JP2002198202A - 多連チップ抵抗器及びその製造方法 - Google Patents

多連チップ抵抗器及びその製造方法

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JP2002198202A
JP2002198202A JP2000395480A JP2000395480A JP2002198202A JP 2002198202 A JP2002198202 A JP 2002198202A JP 2000395480 A JP2000395480 A JP 2000395480A JP 2000395480 A JP2000395480 A JP 2000395480A JP 2002198202 A JP2002198202 A JP 2002198202A
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Shinichi Osada
慎一 長田
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電流にも対応することが可能で、しかも、
材料コストが低く、経済性に優れた多連チップ抵抗器、
及び該多連チップ抵抗器を効率よく製造することが可能
な多連チップ抵抗器の製造方法を提供する。 【解決手段】 一対の電極2,2間に樹脂系抵抗体3を
配設してなる複数個の抵抗素子5を、絶縁性樹脂10に
より接合して機械的に一体化するとともに、絶縁性樹脂
10により互いに電気的に分離することにより、複雑な
構造を必要とすることなく、複数の抵抗素子5を、互い
に電気的に分離された状態で機械的に一体化(多連化)
する。また、電極2が金属体からなり、その主要部が樹
脂系抵抗体3中に埋設されているような構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、抵抗器に関し、
詳しくは、複数の抵抗素子を一体に備えた多連チップ抵
抗器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
多連チップ抵抗器としては、例えば、図12に示すよう
に、平板状の基板(例えば、アルミナ基板)51の表面
に、一対の電極52と、一対の電極52,52間に配設
された被膜抵抗体53と、被覆抵抗体53を被覆する被
覆材54を備えた抵抗素子55を、複数個並べて配設し
た構造を有する板状の多連チップ抵抗器Cがある。
【0003】そして、この多連チップ抵抗器Cは、例え
ば、図13に示すように、複数の多連チップ抵抗器が分
割されることになる平板状の親基板51aの、複数の位
置に、電極52及び被膜抵抗体53を配設し、絶縁ガラ
ス又は樹脂などの被覆材54(図12)(図13では図
示省略)により被覆抵抗体53を覆った後、親基板51
aに設けておいた分割用スリット56において分割し
て、個々の多連チップ抵抗器C(図12)を取り出すこ
とにより製造されている。なお、図13には特に示して
いないが、所定の位置に抵抗値調整用のトリミング溝を
設けた親基板を用いる場合もある。
【0004】上記従来の多連チップ抵抗器において、被
膜抵抗体53は、例えば、酸化ルテニウムを主成分とす
る厚膜抵抗ペーストをスクリーン印刷後、乾燥、焼成す
ることにより形成されている。また、電極52は、例え
ば、Ag又はAg−Pdを主成分とする厚膜抵抗ペース
トをスクリーン印刷した後、乾燥、焼成することにより
形成されている。さらに、親基板51としては、通常、
厚み0.3〜0.4mm程度のものが使用されている。ま
た、個々の多連チップ抵抗器に分割した後に、はんだ付
け性を改善するため、電極52に対して、ニッケルめっ
きを行った後、はんだまたはスズめっきが実施されるの
が一般的である。
【0005】ところで、上述のようにして製造される従
来の多連チップ抵抗器は、通常、定格電力が1/8〜1
/32W程度となっており、1/4〜2W程度の大電力
定格品は実現されていないのが実情である。これは、主
として、大電力定格品を実現しようとすると、自己発熱
抑制のために、2〜3mm厚以上のアルミナ基板を使用し
なければならず、コストの大幅な増大を招き、現実的で
ないことによる。
【0006】また、大電力定格品では、大電流が流れる
ことにより急激な熱ひずみが発生し、従来の多連チップ
抵抗器では、場合により、印刷により形成した被膜抵抗
体53と電極52との接続部に亀裂が発生したり、被膜
抵抗体がアルミナ基板から剥離したりすることがあり、
信頼性が低いという問題点がある。
【0007】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、大電流にも対応することが可能で、しかも、材料
コストが低く、経済性に優れた多連チップ抵抗器、及び
該多連チップ抵抗器を効率よく製造することが可能な多
連チップ抵抗器の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明の多連チップ抵抗器は、複数の抵抗素子を
備えた一体型の多連チップ抵抗器であって、一対の電極
間に樹脂系抵抗体を配設してなる複数の抵抗素子が、絶
縁性樹脂により接合されて機械的に一体化されていると
ともに、前記絶縁性樹脂により互いに電気的に分離され
ていることを特徴としている。
【0009】抵抗体として樹脂系抵抗体を用い、かつ、
絶縁性樹脂を複数の抵抗素子を機械的に接合する接合材
として機能させるとともに、複数の抵抗素子間の絶縁材
としても機能させることにより、抵抗体及び絶縁体が樹
脂系材料から構成され、かつ、構造が簡潔で、製造コス
トが低く、しかも、大電流にも対応することが可能な多
連チップ抵抗器を提供することが可能になる。
【0010】なお、樹脂系抵抗体としては、例えば、炭
素粉末などの導電粒子を、高密度ポリエチレンなどの熱
可塑性樹脂に混合したものなどが例示されるが、本願発
明において用いることが可能な樹脂系抵抗体の種類に特
別の制約はなく、その他の樹脂系抵抗体を用いることも
可能である。また、絶縁性樹脂としては、例えば、炭素
粉末を混合していない高密度ポリエチレンなどを用いる
ことが可能である。本願発明において用いることが可能
な絶縁性樹脂の種類に特別の制約はなく、その他の絶縁
性樹脂を用いることも可能である。また、電極材料とし
ては、銅、ニッケル、スズまたはこれらの合金などを用
いることが可能である。
【0011】また、請求項2の多連チップ抵抗器は、前
記電極が金属体からなり、その主要部が樹脂系抵抗体中
に埋設されていることを特徴としている。
【0012】電極が金属体からなり、その主要部が樹脂
系抵抗体中に埋設された構成とすることにより、大電流
が流れることにより急激な熱ひずみが生じた場合にも、
金属体(電極)と樹脂系抵抗体との熱膨張係数の差を、
3次元的な構造により均等に吸収することが可能にな
り、従来のような多連チップ抵抗器の場合のように、被
膜抵抗体と電極との接続部に亀裂が生じたり、被膜抵抗
体が基板から剥離したりするというような問題が発生す
ることを回避できるようになる。また、比熱の大きい金
属体(電極)の主要部が、樹脂系材料の内部に挿入(埋
設)された構造を有していることから、各抵抗素子の全
体としての自己発熱を抑えて、小型で大電力定格の素子
を実現することが可能になる。
【0013】また、請求項3の多連チップ抵抗器は、前
記抵抗素子のうちの少なくとも1個が、一対の電極間に
正の抵抗温度特性を有する樹脂系PTC材料を配設して
なるPTC素子であることを特徴としている。
【0014】本願発明の多連チップ抵抗器においては、
複数の抵抗素子の少なくとも1個をPTC素子とするこ
とにより、抵抗素子と、その1種であるPTC素子から
なる複合型の多連チップ抵抗器を構成することが可能に
なり、その有用性をさらに向上させることが可能にな
る。なお、複数のPTC素子を、互いに隣接するような
態様で配設すると、1つのPTC素子の発熱が隣接する
PTC素子に伝わり、正常に動作させることができなく
なることがあるため、複数のPTC素子を配設する場合
には、PTC素子どうしが隣接しないように配設するこ
とが望ましい。
【0015】また、本願発明(請求項4)の多連チップ
抵抗器の製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の
多連チップ抵抗器の製造方法であって、樹脂系抵抗体を
軟化させ、電極となる線状内部導体を覆うように成形す
ることにより、樹脂系抵抗体中に2本の線状内部導体が
互いに導通しないように所定の間隔をおいて略平行に埋
設された線状埋設体を形成する工程と、前記線状埋設体
の長手方向と直交する方向の断面において、前記2本の
線状内部導体の中心を結ぶ線が、複数本並べた線状埋設
体において互いに平行で、かつ、複数本の線状埋設体
の、互いに対向する面が、前記線と略平行になるような
姿勢で、互いに接触しないように並べた複数本の線状埋
設体を、軟化させた絶縁性樹脂で覆うように成形するこ
とにより、複数本の線状埋設体が絶縁性樹脂により一体
的に被覆された線状被覆体を形成する工程と、前記線状
被覆体の長手方向と平行で、かつ、前記2本の線状内部
導体の中心を結ぶ線と直交する一対の対向面を研磨(研
削)し、少なくとも線状内部導体の一部を露出させる工
程と、前記工程において研磨された線状被覆体を、長手
方向に所定の間隔をおいて、長手方向と直交する方向に
切断して、個々の多連チップ抵抗器に分割する工程とを
具備することを特徴としている。
【0016】軟化させた樹脂系抵抗体により2本の線状
内部導体を覆うことにより、線状埋設体を形成し、その
長手方向と直交する方向の断面において、2本の線状内
部導体の中心を結ぶ線が、複数本並べた線状埋設体にお
いて互いに平行で、かつ、複数本の線状埋設体の、互い
に対向する面が、上記線と略平行になるような姿勢で、
複数の線状埋設体が絶縁性樹脂中に埋設された線状被覆
体を形成し、この線状被覆体の長手方向と平行で、か
つ、上記線と直交する側の一対の対向面を研磨して、少
なくとも線状内部導体の一部を露出させた後、研磨され
た線状被覆体を、長手方向に所定の間隔をおいて、長手
方向と直交する方向に切断することにより、請求項1〜
3のいずれかに記載の個々の多連チップ抵抗器を効率よ
く製造することができる。
【0017】すなわち、本願発明の多連チップ抵抗器の
製造方法によれば、抵抗体材料及び絶縁体材料として樹
脂系材料を用いるとともに、電極材料として線状内部導
体(線材)を用いているので、樹脂成形方法を適用して
線状埋設体を形成し、これを研磨した後、切断すること
により、本願発明の多連チップ抵抗器を効率よく、低コ
ストで製造することが可能になる。なお、線状内部導体
としては、銅線、ニッケル線、スズ線またはこれらの合
金などからなる線材などを用いることが可能であり、ま
た、酸化防止のために表面に異種金属材料のコート(例
えば、銅線の場合、スズめっき等)を施したものを用い
ることも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0019】[実施形態1]図1は、本願発明の一実施
形態にかかる多連チップ抵抗器を示す斜視図である。こ
の実施形態1の多連チップ抵抗器Aは、4つの抵抗素子
5を備えた多連(4連)チップ抵抗器であり、一対の電
極(外部電極)2,2間に樹脂系抵抗体3を配設してな
る抵抗素子5が、絶縁性樹脂10により機械的に一体に
連結されているとともに、絶縁性樹脂10により互いに
電気的に分離されている。
【0020】また、この多連チップ抵抗器Aの上面側及
び下面側の中央部には、長手方向に、帯状に被覆材4が
配設されており、樹脂系抵抗体3の主要部がこの被覆材
4により被覆されている。
【0021】なお、この実施形態の多連チップ抵抗器A
において、外部電極2は、金属線(銅線)の一部から形
成されており、金属線(金属体)が樹脂系抵抗体3に埋
設された状態となっており、上下両面と側面の3つの面
に露出するように構成されている。
【0022】また、樹脂系抵抗体3としては、炭素粉末
を高密度ポリエチレン樹脂に混合したものが用いられて
おり、絶縁性樹脂10としては、炭素粉末を含有してい
ない高密度ポリエチレン樹脂が用いられている。なお、
樹脂系抵抗体3と絶縁性樹脂10には、高密度ポリエチ
レン樹脂が用いられていることから、両者の親和性が高
く、十分な接合信頼性が得られる。また、被覆材4とし
ては、エポキシ樹脂が用いられている。
【0023】この実施形態の多連チップ抵抗器Aは、上
述のように、電極2,2間に樹脂系抵抗体3を配設して
なる抵抗素子5が、絶縁性樹脂10により互いに電気的
に分離されているとともに、機械的に一体に連結された
三次元的な構造を有し、かつ、電極2は、金属体が樹脂
系抵抗体3に埋設された構造を有しているため、大電流
が流れることにより急激な熱ひずみが生じた場合にも、
金属体(電極2)と樹脂系抵抗体3との熱膨張係数の差
を3次元的な構造により均等に吸収することが可能にな
り、従来の、基板に被膜抵抗体と電極を配設した構造の
多連チップ抵抗器の場合のように、被膜抵抗体と電極と
の接続部に亀裂が生じたり、被膜抵抗体が基板から剥離
したりすることを防止できるようになり、信頼性を向上
させることが可能になる。
【0024】また、比熱の大きい金属体(電極2)が、
樹脂系抵抗体3の内部に大きな体積で挿入(埋設)され
た構造を有していることから、各抵抗素子5の自己発熱
を抑えて、小型で大電力定格の素子を実現することが可
能になる。
【0025】次に、上記の多連チップ抵抗器の製造方法
について説明する。 まず、図2に示すように、押出成形機(ダイスニップ
ル)11に、200℃に加熱して軟化させた、樹脂系抵
抗体(この実施形態では炭素粉末を高密度ポリエチレン
樹脂に混合したもの)3を供給するとともに、リール1
2a,12bから、一対の線状内部導体(この実施形態
では銅線)2a,2aを供給し、一対の銅線2a,2a
が樹脂系抵抗体3によって、確実に被覆されるように均
等に成形する。これにより、図3に示すように、一対の
銅線2a,2aが樹脂系抵抗体3の内部に埋設された線
状埋設体21が形成される。
【0026】次に、図4に示すように、4つのリール
13a,13b,13c,13dから、上述のようにし
て形成された4本の線状埋設体21を押出成形機(この
実施形態ではダイスニップル)14に供給するととも
に、200℃で加熱軟化させた、絶縁性樹脂(炭素粉末
などを混合していない高密度ポリエチレン樹脂)10を
供給し、押出成形することにより、4本の線状埋設体2
1を絶縁性樹脂10により被覆する。このとき、線状埋
設体21の長手方向と直交する方向の断面21a(図
3)において、一対の銅線2a,2aの中心を結ぶ線L
が、各線状埋設体21において互いに平行で、かつ、複
数本の線状埋設体21の、互いに対向する面21b(図
3,図4)が、線Lと略平行で、しかも、各線状埋設体
21が互いに接触しないような状態で、各線状埋設体2
1を絶縁性樹脂10により被覆して、各線状埋設体21
が絶縁性樹脂10により均等に被覆された線状被覆体3
1(図5)を形成する。
【0027】それから、図6に示すように、この線状
被覆体31の上面31a,及び下面31bを、研磨手段
(この実施形態ではグラインダ)15により研磨して、
図7に示すように、上面41a及び下面41bに電極2
(図1)となる銅線2a、及び樹脂系抵抗体3の一部が
露出した線状研磨体41を得る。なお、銅線2aは、断
面形状が略半円形状になる程度にまで研磨(研削)され
ている。
【0028】次に、この線状研磨体41を、図8に示
すように、所定の切断線Xに沿ってダイシングなどの方
法により切断して、それぞれが、4個の抵抗素子5を備
えた個々の多連チップ素子A1(図9)を得る。
【0029】それから、図10に示すように、多連チ
ップ素子A1の上面側及び下面側の中央部に、長手方向
に被覆材(この実施形態ではエポキシ樹脂)4を配設し
て、樹脂系抵抗体3の主要部を被覆した後、電極2の実
装時のはんだ付け性を向上させるために、電極2に、ス
ズ、はんだなどのめっきを施すことにより、図1に示す
ような多連チップ抵抗器Aが得られる。
【0030】上述の製造方法によれば、抵抗体材料及び
絶縁体材料がいずれも樹脂系材料であり、かつ、電極形
成用の材料として、線状内部導体を用いていることか
ら、一般的に用いられる樹脂成形法により、多連チップ
抵抗器Aを効率よく、低コストで製造することが可能に
なる。
【0031】なお、上記実施形態では、樹脂系抵抗体3
として、炭素粉末を高密度ポリエチレン樹脂に混合した
ものを用い、絶縁性樹脂10として、炭素粉末を混合し
てない高密度ポリエチレン樹脂を用いているが、樹脂系
抵抗体3,及び絶縁性樹脂10としては、これらに限ら
れるものではなく、それぞれ、他の種々の材料を用いる
ことが可能である。
【0032】また、上記実施形態では、線状内部導体2
aとして、銅線を用いているが、銅線の他にも、ニッケ
ル線、スズ線またはこれらの合金からなる線材などを用
いることが可能である。
【0033】また、上記実施形態では、実装時のはんだ
付け性を向上させる目的で、電極2に、スズ、はんだな
どのめっきを施すようにしているが、必ずしもめっきを
施さなくてもよい。また、上記実施形態では、被覆材4
として、エポキシ樹脂を用いているが、ポリアミドイミ
ド樹脂などの他の熱硬化性樹脂を使用することも可能で
ある。また、場合によっては被覆材を設けないように構
成することも可能である。
【0034】[実施形態2]図11は、本願発明の他の
実施形態にかかる多連チップ抵抗器Bを示す図である。
なお、図11において、図1と同一符号を付している部
分は、図1の場合と同一又は相当する部分を示してい
る。この実施形態2の多連チップ抵抗器Bは、4個の抵
抗素子5のうち、両端側の2つの抵抗素子5(5a)
が、樹脂系抵抗体3(3a)として、正の抵抗温度特性
を有する樹脂系PTC材料を用いたPTC素子となって
いる。なお、その他の点においては、上記実施形態1の
多連チップ抵抗器Aと同様の構成を有している。
【0035】この実施形態の多連チップ抵抗器Bにおい
ては、PTC素子5(5a)を構成する樹脂系PTC材
料(樹脂系抵抗体)として、炭素粉末などの導電粒子を
高密度ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂に混合させ、X
線、電子線照射等の方法で架橋させたものを使用してい
る。
【0036】なお、上記実施形態では、2つのPTC素
子5(5a)を両端側に配設するようにしているが、こ
れは、複数のPTC素子を、互いに隣接するような態様
で配設すると、1つのPTC素子の発熱が隣接するPT
C素子に伝わり、正常に動作させることができなくなる
ことがあるためである。このように、複数のPTC素子
を配設する場合には、PTC素子どうしが熱的に分離さ
れるように配設することが望ましいが、PTC素子が十
分に熱的に分離して配設される限りにおいて、その具体
的な配設位置に制約はない。
【0037】なお、この実施形態の多連チップ抵抗器B
も、上記実施形態1の多連チップ抵抗器Aと同様の方法
で製造することが可能である。
【0038】なお、本願発明は、上記実施形態に限定さ
れるものではなく、樹脂系抵抗体及び電極の形状、抵抗
素子の配設数、被覆材の有無などに関し、発明の要旨の
範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能
である。
【0039】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
多連チップ抵抗器は、抵抗体として樹脂系抵抗体を用
い、かつ、絶縁性樹脂を複数の抵抗素子を機械的に接合
する接合材として機能させるとともに、複数の抵抗素子
間の絶縁材としても機能させるようにしているので、抵
抗体及び絶縁体が樹脂系材料から構成され、かつ、構造
が簡潔で、製造コストが低く、しかも、大電流にも対応
することが可能な多連チップ抵抗器を提供することが可
能になる。
【0040】また、請求項2の多連チップ抵抗器のよう
に、電極が金属体からなり、その主要部が樹脂系抵抗体
中に埋設された構成とすることにより、大電流が流れる
ことにより急激な熱ひずみが生じた場合にも、金属体
(電極)と樹脂系抵抗体との熱膨張係数の差を、3次元
的な構造により均等に吸収することが可能になり、従来
のような多連チップ抵抗器の場合のように、被膜抵抗体
と電極との接続部に亀裂が生じたり、被膜抵抗体が基板
から剥離したりするというような問題が発生することを
回避できるようになる。また、比熱の大きい金属体(電
極)の主要部が、樹脂系抵抗体の内部に挿入(埋設)さ
れた構造を有していることから、各抵抗素子の全体とし
ての自己発熱を抑えて、小型で大電力定格の素子を実現
することが可能になる。
【0041】また、請求項3の多連チップ抵抗器のよう
に、複数の抵抗素子の少なくとも1個をPTC素子とす
ることにより、抵抗素子と、その1種であるPTC素子
からなる複合型の多連チップ抵抗器を構成することが可
能になり、その有用性をさらに向上させることができ
る。
【0042】また、本願発明(請求項4)の多連チップ
抵抗器の製造方法は、軟化させた樹脂系抵抗体により2
本の線状内部導体を覆うことにより、線状埋設体を形成
し、その長手方向と直交する方向の断面において、2本
の線状内部導体の中心を結ぶ線が、複数本並べた線状埋
設体において互いに平行で、かつ、複数本の線状埋設体
の、互いに対向する面が、上記線と略平行になるような
姿勢で、複数の線状埋設体が絶縁性樹脂中に埋設された
線状被覆体を形成し、この線状被覆体の長手方向と平行
で、かつ、上記線と直交する側の一対の対向面を研磨し
て、少なくとも線状内部導体の一部を露出させた後、研
磨された線状被覆体を、長手方向に所定の間隔をおい
て、長手方向と直交する方向に切断するようにしている
ので、請求項1〜3のいずれかに記載の個々の多連チッ
プ抵抗器を効率よく製造することができる。
【0043】すなわち、本願発明の多連チップ抵抗器の
製造方法によれば、抵抗体材料及び絶縁体材料として樹
脂系材料を用いるとともに、電極材料として線状内部導
体(線材)を用いているので、樹脂成形方法を適用して
線状埋設体を形成し、これを研磨した後、切断すること
により、本願発明の多連チップ抵抗器を効率よく、低コ
ストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態(実施形態1)にかかる
多連チップ抵抗器を示す斜視図である。
【図2】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の製
造工程において、線状埋設体を形成している状態を示す
図である。
【図3】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の製
造工程において形成された線状埋設体の要部を示す斜視
図である。
【図4】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の製
造工程において、線状被覆体を形成している状態を示す
図である。
【図5】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の製
造工程において形成された線状被覆体の要部を示す斜視
図である。
【図6】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の製
造工程において、線状被覆体を研磨している状態を示す
図である。
【図7】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の製
造工程において形成された線状研磨体の要部を示す斜視
図である。
【図8】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の製
造工程において、線状研磨体を切断して個々の多連チッ
プ素子に分割する方法を示す斜視図である。
【図9】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の製
造工程において線状研磨体を切断することにより分割さ
れた多連チップ素子を示す斜視図である。
【図10】本願発明の実施形態1の多連チップ抵抗器の
製造工程において多連チップ素子に被覆材を塗布した状
態を示す斜視図である。
【図11】本願発明の他の実施形態(実施形態2)にか
かる多連チップ抵抗器を示す斜視図である。
【図12】従来の多連チップ抵抗器を示す斜視図であ
る。
【図13】従来の多連チップ抵抗器の製造方法を示す図
である。
【符号の説明】
A,B 多連チップ抵抗器 L 一対の銅線(線状内部導体)の中心
を結ぶ線 X 切断線 A1 多連チップ素子 2 電極(外部電極) 2a 銅線(線状内部導体) 3 樹脂系抵抗体 3a 樹脂系PTC材料(樹脂系抵抗体) 4 被覆材 5 抵抗素子 5a PTC素子(抵抗素子) 10 絶縁性樹脂 11 押出成形機(ダイスニップル) 12a,12b リール 13a,13b,13c,13d リール 14 押出成形機(ダイスニップル) 15 研磨手段 21 線状埋設体 21a 線状埋設体の長手方向と直交する方
向の断面 21b 複数本の線状埋設体の互いに対向す
る面 31 線状被覆体 31a 線状被覆体の上面 31b 線状被覆体の下面 41 線状研磨体 41a 線状研磨体の上面 41b 線状研磨体の下面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の抵抗素子を備えた一体型の多連チッ
    プ抵抗器であって、 一対の電極間に樹脂系抵抗体を配設してなる複数の抵抗
    素子が、絶縁性樹脂により接合されて機械的に一体化さ
    れているとともに、前記絶縁性樹脂により互いに電気的
    に分離されていることを特徴とする多連チップ抵抗器。
  2. 【請求項2】前記電極が金属体からなり、その主要部が
    樹脂系抵抗体中に埋設されていることを特徴とする請求
    項1記載の多連チップ抵抗器。
  3. 【請求項3】前記抵抗素子のうちの少なくとも1個が、
    一対の電極間に正の抵抗温度特性を有する樹脂系PTC
    材料を配設してなるPTC素子であることを特徴とする
    請求項1又は2記載の多連チップ抵抗器。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の多連チッ
    プ抵抗器の製造方法であって、 樹脂系抵抗体を軟化させ、電極となる線状内部導体を覆
    うように成形することにより、樹脂系抵抗体中に2本の
    線状内部導体が互いに導通しないように所定の間隔をお
    いて略平行に埋設された線状埋設体を形成する工程と、 前記線状埋設体の長手方向と直交する方向の断面におい
    て、前記2本の線状内部導体の中心を結ぶ線が、複数本
    並べた線状埋設体において互いに平行で、かつ、複数本
    の線状埋設体の、互いに対向する面が、前記線と略平行
    になるような姿勢で、互いに接触しないように並べた複
    数本の線状埋設体を、軟化させた絶縁性樹脂で覆うよう
    に成形することにより、複数本の線状埋設体が絶縁性樹
    脂により一体的に被覆された線状被覆体を形成する工程
    と、 前記線状被覆体の長手方向と平行で、かつ、前記2本の
    線状内部導体の中心を結ぶ線と直交する一対の対向面を
    研磨(研削)し、少なくとも線状内部導体の一部を露出
    させる工程と、 前記工程において研磨された線状被覆体を、長手方向に
    所定の間隔をおいて、長手方向と直交する方向に切断し
    て、個々の多連チップ抵抗器に分割する工程とを具備す
    ることを特徴とする多連チップ抵抗器の製造方法。
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