JP2002200700A - 金属蒸着積層体 - Google Patents

金属蒸着積層体

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JP2002200700A
JP2002200700A JP2001306313A JP2001306313A JP2002200700A JP 2002200700 A JP2002200700 A JP 2002200700A JP 2001306313 A JP2001306313 A JP 2001306313A JP 2001306313 A JP2001306313 A JP 2001306313A JP 2002200700 A JP2002200700 A JP 2002200700A
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vapor
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Takahiro Yanai
隆宏 谷内
Soichi Matsui
聡一 松井
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Oike and Co Ltd
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Oike and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡潔な方法でプラスチックフィルム等の基材
表面と金属蒸着層との間の密着力を充分なものとした金
属蒸着積層体を提供する。 【解決手段】 基材表面上に、第1金属蒸着層と、第2
金属蒸着層と、をこの順番に積層した金属蒸着積層体で
あって、前記第1金属蒸着層は、例えばクロム又はクロ
ム系合金を真空蒸着法によって前記基材表面の表面上に
形成してなり、前記第2金属蒸着層は、アルミニウム、
インジウム、スズ、銀、の中から選ばれた1種類以上の
金属を真空蒸着法によって前記第1金属蒸着層の表面上
に形成する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、層間密着力の増
した金属蒸着積層体に関するものであり、特に基材表面
へ金属蒸着層を形成する時の基材表面と金属蒸着層との
密着力を増加させた金属蒸着積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば様々な基材の表面に対して
金属蒸着層を蒸着により形成する時において金属蒸着層
を基材表面に密着させやすくする為に、一般的には、基
材表面に対して予め表面処理を施した後に、その上に金
属蒸着層を設ける、という方法が用いられる。例えば、
耐熱性等に優れたフッ素フィルムや低吸水性等に優れた
シクロオレフィン系フィルムなどのプラスチックフィル
ム表面にアルミニウム等の金属を蒸着させて金属蒸着層
を設ける場合には、まず最初に、大気中での放電を利用
して表面改質を行うコロナ放電処理や、同じく真空中で
の放電を利用して表面改質を行うグロー放電処理を行う
ことにより、フィルム表面を易接着化し、次いで上記の
処理が済んだプラスチックフィルム表面に対して金属蒸
着層を設けることが一般に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
なコロナ放電処理やグロー放電処理によってプラスチッ
クフィルムの表面改質を行った後にプラスチックフィル
ムの表面に金属蒸着層を設けようとしても、プラスチッ
クフィルムと金属蒸着層との間には必ずしも所望する充
分な密着力は生じなかった。特にシクロオレフィン系フ
ィルムであれば、その構造上極性基が存在しておらず、
そのため、コロナ放電やグロー放電処理を行っても密着
力の向上はなかなか容易には実現できなかった。そこ
で、密着力を改善するという観点から、特開平8−26
7645号公報では、グロー放電下において特定厚さの
アンカー蒸着層を設けることで密着力を増す、という発
明が開示されている。しかしこの方法ではグロー放電と
金属蒸着を同時に行う必要があり、そのため作業工程は
困難であり、ひいては製造コストがかかってしまう、と
いう問題点があった。
【0004】本願発明はこのような問題点に鑑みて為さ
れたものであり、その目的は、簡潔な方法でプラスチッ
クフィルム等の基材表面と金属蒸着層との間の密着力を
充分なものとした金属蒸着積層体を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明の請求項1に記載の発明は、基材表面上
に、第1金属蒸着層と、第2金属蒸着層と、を積層した
金属蒸着積層体であって、前記第1金属蒸着層は、前記
基材表面と結合しやすく、かつ前記第2金属蒸着層との
合金層を形成できる金属又は該金属系合金の蒸着膜を真
空蒸着法によって前記基材表面上に形成したものであ
り、前記第2金属蒸着層は、アルミニウム、インジウ
ム、スズ、銀、の中から選ばれた1種類以上の金属の蒸
着膜を真空蒸着法によって前記第1金属蒸着層の表面上
に形成したものであること、を特徴とする。
【0006】本願発明の請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載の金属蒸着積層体において、前記基材がフィ
ルム状であること、又はシート状であること、又は成形
物であること、を特徴とする。
【0007】本願発明の請求項3に記載の発明は、請求
項1に記載の金属蒸着積層体において、前記基材がフッ
素系フィルム、もしくはシクロオレフィン系フィルムで
あること、を特徴とする。
【0008】本願発明の請求項4に記載の発明は、請求
項1ないし請求項3に記載の金属蒸着積層体において、
前記第1金属蒸着層を形成する金属又は該金属系合金
は、クロム又はクロム系合金、ニッケル又はニッケル系
合金、チタン又はチタン系合金、亜鉛又は亜鉛系合金、
のいずれか1種類以上の金属又は該金属系合金であるこ
と、を特徴とする。
【0009】本願発明の請求項5に記載の発明は、請求
項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の金属蒸着積
層体において、前記第1金属蒸着層の層厚が0.1nm
〜10nmであって、前記第2金属蒸着層の層厚が10
nm〜300nmであること、を特徴とする。
【0010】本願発明の請求項6に記載の発明は、請求
項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の金属蒸着積
層体において、前記フッ素系フィルムが、エチレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、の中から選ばれた1種
以上のフッ素系樹脂を主成分とするフィルムであるこ
と、を特徴とする。
【0011】本願発明の請求項7に記載の発明は、請求
項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の金属蒸着積
層体において、前記シクロオレフィン系フィルムが、ジ
シクロペンタジエンを原料として高分子化させたシクロ
オレフィン系樹脂を主成分とするフィルムであること、
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも
一例であって、必すしもこの実施の形態に限定されるも
のではない。
【0013】(実施の形態1)本願発明に係る金属蒸着
積層体を第1の実施の形態として、説明する。この金属
蒸着積層体は、基材であるプラスチックフィルムの表面
上に、第1金属蒸着層と、第2金属蒸着層と、をこの順
番に積層してなる金属蒸着積層体である。尚、以下の説
明では基材をプラスチックフィルムとするが、必ずしも
これに限定されず、たとえばこれがフィルム状、又はシ
ート状、又は成形物であっても構わない。これらは、例
えばジエン系物質から作り出されるものであることが考
えられ、また、例えばトリアクリルセルロース(TA
C)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)、トリシクロデカン、
アルキルエステル、等を用いた物質などであることも考
えられるが、ここではこれ以上は特に限定はしない。ま
たこの基材の密着性についても、改めて説明するまでも
無く、密着性の向上が望まれるにもかかわらず、それ単
体では密着レベルの低いものであることが考えられる。
さらにプラスチックフィルムの片面上に順次積層して
も、両面に積層しても、いずれであっても構わないがこ
こでは片面上に順次積層したものとする。
【0014】まず第1金属蒸着層について説明する。第
1金属蒸着層は、プラスチックフィルムの表面と結合し
やすく、かつ後述する第2金属蒸着層との合金層を形成
できる金属又は該金属系合金の蒸着膜を真空蒸着法によ
ってプラスチックフィルムの面上に形成したものであ
る。この第1金属蒸着層を形成する金属又は該金属系合
金について特に限定はしないが、クロム又はクロム系合
金、ニッケル又はニッケル系合金、チタン又はチタン系
合金、亜鉛又は亜鉛系合金、のいずれか1種類以上の金
属又は該金属系合金であることが好ましい。これは上述
の通り、これらの金属であればプラスチックフィルム表
面と結合しやすく、かつ第2金属蒸着層との合金層を形
成しやすいからである。以下の説明においては、クロム
又はクロム系合金を用いたものするが、これ以外の上述
の物質であっても同様である。
【0015】この第1金属蒸着層を形成するために用い
られる真空蒸着法としてはスパッタリング法、又はイオ
ンプレーティング法、又は抵抗加熱蒸着、高周波誘導加
熱蒸着、電子ビーム加熱蒸着などの一般的な真空蒸着
法、などがあるが、本実施の形態において第1金属蒸着
層を設けるのにはスパッタリング法を用いることが好ま
しい。これは、この方法であれば極めて薄い膜を均一に
かつ収率よく形成できるからである。尚、スパッタリン
グ法には2極スパッタ、多極スパッタ、高周波スパッ
タ、マグネトロンスパッタなどがあるが、特にこれらの
方法を限定するものではない。
【0016】また、クロム又はクロム系合金などで形成
される第1金属蒸着層の膜厚については特に限定される
ものではないが、0.1nm〜30nmであることが望
ましく、0.1nm〜10nmであればより好適なもの
となる。これは、膜厚が30nmを超えてしまうと密着
力は殆ど向上しなくなり、むしろ第1金属蒸着層がひび
割れを起こしやすくなる、厚みが出るということはそれ
だけ材料を消費することとなり、即ちコスト的に得策で
ない、という現象が生じ、また膜厚が0.1nm未満で
あると、密着力向上に関する効果が殆ど望めない、とい
う現象が生じるからである。
【0017】尚、第1金属蒸着層を上記の膜厚とし、か
つクロム又はクロム系合金でこれを形成する場合、クロ
ム又はクロム系合金の一部又は全部が酸化してしまう場
合もあり得るが、この場合であっても本実施の形態の目
的は達成出来る。
【0018】次に第2金属蒸着層について説明する。こ
れは、アルミニウム、インジウム、スズ、銀、の中から
選ばれた1種類以上の金属を第1金属蒸着層の表面上に
形成したものである。これらの金属は蒸着しやすく、ま
た生産性も高いため本実施の形態においては好適である
と言えるが、特に経済的、密着性向上効果、金属光沢性
等の点から、アルミニウムを用いることが最も好適であ
ると言える。
【0019】真空蒸着法としてはスパッタリング法、又
はイオンプレーティング法、又は抵抗加熱蒸着、高周波
誘導加熱蒸着、電子ビーム加熱蒸着などの一般的な真空
蒸着法、などがあるが本実施の形態において第2金属蒸
着層を設けるのに、抵抗加熱蒸着、高周波誘導加熱蒸
着、電子ビーム加熱蒸着などの一般的な真空蒸着法を用
いて構わない。これは、スパッタリング法に比べて、一
般的な真空蒸着法の方が生産性が高いからである。
【0020】第2金属蒸着層の膜厚については特に限定
されるものではないが、5nm〜500nmであること
が望ましく、10nm〜300nmであればより好適な
ものとなる。これは、膜厚が500nmを超えてしまう
と金属光沢を得る、等のような金属を蒸着させることに
より得られる固有の機能が向上しなくなり、またコスト
的にも得策ではない、という現象が生じ、また膜厚が5
nm未満であると、金属光沢を得る、等のような金属を
蒸着させることにより得られる固有の機能をフィルムに
付与できない、という現象が生じるからである。
【0021】尚、第2金属蒸着層を上記の膜厚とし、か
つアルミニウム、インジウム、スズ、銀、の中から選ば
れた1種類以上の金属でこれを形成する場合、公知のよ
うに金属の表面において酸化された状態となる場合も考
えられるが、この場合であっても本実施の形態の目的は
達成出来る。
【0022】これら第1金属蒸着層及び第2金属蒸着層
を設けるプラスチックフィルムについては特に限定する
ものではないが、本実施の形態においてはフッ素系フィ
ルム又はシクロオレフィン系フィルム等を用いることが
望ましい。これは、フッ素系フィルムは、たとえば消防
服等の用途に、またシクロオレフィン系フィルムは、液
晶表示装置用の半透明・半反射材の用途に、それぞれよ
く用いられる材質であり、昨今これらのフィルムに対し
て、フィルムを利用する目的を達成するために、密着力
の向上が強く求められているからである。
【0023】またフッ素系フィルムであれば、エチレン
−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、の中から選ばれた1
種以上のフッ素系樹脂を主成分とするフィルムであるこ
とが好適であるが、これらを主成分とするフッ素系フィ
ルムであれば、バリア性や耐熱性の点において大変好適
な性質を得ることが出来る。
【0024】またシクロオレフィン系フィルムであれ
ば、ジシクロペンタジエンを原料として高分子化させた
シクロオレフィン系樹脂を主成分とするフィルムである
ことが好適であるが、これであれば低吸水性であるこ
と、加水分解などが起きないために廃棄・燃焼時におけ
る環境問題をひきおこさないこと、という点において大
変好適な性質を得ることが出来る。尚詳述はしないが、
シクロオレフィン系フィルムに用いる樹脂としては、上
記以外にも、例えばポリエチレン(PE)、又はポリプ
ロピレン(PP)、のいずれか又は双方のポリオレフィ
ンであって、分子骨格中に脂環構造を持たせたシクロオ
レフィン系樹脂を用いることも考えられる。
【0025】さらにフッ素系フィルム又はシクロオレフ
ィン系フィルムの厚さは、4μmから200μmのもの
であることが好ましい。この範囲内にあることで、ハン
ドリング性が好適なものとなるからである。
【0026】本発明に係る実施の形態は、上述したよう
な構成としているので、従来層間密着力を得にくいフィ
ルムであったフッ素系フィルム又はシクロオレフィン系
フィルムであっても容易に層間密着力を増すことが可能
となり、またとくに詳述はしていないがこれら以外の基
材に対しても同様の手法をもって層間密着力を増加させ
ることが可能となる。さらにまた、これらのフィルムと
第2金属蒸着層との密着力及び耐食性を大幅に改善する
ことが可能となったので、本発明に係る金属蒸着積層体
を、例えば自動車用モール部材、金属色を有する難燃用
糸、消防服の素材、液晶表示装置のための部材、等の分
野に対して広く利用することが可能となる。
【0027】尚、本願発明及び本実施の形態における基
材とその表面上に形成された第2金属蒸着層との間に生
じる充分な密着力とは、後述する方法で評価されるラミ
ネート強度におけるドライ密着強度が100g/15m
m以上のものを言い、特に150g/15mm以上のも
のであれば好ましく、更には200g/15mm以上の
ものであればなおより一層好適である。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本願発明をより具体的に
説明するが、必ずしも本願発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。また、以下の実施例では第1金属蒸
着層としてクロム又はクロム系合金を用いたものについ
て説明し、特にニッケル又はニッケル系合金、チタン又
はチタン系合金、亜鉛又は亜鉛系合金を用いた場合につ
いては実施例を示しての説明を省略する。尚、以下の実
施例における評価等については、次のように行った。
【0029】(1) ラミネート強度 金属蒸着層面に、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体接着
剤を固形分で3μm相当をコートし、この塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体接着剤を介して、厚さ200μmの
軟質塩ビフィルムと重ね合わせる。そしてこれに対し
て、125℃下で2.0kg/cmの圧力をかけて2
秒間圧着し、25℃の雰囲気で24時間エージングを行
う。エージング終了後、これを15mm×200mmの
寸法に切り出し、卓上形精密万能試験機(株式会社島津
製作所製 島津オートグラフAGS−100)により、
Al蒸着層と接着剤層との間を引張速度200mm/m
inで90°剥離する。この剥離時の強度を密着強度と
して評価測定した(以下、これを「ドライ密着強度」と
呼ぶ)。また、上記と同様の方法で引っ張り始めた時に
剥離面に蒸留水を2〜3滴滴下したものについて、剥離
時の強度を密着強度として評価測定した(以下、これを
「ウェット密着強度」と呼ぶ)。
【0030】(2) 第2金属蒸着層の膜厚 段差・表面粗さ形状測定器(Tencor Instr
uments社製 P−10)を用いて、フィルム表面
上に存在する、第2金属蒸着層形成部分と第2金属蒸着
層未形成部分との段差につき測定し、これを第2金属蒸
着層の膜厚とした。
【0031】(3) 耐食性 第2金属蒸着層表面にアクリル樹脂の保護層を1μmコ
ートし、これを40℃の純水に24時間浸漬した後の、
第2金属蒸着層の状態を観察した。
【0032】(実施例1−1〜1−3)フッ素系フィル
ム(ダイキン工業株式会社製 ネオフロンフィルム 膜
厚50μm)表面上に直流(DC)マグネトロンスパッ
タリングによって第1金属蒸着層であるクロム薄膜を形
成した。この際の条件は下記条件1に記載した通りであ
る。そしてその後ロール・ツー・ロール方式の真空蒸着
機を用いてアルミニウムの真空蒸着を行った。この際の
条件は下記条件2に記載した通りである。 (条件1) 真空到達度 5.0×10−3 Pa 作業真空度 6.7×10−1 Pa 放電ガス アルゴン(Ar) 電力密度 2W/cm (条件2) 巻き取り速度 300m/min 作業真空度 1.3×10−2 Pa Al膜厚 50nm ここで、 実施例1−1におけるクロム膜厚 1nm 実施例1−2におけるクロム膜厚 5nm 実施例1−3におけるクロム膜厚 10nm とした。
【0033】そしてこのようにして得られた実施例1−
1〜実施例1−3における金属蒸着積層体のラミネート
強度はドライ密着強度、ウェット密着強度共に、全て3
00g/15nm以上であり、耐食性に関しては全く変
化は見られなかった。
【0034】(実施例1−4〜1−5)フッ素系フィル
ム(ダイキン工業株式会社製 ネオフロンフィルム 膜
厚50μm)表面上に直流(DC)マグネトロンスパッ
タリングによって第1金属蒸着層であるクロム系合金の
薄膜を形成した。この際の条件は上記の条件1に記載し
た通りである。そしてその後ロール・ツー・ロール方式
の真空蒸着機を用いてアルミニウムの真空蒸着を行っ
た。この際の条件は上記の条件2に記載した通りであ
る。ここで、 実施例1−4におけるクロム系合金 Ni−50%Cr 実施例1−5におけるクロム系合金 Ni− 7%Cr を、それぞれ用いた。また実施例1−4及び実施例1−
5におけるクロム系合金膜厚 5nmとした。
【0035】そしてこのようにして得られた実施例1−
4〜実施例1−5における金属蒸着積層体のラミネート
強度は、ドライ密着強度、ウェット密着強度共に、全て
300g/15nm以上であり、耐食性に関しては実施
例4及び実施例5共にわずか微小域での変化が見られる
程度であった。
【0036】(比較例1)フッ素系フィルム(ダイキン
工業株式会社製 ネオフロンフィルム 膜厚50μm)
表面上に対して、ロール・ツー・ロール方式の真空蒸着
機を用いてアルミニウムの真空蒸着を行った。即ち、実
施例1〜実施例5のサンプルにおいて第1金属蒸着層で
あるクロム又はクロム合金蒸着層が存在しない金属蒸着
積層体を作成した。尚、この際の条件は上記条件2に記
載した通りである。
【0037】そしてこのようにして得られた比較例1に
おける金属蒸着積層体のラミネート強度は、 ドライ密着強度 90g/15mm ウェット密着強度 20g/15mm であり、耐食性に関してはサンプル端部におけるアルミ
ニウム抜けが見られる等、大きな変化が見られた。
【0038】(実施例2−1〜2−3)シクロオレフィ
ン系フィルム(日本ゼオン株式会社製 商品名:ZEO
NOR膜厚50μm)表面上に直流(DC)マグネトロ
ンスパッタリングによって第1金属蒸着層であるクロム
薄膜を形成した。この際の条件は上記条件1に記載した
通りである。そしてその後ロール・ツー・ロール方式の
真空蒸着機を用いてアルミニウムの真空蒸着を行った。
この際の条件は上記条件2に記載した通りである。 ここで、 実施例2−1におけるクロム膜厚 1nm 実施例2−2におけるクロム膜厚 5nm 実施例2−3におけるクロム膜厚 10nm とした。
【0039】そしてこのようにして得られた実施例2−
1〜実施例2−3における金属蒸着積層体のラミネート
強度はドライ密着強度、ウェット密着強度共に、全て3
10g/15nm以上であり、耐食性に関しては全く変
化は見られなかった。
【0040】(実施例2−4〜2−5)シクロオレフィ
ン系フィルム(日本ゼオン株式会社製 商品名:ZEO
NOR膜厚50μm)表面上に直流(DC)マグネトロ
ンスパッタリングによって第1金属蒸着層であるクロム
系合金の薄膜を形成した。この際の条件は上記の条件1
に記載した通りである。そしてその後ロール・ツー・ロ
ール方式の真空蒸着機を用いてアルミニウムの真空蒸着
を行った。この際の条件は上記の条件2に記載した通り
である。ここで、 実施例2−4におけるクロム系合金 Ni−20%Cr 実施例2−5におけるクロム系合金 Ni− 7%Cr を、それぞれ用いた。また実施例2−4及び実施例2−
5におけるクロム系合金膜厚 5nmとした。
【0041】そしてこのようにして得られた実施例2−
4〜実施例2−5における金属蒸着積層体のラミネート
強度は、ドライ密着強度、ウェット密着強度共に、全て
310g/15nm以上であり、耐食性に関しては実施
例4及び実施例5共にわずか微小域での変化が見られる
程度であった。
【0042】(比較例2)シクロオレフィン系フィルム
(日本ゼオン株式会社製 商品名:ZEONOR膜厚5
0μm)表面上に対して、ロール・ツー・ロール方式の
真空蒸着機を用いてアルミニウムの真空蒸着を行った。
即ち、実施例2−1〜実施例2−5のサンプルにおいて
第1金属蒸着層であるクロム又はクロム合金蒸着層が存
在しない金属蒸着積層体を作成した。尚、この際の条件
は上記条件2に記載した通りである。
【0043】そしてこのようにして得られた比較例1に
おける金属蒸着積層体のラミネート強度は、 ドライ密着強度 10g/15mm ウェット密着強度 5g/15mm であり、耐食性に関してはサンプル端部におけるアルミ
ニウム抜けが見られる等、大きな変化が見られた。
【0044】以上の実施例及び比較例からわかるよう
に、本願発明に係るように第1金属蒸着層を設けること
によって、ラミネート強度も増加し、また耐食性につい
ても好ましい金属蒸着積層体を得ることが出来る。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本願発明の請求項1に記
載の金属蒸着積層体によれば、基材表面と結合しやす
く、かつ第2金属蒸着層との合金層を形成できる金属又
は該金属系合金の蒸着膜を真空蒸着法によって基材表面
上に形成し、第2金属蒸着層を、アルミニウム、インジ
ウム、スズ、銀、の中から選ばれた1種類以上の金属の
蒸着膜を真空蒸着法によって第1金属蒸着層の表面上に
形成したもの、としたことで、基材と第2金属蒸着層と
の間に生じる密着力が強い金属蒸着積層体を得ることが
出来る。
【0046】本願発明の請求項2に記載の金属蒸着積層
体によれば、基材がフィルム状であること、又はシート
状であること、又は成形物であること、としたので、い
わゆるコーティングが望まれる分野において密着力の強
い積層体を形成することが出来る。
【0047】本願発明の請求項3に記載の金属蒸着積層
体によれば、基材をフッ素系フィルム、もしくはシクロ
オレフィン系フィルム、としたことで、例えば消防服や
液晶表示装置等に用いられる材料であって、非常によく
基材に密着した金属蒸着層が望まれる製品において、大
変密着力に優れたフィルムを提供することが出来る。
【0048】本願発明の請求項4に記載の金属蒸着積層
体によれば、第1金属蒸着層を形成する金属又は該金属
系合金を、クロム又はクロム系合金、ニッケル又はニッ
ケル系合金、チタン又はチタン系合金、のいずれか1種
類以上の金属又は該金属系合金としたことので、これら
の金属又は該金属系合金であれば基材表面と結合しやす
く、かつ第2金属蒸着層と合金層を作りやすいので、大
変密着力に優れた金属蒸着積層体を得ることが出来る。
【0049】本願発明の請求項5に記載の金属蒸着積層
体によれば、第1金属蒸着層の層厚が0.1nm〜10
nmであって、第2金属蒸着層の層厚が10nm〜30
0nmであること、としたので、コスト的にも好適であ
り、また所望の密着力を得やすくなる。
【0050】本願発明の請求項6に記載の金属蒸着積層
体によれば、フッ素系フィルムが、エチレン−テトラフ
ルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、の中から選ばれた1種以上の
フッ素系樹脂を主成分とするフィルムであること、とし
たので、
【0051】本願発明の請求項7に記載の金属蒸着積層
体によれば、シクロオレフィン系フィルムが、シクロオ
レフィン系フィルムが、ジシクロペンタジエンを原料と
して高分子化させたシクロオレフィン系樹脂を主成分と
するフィルムであることとしたので環境問題の観点から
好ましいものとできる。
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Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面上に、第1金属蒸着層と、第2
    金属蒸着層と、を積層した金属蒸着積層体であって、 前記第1金属蒸着層は、前記基材表面と結合しやすく、
    かつ前記第2金属蒸着層との合金層を形成できる金属又
    は該金属系合金の蒸着膜を真空蒸着法によって前記基材
    表面上に形成したものであり、 前記第2金属蒸着層は、アルミニウム、インジウム、ス
    ズ、銀、の中から選ばれた1種類以上の金属の蒸着膜を
    真空蒸着法によって前記第1金属蒸着層の表面上に形成
    したものであること、 を特徴とする、金属蒸着積層体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の金属蒸着積層体におい
    て、 前記基材がフィルム状であること、又はシート状である
    こと、又は成形物であること、 を特徴とする、金属蒸着積層体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の金属蒸着積層体におい
    て、 前記基材がフッ素系フィルム、もしくはシクロオレフィ
    ン系フィルムであること、 を特徴とする、金属蒸着積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3に記載の金属蒸
    着積層体において、 前記第1金属蒸着層を形成する金属又は該金属系合金
    は、クロム又はクロム系合金、ニッケル又はニッケル系
    合金、チタン又はチタン系合金、亜鉛又は亜鉛系合金、
    のいずれか1種類以上の金属又は該金属系合金であるこ
    と、 を特徴とする、金属蒸着積層体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の金属蒸着積層体において、 前記第1金属蒸着層の層厚が0.1nm〜10nmであ
    って、 前記第2金属蒸着層の層厚が10nm〜300nmであ
    ること、 を特徴とする、金属蒸着積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    に記載の金属蒸着積層体において、 前記フッ素系フィルムが、エチレン−テトラフルオロエ
    チレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン
    −ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テト
    ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
    テル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン
    (PTFE)、の中から選ばれた1種以上のフッ素系樹
    脂を主成分とするフィルムであること、 を特徴とする、金属蒸着積層体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    に記載の金属蒸着積層体において、 前記シクロオレフィン系フィルムが、ジシクロペンタジ
    エンを原料として高分子化させたシクロオレフィン系樹
    脂を主成分とするフィルムであること、 を特徴とする、金属蒸着積層体。
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