JP2002197999A - フラットパネルディスプレイ - Google Patents

フラットパネルディスプレイ

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JP2002197999A
JP2002197999A JP2000392395A JP2000392395A JP2002197999A JP 2002197999 A JP2002197999 A JP 2002197999A JP 2000392395 A JP2000392395 A JP 2000392395A JP 2000392395 A JP2000392395 A JP 2000392395A JP 2002197999 A JP2002197999 A JP 2002197999A
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JP
Japan
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flat panel
panel display
cathode
panel
electrons
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Withdrawn
Application number
JP2000392395A
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English (en)
Inventor
Osao Miyazaki
長生 宮崎
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NDK Inc
Original Assignee
Nihon Denshi Kogyo KK
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Publication date
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色滲みを抑えて表示特性を向上することがで
きる一方、高真空状態とされるパネル基板間を一定の間
隔に保って耐圧性を高めることができるFEDを提供す
る。 【解決手段】 第1のパネル基板10上に形成された多
数の陰極13から対向する第2のパネル基板20面に向
けて電子を放出させるとともに、その第2のパネル基板
20面に形成された各陽極21表面の蛍光体被膜22に
上記電子を衝突させることにより、蛍光体被膜22を選
択的に発光させて表示を行う自発光式のフラットパネル
ディスプレイであって、第1のパネル基板10上には、
縦横の方向に沿って所定の間隔で多数の陰極13を振り
分けるための分割壁14A,14Bおよび隔壁14Cが
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空中に放出され
た電子により蛍光体を発光させて表示を行う、たとえば
電界放出型(FED:Field Emission Display)のフラ
ットパネルディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、フラットパネルディスプレイの代
表とされる液晶ディスプレイは、著しい発展を遂げつつ
ある。しかしながら、液晶ディスプレイは、バックライ
トを必要とすることから消費電力の点で劣り、その他に
も視野角依存(見る角度によってコントラストが低下す
る)、高輝度・高精細化が困難などといった弱点を有す
る。
【0003】そのため、最近では、プラズマ方式などと
ともに自発光式の電界放出型ディスプレイ(以下、略称
して「FED」という)が注目されている。FEDは、
背面側のガラス基板上に半導体層および絶縁層などを介
して多数の陰極を形成し、この陰極群から真空の隙間を
介して対向する前面側のガラス基板面に向けて電子を放
出させ、前面側のガラス基板面に形成された各陽極表面
の蛍光体被膜に電子を衝突させることにより、この蛍光
体被膜を選択的に発光させて表示を行うものである。一
般的なFEDでは、電子の放出効果を高めるために各陰
極が円錐状とされており、この円錐状陰極の尖端は、背
面側のガラス基板上に形成されたゲート層の開口を通じ
て陽極に臨む姿勢とされ、ゲート層と上記陽極との間に
電界を加えることで陰極から放出された電子を陽極まで
加速させている。
【0004】図7は、円錐状の陰極を有するFEDの一
部分を示した分解斜視図であって、この図に示すFED
100では、背面側のガラス基板110上に半導体層1
11、多数の陰極113…、ゲート層114などが順に
形成されている。各陰極113は、ゲート層114の開
口114aに尖端が臨むように形成されている。ゲート
層114は、半導体層111の表面から所定の高さに保
持されている。一方、前面側のガラス基板120の内面
上には、透明電極(陽極)121を挟んでその表面に蛍
光体被膜122が形成されている。カラーディスプレイ
の場合、各透明電極121が赤、緑、青(RGB)のい
ずれか一色に対応し、RGB色の蛍光体被膜122が交
互に配列される。このような構造において両ガラス基板
110,120は、図示しない縦横の両端部にスペーサ
などを挟んで一定の間隔に保持され、これらガラス基板
110,120間が一定の隙間として真空に保たれてい
る。
【0005】原理としては、図7に一点鎖線で示す単位
領域113a内の半導体層111とゲート層114との
間に図示しない電極を通じて電圧を印加する一方、同じ
単位領域113a内の半導体層111と相対する透明電
極121との間にも電圧を印加して電界を発生させる。
すると、単位領域113a内にあってゲート層114の
開口114a付近に位置する陰極113の尖端から電子
が放出される。放出された電子は、電界に沿って選択さ
れた透明電極121に向けて加速する。こうして透明電
極121に達する前に電子が蛍光体被膜122に衝突す
ることで発光現象が生じ、その結果、ドットマトリクス
形式による画像が前面側のガラス基板120の外側より
認識される。
【0006】このようなFED100では、半導体製造
プロセスを経て極めて微細な円錐状の陰極113が形成
されるが、円錐状とした陰極113の尖端部分は、電子
放出による熱によって蒸発したり溶けたりすることがあ
る。そのため、円錐状とは異なる陰極を備えたFEDも
開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記FED
100の画像表示方式としては、単位領域113aごと
に各々独立して発光させる点順次方式、あるいは単位領
域113aを列ごとに発光させる線順次方式などがあ
る。ここで、線順次方式について考えると、列ごとに順
次発光させるタイミングによっては、隣り合う単位領域
113a,113aのいずれか一方から放出された電子
が他方に干渉することがあり、発光しないはずの単位領
域113aに対応した透明電極121の一部分に電子が
向かうといった現象が生じる。こうした場合、単位領域
113aごとに発光する状態をドットマトリクス形式の
表示画像として捉える人間にとっては、隣り合う領域1
13a間で色滲みが生じたように観察され、表示特性と
して鮮明さ(シャープネス)が失われるという問題があ
った。このような問題は、線順次方式に限らず、各単位
領域113aを発光させるタイミングによって点順次方
式でも生じ得るものである。
【0008】一方、上記色滲みの問題とは別にFED1
00においては、陰極113の尖端から電子を電界放出
させるために、両ガラス基板110,120間の隙間を
高真空状態に保たなければならないという問題がある。
つまり、両ガラス基板110,120の隙間を高真空状
態に保たなければならない反面、パネルサイズなどによ
っては両ガラス基板110,120にかかる負圧によっ
て表示面が大きく湾曲変形してしまう。そのため、FE
D100では、ガラス基板110,120のサイズや真
空圧に応じて一定の強度が必要とされ、所望の強度が得
られない場合、両ガラス基板110,120間の隙間が
潰れて不良品となる問題があった。
【0009】上記した各問題は、陰極113を円錐状と
したFED100に限らず、薄膜状としたFEDでも同
様に問題視されており、この種のフラットパネルディス
プレイにおける共通の改良点として従来より要請されて
いた。
【0010】そこで、本発明は、上記した事情のもとで
考え出されたものであって、色滲みを抑えて表示特性を
向上することができる一方、高真空状態とされるパネル
基板間を一定の間隔に保って耐圧性を高めることができ
るフラットパネルディスプレイを提供することをその課
題とする。
【0011】
【発明の開示】上記課題を解決するため、本発明では、
次の技術的手段を講じている。
【0012】すなわち、本発明により提供されるフラッ
トパネルディスプレイは、第1のパネル基板上に形成さ
れた多数の陰極から対向する第2のパネル基板面に向け
て電子を放出させるとともに、その第2のパネル基板面
に形成された各陽極表面の蛍光体に上記電子を衝突させ
ることにより、上記蛍光体を選択的に発光させて表示を
行う自発光式のフラットパネルディスプレイであって、
上記第1のパネル基板上には、縦横の少なくともいずれ
か一方向に沿って所定の間隔で上記陰極群を振り分ける
ための分割壁が形成されていることを特徴としている。
【0013】上記技術的手段が講じられた本発明に係る
フラットパネルディスプレイとしては、いわゆるFED
が一例として挙げられる。また、この種のフラットパネ
ルディスプレイの共通的特徴としては、上記第1および
第2のパネル基板間の隙間は、真空に保たれている点が
挙げられる。さらに、本発明に好適なフラットパネルデ
ィスプレイとしては、上記陰極は、半導体製造プロセス
によりバルク状または薄膜状として形成されたダイヤモ
ンドとすることができる。このような構成によれば、半
導体製造プロセスにより極めて微細なバルク状または薄
膜状としたダイヤモンドの陰極が形成され、第1および
第2のパネル基板間が真空状態とされることと相まっ
て、陰極からの電子の放出効果を高めることができる。
【0014】また、上記分割壁には、上記第1および第
2のパネル基板間の電界を制御するための制御電極が形
成されている構成とすることができる。このような構成
によれば、制御電極を通じて両パネル基板間に電界を発
生させ、陰極から電子を放出させることができる。しか
も、制御電極を通じて発生させる電界を電気的に制御す
ることにより、陰極での電子放出状態を変化させて発光
輝度を調整することができる。さらに、上記分割壁は、
上記第2のパネル基板面における上記陽極と交差するよ
うに形成されている構成とすることができる。このよう
な構成によれば、互いに交差する領域内の陰極から陽極
に向けて電子を放出することができる。このとき、その
領域内にて放出された電子は、分割壁があるために陽極
に沿って隣りに位置する領域へと溢れることなく、確実
に交差した領域ごとに発光状態とすることができる。
【0015】つまり、上記技術的手段が講じられた本発
明に係るフラットパネルディスプレイによれば、たとえ
ば第1のパネル基板上において縦横の両方向に沿って一
定の間隔で分割壁が形成される場合、これらの分割壁に
よりグリッド状に囲まれた多数の単位領域が点在し、各
単位領域における陰極から電界放出効果により電子が飛
び出して陽極側へと加速する。この際、単位領域ごとに
放出される電子は、隣り合う単位領域と分割壁を挟んで
互いに干渉し合うことなく放出され、隣り合う単位領域
の一方に生じる電界が他方に影響することなく分割壁で
遮蔽されるといった効果を生む。要するに、各単位領域
から放出された電子は、他の単位領域へと溢れることな
く、適宜選択された単位領域内の陽極へと向けて導かれ
るのである。したがって、単位領域ごとに放出された電
子は、その放出エネルギーを与えた電界に沿って陽極表
面へと導かれる一方、陽極表面では、放出電子の衝突に
応じて蛍光体が発光するので、第2のパネル基板の外側
から観察した場合、単位領域ごとに発光する状態が明確
に捉えられ、隣り合う単位領域間で色滲みのないシャー
プなドットマトリクス形式の画像が表示されることとな
り、表示特性を向上することができる。
【0016】なお、各単位領域を放出電子により発光さ
せる方式としては、単位領域ごとに各々独立して発光さ
せる点順次方式、あるいは単位領域を列ごとに発光させ
る線順次方式などがあるが、本発明による効果は、いず
れの方式でも達成できるものである。
【0017】本発明に係るフラットパネルディスプレイ
の好ましい実施の形態としては、上記分割壁の一部また
は全部は、上記第1および第2のパネル基板間を一定の
隙間に保持する高さに形成されている構成とすることが
できる。さらに具体的に言えば、上記第1のパネル基板
上には、上記分割壁を所定数ずつ含む一定区間ごとに位
置し、かつ、上記第1および第2のパネル基板間を一定
の隙間に保持する高さの隔壁が形成されている構成とす
ることができる。
【0018】このような構成によれば、たとえば分割壁
を所定数ずつ含む一定区間ごとに隔壁が形成されている
場合、そのような隔壁群によって第1および第2のパネ
ル基板が互いに支え合う枠組み構造とされるので、両パ
ネル基板間の隙間を高真空状態としても、各所に位置す
る隔壁によって隙間の間隔を一定に保つことができ、パ
ネル基板全体の耐圧性を高めることができる。
【0019】また、他の好ましい実施の形態としては、
上記隔壁は、上記陽極の1画素分を仕切るように設けら
れている構成とすることができる。
【0020】このような構成によれば、隔壁によって仕
切られた1画素分ごとに確実に別にして蛍光体を発光さ
せることができるので、第2のパネル基板の外側から
は、隣り合う画素間において色滲みのない引き締まった
シャープな画像を見ることができるとともに、画素ごと
に細かく仕切る隔壁によってパネル基板全体の耐圧性を
さらに高めることができる。
【0021】さらに、他の好ましい実施の形態として
は、上記分割壁は、上記陰極の先端より高く、かつ、上
記隔壁の上端より低い高さに形成されている構成とする
ことができる。
【0022】このような構成によれば、カラーディスプ
レイとして最も好ましい表示特性が得られる。つまり、
隣り合う1画素1画素ごとに隔壁で仕切るとともに、1
画素内において分割壁で囲まれた単位領域ごとにRGB
3色の蛍光体を発光させることができ、その結果、隣り
合う画素間や各画素内における色滲みが抑えられ、引き
締まったシャープなカラー画像を表示することができ
る。
【0023】本発明のその他の特徴および利点について
は、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明ら
かになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0025】図1は、本発明に係るフラットパネルディ
スプレイの一実施形態として、その一部を分解して示し
た斜視図、図2は、図1のII−II線に沿う断面を示
した断面図、図3は、図1のIII−III線に沿う断
面を示した断面図である。なお、図2および図3におい
ては、一体化した状態を示し、各図に示す寸法などは、
本発明の特徴をより明りょうとするために強調してい
る。
【0026】図1ないし図3に示すディスプレイAは、
第1のパネル基板10、走査電極11、半導体層12、
多数の陰極13…、絶縁層14、制御電極15A〜15
C、第2のパネル基板20、陽極としての透明電極2
1、および蛍光体被膜22などを具備して構成されてい
る。特に、絶縁層14の表面には、分割壁14A,14
Bと隔壁14Cとが一体的に形成され、これらにより平
面視矩形状で断面凹状とした凹部Sが格子構造をなすよ
うに形成されている。
【0027】このディスプレイAは、いわゆる電界放出
型のFEDに属するものであって、基本的に第1のパネ
ル基板10上に形成された各陰極13から、第2のパネ
ル基板20面に向けて電界により電子を放出させるとと
もに、その第2のパネル基板20面において各透明電極
21の表面に形成された蛍光体被膜22に電子を衝突さ
せることにより、蛍光体被膜22を選択的に発光させて
表示を行うものである。また、ディスプレイAは、ドッ
トマトリクス形式によりカラー画像を表示することがで
きる。特に図1および図2を参照して説明すると、分割
壁14A,14Bのみで囲まれた凹部Sの領域、あるい
は分割壁14A,14Bと隔壁14Cとで囲まれた凹部
Sの領域は、赤、緑、青(RGB)の各色に対応したグ
リッド状の単位領域とされ、このRGB3色を1組とし
て1画素が形成される。以下、「単位領域」には、符号
Sを付す。また、便宜上、図1のII−II線に沿う方
向を横方向、同図のIII−III線に沿う方向を縦方
向と言う。
【0028】第1および第2のパネル基板10,20
は、たとえば透明なガラス基板であって、第2のパネル
基板20が表示前面側に配置される。そのため、少なく
とも第2のパネル基板20は、内部の発光現象を外部か
ら見るために透明であることが必要とされるが、第1の
パネル基板10は、必ずしも透明であるものに限定され
ない。また、第1および第2のパネル基板10,20
は、互いに一定の隙間をもって貼り合わされるが、これ
らの基板10,20間の隙間は、導体中の電子を電界放
出させるために高真空状態に保たれる。隙間の厚みは、
たとえば0.5〜2.0mm程度である。
【0029】上記第1のパネル基板10上には、半導体
製造プロセスを経て、走査電極11、半導体層12、多
数の陰極13…、絶縁層14、制御電極15A〜15C
がその順に形成されている。走査電極11は、陽極とし
ての透明電極21と交差する横方向に沿って形成され、
横方向に沿う単位領域Sの各列とは一致するものとされ
る。このような走査電極11は、陰極13に対する電子
の供給源(ソース)として用いられる。半導体層12
は、走査電極11の上から第1のパネル基板10の表面
全体を覆うように形成され、走査電極11と陰極13と
の間でショットキーダイオード、あるいはPN接合ダイ
オードとしての構造をなすものである。このような半導
体層12は、必ずしも単層である必要はなく、複数の層
からなる場合もある。
【0030】陰極13は、たとえば半導体としての性質
を持つダイヤモンドを母材としたものである。この陰極
13は、半導体層12の表面にCVD法などで極めて微
小なバルク状のダイヤモンドを多数形成し、これらをプ
ラズマなどで削って円錐状に尖った尖端を有するように
形成したものである。尖端の太さは、たとえば最も細い
もので25ナノメートル程度とされる。また、陰極13
は、各単位領域Sの区画内に複数個が存在するように分
布形成されている。ここで、母材となるダイヤモンドに
ついては、負性電子親和力という特異な性質を持つこと
が確認されている。一般的な半導体では、価電子帯から
伝導帯へと励起された電子が真空準位までのエネルギー
障壁のために真空に放出されることはない。ところが、
ダイヤモンドのように負性電子親和力を持つ半導体で
は、エネルギー準位について見ると、伝導帯が真空準位
よりも高いエネルギー準位にあるため、そのような状況
下において伝導帯へと励起された電子が容易に真空へと
放出される。このような陰極13は、その尖端から透明
電極21に向けて電子を放出するドレイン(エミッタ)
として用いられる。
【0031】絶縁層14は、陰極13の上から半導体層
12の表面全体を覆うように形成され、各陰極13と制
御電極15A〜15Cとを絶縁するように形成されたも
のである。この絶縁層14の表面に突き出た分割壁14
A,14Bは、縦横の方向に沿って単位領域Sごとに複
数の陰極13…を振り分けるように格子畦状に形成され
ている。一方、隔壁14Cは、縦方向に2本の分割壁1
4A,14Aで仕切られた3列分の単位領域S…と、横
方向に隣り合う図示しない他の3列分の単位領域とを区
切るように、縦方向に沿って直線的な畦状に形成された
ものである。このような隔壁14Cにより区切られた3
列分の単位領域S…は、各列がRGB3色のうちの1つ
の色に対応する。すなわち、縦3列で横1列に並ぶ単位
領域Sの3個を一組として1つの画素が構成され、1つ
の単位領域SがRGB3色のうちのいずれか1色の最小
表示単位となる。
【0032】厚み方向について見ると、隔壁14Cは、
第1および第2のパネル基板10,20間を一定の隙間
間隔に保つ高さとされる。つまり、両パネル基板10,
20が貼り合わされた状態では、隔壁14Cの上端が第
2のパネル基板20の内面に接した状態とされ、これら
の基板10,20が隔壁14Cを挟んで隙間を有するも
互いに一体として変形に強い構造とされる。このような
隔壁14Cに対して分割壁14A,14Bは、陰極13
の尖端よりは高いが、隔壁14Cの上端よりも低い高さ
とされる。また、分割壁14A,14Bと隔壁14Cと
によって囲まれた単位領域S、すなわち絶縁層14の凹
部においては、各陰極13の尖端が露出するかしない程
度とされる。
【0033】制御電極15A〜15Cは、分割壁14
A,14Bの最上部に形成されている。各制御電極15
A〜15Cは、走査電極11と交差して縦方向に沿う単
位領域Sの各列と対応するように形成され、第1および
第2のパネル基板10,20間の電界を制御するために
用いられる。具体的に言うと、制御電極15A〜15C
は、陰極13と透明電極21との間の電界を制御するゲ
ートとして用いられ、ゲート電圧に応じて電界の方向や
強さを変化させることにより、陰極13から放出される
電子の方向や量が変化し、その結果として単位領域Sご
とに発光輝度や画質が調整されることとなる。すなわ
ち、陰極13からの電子の放出を抑制する方向に電界を
発生させた場合、電子が隣接する単位領域Sに飛散する
のを防止できる。逆に、陰極13からの電子の放出を増
加させる方向に電界を発生させた場合、発光輝度が大き
くなる。
【0034】さらに、第2のパネル基板20側における
透明電極21および蛍光体被膜22は、従来と同様のも
のであるが、簡単に説明すると、各透明電極21は、縦
方向に沿う単位領域Sの各列に対応してストライプ状に
形成されたものである。各透明電極21の表面には、R
GBいずれかの色を発光する蛍光体被膜22が形成され
ており、RGB各色の蛍光体被膜22が交互に配列され
た状態にある。すなわち、隔壁14Cによって仕切られ
た3列分の単位領域S…に対しては、RGBいずれかの
発光色を示す蛍光体被膜22がそれぞれ割り当てられる
こととなる。
【0035】以上の構成からなるディスプレイAは、図
1〜図3に示す部分を縦横に同様の構成をもって繰り返
し有するものとされる。したがって、ディスプレイAの
前面側から全体を見ると、3個の単位領域S…からなる
画素が縦横に多数並んでマトリクス状に整列したように
見える。そして、画像を表示する際には、以下に詳述す
る線順次方式などで各電極11,13,15A〜15
C,21を制御することにより、蛍光体被膜22を選択
的に発光させてカラー画像を表示するのである。
【0036】次に、本発明に係るディスプレイAの発光
動作時の作用について、図面に基づいて説明する。
【0037】まず、線順次方式により各単位領域Sを発
光させる場合には、発光状態とすべき単位領域Sが横方
向に沿う列ごとに一括して選択される。具体的に言う
と、横方向の1列に属する単位領域Sについては、瞬間
的な時間間隔内で同時に発光状態とすべく、その列に応
じた1つの走査電極11が通電状態とされる。この時、
通電状態の走査電極11に一致して横方向に列をなす単
位領域S内の陰極13にドレイン電圧が供給される。
【0038】それと同時に、縦方向に沿う制御電極15
A〜15Cおよび透明電極21については、発光状態と
すべき単位領域Sに対応する電極のみが選択的に通電状
態とされる。すると、横方向に列をなす単位領域Sのう
ち、通電状態の透明電極21と走査電極11とが交差す
る位置の単位領域Sに限って陰極13と透明電極21と
の間に電界が生じ、この電界の作用を受ける単位領域S
内の陰極13から第1および第2のパネル基板10,2
0間の真空状態とした隙間に電子が放出される。
【0039】こうして陰極13から隙間に放出された電
子は、その直上に位置して通電状態とされた透明電極2
1に向けて加速しつつ、最終的には透明電極21の表面
に達する。このとき、透明電極21の表面に形成された
蛍光体被膜22に電子が衝突する結果、その蛍光体被膜
22が発光することとなる。このような発光現象が横方
向に沿う列ごとに順を追って瞬間的に見られることで、
第2のパネル基板20の外側からは、ドットマトリクス
形式のカラー画像が全体に表示された状態として認識さ
れる。
【0040】ここで、本実施形態において注目すべき点
は、陰極13から放出された電子は、直上に位置する透
明電極21の所要部分へと確実に達することである。つ
まり、線順次方式により各単位領域Sを発光させる場合
には、横方向に沿う1列内において所定数の単位領域S
が瞬間的に発光状態とされるが、このとき、縦方向に沿
う透明電極21が通電状態とされることから、ある単位
領域S内の陰極13から放出された電子が縦方向に隣り
合う単位領域Sへと導かれ、隣りの単位領域Sに属する
透明電極21の不要部分へと引きつけられるおそれがあ
る。そうすると、一つの単位領域S内にて蛍光体被膜2
2を発光させるべく陰極13から放出された電子は、隣
りの単位領域Sに属する蛍光体被膜22までも発光させ
ることとなり、表示された画像をみると色が滲んだよう
に見えてしまう。
【0041】その点、本実施形態に係るディスプレイA
では、各単位領域Sを分割壁14A,14Bおよび隔壁
14Cにより囲んだ形状としているので、これら分割壁
14A,14Bおよび隔壁14Cが障壁となり、隣り合
う単位領域Sへと電子が導かれることなく、発光状態と
すべき単位領域Sに限って発光させることができる。特
に、上記した線順次方式により横方向に沿う列ごとに各
単位領域Sを発光させる場合には、透明電極21と交差
する横方向に沿って形成された分割壁14Bが障壁とし
ての役割を効果的に果たす。つまり、縦方向に隣り合う
一方の単位領域Sから他方の単位領域Sへと向かう電子
は、分割壁14Bによりその動きが妨げられ、直上の透
明電極21へと向かうように分割壁14Bにより導かれ
るのである。
【0042】一方、単位領域Sの3個を一組とした各画
素については、隔壁14Cにより完全に仕切られること
で横方向に隣り合う画素からの電子が進入してくること
はなく、画素ごとにRGB3色の発光現象を明確に区別
して見ることができる。また、各画素内において、横方
向に隣り合う一方の単位領域Sから他方の単位領域Sへ
と向かう電子は、縦方向に沿う分割壁14Aによりその
動きが妨げられ、直上の透明電極21へと向かうように
分割壁14Aにより導かれることとなる。
【0043】したがって、上記ディスプレイAによれ
ば、単位領域Sごとに放出された電子のうち、直上から
外れた方向に飛散した電子は、分割壁14A,14Bお
よび隔壁14Cを障壁として直上に位置する透明電極2
1へと導かれる一方、透明電極21の表面では、放出電
子の衝突に応じて蛍光体被膜22が発光するので、第2
のパネル基板20の外側から見た場合、単位領域Sごと
に発光する状態が明確に捉えられ、隣り合う単位領域
S,S間で色滲みのないシャープなドットマトリクス形
式の画像が表示されることとなり、表示特性を向上する
ことができる。
【0044】また、上記ディスプレイAによれば、一定
の間隔で列をなす隔壁14Cを挟んで第1および第2の
パネル基板10,20が互いに挟み合わされた構造とさ
れるので、両パネル基板10,20間の隙間を高真空状
態としても、隔壁14Cにより隙間の間隔を一定に保つ
ことができる一方、隔壁14Cが外気圧に対する保護壁
としても作用することから、パネル基板10,20全体
の耐圧性を高めることができる。このことは、パネルサ
イズの大型化を容易とするとともに、ディスプレイA全
体の剛性を高めることにもつながる。
【0045】なお、本発明は、上記の実施形態に限定さ
れるものではない。
【0046】たとえば、分割壁は、図4に示すように透
明電極21と交差する方向に沿う符号14Bのみでも良
く、あるいは図5に示すようにさらに細かく区切るよう
に分割壁14Bを形成したものでも良い。また、特に図
示しないが、図5に示す分割壁14Bと同様の間隔でそ
れに直交する分割壁を形成し、さらに細かいグリッド状
の単位領域を形成したものでも良い。さらには、ドット
マトリクスによる表示特性を損なわない限りにおいて
は、分割壁の全てを全長にわたって隔壁と同じ高さとし
たものや、分割壁のそれぞれに隔壁と同じ高さ部分を設
けて凹凸状の分割壁としたものであっても良い。なお、
図4および図5には、制御電極を特に図示しないが、図
1と同様に走査電極11と交差する方向に沿って分割壁
14Bの最上部をまたぐように制御電極を形成しても良
い。
【0047】また、本実施形態では、円錐形の陰極13
を備えたFEDについて説明したが、陰極13は、円柱
形など他の形状であっても良く、あるいは平面状の薄膜
であっても良い。また、陰極13の母材としては、ダイ
ヤモンドに限らず、その他の半導体や金属であっても良
い。
【0048】さらに、第1のパネル基板10側の全体構
成としては、ガラス基板に代わってセラミックなどの基
板表面に半導体層や陰極、さらには分割壁や隔壁を形成
する一方、その基板裏面に走査電極を形成し、単位領域
ごとに走査電極と陰極とをスルーホールで導通接続した
構成のものであっても良い。また、分割壁や隔壁を一体
に形成した基板の表面に走査電極を形成し、その上に陰
極を形成しても良い。
【0049】さらには、他の例として図6に示すよう
に、分割壁14A,14Bおよび隔壁14Cを断面台形
状としても良い。
【0050】各単位領域Sには、複数の陰極13がなく
ても、少なくとも1つの陰極13が存在すれば良い。
【0051】上記実施形態においては、線順次方式によ
り各単位領域Sを発光させるとしたが、点順次方式によ
り各単位領域Sを発光させるとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフラットパネルディスプレイの一
実施形態として、その一部を分解して示した斜視図であ
る。
【図2】図1のII−II線に沿う断面を示した断面図
である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面を示した断
面図である。
【図4】他の実施形態に係るディスプレイを示した斜視
図である。
【図5】他の実施形態に係るディスプレイを示した斜視
図である。
【図6】他の実施形態に係るディスプレイを示した斜視
図である。
【図7】従来の一例として円錐状の陰極を有するFED
の一部分を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
10 第1のパネル基板 11 走査電極 12 半導体層 13 陰極 14 絶縁層 14A,14B 分割壁 14C 隔壁 15A〜15C 制御電極 20 第2のパネル基板 21 透明電極(陽極) 22 蛍光体被膜 A ディスプレイ S 単位領域

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のパネル基板上に形成された多数の
    陰極から対向する第2のパネル基板面に向けて電子を放
    出させるとともに、その第2のパネル基板面に形成され
    た各陽極表面の蛍光体に上記電子を衝突させることによ
    り、上記蛍光体を選択的に発光させて表示を行う自発光
    式のフラットパネルディスプレイであって、 上記第1のパネル基板上には、縦横の少なくともいずれ
    か一方向に沿って所定の間隔で上記陰極群を振り分ける
    ための分割壁が形成されていることを特徴とする、フラ
    ットパネルディスプレイ。
  2. 【請求項2】 上記分割壁には、上記第1および第2の
    パネル基板間の電界を制御するための制御電極が形成さ
    れている、請求項1に記載のフラットパネルディスプレ
    イ。
  3. 【請求項3】 上記分割壁は、上記第2のパネル基板面
    における上記陽極と交差するように形成されている、請
    求項1または請求項2に記載のフラットパネルディスプ
    レイ。
  4. 【請求項4】 上記分割壁の一部または全部は、上記第
    1および第2のパネル基板間を一定の隙間に保持する高
    さに形成されている、請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載のフラットパネルディスプレイ。
  5. 【請求項5】 上記第1のパネル基板上には、上記分割
    壁を所定数ずつ含む一定区間ごとに位置し、かつ、上記
    第1および第2のパネル基板間を一定の隙間に保持する
    高さの隔壁が形成されている、請求項1ないし請求項4
    のいずれかに記載のフラットパネルディスプレイ。
  6. 【請求項6】 上記隔壁は、上記陽極の1画素分を仕切
    るように設けられている、請求項5に記載のフラットパ
    ネルディスプレイ。
  7. 【請求項7】 上記分割壁は、上記陰極の先端より高
    く、かつ、上記隔壁の上端より低い高さに形成されてい
    る、請求項5または請求項6に記載のフラットパネルデ
    ィスプレイ。
  8. 【請求項8】 上記第1および第2のパネル基板間の隙
    間は、真空に保たれている、請求項1ないし請求項7の
    いずれかに記載のフラットパネルディスプレイ。
  9. 【請求項9】 上記陰極は、半導体製造プロセスにより
    バルク状または薄膜状として形成されたダイヤモンドで
    ある、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のフラ
    ットパネルディスプレイ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020029057A (ko) * 2002-04-03 2002-04-17 김재현 발광다이오드를 이용한 광고판
JP2006294318A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Sony Corp 平面型表示装置
US11024487B2 (en) 2019-06-28 2021-06-01 Kabushiki Kaisha Toshiba Current switch device including first and second electrodes and first and second grids

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