Patents

鋳込み成形用泥漿及びこれを用いて製造された陶磁器製品

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JP2002201061A
JP2002201061A JP2000400515A JP2000400515A JP2002201061A JP 2002201061 A JP2002201061 A JP 2002201061A JP 2000400515 A JP2000400515 A JP 2000400515A JP 2000400515 A JP2000400515 A JP 2000400515A JP 2002201061 A JP2002201061 A JP 2002201061A
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Shingo Kasahara
慎吾 笠原
Yoshifumi Misumi
欣史 三澄
Satoshi Horiuchi
堀内  智
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形用型に離型材を塗布することなく、容易
に脱型可能となる成形体を得るための鋳込み成形用泥漿
を提供すること。 【解決手段】 鋳込み成形用泥漿には離型性を発現させ
る補助材料として炭酸ソーダを鋳込み成形用泥漿の固形
分に対して、0.03重量%以上含有することを特徴と
する鋳込み成形用泥漿。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陶磁器成形体また
は陶磁器製品を得るための、離型性のよい鋳込み成形用
泥漿に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陶磁器製品の成形方法には、成形用型内
に泥漿を流し込む鋳込み成形方法や、成形用型内に泥漿
を注入させプレスする成形方法、成形用型内に泥漿を射
出させる成形方法等がある。従来、陶磁器製品の成形方
法としては、鋳込み成形方法がよく用いられている。鋳
込み成形の場合に使用する成形用型には、主に石膏が用
いられてきた。石膏型を用いる理由の一つとして、泥漿
を注入して得られる成形体との離型性が比較的優れてい
るという点があるが、更に離型性を高めるため、通常は
石膏型の成形面に離型材を塗布し、続いて石膏型内へ泥
漿を注入していた。そして成形面へ所定厚みだけ泥漿を
着肉させた後、余剰の泥漿がある場合はその泥漿を排出
し、脱型して成形体を得るものである。また、その際に
用いられる成形用泥漿として、陶磁器原料の中に解膠剤
として珪酸ソーダ、炭酸ソーダ等を添加させることは従
来知られている。しかし、炭酸ソーダは解膠剤としての
効果が珪酸ソーダに比べて小さいため、珪酸ソーダと併
用して、ごく微量添加されるか、若しくは珪酸ソーダ単
身で用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記石膏型の成
形面に離型材を塗布する方法では、離型材を塗布する工
程が必要で、更に脱型後に成形体から拭き取る工程も必
要となり、また、その拭き取りが不十分であると、最終
的に釉薬が禿げる不良を生じる原因となる場合があっ
た。そこで、本発明では、泥漿で成形された成形体の性
状に影響を与えることなく、また離型材を塗布すること
なく、容易に脱型可能となる成形体を得るための鋳込み
成形用泥漿を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、成形用型内に泥漿を鋳込むことにより成形
用型内で成形体を得るための鋳込み成形用泥漿であっ
て、鋳込み成形用泥漿には離型性を発現させる補助材料
として炭酸ソーダを前記鋳込み成形用泥漿の固形分に対
して、0.03重量%以上含有する鋳込み成形用泥漿を
提供する。鋳込み成形用泥漿に、炭酸ソーダを含有する
ことにより、型の成形面の石膏成分との間で、CaSO
4+Na2CO3→CaCO3+Na2SO4なる反応が起こ
り、このCaCO3が離型材として働くため、炭酸ソー
ダを前記鋳込み成形用泥漿の固形分に対して、0.03
重量%以上含有することにより、離型材を塗布すること
なく、容易に脱型可能となる成形体を得るための鋳込み
成形用泥漿を提供することが可能となる。
【0005】本発明のより好ましい態様においては、鋳
込み成形用泥漿中に含有される炭酸ソーダの量は、鋳込
み成形用泥漿の固形分に対して、0.10重量%以上で
あるようにする。鋳込み成形用泥漿中に含有される炭酸
ソーダの量を、前記鋳込み成形用泥漿の固形分に対し
て、0.10重量%以上であるようにすることにより、
離型材を塗布することなく、さらに容易に脱型可能とな
る成形体を得るための鋳込み成形用泥漿を提供すること
が可能となる。
【0006】本発明の好ましい態様においては、鋳込み
成形用泥漿中に含有される炭酸ソーダの量は、鋳込み成
形用泥漿の固形分に対して、0.03重量%以上、1.
00重量%未満であるようにする。更に好ましくは、
0.10重量%以上、1.00重量%未満とする。炭酸
ソーダの量を鋳込み成形用泥漿の固形分に対して、1.
00重量%未満であるようにすることにより、泥漿の鋳
込み粘性、及び成形された成形体性状を大きく変えるこ
と無く、容易に脱型可能となる成形体を得ることができ
る。また、これらの鋳込み成形用泥漿の固形分成分とし
て、陶磁器原料を用いることにより陶磁器製品を得るこ
とができる。陶磁器原料からなる鋳込み成形用泥漿を用
いて成形した成形体は、乾燥または焼成により強度が得
られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、例えば、衛生陶器、食
器、タイル等の陶磁器製品の成形に利用できる鋳込み成
形用泥漿に関するものである。
【0008】本発明において、これらの陶磁器成形体を
得るための鋳込み成形用泥漿には、陶石、粘土、長石等
の天然鉱物粒子の混合物が利用できる。鋳込み成形用泥
漿中には、離型性を発現させるための補助材料として炭
酸ソーダを用いるが、炭酸ソーダ以外の珪酸ソーダ等の
解膠剤や防腐剤等が含有されていてもよい。炭酸ソーダ
が泥漿の固形分に対して、0.03重量%未満であれ
ば、離型強度が大きいため、離型し難い。炭酸ソーダを
0.03重量%以上にすることにより離型強度が低下
し、離型が容易となり、0.10重量%以上であれば更
によい。炭酸ソーダが泥漿の固形分に対して、1.00
重量%以上であれば、泥漿の粘性等の性状コントロール
がし難くなる。
【0009】本発明の鋳込み成形用泥漿の調製工程にお
いては、まず、所望の粒度に粉砕調製された上記陶石、
粘土、長石等の陶磁器原料、及び炭酸ソーダ、珪酸ソー
ダ等の補助材料を用意する。これら陶磁器原料及び補助
材料に、水を加えてボールミル等で混合し、鋳込み成形
用泥漿を調製する。補助材料は陶磁器用原料をボールミ
ル等で粉砕調製する際に、適宜添加してもよい。
【0010】成形用泥漿を注入する成形用型を準備す
る。成形用型としては、石膏型を用いる。成形用型は石
膏型のみに限定せず、必要に応じて強度、耐久性を向上
させた石膏入り樹脂型などの石膏成分を含む型を用いて
もよい。ただし、石膏成分の占める割合が大きいほど、
CaSO4+Na2CO3→CaCO3+Na2SO4なる反
応による離型機構が活発になり、より離型はしやすくな
る。
【0011】調製工程で調製された鋳込み成形用泥漿
は、成形用型内へ注入し、成形面に所定厚みだけ泥漿を
着肉させ、余剰の泥漿がある場合は排出させ、成形体を
得る。
【0012】その後、脱型を行い、目的とする成形体を
得る。更に、乾燥または焼成させることにより、陶磁器
製品を得ることができる。
【0013】(実施例1)表1の組成からなる粒度調製
された陶磁器用粉体原料6Kg、水2.5Kg、球石8
Kg及び粉体原料の固形分に対して0.1重量%の珪酸
ソーダを、容積15リットルの陶器性ポットに入れ、さ
らに、粉体原料の固形分に対して0.03重量%の炭酸
ソーダも加え、レーザー回折式粒度分布計を用いた粉砕
後の鋳込み成形用泥漿の粒度測定結果が、10μm以下
が60%、50%平均粒径(D50)が7.5μm程度
になるように、ボールミルにより粉砕を行った。ここで
得られた鋳込み成形用泥漿を、泥漿Aとする。
【0014】
【表1】
【0015】次に、泥漿Aを容器に移し、攪拌機にて攪
拌しながら、珪酸ソーダを追加添加し、最終的に粘性が
約500mPa・sとなる鋳込み成形用泥漿を得た。こ
こで得られた鋳込み成形用泥漿を、泥漿Bとする。
【0016】100mmφ×30mmtの試験用石膏型
を飽水率50%となるように調節して準備した。
【0017】試験用石膏型に60φのガラス管を立て、
そのガラス管中に50mmの深さまで泥漿Bを流し込ん
だ。
【0018】ガラス管の外から観察して見かけ8mm着
肉するまで放置した後に未着肉の泥漿を排出し、ガラス
管を立てた試験用石膏型を、成形体の乾燥を防ぐため逆
さに立てて30分間放置した。
【0019】試験用石膏型を固定した後に、ガラス管を
オートグラフを用いて引き上げ、成形体を離型させるの
に要する力を測定した。そして、離型に要した力を着肉
部の面積で割った値を離型強度とした。なお、ガラス管
は、内部に刻みを設けてあり、成形体が試験用石膏型に
付着したままにならないように確実に離型できるように
している。
【0020】また、ボールミルにて、泥漿Bと同様の泥
漿を固形分が100Kgとなるように準備し、洗面器成
形用石膏型に注型して、所定厚み着肉後の脱型状態、及
び成形性を確認した。
【0021】(実施例2)表1の組成からなる粉体原料
6Kg、水2.5Kg、球石8Kg、及び粉体原料の固
形分に対して0.1重量%の珪酸ソーダを、容積15リ
ットルの陶器性ポットに入れ、さらに、粉体原料の固形
分に対して0.10重量%の炭酸ソーダも加え、レーザ
ー回折式粒度分布計を用いた粉砕後の鋳込み成形用泥漿
の粒度測定結果が、10μm以下が60%、50%平均
粒径(D50)が7.5μm程度になるように、ボール
ミルにより粉砕を行った。ここで得られた鋳込み成形用
泥漿を、泥漿Cとする。
【0022】次に、泥漿Cを容器に移し、攪拌機にて攪
拌しながら、珪酸ソーダを追加添加し、最終的に粘性が
約500mPa・sとなる鋳込み成形用泥漿を得た。こ
こで得られた鋳込み成形用泥漿を、泥漿Dとする。
【0023】100mmφ×30mmtの試験用石膏型
を飽水率50%となるように調節して準備した。
【0024】試験用石膏型に60φのガラス管を立て、
そのガラス管中に50mmの深さまで泥漿Dを流し込ん
だ。
【0025】ガラス管の外から観察して見かけ8mm着
肉するまで放置した後に未着肉の泥漿を排出し、ガラス
管を立てた試験用石膏型を、成形体の乾燥を防ぐため逆
さに立てて30分間放置した。
【0026】試験用石膏型を固定した後に、ガラス管を
オートグラフを用いて引き上げ、成形体を離型させるの
に要する力を測定した。そして、離型に要した力を着肉
部の面積で割った値を離型強度とした。なお、ガラス管
は、内部に刻みを設けてあり、成形体が試験用石膏型に
付着したままにならないように確実に離型できるように
している。
【0027】また、ボールミルにて、泥漿Dと同様の泥
漿を固形分が100Kgとなるように準備し、洗面器成
形用石膏型に注型して、所定厚み着肉後の脱型状態、及
び成形性を確認した。
【0028】(実施例3)表1の組成からなる粉体原料
6Kg、水2.5Kg、球石8Kg、及び粉体原料の固
形分に対して0.1重量%の珪酸ソーダを、容積15リ
ットルの陶器性ポットに入れ、さらに、粉体原料の固形
分に対して0.90重量%の炭酸ソーダも加え、レーザ
ー回折式粒度分布計を用いた粉砕後の鋳込み成形用泥漿
の粒度測定結果が、10μm以下が60%、50%平均
粒径(D50)が7.5μm程度になるように、ボール
ミルにより粉砕を行った。ここで得られた鋳込み成形用
泥漿を、泥漿Eとする。
【0029】次に、泥漿Eを容器に移し、攪拌機にて攪
拌しながら、珪酸ソーダを追加添加し、最終的に粘性が
約500mPa・sとなる鋳込み成形用泥漿を得た。こ
こで得られた鋳込み成形用泥漿を、泥漿Fとする。
【0030】100mmφ×30mmtの試験用石膏型
を飽水率50%となるように調節して準備した。
【0031】試験用石膏型に60φのガラス管を立て、
そのガラス管中に50mmの深さまで泥漿Fを流し込ん
だ。
【0032】ガラス管の外から観察して見かけ8mm着
肉するまで放置した後に未着肉の泥漿を排出し、ガラス
管を立てた試験用石膏型を、成形体の乾燥を防ぐため逆
さに立てて30分間放置した。
【0033】試験用石膏型を固定した後に、ガラス管を
オートグラフを用いて引き上げ、成形体を離型させるの
に要する力を測定した。そして、離型に要した力を着肉
部の面積で割った値を離型強度とした。なお、ガラス管
は、内部に刻みを設けてあり、成形体が試験用石膏型に
付着したままにならないように確実に離型できるように
している。
【0034】また、ボールミルにて、泥漿Fと同様の泥
漿を固形分が100Kgとなるように準備し、洗面器成
形用石膏型に注型して、所定厚み着肉後の脱型状態、及
び成形性を確認した。
【0035】(実施例4)表1の組成からなる粉体原料
6Kg、水2.5Kg、球石8Kg、及び粉体原料の固
形分に対して0.1重量%の珪酸ソーダを、容積15リ
ットルの陶器性ポットに入れ、さらに、粉体原料の固形
分に対して1.1重量%の炭酸ソーダも加え、レーザー
回折式粒度分布計を用いた粉砕後の鋳込み成形用泥漿の
粒度測定結果が、10μm以下が60%、50%平均粒
径(D50)が7.5μm程度になるように、ボールミ
ルにより粉砕を行った。ここで得られた鋳込み成形用泥
漿を、泥漿Gとする。
【0036】次に、泥漿Gを容器に移し、攪拌機にて攪
拌しながら、珪酸ソーダを追加添加し、最終的に粘性が
約500mPa・sとなる鋳込み成形用泥漿を得ようと
した。しかしながら、この場合は、珪酸ソーダをいくら
追加添加しても、粘性を約500mPa・sとすること
はできなかったので、できる範囲で粘性を約500mP
a・sに近づけた。ここで得られた鋳込み成形用泥漿
は、粘性が約600mPa・sであり、泥漿Hとする。
【0037】100mmφ×30mmtの試験用石膏型
を飽水率50%となるように調節して準備した。
【0038】試験用石膏型に60φのガラス管を立て、
そのガラス管中に50mmの深さまで泥漿Hを流し込ん
だ。
【0039】ガラス管の外から観察して見かけ8mm着
肉するまで放置した後に未着肉の泥漿を排出し、ガラス
管を立てた試験用石膏型を、成形体の乾燥を防ぐため逆
さに立てて30分間放置した。
【0040】試験用石膏型を固定した後に、ガラス管を
オートグラフを用いて引き上げ、成形体を離型させるの
に要する力を測定した。そして、離型に要した力を着肉
部の面積で割った値を離型強度とした。なお、ガラス管
は、内部に刻みを設けてあり、成形体が試験用石膏型に
付着したままにならないように確実に離型できるように
している。
【0041】また、ボールミルにて、泥漿Hと同様の泥
漿を固形分が100Kgとなるように準備し、洗面器成
形用石膏型に注型して、所定厚み着肉後の脱型状態、及
び成形性を確認した。
【0042】(実施例5)
【0043】別の成形用型を用いた例として、石膏成分
が約40体積%となるようにした100mmφ×30m
mtの試験用石膏入り樹脂型を飽水率50%となるよう
に調節して試験用石膏入り樹脂型を準備した。
【0044】実施例2で用いた泥漿Dを準備し、試験用
石膏入り樹脂型に60φのガラス管を立て、そのガラス
管中に50mmの深さまで泥漿Dを流し込んだ。
【0045】ガラス管の外から観察して見かけ8mm着
肉するまで放置した後に未着肉の泥漿を排出し、ガラス
管を立てた試験用石膏入り樹脂型を、成形体の乾燥を防
ぐため逆さに立てて30分間放置した。
【0046】試験用石膏入り樹脂型を固定した後に、ガ
ラス管をオートグラフを用いて引き上げ、成形体を離型
させるのに要する力を測定した。そして、離型に要した
力を着肉部の面積で割った値を離型強度とした。なお、
ガラス管は、内部に刻みを設けてあり、成形体が試験用
石膏入り樹脂型に付着したままにならないように確実に
離型できるようにしている。
【0047】また、ボールミルにて、泥漿Dと同様の泥
漿を固形分が100Kgとなるように準備し、石膏成分
が約40体積%となるようにした洗面器成形用石膏入り
樹脂型に注型して、所定厚み着肉後の脱型状態、及び成
形性を確認した。
【0048】(比較例1)表1の組成からなる粉体原料
6Kg、水2.5Kg、球石8Kg、及び粉体原料の固
形分に対して0.1重量%の珪酸ソーダを、容積15リ
ットルの陶器性ポットに入れ、レーザー回折式粒度分布
計を用いた粉砕後の鋳込み成形用泥漿の粒度測定結果
が、10μm以下が60%、50%平均粒径(D50)
が7.5μm程度になるように、ボールミルにより粉砕
を行った。ここで得られた鋳込み成形用泥漿を、泥漿I
とする。
【0049】次に、泥漿Iを容器に移し、攪拌機にて攪
拌しながら、珪酸ソーダを追加添加し、最終的に粘性が
約500mPa・sとなる鋳込み成形用泥漿を得た。こ
こで得られた鋳込み成形用泥漿を、泥漿Jとする。
【0050】100mmφ×30mmtの試験用石膏型
を飽水率50%となるように調節して準備した。
【0051】試験用石膏型に60φのガラス管を立て、
そのガラス管中に50mmの深さまで泥漿Jを流し込ん
だ。
【0052】ガラス管の外から観察して見かけ8mm着
肉するまで放置した後に未着肉の泥漿を排出し、ガラス
管を立てた試験用石膏型を、成形体の乾燥を防ぐため逆
さに立てて30分間放置した。
【0053】試験用石膏型を固定した後に、ガラス管を
オートグラフを用いて引き上げ、成形体を離型させるの
に要する力を測定した。そして、離型に要した力を着肉
部の面積で割った値を離型強度とした。なお、ガラス管
は、内部に刻みを設けてあり、成形体が試験用石膏型に
付着したままにならないように確実に離型できるように
している。
【0054】また、ボールミルにて、泥漿Jと同様の泥
漿を固形分が100Kgとなるように準備し、洗面器成
形用石膏型に注型して、所定厚み着肉後の脱型状態、及
び成形性を確認した。 (比較例2)
【0055】表1の組成からなる粉体原料6Kg、水
2.5Kg、球石8Kg、及び粉体原料の固形分に対し
て0.1重量%の珪酸ソーダを、容積15リットルの陶
器性ポットに入れ、さらに、粉体原料の固形分に対して
0.02重量%の炭酸ソーダも加え、レーザー回折式粒
度分布計を用いた粉砕後の鋳込み成形用泥漿の粒度測定
結果が、10μm以下が60%、50%平均粒径(D5
0)が7.5μm程度になるように、ボールミルにより
粉砕を行った。ここで得られた鋳込み成形用泥漿を、泥
漿Kとする。
【0056】次に、泥漿Kを容器に移し、攪拌機にて攪
拌しながら、珪酸ソーダを追加添加し、最終的に粘性が
約500mPa・sとなる鋳込み成形用泥漿を得た。こ
こで得られた鋳込み成形用泥漿を、泥漿Lとする。
【0057】100mmφ×30mmtの試験用石膏型
を飽水率50%となるように調節して準備した。
【0058】試験用石膏型に60φのガラス管を立て、
そのガラス管中に50mmの深さまで泥漿Lを流し込ん
だ。
【0059】ガラス管の外から観察して見かけ8mm着
肉するまで放置した後に未着肉の泥漿を排出し、ガラス
管を立てた試験用石膏型を、成形体の乾燥を防ぐため逆
さに立てて30分間放置した。
【0060】試験用石膏型を固定した後に、ガラス管を
オートグラフを用いて引き上げ、成形体を離型させるの
に要する力を測定した。そして、離型に要した力を着肉
部の面積で割った値を離型強度とした。なお、ガラス管
は、内部に刻みを設けてあり、成形体が試験用石膏型に
付着したままにならないように確実に離型できるように
している。
【0061】また、ボールミルにて、泥漿Lと同様の泥
漿を固形分が100Kgとなるように準備し、洗面器成
形用石膏型に注型して、所定厚み着肉後の脱型状態、及
び成形性を確認した。
【0062】各々の結果は表2に示すように、実施例1
〜5では、良好な成形性を示しつつ、型に離型材を塗布
することなく、目的とする成形体をきれいに脱型できる
ようになった。また、実施例1と実施例2の比較から、
炭酸ソーダの含有量を、0.1重量%以上とすると、よ
り容易に脱型できることが確認された。さらに、実施例
2と実施例5の比較から、型材としては、石膏成分が多
く占めるほど、より容易に脱型できることが確認され
た。また、実施例4の結果からは、炭酸ソーダの含有量
を、1.0重量%以上とすると、離型性は良いが、泥漿
の粘性に若干影響が出てくることが確認された。
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、泥漿で成形された成形
体の性状に影響を与えることなく、また成形用型への離
型材の塗布工程を省略でき、脱型工程において、容易に
脱型可能となり、脱型時の変形のない成形体を得るため
の鋳込み成形用泥漿を提供することが可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形用型内に泥漿を鋳込むことにより成
    形用型内で成形体を得るための鋳込み成形用泥漿であっ
    て、前記鋳込み成形用泥漿には離型性を発現させる補助
    材料として炭酸ソーダを前記鋳込み成形用泥漿の固形分
    に対して、0.03重量%以上含有することを特徴とす
    る鋳込み成形用泥漿。
  2. 【請求項2】 前記鋳込み成形用泥漿中に含有される炭
    酸ソーダの量は、前記鋳込み成形用泥漿の固形分に対し
    て、0.10重量%以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の鋳込み成形用泥漿。
  3. 【請求項3】 成形用型内に泥漿を注入することにより
    成形用型内で成形体を得るための鋳込み成形用泥漿であ
    って、離型性を発現させる補助材料として炭酸ソーダ
    を、前記鋳込み成形用泥漿の固形分に対して、0.03
    重量%以上、1.00重量%未満含有させることを特徴
    とする鋳込み成形用泥漿。
  4. 【請求項4】 前記鋳込み成形用泥漿中に含有される炭
    酸ソーダの量は、前記前記鋳込み成形用泥漿の固形分に
    対して、0.10重量%以上、1.00重量%未満含有
    させることを特徴とする請求項3に記載の鋳込み成形用
    泥漿。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の鋳込み成形用泥
    漿を用いて製造されたことを特徴とする陶磁器製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115215635A (zh) * 2022-08-02 2022-10-21 四川长江职业学院 一种抗渗荥经砂器的制作工艺

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