JP2002043954A - 復号装置及び復号方法 - Google Patents

復号装置及び復号方法

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JP2002043954A
JP2002043954A JP2000229728A JP2000229728A JP2002043954A JP 2002043954 A JP2002043954 A JP 2002043954A JP 2000229728 A JP2000229728 A JP 2000229728A JP 2000229728 A JP2000229728 A JP 2000229728A JP 2002043954 A JP2002043954 A JP 2002043954A
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JP
Japan
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decoding
soft output
log likelihood
log
circuit
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JP2000229728A
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Kohei Yamamoto
耕平 山本
Toshiyuki Miyauchi
俊之 宮内
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量子化前の実数値0を表現して高精度に復号
を行う。 【解決手段】 復号装置3’は、入力される受信値yt
及び事前確率情報APPtに対して、量子化前における
実数値“0”を覆う量子化レベルが存在する量子化を行
う量子化回路21と、大規模集積回路として各部を単一
半導体基板に集積させて構成され、量子化回路21によ
り量子化された受信値yt及び事前確率情報APPtを入
力して軟出力復号を行う軟出力復号回路22とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟出力復号を行う
復号装置及び復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、連接符号における内符号の復号出
力や繰り返し復号法における各繰り返し復号動作の出力
を軟出力とすることで、シンボル誤り率を小さくする研
究がなされており、それに適した復号法に関する研究が
盛んに行われている。例えば畳み込み符号等の所定の符
号を復号した際のシンボル誤り率を最小にする方法とし
ては、「Bahl, Cocke, Jelinek and Raviv, “Optimal
decoding of linear codes for minimizing symbol err
or rate”, IEEE Trans. Inf. Theory, vol. IT-20, p
p. 284-287, Mar. 1974」に記載されているBCJRア
ルゴリズムが知られている。このBCJRアルゴリズム
においては、復号結果として各シンボルを出力するので
はなく、各シンボルの尤度を出力する。このような出力
は、軟出力(soft-output)と呼ばれる。以下、このB
CJRアルゴリズムの内容について説明する。なお、以
下の説明では、図21に示すように、ディジタル情報を
図示しない送信装置が備える符号化装置201により畳
み込み符号化し、その出力を雑音のある無記憶通信路2
02を介して図示しない受信装置に入力して、この受信
装置が備える復号装置203により復号し、観測する場
合を考える。
【0003】まず、符号化装置201が備えるシフトレ
ジスタの内容を表すM個のステート(遷移状態)をm
(0,1,・・・,M−1)で表し、時刻tのステート
をStで表す。また、1タイムスロットにkビットの情
報が入力されるものとすると、時刻tにおける入力をi
t=(it1,it2,・・・,itk)で表し、入力系統を
1 T=(i1,i2,・・・,iT)で表す。このとき、
ステートm’からステートmへの遷移がある場合には、
その遷移に対応する情報ビットをi(m’,m)=(i
1(m’,m),i2(m’,m),・・・,i
k(m’,m))で表す。さらに、1タイムスロットに
nビットの符号が出力されるものとすると、時刻tにお
ける出力をxt=(xt1,xt2,・・・,xtn)で表
し、出力系統をX1 T=(x1,x2,・・・,xT)で表
す。このとき、ステートm’からステートmへの遷移が
ある場合には、その遷移に対応する符号ビットをx
(m’,m)=(x 1(m’,m),x2(m’,m),
・・・,xn(m’,m))で表す。
【0004】符号化装置201による畳み込み符号化
は、ステートS0=0から始まり、X1 Tを出力してST
0で終了するものとする。ここで、各ステート間の遷移
確率P t(m|m’)を次式(1)により定義する。
【0005】
【数1】
【0006】なお、上式(1)における右辺に示すPr
{A|B}は、Bが生じた条件の下でのAが生じる条件
付き確率である。この遷移確率Pt(m|m’)は、次
式(2)に示すように、入力iでステートm’からステ
ートmへと遷移するときに、時刻tでの入力itがiで
ある確率Pr{it=i}と等しいものである。
【0007】
【数2】
【0008】雑音のある無記憶通信路202は、X1 T
入力とし、Y1 Tを出力する。ここで、1タイムスロット
にnビットの受信値が出力されるものとすると、時刻t
における出力をyt=(yt1,yt2,・・・,ytn)で
表し、Y1 T=(y1,y2,・・・,yT)で表す。雑音
のある無記憶通信路202の遷移確率は、全てのt(1
≦t≦T)について、次式(3)に示すように、各シン
ボルの遷移確率Pr{yj|xj}を用いて定義すること
ができる。
【0009】
【数3】
【0010】ここで、次式(4)のようにλtjを定義す
る。この次式(4)に示すλtjは、Y1 Tを受信した際の
時刻tでの入力情報の尤度を表し、本来求めるべき軟出
力である。
【0011】
【数4】
【0012】BCJRアルゴリズムにおいては、次式
(5)乃至次式(7)に示すような確率αt,βt及びγ
tを定義する。なお、Pr{A;B}は、AとBとがと
もに生じる確率を表すものとする。
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】
【0015】
【数7】
【0016】ここで、これらの確率αt,βt及びγt
内容について、符号化装置201における状態遷移図で
あるトレリスを図22を用いて説明する。同図におい
て、α t-1は、符号化開始ステートS0=0から受信値を
もとに時系列順に算出した時刻t−1における各ステー
トの通過確率に対応する。また、βtは、符号化終了ス
テートST=0から受信値をもとに時系列の逆順に算出
した時刻tにおける各ステートの通過確率に対応する。
さらに、γtは、時刻tにおける受信値と入力確率とを
もとに算出した時刻tにステート間を遷移する各枝の出
力の受信確率に対応する。
【0017】これらの確率αt,βt及びγtを用いる
と、軟出力λtjは、次式(8)のように表すことができ
る。
【0018】
【数8】
【0019】ところで、t=1,2,・・・,Tについ
て、次式(9)が成立する。
【0020】
【数9】
【0021】同様に、t=1,2,・・・,Tについ
て、次式(10)が成立する。
【0022】
【数10】
【0023】さらに、γtについて、次式(11)が成
立する。
【0024】
【数11】
【0025】したがって、復号装置203は、BCJR
アルゴリズムを適用して軟出力復号を行う場合には、こ
れらの関係に基づいて、図23に示す一連の工程を経る
ことにより軟出力λtを求める。
【0026】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS201において、y tを受信する毎に、
上式(9)及び上式(11)を用いて、確率αt(m)
及びγ t(m’,m)を算出する。
【0027】続いて、復号装置203は、ステップS2
02において、系列Y1 Tの全てを受信した後に、上式
(10)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、確率βt(m)を算出する。
【0028】そして、復号装置203は、ステップS2
03において、ステップS201及びステップS202
において算出した確率αt,βt及びγtを上式(8)に
代入し、各時刻tにおける軟出力λtを算出する。
【0029】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることによって、BCJRアルゴリズムを適用した
軟出力復号を行うことができる。
【0030】ところで、このようなBCJRアルゴリズ
ムにおいては、確率を直接値として保持して演算を行う
必要があり、積演算を含むために演算量が大きいという
問題があった。そこで、演算量を削減する手法として、
「Robertson, Villebrun andHoeher, “A comparison o
f optimal and sub-optimal MAP decoding algorithms
operating in the domain”, IEEE Int. Conf. on Comm
unications, pp. 1009-1013, June 1995」に記載されて
いるMax−Log−MAPアルゴリズム及びLog−
MAPアルゴリズム(以下、Max−Log−BCJR
アルゴリズム及びLog−BCJRアルゴリズムと称す
る。)がある。
【0031】まず、Max−Log−BCJRアルゴリ
ズムについて説明する。Max−Log−BCJRアル
ゴリズムは、確率αt,βt並びにγt、及び軟出力λt
自然対数を用いて対数表記し、次式(12)に示すよう
に、確率の積演算を対数の和演算に置き換えるととも
に、次式(13)に示すように、確率の和演算を対数の
最大値演算で近似するものである。なお、次式(13)
に示すmax(x,y)は、x,yのうち大きい値を有
するものを選択する関数である。
【0032】
【数12】
【0033】
【数13】
【0034】ここで、記載を簡略化するため、自然対数
をIと略記し、αt,βt,γt,λtの自然対数値を、そ
れぞれ、次式(14)に示すように、Iαt,Iβt,I
γt,Iλtと表すものとする。なお、次式(14)に示
すsgnは、正負を識別する符号を示す定数、すなわ
ち、“+1”又は“−1”のいずれかである。
【0035】
【数14】
【0036】このような定数sgnを与える理由として
は、主に、確率αt,βt,γtが0乃至1の値をとるこ
とから、一般に算出される対数尤度(log likelihood)
Iα t,Iβt,Iγtが負値をとることにある。
【0037】例えば、復号装置203がソフトウェアと
して構成される場合には、正負いずれの値をも処理可能
であるため、定数sgnは“+1”又は“−1”のいず
れであってもよいが、復号装置203がハードウェアと
して構成される場合には、ビット数の削減を目的とし
て、算出される負値の正負識別符号を反転して正値とし
て扱う方が望ましい。
【0038】すなわち、定数sgnは、復号装置203
が負値のみを扱う系として構成される場合には、“+
1”をとり、復号装置203が正値のみを扱う系として
構成される場合には、“−1”をとる。以下では、この
ような定数sgnを考慮したアルゴリズムの説明を行う
ものとする。
【0039】Max−Log−BCJRアルゴリズムに
おいては、これらの対数尤度Iαt,Iβt,Iγtを、
それぞれ、次式(15)乃至次式(17)に示すように
近似する。ここで、次式(15)及び次式(16)に示
すmsgn(x,y)は、定数sgnが“+1”の場合
には、x,yのうち大きい値を有するものを選択する関
数max(x,y)を示し、定数sgnが“−1”の場
合には、x,yのうち小さい値を有するものを選択する
関数min(x,y)を示すものである。次式(15)
における右辺のステートm’における関数msgnは、
ステートmへの遷移が存在するステートm’の中で求め
るものとし、次式(16)における右辺のステートm’
における関数msgnは、ステートmからの遷移が存在
するステートm’の中で求めるものとする。
【0040】
【数15】
【0041】
【数16】
【0042】
【数17】
【0043】また、Max−Log−BCJRアルゴリ
ズムにおいては、対数軟出力Iλtについても同様に、
次式(18)に示すように近似する。ここで、次式(1
8)における右辺第1項の関数msgnは、入力が
“1”のときにステートmへの遷移が存在するステート
m’の中で求め、第2項の関数msgnは、入力が
“0”のときにステートmへの遷移が存在するステート
m’の中で求めるものとする。
【0044】
【数18】
【0045】したがって、復号装置203は、Max−
Log−BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を
行う場合には、これらの関係に基づいて、図24に示す
一連の工程を経ることにより軟出力λtを求める。
【0046】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS211において、y tを受信する毎に、
上式(15)及び上式(17)を用いて、対数尤度Iα
t(m)及びIγt(m’,m)を算出する。
【0047】続いて、復号装置203は、ステップS2
12において、系列Y1 Tの全てを受信した後に、上式
(16)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、対数尤度Iβt(m)を算出する。
【0048】そして、復号装置203は、ステップS2
13において、ステップS211及びステップS212
において算出した対数尤度Iαt,Iβt及びIγtを上
式(18)に代入し、各時刻tにおける対数軟出力Iλ
tを算出する。
【0049】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることによって、Max−Log−BCJRアルゴ
リズムを適用した軟出力復号を行うことができる。
【0050】このように、Max−Log−BCJRア
ルゴリズムは、積演算が含まれないことから、BCJR
アルゴリズムと比較して、演算量を大幅に削減すること
ができる。
【0051】つぎに、Log−BCJRアルゴリズムに
ついて説明する。Log−BCJRアルゴリズムは、M
ax−Log−BCJRアルゴリズムによる近似の精度
をより向上させたものである。具体的には、Log−B
CJRアルゴリズムは、上式(13)に示した確率の和
演算を次式(19)に示すように補正項を追加すること
で変形し、和演算の正確な対数値を求めるものである。
ここでは、このような補正をlog−sum補正と称す
るものとする。
【0052】
【数19】
【0053】ここで、上式(19)における左辺に示す
演算をlog−sum演算と称するものとし、このlo
g−sum演算の演算子を、「S. S. Pietrobon, “Imp
lemntation and performance of a turbo/MAP decode
r”, Int. J. Satellite Commun., vol. 16, pp. 23-4
6, Jan.-Feb. 1998」に記載されている記数法を踏襲
し、次式(20)に示すように、便宜上“#”(ただ
し、同論文中では、“E”。)と表すものとする。
【0054】
【数20】
【0055】なお、上式(19)及び上式(20)は、
上述した定数sgnが“+1”の場合を示している。定
数sgnが“−1”の場合には、上式(19)及び上式
(20)に相当する演算は、それぞれ、次式(21)及
び次式(22)に示すようになる。
【0056】
【数21】
【0057】
【数22】
【0058】さらに、log−sum演算の累積加算演
算の演算子を、次式(23)に示すように、“#Σ”
(ただし、同論文中では、“E”。)と表すものとす
る。
【0059】
【数23】
【0060】これらの演算子を用いると、Log−BC
JRアルゴリズムにおける対数尤度Iαt,Iβt及び対
数軟出力Iλtは、それぞれ、次式(24)乃至次式
(26)に示すように表すことができる。なお、対数尤
度Iγtは、上式(17)で表されるため、ここでは、
その記述を省略する。
【0061】
【数24】
【0062】
【数25】
【0063】
【数26】
【0064】なお、上式(24)における右辺のステー
トm’におけるlog−sum演算の累積加算演算は、
ステートmへの遷移が存在するステートm’の中で求め
るものとし、上式(25)における右辺のステートm’
におけるlog−sum演算の累積加算演算は、ステー
トmからの遷移が存在するステートm’の中で求めるも
のとする。また、上式(26)における右辺第1項のl
og−sum演算の累積加算演算は、入力が“1”のと
きにステートmへの遷移が存在するステートm’の中で
求め、第2項のlog−sum演算の累積加算演算は、
入力が“0”のときにステートmへの遷移が存在するス
テートm’の中で求めるものとする。
【0065】したがって、復号装置203は、Log−
BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を行う場合
には、これらの関係に基づいて、先に図24に示した一
連の工程を経ることにより軟出力λtを求めることがで
きる。
【0066】まず、復号装置203は、同図に示すよう
に、ステップS211において、y tを受信する毎に、
上式(24)及び上式(17)を用いて、対数尤度Iα
t(m)及びIγt(m’,m)を算出する。
【0067】続いて、復号装置203は、ステップS2
12において、系列Y1 Tの全てを受信した後に、上式
(25)を用いて、全ての時刻tにおける各ステートm
について、対数尤度Iβt(m)を算出する。
【0068】そして、復号装置203は、ステップS2
13において、ステップS211及びステップS212
において算出した対数尤度Iαt,Iβt及びIγtを上
式(26)に代入し、各時刻tにおける対数軟出力Iλ
tを算出する。
【0069】復号装置203は、このような一連の処理
を経ることによって、Log−BCJRアルゴリズムを
適用した軟出力復号を行うことができる。なお、上式
(19)及び上式(21)において、右辺第2項に示す
補正項は、変数|x−y|に対する1次元の関数で表さ
れることから、復号装置203は、この値を図示しない
ROM(Read Only Memory)等にテーブルとして予め記
憶させておくことによって、正確な確率計算を行うこと
ができる。
【0070】このようなLog−BCJRアルゴリズム
は、Max−Log−BCJRアルゴリズムと比較する
と演算量は増えるものの積演算を含むものではなく、そ
の出力は、量子化誤差を除けば、BCJRアルゴリズム
の軟出力の対数値そのものに他ならない。
【0071】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したM
ax−Log−BCJRアルゴリズム又はLog−BC
JRアルゴリズムにおいては、最初に対数尤度Iγt
算出する必要があることから、受信値ytと、いわゆる
事前確率情報(a priori probability information)と
を入力する必要がある。これらの受信値yt及び事前確
率情報は、軟入力(soft-input)とされ、実数値をとる
ものである。
【0072】このような軟入力とされる実数値を入力し
て復号を行うアルゴリズムとしては、いわゆるビタビア
ルゴリズムが知られている。
【0073】ビタビアルゴリズムは、受信した符号系列
に最も近い系列である最尤パスを選択して復号を行う。
すなわち、ビタビアルゴリズムは、符号化装置における
トレリス上で生じ得る遷移の中から、例えば受信した符
号系列とのハミング距離が最小となるものを最尤パスと
して選択する。
【0074】より具体的には、ビタビアルゴリズムにお
いては、受信値と事前確率情報とを入力とし、これらの
受信値と事前確率情報とを入力すると、トレリス上の各
ステートに到達するパスと受信した符号系列とのハミン
グ距離であるブランチメトリックを算出する。そして、
ビタビアルゴリズムにおいては、算出したブランチメト
リックと、それまでのブランチメトリックに基づいて算
出したステートメトリックとを加算し、新たに算出した
ステートメトリックの大小を比較することによって、最
尤パスを選択する。
【0075】このようなビタビアルゴリズムを適用した
復号装置をハードウェアとして実装する場合には、入力
する受信値及び事前確率情報を所定の量子化範囲で量子
化する必要がある。説明の簡略化のために、例えば、復
号装置は、受信値及び事前確率情報に対して2ビット量
子化を行うものとすると、図25に示すように、実数値
で表される受信値又は事前確率情報に対して、所定の量
子化刻み幅の量子化レベルを割り当てる。このとき、復
号装置は、実数値“0”で表される受信値又は事前確率
情報に対して量子化レベルを割り当てず、実数値“0”
を正負の境界として取り扱う。これは、ビタビ復号方法
においては、最尤パスを選択するために、ステートメト
リックの大小を比較するだけで足りるためであり、実数
値“0”を表現する必要がないためである。
【0076】このような量子化は、ビタビアルゴリズム
を適用した復号装置に限らず、軟入力の情報を入力とす
るアルゴリズムにおいては一般的に行われている。
【0077】しかしながら、上述したMax−Log−
BCJRアルゴリズム又はLog−BCJRアルゴリズ
ムにおいては、確率を対数表記しているために、対数尤
度、すなわち、ステートメトリック同士の和演算を行う
必要がある。このステートメトリックは−∞乃至+∞の
実数値をとることから、Max−Log−BCJRアル
ゴリズム又はLog−BCJRアルゴリズムにおいて
は、正値を有するステートメトリックと負値を有するス
テートメトリックとの和演算が行われる場合がある。こ
のような和演算は、場合によっては、結果として“0”
を与える可能性がある。
【0078】したがって、Max−Log−BCJRア
ルゴリズム又はLog−BCJRアルゴリズムをハード
ウェアとして実装した復号装置203においては、ビタ
ビアルゴリズムのように実数値“0”に対して量子化レ
ベルを割り当てない量子化を行った場合には、差分値を
適切に表現することができず、誤った結果をもたらすと
いった問題があった。
【0079】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、実数値“0”を表現して高精度に復号を
行うことができる復号装置及び復号方法を提供すること
を目的とする。
【0080】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明にかかる復号装置は、軟入力とされる受信値に基
づいて任意のステートを通過する確率を対数表記した対
数尤度を求め、この対数尤度を用いて復号を行う復号装
置であって、入力される受信値及び事前確率情報に対し
て、実数値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行
う量子化手段を備えることを特徴としている。
【0081】このような本発明にかかる復号装置は、受
信値及び事前確率情報に対して、量子化手段により実数
値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う。
【0082】また、上述した目的を達成する本発明にか
かる復号方法は、軟入力とされる受信値に基づいて任意
のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
め、この対数尤度を用いて復号を行う復号方法であっ
て、入力される受信値及び事前確率情報に対して、実数
値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う量子化
工程を備えることを特徴としている。
【0083】このような本発明にかかる復号方法は、受
信値及び事前確率情報に対して、量子化工程にて実数値
0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う。
【0084】さらに、上述した目的を達成する本発明に
かかる復号装置は、軟入力とされる受信値に基づいて任
意のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を
求め、この対数尤度を用いて、複数の要素符号を連接し
て生成された符号を繰り返し復号する復号装置であっ
て、入力される受信値及び事前確率情報に対して、実数
値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う量子化
手段と、この量子化手段により量子化された受信値及び
/又は事前確率情報を入力して軟出力復号を行い、各時
刻における軟出力を対数表記した対数軟出力及び/又は
外部情報を生成する複数連接された軟出力復号手段とを
備え、軟出力復号手段は、生成した外部情報を次段の軟
出力復号手段における事前確率情報として出力すること
を特徴としている。
【0085】このような本発明にかかる復号装置は、繰
り返し復号を行う際に、受信値及び事前確率情報に対し
て、量子化手段により実数値0を覆う量子化レベルが存
在する量子化を行う。
【0086】さらにまた、上述した目的を達成する本発
明にかかる復号方法は、軟入力とされる受信値に基づい
て任意のステートを通過する確率を対数表記した対数尤
度を求め、この対数尤度を用いて、複数の要素符号を連
接して生成された符号を繰り返し復号する復号方法であ
って、入力される受信値及び事前確率情報に対して、実
数値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う量子
化工程と、この量子化工程にて量子化された受信値及び
/又は事前確率情報を入力して軟出力復号を行い、各時
刻における軟出力を対数表記した対数軟出力及び/又は
外部情報を生成する軟出力復号工程とを備え、軟出力復
号工程では、生成した外部情報を次回の軟出力復号工程
における事前確率情報として出力することを特徴として
いる。
【0087】このような本発明にかかる復号方法は、繰
り返し復号を行う際に、受信値及び事前確率情報に対し
て、量子化工程にて実数値0を覆う量子化レベルが存在
する量子化を行う。
【0088】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0089】この実施の形態は、図1に示すように、デ
ィジタル情報を図示しない送信装置が備える符号化装置
1により符号化し、その出力を雑音のある無記憶通信路
2を介して図示しない受信装置に入力して、この受信装
置が備える復号装置3により復号する通信モデルに適用
したデータ送受信システムである。
【0090】このデータ送受信システムにおいて、復号
装置3は、符号化装置1により符号化がなされた符号の
復号を行うものであって、「Robertson, Villebrun and
Hoeher, “A comparison of optimal and sub-optimal
MAP decoding algorithms operating in the domai
n”, IEEE Int. Conf. on Communications, pp. 1009-1
013, June 1995」に記載されているMax−Log−M
APアルゴリズム又はLog−MAPアルゴリズム(以
下、Max−Log−BCJRアルゴリズム又はLog
−BCJRアルゴリズムと称する。)に基づく最大事後
確率(Maximum APosteriori probability;以下、MA
Pと記す。)復号を行うものとして構成され、いわゆる
確率αt,βt,γt、及び軟出力(soft-output)λt
自然対数を用いて対数尤度(log likelihood)の形式で
対数表記した対数尤度Iαt,Iβt,Iγt、及びいわ
ゆる事後確率情報(a posteriori probability informa
tion)に対応する対数軟出力Iλtを求めるものであ
る。特に、復号装置3は、受信値及びいわゆる事前確率
情報(a priori probability information)に対して量
子化を行う際に、量子化前における実数値“0”を覆う
量子化レベルが存在するような量子化を行うものであ
る。
【0091】なお、以下では、復号装置3は、Log−
BCJRアルゴリズムに基づくMAP復号を行うものと
して説明する。また、以下では、符号化装置1が備える
シフトレジスタの内容を表すM個のステート(遷移状
態)をm(0,1,・・・,M−1)で表し、時刻tの
ステートをStで表す。さらに、1タイムスロットにk
ビットの情報が入力されるものとすると、時刻tにおけ
る入力をit=(it1,it2,・・・,itk)で表し、
入力系統をI1 T=(i1,i2,・・・,iT)で表す。
このとき、ステートm’からステートmへの遷移がある
場合には、その遷移に対応する情報ビットをi(m’,
m)=(i1(m’,m),i2(m’,m),・・・,
k(m’,m))で表す。さらにまた、1タイムスロ
ットにnビットの符号が出力されるものとすると、時刻
tにおける出力をxt=(xt1,xt 2,・・・,xtn
で表し、出力系統をX1 T=(x1,x2,・・・,xT
で表す。このとき、ステートm’からステートmへの遷
移がある場合には、その遷移に対応する符号ビットをx
(m’,m)=(x1(m’,m),x2(m’,m),
・・・,xn(m’,m))で表す。また、無記憶通信
路2は、X1 Tを入力とし、Y1 Tを出力するものとする。
ここで、1タイムスロットにnビットの受信値が出力さ
れるものとすると、時刻tにおける出力をyt
(yt1,yt2,・・・,ytn)で表し、Y1 T=(y1
2,・・・,yT)で表す。
【0092】符号化装置1は、例えば、畳み込み符号、
並列連接畳み込み符号(Parallel Concatenated Convol
utional Codes;以下、PCCCと記す。)又は縦列連
接畳み込み符号(Serially Concatenated Convolutiona
l Codes;以下、SCCCと記す。)等を、2相位相(B
inary Phase Shift Keying;以下、BPSKと記す。)
変調方式や4相位相(Quadrature Phase Shift Keyin
g;以下、QPSKと記す。)変調方式といったよう
に、受信値のビット毎の分布が得られる信号点の配置を
行う変調方式により変調するものとして構成される。ま
た、符号化装置1は、例えば、畳み込み符号を8相位相
(8-Phase Shift Keying;8PSK)変調方式といった
ように、受信値のビット毎の分布が得られない信号点の
配置を行う変調方式により変調することで、信号点の配
置と誤り訂正符号の復号特性とを統括して考慮する符号
化変調(Trellis Coded Modulation;以下、TCMと記
す。)を行うものとして構成される。勿論、符号化装置
1としては、PCCC又はSCCCを応用して多値変調
と組み合わせたターボ符号化変調(Turbo Trellis Code
d Modulation;以下、TTCMと記す。)又は縦列連接
符号化変調(Serial Concatenated Trellis Coded Modu
lation;以下、SCTCMと記す。)を行うものも適用
可能である。
【0093】ここでは説明の簡略化ために、符号化装置
1の一例として、差し当たって図2に示すように、3つ
の排他的論理和回路11,13,15と、2つのシフト
レジスタ12,14とを有し、拘束長が“3”の畳み込
み演算を行う符号化装置1’を採用して説明する。
【0094】排他的論理和回路11は、1ビットの入力
データit1と、排他的論理和回路13から供給されるデ
ータとを用いて排他的論理和演算を行い、演算結果をシ
フトレジスタ12及び排他的論理和回路15に供給す
る。
【0095】シフトレジスタ12は、保持している1ビ
ットのデータを排他的論理和回路13及びシフトレジス
タ14に供給し続ける。そして、シフトレジスタ12
は、クロックに同期させて、排他的論理和回路11から
供給される1ビットのデータを新たに保持し、このデー
タを排他的論理和回路13及びシフトレジスタ14に新
たに供給する。
【0096】排他的論理和回路13は、シフトレジスタ
12,14から供給されるデータを用いて排他的論理和
演算を行い、演算結果を排他的論理和回路11に供給す
る。
【0097】シフトレジスタ14は、保持している1ビ
ットのデータを排他的論理和回路13,15に供給し続
ける。そして、シフトレジスタ14は、クロックに同期
させて、シフトレジスタ12から供給される1ビットの
データを新たに保持し、このデータを排他的論理和回路
13,15に新たに供給する。
【0098】排他的論理和回路15は、排他的論理和回
路11から供給されるデータと、シフトレジスタ14か
ら供給されるデータとを用いて排他的論理和演算を行
い、演算結果を2ビットの出力データxtのうちの1ビ
ットの出力データxt2として外部に出力する。
【0099】このような符号化装置1’は、1ビットの
入力データit1を入力すると、この入力データit1を、
2ビットの出力データxtのうちの組織成分の1ビット
の出力データxt1として、そのまま外部に出力するとと
もに、入力データit1に対して再帰的畳み込み演算を行
い、演算結果を2ビットの出力データxtのうちの他方
の1ビットの出力データxt2として外部に出力する。す
なわち、符号化装置1’は、符号化率が“1/2”の再
帰的組織畳み込み演算を行い、出力データxtを外部に
出力する。
【0100】この符号化装置1’におけるトレリスを記
述すると、図3に示すようになる。同図において、破線
で示すパスは、入力データit1が“0”の場合を示し、
実線で示すパスは、入力データit1が“1”の場合を示
している。また、各パスに付与されているラベルは、2
ビットの出力データxtを示している。ここでは、ステ
ートは、シフトレジスタ12の内容とシフトレジスタ1
4の内容とを順次並べたものであり、“00”、“1
0”、“01”、“11”のステート番号を、それぞ
れ、“0”、“1”、“2”、“3”と表している。こ
のように、符号化装置1’におけるステート数Mは4と
なり、トレリスは、各ステートから次時刻におけるステ
ートへと2本のパスが到達する構造を有する。なお、以
下の説明では、各ステート番号に対応するステートを指
示する場合には、それぞれ、ステート0、ステート1、
ステート2、ステート3と称するものとする。
【0101】このような符号化装置1’により符号化さ
れた出力データxtは、図示しない変調器により所定の
変調方式による変調が施され、無記憶通信路2を介して
受信装置に出力される。
【0102】一方、復号装置3の一例であり、符号化装
置1’により符号化がなされた符号の復号を行う復号装
置3’は、図4に示すように、入力される情報に対して
量子化を行う量子化手段である量子化回路21と、軟出
力復号を行う軟出力復号手段である軟出力復号回路22
とを備える。この復号装置3’は、無記憶通信路2上で
発生したノイズの影響によりアナログ値をとり軟入力
(soft-input)とされる受信値ytから対数軟出力Iλt
を求めることによって、符号化装置1’における入力デ
ータit1を推定するものである。
【0103】量子化回路21は、受信値ytと事前確率
情報APPtとを入力し、これらの受信値yt及び事前確
率情報APPtに対して、所定の量子化を行う。このと
き、量子化回路21は、後述するように、受信値yt
び事前確率情報APPtに対して、量子化前における実
数値“0”を覆う量子化レベルが存在する量子化を行
う。量子化回路21は、量子化後の受信値yt及び事前
確率情報APPtを軟出力復号回路22に供給する。な
お、事前確率情報APPtは、次式(27)に示すよう
に、入力データit1が“1”である確率Pr{it1
1}と入力データit1が“0”である確率Pr{it1
0}との比の自然対数値である対数尤度比(log likeli
hood ratio)として与えられるものとする。また、事前
確率情報APPtは、確率Pr{it1=1}又は確率P
r{it1=0}として与えられ、確率Pr{it1=1}
と確率Pr{it1=0}との和が“1”であることを考
慮して、確率Pr{it1=1}の自然対数値と確率Pr
{it1=0}の自然対数値との差分値として求められて
もよい。
【0104】
【数27】
【0105】軟出力復号回路22は、大規模集積回路
(Large‐Scale Integrated circuit;以下、LSIと
記す。)として各部を単一半導体基板に集積させて構成
される。軟出力復号回路22は、各部を制御するコント
ローラ23と、第1の対数尤度である対数尤度Iγを算
出して記憶する第1の確率算出手段であるIγ算出・記
憶回路24と、第2の対数尤度である対数尤度Iαを算
出して記憶する第2の確率算出手段であるIα算出・記
憶回路25と、第3の対数尤度である対数尤度Iβを算
出して記憶する第3の確率算出手段であるIβ算出・記
憶回路26と、対数軟出力Iλtを算出する軟出力算出
手段である軟出力算出回路27と、外部情報(extrinsi
c information)EXtを算出する外部情報算出手段であ
る外部情報算出回路28と、所定のダイナミックレンジ
にクリップ(clip)するクリップ手段であるクリップ回
路29とを備える。
【0106】コントローラ23は、Iγ算出・記憶回路
24、Iα算出・記憶回路25及びIβ算出・記憶回路
26に対して、それぞれ、コントロール信号SCγ,S
Cα及びSCβを供給し、各部の動作を制御する。
【0107】Iγ算出・記憶回路24は、コントローラ
23から供給されたコントロール信号SCγによる制御
の下に、量子化回路21から供給された受信値yt及び
事前確率情報APPtを用いて、受信値yt毎に、次式
(28)に示す演算を行い、各時刻tにおける対数尤度
Iγtを算出して記憶する。なお、次式(28)に示す
sgnは、正負を識別する符号を示す定数、すなわち、
“+1”又は“−1”のいずれかである。この定数sg
nは、復号装置3’が負値のみを扱う系として構成され
る場合には、“+1”をとり、復号装置3’が正値のみ
を扱う系として構成される場合には、“−1”をとる。
すなわち、Iγ算出・記憶回路24は、受信値yt
に、符号の出力パターンと受信値により決定される確率
γを対数表記した対数尤度Iγ又は確率γを対数表記し
て正負識別符号を反転した対数尤度Iγを算出する。
【0108】
【数28】
【0109】そして、Iγ算出・記憶回路24は、記憶
した対数尤度IγtをIα算出・記憶回路25、Iβ算
出・記憶回路26及び軟出力算出回路27に供給する。
このとき、Iγ算出・記憶回路24は、Iα算出・記憶
回路25、Iβ算出・記憶回路26及び軟出力算出回路
27のそれぞれにおける処理に適した順序で対数尤度I
γtを供給する。なお、以下の説明では、Iγ算出・記
憶回路24からIα算出・記憶回路25に供給される対
数尤度IγtをIγ(α)と表し、Iγ算出・記憶回路
24からIβ算出・記憶回路26に供給される対数尤度
IγtをIγ(β1),Iγ(β2)と表し、Iγ算出
・記憶回路24から軟出力算出回路27に供給される対
数尤度IγtをIγ(λ)と表すものとする。
【0110】Iα算出・記憶回路25は、コントローラ
23から供給されたコントロール信号SCαによる制御
の下に、Iγ算出・記憶回路24から供給された対数尤
度Iγ(α)を用いて、次式(29)に示す演算を行
い、各時刻tにおける対数尤度Iαtを算出して記憶す
る。なお、次式(29)における演算子“#”は、いわ
ゆるlog−sum演算を示すものであり、入力“0”
でステートm’からステートmへと遷移するときにおけ
る対数尤度と、入力“1”でステートm’’からステー
トmへと遷移するときにおける対数尤度とのlog−s
um演算を示すものである。より具体的には、Iα算出
・記憶回路25は、定数sgnが“+1”の場合には、
次式(30)に示す演算を行うことによって、一方、定
数sgnが“−1”の場合には、次式(31)に示す演
算を行うことによって、各時刻tにおける対数尤度Iα
tを算出する。すなわち、Iα算出・記憶回路25は、
対数尤度Iγに基づいて、受信値yt毎に、符号化開始
ステートから時系列順に各ステートに至る確率αを対数
表記した対数尤度Iα又は確率αを対数表記して正負識
別符号を反転した対数尤度Iαを算出する。そして、I
α算出・記憶回路25は、記憶した対数尤度Iαtを軟
出力算出回路27に供給する。このとき、Iα算出・記
憶回路25は、軟出力算出回路27における処理に適し
た順序で対数尤度Iαtを供給する。また、Iα算出・
記憶回路25は、算出した対数尤度Iαtの値の分布の
偏りを是正するための正規化を行うが、これについては
後述する。なお、以下の説明では、Iα算出・記憶回路
25から軟出力算出回路27に供給される対数尤度Iα
tをIα(λ)と表すものとする。
【0111】
【数29】
【0112】
【数30】
【0113】
【数31】
【0114】Iβ算出・記憶回路26は、コントローラ
23から供給されたコントロール信号SCβによる制御
の下に、Iγ算出・記憶回路24から供給された対数尤
度Iγ(β1),Iγ(β2)を用いて、次式(32)
に示す演算を行い、各時刻における2系統の対数尤度I
βtを並列的に算出して記憶する。なお、次式(32)
における演算子“#”は、上述したように、log−s
um演算を示すものであり、入力“0”でステートm’
からステートmへと遷移するときにおける対数尤度と、
入力“1”でステートm’’からステートmへと遷移す
るときにおける対数尤度とのlog−sum演算を示す
ものである。より具体的には、Iβ算出・記憶回路26
は、定数sgnが“+1”の場合には、次式(33)に
示す演算を行うことによって、一方、定数sgnが“−
1”の場合には、次式(34)に示す演算を行うことに
よって、各時刻tにおける対数尤度Iβtを算出する。
すなわち、Iβ算出・記憶回路26は、対数尤度Iγに
基づいて、受信値yt毎に、打ち切りステートから時系
列の逆順に各ステートに至る確率βを対数表記した対数
尤度Iβ又は確率βを対数表記して正負識別符号を反転
した対数尤度Iβを算出する。そして、Iβ算出・記憶
回路26は、記憶した対数尤度Iβtのうち、1系統の
対数尤度Iβtを軟出力算出回路27に供給する。この
とき、Iβ算出・記憶回路26は、軟出力算出回路27
における処理に適した順序で対数尤度Iβtを供給す
る。また、Iβ算出・記憶回路26は、算出した対数尤
度Iβtの値の分布の偏りを是正するための正規化を行
うが、これについては後述する。なお、以下の説明で
は、Iβ算出・記憶回路26から軟出力算出回路27に
供給される対数尤度IβtをIβ(λ)と表すものとす
る。
【0115】
【数32】
【0116】
【数33】
【0117】
【数34】
【0118】軟出力算出回路27は、Iγ算出・記憶回
路24から供給された対数尤度Iγ(λ)と、Iα算出
・記憶回路25から供給された対数尤度Iα(λ)と、
Iβ算出・記憶回路26から供給された対数尤度Iβ
(λ)とを用いて、次式(35)に示す演算を行い、各
時刻tにおける対数軟出力Iλtを算出して記憶する。
このとき、軟出力算出回路27は、必要に応じて、情報
ビットに対する事後確率情報に対応する対数軟出力Iλ
Itと、符号ビットに対する事後確率情報に対応する対数
軟出力IλCtとを算出して記憶する。そして、軟出力算
出回路27は、記憶した対数軟出力IλIt及び/又は対
数軟出力IλCtを時系列順に並べ替えた後、外部情報算
出回路28に供給するか、若しくは、外部に出力する。
なお、次式(35)における演算子“#Σ”は、上述し
た演算子“#”で表されるlog−sum演算の累積加
算演算を示すものである。
【0119】
【数35】
【0120】外部情報算出回路28は、軟出力算出回路
27から供給された対数軟出力Iλ tと、量子化回路2
1から供給された量子化後の事前確率情報APPtとを
用いて、外部情報EXtを算出する。具体的には、外部
情報算出回路28は、軟出力算出回路27から供給され
た対数軟出力Iλtと、量子化回路21から供給された
事前確率情報APPtとの差分値を外部情報EXtとして
算出する。このとき、外部情報算出回路28は、必要に
応じて、情報ビットに対する外部情報EXItと、符号ビ
ットに対する外部情報EXCtとを算出する。外部情報算
出回路28は、算出した外部情報EXtを後段のクリッ
プ回路29に供給する。
【0121】クリップ回路29は、外部情報算出回路2
8から供給された外部情報EXtを所定のダイナミック
レンジにクリップする。すなわち、クリップ回路29
は、復号装置3’を後述する繰り返し復号に適用した場
合には、外部情報EXtを事前確率情報APPtとして用
いることを考慮して設けられるものであり、外部情報算
出回路28から供給された外部情報EXtを、量子化回
路21による量子化後の事前確率情報APPtと同一の
ダイナミックレンジにクリップする。クリップ回路29
は、クリップ後の外部情報EXtを外部に出力する。
【0122】このような復号装置3’は、受信装置によ
り受信された軟入力の受信値ytを入力すると、軟出力
復号回路22におけるIγ算出・記憶回路24によっ
て、受信値ytを受信する毎に、対数尤度Iγt(m’,
m)を算出し、Iα算出・記憶回路25によって、対数
尤度Iαt(m)を算出した後、全ての受信値ytを受信
すると、Iβ算出・記憶回路26によって、全ての時刻
tにおける各ステートmについて、対数尤度Iβ
t(m)を算出する。そして、復号装置3’は、軟出力
算出回路27によって、算出した対数尤度Iαt,Iβt
及びIγtを用いて、各時刻tにおける対数軟出力Iλt
を算出し、この対数軟出力Iλtを外部に出力するか、
若しくは、外部情報算出回路28に供給する。また、復
号装置3’は、外部情報算出回路28によって、各時刻
tにおける外部情報EXtを算出し、クリップ回路29
によって、外部情報EXtを所定のダイナミックレンジ
にクリップする。このように、復号装置3’は、Log
−BCJRアルゴリズムを適用した軟出力復号を行うこ
とができる。
【0123】なお、復号装置3’としては、後述する繰
り返し復号に適用しない場合には、外部情報算出回路2
8及びクリップ回路29を設ける必要はなく、符号ビッ
トに対する事前確率情報に対応する対数軟出力IλCt
算出する必要もない。
【0124】さて、復号装置3’は、上述したように、
量子化回路21によって、受信値y t及び事前確率情報
APPtに対して、量子化前における実数値“0”を覆
う量子化レベルが存在する量子化を行う。
【0125】例えば、量子化回路21は、受信値yt
び事前確率情報APPtに対して2ビット量子化を行う
ものとすると、図5(A)に示すように、実数値“0”
で表される受信値yt又は事前確率情報APPtに対し
て、所定の量子化刻み幅で例えば“00”で表される量
子化レベルを割り当て、その他の実数値に対して、2の
補数のバイナリ表現とされる量子化レベルを順次割り当
てる。また、量子化回路21は、同図(B)に示すよう
に、任意の値に対して、正負識別符号と絶対値との組み
合わせ(signed magnitude形式)で表現される量子化レ
ベルを割り当てることもできる。このとき、量子化回路
21は、実数値“0”を“+0”,“−0”で表し、こ
れらの“+0”,“−0”で表される受信値yt又は事
前確率情報APPtに対して、それぞれ、例えば“0
0”,“10”で表される量子化レベルを割り当て、そ
の他の実数値に対して、他の量子化レベルを順次割り当
てる。
【0126】すなわち、量子化回路21は、受信値yt
及び事前確率情報APPtに対して、量子化レベルの割
り当ては任意とされるものの、量子化前における実数値
“0”を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う。
【0127】復号装置3’は、量子化回路21によりこ
のような量子化を行うことによって、量子化前の実数値
“0”を表現することができ、絶対値が等しい正値を有
する対数尤度と負値を有する対数尤度との和演算におい
ても、適切な値を表現することができることから、高精
度の復号を行うことができる。
【0128】つぎに、復号装置3’における対数尤度I
αt,Iβtの正規化について説明する。
【0129】復号装置3’は、上述したように、Iα算
出・記憶回路25により算出された対数尤度Iαtと、
Iβ算出・記憶回路26により算出された対数尤度Iβ
tとについて、これらの対数尤度Iαt,Iβtの分布の
偏りを是正するための正規化を行う。そこで、ここで
は、Iα算出・記憶回路25及びIβ算出・記憶回路2
6について、より具体的に詳述する。
【0130】まず、Iα算出・記憶回路25について説
明する。Iα算出・記憶回路25は、図6に示すよう
に、算出された対数尤度Iαと対数尤度の初期値Iα0
とのいずれか一方を選択するセレクタ31と、初期値I
α0又は対数尤度Iαを保持するレジスタ32と、各ス
テートにおける対数尤度Iαを算出するIα算出回路3
3と、各ステートにおける対数尤度Iαを順次保持する
RAM(Random AccessMemory)34,35と、これら
のRAM34,35から読み出した対数尤度Iαを選択
的に取り出す選択回路36とを有する。
【0131】セレクタ31は、コントローラ23から供
給されたコントロール信号SCαによる制御の下に、初
期化時には対数尤度の初期値Iα0を選択し、初期化時
以外の時にはIα算出回路33から供給される対数尤度
Iαを選択する。なお、初期化は、Iγ算出・記憶回路
24からの対数尤度Iγ(α)の出力が開始される1時
刻前の時点で行われる。ここで、復号装置3’が符号化
装置1’による符号化の開始時点を把握している場合に
は、初期値Iα0としては、上述した定数sgnが“+
1”のときには、ステート0における値としてlog1
=0が与えられ、その他のステートにおける値としてl
og0=−∞が与えられる。また、定数sgnが“−
1”のときには、ステート0における値としてlog1
=0が与えられ、その他のステートにおける値としてl
og0=+∞が与えられる。一方、復号装置3’が符号
化装置1’による符号化の開始時点を把握していない場
合には、初期値Iα0としては、全てのステートに対し
てlog(1/M)、ここではlog(1/4)が与え
られるが、実際には、全てのステートに対して同じ値が
与えられればよく、例えば全てのステートに対して0が
与えられてもよい。セレクタ31は、初期値Iα0又は
対数尤度Iαのうちの選択した一方をレジスタ32に供
給する。
【0132】レジスタ32は、セレクタ31から供給さ
れる初期値Iα0又は対数尤度Iαを保持する。そし
て、レジスタ32は、次時刻において、保持している初
期値Iα0又は対数尤度IαをIα算出回路33及びR
AM34,35に供給する。
【0133】Iα算出回路33は、図7に示すように、
各ステートに応じた数、ここでは4つの加算比較選択回
路370,371,372,373と、正規化手段である正
規化回路38とを有する。
【0134】加算比較選択回路370,371,372
373には、それぞれ、トレリス上の遷移に基づいて、
Iγ算出・記憶回路24により算出されたトレリス上の
出力“00”、“10”、“01”、“11”に対応す
る枝の対数尤度Iγt[00],Iγt[10],Iγt
[01],Iγt[11]と、各ステートにおける1時
刻前の対数尤度Iαt-1(0),Iαt-1(1),Iα
t-1(2),Iαt-1(3)が供給される。そして、加算
比較選択回路370,371,372,373は、それぞ
れ、次時刻のステート0、ステート1、ステート2、ス
テート3における対数尤度Iαを求める。
【0135】具体的には、加算比較選択回路370は、
対数尤度Iγt[00],Iγt[11]を入力するとと
もに、対数尤度Iαt-1(0),Iαt-1(2)を入力
し、ステート0における対数尤度Iαt(0)を求め
る。
【0136】また、加算比較選択回路371は、対数尤
度Iγt[11],Iγt[00]を入力するとともに、
対数尤度Iαt-1(0),Iαt-1(2)を入力し、ステ
ート1における対数尤度Iαt(1)を求める。
【0137】さらに、加算比較選択回路372は、対数
尤度Iγt[10],Iγt[01]を入力するととも
に、対数尤度Iαt-1(1),Iαt-1(3)を入力し、
ステート2における対数尤度Iαt(2)を求める。
【0138】さらにまた、加算比較選択回路373は、
対数尤度Iγt[01],Iγt[10]を入力するとと
もに、対数尤度Iαt-1(1),Iαt-1(3)を入力
し、ステート3における対数尤度Iαt(3)を求め
る。
【0139】このような加算比較選択回路370,3
1,372,373は、それぞれ、求めた対数尤度Iα
を正規化回路38に供給する。
【0140】正規化回路38は、加算比較選択回路37
0,371,372,373から供給された対数尤度Iαの
分布の偏りを是正するための正規化を行う。すなわち、
正規化回路38は、レジスタ32に保持される対数尤度
Iαが、一定時間の経過後に、Iα算出・記憶回路25
が表現可能な値の範囲を超過してしまうことを回避する
ために備えられるものである。正規化回路38は、後述
するように、加算比較選択回路370,371,372
373から供給された対数尤度Iαのうち、確率が最大
値を有するものに対応する対数尤度を、とり得る確率の
最大値に対応する対数尤度に合わせるように、各対数尤
度に対して所定の演算を施す。すなわち、正規化回路3
8は、復号装置3’が対数尤度を負値として扱う場合に
は、加算比較選択回路370,371,372,373から
供給された対数尤度Iαのうち、最大値を有するもの
を、復号装置3’が表現可能な最大値に合わせるよう
に、各対数尤度Iαに対して所定の値を加算する。ま
た、正規化回路38は、復号装置3’が対数尤度を正値
として扱う場合には、加算比較選択回路370,371
37 2,373から供給された対数尤度Iαのうち、最小
値を有するものを、復号装置3’が表現可能な最小値に
合わせるように、各対数尤度Iαから所定の値を減算す
る。正規化回路38は、正規化した対数尤度Iαをセレ
クタ31に供給する。
【0141】このようなIα算出回路33は、Iγ算出
・記憶回路24から供給された対数尤度Iγ(α)と、
レジスタ32に保持されていた1時刻前の初期値Iα0
又は対数尤度Iαとを用いて、上式(29)に示した演
算、すなわち、上式(30)又は上式(31)に示した
演算を行い、次時刻の各ステートにおける対数尤度Iα
を算出する。Iα算出回路33は、算出した対数尤度I
αを正規化した後、セレクタ31に供給する。
【0142】RAM34,35は、それぞれ、コントロ
ーラ23から供給されたコントロール信号SCαによる
制御の下に、レジスタ32から供給された対数尤度Iα
(0),Iα(1),Iα(2),Iα(3)を順次保
持する。ここで、対数尤度Iα(0),Iα(1),I
α(2),Iα(3)のビット数を、それぞれ、例えば
8ビットとすると、RAM34,35は、それぞれ、3
2ビットを1ワードとして、対数尤度Iα(0),Iα
(1),Iα(2),Iα(3)を保持する。これらの
RAM34,35に保持された対数尤度Iα(0),I
α(1),Iα(2),Iα(3)は、選択回路36に
より所定の順序で読み出される。
【0143】選択回路36は、コントローラ23から供
給されたコントロール信号SCαによる制御の下に、R
AM34,35から読み出した対数尤度Iα(0),I
α(1),Iα(2),Iα(3)を選択的に取り出
し、対数尤度Iα(λ)として軟出力算出回路27に供
給する。
【0144】このようなIα算出・記憶回路25は、I
γ算出・記憶回路24からの対数尤度Iγ(α)の出力
が開始される1時刻前の時点で初期化を行い、セレクタ
31により選択された初期値Iα0をレジスタ32に保
持させる。そして、Iα算出・記憶回路25は、以後の
クロック周期において、Iα算出回路33によって、I
γ算出・記憶回路24から供給された対数尤度Iγ
(α)と、レジスタ32から供給された1時刻前の対数
尤度Iαとを用いて、次時刻における対数尤度Iαを順
次算出して、その対数尤度Iαを後述するように正規化
し、レジスタ32に新たに保持させる。また、Iα算出
・記憶回25は、レジスタ32に保持された各ステート
における対数尤度Iα(0),Iα(1),Iα
(2),Iα(3)を順次RAM34,35に保持させ
るとともに、選択回路36により所定の順序で読み出
し、対数尤度Iα(λ)として軟出力算出回路27に供
給する。
【0145】続いて、Iβ算出・記憶回路26について
説明する。Iβ算出・記憶回路26は、図8に示すよう
に、各ステートにおける対数尤度Iβを算出するIβ算
出回路411,412と、算出された対数尤度Iβと対数
尤度の初期値Iβa,Iβbとのいずれか一方を選択す
るセレクタ421,422と、初期値Iβa,Iβb又は
対数尤度Iβを保持するレジスタ431,432と、これ
らのレジスタ431,432から供給された対数尤度Iβ
を選択的に取り出す選択回路44とを有する。
【0146】Iβ算出回路411,412は、それぞれ、
図9に示すように、各ステートに応じた数、ここでは4
つの加算比較選択回路450,451,452,453と、
正規化手段である正規化回路46とを有する。
【0147】加算比較選択回路450,451,452
453には、それぞれ、トレリス上の遷移に基づいて、
Iγ算出・記憶回路24により算出されたトレリス上の
出力“00”、“10”、“01”、“11”に対応す
る枝の対数尤度Iγt[00],Iγt[10],Iγt
[01],Iγt[11]と、各ステートにおける対数
尤度Iβt(0),Iβt(1),Iβt(2),Iβ
t(3)が供給される。そして、加算比較選択回路4
0,451,452,453は、それぞれ、1時刻前のス
テート0、ステート1、ステート2、ステート3におけ
る対数尤度Iβを求める。
【0148】具体的には、加算比較選択回路450は、
対数尤度Iγt[00],Iγt[11]を入力するとと
もに、対数尤度Iβt(0),Iβt(1)を入力し、ス
テート0における対数尤度Iβt-1(0)を求める。
【0149】また、加算比較選択回路451は、対数尤
度Iγt[10],Iγt[01]を入力するとともに、
対数尤度Iβt(2),Iβt(3)を入力し、ステート
1における対数尤度Iβt-1(1)を求める。
【0150】さらに、加算比較選択回路452は、対数
尤度Iγt[11],Iγt[00]を入力するととも
に、対数尤度Iβt(0),Iβt(1)を入力し、ステ
ート2における対数尤度Iβt-1(2)を求める。
【0151】さらにまた、加算比較選択回路453は、
対数尤度Iγt[01],Iγt[10]を入力するとと
もに、対数尤度Iβt(2),Iβt(3)を入力し、ス
テート3における対数尤度Iβt-1(3)を求める。
【0152】このような加算比較選択回路450,4
1,452,453は、それぞれ、求めた対数尤度Iβ
を正規化回路46に供給する。
【0153】正規化回路46は、上述した正規化回路3
8と同様に、加算比較選択回路45 0,451,452
453から供給された対数尤度Iβの分布の偏りを是正
するための正規化を行う。すなわち、正規化回路46
は、レジスタ431,432に保持される対数尤度Iβ
が、一定時間の経過後に、Iβ算出・記憶回路26が表
現可能な値の範囲を超過してしまうことを回避するため
に備えられるものである。正規化回路46は、後述する
ように、加算比較選択回路450,451,452,453
から供給された対数尤度Iβのうち、確率が最大値を有
するものに対応する対数尤度を、とり得る確率の最大値
に対応する対数尤度に合わせるように、各対数尤度に対
して所定の演算を施す。すなわち、正規化回路46は、
復号装置3’が対数尤度を負値として扱う場合には、加
算比較選択回路450,451,452,453から供給さ
れた対数尤度Iβのうち、最大値を有するものを、復号
装置3’が表現可能な最大値に合わせるように、各対数
尤度Iβに対して所定の値を加算する。また、正規化回
路46は、復号装置3’が対数尤度を正値として扱う場
合には、加算比較選択回路450,451,452,453
から供給された対数尤度Iβのうち、最小値を有するも
のを、復号装置3’が表現可能な最小値に合わせるよう
に、各対数尤度Iβから所定の値を減算する。正規化回
路46は、正規化した対数尤度Iβをセレクタ421
422に供給する。
【0154】このようなIβ算出回路411,412は、
それぞれ、Iγ算出・記憶回路24から供給された対数
尤度Iγ(β1),Iγ(β2)と、レジスタ431
432に保持されていた初期値Iβa,Iβb又は対数
尤度Iβとを用いて、上式(32)に示した演算、すな
わち、上式(33)又は上式(34)に示した演算を行
い、1時刻前の各ステートにおける対数尤度Iβを算出
する。ここで、対数尤度Iβ(0),Iβ(1),Iβ
(2),Iβ(3)のビット数は、それぞれ、例えば8
ビットであり、総ビット数は、32ビットとなる。Iβ
算出回路411,412は、それぞれ、算出した対数尤度
Iβを正規化した後、セレクタ421,422に供給す
る。
【0155】セレクタ421,422は、それぞれ、コン
トローラ23から供給されたコントロール信号SCβに
よる制御の下に、初期化時には対数尤度の初期値Iβ
a,Iβbを選択し、初期化時以外の時にはIβ算出回
路411,412のそれぞれから供給される対数尤度Iβ
を選択する。なお、初期化は、Iγ算出・記憶回路24
からの対数尤度Iγ(β1),Iγ(β2)の出力が開
始される1時刻前の時点で行われ、以後打ち切り長の2
倍の長さの周期毎に行われる。ここで、初期値Iβa,
Iβbとしては、通常、全てのステートに対して例えば
0やlog(1/M)、ここではlog(1/4)とい
ったように、同じ値が与えられるが、終結された符号を
復号する際には、上述した定数sgnが“+1”のとき
には、終結するステートにおける値としてlog1=0
が与えられ、その他のステートにおける値としてlog
0=−∞が与えられる。また、定数sgnが“−1”の
ときには、終結するステートにおける値としてlog1
=0が与えられ、その他のステートにおける値としてl
og0=+∞が与えられる。セレクタ421,422は、
それぞれ、初期値Iβa,Iβb又は対数尤度Iβのう
ちの選択した一方をレジスタ431,432に供給する。
【0156】レジスタ431,432は、それぞれ、セレ
クタ421,422から供給される初期値Iβa,Iβb
又は対数尤度Iβを保持する。そして、レジスタ4
1,432は、それぞれ、次時刻において、保持してい
る初期値Iβa,Iβb又は対数尤度IβをIβ算出回
路411,412及び選択回路44に供給する。
【0157】選択回路44は、コントローラ23から供
給されたコントロール信号SCβによる制御の下に、レ
ジスタ431,432のそれぞれから供給された対数尤度
Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ(3)を選
択的に取り出し、対数尤度Iβ(λ)として軟出力算出
回路27に供給する。
【0158】このようなIβ算出・記憶回路26は、I
γ算出・記憶回路24からの対数尤度Iγ(β1)の出
力が開始される1時刻前の時点及び以後打ち切り長の2
倍の長さの周期毎に初期化を行い、セレクタ421によ
り選択された初期値Iβaをレジスタ431に保持させ
る。そして、Iβ算出・記憶回路26は、以後のクロッ
ク周期において、Iβ算出回路411によって、Iγ算
出・記憶回路24から供給された対数尤度Iγ(β1)
と、レジスタ421から供給された対数尤度Iβとを用
いて、1時刻前における対数尤度Iβを順次算出し、そ
の対数尤度Iβを後述するように正規化し、レジスタ4
1に新たに保持させる。
【0159】また、Iβ算出・記憶回路26は、Iγ算
出・記憶回路24からの対数尤度Iγ(β2)の出力が
開始される1時刻前の時点及び以後打ち切り長の2倍の
長さの周期毎に初期化を行い、セレクタ422により選
択された初期値Iβbをレジスタ432に保持させる。
そして、Iβ算出・記憶回路26は、以後のクロック周
期において、Iβ算出回路412によって、Iγ算出・
記憶回路24から供給された対数尤度Iγ(β2)と、
レジスタ422から供給された対数尤度Iβとを用い
て、1時刻前における対数尤度Iβを順次算出し、その
対数尤度Iβを後述するように正規化し、レジスタ43
2に新たに保持させる。そして、Iβ算出・記憶回路2
6は、レジスタ431,432のそれぞれに保持された各
ステートにおける対数尤度Iβ(0),Iβ(1),I
β(2),Iβ(3)を選択回路44により所定の順序
で読み出し、対数尤度Iβ(λ)として軟出力算出回路
27に供給する。
【0160】さて、上述したように、Iα算出・記憶回
路25は、Iα算出回路33における正規化回路38に
より対数尤度Iαの正規化を行い、Iβ算出・記憶回路
26は、Iβ算出回路411,412における正規化回路
46により対数尤度Iβの正規化を行う。
【0161】具体的には、正規化回路38,46は、そ
れぞれ、加算比較選択回路370,371,372,373
から供給された4つの対数尤度Iα(0),Iα
(1),Iα(2),Iα(3)、又は、加算比較選択
回路450,451,452,453から供給された4つの
対数尤度Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ
(3)が、それぞれ、図10(A)に示すプロット○,
△,□,◇で表されるような分布を呈しているものとし
たとき、同図(B)に示すように、当該対数尤度Iα
(0),Iα(1),Iα(2),Iα(3)、又は、
対数尤度Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ
(3)の分布の中央を例えば“0”とするような正規化
を行うことができる。
【0162】ここで、Max−Log−BCJRアルゴ
リズムやLog−BCJRアルゴリズムにおいては、一
般に、対数尤度同士の差分値のみが結果に影響し、対数
尤度の値が大きいものほど重要度が高い。また、実際に
は、Iα算出・記憶回路25又はIβ算出・記憶回路2
6は、対数尤度Iα,Iβを所定の量子化範囲でクリッ
プする。これらのことを考慮すると、対数尤度Iα
(0),Iα(1),Iα(2),Iα(3)、又は、
対数尤度Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ
(3)が、それぞれ、図11(A)に示すプロット○,
△,□,◇で表されるような分布を呈しているものとし
たとき、このような正規化を行うと、同図(B)に示す
ように、値が大きく重要度の高いプロット×で示す対数
尤度Iα(3)又はIβ(3)がクリップされてしまう
虞があり、微妙な確率差の表現といった適切な対数尤度
同士の差分を表現することが困難となることが考えられ
る。
【0163】そこで、正規化回路38,46は、それぞ
れ、加算比較選択回路370,371,372,373から
供給された4つの対数尤度Iα(0),Iα(1),I
α(2),Iα(3)、又は、加算比較選択回路4
0,451,452,453から供給された4つの対数尤
度Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ(3)の
うち、確率α、又は、確率βが最大値を有するものに対
応する対数尤度を、とり得る確率の最大値に対応する対
数尤度に合わせるように、対数尤度Iα(0),Iα
(1),Iα(2),Iα(3)、又は、対数尤度Iβ
(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ(3)のそれぞ
れに対して所定の演算を施す。
【0164】より具体的には、正規化回路38,46
は、それぞれ、復号装置3’が対数尤度を負値として扱
う場合、すなわち、上述した定数sgnが“+1”の場
合には、加算比較選択回路370,371,372,373
から供給された4つの対数尤度Iα(0),Iα
(1),Iα(2),Iα(3)、又は、加算比較選択
回路450,451,452,453から供給された4つの
対数尤度Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ
(3)のうち、最大値を有するものを、復号装置3’が
表現可能な最大値に合わせるように、対数尤度Iα
(0),Iα(1),Iα(2),Iα(3)、又は、
対数尤度Iβ(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ
(3)のそれぞれに対して所定の値を加算する。
【0165】例えば、正規化回路38,46は、それぞ
れ、対数尤度Iα(0),Iα(1),Iα(2),I
α(3)、又は、対数尤度Iβ(0),Iβ(1),I
β(2),Iβ(3)が、それぞれ、図12(A)に示
す分布を呈しているものとしたとき、同図(B)に示す
ように、これらの対数尤度のうち、最大値であるプロッ
ト×で示す対数尤度Iα(3)又はIβ(3)を“0”
とするように、対数尤度Iα(0),Iα(1),Iα
(2),Iα(3)、又は、対数尤度Iβ(0),Iβ
(1),Iβ(2),Iβ(3)のそれぞれに対して所
定の値を加算する。
【0166】また、正規化回路38,46は、それぞ
れ、復号装置3’が対数尤度を正値として扱う場合、す
なわち、上述した定数sgnが“−1”の場合には、加
算比較選択回路370,371,372,373から供給さ
れた4つの対数尤度Iα(0),Iα(1),Iα
(2),Iα(3)、又は、加算比較選択回路450
451,452,453から供給された4つの対数尤度I
β(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ(3)のう
ち、最小値を有するものを、復号装置3’が表現可能な
最小値に合わせるように、対数尤度Iα(0),Iα
(1),Iα(2),Iα(3)、又は、対数尤度Iβ
(0),Iβ(1),Iβ(2),Iβ(3)のそれぞ
れから所定の値を減算する。
【0167】例えば、正規化回路38,46は、それぞ
れ、対数尤度Iα(0),Iα(1),Iα(2),I
α(3)、又は、対数尤度Iβ(0),Iβ(1),I
β(2),Iβ(3)が、それぞれ、図13(A)に示
す分布を呈しているものとしたとき、同図(B)に示す
ように、これらの対数尤度のうち、最小値であるプロッ
ト○で示す対数尤度Iα(0)又はIβ(0)を“0”
とするように、対数尤度Iα(0),Iα(1),Iα
(2),Iα(3)、又は、対数尤度Iβ(0),Iβ
(1),Iβ(2),Iβ(3)のそれぞれから所定の
値を減算する。
【0168】復号装置3’は、正規化回路38,46の
それぞれによりこのような正規化を例えば1タイムスロ
ット毎に行うことによって、値が大きく重要度の高い対
数尤度がクリップされる事態を招くことがなく、適切な
対数尤度同士の差分を表現することが可能となり、高精
度の復号を行うことができる。特に、復号装置3’は、
正規化回路38,46のそれぞれにより値が最大の対数
尤度を“0”とする正規化を行う場合には、対数尤度が
負値のみをとることから、正方向の表現を必要とせず、
また、値が最小の対数尤度を“0”とする正規化を行う
場合には、対数尤度が正値のみをとることから、負方向
の表現を必要とせず、回路規模の削減を図ることもでき
る。
【0169】つぎに、復号装置3’における内部演算時
のダイナミックレンジの最適化について説明する。
【0170】復号装置3’を後述する繰り返し復号に適
用する場合には、任意の繰り返し回数における事前確率
情報APPtに対する算出された対数軟出力Iλtの増分
を、次の繰り返し回数における事前確率情報APPt
して用いる。そのため、繰り返し復号においては、この
増分である外部情報EXtのダイナミックレンジを適正
なものに保存することが重要となる。また、外部情報E
tのダイナミックレンジと事前確率情報APPtのダイ
ナミックレンジは、同一のものである必要がある。
【0171】ここで、これらのことを踏まえた上で、図
14(A)に示すように、事前確率情報APPtのダイ
ナミックレンジが−350乃至+350で表され、軟出
力復号回路22における軟出力算出回路27により算出
される対数軟出力Iλtのダイナミックレンジが−36
0乃至+360で表される場合を考える。
【0172】この場合、軟出力復号回路22における外
部情報算出回路28により算出される外部情報EXt
ダイナミックレンジは、同図(B)に示すように、最小
で−10乃至+10となり、最大で−710乃至+71
0となる。そのため、外部情報EXtのダイナミックレ
ンジを−710乃至+710とした場合には、当該外部
情報EXtのダイナミックレンジを事前確率情報APPt
のダイナミックレンジに合わせるように、軟出力復号回
路22におけるクリップ回路29によりクリップすれば
よいが、外部情報EXtのダイナミックレンジを−10
乃至+10とした場合には、外部情報EXtをフルレン
ジで表現することができない。
【0173】したがって、復号装置3’としては、外部
情報算出回路28により算出される外部情報EXtのダ
イナミックレンジを、少なくとも−350乃至+350
とすればよく、そのためには、軟出力算出回路27によ
り算出される対数軟出力Iλ tのダイナミックレンジ
を、少なくとも−700乃至+700とすればよい。
【0174】すなわち、復号装置3’においては、軟出
力復号回路22の内部で表現可能なダイナミックレンジ
を、外部情報算出回路28に入力される事前確率情報A
PP tのダイナミックレンジの少なくとも2倍以上とす
る。より具体的には、復号装置3’においては、軟出力
算出回路27により算出される対数軟出力Iλtのダイ
ナミックレンジを、事前確率情報APPtのダイナミッ
クレンジの少なくとも2倍以上とする。
【0175】特に、復号装置3’としては、軟出力算出
回路27により算出される対数軟出力Iλtのダイナミ
ックレンジを、事前確率情報APPtのダイナミックレ
ンジの2倍とするのが最も望ましい。
【0176】例えば図15(A)に示すように、事前確
率情報APPtのダイナミックレンジが−350乃至+
350で表され、軟出力復号回路22における軟出力算
出回路27により算出される対数軟出力Iλtのダイナ
ミックレンジが、事前確率情報APPtのダイナミック
レンジの2倍以上である−1000乃至+1000で表
される場合を考える。
【0177】この場合、軟出力復号回路22における外
部情報算出回路28により算出される外部情報EXt
ダイナミックレンジは、同図(B)に示すように、最小
で−650乃至+650となる。そのため、外部情報算
出回路28により算出された外部情報EXtは、クリッ
プ回路29によりクリップされることになる。
【0178】すなわち、復号装置3’としては、軟出力
算出回路27により算出される対数軟出力Iλtのダイ
ナミックレンジを、事前確率情報APPtのダイナミッ
クレンジの2倍以上とした場合には、復号精度はほぼ一
定で保証されるものの、ビット数が多くなり、回路規模
の増大を招くことになる。
【0179】したがって、復号装置3’としては、軟出
力算出回路27により算出される対数軟出力Iλtのダ
イナミックレンジを、敢えて事前確率情報APPtのダ
イナミックレンジの2倍以上とする必要はない。
【0180】このように、復号装置3’は、軟出力復号
回路22の内部における演算に必要な最適なダイナミッ
クレンジを設定することができ、高精度の復号を行うこ
とが可能となる。
【0181】なお、復号装置3’としては、クリップ回
路29を外部情報算出回路28の後段に設けずに、図1
6に示すように、外部情報算出回路28に入力される事
前確率情報APPtを、外部情報算出回路28により算
出される外部情報EXtのダイナミックレンジの少なく
とも1/2倍以下のダイナミックレンジにクリップする
ようにしてもよい。すなわち、復号装置3’は、軟出力
復号回路22の内部で表現可能なダイナミックレンジ
を、外部情報算出回路28による外部情報EXtの算出
に用いる事前確率情報APPtのダイナミックレンジの
少なくとも2倍以上とすればよく、クリップ回路29の
位置には任意性があってもよい。
【0182】つぎに、復号装置3がいわゆる繰り返し復
号を行うものとして構成される場合について説明する。
この場合、復号装置3は、上述した復号装置3’を応用
して構成される。
【0183】上述したように、符号化装置1としては、
畳み込み符号以外にも、PCCCやSCCCや、TTC
M方式やSCTCM方式を行うものとしても適用可能で
ある。この場合、復号装置3としては、上述したアルゴ
リズムに基づくMAP復号を行う複数の軟出力復号回路
をインターリーバやデインターリーバを介して連接する
ことによって、繰り返し復号を行うものとして構成され
る。ここでは、図17及び図18に示すPCCCによる
符号化・復号を行う符号化装置1’’及び復号装置
3’’と、図19及び図20に示すSCCCによる符号
化・復号を行う符号化装置1’’’及び復号装置
3’’’とについて説明する。
【0184】まず、PCCCによる符号化を行う符号化
装置1’’と、この符号化装置1’’による符号の復号
を行う復号装置3’’について説明する。
【0185】符号化装置1’’としては、図17に示す
ように、入力したデータを遅延させる遅延器51と、畳
み込み演算を行う2つの畳み込み符号化器52,54
と、入力したデータの順序を並べ替えるインターリーバ
53とを備えるものがある。この符号化装置1’’は、
入力した1ビットの入力データit1に対して、符号化率
が“1/3”の並列連接畳み込み演算を行い、3ビット
の出力データxt1,xt2,xt3を生成し、例えばBPS
K変調方式やQPSK変調方式による変調を行う図示し
ない変調器を介して外部に出力する。
【0186】遅延器51は、3ビットの出力データ
t1,xt2,xt3が出力されるタイミングを合わせるた
めに備えられるものであって、1ビットの入力データi
t1を入力すると、この入力データit1をインターリーバ
53が要する処理時間と同時間だけ遅延させる。遅延器
51は、遅延させて得られた遅延データを、3ビットの
出力データxtのうちの1ビットの出力データxt1とし
て外部に出力するとともに、後段の畳み込み符号化器5
2に供給する。
【0187】畳み込み符号化器52は、遅延器51から
出力された1ビットの遅延データを入力すると、この遅
延データに対して畳み込み演算を行い、演算結果を3ビ
ットの出力データxtのうちの1ビットの出力データx
t2として外部に出力する。
【0188】インターリーバ53は、1つのビット系列
からなる入力データit1を入力し、この入力データit1
を構成する各ビットの順序を並べ替え、生成したインタ
ーリーブデータを後段の畳み込み符号化器54に供給す
る。
【0189】畳み込み符号化器54は、インターリーバ
53から供給される1ビットのインターリーブデータを
入力すると、このインターリーブデータに対して畳み込
み演算を行い、演算結果を3ビットの出力データxt
うちの1ビットの出力データxt3として外部に出力す
る。
【0190】このような符号化装置1’’は、1ビット
の入力データit1を入力すると、この入力データit1
組織成分の出力データxt1として、遅延器51を介して
そのまま外部に出力するとともに、畳み込み符号化器5
2による遅延データの畳み込み演算の結果得られる出力
データxt2と、畳み込み符号化器54によるインターリ
ーブデータの畳み込み演算の結果得られる出力データx
t3とを外部に出力することによって、全体として、符号
化率が“1/3”の並列連接畳み込み演算を行う。この
符号化装置1’’により符号化されたデータは、図示し
ない変調器により所定の変調方式に基づいて信号点のマ
ッピングが行われ、無記憶通信路2を介して受信装置に
出力される。
【0191】一方、符号化装置1’’による符号の復号
を行う復号装置3’’は、図18に示すように、入力さ
れる情報に対して量子化を行う量子化手段である量子化
回路61と、符号化装置1’’における要素符号化器で
ある畳み込み符号化器52,54に対応した復号処理を
行う、要素符号の数と繰り返し復号の繰り返し回数Mと
の積、すなわち、2×M個の処理回路6211,6212
・・・,62M1,62 M2とを備える。この復号装置
3’’は、無記憶通信路2上で発生したノイズの影響に
よりアナログ値をとり軟入力とされる受信値ytから繰
り返し復号により復号データDECtを求めることによ
って、符号化装置1’’における入力データit1を推定
するものである。
【0192】量子化回路61は、上述した復号装置3’
における量子化回路21と同様に、受信値yt及び事前
確率情報APPtに対して、量子化前における実数値
“0”を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う。量
子化回路61は、量子化後の受信値yt及び事前確率情
報APPtを処理回路6211に供給する。
【0193】処理回路6211,6212,・・・,6
M1,62M2は、それぞれ、略同一のLSIとして各部
を単一半導体基板に集積させて構成される。処理回路6
11,6212,・・・,62M1,62M2のうち、処理回
路62i1で表されるものは、符号化装置1’’における
畳み込み符号化器52に対応して備えられ、且つ、繰り
返し回数i回目の復号処理を行うものを示し、処理回路
62i2で表されるものは、符号化装置1’’における畳
み込み符号化器54に対応して備えられ、且つ、繰り返
し回数i回目の復号処理を行うものを示している。
【0194】具体的には、処理回路6211は、入力した
データを遅延させる遅延手段である遅延器6311と、軟
出力復号を行う軟出力復号手段である軟出力復号回路6
11と、入力したデータの順序を並べ替えるインターリ
ーブ手段であるインターリーバ6511とを有する。
【0195】遅延器6311は、インターリーバ6511
ら出力される事前確率情報APPt1 2と、次段の処理回
路6212に入力される受信値ytとが出力されるタイミ
ングを合わせるために備えられるものであって、量子化
回路61から供給された受信値ytを入力すると、この
受信値ytを軟出力回路6411及びインターリーバ65
11が要する処理時間と同時間だけ遅延させる。遅延器6
11は、遅延させた受信値ytを、次段の処理回路62
12に供給する。
【0196】軟出力復号回路6411は、符号化装置
1’’における畳み込み符号化器52に対応して備えら
れるものであり、図示しないが、上述した復号装置3’
における軟出力復号回路22と同様の構成からなる。軟
出力復号回路6411は、量子化回路61から供給された
受信値yt及び事前確率情報APPtを用いて、軟出力復
号回路22と同様の処理による軟出力復号を行う。この
とき、軟出力復号回路64 11は、上述した復号装置3’
における正規化回路38,46と同様の正規化を行う。
また、軟出力復号回路6411の内部で表現可能なダイナ
ミックレンジは、上述した軟出力復号回路22と同様
に、事前確率情報APPtのダイナミックレンジの少な
くとも2倍以上とされる。軟出力復号回路6411は、符
号の拘束条件により求められる情報ビットに対する外部
情報EXt11を算出し、この外部情報EXt11を後段のイ
ンターリーバ6511に軟出力として供給する。なお、軟
出力復号回路6411は、上述した軟出力復号回路22の
ように、情報ビットに対する対数軟出力を出力する必要
はなく、符号ビットに対する対数軟出力及び外部情報を
算出する必要もない。
【0197】インターリーバ6511は、軟出力復号回路
6411から出力された軟入力である情報ビットに対する
外部情報EXt11に対して、符号化装置1’’における
インターリーバ53と同一の置換位置情報に基づいたイ
ンターリーブを施す。インターリーバ6511は、インタ
ーリーブして得られた外部情報を、次段の処理回路62
12における情報ビットに対する事前確率情報APPt12
として、次段の処理回路6212に供給する。
【0198】また、処理回路6212は、入力したデータ
を遅延させる遅延手段である遅延器6312と、軟出力復
号を行う軟出力復号手段である軟出力復号回路64
12と、入力したデータの順序を元に戻すデインターリー
ブ手段であるデインターリーバ6512とを有する。
【0199】遅延器6312は、デインターリーバ6512
から出力される事前確率情報APP t21と、図示しない
次段の処理回路6221に入力される受信値ytとが出力
されるタイミングを合わせるために備えられるものであ
って、処理回路6211から供給された受信値ytを入力
すると、この受信値ytを軟出力回路6412及びデイン
ターリーバ6512が要する処理時間と同時間だけ遅延さ
せる。遅延器6312は、遅延させた受信値ytを、図示
しない次段の処理回路6221に供給する。
【0200】軟出力復号回路6412は、符号化装置
1’’における畳み込み符号化器54に対応して備えら
れるものであり、図示しないが、上述した復号装置3’
における軟出力復号回路22と同様の構成からなる。軟
出力復号回路6412は、処理回路6211から供給された
受信値yt及び事前確率情報APPt12を用いて、軟出力
復号回路22と同様の処理による軟出力復号を行う。こ
のとき、軟出力復号回路6412は、軟出力復号回路64
11と同様に、上述した復号装置3’における正規化回路
38,46と同様の正規化を行う。また、軟出力復号回
路6412の内部で表現可能なダイナミックレンジは、軟
出力復号回路6411と同様に、事前確率情報APPt12
のダイナミックレンジの少なくとも2倍以上とされる。
軟出力復号回路6412は、符号の拘束条件により求めら
れる情報ビットに対する外部情報EX t12を算出し、こ
の外部情報EXt12を後段のデインターリーバ6512
軟出力として供給する。なお、軟出力復号回路64
12は、上述した軟出力復号回路22のように、情報ビッ
トに対する対数軟出力を出力する必要はなく、符号ビッ
トに対する対数軟出力及び外部情報を算出する必要もな
い。
【0201】デインターリーバ6512は、符号化装置
1’’におけるインターリーバ53によりインターリー
ブされたインターリーブデータのビット配列を、それぞ
れ、元の入力データit1のビット配列に戻すように、軟
出力復号回路6412から出力された軟入力である情報ビ
ットに対する外部情報EXt12にデインターリーブを施
す。デインターリーバ6512は、デインターリーブして
得られた外部情報を、図示しない次段の処理回路6221
における情報ビットに対する事前確率情報APP t21
して、図示しない次段の処理回路6221に供給する。
【0202】さらに、処理回路62M1は、処理回路62
11と同様に、入力したデータを遅延させる遅延手段であ
る遅延器63M1と、軟出力復号を行う軟出力復号手段で
ある軟出力復号回路64M1と、入力したデータの順序を
並べ替えるインターリーブ手段であるインターリーバ6
M1とを有する。処理回路62M1は、図示しない処理回
路62M-11から供給された受信値yt及び事前確率情報
APPtM1を用いて、処理回路6211と同様の処理を行
い、得られた外部情報を、次段の処理回路62M2におけ
る情報ビットに対する事前確率情報APPtM2として、
最終段の処理回路62M2に供給する。なお、処理回路6
M1は、軟出力復号回路64M1によって、上述した復号
装置3’における正規化回路38,46と同様の正規化
を行う。また、軟出力復号回路64M1の内部で表現可能
なダイナミックレンジは、軟出力復号回路6411と同様
に、事前確率情報APPtM1のダイナミックレンジの少
なくとも2倍以上とされる。
【0203】最終段の処理回路62M2は、処理回路62
12と同様に、入力したデータを遅延させる遅延手段であ
る遅延器63M2と、軟出力復号を行う軟出力復号手段で
ある軟出力復号回路64M2と、入力したデータの順序を
元に戻すデインターリーブ手段であるデインターリーバ
65M2とを有する他、2つのデータを加算する加算器6
M2を有する。処理回路62M2は、処理回路62M1から
供給されて遅延器63 M2により遅延させた受信値yt
出力しないか、若しくは、処理回路62M1から供給され
た受信値ytを遅延器63M2に入力させない。また、処
理回路62M2は、処理回路6212における軟出力復号回
路6412と同様の処理により得られた情報ビットに対す
る外部情報EXtM2と、情報ビットに対する事前確率情
報として処理回路62M1から供給された事前確率情報A
PPtM2とを加算器66M2により加算し、さらにデイン
ターリーバ65M2によりデインターリーブが施して得ら
れた復号データDECtを外部に出力する。なお、処理
回路62M2は、処理回路62M1と同様に、軟出力復号回
路64M2によって、上述した復号装置3’における正規
化回路38,46と同様の正規化を行う。また、軟出力
復号回路64M2の内部で表現可能なダイナミックレンジ
は、軟出力復号回路6411と同様に、事前確率情報AP
tM2のダイナミックレンジの少なくとも2倍以上とさ
れる。
【0204】このような復号装置3’’は、符号化装置
1’’における畳み込み符号化器52,54のそれぞれ
に対応する軟出力復号回路64i1,64i2を備えること
によって、復号複雑度が高い符号を複雑度の小さい要素
に分解し、軟出力復号回路64i1,64i2の間の相互作
用により特性を逐次的に向上させることができる。復号
装置3’’は、受信値ytを受信すると、2×M個の処
理回路6211,6212,・・・,62M1,62M2によっ
て、繰り返し回数がMの繰り返し復号を行い、この復号
動作の結果得られた軟出力の外部情報EXtM2に基づい
て、復号データDECtを出力する。
【0205】そして、復号装置3’’は、量子化回路6
1により量子化を行うことによって、復号装置3’と同
様に、量子化前の実数値“0”を表現することができ、
絶対値が等しい正値を有する対数尤度と負値を有する対
数尤度との和演算においても、適切な値を表現すること
ができることから、高精度の復号を行うことができる。
【0206】また、復号装置3’’は、軟出力復号回路
6411,6412,・・・,64M1,64M2のそれぞれに
よって、上述した復号装置3’における正規化回路3
8,46と同様の正規化を行うことによって、値が大き
く重要度の高い対数尤度がクリップされる事態を招くこ
とがなく、適切な対数尤度同士の差分を表現することが
可能となり、高精度の復号を行うことができる。
【0207】さらに、復号装置3’’においては、上述
した復号装置3’と同様に、軟出力復号回路6411,6
12,・・・,64M1,64M2のそれぞれにおける内部
で表現可能なダイナミックレンジが、事前確率情報AP
tのダイナミックレンジの少なくとも2倍以上とされ
ており、軟出力復号回路6411,6412,・・・,64
M1,64M2のそれぞれにおける内部演算に必要な最適な
ダイナミックレンジを設定することができ、高精度の復
号を行うことが可能となる。
【0208】なお、復号装置3’’としては、処理回路
6211,6212,・・・,62M1,62M2の構成を同一
としてもよい。この場合、処理回路6211,6212,・
・・,62M1は、処理回路62M2と同様に、加算器を有
することになるが、これらの加算器を機能させない旨の
制御信号により機能を切り替えればよい。
【0209】つぎに、SCCCによる符号化を行う符号
化装置1’’’と、この符号化装置1’’’による符号
の復号を行う復号装置3’’’について説明する。
【0210】符号化装置1’’’としては、図19に示
すように、外符号と呼ばれる符号の符号化を行う畳み込
み符号化器71と、入力したデータの順序を並べ替える
インターリーバ72と、内符号と呼ばれる符号の符号化
を行う畳み込み符号化器73とを備えるものがある。こ
の符号化装置1’’’は、入力した1ビットの入力デー
タit1に対して、符号化率が“1/3”の縦列連接畳み
込み演算を行い、3ビットの出力データxt1,xt2,x
t3を生成し、例えばBPSK変調方式やQPSK変調方
式による変調を行う図示しない変調器を介して外部に出
力する。
【0211】畳み込み符号化器71は、1ビットの入力
データit1を入力すると、この入力データit1に対して
畳み込み演算を行い、演算結果を2ビットの符号化デー
タとして後段のインターリーバ72に供給する。すなわ
ち、畳み込み符号化器71は、外符号の符号化として符
号化率が“1/2”の畳み込み演算を行い、生成した符
号化データを後段のインターリーバ72に供給する。
【0212】インターリーバ72は、畳み込み符号化器
71から供給された2つのビット系列からなる符号化デ
ータを入力し、これらの符号化データを構成する各ビッ
トの順序を並べ替え、生成した2つのビット系列からな
るインターリーブデータを後段の畳み込み符号化器73
に供給する。
【0213】畳み込み符号化器73は、インターリーバ
72から供給される2ビットのインターリーブデータを
入力すると、これらのインターリーブデータに対して畳
み込み演算を行い、演算結果を3ビットの出力データx
t1,xt2,xt3として外部に出力する。すなわち、畳み
込み符号化器73は、内符号の符号化として符号化率が
“2/3”の畳み込み演算を行い、出力データxtを外
部に出力する。
【0214】このような符号化装置1’’’は、畳み込
み符号化器71により外符号の符号化として符号化率が
“1/2”の畳み込み演算を行い、畳み込み符号化器7
3により内符号の符号化として符号化率が“2/3”の
畳み込み演算を行うことによって、全体として、符号化
率が“(1/2)×(2/3)=1/3”の縦列連接畳
み込み演算を行う。この符号化装置1’’’により符号
化されたデータは、図示しない変調器により所定の変調
方式に基づいて信号点のマッピングが行われ、無記憶通
信路2を介して受信装置に出力される。
【0215】一方、符号化装置1’’’による符号の復
号を行う復号装置3’’’は、図20に示すように、入
力される情報に対して量子化を行う量子化手段である量
子化回路81と、符号化装置1’’’における要素符号
化器である畳み込み符号化器71,73に対応した復号
処理を行う、要素符号の数と繰り返し復号の繰り返し回
数Mとの積、すなわち、2×M個の処理回路8211,8
12,・・・,82M1,82M2とを備える。この復号装
置3’’’は、無記憶通信路2上で発生したノイズの影
響によりアナログ値をとり軟入力とされる受信値yt
ら繰り返し復号により復号データDECtを求めること
によって、符号化装置1’’’における入力データit1
を推定するものである。
【0216】量子化回路81は、上述した復号装置3’
における量子化回路21と同様に、受信値yt及び事前
確率情報APPtに対して、量子化前における実数値
“0”を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う。量
子化回路81は、量子化後の受信値yt及び事前確率情
報APPtを処理回路8211に供給する。
【0217】処理回路8211,8212,・・・,8
M1,82M2は、それぞれ、上述した復号装置3’’に
おける処理回路6211,6212,・・・,62M1,62
M2と同様に、略同一のLSIとして各部を単一半導体基
板に集積させて構成される。処理回路8211,8212
・・・,82M1,82M2のうち、処理回路82i1で表さ
れるものは、符号化装置1’’’における内符号の符号
化を行う畳み込み符号化器73に対応して備えられ、且
つ、繰り返し回数i回目の復号処理を行うものを示し、
処理回路82i2で表されるものは、符号化装置1’’’
における外符号の符号化を行う畳み込み符号化器71に
対応して備えられ、且つ、繰り返し回数i回目の復号処
理を行うものを示している。
【0218】具体的には、処理回路8211は、入力した
データを遅延させる遅延手段である遅延器8311と、軟
出力復号を行う軟出力復号手段である軟出力復号回路8
11と、入力したデータの順序を元に戻すデインターリ
ーブ手段であるデインターリーバ8511とを有する。
【0219】遅延器8311は、デインターリーバ8511
から出力される事前確率情報APP t12と、次段の処理
回路8212に入力される受信値ytとが出力されるタイ
ミングを合わせるために備えられるものであって、量子
化回路81から供給された受信値ytを入力すると、こ
の受信値ytを軟出力回路8411及びデインターリーバ
8511が要する処理時間と同時間だけ遅延させる。遅延
器8311は、遅延させた受信値ytを、次段の処理回路
8212に供給する。
【0220】軟出力復号回路8411は、符号化装置
1’’’における畳み込み符号化器73に対応して備え
られるものであり、図示しないが、上述した復号装置
3’における軟出力復号回路22と同様の構成からな
る。軟出力復号回路8411は、量子化回路81から供給
された受信値yt及び事前確率情報APPtを用いて、軟
出力復号回路22と同様の処理による内符号の軟出力復
号を行う。このとき、軟出力復号回路8411は、上述し
た復号装置3’における正規化回路38,46と同様の
正規化を行う。また、軟出力復号回路8411の内部で表
現可能なダイナミックレンジは、上述した軟出力復号回
路22と同様に、事前確率情報APPtのダイナミック
レンジの少なくとも2倍以上とされる。軟出力復号回路
8411は、符号の拘束条件により求められる情報ビット
に対する外部情報EXt11を算出し、この外部情報EX
t11を後段のデインターリーバ8511に軟出力として供
給する。この外部情報EXt11は、符号化装置1’’’
におけるインターリーバ72によりインターリーブされ
たインターリーブデータに対応するものである。なお、
軟出力復号回路8411は、上述した軟出力復号回路22
のように、情報ビットに対する対数軟出力を出力する必
要はなく、符号ビットに対する対数軟出力及び外部情報
を算出する必要もない。
【0221】デインターリーバ8511は、符号化装置
1’’’におけるインターリーバ72によりインターリ
ーブされたインターリーブデータのビット配列を、それ
ぞれ、元の入力データit1のビット配列に戻すように、
軟出力復号回路8411から出力された軟入力である情報
ビットに対する外部情報EXt11にデインターリーブを
施す。デインターリーバ8511は、デインターリーブし
て得られた外部情報を、次段の処理回路8212における
符号ビットに対する事前確率情報APPt12として、次
段の処理回路8212に供給する。
【0222】また、処理回路8212は、入力したデータ
を遅延させる遅延手段である遅延器8312と、軟出力復
号を行う軟出力復号手段である軟出力復号回路84
12と、入力したデータの順序を並べ替えるインターリー
ブ手段であるインターリーバ85 12とを有する。
【0223】遅延器8312は、インターリーバ8512
ら出力される事前確率情報APPt2 1と、図示しない次
段の処理回路8221に入力される受信値ytとが出力さ
れるタイミングを合わせるために備えられるものであっ
て、処理回路8211から供給された受信値ytを入力す
ると、この受信値ytを軟出力回路8412及びインター
リーバ8512が要する処理時間と同時間だけ遅延させ
る。遅延器8312は、遅延させた受信値ytを、図示し
ない次段の処理回路8221に供給する。
【0224】軟出力復号回路8412は、符号化装置
1’’’における畳み込み符号化器71に対応して備え
られるものであり、図示しないが、上述した復号装置
3’における軟出力復号回路22と同様の構成からな
る。軟出力復号回路8412は、処理回路8211から供給
された事前確率情報APPt12と、値が“0”である情
報ビットに対する事前確率情報とを入力し、これらの事
前確率情報を用いて、軟出力復号回路22と同様の処理
による外符号の軟出力復号を行う。このとき、軟出力復
号回路8412は、軟出力復号回路8411と同様に、上述
した復号装置3’における正規化回路38,46と同様
の正規化を行う。また、軟出力復号回路8412の内部で
表現可能なダイナミックレンジは、軟出力復号回路84
11と同様に、事前確率情報APPt12のダイナミックレ
ンジの少なくとも2倍以上とされる。軟出力復号回路8
12は、符号の拘束条件により求められる符号ビットに
対する外部情報EXt12を算出し、この外部情報EXt12
を後段のインターリーバ8512に軟出力として供給す
る。なお、軟出力復号回路8412は、上述した軟出力復
号回路22のように、符号ビットに対する対数軟出力を
出力する必要はなく、情報ビットに対する対数軟出力及
び外部情報を算出する必要もない。
【0225】インターリーバ8512は、軟出力復号回路
8412から出力された軟入力である符号ビットに対する
外部情報EXt12に対して、符号化装置1’’’におけ
るインターリーバ72と同一の置換位置情報に基づいた
インターリーブを施す。インターリーバ8512は、イン
ターリーブして得られた外部情報を、図示しない次段の
処理回路8221における情報ビットに対する事前確率情
報APPt21として、図示しない次段の処理回路8221
に供給する。
【0226】さらに、処理回路82M1は、処理回路82
11と同様に、入力したデータを遅延させる遅延手段であ
る遅延器83M1と、軟出力復号を行う軟出力復号手段で
ある軟出力復号回路84M1と、入力したデータの順序を
元に戻すデインターリーブ手段であるデインターリーバ
85M1とを有する。処理回路82M1は、図示しない処理
回路82M-11から供給された受信値yt及び事前確率情
報APPtM1を用いて、処理回路8211と同様の処理を
行い、得られた外部情報を、次段の処理回路82 M2にお
ける符号ビットに対する事前確率情報APPtM2とし
て、最終段の処理回路82M2に供給する。なお、処理回
路82M1は、軟出力復号回路84M1によって、上述した
復号装置3’における正規化回路38,46と同様の正
規化を行う。また、軟出力復号回路84M1の内部で表現
可能なダイナミックレンジは、軟出力復号回路8411
同様に、事前確率情報APPtM1のダイナミックレンジ
の少なくとも2倍以上とされる。なお、処理回路82M1
は、図示しない処理回路82M- 11から供給されて遅延器
83M1により遅延させた受信値ytを次段の処理回路8
M2に供給しないか、若しくは、処理回路82M-11から
供給された受信値ytを遅延器83M1に入力させなくて
もよい。
【0227】最終段の処理回路82M2は、処理回路82
12と同様に、入力したデータを遅延させる遅延手段であ
る遅延器83M2と、軟出力復号を行う軟出力復号手段で
ある軟出力復号回路84M2と、入力したデータの順序を
並べ替えるインターリーブ手段であるインターリーバ8
M2とを有する。処理回路82M2は、処理回路82M1
ら供給されて遅延器83M2により遅延させた受信値yt
を出力しないか、若しくは、処理回路82M1から供給さ
れた受信値ytを遅延器83M2に入力させない。また、
処理回路82M2は、処理回路8212における軟出力復号
回路8412のように、符号ビットに対する外部情報を算
出して出力する必要はない。処理回路82M2は、情報ビ
ットに対する外部情報EXtM2を算出し、この外部情報
EXtM2を、復号データDECtとして外部に出力する。
なお、処理回路82M2は、処理回路82M1と同様に、軟
出力復号回路84M2によって、上述した復号装置3’に
おける正規化回路38,46と同様の正規化を行う。ま
た、軟出力復号回路84M2の内部で表現可能なダイナミ
ックレンジは、軟出力復号回路8411と同様に、事前確
率情報APPtM2のダイナミックレンジの少なくとも2
倍以上とされる。
【0228】このような復号装置3’’’は、上述した
復号装置3’’と同様に、符号化装置1’’’における
畳み込み符号化器73,71のそれぞれに対応する軟出
力復号回路84i1,84i2を備えることによって、復号
複雑度が高い符号を複雑度の小さい要素に分解し、軟出
力復号回路84i1,84i2の間の相互作用により特性を
逐次的に向上させることができる。復号装置3’’’
は、受信値ytを受信すると、2×M個の処理回路82
11,8212,・・・,82M1,82M2によって、繰り返
し回数がMの繰り返し復号を行い、この復号動作の結果
得られた軟出力の外部情報EXtM2に基づいて、復号デ
ータDECtを出力する。
【0229】そして、復号装置3’’’は、量子化回路
81により量子化を行うことによって、復号装置3’,
3’’と同様に、量子化前の実数値“0”を表現するこ
とができ、絶対値が等しい正値を有する対数尤度と負値
を有する対数尤度との和演算においても、適切な値を表
現することができることから、高精度の復号を行うこと
ができる。
【0230】また、復号装置3’’’は、軟出力復号回
路8411,8412,・・・,84M1,84M2のそれぞれ
によって、上述した復号装置3’における正規化回路3
8,46と同様の正規化を行うことによって、値が大き
く重要度の高い対数尤度がクリップされる事態を招くこ
とがなく、適切な対数尤度同士の差分を表現することが
可能となり、高精度の復号を行うことができる。
【0231】さらに、復号装置3’’’においては、上
述した復号装置3’,3’’と同様に、軟出力復号回路
8411,8412,・・・,84M1,84M2のそれぞれに
おける内部で表現可能なダイナミックレンジが、事前確
率情報APPtのダイナミックレンジの少なくとも2倍
以上とされており、軟出力復号回路8411,8412,・
・・,84M1,84M2のそれぞれにおける内部演算に必
要な最適なダイナミックレンジを設定することができ、
高精度の復号を行うことが可能となる。
【0232】なお、復号装置3’’’としては、情報ビ
ットに対する外部情報EXtM2は、情報ビットに対する
対数軟出力IλtM2と等しいことから、外部情報EXtM2
を復号データDECtとして出力するのではなく、対数
軟出力IλtM2を復号データDECtとして出力するよう
にしてもよい。
【0233】さらにまた、TTCM方式による符号の復
号を行う復号装置は、上述した復号装置3’’と同様の
構成で実現することができ、受信値ytとして、同相成
分及び直交成分のシンボルを直接入力する。また、SC
TCM方式による符号の復号を行う復号装置について
は、上述した復号装置3’’’と同様の構成で実現する
ことができ、この場合も、受信値ytとして、同相成分
及び直交成分のシンボルを直接入力することになる。
【0234】以上説明したように、符号化装置1と復号
装置3とを用いて構成されるデータ送受信システムにお
いて、復号装置3は、受信値yt及び事前確率情報AP
tに対して、量子化前における実数値“0”を覆う量
子化レベルが存在する量子化を行うことによって、量子
化前の実数値“0”を表現することができ、絶対値が等
しい正値を有する対数尤度と負値を有する対数尤度との
和演算においても、適切な値を表現することができるこ
とから、高精度の復号を行うことができる。
【0235】すなわち、これらの符号化装置1と復号装
置3とを用いて構成されるデータ送受信システムは、高
性能、高速且つ小さい回路規模での復号を実現するもの
であり、ユーザに高い信頼性及び利便性を提供すること
ができるものである。
【0236】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されるものではなく、例えば、符号化装置としては、
畳み込み演算を行うものでなくてもよく、また、いかな
る符号化率の符号化を行うものであってもよい。
【0237】また、上述した実施の形態では、PCCC
の復号を行う復号装置3’’における処理回路6211
6212,・・・,62M1,62M2及びSCCCの復号を
行う復号装置3’’’における処理回路8211,8
12,・・・,82M1,82M2が、遅延器、軟出力復号
回路及びインターリーバ若しくはデインターリーバ、さ
らには必要に応じて加算器をLSIとして集積させて構
成されるものとして説明したが、少なくとも軟出力復号
回路がLSIとして構成されればよい。すなわち、本発
明は、少なくとも軟出力復号回路がLSIとして構成さ
れていれば、繰り返し復号にも適用できるものである。
【0238】さらに、上述した実施の形態では、復号装
置として、Log−BCJRアルゴリズムに基づくMA
P復号を行うものとして説明したが、本発明は、Max
−Log−BCJRアルゴリズムに基づくMAP復号を
行う復号装置であっても適用可能である。
【0239】さらにまた、上述した実施の形態では、符
号化装置及び復号装置をデータ送受信システムにおける
送信装置及び受信装置に適用して説明したが、本発明
は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、CD−R
OM又はMO(Magneto Optical)といった磁気、光又
は光磁気ディスク等の記録媒体に対する記録及び/又は
再生を行う記録及び/又は再生装置に適用することもで
きる。この場合、符号化装置により符号化されたデータ
は、無記憶通信路に等価とされる記録媒体に記録され、
復号装置により復号されて再生される。
【0240】以上のように、本発明は、その趣旨を逸脱
しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもな
い。
【0241】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる復号装置は、軟入力とされる受信値に基づいて任意
のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
め、この対数尤度を用いて復号を行う復号装置であっ
て、入力される受信値及び事前確率情報に対して、実数
値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う量子化
手段を備える。
【0242】したがって、本発明にかかる復号装置は、
受信値及び事前確率情報に対して、量子化手段により実
数値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行うこと
によって、量子化前の実数値0を表現することができ、
高精度の復号を行うことができる。
【0243】また、本発明にかかる復号方法は、軟入力
とされる受信値に基づいて任意のステートを通過する確
率を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用い
て復号を行う復号方法であって、入力される受信値及び
事前確率情報に対して、実数値0を覆う量子化レベルが
存在する量子化を行う量子化工程を備える。
【0244】したがって、本発明にかかる復号方法は、
受信値及び事前確率情報に対して、量子化工程にて実数
値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行うことに
よって、量子化前の実数値0を表現することができ、高
精度の復号を行うことを可能とする。
【0245】さらに、本発明にかかる復号装置は、軟入
力とされる受信値に基づいて任意のステートを通過する
確率を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度を用
いて、複数の要素符号を連接して生成された符号を繰り
返し復号する復号装置であって、入力される受信値及び
事前確率情報に対して、実数値0を覆う量子化レベルが
存在する量子化を行う量子化手段と、この量子化手段に
より量子化された受信値及び/又は事前確率情報を入力
して軟出力復号を行い、各時刻における軟出力を対数表
記した対数軟出力及び/又は外部情報を生成する複数連
接された軟出力復号手段とを備え、軟出力復号手段は、
生成した外部情報を次段の軟出力復号手段における事前
確率情報として出力する。
【0246】したがって、本発明にかかる復号装置は、
繰り返し復号を行う際に、受信値及び事前確率情報に対
して、量子化手段により実数値0を覆う量子化レベルが
存在する量子化を行うことによって、量子化前の実数値
0を表現することができ、高精度の繰り返し復号を行う
ことができる。
【0247】さらにまた、本発明にかかる復号方法は、
軟入力とされる受信値に基づいて任意のステートを通過
する確率を対数表記した対数尤度を求め、この対数尤度
を用いて、複数の要素符号を連接して生成された符号を
繰り返し復号する復号方法であって、入力される受信値
及び事前確率情報に対して、実数値0を覆う量子化レベ
ルが存在する量子化を行う量子化工程と、この量子化工
程にて量子化された受信値及び/又は事前確率情報を入
力して軟出力復号を行い、各時刻における軟出力を対数
表記した対数軟出力及び/又は外部情報を生成する軟出
力復号工程とを備え、軟出力復号工程では、生成した外
部情報を次回の軟出力復号工程における事前確率情報と
して出力する。
【0248】したがって、本発明にかかる復号方法は、
繰り返し復号を行う際に、受信値及び事前確率情報に対
して、量子化工程にて実数値0を覆う量子化レベルが存
在する量子化を行うことによって、量子化前の実数値0
を表現することができ、高精度の繰り返し復号を行うこ
とを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示すデータ送受信シ
ステムを適用する通信モデルの構成を説明するブロック
図である。
【図2】同データ送受信システムにおける符号化装置の
一例の構成を説明するブロック図である。
【図3】図2に示す符号化装置におけるトレリスを説明
する図である。
【図4】同データ送受信システムにおける復号装置の一
例の構成を説明するブロック図であって、図2に示す符
号化装置により符号化がなされた符号の復号を行う復号
装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】図4に示す復号装置における量子化を説明する
ための図であって、(A)は、受信値又は事前確率情報
に対して、2の補数のバイナリ表現とされる量子化レベ
ルを割り当てる様子を示し、(B)は、受信値又は事前
確率情報に対して、正負識別符号と絶対値との組み合わ
せで表現される量子化レベルを割り当てる様子を示す図
である。
【図6】図4に示す復号装置が備えるIα算出・記憶回
路の構成を説明するブロック図である。
【図7】図6に示すIα算出・記憶回路が有するIα算
出回路の構成を説明するブロック図である。
【図8】図4に示す復号装置が備えるIβ算出・記憶回
路の構成を説明するブロック図である。
【図9】図8に示すIβ算出・記憶回路が有するIβ算
出回路の構成を説明するブロック図である。
【図10】図4に示す復号装置における正規化を説明す
るための図であって、(A)は、正規化前の対数尤度の
分布例を示し、(B)は、対数尤度の分布の中央を0と
する正規化を行った例を示す図である。
【図11】図4に示す復号装置における正規化を説明す
るための図であって、(A)は、正規化前の対数尤度の
分布例を示し、(B)は、図10(B)に示す正規化を
行った場合における問題を説明する図である。
【図12】図4に示す復号装置における正規化を説明す
るための図であって、(A)は、正規化前の対数尤度の
分布例を示し、(B)は、値が最大の対数尤度を0とす
る正規化を行った例を示す図である。
【図13】図4に示す復号装置における正規化を説明す
るための図であって、(A)は、正規化前の対数尤度の
分布例を示し、(B)は、値が最小の対数尤度を0とす
る正規化を行った例を示す図である。
【図14】図4に示す復号装置におけるダイナミックレ
ンジを説明するための図であって、(A)は、事前確率
情報のダイナミックレンジと、このダイナミックレンジ
の2倍以下とされる対数軟出力のダイナミックレンジの
例を示し、(B)は、外部情報のダイナミックレンジを
示す図である。
【図15】図4に示す復号装置におけるダイナミックレ
ンジを説明するための図であって、(A)は、事前確率
情報のダイナミックレンジと、このダイナミックレンジ
の少なくとも2倍以上とされる対数軟出力のダイナミッ
クレンジの例を示し、(B)は、外部情報のダイナミッ
クレンジを示す図である。
【図16】図4に示す復号装置の他の構成を説明するブ
ロック図であって、事前確率情報に対してクリップする
復号装置の構成を説明するブロック図である。
【図17】PCCCによる符号化を行う符号化装置の一
例の構成を説明するブロック図である。
【図18】図17に示す符号化装置により符号化がなさ
れた符号の復号を行う復号装置の構成を説明するブロッ
ク図である。
【図19】SCCCによる符号化を行う符号化装置の一
例の構成を説明するブロック図である。
【図20】図19に示す符号化装置により符号化がなさ
れた符号の復号を行う復号装置の構成を説明するブロッ
ク図である。
【図21】通信モデルの構成を説明するブロック図であ
る。
【図22】従来の符号化装置におけるトレリスを説明す
る図であって、確率αt,βt及びγtの内容を説明する
ための図である。
【図23】従来の復号装置において、BCJRアルゴリ
ズムを適用して軟出力復号を行う際の一連の工程を説明
するフローチャートである。
【図24】従来の復号装置において、Max−Log−
BCJRアルゴリズムを適用して軟出力復号を行う際の
一連の工程を説明するフローチャートである。
【図25】ビタビ復号方法における量子化を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1,1’,1’’,1’’’ 符号化装置、 3,
3’,3’’,3’’’復号装置、 21,61,81
量子化回路、 22,6411,6412,・・・,64
M1,64M2,8411,8412,・・・,84M1,84M2
軟出力復号回路、 24 Iγ算出・記憶回路、 2
5 Iα算出・記憶回路、 26 Iβ算出・記憶回
路、 27 軟出力算出回路、 28 外部情報算出回
路、 29クリップ回路、 38,46 正規化回路、
51,6311,6312,・・・,63M1,63M2,8
11,8312,・・・,83M1,83M2 遅延器、 5
2,54,71,73 畳み込み符号化器、 53,6
11,・・・,65M1,72,8512,・・・,85M2
インターリーバ、 6211,6212,・・・,6
M1,62M2,8211,8212,・・・,82M1,82
M2 処理回路、 6512,・・・,65M2,8511,・
・・,85M1 デインターリーバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03M 13/29 H03M 13/29 13/41 13/41 Fターム(参考) 5B001 AA10 AC05 AE04 5J065 AC01 AD10 AF02 AG05 AG06 AH02 AH05 AH07 AH09 AH13 AH15 AH21

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟入力とされる受信値に基づいて任意の
    ステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
    め、上記対数尤度を用いて復号を行う復号装置であっ
    て、 入力される上記受信値及び事前確率情報に対して、実数
    値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う量子化
    手段を備えることを特徴とする復号装置。
  2. 【請求項2】 上記量子化手段は、上記受信値及び上記
    事前確率情報に対して、2の補数のバイナリ表現とされ
    る量子化レベルを割り当てることを特徴とする請求項1
    記載の復号装置。
  3. 【請求項3】 上記量子化手段は、上記受信値及び上記
    事前確率情報に対して、正負識別符号と絶対値との組み
    合わせで表現される量子化レベルを割り当てることを特
    徴とする請求項1記載の復号装置。
  4. 【請求項4】 上記量子化手段により量子化された受信
    値及び事前確率情報を入力して軟出力復号を行い、各時
    刻における軟出力を対数表記した対数軟出力及び/又は
    外部情報を生成する軟出力復号手段を備えることを特徴
    とする請求項1記載の復号装置。
  5. 【請求項5】 上記軟出力復号手段は、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    り決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤度
    を算出する第1の確率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出手段と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出手段とを有することを特徴とする請求項4記載
    の復号装置。
  6. 【請求項6】 上記軟出力復号手段は、上記軟出力算出
    手段から供給された上記対数軟出力と、上記事前確率情
    報とを用いて、上記外部情報を算出する外部情報算出手
    段を有することを特徴とする請求項5記載の復号装置。
  7. 【請求項7】 上記軟出力復号手段を少なくとも集積さ
    せた半導体基板を備えることを特徴とする請求項4記載
    の復号装置。
  8. 【請求項8】 畳み込み符号の復号を行うことを特徴と
    する請求項1記載の復号装置。
  9. 【請求項9】 Max−Log−BCJRアルゴリズム
    又はLog−BCJRアルゴリズムに基づく最大事後確
    率復号を行うことを特徴とする請求項1記載の復号装
    置。
  10. 【請求項10】 軟入力とされる受信値に基づいて任意
    のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
    め、上記対数尤度を用いて復号を行う復号方法であっ
    て、 入力される上記受信値及び事前確率情報に対して、実数
    値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う量子化
    工程を備えることを特徴とする復号方法。
  11. 【請求項11】 上記量子化工程では、上記受信値及び
    上記事前確率情報に対して、2の補数のバイナリ表現と
    される量子化レベルを割り当てることを特徴とする請求
    項10記載の復号方法。
  12. 【請求項12】 上記量子化工程では、上記受信値及び
    上記事前確率情報に対して、正負識別符号と絶対値との
    組み合わせで表現される量子化レベルを割り当てること
    を特徴とする請求項10記載の復号方法。
  13. 【請求項13】 上記量子化工程にて量子化された受信
    値及び事前確率情報を入力して軟出力復号を行い、各時
    刻における軟出力を対数表記した対数軟出力及び/又は
    外部情報を生成する軟出力復号工程を備えることを特徴
    とする請求項10記載の復号方法。
  14. 【請求項14】 上記軟出力復号工程は、上記受信値毎
    に、符号の出力パターンと上記受信値により決定される
    第1の確率を対数表記した第1の対数尤度を算出する第
    1の確率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出工程と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出工程とを有することを特徴とする請求項13記
    載の復号方法。
  15. 【請求項15】 上記軟出力復号工程は、上記軟出力算
    出工程にて算出された上記対数軟出力と、上記事前確率
    情報とを用いて、上記外部情報を算出する外部情報算出
    工程を有することを特徴とする請求項14記載の復号方
    法。
  16. 【請求項16】 上記軟出力復号工程では、上記量子化
    工程にて量子化された受信値及び事前確率情報を、軟出
    力復号を行う軟出力復号手段を少なくとも集積させた半
    導体基板に入力し、上記対数軟出力及び/又は上記外部
    情報を生成することを特徴とする請求項13記載の復号
    方法。
  17. 【請求項17】 畳み込み符号の復号を行うことを特徴
    とする請求項10記載の復号方法。
  18. 【請求項18】 Max−Log−BCJRアルゴリズ
    ム又はLog−BCJRアルゴリズムに基づく最大事後
    確率復号を行うことを特徴とする請求項10記載の復号
    方法。
  19. 【請求項19】 軟入力とされる受信値に基づいて任意
    のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
    め、上記対数尤度を用いて、複数の要素符号を連接して
    生成された符号を繰り返し復号する復号装置であって、 入力される上記受信値及び事前確率情報に対して、実数
    値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う量子化
    手段と、 上記量子化手段により量子化された受信値及び/又は事
    前確率情報を入力して軟出力復号を行い、各時刻におけ
    る軟出力を対数表記した対数軟出力及び/又は外部情報
    を生成する複数連接された軟出力復号手段とを備え、 上記軟出力復号手段は、生成した上記外部情報を次段の
    軟出力復号手段における事前確率情報として出力するこ
    とを特徴とする復号装置。
  20. 【請求項20】 上記軟出力復号手段は、上記要素符号
    の数と上記繰り返し復号の繰り返し回数との積で表され
    る数だけ備えられることを特徴とする請求項19記載の
    復号装置。
  21. 【請求項21】 上記量子化手段は、上記受信値及び上
    記事前確率情報に対して、2の補数のバイナリ表現とさ
    れる量子化レベルを割り当てることを特徴とする請求項
    19記載の復号装置。
  22. 【請求項22】 上記量子化手段は、上記受信値及び上
    記事前確率情報に対して、正負識別符号と絶対値との組
    み合わせで表現される量子化レベルを割り当てることを
    特徴とする請求項19記載の復号装置。
  23. 【請求項23】 上記軟出力復号手段は、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    り決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤度
    を算出する第1の確率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出手段と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出手段と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出手段とを有することを特徴とする請求項19記
    載の復号装置。
  24. 【請求項24】 上記軟出力復号手段は、上記軟出力算
    出手段から供給された上記対数軟出力と、上記事前確率
    情報とを用いて、上記外部情報を算出する外部情報算出
    手段を有することを特徴とする請求項23記載の復号装
    置。
  25. 【請求項25】 上記軟出力復号手段を少なくとも集積
    させた半導体基板を複数連接して備えることを特徴とす
    る請求項19記載の復号装置。
  26. 【請求項26】 上記軟出力復号手段により生成された
    外部情報にインターリーブを施すインターリーブ手段又
    は上記軟出力復号手段により生成された外部情報にデイ
    ンターリーブを施すデインターリーブ手段と、 上記受信値を、上記軟出力復号手段、及び、インターリ
    ーブ手段若しくはデインターリーブ手段が要する処理時
    間と同時間遅延させる遅延手段とを備えることを特徴と
    する請求項19記載の復号装置。
  27. 【請求項27】 上記軟出力復号手段と、上記インター
    リーブ手段又は上記デインターリーブ手段と、上記遅延
    手段とを集積させた半導体基板を複数連接して備えるこ
    とを特徴とする請求項26記載の復号装置。
  28. 【請求項28】 並列連接符号化、縦列連接符号化、並
    列連接符号化変調又は縦列連接符号化変調がなされた符
    号を繰り返し復号することを特徴とする請求項27記載
    の復号装置。
  29. 【請求項29】 上記要素符号は、畳み込み符号である
    ことを特徴とする請求項28記載の復号装置。
  30. 【請求項30】 Max−Log−BCJRアルゴリズ
    ム又はLog−BCJRアルゴリズムに基づく最大事後
    確率復号を行うことを特徴とする請求項19記載の復号
    装置。
  31. 【請求項31】 軟入力とされる受信値に基づいて任意
    のステートを通過する確率を対数表記した対数尤度を求
    め、上記対数尤度を用いて、複数の要素符号を連接して
    生成された符号を繰り返し復号する復号方法であって、 入力される上記受信値及び事前確率情報に対して、実数
    値0を覆う量子化レベルが存在する量子化を行う量子化
    工程と、 上記量子化工程にて量子化された受信値及び/又は事前
    確率情報を入力して軟出力復号を行い、各時刻における
    軟出力を対数表記した対数軟出力及び/又は外部情報を
    生成する軟出力復号工程とを備え、 上記軟出力復号工程では、生成した上記外部情報を次回
    の軟出力復号工程における事前確率情報として出力する
    ことを特徴とする復号方法。
  32. 【請求項32】 上記軟出力復号工程は、上記要素符号
    の数と上記繰り返し復号の繰り返し回数との積で表され
    る数だけ行われることを特徴とする請求項31記載の復
    号方法。
  33. 【請求項33】 上記量子化工程では、上記受信値及び
    上記事前確率情報に対して、2の補数のバイナリ表現と
    される量子化レベルを割り当てることを特徴とする請求
    項31記載の復号方法。
  34. 【請求項34】 上記量子化工程では、上記受信値及び
    上記事前確率情報に対して、正負識別符号と絶対値との
    組み合わせで表現される量子化レベルを割り当てること
    を特徴とする請求項31記載の復号方法。
  35. 【請求項35】 上記軟出力復号工程は、 上記受信値毎に、符号の出力パターンと上記受信値によ
    り決定される第1の確率を対数表記した第1の対数尤度
    を算出する第1の確率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、符号
    化開始ステートから時系列順に各ステートに至る第2の
    確率を対数表記した第2の対数尤度を算出する第2の確
    率算出工程と、 上記第1の対数尤度に基づいて、上記受信値毎に、打ち
    切りステートから時系列の逆順に各ステートに至る第3
    の確率を対数表記した第3の対数尤度を算出する第3の
    確率算出工程と、 上記第1の対数尤度と、上記第2の対数尤度と、上記第
    3の対数尤度とを用いて、上記対数軟出力を算出する軟
    出力算出工程とを有することを特徴とする請求項31記
    載の復号方法。
  36. 【請求項36】 上記軟出力復号工程は、上記軟出力算
    出工程にて算出された上記対数軟出力と、上記事前確率
    情報とを用いて、上記外部情報を算出する外部情報算出
    工程を有することを特徴とする請求項35記載の復号方
    法。
  37. 【請求項37】 上記軟出力復号工程では、上記量子化
    工程にて量子化された受信値及び/又は事前確率情報
    を、軟出力復号を行う軟出力復号手段を少なくとも集積
    させた半導体基板に入力し、上記対数軟出力及び/又は
    上記外部情報を生成することを特徴とする請求項31記
    載の復号方法。
  38. 【請求項38】 上記軟出力復号工程にて生成された外
    部情報にインターリーブを施すインターリーブ工程又は
    上記軟出力復号工程にて生成された外部情報にデインタ
    ーリーブを施すデインターリーブ工程と、 上記受信値を、上記軟出力復号工程、及び、インターリ
    ーブ工程若しくはデインターリーブ工程が要する処理時
    間と同時間遅延させる遅延工程とを備えることを特徴と
    する請求項31記載の復号方法。
  39. 【請求項39】 軟出力復号を行う軟出力復号手段と、
    上記インターリーブを施すインターリーブ手段又は上記
    デインターリーブを施すデインターリーブ手段と、上記
    受信値を遅延させる遅延手段とを集積させた半導体基板
    を複数連接して備えており、 上記軟出力復号工程では、上記量子化工程にて量子化さ
    れた受信値及び/又は事前確率情報を、上記半導体基板
    に入力し、上記対数軟出力及び/又は上記外部情報を生
    成することを特徴とする請求項38記載の復号方法。
  40. 【請求項40】 並列連接符号化、縦列連接符号化、並
    列連接符号化変調又は縦列連接符号化変調がなされた符
    号を繰り返し復号することを特徴とする請求項39記載
    の復号方法。
  41. 【請求項41】 上記要素符号は、畳み込み符号である
    ことを特徴とする請求項40記載の復号方法。
  42. 【請求項42】 Max−Log−BCJRアルゴリズ
    ム又はLog−BCJRアルゴリズムに基づく最大事後
    確率復号を行うことを特徴とする請求項31記載の復号
    方法。
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