JP2002198703A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JP2002198703A
JP2002198703A JP2000396632A JP2000396632A JP2002198703A JP 2002198703 A JP2002198703 A JP 2002198703A JP 2000396632 A JP2000396632 A JP 2000396632A JP 2000396632 A JP2000396632 A JP 2000396632A JP 2002198703 A JP2002198703 A JP 2002198703A
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dielectric
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filter
dielectric filter
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Tatsuya Tateishi
立也 立石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】その目的は、フィルタ特性の減衰極の周波数を
任意に可変することができ、安定的にかつ安価で製造で
きる積層型誘電体フィルタを提供する。 【解決手段】誘電体ブロック10と、誘電体ブロック1
0の主面に形成されたアース電極3と、アース電極3に
対向し、かつアース電極3に接続する複数のストリップ
ライン2と、隣接する2つストリップライン2の双方に
誘電体基板を介して対向する第1電極8(9)と、誘電
体ブロック10の側面に形成された電極端子7に接続さ
れると共に、ストリップライン2と第1電極8(9)と
の双方が誘電体基板を介して対向する第2電極6とを有
した積層型誘電体フィルタ1において、電極端子7に第
1電極8(9)の一部と誘電体層を介して対向する対向
領域7−1を形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波部品として
使用される積層型誘電体フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波を利用した携帯電話な
どの機器には、小型で高機能性をもつなどの理由で誘電
体層を積層することによる積層型誘電体フィルタが多用
されている。このような積層型誘電体フィルタは、低温
で焼成可能なセラミックグリーンシートに導電性ペース
トを用いて内部配線パターンを形成し、そのシートを積
層して、絶縁層と内部配線とを一括同時焼成し、所望の
周波数の積層型誘電体フィルタが形成される。
【0003】このような積層型誘電体フィルタにおい
て、量産時、上述のように一括同時焼成して形成しただ
けでは、個々にバラツキが生じる。即ち、周波数を所望
の周波数に設計するのは、積層型誘電体フィルタを構成
する誘電体層の誘電率とストリップラインの寸法を適宜
設定することで所望の周波数に設計することができるの
であるが、セラミックスおよび導体材料の材料定数や電
気特性は、材料ロット間や加工工程(焼成時の条件等)
の影響を受けやすく、ストリップラインの共振周波数が
バラツクために起こる。
【0004】従って、従来から積層型誘電体フィルタに
おいては、ばらついたフィルタ周波数を一括同時焼成し
た後に所望のフィルタ周波数に周波数調整することでバ
ラツキを無くしている。
【0005】従来の共振周波数の調整方法について例を
挙げて説明する。図11に従来の1/4λストリップラ
イン20から構成された積層型誘電体フィルタ11の一
例を示す。従来から誘電体層が積層された誘電体ブロッ
ク100の両主面及び端面にアース電極30が形成され
ておりストリップライン20の一端をアース電極30と
接続することで短絡端とし、他方を開放端とすることに
より、1/4波長の共振器を形成している。開放端は、
積層型誘電体フィルタ10の小型化を実現するためスト
リップライン20側に折り返した折り返し電極50を形
成している。なお、80はストリップライン20同士を
容量接続させる浮遊電極であり、60はストリップライ
ンに対面し、誘電体ブロック100の側面に形成した入
出力電極端子70に接続する入出力電極である。
【0006】この折り返し電極50の折り返し点に対向
する誘電体ブロック100の主面側アース電極30の領
域はレーザーまたはサンドブラスト法等によりグランド
電位から切り離すトリミング領域が形成されており、こ
れにより、ストリップライン20とアース電極30間で
形成される並列容量を減少させ、共振器の共振周波数を
上昇させることでフィルタ波形を所望する特性まで調整
することが可能とした周波数調整を実施していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
高周波部品を始めとする電子部品は、市場において小型
化の要求が強まってきており、部品の小型化を実現する
ためには、積層ズレや印刷ズレ等を抑制する製造プロセ
スの精度を上げなければ特性に与える影響が増加するば
かりである。従って、フィルタに要求される規格を満足
させるためには、上述のトリミング領域の調整だけでは
不充分な場合が生じてきた。
【0008】例えば、図5の曲線aに示すように、減衰
極の周波数が設計値より低いため減衰特性の規格を外れ
ている場合や、曲線bに示すように、設計値より高いた
め通過特性の規格を外れている場合は、減衰極の周波数
の調整が必要となる。
【0009】本発明は上述の問題を鑑みて案出されたも
のであり、その目的は、フィルタ特性の減衰極の周波数
を任意に可変することができ、安定的にかつ安価で製造
できる積層型誘電体フィルタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明では、積層された複数の誘電体基板からなる
誘電体ブロックと、誘電体ブロックの主面に形成された
アース電極と、積層体内でアース電極に対向し、かつア
ース電極に接続するように形成された複数のストリップ
ラインと、隣接する2つのストリップラインの双方に誘
電体基板を介して対向する第1電極と、前記誘電体ブロ
ックの側面に形成された電極端子に接続されると共に、
前記ストリップラインと前記第1電極との双方が誘電体
基板を介して対向する第2電極とを有した積層型誘電体
フィルタにおいて、前記電極端子に前記第1電極の一部
と誘電体層を介して対向する対向領域を形成したことを
特徴とする積層型誘電体フィルタを提供する。
【0011】本発明の構成によれば、図4に示す第1電
極と端子電極との間で形成される容量成分C3は減衰極
を形成するが、その容量成分C3の容量値が外部から可
変できるように電極端子に第1電極の一部と誘電体層を
介して対向する対向領域を形成したために、対向領域で
形成される容量成分C4が減衰極を形成する容量成分C
3と並列に追加され、この対向領域7−1で容易に周波
数の減衰極を変更させることができ、これにより減衰極
の周波数が容易に調整でき、その結果、周波数調整工程
における調整の自由度が増し、歩留まりの改善、周波数
が安定的でかつ安価な製品を製造できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は第1の実施の形態である積
層型誘電体フィルタの外観斜視図、図2はその断面図、
図3はその上面図である。図において、積層型誘電体フ
ィルタ1は誘電体ブロック10の内部に形成されたスト
リップライン2と誘電体ブロック10に形成されたアー
ス電極3、側面に形成した入出力電極端子7とから構成
されている。
【0013】誘電体ブロック10は、複数の矩形状の誘
電体層1a〜1hが積層されてなる。誘電体層1a〜1
hは、誘電体セラミック材料と低温焼成化を可能とする
酸化物や低融点ガラス材料とから構成されている。具体
的には、誘電体セラミック材料とは、例えば、BaO−
TiO2系、Ca−TiO2系、MgO−TiO2系等が
あり、低温焼成化するための酸化物としては、BiVO
4、CuO、Li2O、B23等がある。また、誘電体層
1a〜1hは、1層あたり50〜300μm程度の厚み
を有し、層を厚み方向に積層し所望の厚みにして構成さ
れる。
【0014】ストリップライン2は、誘電体層1dと1
e間に複数並列して形成されており、互いに等間隔を保
って延出し、誘電体ブロック10の端面に形成したアー
ス電極3に一端が接続されている。即ち、ストリップラ
イン2の一端側がアース電極3と接続された短絡端を形
成している誘導電極20a、20b、20cと、それぞ
れの先端から誘電体層の積層方向の上側に誘電体層1c
と1b間まで形成されたビアホール導体21a〜21c
と、誘電体層1bと1c間のビアホール導体21a〜2
1cの形成位置から誘導電極20a〜20c側に折り返
す折り返し電極22a、22b、22cとを形成してい
る。
【0015】また、誘導電極20a、20b、20cの
先端から誘電体層の積層方向の下側に誘電体層1fと1
g間まで形成されたビアホール導体21a〜21cと、
その誘電体層1fと1g間のビアホール導体21a〜2
1cの形成位置から誘導電極20a〜20c側に折り返
す折り返し電極23a〜23cを形成している。
【0016】アース電極3は誘電体ブロック10の両主
面及び端面や側面の略全体を覆って形成されている。ま
た、誘電体ブロック10の主面には折り返し電極22a
〜22cに対面したアース電極3の領域にフィルタの周
波数整を行うためのトリミング領域4を有している。こ
のようにトリミング領域4を誘電体ブロック10の主面
側に形成することで上側からトリミングしやすくなって
いる。なお、図3に示すようにトリミング領域4の長さ
が大小となっているが、各ストリップライン2の共振周
波数は各自バラバラであるためである。
【0017】8−1,8−2は隣り合うストリップライ
ン2(誘導電極20a、20b又は誘導電極20b、2
0c)を電気的に接続するための浮遊電極であり、次に
説明する各入出力電極6と誘電体層を介して対向してい
る。また、浮遊電極8−1,8−2の一端側から誘電体
層1c、1bを貫くビアホール導体8aが接続されてお
り、ビアホール導体8aの一端は誘電体層1a、1b間
に形成された内部電極9に接続されている。
【0018】入出力電極端子7は誘電体ブロック10の
側面に形成され、ストリップライン2の右端又は左端に
配列した誘導電極20a、20cに対面する各入出力電
極6、6(第2電極)と接続されている。また、入出力
電極端子7の一部が誘電体ブロック10の主面側に延出
形成され、内部電極9と誘電体層1aを介して容量成分
を形成する対向領域7−1を形成している。なお、後述
のようにこの対向領域7−1をレーザ等でトリミングす
ることで周波数調整がなされる。従って、トリミング領
域4と同様に対向領域7−1を誘電体ブロック10の主
面側に形成することで上側からトリミングしやすくなっ
ている。
【0019】なお、ストリップライン2、入出力電極
6、浮遊電極8−1,8−2(第1電極)、内部電極9
等は、誘電体層1b〜1gのグリーンシートにAg、A
g−Pd、Cuなどを主成分とする所望の形状の導体材
料を印刷することにより構成されている。また、アース
電極電極3と入出力端子7は誘電体ブロック10の両主
面及び側面にAg、Cuなどを主成分(Ag単体または
Ag−Pd、Ag−PtなどのAg合金、Cu単体また
はCu合金)とする導体材料を印刷により形成される。
これらの導体材料には、前述の金属材料に、必要に応じ
てガラス成分などが含有される。
【0020】ストリップライン2の片面を電気的に開放
端とし、残る片面を電気的に短絡端とした場合は1/4
λ共振器となる。また、上述したようにストリップライ
ン2が誘電体ブロック10の側面で短絡させるように説
明したが、これに限定されずに短絡手段としてビアホー
ル導体を用いても良い。
【0021】この実施の形態では、3つのストリップラ
イン2が1/4λ共振器として働き、各隣接するストリ
ップライン2を浮遊電極8で容量結合させることによ
り、帯域通過フィルタを構成している。
【0022】このようにしてなる積層型誘電体フィルタ
の等価回路を図4に示す。図4において、C1,C9は
信号の入出力電極6とストリップライン2間で形成され
る容量成分である。また、C2,C5,C6,C8は浮
遊電極8と各ストリップライン2間の容量成分であり、
C3,C7,C10は入出力電極6と浮遊電極8間の容
量成分であり、C12〜C16はストリップライン2自
身が持つ容量成分である。特にC12,C14,C16
は折り返し電極22a〜22c,23a〜23cで形成
される容量成分である。また、L1〜L3はストリップ
ライン2自身が持つ誘導成分であり、C4,C11は入
出力電極端子の対向領域7−1と内部電極9とで形成さ
れる容量成分であり、この対向領域7−1の領域の大き
さやトリミング領域によって減衰極の周波数を制御する
ために容量値が可変できる容量成分である。
【0023】このように形成された積層型誘電体フィル
タ1の製造上の問題点は、その周波数調整である。一般
的にはフィルタの周波数特性を決める要素としては、各
ストリップライン2の共振周波数が支配的であるが、そ
の共振周波数は、基本的には誘電体ブロック10に使用
されている誘電体の誘電率とストリップライン2の寸法
によって定められる。しかし、セラミックスおよび導体
材料の材料定数や電気特性は、材料ロット間や加工工程
(焼成時の条件等)の影響を受けるため、共振周波数も
ばらつくことになる。従って、これらの積層型誘電体フ
ィルタは周波数調整が必要不可欠である。
【0024】1/4λのストリップライン2から構成さ
れる積層型誘電体フィルタ1の周波数調整としては、各
ストリップライン2による共振周波数の調整によりフィ
ルタの通過域特性や減衰特性を所望する特性に調整する
ことができる。即ち、各ストリップライン2による共振
周波数を調整するためには、図4に示す容量成分C12
〜C17、若しくは誘導成分L1〜L3を可変してやれ
ば良い。しかし、構造上、焼成後の最終製品でストリッ
プライン2の誘導成分L1〜L3を可変するのは困難で
ある一方、容量成分C12〜C14であるならば、アー
ス電極をトリミングさせることで可変が簡単にできるた
め、一般的には容量成分C12〜C14の容量を変化さ
せることにより調整される。
【0025】この実施の形態では、ストリップライン2
の折り返し電極22a〜22cに対向するアース電極3
の領域にレーザーまたはサンドブラスト法等により、グ
ランド電位から切り離し、ストリップライン2とトリミ
ング領域4間で形成される並列容量が減少し、各ストリ
ップライン2で形成する共振周波数を連続的に上昇させ
ることができる。これにより、フィルタの特性を所望す
る特性に近づけることができる。
【0026】しかし、上記によるストリップラインの共
振周波数の調整のみでは、製造後の製品の共振周波数が
図5の曲線bとなっている場合は調整できないため規格
を満足できない。また、製造後の製品の共振周波数が曲
線aの場合はトリミング領域4を調整することで所望の
周波数の減衰極fbに合わせることができるが、トリミ
ングし過ぎた場合には不良となる。そこで、本発明で
は、入出力電極端子7の一部である内部電極9と対向す
る対向領域7−1の面積をトリミングさせることで減衰
極の周波数のばらつきを吸収することができるものであ
る。以下、詳細に説明する。
【0027】まず、減衰極の周波数の調整原理につい
て、図4と図6を用いて説明する。なお、図6は、図4
の破線部分と同等な回路である。図6(a)の回路を
(b)のようにΔ−Y変換すると、特性インピーダンス
Zbは、
【0028】
【数1】
【0029】と表される。Zbを1/ωCbとし、図6
(a)の特性インピーダンスZab等も図4のC1等に置
き換えると、容量成分Cbは、
【0030】
【数2】
【0031】と表される。つまり、図4の破線部分は、
Δ−Y変換を行うことにより、図6の(c)に置き換え
られる。この容量成分Cbと図4のL1の直列共振によ
り、減衰極を発生させている。したがって、減衰極の周
波数fbは、
【0032】
【数3】
【0033】と表される。本発明では、容量成分C3と
並列に容量を任意に減少させることが可能なC4を備え
ている。このC4をある程度大きく設計して、製造後に
C4を減少させると、C3との加算容量は減少する。式
2より、C3が減少するとCbは増加するので、減衰極
の周波数fbは、式3より、Cbが増加すると下降す
る。つまり、C4を調整することにより、確実に減衰極
の周波数を制御できる。
【0034】次に、C4の構造について図2と図7を用
いて説明する。なお、図7は、図1のC4に関する部分
を拡大し、導体部分のみとした図である。このC4は、
外部から容量を調整しなければならないため、その容量
成分を形成する電極の片側の一部分は、外部に露出して
いなければならない。そこで、入出力電極端子7の一部
を誘電体ブロック10の主面に引出して上述の対向領域
7−1を形成する。そして、これに対向し、かつ、容量
が最大となるような誘電体層1bに内部電極9を設け
る。これにより容量成分C4を形成できる。このC4は
ビアホール導体8aを介して浮遊電極8−1と接続され
る。このC4は対向領域7−1と内部電極9間に形成さ
れるため、対向領域7−1の面積をレーザーまたはサン
ドブラスト法等により、減少させることにより、外部か
ら容量を調整可能としている。対向領域7−1をカット
する長さlと減衰極の周波数fbの関係を図8(a)
(b)に示すが、上述の原理により、カットする長さl
を増加させると、容量成分C4の容量が減少し、減衰極
の周波数fbも下降する関係となる。この関係を用い
て、積層型誘電体フィルタ1の特性が規格に入るように
調整すれば良い。例えば、積層型誘電体フィルタの初期
特性が図5の曲線aのような特性であった場合、トリミ
ング領域4をトリミングさせることで減衰極fbの周波
数を上げ、製造時にトリミングし過ぎた場合には、対向
領域7−1をカットすることにより、減衰極の周波数f
bを下降させ、通過域の規格を満足させることができ
る。
【0035】また、積層型誘電体フィルタの初期特性が
図5の曲線bのような特性であった場合、対向領域7−
1をカットすることにより、減衰極の周波数fbを下降
させ、通過域の規格を満足させることができる。
【0036】この容量成分C4と減衰極の周波数fbと
の関係は、図4のC11と図5の減衰極の周波数fb´
についても同様な関係があるため、この関係を用いて、
積層型誘電体フィルタの減衰量と減衰域の帯域幅も調整
できる。
【0037】なお、この実施の形態では周波数の減衰極
fbを下降させるために、製造後の積層型誘電体フィル
タ1をトリミングする点について説明したが、本発明で
形成する対向領域7−1はトリミングさせるために限定
されず、この対向領域7−1の大きさの大小を調整する
ことでも減衰極の周波数を簡単に移動させることができ
る。即ち、設計段階においては、容量成分C4が極大と
なるように対向領域7−1を形成して、周波数の目標値
よりも大きくなるように形成しておき、対向領域7−1
をトリミングさせて目標周波数に合わせ込むことが容易
となる。
【0038】次に、第2の実施の形態を図9に基づいて
説明する。図9(a)は、断面図であり、図9(b)
は、入出力端子7のある面の側面図である。第1の実施
の形態では、対向領域7−1は、ビアホール導体21a
を介して上面に形成し、対向する内部電極9によって容
量成分C4を実現していたが、第2の実施の形態では、
対向領域7−1は側面に形成し、また、浮遊電極8−1
が誘電体ブロック10の側面まで延出し、側面に形成し
た電極8−2により、入出力電極端子7の対向領域7−
1と電極8−2との導体のエッジによる容量結合で図4
の容量成分C4を形成する。この場合、減衰極fbの周
波数の調整方法は、間隔wを可変することにより実現す
る。なお、間隔wと減衰極の周波数との関係は、第1の
実施の形態と同様、図8に示すように反比例となる。
【0039】図9(b)は、第2の実施の形態の応用で
あり、対向領域7−1と入出力電極端子7が向かい合う
面は凹状に形成し、側面に形成した電極8−3を凸状に
形成して対向面積を大きくして導体のエッジによる容量
結合を大きくすることにより、減衰極の周波数の調整幅
を拡大できることを特徴といている。減衰極の周波数調
整は、間隔w1とw2を可変することにより実現できる。
【0040】次に、第3の実施の形態について図10を
用いて説明する。図10(a)は、一部断面図であり、
図10(b)は、入出力電極端子7が形成された面の側
面図である。この例では、入出力電極7と対向する領域
(対向領域7−1)にスルーホール導体8−4を設ける
ことにより、図4のC4を形成する。この場合の減衰極
の周波数調整方法は、入出力電極7の対向領域と重なる
部分の長さlを可変することにより実現する。なお、長
さlと減衰極の周波数との関係は、第1の実施の形態と
同様、図8に示すように反比例となる。
【0041】
【発明の効果】本発明の構成によれば、浮遊電極と入出
力端子電極との間で形成される容量成分は減衰極を形成
するが、その容量成分の容量値が外部から可変できるよ
うに入出力電極端子に浮遊電極の一部と誘電体層を介し
て対向する対向領域を形成したために、対向領域で形成
される容量成分が、減衰極を形成する容量成分と並列に
追加され、対向領域で容易に周波数の減衰極を変更させ
ることができ、これにより減衰極の周波数が調整可能と
なり、その結果、周波数調整工程における調整の自由度
が増し、歩留まりの改善、周波数が安定的でかつ安価な
製品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である積層型誘電体
フィルタの外観斜視図である。
【図2】(a)は図1のA−A'線断面図であり、
(b)は図1のB−B'線断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態である積層型誘電体
フィルタの上面図である。
【図4】本発明の積層型誘電体フィルタの等価回路であ
る。
【図5】本発明の積層型誘電体フィルタの周波数特性を
示す図である。
【図6】本発明の積層型誘電体フィルタの等価回路の一
部を変形した回路図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態である積層型誘電体
フィルタの一部の拡大図である。
【図8】(a)は本発明の第1の実施の形態である積層
型誘電体フィルタの対向領域をトリミングするカット箇
所を説明する図であり、(b)はカット箇所と減衰極の
周波数の変化量との関係を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を説明する図であ
り、(a)は図2(a)と同じ方向からみた一部断面図
であり、(b)は(a)の側面図であり、(c)は第2
の実施の形態の応用例を示す。
【図10】本発明の実施の形態を説明する図であり、
(a)は図2(a)と同じ方向からみた一部断面図であ
り、(b)は(a)の側面図である。
【図11】従来の積層型誘電体フィルタの外観斜視図で
ある。
【符号の説明】
1a〜1h:誘電体層 2:ストリップライン 3:アース電極 4:トリミング領域 6:入出力電極 7:入出力電極端子 8:浮遊電極 9:内部電極 10:誘電体ブロック

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数の誘電体基板からなる誘
    電体ブロックと、誘電体ブロックの主面に形成されたア
    ース電極と、積層体内でアース電極に対向し、かつアー
    ス電極に接続するように形成された複数のストリップラ
    インと、隣接する2つのストリップラインの双方に誘電
    体基板を介して対向する第1電極と、前記誘電体ブロッ
    クの側面に形成された電極端子に接続されると共に前記
    ストリップラインと前記第1電極との双方が誘電体基板
    を介して対向する第2電極とを有した積層型誘電体フィ
    ルタにおいて、 前記電極端子に前記第1電極の一部と誘電体層を介して
    対向する対向領域を形成したことを特徴とする積層型誘
    電体フィルタ。
  2. 【請求項2】前記対向領域はフィルタの減衰極の周波数
    を調整するためのトリミング領域であることを特徴とす
    る請求項1記載の積層型誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】前記対向領域は、前記誘電体ブロックの主
    面に前記アース電極とは非接触状態で形成されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の積層型誘電体フィ
    ルタ。
  4. 【請求項4】前記第1電極の一部は、前記任意の誘電体
    基板を貫通して形成したビアホール導体であることを特
    徴とする請求項1記載の積層型誘電体フィルタ。
  5. 【請求項5】前記第1電極の一部は、誘電体ブロックの
    側面に形成すると共に前記誘電体ブロックの側面まで第
    1電極が引き出されて接続している第3電極であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の積層型誘電体フィル
    タ。
  6. 【請求項6】前記第3電極は、フィルタの減衰極の周波
    数を調整するためのトリミング領域であることを特徴と
    する請求項2記載の積層型誘電体フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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