JP2002198829A - 復号装置及び復号方法 - Google Patents

復号装置及び復号方法

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JP2002198829A
JP2002198829A JP2000395860A JP2000395860A JP2002198829A JP 2002198829 A JP2002198829 A JP 2002198829A JP 2000395860 A JP2000395860 A JP 2000395860A JP 2000395860 A JP2000395860 A JP 2000395860A JP 2002198829 A JP2002198829 A JP 2002198829A
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probability
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JP2000395860A
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Kohei Yamamoto
耕平 山本
Atsushi Murayama
淳 村山
Toshiyuki Miyauchi
俊之 宮内
Masayuki Hattori
雅之 服部
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ∞−∞の演算を行う際に演算結果としてNa
Nを返さず、性能劣化なしに復号を行う。 【解決手段】 復号装置3’は、対数軟出力Iλを算
出する軟出力算出回路25と、外部情報EXを算出す
る外部情報算出回路26とを備える。外部情報算出回路
26は、事前確率情報APPと対数軟出力Iλ
が、ともに−∞であった場合には、外部情報EXとし
て、−∞+∞=−∞又は絶対値が十分に大きな負の所定
値を算出し、事前確率情報APPと対数軟出力Iλ
とが、ともに+∞であった場合には、外部情報EX
して、∞−∞=∞又は正の所定値を算出する。また、外
部情報算出回路26は、事前確率情報APPと対数軟
出力Iλとが±∞となった場合には、所定の有限値に
置換して演算を行うこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟出力復号を行う
復号装置及び復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、連接符号における内符号の復号出
力や繰り返し復号法における各繰り返し復号動作の出力
を軟出力とすることで、シンボル誤り率を小さくする研
究がなされており、それに適した復号法に関する研究が
盛んに行われている。例えば畳み込み符号等の所定の符
号を復号した際のシンボル誤り率を最小にする方法とし
ては、「Bahl, Cocke, Jelinek and Raviv, “Optimal
decoding of linear codes for minimizing symbol err
or rate”, IEEE Trans. Inf. Theory, vol. IT-20, p
p. 284-287, Mar. 1974」に記載されているBCJRア
ルゴリズムが知られている。このBCJRアルゴリズム
においては、復号結果として各シンボルを出力するので
はなく、各シンボルの尤度を出力する。このような出力
は、軟出力(soft-output)と呼ばれる。以下、このB
CJRアルゴリズムの内容について説明する。なお、以
下の説明では、図9に示すように、ディジタル情報を図
示しない送信装置が備える符号化装置201によって畳
み込み符号化し、その出力を雑音のある無記憶通信路2
02を介して図示しない受信装置に入力して、この受信
装置が備える復号装置203によって復号し、観測する
場合を考える。
【0003】まず、符号化装置201が備えるシフトレ
ジスタの内容を表すM個のステート(遷移状態)をm
(0,1,・・・,M−1)で表し、時刻tのステート
をSで表す。また、1タイムスロットにkビットの情
報が入力されるものとすると、時刻tにおける入力をi
=(it1,it2,・・・,itk)で表し、入力
系統をI =(i,i,・・・,i)で表す。
このとき、ステートm’からステートmへの遷移がある
場合には、その遷移に対応する情報ビットをi(m’,
m)=(i(m’,m),i(m’,m),・・
・,i(m’,m))で表す。さらに、1タイムスロ
ットにnビットの符号が出力されるものとすると、時刻
tにおける出力をx=(xt1,xt2,・・・,x
tn)で表し、出力系統をX =(x,x,・・
・,x)で表す。このとき、ステートm’からステー
トmへの遷移がある場合には、その遷移に対応する符号
ビットをx(m’,m)=(x(m’,m),x
(m’,m),・・・,x(m’,m))で表す。
【0004】符号化装置201による畳み込み符号化
は、ステートS=0から始まり、X を出力してS
=0で終了するものとする。ここで、各ステート間の
遷移確率P(m|m’)を次式(1)によって定義す
る。
【0005】
【数1】
【0006】なお、上式(1)における右辺に示すPr
{A|B}は、Bが生じた条件の下でのAが生じる条件
付き確率である。この遷移確率P(m|m’)は、次
式(2)に示すように、入力iでステートm’からステ
ートmへと遷移するときに、時刻tでの入力iがiで
ある確率Pr{i=i}と等しいものである。
【0007】
【数2】
【0008】雑音のある無記憶通信路202は、X
を入力とし、Y を出力する。ここで、1タイムスロ
ットにnビットの受信値が出力されるものとすると、時
刻tにおける出力をy=(yt1,yt2,・・・,
tn)で表し、Y =(y,y,・・・,
)で表す。雑音のある無記憶通信路202の遷移確
率は、全てのt(1≦t≦T)について、次式(3)に
示すように、各シンボルの遷移確率Pr{y|x
を用いて定義することができる。
【0009】
【数3】
【0010】ここで、次式(4)のようにλtjを定義
する。この次式(4)に示すλtjは、Y を受信し
た際の時刻tでの入力情報の尤度を表し、本来求めるべ
き軟出力である。
【0011】
【数4】
【0012】BCJRアルゴリズムにおいては、次式
(5)乃至次式(7)に示すような確率α,β及び
γを定義する。なお、Pr{A;B}は、AとBとが
ともに生じる確率を表すものとする。
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】
【0015】
【数7】
【0016】ここで、これらの確率α,β及びγ
の内容について、符号化装置201における状態遷移図
であるトレリスを図10を用いて説明する。同図におい
て、αt−1は、符号化開始ステートS=0から受信
値をもとに時系列順に算出した時刻t−1における各ス
テートの通過確率に対応する。また、βは、符号化終
了ステートS=0から受信値をもとに時系列の逆順に
算出した時刻tにおける各ステートの通過確率に対応す
る。さらに、γは、時刻tにおける受信値と入力確率
とをもとに算出した時刻tにステート間を遷移する各枝
の出力の受信確率に対応する。
【0017】これらの確率α,β及びγを用いる
と、軟出力λtjは、次式(8)のように表すことがで
きる。
【0018】
【数8】
【0019】ところで、t=1,2,・・・,Tについ
て、次式(9)が成立する。
【0020】
【数9】
【0021】同様に、t=1,2,・・・,Tについ
て、次式(10)が成立する。
【0022】
【数10】
【0023】さらに、γについて、次式(11)が成
立する。
【0024】
【数11】
【0025】したがって、復号装置203は、BCJR
アルゴリズムを適用して軟出力復号を行う場合には、こ
れらの関係に基づいて、図11に示す一連の工程を経る
ことによって軟出力λを求める。
【0026】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS201において、y を受信する毎に、
上式(9)及び上式(11)を用いて、確率α(m)
及びγ(m’,m)を算出する。
【0027】続いて、復号装置203は、ステップS2
02において、系列Y の全てを受信した後に、上式
(10)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、確率β(m)を算出する。
【0028】そして、復号装置203は、ステップS2
03において、ステップS201及びステップS202
において算出した確率α,β及びγを上式(8)
に代入し、各時刻tにおける軟出力λを算出する。
【0029】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることにより、BCJRアルゴリズムを適用した軟
出力復号を行うことができる。
【0030】ところで、このようなBCJRアルゴリズ
ムにおいては、確率を直接値として保持して演算を行う
必要があり、積演算を含むために演算量が大きいという
問題があった。そこで、演算量を削減する手法として、
「Robertson, Villebrun andHoeher, “A comparison o
f optimal and sub-optimal MAP decoding algorithms
operating in the domain”, IEEE Int. Conf. on Comm
unications, pp. 1009-1013, June 1995」に記載されて
いるMax−Log−MAPアルゴリズム及びLog−
MAPアルゴリズム(以下、Max−Log−BCJR
アルゴリズム及びLog−BCJRアルゴリズムと称す
る。)がある。
【0031】まず、Max−Log−BCJRアルゴリ
ズムについて説明する。Max−Log−BCJRアル
ゴリズムは、確率α,β並びにγ、及び軟出力λ
を自然対数を用いて対数表記し、次式(12)に示す
ように、確率の積演算を対数の和演算に置き換えるとと
もに、次式(13)に示すように、確率の和演算を対数
の最大値演算で近似するものである。なお、次式(1
3)に示すmax(x,y)は、x,yのうち大きい値
を有するものを選択する関数である。
【0032】
【数12】
【0033】
【数13】
【0034】ここで、記載を簡略化するため、自然対数
をIと略記し、α,β,γ,λの自然対数値
を、それぞれ、次式(14)に示すように、Iα,I
β,Iγ,Iλと表すものとする。なお、次式
(14)に示すsgnは、正負を識別する符号を示す定
数、すなわち、“+1”又は“−1”のいずれかであ
る。
【0035】
【数14】
【0036】このような定数sgnを与える理由として
は、主に、確率α,β,γが0乃至1の値をとる
ことから、一般に算出される対数尤度(log likelihoo
d)Iα,Iβ,Iγが負値をとることにある。
【0037】例えば、復号装置203がソフトウェアと
して構成される場合には、正負いずれの値をも処理可能
であるため、定数sgnは“+1”又は“−1”のいず
れであってもよいが、復号装置203がハードウェアと
して構成される場合には、ビット数の削減を目的とし
て、算出される負値の正負識別符号を反転して正値とし
て扱う方が望ましい。
【0038】すなわち、定数sgnは、復号装置203
が対数尤度として負値のみを扱う系として構成される場
合には、“+1”をとり、復号装置203が対数尤度と
して正値のみを扱う系として構成される場合には、“−
1”をとる。以下では、このような定数sgnを考慮し
たアルゴリズムの説明を行うものとする。
【0039】Max−Log−BCJRアルゴリズムに
おいては、これらの対数尤度Iα,Iβ,Iγ
を、それぞれ、次式(15)乃至次式(17)に示す
ように近似する。ここで、次式(15)及び次式(1
6)に示すmsgn(x,y)は、定数sgnが“+
1”の場合には、x,yのうち大きい値を有するものを
選択する関数max(x,y)を示し、定数sgnが
“−1”の場合には、x,yのうち小さい値を有するも
のを選択する関数min(x,y)を示すものである。
次式(15)における右辺のステートm’における関数
msgnは、ステートmへの遷移が存在するステート
m’の中で求めるものとし、次式(16)における右辺
のステートm’における関数msgnは、ステートmか
らの遷移が存在するステートm’の中で求めるものとす
る。
【0040】
【数15】
【0041】
【数16】
【0042】
【数17】
【0043】また、Max−Log−BCJRアルゴリ
ズムにおいては、対数軟出力Iλについても同様に、
次式(18)に示すように近似する。ここで、次式(1
8)における右辺第1項の関数msgnは、入力が
“1”のときにステートmへの遷移が存在するステート
m’の中で求め、第2項の関数msgnは、入力が
“0”のときにステートmへの遷移が存在するステート
m’の中で求めるものとする。
【0044】
【数18】
【0045】したがって、復号装置203は、Max−
Log−BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を
行う場合には、これらの関係に基づいて、図12に示す
一連の工程を経ることによって軟出力λを求める。
【0046】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS211において、y を受信する毎に、
上式(15)及び上式(17)を用いて、対数尤度Iα
(m)及びIγ(m’,m)を算出する。
【0047】続いて、復号装置203は、ステップS2
12において、系列Y の全てを受信した後に、上式
(16)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、対数尤度Iβ(m)を算出する。
【0048】そして、復号装置203は、ステップS2
13において、ステップS211及びステップS212
において算出した対数尤度Iα,Iβ及びIγ
上式(18)に代入し、各時刻tにおける対数軟出力I
λを算出する。
【0049】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることにより、Max−Log−BCJRアルゴリ
ズムを適用した軟出力復号を行うことができる。
【0050】このように、Max−Log−BCJRア
ルゴリズムは、積演算が含まれないことから、BCJR
アルゴリズムと比較して、演算量を大幅に削減すること
ができる。
【0051】つぎに、Log−BCJRアルゴリズムに
ついて説明する。Log−BCJRアルゴリズムは、M
ax−Log−BCJRアルゴリズムによる近似の精度
をより向上させたものである。具体的には、Log−B
CJRアルゴリズムは、上式(13)に示した確率の和
演算を次式(19)に示すように補正項を追加すること
で変形し、和演算の正確な対数値を求めるものである。
ここでは、このような補正をlog−sum補正と称す
るものとする。
【0052】
【数19】
【0053】ここで、上式(19)における左辺に示す
演算をlog−sum演算と称するものとし、このlo
g−sum演算の演算子を、「S. S. Pietrobon, “Imp
lementation and performance of a turbo/MAP decode
r”, Int. J. Satellite Commun., vol. 16, pp. 23-4
6, Jan.-Feb. 1998」に記載されている記数法を踏襲
し、次式(20)に示すように、便宜上“#”(ただ
し、同論文中では、“E”。)と表すものとする。
【0054】
【数20】
【0055】なお、上式(19)及び上式(20)は、
上述した定数sgnが“+1”の場合を示している。定
数sgnが“−1”の場合には、上式(19)及び上式
(20)に相当する演算は、それぞれ、次式(21)及
び次式(22)に示すようになる。
【0056】
【数21】
【0057】
【数22】
【0058】さらに、log−sum演算の累積加算演
算の演算子を、次式(23)に示すように、“#Σ”
(ただし、同論文中では、“E”。)と表すものとす
る。
【0059】
【数23】
【0060】これらの演算子を用いると、Log−BC
JRアルゴリズムにおける対数尤度Iα,Iβ及び
対数軟出力Iλは、それぞれ、次式(24)乃至次式
(26)に示すように表すことができる。なお、対数尤
度Iγは、上式(17)で表されるため、ここでは、
その記述を省略する。
【0061】
【数24】
【0062】
【数25】
【0063】
【数26】
【0064】なお、上式(24)における右辺のステー
トm’におけるlog−sum演算の累積加算演算は、
ステートmへの遷移が存在するステートm’の中で求め
るものとし、上式(25)における右辺のステートm’
におけるlog−sum演算の累積加算演算は、ステー
トmからの遷移が存在するステートm’の中で求めるも
のとする。また、上式(26)における右辺第1項のl
og−sum演算の累積加算演算は、入力が“1”のと
きにステートmへの遷移が存在するステートm’の中で
求め、第2項のlog−sum演算の累積加算演算は、
入力が“0”のときにステートmへの遷移が存在するス
テートm’の中で求めるものとする。
【0065】したがって、復号装置203は、Log−
BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を行う場合
には、これらの関係に基づいて、先に図12に示した一
連の工程を経ることによって軟出力λを求めることが
できる。
【0066】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS211において、y を受信する毎に、
上式(24)及び上式(17)を用いて、対数尤度Iα
(m)及びIγ(m’,m)を算出する。
【0067】続いて、復号装置203は、ステップS2
12において、系列Y の全てを受信した後に、上式
(25)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、対数尤度Iβ(m)を算出する。
【0068】そして、復号装置203は、ステップS2
13において、ステップS211及びステップS212
において算出した対数尤度Iα,Iβ及びIγ
上式(26)に代入し、各時刻tにおける対数軟出力I
λを算出する。
【0069】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることにより、Log−BCJRアルゴリズムを適
用した軟出力復号を行うことができる。なお、上式(1
9)及び上式(21)において、右辺第2項に示す補正
項は、変数|x−y|に対する1次元の関数で表される
ことから、復号装置203は、この値を図示しないRO
M(Read Only Memory)等にテーブルとして予め記憶さ
せておくことにより、正確な確率計算を行うことができ
る。
【0070】このようなLog−BCJRアルゴリズム
は、Max−Log−BCJRアルゴリズムと比較する
と演算量は増えるものの積演算を含むものではなく、そ
の出力は、量子化誤差を除けば、BCJRアルゴリズム
の軟出力の対数値そのものに他ならない。
【0071】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の復号
装置203においては、絶対値が無限大(∞)を含む演
算処理を行うことが可能である場合には、上述したMa
x−Log−BCJRアルゴリズム又はLog−BCJ
Rアルゴリズムを適用すると、入力される事前確率情報
(a priori probability information)や、算出される
対数軟出力Iλに対応する事後確率情報(a posterio
ri probability information)が、“∞”となる場合が
ある。
【0072】ここで、復号装置203をいわゆる繰り返
し復号に適用する場合には、任意の繰り返し回数におけ
る事前確率情報に対する算出された対数軟出力Iλ
増分を、次の繰り返し回数における事前確率情報として
用いる。そのため、繰り返し復号においては、この増分
である外部情報(extrinsic information)を算出する
際に、∞−∞を演算する必要が生じる場合がある。
【0073】しかしながら、復号装置203は、∞−∞
を演算する必要が生じた場合には、IEEE(The Inst
itute of Electrical and Electronics Engineers, In
c.)によって定められている規格に則って、演算結果と
してNaN(Not-a-Number)を返してしまう。したがっ
て、復号装置203は、数値ではないNaNが返される
ことにより、以降の演算処理を行うことが不可能となっ
てしまうという問題があった。これは、復号装置203
がハードウェアで構成されるかソフトウェアで構成され
るかに拘泥せずに生じる現象である。
【0074】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、∞−∞の演算を行う際に演算結果として
NaNを返さず、性能劣化なしに復号を行うことができ
る復号装置及び復号方法を提供することを目的とする。
【0075】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明にかかる復号装置は、軟入力とされる受信値に基
づいて任意のステートを通過する確率を対数表記した対
数尤度を求め、この対数尤度を用いて復号を行う復号装
置であって、受信値毎に、符号の出力パターンと受信値
によって決定される第1の確率を対数表記した第1の対
数尤度を算出する第1の確率算出手段と、第1の対数尤
度に基づいて、受信値毎に、符号化開始ステートから時
系列順に各ステートに至る第2の確率を対数表記した第
2の対数尤度を算出する第2の確率算出手段と、第1の
対数尤度に基づいて、受信値毎に、打ち切りステートか
ら時系列の逆順に各ステートに至る第3の確率を対数表
記した第3の対数尤度を算出する第3の確率算出手段
と、第1の対数尤度と、第2の対数尤度と、第3の対数
尤度とを用いて、対数軟出力を算出する軟出力算出手段
と、この軟出力算出手段から供給された対数軟出力と、
事前確率情報とを用いて、外部情報を算出する外部情報
算出手段とを備え、外部情報算出手段は、絶対値が無限
大である数値を含む演算処理を行うことが可能な演算系
を用いて、∞−∞の演算を∞又は絶対値が十分に大きな
正の所定値aとして行うことを特徴としている。
【0076】このような本発明にかかる復号装置は、外
部情報算出手段によって外部情報を算出する際に、∞−
∞の演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aと
して行う。
【0077】また、上述した目的を達成する本発明にか
かる復号方法は、軟入力とされる受信値に基づいて任意
のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
め、この対数尤度を用いて復号を行う復号方法であっ
て、受信値毎に、符号の出力パターンと受信値によって
決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤度を
算出する第1の確率算出工程と、第1の対数尤度に基づ
いて、受信値毎に、符号化開始ステートから時系列順に
各ステートに至る第2の確率を対数表記した第2の対数
尤度を算出する第2の確率算出工程と、第1の対数尤度
に基づいて、受信値毎に、打ち切りステートから時系列
の逆順に各ステートに至る第3の確率を対数表記した第
3の対数尤度を算出する第3の確率算出工程と、第1の
対数尤度と、第2の対数尤度と、第3の対数尤度とを用
いて、対数軟出力を算出する軟出力算出工程と、この軟
出力算出工程にて生成された対数軟出力と、事前確率情
報とを用いて、外部情報を算出する外部情報算出工程と
を備え、外部情報算出工程では、絶対値が無限大である
数値を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用い
て、∞−∞の演算が∞又は絶対値が十分に大きな正の所
定値aとして行われることを特徴としている。
【0078】このような本発明にかかる復号方法は、外
部情報算出工程にて外部情報を算出する際に、∞−∞の
演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aとして
行う。
【0079】さらに、上述した目的を達成する本発明に
かかる復号装置は、軟入力とされる受信値に基づいて任
意のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を
求め、この対数尤度を用いて復号を行う復号装置であっ
て、受信値毎に、符号の出力パターンと受信値によって
決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤度を
算出する第1の確率算出手段と、第1の対数尤度に基づ
いて、受信値毎に、符号化開始ステートから時系列順に
各ステートに至る第2の確率を対数表記した第2の対数
尤度を算出する第2の確率算出手段と、第1の対数尤度
に基づいて、受信値毎に、打ち切りステートから時系列
の逆順に各ステートに至る第3の確率を対数表記した第
3の対数尤度を算出する第3の確率算出手段と、第1の
対数尤度と、第2の対数尤度と、第3の対数尤度とを用
いて、対数軟出力を算出する軟出力算出手段と、この軟
出力算出手段から供給された対数軟出力と、事前確率情
報とを用いて、外部情報を算出する外部情報算出手段と
を備え、外部情報算出手段は、絶対値が無限大である数
値を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、
事前確率情報及び対数軟出力が±∞となった場合には、
表現可能な範囲の値である所定の有限値±y(y>0)
に置換して演算を行い、事前確率情報及び対数軟出力が
±∞以外の値の場合には、その値のまま演算を行うこと
を特徴としている。
【0080】このような本発明にかかる復号装置は、外
部情報算出手段によって外部情報を算出する際に、事前
確率情報及び対数軟出力が±∞となった場合には、所定
の有限値±yに置換して演算を行い、事前確率情報及び
対数軟出力が±∞以外の値の場合には、その値のまま演
算を行い、∞−∞の演算を0とする。
【0081】さらにまた、上述した目的を達成する本発
明にかかる復号方法は、軟入力とされる受信値に基づい
て任意のステートを通過する確率を対数表記した対数尤
度を求め、この対数尤度を用いて復号を行う復号方法で
あって、受信値毎に、符号の出力パターンと受信値によ
って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
度を算出する第1の確率算出工程と、第1の対数尤度に
基づいて、受信値毎に、符号化開始ステートから時系列
順に各ステートに至る第2の確率を対数表記した第2の
対数尤度を算出する第2の確率算出工程と、第1の対数
尤度に基づいて、受信値毎に、打ち切りステートから時
系列の逆順に各ステートに至る第3の確率を対数表記し
た第3の対数尤度を算出する第3の確率算出工程と、第
1の対数尤度と、第2の対数尤度と、第3の対数尤度と
を用いて、対数軟出力を算出する軟出力算出工程と、こ
の軟出力算出工程にて生成された対数軟出力と、事前確
率情報とを用いて、外部情報を算出する外部情報算出工
程とを備え、外部情報算出工程では、絶対値が無限大で
ある数値を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用
いて、事前確率情報及び対数軟出力が±∞となった場合
には、表現可能な範囲の値である所定の有限値±y(y
>0)に置換して演算が行われ、事前確率情報及び対数
軟出力が±∞以外の値の場合には、その値のまま演算が
行われることを特徴としている。
【0082】このような本発明にかかる復号方法は、外
部情報算出工程にて外部情報を算出する際に、事前確率
情報及び対数軟出力が±∞となった場合には、所定の有
限値±yに置換して演算を行い、事前確率情報及び対数
軟出力が±∞以外の値の場合には、その値のまま演算を
行い、∞−∞の演算を0とする。
【0083】また、上述した目的を達成する本発明にか
かる復号装置は、軟入力とされる受信値に基づいて任意
の状態を通過する確率を対数表記した対数尤度を求め、
この対数尤度を用いて、複数の要素符号をインターリー
バを介して連接して生成された符号を繰り返し復号する
復号装置であって、受信値及び/又は事前確率情報を入
力して軟出力復号を行い、各時刻における軟出力を対数
表記した対数軟出力及び/又は外部情報を生成する軟出
力復号手段を複数連接して備え、この軟出力復号手段
は、受信値毎に、符号の出力パターンと受信値によって
決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤度を
算出する第1の確率算出手段と、第1の対数尤度に基づ
いて、受信値毎に、符号化開始ステートから時系列順に
各ステートに至る第2の確率を対数表記した第2の対数
尤度を算出する第2の確率算出手段と、第1の対数尤度
に基づいて、受信値毎に、打ち切りステートから時系列
の逆順に各ステートに至る第3の確率を対数表記した第
3の対数尤度を算出する第3の確率算出手段と、第1の
対数尤度と、第2の対数尤度と、第3の対数尤度とを用
いて、対数軟出力を算出する軟出力算出手段と、この軟
出力算出手段から供給された対数軟出力と、事前確率情
報とを用いて、外部情報を算出する外部情報算出手段と
を有し、外部情報算出手段は、絶対値が無限大である数
値を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、
∞−∞の演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値
aとして行い、生成した外部情報を次段の軟出力復号手
段における事前確率情報として出力することを特徴とし
ている。
【0084】このような本発明にかかる復号装置は、各
要素符号に対応する各軟出力復号手段における外部情報
算出手段によって外部情報を算出する際に、∞−∞の演
算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aとして行
う。
【0085】さらに、上述した目的を達成する本発明に
かかる復号方法は、軟入力とされる受信値に基づいて任
意の状態を通過する確率を対数表記した対数尤度を求
め、この対数尤度を用いて、複数の要素符号をインター
リーブ工程を介して連接して生成された符号を繰り返し
復号する復号方法であって、受信値及び/又は事前確率
情報を入力して軟出力復号を行い、各時刻における軟出
力を対数表記した対数軟出力及び/又は外部情報を生成
する軟出力復号工程を備え、この軟出力復号工程は、受
信値毎に、符号の出力パターンと受信値によって決定さ
れる第1の確率を対数表記した第1の対数尤度を算出す
る第1の確率算出工程と、第1の対数尤度に基づいて、
受信値毎に、符号化開始ステートから時系列順に各ステ
ートに至る第2の確率を対数表記した第2の対数尤度を
算出する第2の確率算出工程と、第1の対数尤度に基づ
いて、受信値毎に、打ち切りステートから時系列の逆順
に各ステートに至る第3の確率を対数表記した第3の対
数尤度を算出する第3の確率算出工程と、第1の対数尤
度と、第2の対数尤度と、第3の対数尤度とを用いて、
対数軟出力を算出する軟出力算出工程と、この軟出力算
出工程にて生成された対数軟出力と、事前確率情報とを
用いて、外部情報を算出する外部情報算出工程とを有
し、外部情報算出工程では、絶対値が無限大である数値
を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、∞
−∞の演算が∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値a
として行われ、生成された外部情報が次回の軟出力復号
工程における事前確率情報として出力されることを特徴
としている。
【0086】このような本発明にかかる復号方法は、各
要素符号に対応する各軟出力復号工程における外部情報
算出工程にて外部情報を算出する際に、∞−∞の演算を
∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aとして行う。
【0087】さらにまた、上述した目的を達成する本発
明にかかる復号装置は、軟入力とされる受信値に基づい
て任意の状態を通過する確率を対数表記した対数尤度を
求め、この対数尤度を用いて、複数の要素符号をインタ
ーリーバを介して連接して生成された符号を繰り返し復
号する復号装置であって、受信値及び/又は事前確率情
報を入力して軟出力復号を行い、各時刻における軟出力
を対数表記した対数軟出力及び/又は外部情報を生成す
る軟出力復号手段を複数連接して備え、この軟出力復号
手段は、受信値毎に、符号の出力パターンと受信値によ
って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
度を算出する第1の確率算出手段と、第1の対数尤度に
基づいて、受信値毎に、符号化開始ステートから時系列
順に各ステートに至る第2の確率を対数表記した第2の
対数尤度を算出する第2の確率算出手段と、第1の対数
尤度に基づいて、受信値毎に、打ち切りステートから時
系列の逆順に各ステートに至る第3の確率を対数表記し
た第3の対数尤度を算出する第3の確率算出手段と、第
1の対数尤度と、第2の対数尤度と、第3の対数尤度と
を用いて、対数軟出力を算出する軟出力算出手段と、こ
の軟出力算出手段から供給された対数軟出力と、事前確
率情報とを用いて、外部情報を算出する外部情報算出手
段とを有し、外部情報算出手段は、絶対値が無限大であ
る数値を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用い
て、事前確率情報及び対数軟出力が±∞となった場合に
は、表現可能な範囲の値である所定の有限値±y(y>
0)に置換して演算を行い、事前確率情報及び対数軟出
力が±∞以外の値の場合には、その値のまま演算を行
い、生成した外部情報を次段の軟出力復号手段における
事前確率情報として出力することを特徴としている。
【0088】このような本発明にかかる復号装置は、各
要素符号に対応する各軟出力復号手段における外部情報
算出手段によって外部情報を算出する際に、事前確率情
報及び対数軟出力が±∞となった場合には、所定の有限
値±yに置換して演算を行い、事前確率情報及び対数軟
出力が±∞以外の値の場合には、その値のまま演算を行
い、∞−∞の演算を0とする。
【0089】また、上述した目的を達成する本発明にか
かる復号方法は、軟入力とされる受信値に基づいて任意
の状態を通過する確率を対数表記した対数尤度を求め、
この対数尤度を用いて、複数の要素符号をインターリー
ブ工程を介して連接して生成された符号を繰り返し復号
する復号方法であって、受信値及び/又は事前確率情報
を入力して軟出力復号を行い、各時刻における軟出力を
対数表記した対数軟出力及び/又は外部情報を生成する
軟出力復号工程を備え、この軟出力復号工程は、受信値
毎に、符号の出力パターンと受信値によって決定される
第1の確率を対数表記した第1の対数尤度を算出する第
1の確率算出工程と、第1の対数尤度に基づいて、受信
値毎に、符号化開始ステートから時系列順に各ステート
に至る第2の確率を対数表記した第2の対数尤度を算出
する第2の確率算出工程と、第1の対数尤度に基づい
て、受信値毎に、打ち切りステートから時系列の逆順に
各ステートに至る第3の確率を対数表記した第3の対数
尤度を算出する第3の確率算出工程と、第1の対数尤度
と、第2の対数尤度と、第3の対数尤度とを用いて、対
数軟出力を算出する軟出力算出工程と、この軟出力算出
工程にて生成された対数軟出力と、事前確率情報とを用
いて、外部情報を算出する外部情報算出工程とを有し、
外部情報算出工程では、絶対値が無限大である数値を含
む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、事前確
率情報及び対数軟出力が±∞となった場合には、表現可
能な範囲の値である所定の有限値±y(y>0)に置換
して演算が行われ、事前確率情報及び対数軟出力が±∞
以外の値の場合には、その値のまま演算が行われ、生成
された外部情報が次回の軟出力復号工程における事前確
率情報として出力されることを特徴としている。
【0090】このような本発明にかかる復号方法は、各
要素符号に対応する各軟出力復号工程における外部情報
算出工程にて外部情報を算出する際に、事前確率情報及
び対数軟出力が±∞となった場合には、所定の有限値±
yに置換して演算を行い、事前確率情報及び対数軟出力
が±∞以外の値の場合には、その値のまま演算を行い、
∞−∞の演算を0とする。
【0091】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0092】この実施の形態は、図1に示すように、デ
ィジタル情報を図示しない送信装置が備える符号化装置
1によって符号化し、その出力を雑音のある無記憶通信
路2を介して図示しない受信装置に入力して、この受信
装置が備える復号装置3によって復号する通信モデルに
適用したデータ送受信システムである。
【0093】このデータ送受信システムにおいて、復号
装置3は、符号化装置1によって符号化がなされた符号
の復号を行うものであって、「Robertson, Villebrun a
nd Hoeher, “A comparison of optimal and sub-optim
al MAP decoding algorithmsoperating in the domai
n”, IEEE Int. Conf. on Communications, pp. 1009-1
013, June 1995」に記載されているMax−Log−M
APアルゴリズム又はLog−MAPアルゴリズム(以
下、Max−Log−BCJRアルゴリズム又はLog
−BCJRアルゴリズムと称する。)に基づく最大事後
確率(MaximumA Posteriori probability;以下、MA
Pと記す。)復号を行うものとして構成され、いわゆる
確率α,β,γ、及び軟出力(soft-output)λ
を自然対数を用いて対数尤度(log likelihood)の形
式で対数表記した対数尤度Iα,Iβ,Iγ、及
びいわゆる事後確率情報(a posteriori probability i
nformation)に対応する対数軟出力Iλを求めるもの
である。特に、復号装置3は、絶対値が無限大(∞)で
ある数値を含む演算処理を行うことが可能であり、∞−
∞を演算する際に演算結果としてNaN(Not-a-Numbe
r)を返さず、復号処理を中止することがないものであ
る。
【0094】なお、以下では、復号装置3は、Log−
BCJRアルゴリズムに基づくMAP復号を行うものと
して説明する。また、以下では、符号化装置1が備える
シフトレジスタの内容を表すM個のステート(遷移状
態)をm(0,1,・・・,M−1)で表し、時刻tの
ステートをSで表す。さらに、1タイムスロットにk
ビットの情報が入力されるものとすると、時刻tにおけ
る入力をi=(it1,it2,・・・,itk)で
表し、入力系統をI =(i,i,・・・,
)で表す。このとき、ステートm’からステートm
への遷移がある場合には、その遷移に対応する情報ビッ
トをi(m’,m)=(i(m’,m),i
(m’,m),・・・,i(m’,m))で表す。
さらにまた、1タイムスロットにnビットの符号が出力
されるものとすると、時刻tにおける出力をx=(x
t1,xt2,・・・,xtn)で表し、出力系統をX
=(x,x ,・・・,x)で表す。このと
き、ステートm’からステートmへの遷移がある場合に
は、その遷移に対応する符号ビットをx(m’,m)=
(x(m’,m),x(m’,m),・・・,x
(m’,m))で表す。また、無記憶通信路2は、X
を入力とし、Y を出力するものとする。ここで、
1タイムスロットにnビットの受信値が出力されるもの
とすると、時刻tにおける出力をy=(yt1,y
t2,・・・,ytn)で表し、Y =(y
,・・・,y)で表す。
【0095】符号化装置1は、例えば、畳み込み符号、
ターボ符号と呼ばれる並列連接畳み込み符号(Parallel
Concatenated Convolutional Codes;以下、PCCC
と記す。)又は縦列連接畳み込み符号(Serially Conca
tenated Convolutional Codes;以下、SCCCと記
す。)等を、2相位相(Binary Phase Shift Keying;
以下、BPSKと記す。)変調方式や4相位相(Quadra
ture Phase Shift Keying;以下、QPSKと記す。)
変調方式等によって変調するものとして構成される。ま
た、符号化装置1は、例えば、畳み込み符号を8相位相
(8-Phase Shift Keying;8PSK)変調方式等によっ
て変調することで、信号点の配置と誤り訂正符号の復号
特性とを統括して考慮する符号化変調(Trellis Coded
Modulation;以下、TCMと記す。)を行うものとして
構成される。勿論、符号化装置1としては、PCCC又
はSCCCを応用して多値変調と組み合わせたターボ符
号化変調(Turbo Trellis Coded Modulation;以下、T
TCMと記す。)又は縦列連接符号化変調(Serial Con
catenated Trellis Coded Modulation;以下、SCTC
Mと記す。)を行うものも適用可能である。
【0096】ここでは説明の簡略化ために、符号化装置
1の一例として、差し当たって図2に示すように、3つ
の排他的論理和回路11,13,15と、2つのシフト
レジスタ12,14とを有し、拘束長が“3”の畳み込
み演算を行う符号化装置1’を採用して説明する。
【0097】排他的論理和回路11は、1ビットの入力
データit1と、排他的論理和回路13から供給される
データとを用いて排他的論理和演算を行い、演算結果を
シフトレジスタ12及び排他的論理和回路15に供給す
る。
【0098】シフトレジスタ12は、保持している1ビ
ットのデータを排他的論理和回路13及びシフトレジス
タ14に供給し続ける。そして、シフトレジスタ12
は、クロックに同期させて、排他的論理和回路11から
供給される1ビットのデータを新たに保持し、このデー
タを排他的論理和回路13及びシフトレジスタ14に新
たに供給する。
【0099】排他的論理和回路13は、シフトレジスタ
12,14から供給されるデータを用いて排他的論理和
演算を行い、演算結果を排他的論理和回路11に供給す
る。
【0100】シフトレジスタ14は、保持している1ビ
ットのデータを排他的論理和回路13,15に供給し続
ける。そして、シフトレジスタ14は、クロックに同期
させて、シフトレジスタ12から供給される1ビットの
データを新たに保持し、このデータを排他的論理和回路
13,15に新たに供給する。
【0101】排他的論理和回路15は、排他的論理和回
路11から供給されるデータと、シフトレジスタ14か
ら供給されるデータとを用いて排他的論理和演算を行
い、演算結果を2ビットの出力データxのうちの1ビ
ットの出力データxt2として外部に出力する。
【0102】このような符号化装置1’は、1ビットの
入力データit1を入力すると、この入力データit1
を、2ビットの出力データxのうちの組織成分の1ビ
ットの出力データxt1として、そのまま外部に出力す
るとともに、入力データi に対して再帰的畳み込み
演算を行い、演算結果を2ビットの出力データxのう
ちの他方の1ビットの出力データxt2として外部に出
力する。すなわち、符号化装置1’は、符号化率が“1
/2”の再帰的組織畳み込み演算を行い、出力データx
を外部に出力する。
【0103】この符号化装置1’におけるトレリスを記
述すると、図3に示すようになる。同図において、破線
で示すパスは、入力データit1が“0”の場合を示
し、実線で示すパスは、入力データit1が“1”の場
合を示している。また、各パスに付与されているラベル
は、2ビットの出力データxを示している。ここで
は、ステートは、シフトレジスタ12の内容とシフトレ
ジスタ14の内容とを順次並べたものであり、“0
0”、“10”、“01”、“11”のステート番号
を、それぞれ、“0”、“1”、“2”、“3”と表し
ている。このように、符号化装置1’におけるステート
数Mは4となり、トレリスは、各ステートから次時刻に
おけるステートへと2本のパスが到達する構造を有す
る。なお、以下の説明では、各ステート番号に対応する
ステートを指示する場合には、それぞれ、ステート0、
ステート1、ステート2、ステート3と称するものとす
る。
【0104】このような符号化装置1’によって符号化
された出力データxは、図示しない変調器によって所
定の変調方式による変調が施され、無記憶通信路2を介
して受信装置に出力される。
【0105】一方、復号装置3の一例であり、符号化装
置1’によって符号化がなされた符号の復号を行う復号
装置3’は、図4に示すように、各部を制御するコント
ローラ21と、第1の対数尤度である対数尤度Iγを算
出して記憶する第1の確率算出手段であるIγ算出・記
憶回路22と、第2の対数尤度である対数尤度Iαを算
出して記憶する第2の確率算出手段であるIα算出・記
憶回路23と、第3の対数尤度である対数尤度Iβを算
出して記憶する第3の確率算出手段であるIβ算出・記
憶回路24と、対数軟出力Iλを算出する軟出力算出
手段である軟出力算出回路25と、外部情報(extrinsi
c information)EXを算出する外部情報算出手段で
ある外部情報算出回路26とを備える。この復号装置
3’は、無記憶通信路2上で発生したノイズの影響によ
って軟入力(soft-input)とされる受信値yから対数
軟出力Iλを求めることにより、符号化装置1’にお
ける入力データit1を推定するものである。
【0106】コントローラ21は、Iγ算出・記憶回路
22、Iα算出・記憶回路23及びIβ算出・記憶回路
24に対して、それぞれ、コントロール信号SCγ,S
Cα及びSCβを供給し、各部の動作を制御する。
【0107】Iγ算出・記憶回路22は、受信値y
と、次式(27)に示す事前確率情報(a priori pro
bability information)APPとを入力し、コントロ
ーラ21から供給されたコントロール信号SCγによる
制御の下に、これらの受信値y及び事前確率情報AP
を用いて、受信値y毎に、次式(28)に示す演
算を行い、各時刻tにおける対数尤度Iγを算出して
記憶する。なお、次式(28)に示すsgnは、正負を
識別する符号を示す定数、すなわち、“+1”又は“−
1”のいずれかである。この定数sgnは、復号装置
3’が負値のみを扱う系として構成される場合には、
“+1”をとり、復号装置3’が正値のみを扱う系とし
て構成される場合には、“−1”をとる。すなわち、I
γ算出・記憶回路22は、受信値y毎に、符号の出力
パターンと受信値によって決定される確率γを対数表記
した対数尤度Iγ又は確率γを対数表記して正負識別符
号を反転した対数尤度Iγを算出する。なお、事前確率
情報APPは、次式(27)に示すように、入力デー
タit1が“1”である確率Pr{it1=1}と入力
データit1が“0”である確率Pr{it1=0}と
の比の自然対数値である対数尤度比(log likelihood r
atio)として与えられるものとする。また、事前確率情
報APPは、確率Pr{it1=1}又は確率Pr
{it1=0}として与えられ、確率Pr{it1
1}と確率Pr{it1=0}との和が“1”であるこ
とを考慮して、確率Pr{it1=1}の自然対数値と
確率Pr{it1=0}の自然対数値との差分値として
求められてもよい。
【0108】
【数27】
【0109】
【数28】
【0110】そして、Iγ算出・記憶回路22は、記憶
した対数尤度IγをIα算出・記憶回路23、Iβ算
出・記憶回路24及び軟出力算出回路25に供給する。
このとき、Iγ算出・記憶回路22は、Iα算出・記憶
回路23、Iβ算出・記憶回路24及び軟出力算出回路
25のそれぞれにおける処理に適した順序で対数尤度I
γを供給する。なお、以下の説明では、Iγ算出・記
憶回路22からIα算出・記憶回路23に供給される対
数尤度IγをIγ(α)と表し、Iγ算出・記憶回路
22からIβ算出・記憶回路24に供給される対数尤度
IγをIγ(β1),Iγ(β2)と表し、Iγ算出
・記憶回路22から軟出力算出回路25に供給される対
数尤度IγをIγ(λ)と表すものとする。
【0111】Iα算出・記憶回路23は、コントローラ
21から供給されたコントロール信号SCαによる制御
の下に、Iγ算出・記憶回路22から供給された対数尤
度Iγ(α)を用いて、次式(29)に示す演算を行
い、各時刻tにおける対数尤度Iαを算出して記憶す
る。なお、次式(29)における演算子“#”は、いわ
ゆるlog−sum演算を示すものであり、入力“0”
でステートm’からステートmへと遷移するときにおけ
る対数尤度と、入力“1”でステートm’’からステー
トmへと遷移するときにおける対数尤度とのlog−s
um演算を示すものである。より具体的には、Iα算出
・記憶回路23は、定数sgnが“+1”の場合には、
次式(30)に示す演算を行うことにより、一方、定数
sgnが“−1”の場合には、次式(31)に示す演算
を行うことにより、各時刻tにおける対数尤度Iα
算出する。すなわち、Iα算出・記憶回路23は、対数
尤度Iγに基づいて、受信値y毎に、符号化開始ステ
ートから時系列順に各ステートに至る確率αを対数表記
した対数尤度Iα又は確率αを対数表記して正負識別符
号を反転した対数尤度Iαを算出する。そして、Iα算
出・記憶回路23は、記憶した対数尤度Iαを軟出力
算出回路25に供給する。このとき、Iα算出・記憶回
路23は、軟出力算出回路25における処理に適した順
序で対数尤度Iαを供給する。なお、以下の説明で
は、Iα算出・記憶回路23から軟出力算出回路25に
供給される対数尤度IαをIα(λ)と表すものとす
る。
【0112】
【数29】
【0113】
【数30】
【0114】
【数31】
【0115】Iβ算出・記憶回路24は、コントローラ
21から供給されたコントロール信号SCβによる制御
の下に、Iγ算出・記憶回路22から供給された対数尤
度Iγ(β1),Iγ(β2)を用いて、次式(32)
に示す演算を行い、各時刻における2系統の対数尤度I
βを並列的に算出して記憶する。なお、次式(32)
における演算子“#”は、上述したように、log−s
um演算を示すものであり、入力“0”でステートm’
からステートmへと遷移するときにおける対数尤度と、
入力“1”でステートm’’からステートmへと遷移す
るときにおける対数尤度とのlog−sum演算を示す
ものである。より具体的には、Iβ算出・記憶回路24
は、定数sgnが“+1”の場合には、次式(33)に
示す演算を行うことにより、一方、定数sgnが“−
1”の場合には、次式(34)に示す演算を行うことに
より、各時刻tにおける対数尤度Iβを算出する。す
なわち、Iβ算出・記憶回路24は、対数尤度Iγに基
づいて、受信値y毎に、打ち切りステートから時系列
の逆順に各ステートに至る確率βを対数表記した対数尤
度Iβ又は確率βを対数表記して正負識別符号を反転し
た対数尤度Iβを算出する。そして、Iβ算出・記憶回
路24は、記憶した対数尤度Iβのうち、1系統の対
数尤度Iβを軟出力算出回路25に供給する。このと
き、Iβ算出・記憶回路24は、軟出力算出回路25に
おける処理に適した順序で対数尤度Iβ を供給する。
なお、以下の説明では、Iβ算出・記憶回路24から軟
出力算出回路25に供給される対数尤度IβをIβ
(λ)と表すものとする。
【0116】
【数32】
【0117】
【数33】
【0118】
【数34】
【0119】軟出力算出回路25は、Iγ算出・記憶回
路22から供給された対数尤度Iγ(λ)と、Iα算出
・記憶回路23から供給された対数尤度Iα(λ)と、
Iβ算出・記憶回路24から供給された対数尤度Iβ
(λ)とを用いて、次式(35)に示す演算を行い、各
時刻tにおける対数軟出力Iλを算出して記憶する。
このとき、軟出力算出回路25は、必要に応じて、情報
ビットに対する事後確率情報に対応する対数軟出力Iλ
Itと、符号ビットに対する事後確率情報に対応する対
数軟出力IλCtとを算出して記憶する。そして、軟出
力算出回路25は、記憶した対数軟出力IλIt及び/
又は対数軟出力IλCtを時系列順に並べ替えた後、外
部情報算出回路26に供給するか、若しくは、外部に出
力する。なお、次式(35)における演算子“#Σ”
は、上述した演算子“#”で表されるlog−sum演
算の累積加算演算を示すものである。
【0120】
【数35】
【0121】外部情報算出回路26は、軟出力算出回路
25から供給された対数軟出力Iλ と、事前確率情報
APPとを用いて、外部情報EXを算出する。具体
的には、外部情報算出回路26は、軟出力算出回路25
から供給された対数軟出力Iλと、事前確率情報AP
との差分値を外部情報EXとして算出する。この
とき、外部情報算出回路26は、必要に応じて、情報ビ
ットに対する外部情報EXItと、符号ビットに対する
外部情報EXCtとを算出する。外部情報算出回路26
は、算出した外部情報EXを外部に出力する。
【0122】このような復号装置3’は、受信装置によ
って受信された軟入力の受信値yを入力すると、Iγ
算出・記憶回路22により、受信値yを受信する毎
に、対数尤度Iγ(m’,m)を算出し、Iα算出・
記憶回路23により、対数尤度Iα(m)を算出した
後、全ての受信値yを受信すると、Iβ算出・記憶回
路24により、全ての時刻tにおける各ステートmにつ
いて、対数尤度Iβ(m)を算出する。そして、復号
装置3’は、軟出力算出回路25により、算出した対数
尤度Iα,Iβ及びIγを用いて、各時刻tにお
ける対数軟出力Iλを算出し、この対数軟出力Iλ
を外部に出力するか、若しくは、外部情報算出回路26
に供給する。また、復号装置3’は、外部情報算出回路
26により、各時刻tにおける外部情報EXを算出す
る。このように、復号装置3’は、Log−BCJRア
ルゴリズムを適用した軟出力復号を行うことができる。
【0123】なお、復号装置3’としては、後述する繰
り返し復号に適用しない場合には、外部情報算出回路2
6を設ける必要はなく、符号ビットに対する事前確率情
報に対応する対数軟出力IλCtを算出する必要もな
い。
【0124】さて、復号装置3’は、上述した定数sg
nが“+1”の場合には、事前確率情報APPと対数
軟出力Iλとが、ともに“−∞”となる場合がある。
この場合、復号装置3’は、外部情報算出回路26によ
り、−∞−(−∞)=−∞+∞という演算を行う必要が
ある。同様に、復号装置3’は、上述した定数sgnが
“−1”の場合には、事前確率情報APPと対数軟出
力Iλとが、ともに“+∞”となる場合がある。この
場合、復号装置3’は、外部情報算出回路26により、
∞−∞という演算を行う必要がある。
【0125】そこで、復号装置3’は、∞−∞=∞とし
て演算を行う。すなわち、復号装置3’は、事前確率情
報APPと対数軟出力Iλとが、ともに“−∞”で
あった場合には、外部情報算出回路26により、外部情
報EXとして、−∞−(−∞)=−∞+∞=−(∞−
∞)=−∞を算出し、事前確率情報APPと対数軟出
力Iλとが、ともに“+∞”であった場合には、外部
情報算出回路26により、外部情報EXとして、∞−
∞=∞を算出する。
【0126】このようにすることにより、復号装置3’
は、演算結果としてNaNを返すことがない。また、復
号装置3’は、後述する繰り返し復号に適用する場合に
は、次段に対して供給する事前確率情報APPとして
外部情報EXを供給するが、演算結果としてNaNを
返さないことから、復号処理を中止することがない。な
お、外部情報EXの算出の際に、∞−∞=∞という演
算結果を適用することによる性能劣化は生じないことが
実験的に確かめられている。
【0127】また、復号装置3’は、∞−∞の演算結果
として、“∞”の代わりに、絶対値が十分に大きな所定
値“a(a>0)”としてもよい。すなわち、復号装置
3’は、事前確率情報APPと対数軟出力Iλ
が、ともに“−∞”であった場合には、外部情報算出回
路26により、外部情報EXとして、−∞−(−∞)
=−∞+∞=−(∞−∞)=−aを算出し、事前確率情
報APPと対数軟出力Iλとが、ともに“+∞”で
あった場合には、外部情報算出回路26により、外部情
報EXとして、∞−∞=aを算出する。この場合の性
能劣化も生じないことが実験的に確かめられている。
【0128】さらに、復号装置3’は、次式(36)に
示すように、事前確率情報APP及び対数軟出力Iλ
が代入される変数xによって定義される関数f(x)
を導入し、変数xが“±∞”となった場合には、所定の
有限値“±y(y>0)”に置換して演算を行うことも
できる。具体的には、関数f(x)は、変数xが“±
∞”となった場合には、f(x)=f(±∞)=±yと
なり、変数xが“±∞”以外の値の場合には、f(x)
=xとなるものである。さらに換言すれば、復号装置
3’は、事前確率情報APP及び対数軟出力Iλ
“±∞”となった場合には、所定の有限値“±y”に置
換して演算を行い、事前確率情報APP及び対数軟出
力Iλが“±∞”以外の値の場合には、その値のまま
演算を行う。なお、所定の有限値±yは、復号装置3’
が表現可能な範囲の値であればよく、例えば±y=±7
00程度が考えられる。
【0129】
【数36】
【0130】このような関数f(x)を用いて演算を行
う復号装置3’は、事前確率情報APPと対数軟出力
Iλとが、ともに“−∞”であった場合には、外部情
報算出回路26により、関数fを用いてf(−∞)=−
yとし、外部情報EXとして、−∞−(−∞)→−y
−(−y)=−y+y=0を算出する。また、復号装置
3’は、事前確率情報APPと対数軟出力Iλ
が、ともに“+∞”であった場合には、外部情報算出回
路26により、関数f(x)を用いてf(+∞)=+y
とし、外部情報EXとして、∞−∞→y−y=0を算
出する。
【0131】このようにすることにより、復号装置3’
は、演算結果としてNaNを返すことがなく、後述する
繰り返し復号に適用する場合にも、復号処理を中止する
ことがない。なお、外部情報EXの算出の際に、±∞
→±yとして演算を行うことによる性能劣化は生じない
ことが実験的に確かめられている。
【0132】なお、復号装置3’は、関数f(x)を用
いることにより、結果的には、∞−∞=0として演算す
ることになる。そのため、変数xとして“±∞”が現れ
た場合のみ、∞−∞=0を返すようにすることも考えら
れるが、この場合には、性能が劣化することが実験的に
確かめられている。したがって、復号装置3’は、全て
の変数xについて関数f(x)を定義している。
【0133】つぎに、復号装置3がいわゆる繰り返し復
号を行うものとして構成される場合について説明する。
この場合、復号装置3は、上述した復号装置3’を応用
して構成される。
【0134】上述したように、符号化装置1としては、
畳み込み符号以外にも、PCCCやSCCCや、TTC
M方式やSCTCM方式を行うものとしても適用可能で
ある。この場合、復号装置3としては、上述したアルゴ
リズムに基づくMAP復号を行う複数の軟出力復号回路
をインターリーバやデインターリーバを介して連接する
ことにより、繰り返し復号を行うものとして構成され
る。ここでは、図5及び図6に示すPCCCによる符号
化・復号を行う符号化装置1’’及び復号装置3’’
と、図7及び図8に示すSCCCによる符号化・復号を
行う符号化装置1’’’及び復号装置3’’’とについ
て説明する。
【0135】まず、PCCCによる符号化を行う符号化
装置1’’と、この符号化装置1’’による符号の復号
を行う復号装置3’’について説明する。
【0136】符号化装置1’’としては、図5に示すよ
うに、入力したデータを遅延させる遅延器51と、畳み
込み演算を行う要素符号化器である2つの畳み込み符号
化器52,54と、入力したデータの順序を並べ替える
インターリーバ53とを備えるものがある。この符号化
装置1’’は、入力した1ビットの入力データit1
対して、符号化率が“1/3”の並列連接畳み込み演算
を行い、3ビットの出力データxt1,xt2,xt3
を生成し、例えばBPSK変調方式やQPSK変調方式
による変調を行う図示しない変調器を介して外部に出力
する。
【0137】遅延器51は、3ビットの出力データx
t1,xt2,xt3が出力されるタイミングを合わせ
るために備えられるものであって、1ビットの入力デー
タi を入力すると、この入力データit1をインタ
ーリーバ53が要する処理時間と同時間だけ遅延させ
る。遅延器51は、遅延させて得られた遅延データを、
3ビットの出力データxのうちの1ビットの出力デー
タxt1として外部に出力するとともに、後段の畳み込
み符号化器52に供給する。
【0138】畳み込み符号化器52は、遅延器51から
出力された1ビットの遅延データを入力すると、この遅
延データに対して畳み込み演算を行い、演算結果を3ビ
ットの出力データxのうちの1ビットの出力データx
t2として外部に出力する。
【0139】インターリーバ53は、1つのビット系列
からなる入力データit1を入力し、この入力データi
t1を構成する各ビットの順序を並べ替え、生成したイ
ンターリーブデータを後段の畳み込み符号化器54に供
給する。
【0140】畳み込み符号化器54は、インターリーバ
53から供給される1ビットのインターリーブデータを
入力すると、このインターリーブデータに対して畳み込
み演算を行い、演算結果を3ビットの出力データx
うちの1ビットの出力データxt3として外部に出力す
る。
【0141】このような符号化装置1’’は、1ビット
の入力データit1を入力すると、この入力データi
t1を組織成分の出力データxt1として、遅延器51
を介してそのまま外部に出力するとともに、畳み込み符
号化器52による遅延データの畳み込み演算の結果得ら
れる出力データxt2と、畳み込み符号化器54による
インターリーブデータの畳み込み演算の結果得られる出
力データxt3とを外部に出力することにより、全体と
して、符号化率が“1/3”の並列連接畳み込み演算を
行う。この符号化装置1’’によって符号化されたデー
タは、図示しない変調器によって所定の変調方式に基づ
いて信号点のマッピングが行われ、無記憶通信路2を介
して受信装置に出力される。
【0142】一方、符号化装置1’’による符号の復号
を行う復号装置3’’は、図6に示すように、符号化装
置1’’における要素符号化器である畳み込み符号化器
52,54に対応した復号処理を行う、要素符号の数と
繰り返し復号の繰り返し回数Mとの積、すなわち、2×
M個の処理回路6111,6112,・・・,6
,61M2を備える。この復号装置3’’は、無
記憶通信路2上で発生したノイズの影響によって軟入力
とされる受信値yから繰り返し復号によって復号デー
タDECを求めることにより、符号化装置1’’にお
ける入力データit1を推定するものである。
【0143】ここで、処理回路6111,6112,・
・・,61M1,61M2のうち、処理回路61i1
表されるものは、符号化装置1’’における畳み込み符
号化器52に対応して備えられ、且つ、繰り返し回数i
回目の復号処理を行うものを示し、処理回路61i2
表されるものは、符号化装置1’’における畳み込み符
号化器54に対応して備えられ、且つ、繰り返し回数i
回目の復号処理を行うものを示している。
【0144】具体的には、処理回路6111は、入力し
たデータを遅延させる遅延手段である遅延器62
11と、軟出力復号を行う軟出力復号手段である軟出力
復号回路6311と、入力したデータの順序を並べ替え
るインターリーブ手段であるインターリーバ6411
を有する。
【0145】遅延器6211は、インターリーバ64
11から出力される事前確率情報APPt12と、次段
の処理回路6112に入力される受信値yとが出力さ
れるタイミングを合わせるために備えられるものであっ
て、受信値yを入力すると、この受信値yを軟出力
復号回路6311及びインターリーバ6411が要する
処理時間と同時間だけ遅延させる。遅延器6211は、
遅延させた受信値yを、次段の処理回路6112に供
給する。
【0146】軟出力復号回路6311は、符号化装置
1’’における畳み込み符号化器52に対応して備えら
れるものであり、図示しないが、上述した復号装置3’
と同様の構成からなる。軟出力復号回路6311は、受
信値y及び事前確率情報APPを用いて、復号装置
3’と同様の処理による軟出力復号を行う。このとき、
軟出力復号回路6311は、上述した復号装置3’と同
様に、∞−∞の演算を“∞”又は絶対値が十分に大きな
所定値“a”とするか、又は、関数f(x)を用いて行
う。軟出力復号回路6311は、符号の拘束条件によっ
て求められる情報ビットに対する外部情報EXt11
算出し、この外部情報EXt11を後段のインターリー
バ6411に軟出力として供給する。なお、軟出力復号
回路63 は、上述した復号装置3’のように、情報
ビットに対する対数軟出力を出力する必要はなく、符号
ビットに対する対数軟出力及び外部情報を算出する必要
もない。
【0147】インターリーバ6411は、軟出力復号回
路6311から出力された軟入力である情報ビットに対
する外部情報EXt11に対して、符号化装置1’’に
おけるインターリーバ53と同一の置換位置情報に基づ
いたインターリーブを施す。インターリーバ64
11は、インターリーブして得られた外部情報を、次段
の処理回路6112における情報ビットに対する事前確
率情報APPt12として、次段の処理回路6112
供給する。
【0148】また、処理回路6112は、入力したデー
タを遅延させる遅延手段である遅延器6212と、軟出
力復号を行う軟出力復号手段である軟出力復号回路63
12と、入力したデータの順序を元に戻すデインターリ
ーブ手段であるデインターリーバ6412とを有する。
【0149】遅延器6212は、デインターリーバ63
12から出力される事前確率情報APPt21と、図示
しない次段の処理回路6121に入力される受信値y
とが出力されるタイミングを合わせるために備えられる
ものであって、処理回路61 11から供給された受信値
を入力すると、この受信値yを軟出力復号回路6
12及びデインターリーバ6412が要する処理時間
と同時間だけ遅延させる。遅延器6212は、遅延させ
た受信値yを、図示しない次段の処理回路6121
供給する。
【0150】軟出力復号回路6312は、符号化装置
1’’における畳み込み符号化器54に対応して備えら
れるものであり、図示しないが、上述した復号装置3’
と同様の構成からなる。軟出力復号回路6312は、処
理回路6111から供給された受信値y及び事前確率
情報APPt12を用いて、復号装置3’と同様の処理
による軟出力復号を行う。このとき、軟出力復号回路6
12は、軟出力復号回路6311と同様に、∞−∞の
演算を“∞”又は絶対値が十分に大きな所定値“a”と
するか、又は、関数f(x)を用いて行う。軟出力復号
回路6312は、符号の拘束条件によって求められる情
報ビットに対する外部情報EXt12を算出し、この外
部情報EXt12を後段のデインターリーバ6412
軟出力として供給する。なお、軟出力復号回路6312
は、上述した復号装置3’のように、情報ビットに対す
る対数軟出力を出力する必要はなく、符号ビットに対す
る対数軟出力及び外部情報を算出する必要もない。
【0151】デインターリーバ6412は、符号化装置
1’’におけるインターリーバ53によりインターリー
ブされたインターリーブデータのビット配列を、それぞ
れ、元の入力データit1のビット配列に戻すように、
軟出力復号回路6312から出力された軟入力である情
報ビットに対する外部情報EXt12にデインターリー
ブを施す。デインターリーバ6412は、デインターリ
ーブして得られた外部情報を、図示しない次段の処理回
路6121における情報ビットに対する事前確率情報A
PPt21として、図示しない次段の処理回路6121
に供給する。
【0152】さらに、処理回路61M1は、処理回路6
11と同様に、入力したデータを遅延させる遅延手段
である遅延器62M1と、軟出力復号を行う軟出力復号
手段である軟出力復号回路63M1と、入力したデータ
の順序を並べ替えるインターリーブ手段であるインター
リーバ64M1とを有する。処理回路61M1は、図示
しない処理回路61M−11から供給された受信値y
及び事前確率情報APPtM1を用いて、処理回路61
11と同様の処理を行い、得られた外部情報を、次段の
処理回路61M2における情報ビットに対する事前確率
情報APPtM として、最終段の処理回路61M2
供給する。なお、処理回路61M1は、軟出力復号回路
63M1により、軟出力復号回路6311と同様に、∞
−∞の演算を“∞”又は絶対値が十分に大きな所定値
“a”とするか、又は、関数f(x)を用いて行う。
【0153】最終段の処理回路61M2は、処理回路6
12と同様に、入力したデータを遅延させる遅延手段
である遅延器62M2と、軟出力復号を行う軟出力復号
手段である軟出力復号回路63M2と、入力したデータ
の順序を元に戻すデインターリーブ手段であるデインタ
ーリーバ64M2とを有する他、2つのデータを加算す
る加算器65M2を有する。処理回路61M2は、処理
回路61M1から供給されて遅延器62M2によって遅
延させた受信値yを出力しないか、若しくは、処理回
路61M1から供給された受信値yを遅延器62M2
に入力させない。また、処理回路61M2は、処理回路
6112における軟出力復号回路63 と同様の処理
によって得られた情報ビットに対する外部情報EX
tM2と、情報ビットに対する事前確率情報として処理
回路61M1から供給された事前確率情報APPtM2
とを加算器65M2によって加算し、さらにデインター
リーバ64M2によってデインターリーブを施して得ら
れた復号データDECを外部に出力する。なお、処理
回路61M2は、処理回路61M1と同様に、軟出力復
号回路63M2により、∞−∞の演算を“∞”又は絶対
値が十分に大きな所定値“a”とするか、又は、関数f
(x)を用いて行う。
【0154】このような復号装置3’’は、符号化装置
1’’における畳み込み符号化器52,54のそれぞれ
に対応する軟出力復号回路63i1,63i2を備える
ことにより、復号複雑度が高い符号を複雑度の小さい要
素に分解し、軟出力復号回路63i1,63i2の間の
相互作用によって特性を逐次的に向上させることができ
る。復号装置3’’は、受信値yを受信すると、2×
M個の処理回路61 ,6112,・・・,6
M1,61M2により、繰り返し回数がMの繰り返し
復号を行い、この復号動作の結果得られた軟出力の外部
情報EXtM2に基づいて、復号データDECを出力
する。
【0155】そして、復号装置3’’は、∞−∞の演算
を“∞”又は絶対値が十分に大きな所定値“a”とする
か、又は、関数f(x)を用いて行うことにより、復号
装置3’と同様に、演算結果としてNaNを返すことが
なく、復号処理を中止することを回避することができ、
性能劣化なしに高精度の復号を行うことができる。
【0156】なお、復号装置3’’としては、処理回路
6111,6112,・・・,61 M1,61M2の構
成を同一としてもよい。この場合、処理回路6111
61 12,・・・,61M1は、処理回路61M2と同
様に、加算器を有することになるが、これらの加算器を
機能させない旨の制御信号によって機能を切り替えれば
よい。
【0157】また、復号装置3’’としては、2つの軟
出力復号回路をインターリーバ及びデインターリーバを
介して接続し、いわゆる時分割多重によって繰り返し復
号を行うようにしてもよい。
【0158】つぎに、SCCCによる符号化を行う符号
化装置1’’’と、この符号化装置1’’’による符号
の復号を行う復号装置3’’’について説明する。
【0159】符号化装置1’’’としては、図7に示す
ように、外符号と呼ばれる符号の符号化を行う畳み込み
符号化器71と、入力したデータの順序を並べ替えるイ
ンターリーバ72と、内符号と呼ばれる符号の符号化を
行う畳み込み符号化器73とを備えるものがある。この
符号化装置1’’’は、入力した1ビットの入力データ
t1に対して、符号化率が“1/3”の縦列連接畳み
込み演算を行い、3ビットの出力データxt1
t2,xt3を生成し、例えばBPSK変調方式やQ
PSK変調方式による変調を行う図示しない変調器を介
して外部に出力する。
【0160】畳み込み符号化器71は、1ビットの入力
データit1を入力すると、この入力データit1に対
して畳み込み演算を行い、演算結果を2ビットの符号化
データとして後段のインターリーバ72に供給する。す
なわち、畳み込み符号化器71は、外符号の符号化とし
て符号化率が“1/2”の畳み込み演算を行い、生成し
た符号化データを後段のインターリーバ72に供給す
る。
【0161】インターリーバ72は、畳み込み符号化器
71から供給された2つのビット系列からなる符号化デ
ータを入力し、これらの符号化データを構成する各ビッ
トの順序を並べ替え、生成した2つのビット系列からな
るインターリーブデータを後段の畳み込み符号化器73
に供給する。
【0162】畳み込み符号化器73は、インターリーバ
72から供給される2ビットのインターリーブデータを
入力すると、これらのインターリーブデータに対して畳
み込み演算を行い、演算結果を3ビットの出力データx
t1,xt2,xt3として外部に出力する。すなわ
ち、畳み込み符号化器73は、内符号の符号化として符
号化率が“2/3”の畳み込み演算を行い、出力データ
を外部に出力する。
【0163】このような符号化装置1’’’は、畳み込
み符号化器71によって外符号の符号化として符号化率
が“1/2”の畳み込み演算を行い、畳み込み符号化器
73によって内符号の符号化として符号化率が“2/
3”の畳み込み演算を行うことにより、全体として、符
号化率が“(1/2)×(2/3)=1/3”の縦列連
接畳み込み演算を行う。この符号化装置1’’’によっ
て符号化されたデータは、図示しない変調器によって所
定の変調方式に基づいて信号点のマッピングが行われ、
無記憶通信路2を介して受信装置に出力される。
【0164】一方、符号化装置1’’’による符号の復
号を行う復号装置3’’’は、図8に示すように、符号
化装置1’’’における要素符号化器である畳み込み符
号化器71,73に対応した復号処理を行う、要素符号
の数と繰り返し復号の繰り返し回数Mとの積、すなわ
ち、2×M個の処理回路8111,8112,・・・,
81M1,81M2を備える。この復号装置3’’’
は、無記憶通信路2上で発生したノイズの影響によって
軟入力とされる受信値yから繰り返し復号によって復
号データDECを求めることにより、符号化装置
1’’’における入力データit1を推定するものであ
る。
【0165】ここで、処理回路8111,8112,・
・・,81M1,81M2のうち、処理回路81i1
表されるものは、符号化装置1’’’における内符号の
符号化を行う畳み込み符号化器73に対応して備えら
れ、且つ、繰り返し回数i回目の復号処理を行うものを
示し、処理回路81i2で表されるものは、符号化装置
1’’’における外符号の符号化を行う畳み込み符号化
器71に対応して備えられ、且つ、繰り返し回数i回目
の復号処理を行うものを示している。
【0166】具体的には、処理回路8111は、入力し
たデータを遅延させる遅延手段である遅延器82
11と、軟出力復号を行う軟出力復号手段である軟出力
復号回路8311と、入力したデータの順序を元に戻す
デインターリーブ手段であるデインターリーバ8411
とを有する。
【0167】遅延器8211は、デインターリーバ84
11から出力される事前確率情報APPt12と、次段
の処理回路8112に入力される受信値yとが出力さ
れるタイミングを合わせるために備えられるものであっ
て、受信値yを入力すると、この受信値yを軟出力
復号回路8311及びデインターリーバ8411が要す
る処理時間と同時間だけ遅延させる。遅延器82
11は、遅延させた受信値y を、次段の処理回路81
12に供給する。
【0168】軟出力復号回路8311は、符号化装置
1’’’における畳み込み符号化器73に対応して備え
られるものであり、図示しないが、上述した復号装置
3’と同様の構成からなる。軟出力復号回路83
11は、受信値y及び事前確率情報APPを用い
て、復号装置3’と同様の処理による内符号の軟出力復
号を行う。このとき、軟出力復号回路8311は、∞−
∞の演算を“∞”又は絶対値が十分に大きな所定値
“a”とするか、又は、関数f(x)を用いて行う。軟
出力復号回路8311は、符号の拘束条件によって求め
られる情報ビットに対する外部情報EXt11を算出
し、この外部情報EXt11を後段のデインターリーバ
84 11に軟出力として供給する。この外部情報EX
t11は、符号化装置1’’’におけるインターリーバ
72によってインターリーブされたインターリーブデー
タに対応するものである。なお、軟出力復号回路83
11は、上述した復号装置3’のように、情報ビットに
対する対数軟出力を出力する必要はなく、符号ビットに
対する対数軟出力及び外部情報を算出する必要もない。
【0169】デインターリーバ8411は、符号化装置
1’’’におけるインターリーバ72によってインター
リーブされたインターリーブデータのビット配列を、そ
れぞれ、元の入力データit1のビット配列に戻すよう
に、軟出力復号回路8311から出力された軟入力であ
る情報ビットに対する外部情報EXt11にデインター
リーブを施す。デインターリーバ8411は、デインタ
ーリーブして得られた外部情報を、次段の処理回路81
12における符号ビットに対する事前確率情報APP
t12として、次段の処理回路8112に供給する。
【0170】また、処理回路8112は、入力したデー
タを遅延させる遅延手段である遅延器8212と、軟出
力復号を行う軟出力復号手段である軟出力復号回路83
12と、入力したデータの順序を並べ替えるインターリ
ーブ手段であるインターリーバ8412とを有する。
【0171】遅延器8212は、インターリーバ84
12から出力される事前確率情報APPt21と、図示
しない次段の処理回路8121に入力される受信値y
とが出力されるタイミングを合わせるために備えられる
ものであって、処理回路81 から供給された受信値
を入力すると、この受信値yを軟出力復号回路8
12及びインターリーバ8412が要する処理時間と
同時間だけ遅延させる。遅延器8212は、遅延させた
受信値yを、図示しない次段の処理回路81 に供
給する。
【0172】軟出力復号回路8312は、符号化装置
1’’’における畳み込み符号化器71に対応して備え
られるものであり、図示しないが、上述した復号装置
3’と同様の構成からなる。軟出力復号回路83
12は、処理回路8111から供給された事前確率情報
APPt12と、値が“0”である情報ビットに対する
事前確率情報とを入力し、これらの事前確率情報を用い
て、復号装置3’と同様の処理による外符号の軟出力復
号を行う。このとき、軟出力復号回路8312は、軟出
力復号回路8311と同様に、∞−∞の演算を“∞”又
は絶対値が十分に大きな所定値“a”とするか、又は、
関数f(x)を用いて行う。軟出力復号回路83
は、符号の拘束条件によって求められる符号ビット
に対する外部情報EXt1 を算出し、この外部情報E
t12を後段のインターリーバ8412に軟出力とし
て供給する。なお、軟出力復号回路8312は、上述し
た復号装置3’のように、符号ビットに対する対数軟出
力を出力する必要はなく、情報ビットに対する対数軟出
力及び外部情報を算出する必要もない。
【0173】インターリーバ8412は、軟出力復号回
路8312から出力された軟入力である符号ビットに対
する外部情報EXt12に対して、符号化装置1’’’
におけるインターリーバ72と同一の置換位置情報に基
づいたインターリーブを施す。インターリーバ8412
は、インターリーブして得られた外部情報を、図示しな
い次段の処理回路8121における情報ビットに対する
事前確率情報APP 21として、図示しない次段の処
理回路8121に供給する。
【0174】さらに、処理回路81M1は、処理回路8
11と同様に、入力したデータを遅延させる遅延手段
である遅延器82M1と、軟出力復号を行う軟出力復号
手段である軟出力復号回路83M1と、入力したデータ
の順序を元に戻すデインターリーブ手段であるデインタ
ーリーバ84M1とを有する。処理回路81M1は、図
示しない処理回路81M−11から供給された受信値y
及び事前確率情報APPtM1を用いて、処理回路8
11と同様の処理を行い、得られた外部情報を、次段
の処理回路81M2における符号ビットに対する事前確
率情報APP M2として、最終段の処理回路81M2
に供給する。なお、処理回路81M1は、軟出力復号回
路83M1により、軟出力復号回路8311と同様に、
∞−∞の演算を“∞”又は絶対値が十分に大きな所定値
“a”とするか、又は、関数f(x)を用いて行う。な
お、処理回路81M1は、図示しない処理回路81
M−1 から供給されて遅延器82M1によって遅延さ
せた受信値yを次段の処理回路81M2に供給しない
か、若しくは、処理回路81M−11から供給された受
信値yを遅延器82M1に入力させなくてもよい。
【0175】最終段の処理回路81M2は、処理回路8
12と同様に、入力したデータを遅延させる遅延手段
である遅延器82M2と、軟出力復号を行う軟出力復号
手段である軟出力復号回路83M2と、入力したデータ
の順序を並べ替えるインターリーブ手段であるインター
リーバ84M2とを有する。処理回路81M2は、処理
回路81M1から供給されて遅延器82M2によって遅
延させた受信値yを出力しないか、若しくは、処理回
路81M1から供給された受信値yを遅延器82M2
に入力させない。また、処理回路81M2は、処理回路
8112における軟出力復号回路8312のように、符
号ビットに対する外部情報を算出して出力する必要はな
い。処理回路81M2は、情報ビットに対する外部情報
EXtM を算出し、この外部情報EXtM2を、復号
データDECとして外部に出力する。なお、処理回路
81M2は、処理回路81M1と同様に、軟出力復号回
路83M2により、∞−∞の演算を“∞”又は絶対値が
十分に大きな所定値“a”とするか、又は、関数f
(x)を用いて行う。
【0176】このような復号装置3’’’は、上述した
復号装置3’’と同様に、符号化装置1’’’における
畳み込み符号化器73,71のそれぞれに対応する軟出
力復号回路83i1,83i2を備えることにより、復
号複雑度が高い符号を複雑度の小さい要素に分解し、軟
出力復号回路83i1,83i2の間の相互作用によっ
て特性を逐次的に向上させることができる。復号装置
3’’’は、受信値yを受信すると、2×M個の処理
回路8111,8112,・・・,81M1,81M2
により、繰り返し回数がMの繰り返し復号を行い、この
復号動作の結果得られた軟出力の外部情報EXtM2
基づいて、復号データDECを出力する。
【0177】そして、復号装置3’’’は、∞−∞の演
算を“∞”又は絶対値が十分に大きな所定値“a”とす
るか、又は、関数f(x)を用いて行うことにより、復
号装置3’と同様に、演算結果としてNaNを返すこと
がなく、復号処理を中止することを回避することがで
き、性能劣化なしに高精度の復号を行うことができる。
【0178】なお、復号装置3’’’としては、情報ビ
ットに対する外部情報EXtM2は、情報ビットに対す
る対数軟出力IλtM2と等しいことから、外部情報E
M2を復号データDECとして出力するのではな
く、対数軟出力IλtM2を復号データDECとして
出力するようにしてもよい。
【0179】また、復号装置3’’としては、2つの軟
出力復号回路をインターリーバ及びデインターリーバを
介して接続し、時分割多重によって繰り返し復号を行う
ようにしてもよい。
【0180】さらにまた、TTCM方式による符号の復
号を行う復号装置は、上述した復号装置3’’と同様の
構成で実現することができ、受信値yとして、同相成
分及び直交成分のシンボルを直接入力する。また、SC
TCM方式による符号の復号を行う復号装置について
は、上述した復号装置3’’’と同様の構成で実現する
ことができ、この場合も、受信値yとして、同相成分
及び直交成分のシンボルを直接入力することになる。
【0181】以上説明したように、符号化装置1と復号
装置3とを用いて構成されるデータ送受信システムにお
いて、復号装置3は、∞−∞の演算を“∞”又は絶対値
が十分に大きな所定値“a”とするか、又は、関数f
(x)を用いて行うことにより、∞−∞の演算結果とし
てNaNを返すことがなく、復号処理を中止することを
回避することができ、性能劣化なしに高精度の復号を行
うことができる。
【0182】すなわち、これらの符号化装置1と復号装
置3とを用いて構成されるデータ送受信システムは、高
性能での復号を実現するものであり、ユーザに高い信頼
性及び利便性を提供することができるものである。
【0183】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、例えば、符号化装置としては、
畳み込み演算を行うものでなくてもよく、また、いかな
る符号化率の符号化を行うものであってもよい。
【0184】また、上述した実施の形態では、復号装置
として、Log−BCJRアルゴリズムに基づくMAP
復号を行うものとして説明したが、本発明は、Max−
Log−BCJRアルゴリズムに基づくMAP復号を行
う復号装置であっても適用可能である。
【0185】さらに、上述した実施の形態では、符号化
装置及び復号装置として、ハードウェアによる構成を主
眼に説明したが、本発明は、ソフトウェアで実現する場
合にも容易に適用できるものである。
【0186】さらにまた、上述した実施の形態では、符
号化装置及び復号装置をデータ送受信システムにおける
送信装置及び受信装置に適用して説明したが、本発明
は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、CD−R
OM又はMO(Magneto Optical)といった磁気、光又
は光磁気ディスク等の記録媒体に対する記録及び/又は
再生を行う記録及び/又は再生装置に適用することもで
きる。この場合、符号化装置によって符号化されたデー
タは、無記憶通信路に等価とされる記録媒体に記録さ
れ、復号装置によって復号されて再生される。
【0187】以上のように、本発明は、その趣旨を逸脱
しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもな
い。
【0188】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる復号装置は、軟入力とされる受信値に基づいて任意
のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
め、この対数尤度を用いて復号を行う復号装置であっ
て、受信値毎に、符号の出力パターンと受信値によって
決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤度を
算出する第1の確率算出手段と、第1の対数尤度に基づ
いて、受信値毎に、符号化開始ステートから時系列順に
各ステートに至る第2の確率を対数表記した第2の対数
尤度を算出する第2の確率算出手段と、第1の対数尤度
に基づいて、受信値毎に、打ち切りステートから時系列
の逆順に各ステートに至る第3の確率を対数表記した第
3の対数尤度を算出する第3の確率算出手段と、第1の
対数尤度と、第2の対数尤度と、第3の対数尤度とを用
いて、対数軟出力を算出する軟出力算出手段と、この軟
出力算出手段から供給された対数軟出力と、事前確率情
報とを用いて、外部情報を算出する外部情報算出手段と
を備え、外部情報算出手段は、絶対値が無限大である数
値を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、
∞−∞の演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値
aとして行う。
【0189】したがって、本発明にかかる復号装置は、
外部情報算出手段によって外部情報を算出する際に、∞
−∞の演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値a
として行うことにより、∞−∞の演算結果としてNaN
を返すことがなく、復号処理を中止することを回避する
ことができ、性能劣化なしに高精度の復号を行うことが
できる。
【0190】また、本発明にかかる復号方法は、軟入力
とされる受信値に基づいて任意のステートを通過する確
率を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用い
て復号を行う復号方法であって、受信値毎に、符号の出
力パターンと受信値によって決定される第1の確率を対
数表記した第1の対数尤度を算出する第1の確率算出工
程と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、符号化
開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の確
率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確率
算出工程と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、
打ち切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る
第3の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第
3の確率算出工程と、第1の対数尤度と、第2の対数尤
度と、第3の対数尤度とを用いて、対数軟出力を算出す
る軟出力算出工程と、この軟出力算出工程にて生成され
た対数軟出力と、事前確率情報とを用いて、外部情報を
算出する外部情報算出工程とを備え、外部情報算出工程
では、絶対値が無限大である数値を含む演算処理を行う
ことが可能な演算系を用いて、∞−∞の演算が∞又は絶
対値が十分に大きな正の所定値aとして行われる。
【0191】したがって、本発明にかかる復号方法は、
外部情報算出工程にて外部情報を算出する際に、∞−∞
の演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aとし
て行うことにより、∞−∞の演算結果としてNaNを返
すことがなく、復号処理を中止することを回避すること
が可能となり、性能劣化なしに高精度の復号を行うこと
が可能となる。
【0192】さらに、本発明にかかる復号装置は、軟入
力とされる受信値に基づいて任意のステートを通過する
確率を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用
いて復号を行う復号装置であって、受信値毎に、符号の
出力パターンと受信値によって決定される第1の確率を
対数表記した第1の対数尤度を算出する第1の確率算出
手段と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、符号
化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
率算出手段と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎
に、打ち切りステートから時系列の逆順に各ステートに
至る第3の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出す
る第3の確率算出手段と、第1の対数尤度と、第2の対
数尤度と、第3の対数尤度とを用いて、対数軟出力を算
出する軟出力算出手段と、この軟出力算出手段から供給
された対数軟出力と、事前確率情報とを用いて、外部情
報を算出する外部情報算出手段とを備え、外部情報算出
手段は、絶対値が無限大である数値を含む演算処理を行
うことが可能な演算系を用いて、事前確率情報及び対数
軟出力が±∞となった場合には、表現可能な範囲の値で
ある所定の有限値±y(y>0)に置換して演算を行
い、事前確率情報及び対数軟出力が±∞以外の値の場合
には、その値のまま演算を行う。
【0193】したがって、本発明にかかる復号装置は、
外部情報算出手段によって外部情報を算出する際に、事
前確率情報及び対数軟出力が±∞となった場合には、所
定の有限値±yに置換して演算を行い、事前確率情報及
び対数軟出力が±∞以外の値の場合には、その値のまま
演算を行い、∞−∞の演算を0とすることにより、∞−
∞の演算結果としてNaNを返すことがなく、復号処理
を中止することを回避することができ、性能劣化なしに
高精度の復号を行うことができる。
【0194】さらにまた、本発明にかかる復号方法は、
軟入力とされる受信値に基づいて任意のステートを通過
する確率を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度
を用いて復号を行う復号方法であって、受信値毎に、符
号の出力パターンと受信値によって決定される第1の確
率を対数表記した第1の対数尤度を算出する第1の確率
算出工程と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、
符号化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第
2の確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2
の確率算出工程と、第1の対数尤度に基づいて、受信値
毎に、打ち切りステートから時系列の逆順に各ステート
に至る第3の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出
する第3の確率算出工程と、第1の対数尤度と、第2の
対数尤度と、第3の対数尤度とを用いて、対数軟出力を
算出する軟出力算出工程と、この軟出力算出工程にて生
成された対数軟出力と、事前確率情報とを用いて、外部
情報を算出する外部情報算出工程とを備え、外部情報算
出工程では、絶対値が無限大である数値を含む演算処理
を行うことが可能な演算系を用いて、事前確率情報及び
対数軟出力が±∞となった場合には、表現可能な範囲の
値である所定の有限値±y(y>0)に置換して演算が
行われ、事前確率情報及び対数軟出力が±∞以外の値の
場合には、その値のまま演算が行われる。
【0195】したがって、本発明にかかる復号方法は、
外部情報算出工程にて外部情報を算出する際に、事前確
率情報及び対数軟出力が±∞となった場合には、所定の
有限値±yに置換して演算を行い、事前確率情報及び対
数軟出力が±∞以外の値の場合には、その値のまま演算
を行い、∞−∞の演算を0とすることにより、∞−∞の
演算結果としてNaNを返すことがなく、復号処理を中
止することを回避することが可能となり、性能劣化なし
に高精度の復号を行うことが可能となる。
【0196】また、本発明にかかる復号装置は、軟入力
とされる受信値に基づいて任意の状態を通過する確率を
対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用いて、
複数の要素符号をインターリーバを介して連接して生成
された符号を繰り返し復号する復号装置であって、受信
値及び/又は事前確率情報を入力して軟出力復号を行
い、各時刻における軟出力を対数表記した対数軟出力及
び/又は外部情報を生成する軟出力復号手段を複数連接
して備え、この軟出力復号手段は、受信値毎に、符号の
出力パターンと受信値によって決定される第1の確率を
対数表記した第1の対数尤度を算出する第1の確率算出
手段と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、符号
化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
率算出手段と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎
に、打ち切りステートから時系列の逆順に各ステートに
至る第3の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出す
る第3の確率算出手段と、第1の対数尤度と、第2の対
数尤度と、第3の対数尤度とを用いて、対数軟出力を算
出する軟出力算出手段と、この軟出力算出手段から供給
された対数軟出力と、事前確率情報とを用いて、外部情
報を算出する外部情報算出手段とを有し、外部情報算出
手段は、絶対値が無限大である数値を含む演算処理を行
うことが可能な演算系を用いて、∞−∞の演算を∞又は
絶対値が十分に大きな正の所定値aとして行い、生成し
た外部情報を次段の軟出力復号手段における事前確率情
報として出力する。
【0197】したがって、本発明にかかる復号装置は、
各要素符号に対応する各軟出力復号手段における外部情
報算出手段によって外部情報を算出する際に、∞−∞の
演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aとして
行うことにより、∞−∞の演算結果としてNaNを返す
ことがなく、復号処理を中止することを回避することが
でき、性能劣化なしに高精度の復号を行うことができ
る。
【0198】さらに、本発明にかかる復号方法は、軟入
力とされる受信値に基づいて任意の状態を通過する確率
を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用い
て、複数の要素符号をインターリーブ工程を介して連接
して生成された符号を繰り返し復号する復号方法であっ
て、受信値及び/又は事前確率情報を入力して軟出力復
号を行い、各時刻における軟出力を対数表記した対数軟
出力及び/又は外部情報を生成する軟出力復号工程を備
え、この軟出力復号工程は、受信値毎に、符号の出力パ
ターンと受信値によって決定される第1の確率を対数表
記した第1の対数尤度を算出する第1の確率算出工程
と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、符号化開
始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の確率
を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確率算
出工程と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、打
ち切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第
3の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3
の確率算出工程と、第1の対数尤度と、第2の対数尤度
と、第3の対数尤度とを用いて、対数軟出力を算出する
軟出力算出工程と、この軟出力算出工程にて生成された
対数軟出力と、事前確率情報とを用いて、外部情報を算
出する外部情報算出工程とを有し、外部情報算出工程で
は、絶対値が無限大である数値を含む演算処理を行うこ
とが可能な演算系を用いて、∞−∞の演算が∞又は絶対
値が十分に大きな正の所定値aとして行われ、生成され
た外部情報が次回の軟出力復号工程における事前確率情
報として出力される。
【0199】したがって、本発明にかかる復号方法は、
各要素符号に対応する各軟出力復号工程における外部情
報算出工程にて外部情報を算出する際に、∞−∞の演算
を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aとして行う
ことにより、∞−∞の演算結果としてNaNを返すこと
がなく、復号処理を中止することを回避することが可能
となり、性能劣化なしに高精度の復号を行うことが可能
となる。
【0200】さらにまた、本発明にかかる復号装置は、
軟入力とされる受信値に基づいて任意の状態を通過する
確率を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用
いて、複数の要素符号をインターリーバを介して連接し
て生成された符号を繰り返し復号する復号装置であっ
て、受信値及び/又は事前確率情報を入力して軟出力復
号を行い、各時刻における軟出力を対数表記した対数軟
出力及び/又は外部情報を生成する軟出力復号手段を複
数連接して備え、この軟出力復号手段は、受信値毎に、
符号の出力パターンと受信値によって決定される第1の
確率を対数表記した第1の対数尤度を算出する第1の確
率算出手段と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎
に、符号化開始ステートから時系列順に各ステートに至
る第2の確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する
第2の確率算出手段と、第1の対数尤度に基づいて、受
信値毎に、打ち切りステートから時系列の逆順に各ステ
ートに至る第3の確率を対数表記した第3の対数尤度を
算出する第3の確率算出手段と、第1の対数尤度と、第
2の対数尤度と、第3の対数尤度とを用いて、対数軟出
力を算出する軟出力算出手段と、この軟出力算出手段か
ら供給された対数軟出力と、事前確率情報とを用いて、
外部情報を算出する外部情報算出手段とを有し、外部情
報算出手段は、絶対値が無限大である数値を含む演算処
理を行うことが可能な演算系を用いて、事前確率情報及
び対数軟出力が±∞となった場合には、表現可能な範囲
の値である所定の有限値±y(y>0)に置換して演算
を行い、事前確率情報及び対数軟出力が±∞以外の値の
場合には、その値のまま演算を行い、生成した外部情報
を次段の軟出力復号手段における事前確率情報として出
力する。
【0201】したがって、本発明にかかる復号装置は、
各要素符号に対応する各軟出力復号手段における外部情
報算出手段によって外部情報を算出する際に、事前確率
情報及び対数軟出力が±∞となった場合には、所定の有
限値±yに置換して演算を行い、事前確率情報及び対数
軟出力が±∞以外の値の場合には、その値のまま演算を
行い、∞−∞の演算を0とすることにより、∞−∞の演
算結果としてNaNを返すことがなく、復号処理を中止
することを回避することができ、性能劣化なしに高精度
の復号を行うことができる。
【0202】また、本発明にかかる復号方法は、軟入力
とされる受信値に基づいて任意の状態を通過する確率を
対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用いて、
複数の要素符号をインターリーブ工程を介して連接して
生成された符号を繰り返し復号する復号方法であって、
受信値及び/又は事前確率情報を入力して軟出力復号を
行い、各時刻における軟出力を対数表記した対数軟出力
及び/又は外部情報を生成する軟出力復号工程を備え、
この軟出力復号工程は、受信値毎に、符号の出力パター
ンと受信値によって決定される第1の確率を対数表記し
た第1の対数尤度を算出する第1の確率算出工程と、第
1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、符号化開始ステ
ートから時系列順に各ステートに至る第2の確率を対数
表記した第2の対数尤度を算出する第2の確率算出工程
と、第1の対数尤度に基づいて、受信値毎に、打ち切り
ステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3の確
率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の確率
算出工程と、第1の対数尤度と、第2の対数尤度と、第
3の対数尤度とを用いて、対数軟出力を算出する軟出力
算出工程と、この軟出力算出工程にて生成された対数軟
出力と、事前確率情報とを用いて、外部情報を算出する
外部情報算出工程とを有し、外部情報算出工程では、絶
対値が無限大である数値を含む演算処理を行うことが可
能な演算系を用いて、事前確率情報及び対数軟出力が±
∞となった場合には、表現可能な範囲の値である所定の
有限値±y(y>0)に置換して演算が行われ、事前確
率情報及び対数軟出力が±∞以外の値の場合には、その
値のまま演算が行われ、生成された外部情報が次回の軟
出力復号工程における事前確率情報として出力される。
【0203】したがって、本発明にかかる復号方法は、
各要素符号に対応する各軟出力復号工程における外部情
報算出工程にて外部情報を算出する際に、事前確率情報
及び対数軟出力が±∞となった場合には、所定の有限値
±yに置換して演算を行い、事前確率情報及び対数軟出
力が±∞以外の値の場合には、その値のまま演算を行
い、∞−∞の演算を0とすることにより、∞−∞の演算
結果としてNaNを返すことがなく、復号処理を中止す
ることを回避することが可能となり、性能劣化なしに高
精度の復号を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示すデータ送受信シ
ステムを適用する通信モデルの構成を説明するブロック
図である。
【図2】同データ送受信システムにおける符号化装置の
一例の構成を説明するブロック図である。
【図3】図2に示す符号化装置におけるトレリスを説明
する図である。
【図4】同データ送受信システムにおける復号装置の一
例の構成を説明するブロック図であって、図2に示す符
号化装置によって符号化がなされた符号の復号を行う復
号装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】PCCCによる符号化を行う符号化装置の一例
の構成を説明するブロック図である。
【図6】図5に示す符号化装置によって符号化がなされ
た符号の復号を行う復号装置の構成を説明するブロック
図である。
【図7】SCCCによる符号化を行う符号化装置の一例
の構成を説明するブロック図である。
【図8】図7に示す符号化装置によって符号化がなされ
た符号の復号を行う復号装置の構成を説明するブロック
図である。
【図9】通信モデルの構成を説明するブロック図であ
る。
【図10】従来の符号化装置におけるトレリスを説明す
る図であって、確率α,β及びγの内容を説明す
るための図である。
【図11】従来の復号装置において、BCJRアルゴリ
ズムを適用して軟出力復号を行う際の一連の工程を説明
するフローチャートである。
【図12】従来の復号装置において、Max−Log−
BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を行う際の
一連の工程を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,1’,1’’,1’’’ 符号化装置、 3,
3’,3’’,3’’’復号装置、 22 Iγ算出・
記憶回路、 23 Iα算出・記憶回路、 24Iβ算
出・記憶回路、 25 軟出力算出回路、 26 外部
情報算出回路、51,6211,6212,・・・,6
M1,62M2,8211,82 ,・・・,82
M1,82M2 遅延器、 52,54,71,73
畳み込み符号化器、 53,6411,・・・,64
M1,72,8412,・・・,84M2 インターリ
ーバ、 6111,6112,・・・,61M1,61
,8111,8112,・・・,81M1,81
M2 処理回路、 6311,6312,・・・,63
M1,63M2,8311,8312,・・・,83
M1,83M2 軟出力復号回路、 6412,・・
・,64M2,8411,・・・,84M1 デインタ
ーリーバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 俊之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 服部 雅之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5B001 AA10 AC05 5J065 AA01 AB01 AC01 AD10 AG05 AG06 AH06 AH21

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟入力とされる受信値に基づいて任意の
    ステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
    め、上記対数尤度を用いて復号を行う復号装置であっ
    て、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
    度を算出する第1の確率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出手段と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出手段と、 上記軟出力算出手段から供給された上記対数軟出力と、
    上記事前確率情報とを用いて、上記外部情報を算出する
    外部情報算出手段とを備え、 上記外部情報算出手段は、絶対値が無限大である数値を
    含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、∞−
    ∞の演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aと
    して行うことを特徴とする復号装置。
  2. 【請求項2】 上記外部情報算出手段は、上記対数軟出
    力と上記事前確率情報とが、ともに−∞である場合に
    は、−∞+∞の演算を−∞又は上記所定値aの負値−a
    として行い、上記対数軟出力と上記事前確率情報とが、
    ともに+∞である場合には、∞−∞の演算を+∞又は上
    記所定値aとして行うことを特徴とする請求項1記載の
    復号装置。
  3. 【請求項3】 畳み込み符号の復号を行うことを特徴と
    する請求項1記載の復号装置。
  4. 【請求項4】 Max−Log−BCJRアルゴリズム
    又はLog−BCJRアルゴリズムに基づく最大事後確
    率復号を行うことを特徴とする請求項1記載の復号装
    置。
  5. 【請求項5】 軟入力とされる受信値に基づいて任意の
    ステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
    め、上記対数尤度を用いて復号を行う復号方法であっ
    て、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
    度を算出する第1の確率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出工程と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出工程と、 上記軟出力算出工程にて生成された上記対数軟出力と、
    上記事前確率情報とを用いて、上記外部情報を算出する
    外部情報算出工程とを備え、 上記外部情報算出工程では、絶対値が無限大である数値
    を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、∞
    −∞の演算が∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値a
    として行われることを特徴とする復号方法。
  6. 【請求項6】 上記外部情報算出工程では、上記対数軟
    出力と上記事前確率情報とが、ともに−∞である場合に
    は、−∞+∞の演算が−∞又は上記所定値aの負値−a
    として行われ、上記対数軟出力と上記事前確率情報と
    が、ともに+∞である場合には、∞−∞の演算が+∞又
    は上記所定値aとして行われることを特徴とする請求項
    5記載の復号方法。
  7. 【請求項7】 軟入力とされる受信値に基づいて任意の
    ステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
    め、上記対数尤度を用いて復号を行う復号装置であっ
    て、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
    度を算出する第1の確率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出手段と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出手段と、 上記軟出力算出手段から供給された上記対数軟出力と、
    上記事前確率情報とを用いて、上記外部情報を算出する
    外部情報算出手段とを備え、 上記外部情報算出手段は、絶対値が無限大である数値を
    含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、上記
    事前確率情報及び上記対数軟出力が±∞となった場合に
    は、表現可能な範囲の値である所定の有限値±y(y>
    0)に置換して演算を行い、上記事前確率情報及び上記
    対数軟出力が±∞以外の値の場合には、上記値のまま演
    算を行うことを特徴とする復号装置。
  8. 【請求項8】 上記外部情報算出手段は、上記事前確率
    情報と上記対数軟出力とが、ともに±∞である場合に
    は、−∞+∞及び∞−∞の演算を0として行うことを特
    徴とする請求項7記載の復号装置。
  9. 【請求項9】 畳み込み符号の復号を行うことを特徴と
    する請求項7記載の復号装置。
  10. 【請求項10】 Max−Log−BCJRアルゴリズ
    ム又はLog−BCJRアルゴリズムに基づく最大事後
    確率復号を行うことを特徴とする請求項7記載の復号装
    置。
  11. 【請求項11】 軟入力とされる受信値に基づいて任意
    のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
    め、上記対数尤度を用いて復号を行う復号方法であっ
    て、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
    度を算出する第1の確率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出工程と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出工程と、 上記軟出力算出工程にて生成された上記対数軟出力と、
    上記事前確率情報とを用いて、上記外部情報を算出する
    外部情報算出工程とを備え、 上記外部情報算出工程では、絶対値が無限大である数値
    を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、上
    記事前確率情報及び上記対数軟出力が±∞となった場合
    には、表現可能な範囲の値である所定の有限値±y(y
    >0)に置換して演算が行われ、上記事前確率情報及び
    上記対数軟出力が±∞以外の値の場合には、上記値のま
    ま演算が行われることを特徴とする復号方法。
  12. 【請求項12】 上記外部情報算出工程では、上記事前
    確率情報と上記対数軟出力とが、ともに±∞である場合
    には、−∞+∞及び∞−∞の演算が0として行われるこ
    とを特徴とする請求項11記載の復号方法。
  13. 【請求項13】 軟入力とされる受信値に基づいて任意
    の状態を通過する確率を対数表記した対数尤度を求め、
    上記対数尤度を用いて、複数の要素符号をインターリー
    バを介して連接して生成された符号を繰り返し復号する
    復号装置であって、 上記受信値及び/又は事前確率情報を入力して軟出力復
    号を行い、各時刻における軟出力を対数表記した対数軟
    出力及び/又は外部情報を生成する軟出力復号手段を複
    数連接して備え、 上記軟出力復号手段は、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
    度を算出する第1の確率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出手段と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出手段と、 上記軟出力算出手段から供給された上記対数軟出力と、
    上記事前確率情報とを用いて、上記外部情報を算出する
    外部情報算出手段とを有し、 上記外部情報算出手段は、絶対値が無限大である数値を
    含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、∞−
    ∞の演算を∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値aと
    して行い、生成した上記外部情報を次段の軟出力復号手
    段における事前確率情報として出力することを特徴とす
    る復号装置。
  14. 【請求項14】 上記外部情報算出手段は、上記対数軟
    出力と上記事前確率情報とが、ともに−∞である場合に
    は、−∞+∞の演算を−∞又は上記所定値aの負値−a
    として行い、上記対数軟出力と上記事前確率情報とが、
    ともに+∞である場合には、∞−∞の演算を+∞又は上
    記所定値aとして行うことを特徴とする請求項13記載
    の復号装置。
  15. 【請求項15】 上記軟出力復号手段は、上記要素符号
    の数と上記繰り返し復号の繰り返し回数との積で表され
    る数だけ備えられることを特徴とする請求項13記載の
    復号装置。
  16. 【請求項16】 上記軟出力復号手段によって生成され
    た外部情報にインターリーブを施すインターリーブ手段
    又は上記軟出力復号手段によって生成された外部情報に
    デインターリーブを施すデインターリーブ手段と、 上記受信値を、上記軟出力復号手段、及び、上記インタ
    ーリーブ手段若しくは上記デインターリーブ手段が要す
    る処理時間と同時間遅延させる遅延手段とを備えること
    を特徴とする請求項13記載の復号装置。
  17. 【請求項17】 並列連接符号化、縦列連接符号化、並
    列連接符号化変調又は縦列連接符号化変調がなされた符
    号を繰り返し復号することを特徴とする請求項16記載
    の復号装置。
  18. 【請求項18】 上記要素符号は、畳み込み符号である
    ことを特徴とする請求項17記載の復号装置。
  19. 【請求項19】 上記軟出力復号手段は、Max−Lo
    g−BCJRアルゴリズム又はLog−BCJRアルゴ
    リズムに基づく最大事後確率復号を行うことを特徴とす
    る請求項13記載の復号装置。
  20. 【請求項20】 軟入力とされる受信値に基づいて任意
    の状態を通過する確率を対数表記した対数尤度を求め、
    上記対数尤度を用いて、複数の要素符号をインターリー
    ブ工程を介して連接して生成された符号を繰り返し復号
    する復号方法であって、 上記受信値及び/又は事前確率情報を入力して軟出力復
    号を行い、各時刻における軟出力を対数表記した対数軟
    出力及び/又は外部情報を生成する軟出力復号工程を備
    え、 上記軟出力復号工程は、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
    度を算出する第1の確率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出工程と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出工程と、 上記軟出力算出工程にて生成された上記対数軟出力と、
    上記事前確率情報とを用いて、上記外部情報を算出する
    外部情報算出工程とを有し、 上記外部情報算出工程では、絶対値が無限大である数値
    を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、∞
    −∞の演算が∞又は絶対値が十分に大きな正の所定値a
    として行われ、生成された上記外部情報が次回の軟出力
    復号工程における事前確率情報として出力されることを
    特徴とする復号方法。
  21. 【請求項21】 上記外部情報算出工程では、上記対数
    軟出力と上記事前確率情報とが、ともに−∞である場合
    には、−∞+∞の演算が−∞又は上記所定値aの負値−
    aとして行われ、上記対数軟出力と上記事前確率情報と
    が、ともに+∞である場合には、∞−∞の演算が+∞又
    は上記所定値aとして行われることを特徴とする請求項
    20記載の復号方法。
  22. 【請求項22】 上記軟出力復号工程は、上記要素符号
    の数と上記繰り返し復号の繰り返し回数との積で表され
    る数だけ行われることを特徴とする請求項20記載の復
    号方法。
  23. 【請求項23】 上記軟出力復号工程にて生成された外
    部情報にインターリーブを施す第1のインターリーブ工
    程又は上記軟出力復号工程にて生成された外部情報にデ
    インターリーブを施すデインターリーブ工程と、 上記受信値を、上記軟出力復号工程、及び、上記第1の
    インターリーブ工程若しくは上記デインターリーブ工程
    が要する処理時間と同時間遅延させる遅延工程とを備え
    ることを特徴とする請求項20記載の復号方法。
  24. 【請求項24】 軟入力とされる受信値に基づいて任意
    の状態を通過する確率を対数表記した対数尤度を求め、
    上記対数尤度を用いて、複数の要素符号をインターリー
    バを介して連接して生成された符号を繰り返し復号する
    復号装置であって、 上記受信値及び/又は事前確率情報を入力して軟出力復
    号を行い、各時刻における軟出力を対数表記した対数軟
    出力及び/又は外部情報を生成する軟出力復号手段を複
    数連接して備え、 上記軟出力復号手段は、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
    度を算出する第1の確率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出手段と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出手段と、 上記軟出力算出手段から供給された上記対数軟出力と、
    上記事前確率情報とを用いて、上記外部情報を算出する
    外部情報算出手段とを有し、 上記外部情報算出手段は、絶対値が無限大である数値を
    含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、上記
    事前確率情報及び上記対数軟出力が±∞となった場合に
    は、表現可能な範囲の値である所定の有限値±y(y>
    0)に置換して演算を行い、上記事前確率情報及び上記
    対数軟出力が±∞以外の値の場合には、上記値のまま演
    算を行い、生成した上記外部情報を次段の軟出力復号手
    段における事前確率情報として出力することを特徴とす
    る復号装置。
  25. 【請求項25】 上記外部情報算出手段は、上記事前確
    率情報と上記対数軟出力とが、ともに±∞である場合に
    は、−∞+∞及び∞−∞の演算を0として行うことを特
    徴とする請求項24記載の復号装置。
  26. 【請求項26】 上記軟出力復号手段は、上記要素符号
    の数と上記繰り返し復号の繰り返し回数との積で表され
    る数だけ備えられることを特徴とする請求項24記載の
    復号装置。
  27. 【請求項27】 上記軟出力復号手段によって生成され
    た外部情報にインターリーブを施すインターリーブ手段
    又は上記軟出力復号手段によって生成された外部情報に
    デインターリーブを施すデインターリーブ手段と、 上記受信値を、上記軟出力復号手段、及び、上記インタ
    ーリーブ手段若しくは上記デインターリーブ手段が要す
    る処理時間と同時間遅延させる遅延手段とを備えること
    を特徴とする請求項24記載の復号装置。
  28. 【請求項28】 並列連接符号化、縦列連接符号化、並
    列連接符号化変調又は縦列連接符号化変調がなされた符
    号を繰り返し復号することを特徴とする請求項27記載
    の復号装置。
  29. 【請求項29】 上記要素符号は、畳み込み符号である
    ことを特徴とする請求項28記載の復号装置。
  30. 【請求項30】 上記軟出力復号手段は、Max−Lo
    g−BCJRアルゴリズム又はLog−BCJRアルゴ
    リズムに基づく最大事後確率復号を行うことを特徴とす
    る請求項24記載の復号装置。
  31. 【請求項31】 軟入力とされる受信値に基づいて任意
    の状態を通過する確率を対数表記した対数尤度を求め、
    上記対数尤度を用いて、複数の要素符号をインターリー
    ブ工程を介して連接して生成された符号を繰り返し復号
    する復号方法であって、 上記受信値及び/又は事前確率情報を入力して軟出力復
    号を行い、各時刻における軟出力を対数表記した対数軟
    出力及び/又は外部情報を生成する軟出力復号工程を備
    え、 上記軟出力復号工程は、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    って決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤
    度を算出する第1の確率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出工程と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出工程と、 上記軟出力算出工程にて生成された上記対数軟出力と、
    上記事前確率情報とを用いて、上記外部情報を算出する
    外部情報算出工程とを有し、 上記外部情報算出工程では、絶対値が無限大である数値
    を含む演算処理を行うことが可能な演算系を用いて、上
    記事前確率情報及び上記対数軟出力が±∞となった場合
    には、表現可能な範囲の値である所定の有限値±y(y
    >0)に置換して演算が行われ、上記事前確率情報及び
    上記対数軟出力が±∞以外の値の場合には、上記値のま
    ま演算が行われ、生成された上記外部情報が次回の軟出
    力復号工程における事前確率情報として出力されること
    を特徴とする復号方法。
  32. 【請求項32】 上記外部情報算出工程では、上記事前
    確率情報と上記対数軟出力とが、ともに±∞である場合
    には、−∞+∞及び∞−∞の演算が0として行われるこ
    とを特徴とする請求項31記載の復号方法。
  33. 【請求項33】 上記軟出力復号工程は、上記要素符号
    の数と上記繰り返し復号の繰り返し回数との積で表され
    る数だけ行われることを特徴とする請求項31記載の復
    号方法。
  34. 【請求項34】 上記軟出力復号工程にて生成された外
    部情報にインターリーブを施す第1のインターリーブ工
    程又は上記軟出力復号工程にて生成された外部情報にデ
    インターリーブを施すデインターリーブ工程と、 上記受信値を、上記軟出力復号工程、及び、上記第1の
    インターリーブ工程若しくは上記デインターリーブ工程
    が要する処理時間と同時間遅延させる遅延工程とを備え
    ることを特徴とする請求項31記載の復号方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007166592A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Korea Electronics Telecommun 反復デコーダーのための高次変調方式に適する軟判定デマップ方法及びそれを利用したエラー訂正装置

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JP2007166592A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Korea Electronics Telecommun 反復デコーダーのための高次変調方式に適する軟判定デマップ方法及びそれを利用したエラー訂正装置

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