JP2002198333A - 金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法 - Google Patents

金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法

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JP2002198333A
JP2002198333A JP2001316955A JP2001316955A JP2002198333A JP 2002198333 A JP2002198333 A JP 2002198333A JP 2001316955 A JP2001316955 A JP 2001316955A JP 2001316955 A JP2001316955 A JP 2001316955A JP 2002198333 A JP2002198333 A JP 2002198333A
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polishing
metal
substrate
pressure
acid
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JP2001316955A
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Yasushi Kurata
靖 倉田
Yasuo Kamigata
康雄 上方
Takeshi Uchida
剛 内田
Hiroki Terasaki
裕樹 寺崎
Akiko Igarashi
明子 五十嵐
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属埋め込み配線形成等のリセスCMP技術
において、金属等の埋め込み膜の余分な成膜層の除去及
び平坦化を効率的に、かつプロセス管理も容易に行うこ
とができ、信頼性の高い金属膜の埋め込みパタ−ン形成
を可能とする金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨
方法を提供する。 【解決手段】 金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜
形成剤、水溶性ポリマ及び水を含有し、研磨速度に研磨
圧力依存性の変曲点を有する研磨液であって、設定研磨
圧力がPの場合、パターンの形成された基板の凹部の実
効研磨圧力をP1、凸部の実効研磨圧力をP2とすると、
パターンのない基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力
P'がP1<P<P'<P2となるように研磨液組成を調整
した金属用研磨液を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に半導体デバイ
スの配線工程における金属用研磨液及びそれを用いた基
盤の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路(LSI)の高集
積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発され
ている。化学機械研磨(CMP)法もその一つであり、
LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶
縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成にお
いて頻繁に利用される技術である。この技術は、例えば
米国特許第4944836号に開示されている。
【0003】また、最近はLSIを高性能化するため
に、配線材料として銅合金の利用が試みられている。し
かし、銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻
繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困
難である。そこで、あらかじめ溝を形成してある絶縁膜
上に銅合金薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の銅合金
薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、
いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術
は、例えば特開平2−278822号公報に開示されて
いる。
【0004】金属のCMPの一般的な方法は、円形の研
磨定盤(プラテン)上に研磨布(パッド)を貼り付け、
研磨布表面を金属用研磨液で浸し、基板の金属膜を形成
した面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(研磨圧
力或いは研磨荷重)を加えた状態で研磨定盤を回し、研
磨液と金属膜の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属
膜を除去するものである。
【0005】CMPに用いられる金属用研磨液は、一般
には酸化剤及び固体砥粒からなっており必要に応じてさ
らに酸化金属溶解剤、保護膜形成剤が添加される。まず
酸化によって金属膜表面を酸化し、その酸化層を固体砥
粒によって削り取るのが基本的なメカニズムと考えられ
ている。凹部の金属表面の酸化層は研磨パッドにあまり
触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないの
で、CMPの進行とともに凸部の金属層が除去されて基
板表面は平坦化される。この詳細についてはジャ−ナル
・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of
ElectrochemicalSociety)の第138巻11号(19
91年発行)の3460〜3464頁に開示されてい
る。
【0006】CMPによる研磨速度を高める方法として
酸化金属溶解剤を添加することが有効とされている。固
体砥粒によって削り取られた金属酸化物の粒を研磨液に
溶解させてしまうと固体砥粒による削り取りの効果が増
すためであると解釈できる。但し、凹部の金属膜表面の
酸化層も溶解(エッチング)されて金属膜表面が露出す
ると、酸化剤によって金属膜表面がさらに酸化され、こ
れが繰り返されると凹部の金属膜のエッチングが進行し
てしまい、平坦化効果が損なわれることが懸念される。
これを防ぐためにさらに保護膜形成剤が添加される。酸
化金属溶解剤と保護膜形成剤の効果のバランスを取るこ
とが重要であり、凹部の金属膜表面の酸化層はあまりエ
ッチングされず、削り取られた酸化層の粒が効率良く溶
解されCMPによる研磨速度が大きいことが望ましい。
【0007】このように酸化金属溶解剤と保護膜形成剤
を添加して化学反応の効果を加えることにより、CMP
速度(CMPによる研磨速度)が向上すると共に、CM
Pされる金属層表面の損傷(ダメ−ジ)も低減される効
果が得られる。
【0008】しかしながら、従来の固体砥粒を含む金属
用研磨液を用いてCMPによる埋め込み配線形成を行う
場合には、(1)埋め込まれた金属配線の表面中央部分
が等方的に腐食されて皿の様に窪む現象(ディッシン
グ)の発生、配線密度の高い部分で絶縁膜も研磨されて
金属配線の厚みが薄くなる現象(エロージョン或いはシ
ニング)の発生、(2)固体砥粒に由来する研磨傷(ス
クラッチ)の発生、(3)研磨後の基板表面に残留する
固体砥粒を除去するための洗浄プロセスが複雑であるこ
と、(4)固体砥粒そのものの原価や廃液処理に起因す
るコストアップ、等の問題が生じる。
【0009】ディッシングや研磨中の銅合金の腐食を抑
制し、信頼性の高いLSI配線を形成するために、グリ
シン等のアミノ酢酸又はアミド硫酸からなる酸化金属溶
解剤及びBTA(ベンゾトリアゾ−ル)を含有する金属
用研磨液を用いる方法が提唱されている。この技術は例
えば特開平8−83780号公報に記載されている。
【0010】銅または銅合金のダマシン配線形成やタン
グステン等のプラグ配線形成等の金属埋め込み形成にお
いては、埋め込み部分以外に形成される層間絶縁膜であ
る二酸化シリコン膜の研磨速度も大きい場合には、層間
絶縁膜ごと配線の厚みが薄くなるエロージョンが発生す
る。その結果、配線抵抗の増加やパターン密度等により
抵抗のばらつきが生じるために、研磨される金属膜に対
して二酸化シリコン膜の研磨速度が十分小さい特性が要
求される。そこで、酸の解離により生ずる陰イオンによ
り二酸化シリコンの研磨速度を抑制することにより、研
磨液のpHをpKa−0.5よりも大きくする方法が提
唱されている。この技術は、例えば特許第281919
6号公報に記載されている。
【0011】一方、配線の銅或いは銅合金等の下層に
は、層間絶縁膜中への銅拡散防止のためにバリア層とし
て、タンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他
のタンタル化合物等が形成される。したがって、銅或い
は銅合金を埋め込む配線部分以外では、露出したバリア
層をCMPにより取り除く必要がある。しかし、これら
のバリア層導体膜は、銅或いは銅合金に比べ硬度が高い
ために、銅または銅合金用の研磨材料の組み合わせでは
十分なCMP速度が得られない場合が多い。そのような
研磨液で、バリア層も連続して研磨しようとすると、銅
或いは銅合金部のディッシングが発生してしまう。そこ
で、銅或いは銅合金を研磨する第1工程と、バリア層導
体を研磨する第2工程からなる2段研磨方法が検討され
ている。
【0012】銅或いは銅合金を研磨する第1工程と、バ
リア層を研磨する第2工程からなる2段研磨方法では、
被研磨膜の硬度や化学的性質が異なり、また銅或いは銅
合金の研磨速度を変える必要があるために、研磨液のp
H、砥粒及び添加剤等の組成物について、かなり異なる
性質のものが検討されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ディッシングやエロー
ジョンの少ない良好な電気特性を有する埋め込み配線を
形成するためには、第1工程である銅合金等金属の研磨
において、研磨速度をエッチング速度に対し十分に大き
いだけでなく、パターン凸部を凹部に対し選択的に研磨
する金属用研磨液が望まれていた。本発明は、金属埋め
込み配線形成等のリセスCMP技術において、金属等の
埋め込み膜の余分な成膜層の除去及び平坦化を効率的
に、かつプロセス管理も容易に行うことができ、信頼性
の高い金属膜の埋め込みパタ−ン形成を可能とする金属
用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法を提供するも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1):金属
の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、水溶性ポリ
マ及び水を含有し、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点
を有する研磨液であって、設定研磨圧力がPの場合、パ
ターンの形成された基板の凹部の実効研磨圧力をP1
凸部の実効研磨圧力をP2とすると、パターンのない基
板の研磨速度に変曲点が現れる圧力P'がP1<P<P'
<P2となるように研磨液組成を調整した金属用研磨液
である。その結果、金属埋め込み配線形成等の平坦化を
効率的、高レベルに行うことが可能である。通常の研磨
条件において、研磨速度は研磨圧力に比例した特性を示
すのが一般的である。本発明において、研磨速度に研磨
圧力依存性の変曲点を有する研磨液とは、パターンのな
い基板の研磨速度がある研磨圧力まで充分小さく、変曲
点となる圧力より大きい研磨圧力では変曲点以下の研磨
圧力の研磨速度よりも充分大きい研磨速度特性が得られ
る研磨液を意味し、水溶性ポリマの分子量及び濃度等の
組成により変曲点が現れる研磨圧力が変わる特性を示す
ものをいう。本発明では、(2):水溶性ポリマの重量
平均分子量が500以上の少なくとも1種以上を用いる
上記(1)に記載の金属用研磨液であると好ましい、
(3):水溶性ポリマが、多糖類、ポリカルボン酸、ポ
リカルボン酸エステル、ポリカルボン酸の塩及びビニル
系ポリマから選ばれた少なくとも1種である上記(1)
または(2)に記載の金属用研磨液であると好ましい、
(4):金属の酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素
酸カリウム、次亜塩素酸及びオゾン水から選ばれる少な
くとも1種である(1)ないし(3)のいずれかに記載
の金属用研磨液であると好ましい、(5):酸化金属溶
解剤が、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウ
ム塩及び硫酸から選ばれる少なくとも1種である上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の金属用研磨液で
あると好ましい、(6):保護膜形成剤が、含窒素化合
物及びその塩、メルカプタン、グルコース及びセルロー
スから選ばれた少なくとも1種である上記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の金属用研磨液であると好まし
い、(7):金属用研磨液に、固体砥粒を添加する上記
(1)ないし(6)のいずれかに記載の金属用研磨液で
あると好ましい、(8):固体砥粒が、シリカ、アルミ
ナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニアより選
ばれた少なくとも1種である上記(7)に記載の金属用
研磨液であると好ましい、(9):研磨される金属膜
が、銅、銅合金及びそれらの酸化物から選ばれる少なく
とも1種を含む上記(1)ないし(8)のいずれかに記
載の金属用研磨液であると好ましい、(10):研磨さ
れる金属のバリア層が、タンタル、窒化タンタル、タン
タル合金、その他のタンタル化合物である上記(1)な
いし(9)のいずれかに記載の金属用研磨液であると好
ましい。また、本発明は、(11):研磨定盤の研磨布
上に上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の金属
用研磨液を供給しながら、被研磨膜を有する基板を研磨
布に押圧した状態で研磨定盤と基板を相対的に動かすこ
とによって被研磨膜を研磨する研磨方法であって、パタ
ーンのない基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力がP'
になる研磨液組成の場合に、パターンの形成された基板
の凹部の実効研磨圧力をP1、凸部の実効研磨圧力をP2
とすると、設定研磨荷重PをP1<P<P'<P2となる
ように調整する基板の研磨方法である。さらに、(1
2):上記(1)ないし(2)のいずれかに記載の研磨
液で基板を研磨する方法であって、パターンのない基板
の研磨速度に変曲点が現れる圧力がP'になる研磨液組
成の場合に、研磨荷重の設定値を研磨途中で変える研磨
方法であり、研磨開始時の研磨荷重PFと後半の研磨荷
重PLがPF<P'<PLであることを特徴とする基板の研
磨方法である。また、(13):上記(1)ないし(1
0)のいずれかに記載の研磨液で基板を研磨する方法で
あって、パターンのない基板の研磨速度に変曲点が現れ
る圧力がP'になる研磨液組成の場合に、研磨荷重の設
定値を研磨途中で変える研磨方法であり、研磨開始時の
研磨荷重PFと後半の研磨荷重PLがPL<P'<PFであ
ることを特徴とする基板の研磨方法であり、上記(1)
ないし(10)のいずれかに記載の研磨液で基板を研磨
する方法であって、パターンの形成された基板の凹部の
研磨速度をR1、凸部の研磨速度をR2とすると、凹部と
凸部の段差が100nm以下になるまでのR2/R1が4
≦R2/R1であり、0<R1<150nm/min、0
<R2<800nm/minであり、凹部と凸部の段差
が100nm以下になるとR1、R2<150nm/mi
nになることを特徴とする基板の研磨方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の基板の研磨方法は、研磨
定盤の研磨布上に前記の金属用研磨液を供給しながら、
被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定
盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨
することができる。
【0016】本発明は、エッチング速度に対しCMP速
度が十分大きく、研磨速度に研磨圧力依存性の変曲点を
与える組成の研磨液である。設定研磨圧力がPの場合、
パターンの形成された基板の凹部の実効研磨圧力を
1、凸部の実効研磨圧力をP2とすると、パターンのな
い基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力P'がP1<P<
P'<P2となるように組成を調整した研磨液により、被
研磨金属膜のパターン形状に応じて変曲点が現れる圧力
よりも高い研磨圧力がかかる凸部を選択的に研磨する特
性を実現することができる。また、平坦化された後の研
磨速度は、変曲点が現れる圧力よりも小さい設定研磨圧
力の研磨速度になるために、平坦化後の研磨が遅くなる
ので研磨時間によるプロセス管理が容易になる。この添
加剤による研磨速度の研磨圧力依存性については、文献
(IEDM96 Proceedings(1996) p.349−352等)で報告
されている。その結果、高効率、高レベルに、パターン
密度、サイズ依存性の少ない平坦化を実現する金属用研
磨液を提供することができる。
【0017】本発明の保護膜形成剤は、銅とキレ−ト錯
体を生じやすいもの、例えばエチレンジアミンテトラ酢
酸、ベンゾトリアゾ−ル等の含窒素化合物を用いると好
ましい。これらの金属表面保護膜形成効果は極めて強
く、例えば金属用研磨液中に0.5重量%以上を含ませ
ると銅合金膜はエッチングはおろかCMPすらされなく
なる。これに対し、本発明者らは、保護膜形成剤と水溶
性ポリマを併用することにより、銅合金等の金属層の十
分に低いエッチング速度を維持したまま高いCMP速度
が得られることを見出した。しかもこのような研磨液を
用いることにより、研磨液に固体砥粒を含ませなくとも
実用的なCMP速度での研磨が可能になることを見出し
た。これは従来の固体砥粒の摩擦による削り取りの効果
に対して研磨パッドの摩擦による削り取りが発現された
ためと考えられる。その結果、銅及びバリア層及び絶縁
膜層の研磨は、固体砥粒に対し研磨パッドによる摩擦で
はほとんど進行しないことから、金属層とバリア層及び
金属層と絶縁膜層の高い研磨速度比が得られる。
【0018】本発明においては、表面に凹部を有する基
板上に銅、銅合金(銅/クロム等)を含む金属膜を形成
・充填する。この基板を本発明による金属用研磨液を用
いてCMPすると、基板の凸部の金属膜が選択的にCM
Pされて、凹部に金属膜が残されて所望の導体パタ−ン
が得られる。本発明の金属用研磨液では、実質的に固体
砥粒を含まなくとも良く、固体砥粒よりもはるかに機械
的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCMPが進む
ために、ディッシング及びエロージョン等の平坦化特性
が良いが、パターン凸部を選択的に研磨する荷重依存性
を有するために更に優れた平坦化特性を実現し、プロセ
ス管理も容易に行うことができる。また、金属とそのバ
リア層の研磨速度比(金属/バリア層)及び金属と絶縁
膜層(金属/絶縁膜層)の研磨速度比が高く、研磨傷も
劇的に低減される。本発明の金属用研磨液は、金属の酸
化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、水溶性ポリマ及
び水を必須成分とする。固体砥粒は実質的に含まれなく
とも良い。
【0019】金属の酸化剤としては、過酸化水素(H2
2)、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾ
ン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好まし
い。基板が集積回路用素子を含むシリコン基板である場
合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物な
どによる汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まな
い酸化剤が望ましい。但し、オゾン水は組成の時間変化
が激しいので過酸化水素が最も適している。但し、適用
対象の基板が半導体素子を含まないガラス基板などであ
る場合は不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えな
い。
【0020】酸化金属溶解剤は、水溶性のものが好まし
く、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩
及び硫酸から選ばれる少なくとも1種であると好まし
い。以下の群から選ばれたものの水溶液が適している。
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル
酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エ
チル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2
−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキ
サン酸、安息香酸、グリコ−ル酸、サリチル酸、グリセ
リン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リン
ゴ酸、酒石酸、クエン酸等及びそれらの有機酸のエステ
ル、有機酸のアンモニウム塩等の塩、硫酸、硝酸、アン
モニア、アンモニウム塩類、例えば過硫酸アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等、クロム酸
等又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中では
ギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が銅、銅
合金及び銅又は銅合金の酸化物から選ばれた少なくとも
1種の金属層を含む積層膜に対して好適である。これら
は保護膜形成剤とのバランスが得やすい点で好ましい。
特に、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸については実用的な
CMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑
制できるという点で好ましい。
【0021】保護膜形成剤は、含窒素化合物及びその
塩、メルカプタン、グルコース及びセルロースから選ば
れた少なくとも1種であると好ましい。以下の群から選
ばれたものが好適である。アンモニア;ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレン
ジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテト
ラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナト
リウム及びキトサン等のアミン;グリシン、L−アラニ
ン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリ
ン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L
−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニル
アラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチ
ン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニ
ン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシ
ン、3,5−ジヨ−ド−L−チロシン、β−(3,4−
ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシ
ン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、
L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、
L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン
酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カ
ルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、
L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−
アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒ
ドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、
L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メ
チル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプ
トファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオ
テンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等
のアミノ酸;ジチゾン、クプロイン(2,2’−ビキノ
リン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10
−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメ
チル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリ
ン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリ
ルヒドラゾン)等のイミン;ベンズイミダゾール−2−
チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロ
ピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)チオブチル
酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−ト
リアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−
1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾー
ル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロ
キシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキ
シプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリア
ゾール、4−メトキシカルボニル−1H−ベンゾトリア
ゾール、4−ブトキシカルボニル−1H−ベンゾトリア
ゾール、4−オクチルオキシカルボニル−1H−ベンゾ
トリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、N−
(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)−N
−(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)−2−エ
チルヘキシルアミン、トリルトリアゾール、ナフトトリ
アゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]
ホスホン酸等のアゾール;ノニルメルカプタン、ドデシ
ルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチ
オール、トリアジントリチオール等のメルカプタン;及
びグルコース、セルロース等の糖類が挙げられる。その
中でもキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−ト
リプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオール、
ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル、4−カルボキシルベンゾトリアゾールブチルエステ
ル、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾールが高いC
MP速度と低いエッチング速度を両立する上で好まし
い。
【0022】水溶性ポリマとしては、多糖類、ポリカル
ボン酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸の塩
及びビニル系ポリマから選ばれた少なくとも1種である
と好ましく、以下の群から選ばれたものが好適である。
アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロ−
ス、寒天、カ−ドラン及びプルラン等の多糖類;グリシ
ンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ
酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリ
シン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリ
ル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、
ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリ
フマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアク
リル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミ
ド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナ
トリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム
塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸
等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコ−
ル、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビ
ニル系ポリマ等が挙げられる。但し、適用する基板が半
導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金
属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望
ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ま
しい。基板がガラス基板等である場合はその限りではな
い。その中でもペクチン酸、寒天、ポリリンゴ酸、ポリ
メタクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピ
ロリドン、それらのエステル、塩、及びそれらのアンモ
ニウム塩が好ましい。
【0023】金属の酸化剤成分の配合量は、金属の酸化
剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、水溶性ポリマ及び
水の総量100gに対して、0.003〜0.7mol
とすることが好ましく、0.03〜0.5molとする
ことがより好ましく、0.2〜0.3molとすること
が特に好ましい。この配合量が、0.003mol未満
では、金属の酸化が不十分でCMP速度が低く、0.7
molを超えると、研磨面に荒れが生じる傾向がある。
【0024】本発明における酸化金属溶解剤成分の配合
量は、金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、
水溶性ポリマ及び水の総量100gに対して0.000
01〜0.005molとすることが好ましく、0.0
0005〜0.0025molとすることがより好まし
く、0.0005mol〜0.0015molとするこ
とが特に好ましい。この配合量が0.005molを超
えると、エッチングの抑制が困難となる傾向がある。
【0025】保護膜形成剤の配合量は、金属の酸化剤、
酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、水溶性ポリマ及び水の
総量100gに対して0.0001〜0.05molと
することが好ましく0.0003〜0.005molと
することがより好ましく、0.0005〜0.0035
molとすることが特に好ましい。この配合量が0.0
001mol未満では、エッチングの抑制が困難となる
傾向があり、0.05molを超えるとCMP速度が低
くなってしまう傾向がある。
【0026】水溶性ポリマの配合量は、金属の酸化剤、
酸化金属溶解剤、保護膜形成剤、水溶性ポリマ及び水の
総量100gに対して0.001〜0.3重量%とする
ことが好ましく0.003〜0.1重量%とすることが
より好ましく0.01〜0.08重量%とすることが特
に好ましい。この配合量が0.001重量%未満では、
エッチング抑制において保護膜形成剤との併用効果が現
れない傾向があり0.3重量%を超えるとCMP速度が
低下してしまう傾向がある。水溶性ポリマの重量平均分
子量は500以上とすることが好ましく、1500以上
とすることがより好ましく5000以上とすることが特
に好ましい。重量平均分子量の上限は特に規定するもの
ではないが、溶解性の観点から500万以下である。重
量平均分子量が500未満では高いCMP速度が発現し
ない傾向にある。本発明では、重量平均分子量が500
以上の少なくとも1種以上の水溶性ポリマを用いること
が好ましい。
【0027】本発明を適用する金属膜としては、銅、銅
合金及び銅又は銅合金の酸化物(以下銅合金という)か
ら選ばれた少なくとも1種を含む積層膜である。
【0028】本発明を適用する金属膜としては、タンタ
ル、窒化タンタル、タンタル合金、その他のタンタル化
合物から選ばれた少なくとも1種の金属バリア層を含む
積層膜である。
【0029】本発明の金属用研磨液には、固体砥粒を添
加しても良い。固定砥粒としては、シリカ、アルミナ、
ジルコニア、セリア、チタニア、炭化珪素等の無機物砥
粒、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル等の
有機物砥粒のいずれでもよいが、研磨液中での分散安定
性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)
の発生数の少ない、平均粒径が100nm以下のコロイ
ダルシリカ、コロイダルアルミナが好ましい。コロイダ
ルシリカはシリコンアルコキシドの加水分解または珪酸
ナトリウムのイオン交換による製造方法が知られてお
り、コロイダルアルミナは硝酸アルミニウムの加水分解
による製造方法が知られている。砥粒の添加量は全重量
に対して0.01重量%から10重量%であることが好
ましく、0.05重量%から5重量%の範囲であること
がより好ましい。この配合量が0.01%以下では砥粒
を含有する効果がなく、10重量%以上ではCMPによ
る研磨速度は飽和し、それ以上加えても増加は見られな
い。
【0030】本発明の基板の研磨方法は、パターンのな
い基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力がP'になる研
磨液組成の場合に、パターンの形成された基板の凹部の
実効研磨圧力をP1、凸部の実効研磨圧力をP2とする
と、設定研磨荷重PをP1<P<P'<P2となるように
調整する。それにより、パターン凸部を選択的に研磨
し、平坦化後の研磨速度を十分小さくすることができる
ために、研磨の終点管理等のプロセス時間管理が容易に
なる。また、パターンの平坦化効率に合わせて、埋め込
み金属の成膜量を調整することができる。
【0031】本発明の基板の研磨方法は、パターンのな
い基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力がP'になる研
磨液組成の場合に、研磨荷重の設定値を研磨途中で変え
る研磨方法であり、研磨開始時の研磨荷重PFと後半の
研磨荷重PLがPF<P'<PLである。研磨開始時の研磨
荷重PFでは、パターン凸部を選択的に研磨することが
でき、平坦化後に研磨荷重をPLに変えることによっ
て、バリア金属上に残った金属膜を高速に除去すること
ができる。
【0032】本発明の基板の研磨方法は、パターンのな
い基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力がP'になる研
磨液組成の場合に、研磨荷重の設定値を研磨途中で変え
る研磨方法であり、研磨開始時の研磨荷重PFと後半の
研磨荷重PLがPL<P'<PFである。研磨開始時の研磨
荷重PFで高速に研磨した後に、研磨途中で研磨荷重を
Lに変えることによって、パターン凸部を選択的に研
磨して平坦化することができる。
【0033】本発明の基板の研磨方法は、パターンの形
成された基板の凹部の研磨速度をR 1、凸部の研磨速度
をR2とすると、凹部と凸部の段差が100nm以下に
なるまでのR2/R1が、4≦R2/R1であり、0<R1
<150nm/min、0<R2<800nm/min
であり、凹部と凸部の段差が100nm以下になるとR
1、R2<150nm/minになる。凹部と凸部の段差
が100nm以下になるまでは、パターン凸部を凹部に
対し4倍以上の選択比で研磨して平坦化することが可能
であり、その時の凸部の研磨速度は800nm/min
を超えない範囲であるので、凹部の研磨速度は150n
m/minを超えない範囲でないと平坦化が効率的に進
まない。また、凹部と凸部の段差が100nm以下にな
りと凸部及び凹部の研磨速度とも150nm/minを
超えない範囲でないと、研磨の終点管理が難しくオーバ
ー研磨した時のディッシング及びエロージョンが大きく
なってしまう。
【0034】本発明の基板の研磨方法は、研磨定盤の研
磨布上に前記の金属用研磨液を供給しながら、被研磨膜
を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と基板
を相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨する研磨
方法である。研磨する装置としては、半導体基板を保持
するホルダと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が
変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一
般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的
な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが
使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はない
が、定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200
rpm以下の低回転が好ましい。被研磨膜を有する半導
体基板の研磨布への押し付け圧力が9.8〜98KPa
(100〜1000gf/cm2)であることが好まし
く、CMP速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦
性を満足するためには、9.8〜49KPa(100〜
500gf/cm2)であることがより好ましい。研磨
している間、研磨布には金属用研磨液をポンプ等で連続
的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表
面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終
了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドラ
イ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落とし
てから乾燥させることが好ましい。
【0035】本発明の研磨速度の荷重依存性に変曲点を
有する金属用研磨液、及び研磨荷重によりパターン凸部
と凹部の研磨速度を調整する基板の研磨方法により、デ
ィッシング及びエロージョンが少ない金属埋め込み配線
を形成することができる。また、実質的に固体砥粒なし
でも研磨布との摩擦によって銅合金等の金属膜のCMP
平坦化が可能であるために、金属とそのバリア層の研磨
速度比(金属/バリア層)及び金属と絶縁膜層(金属/
絶縁膜層)の研磨速度比が高い特性が得られる金属用研
磨液を提供することができる。その結果、2段研磨プロ
セスの銅合金等の1段目研磨において、バリア層や絶縁
膜層がストッパーになることにより、研磨時間管理も容
易に面内均一性に優れた研磨を実現することができる。
その結果、エロージョン等による配線厚みの減少による
電気特性のばらつきを低減することが可能である。ま
た、固体砥粒を含有しないために研磨傷も劇的に低減さ
れる。この金属用研磨液においては、水溶性ポリマの分
子量及び添加濃度により、変曲点を有する研磨速度の荷
重依存性が変化するので、設定したい研磨荷重に対応し
て水溶性ポリマの組成を調整する必要がある。或いは、
研磨液の組成で決まる研磨速度の荷重依存性に合わせ
て、設定荷重を調整しても同様の効果が得られる。一
方、荷重依存性の保護膜形成剤と水溶性ポリマを併用し
たことにより、エッチングは抑制するが研磨布による摩
擦に対しては金属表面保護膜として機能せずにCMPが
進行すると推定される。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。 (金属用研磨液の作製)酸化金属溶解剤としてDL−リ
ンゴ酸(試薬特級)0.15重量部に水69.6重量部
を加えて溶解し、これに保護膜形成剤としてベンゾトリ
アゾール0.2重量部及び水溶性ポリマ0.05重量部
(固形分量)を加えた。水溶性ポリマを0.15重量部
加える場合には水を0.1重量部減らした。最後に金属
の酸化剤として過酸化水素水(試薬特級、30重量%水
溶液)30.0重量部を加えて得られたものを金属用研
磨液とした。実施例5では、実施例1の研磨液組成に砥
粒として粒径100nmのコロイダルシリカを1重量部
添加した(水を68.6重量部とした)。コロイダルシ
リカは、テトラエトキシシランのアンモニア水溶液中で
加水分解したものを使用した。比較例1は実施例1の組
成から水溶性ポリマを抜いた組成(水を69.65重量
部とした組成)、比較例2は実施例1の組成からBTA
を抜いた組成(水を69.8重量部とした組成)で行っ
た。実施例1〜5及び比較例1〜2では、表1に記した
各種保護膜形成剤を用い、上記の金属用研磨液を用い
て、下記の研磨条件でCMPした。 (研磨条件) 基板:厚さ200nmのタンタル膜を形成したシリコン
基板 厚さ1μmの二酸化シリコン膜を形成したシリコン基板 厚さ1μmの銅膜を形成したシリコン基板 配線溝深さ0.5μm/バリア層:タンタル膜厚50n
m/銅膜厚1.0μmのパターン付き基板 研磨布:(IC1000(ロデ−ル社製)) 独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂 研磨圧力:9.8〜29.4KPa(100〜300g
/cm2)(パターン ウエハ研磨圧力:19.6KPa(200g/c
2)) 基板と研磨定盤との相対速度:36m/min(研磨品
の評価) CMP速度:銅膜のCMP前後での膜厚差を電気抵抗値
から換算して求めた。 研磨速度の荷重依存:研磨荷重を9.8、14.7、1
9.6、24.5、29.4KPa(100、150、2
00、250、300g/cm2)に変えて、その他の
研磨条件を一定にして研磨速度の変曲点の有無を調べ
た。 エッチング速度:攪拌した金属用研磨液(25℃、攪拌
100rpm)への浸漬前後の銅層膜厚差を電気抵抗値
から換算して求めた。 ディッシング量:二酸化シリコン中に深さ0.5μmの
溝を形成して、公知のスパッタ法によってバリア層とし
て厚さ50nmのタンタル膜を形成し、同様にスパッタ
法により銅膜を1.0μm形成して公知の熱処理によっ
て埋め込んだシリコン基板を基板として研磨を行った。
銅の1段目研磨として、基板表面全面で二酸化シリコン
上のバリア層タンタルがちょうど露出する時間(オーハ゛ー
研磨0%)及びその1.5倍の時間(オーハ゛ー研磨50
%)で研磨を行った。触針式段差計で配線金属部幅10
0μm、絶縁膜部幅100μmが交互に並んだストライ
プ状パターン部の表面形状から、絶縁膜部に対する配線
金属部の膜減り量を求めた。
【0037】実施例1〜5及び比較例1〜2のCMPに
よる研磨速度を表1に示した。ディッシング量及びその
増加量(オーバー研磨0%からの増加量)を表2に示し
た。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】 *:( )内はオーバー研磨0%からの増加量
【0040】比較例1及び比較例2では、研磨速度の荷
重依存性において研磨速度が急激に立ち上がる変曲点
が、少なくとも設定研磨荷重付近には見られない。ま
た、銅のエッチング速度が大きいために、低研磨荷重側
の研磨速度が大きく、荷重による研磨速度の変化が小さ
い。その結果、平坦化効率が悪く、初期の段差を残した
状態でバリア層タンタルに達してしまうためにオーバー
研磨0%のディッシング値が大きい。また、固体砥粒を
含有しないために絶縁膜部ではバリア層タンタルで研磨
が停止するが、エッチング速度が大きく平坦化後も銅の
研磨速度が低下しないために銅配線部ではディッシング
が進行してしまい、オーバー研磨耐性が悪い。それに対
し実施例1〜5では、銅のエッチング速度も十分小さい
だけでなく、研磨速度の荷重依存性において研磨速度が
急激に立ち上がる変曲点が、荷重19.6〜24.5K
Pa(200〜250g/cm2)の範囲に存在する。
設定研磨荷重19.6KPa(200g/cm2)にお
いて、パターン凸部の実効圧力は変曲点よりも高くなる
ために高速で研磨され、パターン凹部の実効圧力は変曲
点よりも低くなるために研磨速度が小さい。その結果、
パターン凸部が選択的に研磨されるために、オーバー研
磨0%のディッシング値が小さく、平坦化後には研磨速
度が十分小さくなるために、オーバー研磨50%時のデ
ィッシング増加量も少ない。特に、固体砥粒を含有しな
い実施例1〜4では、バリア層タンタルの研磨速度も小
さいために、エロージョンによる配線厚みの減少もな
い。
【0041】
【発明の効果】本発明の金属用研磨液は、金属埋め込み
配線形成等のリセスCMP技術において、金属等の埋め
込み膜の余分な成膜層の除去及び平坦化を効率的に、か
つプロセス管理も容易に行うことができ、信頼性の高い
金属膜の埋め込みパタ−ン形成を可能とする金属用研磨
液及びそれを用いた基板の研磨方法を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/3205 H01L 21/88 K R (72)発明者 内田 剛 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 寺崎 裕樹 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 五十嵐 明子 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 Fターム(参考) 3C058 AA07 CA01 CB01 DA02 DA12 DA17 5F033 HH11 HH12 HH21 HH32 MM01 MM12 MM13 QQ48 QQ50 WW01 XX01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の酸化剤、酸化金属溶解剤、保護膜
    形成剤、水溶性ポリマ及び水を含有し、研磨速度に研磨
    圧力依存性の変曲点を有する研磨液であって、設定研磨
    圧力がPの場合、パターンの形成された基板の凹部の実
    効研磨圧力をP 1、凸部の実効研磨圧力をP2とすると、
    パターンのない基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力
    P'がP1<P<P'<P2となるように研磨液組成を調整
    した金属用研磨液。
  2. 【請求項2】 水溶性ポリマの重量平均分子量が500
    以上の少なくとも1種以上を用いる請求項1に記載の金
    属用研磨液。
  3. 【請求項3】 水溶性ポリマが、多糖類、ポリカルボン
    酸、ポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸の塩及び
    ビニル系ポリマから選ばれた少なくとも1種である請求
    項1または請求項2に記載の金属用研磨液。
  4. 【請求項4】 金属の酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過
    ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及びオゾン水から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載の金属用研磨液。
  5. 【請求項5】 酸化金属溶解剤が、有機酸、有機酸エス
    テル、有機酸のアンモニウム塩及び硫酸から選ばれる少
    なくとも1種である請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載の金属用研磨液。
  6. 【請求項6】 保護膜形成剤が、含窒素化合物及びその
    塩、メルカプタン、グルコース及びセルロースから選ば
    れた少なくとも1種である請求項1ないし請求項5のい
    ずれかに記載の金属用研磨液。
  7. 【請求項7】 金属用研磨液に、固体砥粒を添加する請
    求項1ないし請求項6のいずれかに記載の金属用研磨
    液。
  8. 【請求項8】 固体砥粒が、シリカ、アルミナ、セリ
    ア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニアより選ばれた少
    なくとも1種である請求項7に記載の金属用研磨液。
  9. 【請求項9】 研磨される金属膜が、銅、銅合金及びそ
    れらの酸化物から選ばれる少なくとも1種を含む請求項
    1ないし請求項8のいずれかに記載の金属用研磨液。
  10. 【請求項10】 研磨される金属のバリア層が、タンタ
    ル、窒化タンタル、タンタル合金、その他のタンタル化
    合物である請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の
    金属用研磨液。
  11. 【請求項11】 研磨定盤の研磨布上に請求項1ないし
    請求項10のいずれかに記載の金属用研磨液を供給しな
    がら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で
    研磨定盤と基板を相対的に動かすことによって被研磨膜
    を研磨する研磨方法であって、パターンのない基板の研
    磨速度に変曲点が現れる圧力がP'になる研磨液組成の
    場合に、パターンの形成された基板の凹部の実効研磨圧
    力をP1、凸部の実効研磨圧力をP2とすると、設定研磨
    荷重PをP1<P<P'<P2となるように調整すること
    を特徴とする基板の研磨方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項10のいずれか
    に記載の研磨液で基板を研磨する方法であって、パター
    ンのない基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力がP'に
    なる研磨液組成の場合に、研磨荷重の設定値を研磨途中
    で変える研磨方法であり、研磨開始時の研磨荷重PF
    後半の研磨荷重PLがPF<P'<PLであることを特徴と
    する基板の研磨方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項10のいずれか
    に記載の研磨液で基板を研磨する方法であって、パター
    ンのない基板の研磨速度に変曲点が現れる圧力がP'に
    なる研磨液組成の場合に、研磨荷重の設定値を研磨途中
    で変える研磨方法であり、研磨開始時の研磨荷重PF
    後半の研磨荷重PLがPL<P'<PFであることを特徴と
    する基板の研磨方法。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項10のいずれか
    に記載の研磨液で基板を研磨する方法であって、パター
    ンの形成された基板の凹部の研磨速度をR1、凸部の研
    磨速度をR2とすると、凹部と凸部の段差が100nm
    以下になるまでのR2/R1が4≦R2/R1であり、0<
    1<150nm/min、0<R2<800nm/mi
    nであり、凹部と凸部の段差が100nm以下になると
    1、R2<150nm/minになることを特徴とする
    基板の研磨方法。
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