JP2002196230A - 結像シミュレーション法及びそれを用いた結像シミュレーション装置及び記憶媒体 - Google Patents

結像シミュレーション法及びそれを用いた結像シミュレーション装置及び記憶媒体

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JP2002196230A JP2000396780A JP2000396780A JP2002196230A JP 2002196230 A JP2002196230 A JP 2002196230A JP 2000396780 A JP2000396780 A JP 2000396780A JP 2000396780 A JP2000396780 A JP 2000396780A JP 2002196230 A JP2002196230 A JP 2002196230A
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林  真市
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明光のNAが大きい場合、物体が2.5次
元形状から外れる場合、物体の内部に焦点を合わせた場
合でも、正確な結像シミュレーションができる方法及び
その方法を用いた装置。 【解決手段】 観察物体を含む3次元空間に入射する照
明光の電場分布を計算する第1のステップと、照明光と
観察物体の相互作用により発生する散乱光の3次元空間
における電場分布を計算する第2のステップと、散乱光
の結像光学系による結像を、結像光学系の特性グリーン
関数群を用い、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を用い
て計算する第3のステップとを備える結像シミュレーシ
ョン法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結像シミュレーシ
ョン法及びそれを用いた結像シミュレーション装置及び
記憶媒体に関し、特に、観察物体の結像光学系による結
像をシミュレーションする方法、及び、その方法を用い
たシミュレーション装置、及び、その方法を計算機に実
行させる結像シミュレーションプログラムの記録された
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡やステッパー等、照明光を含めた
結像計算法としては、例えば、M. Born and E. Wolf,"P
rinciples of Optics,Sixth Edition", Pergamon Press
(1980),Chapter Xや、伊藤徳久,「ステッパーの光学
(1)〜(4)」,光技術コンタクト,Vol.27(1989),p
p.762-771 ,同Vol.28(1990),pp.59-67,108-119,165-17
5に示されているように、いわゆるフーリエ光学に基づ
く結像理論による方法が公知である。例えば、顕微鏡や
ステッパーで最もよく用いられるケーラー照明の例をあ
げれば、図12に示すように、結像系全体が、有効光源
を含む照明光学系、物体、結像光学系、及び、像面から
なる。そして、有効光源は、照明光学系の瞳位置上又は
その共役な位置に位置し、照明光学系の瞳位置は結像光
学系の瞳位置と共役であり、物体位置と像面も共役であ
る。フーリエ光学に基づく結像計算では、有効光源の強
度分布S、物体の透過関数a、結像光学系の瞳関数Pを
空間的に2次元のスカラー関数として表せると仮定し、
以下の式に基づいて像面上の像強度分布Iを算出する。
【0003】 I(ν)=∬ FS(u1 −u2 )a(u1 )a* (u2 ) × FP(ν−u1 F* (ν−u2 )du1 du2 ・・・(1) ここで、u1 及びu2 は物体面上の位置座標を、νは像
面上の位置座標を、 FS及び FPはそれぞれS及びPの
フーリエ変換を表す。
【0004】このように、フーリエ光学に基づく結像計
算では、求める像強度分布が光学系の構成要素で定まる
スカラー関数のフーリエ変換と物体の透過関数とを用い
た簡単な積分を通して求められる。さらに、この理論
は、結像の空間周波数特性を論じるにも便利であるた
め、顕微鏡やステッパーの結像理論として広く用いられ
ている。
【0005】しかし、このフーリエ光学に基づく結像計
算法では、物体を空間的に2次元のスカラー関数として
表しているために、厚さの無視できない3次元構造を持
つ物体の結像を正しく表わすことはできない。すなわ
ち、厚さのある物体においては、光線の通る位置だけで
なく、光線の傾きによっても透過率が異なってくるから
である。
【0006】そこで、例えばG. L. Wojcik, et.al.,"Nu
merical Simmulation of Thick Line Width Measuremen
ts by Relected Light",Proceeding SPIE,Vol.1464(199
1),pp.187-203 やG. Wojcik, et.al.,"Some Image mode
ling Issues for I-line,5xphase shifting masks",Pro
ceeding SPIE,Vol.2197,pp.455-465 に記載されている
ように、物体の周辺だけは、3次元空間における電場計
算をし、その他の部分は、従来のフーリエ光学を用いて
顕微鏡やステッパーの結像計算をする方法が試みられて
いる。
【0007】物体周辺の3次元空間における電場分布の
計算には、有限要素法やFDTD法(Finite Differenc
e Time Domain method,時間領域差分法)(例えば、K.
Kunz and R. J. Luebbers,"The Finite Difference Ti
me Domain Method for Electromagnetics",CRC Press(1
993))が一般的に用いられている。FDTD法の例を図
9に示した。これらの方法は、空間を細かいセルに分割
し、各セル毎に電磁場の要素を変数として与え、入射電
磁場に対してMaxwellの方程式を満足するような
解を数値的に求める方法である。したがって、これらの
方法で得られる解は、入射電磁場に対する散乱電磁場、
又は、それらの合計である全電磁場の3次元空間におけ
る3次元ベクトル分布である。
【0008】この際、物体周辺の3次元空間への入射電
磁場は、例えば、M. Born and E. Wolf,"Principles of
Optics,Sixth Edition",Pergamon Press(1980),Chapte
r VIIIに示されているように、照明光学系の瞳位置上で
の有効光源の強度分布Sをハイゲンス−フレネル回折積
分することにより、求めることができることは公知であ
る。照明のNA(Numerical Aperture,開口数)が大き
い場合には、B. Richards and E. Wolf,"Electromagnet
ic diffraction in optical systems II. Structure of
the image field in an aplanatic system",Pro. Roy.
Soc. A, Vol.253,pp.358-379 に示されているような、
ベクトル回折計算を用いる必要があることも公知であ
る。入射電磁場と物体の形状が定まれば、入射電磁場が
物体より散乱されて生じた散乱電磁場、又は、入射電磁
場と散乱電磁場の合計である全電磁場を、計算で求める
ことができる。
【0009】一方、得られた物体周辺の3次元空間にお
ける電磁場の3次元ベクトル分布から結像光学系による
結像を求める過程において、従来はフーリエ光学をその
まま適用する方法が一般的にとられていた。その際、上
述の通り、基本的にフーリエ光学では、空間的に2次元
のスカラー関数しか取り扱うことができないので、電磁
場の3次元ベクトル量をスカラーに変換する必要が生じ
る。そこで、従来は、物体及び入射電磁場に2.5次元
モデルを採用していた。
【0010】2.5次元モデルとは、図13に示すよう
に、物体及び電磁場は3次元空間(x,y,z)を占め
るが、そのどちらも1次元方向(y)に並進対称性があ
るモデルである。2.5次元モデルでは、全電磁場が電
場成分がy方向に平行であるTEモード(図13
(a))と、磁場成分がy方向に平行なTMモード(図
13(b))に独立に分離する。それぞれのモードの電
磁場は偏光方向がそろっているので、スカラー量で表す
ことができる。したがって、それをフーリエ光学に適用
することが可能となる。具体的には、TMモード及びT
Eモードについて、結像光学系の焦点面上の電場分布を
求め、それに結像光学系のPSFを畳み込み積分する
か、又は、その電場分布のフーリエ変換をとり、結像光
学系の瞳関数を掛算して、逆フーリエ変換すればよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のこの
方法には、以下に述べる欠点が存在する。
【0012】すなわち、照明光のNAが大きくなると、
2.5次元モデルでは、精度の良い電磁場計算ができな
くなる。それは、照明光が円錐状に物体に入射するた
め、x−z面に対して大きく傾いた光線が多数存在し、
電磁場全体をTEモードとTMモードだけで近似するこ
とが不適当になるからである。また、2.5次元形状か
ら外れる物体の結像についても、計算不可能である。
【0013】加えて、この方法では、結像光学系の焦点
を物体の内部に合わせたときの結像を計算することが不
可能である。物体内部に実在する電場と、物体内部を外
から観察した見かけの電場は異なるからである。同様
に、例えば、物体に空いている狭くて深い穴の底に焦点
を合わせたときの結像も、焦点位置より手前の穴の壁面
による電磁場への影響を無視することができず、正しく
計算することができない。
【0014】本発明は従来技術のこのような問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、照明光のNAが大
きい場合、物体が2.5次元形状から外れる場合、ある
いは、物体の内部に焦点を合わせた場合でも、正確な結
像計算(シミュレーション)ができる方法、及び、その
方法を用いた装置、及び、その方法を計算機に実行させ
る結像シミュレーションプログラムの記録された記録媒
体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の結像シミュレーション法は、観察物体を含む3次元
空間に入射する照明光の電場分布を計算する第1のステ
ップと、前記照明光と前記観察物体の相互作用により発
生する散乱光の前記3次元空間における電場分布を計算
する第2のステップと、前記散乱光の結像光学系による
結像を、前記結像光学系の特性グリーン関数群を用い、
ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を用いて計算する第3
のステップを備えることを特徴とする方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態については、
まず、上記の目的を達成することができる結像シミュレ
ーション法の実施形態と、そのそれぞれの作用効果につ
いて説明する。そして、次に、その発明に付加して適用
することにできる好適な構成とその作用効果を説明し、
その後に、それぞれの実施例を説明することにする。な
お、この実施の形態では、図1に示す本発明の結像シミ
ュレーション法の計算モデルのうち、観察物体から像面
までの間の結像過程の計算について主に説明する。
【0017】本発明の結像シミュレーション法は、観察
物体を含む3次元空間に入射する照明光の電場分布を計
算する第1のステップと、前記照明光と前記観察物体の
相互作用により発生する散乱光の前記3次元空間におけ
る電場分布を計算する第2のステップと、前記散乱光の
結像光学系による結像を、前記結像光学系の特性グリー
ン関数群を用い、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を用
いて計算する第3のステップとを備えることを特徴とす
る。
【0018】ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分は式
(2)で表わされるもので、例えば、M.Born and E. Wo
lf,"Principles of Optics,Sixth Edition",Pergamon P
ress(1980),Chapter VIIIに示されている。
【0019】 ここで、図10に示すように、σは点νを含む空間を広
範囲に取り囲む閉曲面であり、σe は閉曲面σの内側の
空間に含まれ、点ν近傍の微小空間を取り囲む閉曲面で
あり、nは閉曲面σ及びσe 上における閉曲面の外側に
向かう法線ベクトルである。
【0020】また、U(ν)は点νにおける電磁場、G
はグリーン関数、∂/ ∂nは法線ベクトルnによる偏微
分である。そして、グリーン関数Gは以下の式(3)で
表わされるヘルムホルツ方程式を満足し、なお且つ点ν
において特異点を持つ関数である。
【0021】 (∇2 +k2 )G=0 (ただし、kは電磁場の波数) ・・・(3) 式(2)からわかるように、ヘルムホルツ−キルヒホッ
フ積分は、適当なグリーン関数を定義することにより、
ある空間上の点νにおける電磁場U(ν)が閉曲面σ上
の電磁場と閉曲面σe 上の電磁場の積分で求められるこ
とを表わしている。なお、電磁場Uは、点ν近傍におい
て特異点を持たないため、点νの近傍を含む閉曲面σe
での法線ベクトルnによる偏微分の全積分値はゼロにな
ると仮定している。
【0022】本発明では、結像光学系の像面上に特異点
が存在するようなグリーン関数(以下、特性グリーン関
数という)の集合を、特性グリーン関数群と呼ぶことに
する。本発明は、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を行
う際のグリーン関数Gとして、この特性グリーン関数群
の中から適切な特性グリーン関数Gを選択して使用する
ことにより、像面上の任意の位置において結像計算(像
位置における光の強度と位相の計算)を正確に行うとい
うものである。(2)式及び(3)式は、電磁場Uとグ
リーン関数G(特性グリーン関数群)が、共に3次元ベ
クトル関数であっても成り立つ。
【0023】本発明によれば、3次元のベクトル関数が
扱えるヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を用いて結像計
算を行うようにしたため、観察物体周辺の3次元ベクト
ル関数である電磁場Uをスカラーに変換する必要がな
い。よって、3次元ベクトル関数である電磁場Uに基づ
いて、結像光学系による結像を正確に計算することが可
能となる。これは、例えば結像光学系の入射NAが大き
い場合に有効である。このような結像光学系では、電磁
場Uをスカラー近似した計算では誤差が大きくなるが、
本発明ではこのような結像光学系においても、誤差の少
ない結像計算ができる。よって、本発明では、全体とし
て精度の高い結像シミュレーションを実現することがで
きる。
【0024】さらに、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分
を行う閉空間σは、任意の位置に設定できる。よって、
本発明によれば、結像光学系の焦平面が観察物体の内部
にある場合においても、閉空間σを観察物体外部の適当
な位置に設定することにより、正しい結像計算を行うこ
とが可能となる。
【0025】この発明の好適一実施形態においては、前
記結像光学系の像面上に点光源を配置したと仮定した場
合に、前記結像光学系の前記観察物体側に発生する電場
分布を前記特性グリーン関数群が含むようにしたことを
特徴とする。
【0026】本実施形態においては、像面上の任意の点
に対応する特性グリーン関数Gを設定できると同時に、
この特性グリーン関数Gが結像光学系の焦点平上におい
て焦点位置近傍で集中するため、実際のヘルムホルツ−
キルヒホッフ積分を行う領域を狭くすることができる。
これは、結像計算を行う際に計算量を節約できることを
意味しており、より高速に結像計算を行うことができる
ことになる。本実施形態のシミュレーションもこの結像
計算過程を有している以上、当然早く、シミュレーショ
ン結果を得ることができる。
【0027】結像光学系の特性グリーン関数Gとして、
仮想的な点光源を結像光学系の像面上のある位置に配置
した場合に発生する電磁場分布を設定すると、この仮想
的な点光源上に特性グリーン関数Gの特異点が存在す
る。したがって、この仮想的な点光源を取り囲むように
閉空間σe を設定すれば、その仮想的な点光源位置にお
ける電磁場Uが求まる。そして、所望の領域内でこの仮
想的な点光源を移動させ、移動した各点においてヘルム
ホルツ−キルヒホッフ積分を行うことにより、像面上に
おける所望の領域内での像全体の結像計算を行うことが
可能となる。
【0028】この好適一実施形態においては、前記仮想
的な点光源により前記結像光学系の像側瞳位置近傍に仮
想的に形成される電磁場分布を基に、ハイゲンス−フレ
ネル回折積分を用いて、前記観察物体近傍の前記特性グ
リーン関数群を求めることを特徴とする。
【0029】上述のように、計算上のヘルムホルツ−キ
ルヒホッフ積分は、前記観察物体近傍での特性グリーン
関数Gが集中する位置近傍の曲面上でのみ行えばよいこ
とが多い。よって、その曲面上の特性グリーン関数G
は、結像光学系の像側瞳位置近傍において前記仮想的な
点光源によって生じる仮想的な電場分布を基に、ハイゲ
ンス−フレネル回折積分を用いて求めるのが計算上簡単
で便利である。
【0030】この発明の好適一実施形態においては、前
記観察物体を含む3次元空間内において、前記特性グリ
ーン関数群は互いに平行移動の関係にあることを特徴と
する。
【0031】顕微鏡やステッパー等、アプラナートで入
射側テレセントリックな光学系においては、例えば軸上
等の代表的な像位置での特性グリーン関数Gを求めてお
けば良い。これは、上記のような光学系では、代表的な
像位置以外の像位置(例えば軸外)に対応する特性グリ
ーン関数Gも、代表的な像位置での特性グリーン関数G
を平行移動したものとみなせるからである。よって、代
表的な像位置での特性グリーン関数Gを予め求めておけ
ば、各々の位置においてわざわざ計算時間のかかるハイ
ゲンス−フレネル回折積分を繰り返す必要がなくなる。
したがって、本実施形態によれば、計算精度を落とすこ
となく計算効率を上げられるので便利である。
【0032】この発明の好適一実施形態においては、前
記第3のステップにおいて、前記結像光学系の焦点位置
近傍の光軸を横切る曲面上において、前記ヘルムホルツ
−キルヒホッフ積分を行うことを特徴とする。
【0033】結像光学系の像面上の仮想的な点光源から
発生した電磁場で定義される特性グリーン関数Gは、結
像光学系の物体側焦平面上で焦点位置近傍に集中する。
そこで、その集中位置近傍で観察物体の手前を横切るよ
うに閉曲面σを設定することにより、閉曲面σ上でのグ
リーン関数Gが実質的にゼロでない領域が狭い範囲に局
在することになり、(3)式の左辺を計算する上で計算
精度を向上させることができる。このことを、図11を
用いて説明する。
【0034】観察物体周辺において3次元電磁場計算を
行う3次元電磁場計算領域は、計算機の性能によって制
限される。例えば、FDTD法ならば、3次元電磁場計
算領域はせいぜい一辺が10波長の立方体の大きさ程度
である。3次元電磁場の計算を行うときに、実際にヘル
ムホルツ−キルヒホッフ積分を行える領域は、閉曲面σ
上の、その3次元電磁場計算領域によって切り取られた
領域となる。すなわち、図11に示す通り、破線で示さ
れた閉曲面σのうちの、四角の枠の内側にある実線で示
された部分が積分可能な領域となる。しかしながら、本
来ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を行うべき領域は、
破線で示された領域を含む閉曲面σ全体である。したが
って、3次元電磁場計算領域の内側でしか積分できない
となると、実際に計算することのできない3次元電磁場
計算領域外でのヘルムホルツ−キルヒホッフ積分の値が
計算誤差になる。
【0035】ところが、結像光学系の像面上に仮想的な
点光源を持つ特性グリーン関数Gが観察物体近傍におい
て実質的ゼロでない領域は結像光学系により制限され、
この領域は結像光学系の焦点位置近傍で集中する。これ
は、この集中した領域から離れた領域では、特性グリー
ン関数Gは極めてわずかな値しか有していないというこ
とである。従って、この集中した領域が3次元電磁場計
算領域の内側となるようにこれらの位置関係を設定し、
更に閉曲面σを特性グリーン関数Gの集中位置近傍を横
切るように設定すれば、3次元電磁場計算領域外の閉曲
面σ上でのヘルムホルツ−キルヒホッフ積分による積分
値は、3次元電磁場計算領域内での積分値と比較して極
めて小さい値となる。このように、本実施形態では3次
元電磁場計測領域外の積分により生じる計算誤差が小さ
くなるため、計算精度が向上する。
【0036】この発明の好適一実施形態においては、前
記ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分は、前記曲面上にお
いて、前記特性グリーン関数Gの強度が所定の強度より
大きい領域内でのみ行うことを特徴とする。
【0037】本実施形態によれば、特性グリーン関数G
が集中している場合は、(3)式の左辺の積分領域が狭
くて済むことになるので、計算時間を短縮できる利点が
ある。このことを、再び図11を用いて説明する。前述
の通り、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を行える領域
は、四角の枠で囲まれた3次元電磁場計算領域内であ
る。よって、通常はこの領域内で積分を行う。
【0038】ただし、特性グリーン関数Gが実質的にゼ
ロでない領域が十分集中している場合は、必ずしも3次
元電磁場計算領域内の閉曲面σ上の全ての領域で積分を
行わなくても良く、特性グリーン関数Gの強度が所定の
強度より大きい領域内でのみ積分を行っても、所望の計
算精度が得られることがある。その場合は、計算上のヘ
ルムホルツ−キルヒホッフ積分を行う領域を、特性グリ
ーン関数Gの強度が所定の強度よりも大きい値を有する
領域内に制限することにより、計算時間を短縮できる利
点がある。なお、十分集中しているとは、この3次元電
磁場計算領域内をいくつかの小領域に分けた場合に、特
定の小領域においてのみ特性グリーン関数Gの強度が他
の小領域に比べて著しく大きくなっている状態のことで
ある。
【0039】この好適一実施形態においては、前記第2
のステップにおいて、前記散乱光の電場分布は、FDT
D法を用いて計算することを特徴とする。3次元電磁場
計算方法としては、他にも、有限要素法、境界要素法、
モード整合法等、様々な手法が存在する。しかしなが
ら、FDTD法は現在のところ、任意形状の物体による
3次元の電場計算を行うに際し、最も大きな領域で計算
が可能であることから、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積
分を行う領域を広くとることが可能となる。このよう
に、本実施形態では、3次元電磁場計算領域外でのヘル
ムホルツ−キルヒホッフ積分の値により生じる計算誤差
を小さくおさえることができるから、計算精度を向上さ
せる点で好ましい。
【0040】この発明の好適一実施形態においては、前
記第1のステップにおいて、前記照明光学系の電場分布
は、照明光源のコヒーレント要素から算出することが望
ましい。本実施形態によれば、例えば、レーザ光源等、
コヒーレントな光源を使用する場合、照明光源のコヒー
レント要素は単一である。よって、像面上の電場分布も
1つのコヒーレント要素のみから算出できるので、像面
上の光の強度と位相の計算を一度で完了させることがで
きる。よって、計算効率上好ましい。
【0041】この発明の好適一実施形態においては、前
記照明光源の各コヒーレント要素毎に算出された像面上
の光の強度を積算することを特徴とする。本実施形態に
よれば、照明光源がコヒーレントでない場合でも、像面
上の電場分布を照明光源のコヒーレント要素毎に算出で
きる。そして、このコヒーレント要素毎の電場分布を用
いて、像面上の個々の点における光の強度の計算を行
い、それらを積算することによって結像を正確に算出こ
とができる。
【0042】この好適一実施形態においては、前記照明
光の電場分布を、前記照明光源の各コヒーレント要素毎
の空間分布と前記照明光学系の瞳関数との積のハイゲン
ス−フレネル回折積分に基づいて算出することを特徴と
する。いわゆるケーラー照明では、光源像が照明光学系
の瞳位置に投影されるが、本実施形態によれば、ケーラ
ー照明における結像計算を簡単に精度よく行うことがで
きる。
【0043】この発明の好適一実施形態においては、前
記照明光の電場分布を、前記照明光源の各コヒーレント
要素毎の空間分布と、前記照明光学系の瞳関数のハイゲ
ンス−フレネル回折積分との畳み込み積分に基づいて算
出することを特徴とする。いわゆるクリティカル照明で
は、点光源が結像光学系の焦点面上に結像するが、本発
明の実施形態によれば、クリティカル照明における結像
計算を簡単に精度よく行うことができる。
【0044】この好適一実施形態においては、レーザ光
源の空間発光分布と、照明光学系の瞳関数のハイゲンス
−フレネル回折積分との畳み込み積分に基づいて、前記
照明光の電場分布を算出することを特徴とする。LSM
(レーザ走査顕微鏡)では、照明光は全てコヒーレント
なので、本実施形態によれば、LSMにおける結像計算
を効率よく行うことができる。
【0045】また、本発明の結像シミュレーション装置
は、これまで実施形態として説明してきた方法を備える
ものである。また、本発明の記録媒体も、これまで実施
形態として説明してきた方法を、計算機に実行させる結
像シミュレーションプログラムが記録されたものであ
る。よって、上記の各実施形態で説明したのと同様の作
用効果を有するため、説明は省略する。
【0046】次に、以下に図面を用いて本発明の実施例
について説明する。
【0047】本発明による第1実施例の結像シミュレー
ション法の計算モデルは、図1に示すように、順に、光
源1、コレクターレンズ2、窓レンズ3、及び、コンデ
ンサレンズ4からなる照明光学系5と、観察物体Oと、
対物レンズ6及び結像レンズ7からなる結像光学系8
と、像面Iとから構成されている。照明光学系5は、観
察物体Oに対しケーラー照明を行うため、光源1から発
した照明光はコレクターレンズ2によりコリメートさ
れ、窓レンズ3によってコンデンサレンズ4の前側焦点
面に光源像が結像する。
【0048】光源像の結像位置には明るさ絞り9が配置
され、照明に関与する光源像の面積を制限している。し
たがって、明るさ絞り9は、観察物体Oに到達する照明
光の光量と同時に、照明光全体のコヒーレンス度を調節
している。また、窓レンズ3の前側焦点面には視野絞り
10が存在し、それが窓レンズ3とコンデンサレンズ4
により観察物体O上に投影され、観察物体Oの照明範囲
を制限している。このとき、光源1と明るさ絞り9の位
置は互いに共役であり、視野絞り10と観察物体Oの位
置も略共役である。
【0049】本発明の結像シミュレーション法の各ステ
ップについて説明する。
【0050】まず、第1のステップでは、観察物体Oを
含む3次元空間に入射する照明光の電場分布を計算す
る。よって、このステップでは図1の計算モデルにおい
て、光源1から観察物体Oまでの間にある各光学要素
が、計算のためのパラメータとして用いられる。また、
以下の説明では簡単のため、投影倍率を無視している。
【0051】光源面と明るさ絞り面の面内座標を(ξ,
η)で表し、視野絞り面の面内座標を(x,y)で表わ
すことにする。そして、光源面の発光強度分布をS
(ξ,η)、視野絞り面上に設定したコレクターレンズ
2から窓レンズ3までの光学系の瞳の振幅透過率関数を
ill (x,y)とすると、光源面上の点(ξs
ηs )から発した光がコンデンサレンズ4の前側焦点位
置に形成する振幅分布Acd(ξ,η;ξs ,ηs )は、 Acd(ξ,η;ξs ,ηs )={S(ξs ,ηs )}1/2 × Fill (ξ−ξs ,η−ηs ) ・・・(4) で表わせる。ここで、 Fill (ξ,η)はP
ill (x,y)のフーリエ変換を表わす。
【0052】あるコヒーレント要素のコンデンサレンズ
4の前側焦点位置上での振幅分布がAcd(ξ,η)で与
えられる場合、明るさ絞り9上に設定したコンデンサレ
ンズ4の瞳の振幅透過率関数をPcd(ξ,η)とする
と、観察物体O周辺の3次元空間(x,y,z)へ入射
する照明光の電場分布、すなわち入射電場Ein(x,
y,z)は、以下のハイゲンス−フレネル回折積分を用
いて求められる。
【0053】 Ein(x,y,z) =∬Acd(ξ,η)Pcd(ξ,η) ×exp(−jkcosεcd)dξdη ・・・(5) ただし、cosεcd={ξx+ηy+(fcd 2 −ξ2 −η2 z)1/2 }/fcd ここで、fcdはコンデンサレンズ4の焦点距離である。
【0054】次に、第2のステップでは、照明光と観察
物体の相互作用により発生する散乱光の電場分布を計算
する。計算領域は観察物体Oとその近傍を含む3次元空
間である。第1のステップで算出された入射電場E
inは、図2に示すように観察物体Oに入射する。入射電
場Einは観察物体Oで散乱され、射出電場Eout にな
る。この射出電場Eout が散乱光の電場分布を表わして
いる。第2のステップではこの射出電場Eout を求める
ためにFDTD法を用いる。なお、FDTD法の具体的
な計算方法については、例えば、K. Kunz and R. J. Lu
ebbers,"The Finite Difference Time Domain Method f
or Electromagnetics",CRC Press(1993)に詳しく説明さ
れている。よって、ここでの説明は省略するが、FDT
D法は3次元ベクトル関数を用いた計算が可能な電磁場
解析法であることを指摘しておく。
【0055】次に、第3のステップでは、結像光学系を
介して像面上に形成された像について計算を行う。この
ステップでは、第2ステップで計算した散乱光の電場分
布と図1における結像光学系8が、計算のためのパラメ
ータとして用いられる。
【0056】第2のステップで計算した射出電場Eout
(散乱光の電場分布)は3次元ベクトル関数で表わされ
る。よって、結像光学系による結像も3次元ベクトル関
数を用いて計算しなければならない。そのため、本実施
例ではこの結像計算を行うのに、ヘルムホルツ−キルヒ
ホッフ積分を用いる。そして、この回折積分を実行する
際に特性グリーン関数群を用いる。なお、特性グリーン
関数群(特性グリーン関数G)は、像面I上に仮想的な
点光源を配置した時に、この仮想的な点光源が観察物体
O周辺の3次元空間に形成する電場で表わされる。よっ
て、特性グリーン関数群は、像面I上に配置された仮想
的な点光源の位置に対応してそれぞれ異なるのが一般的
である。
【0057】そこで、結像計算を行うにあたって、本実
施例においては結像光学系8のアプラナート性を仮定す
る。そして、像面Iの光軸上に仮想的な点光源を配置し
た時に、この仮想的な点光源が観察物体O周辺の3次元
空間に形成する電場で表わされる特性グリーン関数Gを
“代表的な像位置での特性グリーン関数" とする。そう
すると、結像光学系8はアプラナート性が仮定されてい
るので、所望の計算領域内における各点の特性グリーン
関数Gは全て、この“代表的な像位置での特性グリーン
関数" と同形の電場分布を持つとみなすことができる。
よって、各点ごとに特性グリーン関数Gを計算する必要
がなくなる。この結果、結像シミュレーションにかかる
計算時間を短縮することができる。
【0058】また、本実例では結像光学系8の瞳位置が
対物レンズ6の瞳位置(後側焦点位置)にあるものとす
る。このような仮定において、結像光学系8の瞳の振幅
透過関数をPob(ξ,η)とすると、像面I上の点(x
i ,yi )に対応する特性グリーン関数Gi (x,y,
z;xi ,yi )は、ハイゲンス−フレネル回折積分を
用いれば、以下の式で与えられる。
【0059】 Gi (x,y,z;xi ,yi )≡Gi 0 (x−xi ,y−yi ,z) =∬Pob(ξ,η)exp(−jkcosεob)dξdη ・・・(6) ただし、cosεob={ξ(x−xi )+η(y−yi ) +(fob 2 −ξ2 −η2 z)1/2 }/fobi 0 は、像面I軸上の特性グリーン関数、fobは対物
レンズ6の焦点距離である。
【0060】ところで、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積
分を行う面は、観察物体Oから見て結像光学系8側で、
特性グリーン関数Gi が集中している位置にできるだけ
近いことが好ましい。図3は像面上に配置した仮想的な
点光源から射出した電場が、対物レンズ6によって観察
物体Oの内部に集中している様子を示している。この場
合、特性グリーン関数Gi が最も集中する位置は、観察
物体Oの内側になる。
【0061】図3においてヘルムホルツ−キルヒホッフ
積分を行うには、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を行
う面を観察物体Oに接近したz=zk の平面とする。そ
して、特性グリーン関数Gi 0 (x−xi ,y−yi
z)をz=zk の面で折り返した関数Gi 0 (x−
i ,y−yi ,2zk −z)とし、式(7)に示すよ
うに、Gi 0 (x−xi ,y−yi ,z)からG
i 0 (x−xi ,y−yi ,2z k −z)を差し引い
て、新たな特性グリーン関数G0 (x−xi ,y−
i ,z)とする(J.W.Goodman,"Introduction to Fou
rier Optics",Mcraw-Hill,Inc.1968,pp.43-44 )。そし
て、この新たなグリーン特性関数G0 (x−xi ,y−
i ,z)を、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分に用い
る特性グリーン関数とする。
【0062】 G0 (x−xi ,y−yi ,z)=Gi 0 (x−xi ,y−yi ,z) −Gi 0 (x−xi ,y−yi ,2zk −z) ・・・(7) この折り返した関数Gi 0 (x−xi ,y−yi ,2z
k −z)は、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を行う平
面を含む仮想的な閉曲面σの内部には特異点が存在しな
いため、(3)式はそのまま成り立つ。そして、(3)
式の左辺積分の第1項に相当する項はゼロとなり、像位
置(xi ,yi )における電場の振幅A(xi ,yi
は、次のような簡単な式より求められる。
【0063】 A(xi ,yi )=∬Eout (x,y,zk ) ×∂G0 (x−xi ,y−yi ,z)/∂z|z=zkdxdy ・・・(8) 以上、本実施例の結像シミュレーション法で用いられる
3つのステップについて説明した。
【0064】ところで、上述の(5)〜(8)式の手続
きは、光源1のコヒーレント要素毎に行う。光源1は、
ハロゲンランプのような非レーザ光源ならば、コヒーレ
ント要素と光源面の各位置(ξs ,ηs )におけるデル
タ関数で表わされる。したがって、観察される像強度I
(xi ,yi )は、 I(xi ,yi )=∬|A(xi ,yi ;ξs ,ηs )|2 dξs dηs で求めることができる。
【0065】以上の本発明の第1実施例の結像シミュレ
ーション法のフローを図示すると、図4のようになる。
各ステップの内容は図示の通りであり、以上の説明と図
示の内容からそのフローは明らかであるので、説明は省
く。
【0066】次に、本発明による第2実施例の結像シミ
ュレーション法について説明する。その実施例の結像シ
ミュレーション法の計算モデルは、図5に示すように、
レーザ11と第1の凸レンズ12及び第2の凸レンズ1
3と第1のピンホール14からなるビームエキスパンダ
ー15とビームスプリッター16と対物レンズ17と観
察物体Oと集光レンズ18と第2のピンホール19とP
MT(Photo Multiplier Tube ;光電子倍増管)20と
からなるLSM(Laser Scanning Microscope;レーザ
走査顕微鏡)である。実際のLSMには、他にもガルバ
ノミラーからなる走査光学系が構成要素としてあるが、
結像シミュレーションを行うという目的から省略してあ
る。
【0067】レーザ11から発した単色でコヒーレント
な照明光束は、ビームエキスパンダー15内で第1の凸
レンズ12により集光し、第1のピンホール14により
ノイズを除去され、第2の凸レンズ13で平行光束とな
る。そして、ビームスプリッター16を透過して、対物
レンズ17により集光されて、観察物体O上に回折スポ
ットを形成する。観察物体Oにより反射された光は、対
物レンズ17を通ってビームスプリッター16を反射
し、集光レンズ18によって集光する。その集光位置に
は第2のピンホール19が配置され、第2のピンホール
19を透過した光のみがPMT20により検出される。
【0068】本実施例における結像シミュレーション
は、第1のピンホール14の穴径が実質上無限小に等し
いと仮定し、観察物体Oを対物レンズ17の光軸に対し
て移動させながら、第2のピンホール19位置での軸上
の光強度を計算するものである。
【0069】第1のステップは照明光の電場分布の計算
である。本実施例における観察物体O周辺の3次元空間
内の入射電場の計算は、対物レンズ17の後側焦点位置
における照明光のビームプロファイルと対物レンズ17
の瞳関数の掛算をハイゲンス−フレネル回折積分すれば
求められる。
【0070】第2のステップは、照明光と観察物体Oの
相互作用により発生する散乱光の電場分布の計算であ
る。観察物体O周辺の3次元空間における電場の計算
は、図6(a)に示すように、この照明光を入射電場と
して与える、そして、FDTD法を用いることにより、
図6(b)に示すように、観察物体Oによる散乱電場を
算出する。第3のステップは、像面上に形成された像に
ついての計算である。本実施例のような落射照明の場合
は、照明光が直接対物レンズ17に再入射することがな
いので、ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分は散乱電場と
特性グリーン関数で行う。ここで、上記特性グリーン関
数は、第2のピンホール19の位置に仮想点光源を配置
したときに観察物体O周辺に生じる電場と定義できる。
ただし、第1のピンホール14の径が第2のピンホール
19の径と同程度に小さければ、入射電場をそのまま用
いることにより、特性グリーン関数の計算を省略するこ
とができる。
【0071】以上、本実施例の結像シミュレーション法
で用いられる3つのステップについて説明した。
【0072】本発明による第3実施例の結像シミュレー
ション法の計算モデルを図7に示す。図7は、光源21
と、コレクタレンズ22と、視野絞り23と、照明レン
ズ24と、偏光子25と、ハーフミラー26と、対物レ
ンズ27と、検光子28と、結像レンズ29とからなる
落射偏光顕微鏡である。
【0073】光源21から発した照明光は、コレクタレ
ンズ22によりコリメートされ、視野絞り23によって
光束径を制限される。そして、照明レンズ24により対
物レンズ27の後側焦点位置に集光される。照明レンズ
24と対物レンズ27の間には変更し25が配置され、
照明光は偏光子25によって振動方向の揃った直線偏光
となる。偏光子25を通過した照明光はハーフミラー2
6で反射され、対物レンズ27により平行光束となって
観察物体Oをケーラー照明する。
【0074】観察物体Oで反射された光は対物レンズ2
7によって集光され、平行光束になって対物レンズ27
を射出する。そして、ハーフミラー26を透過し、検光
子28に入射する。検光子28では、偏光子25の振動
方向と直交するいわゆるクロスニコル成分のみが抽出さ
れる。その後、結像レンズ29によって像面I上に観察
物体Oの像を結像する。
【0075】本実施例のように偏光が関係する場合は、
結像に係わるクロスニコル成分が照明光全体の強度に比
べてはるかに微弱である。したがって、観察物体O周辺
の3次元領域における入射電場の計算、及び、特性グリ
ーン関数群の計算は、ベクトル回折計算を用いて精度良
く行う必要がある。
【0076】前述のように、像面I上の任意の位置に仮
想的な点光源を配置する。この仮想的な点光源から発す
る光束は、結像レンズ29によりコリメートされ、検光
子28によって直線偏光となる。したがって、特性グリ
ーン関数群の計算は、対物レンズ27の後側焦点位置に
おける検光子28の振動方向と平行な振動方向の直線偏
光をベクトル回折計算することにより求める。
【0077】また、本実施例において、パラニコル成分
によって形成される像を計算するためには、対物レンズ
27の後側焦点位置における偏光子25の振動方向と平
行な振動方向を持つ直線偏光からなる平行光のベクトル
回折積分で求めた特性グリーン関数を用いればよい。
【0078】さて、以上のような本発明の結像シミュレ
ーション法を実施する本発明のシミュレーション装置の
構成を図8に示す。基本的な構成として処理装置30と
表示装置40を備えている。そして、処理装置30はデ
ータ入力部31、記憶部32、演算処理部33を備えて
いる。
【0079】データ入力部31は、データやコマンドを
入力するキーボードや、フロッピー(登録商標)ディス
ク等の外部記憶媒体に記憶されているデータを読み取る
読取装置等を備え、シミュレーションを行うために必要
な各種データが入力されるようになっている。
【0080】記憶部32は、データ入力部31から入力
された各種データを記憶するデータ記憶部321と、各
データを使ってシミュレーションを行うためのプログラ
ムが格納されているプログラム記憶部322と、シミュ
レーションした結果を記憶する演算結果記憶部323と
を有する。これらの各記憶部は物理的に独立している必
要はなく、記憶部32のある領域毎に記憶領域が割り当
てられていればよい。
【0081】演算処理部33は、シミュレーションを行
う際にデータ記憶部321に記憶されたデータから必要
なデータを、プログラム記憶部322に記憶されたプロ
グラムから必要なプログラムを読み出し、例えば図4の
フローチャートに定められた手順に従って処理を進め
る。そして、全ての処理が終わったら、そのデータを演
算結果記憶部323に記憶する。
【0082】シミュレーションの結果は、演算結果記憶
部323に記憶されたデータに基づいて、あるいは、さ
らに画像処理等が加えられて、表示装置40に表示され
る。
【0083】以上、本発明の結像シミュレーション法を
その原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明は
これら実施例に限定されず、種々の変形が可能であるこ
とは言うまでもない。
【0084】以上の本発明の結像シミュレーション法及
びそれを用いた結像シミュレーション装置及び記憶媒体
は、例えば次のように構成することができる。
【0085】〔1〕 観察物体を含む3次元空間に入射
する照明光の電場分布を計算する第1のステップと、前
記照明光と前記観察物体の相互作用により発生する散乱
光の前記3次元空間における電場分布を計算する第2の
ステップと、前記散乱光の結像光学系による結像を、前
記結像光学系の特性グリーン関数群を用い、ヘルムホル
ツ−キルヒホッフ積分を用いて計算する第3のステップ
とを備えることを特徴とする結像シミュレーション法。
【0086】〔2〕 前記特性グリーン関数群は、前記
結像光学系の像面上に点光源を配置したと仮定した場合
に、前記結像光学系の前記観察物体側に発生する電場分
布を含むことを特徴とする上記1記載の結像シミュレー
ション法。
【0087】〔3〕 前記特性グリーン関数群は、前記
点光源により前記結像光学系の像側瞳位置近傍に仮想的
に形成される電場分布を基に、ハイゲンス−フレネル回
折積分を用いて求めることを特徴とする上記2記載の結
像シミュレーション法。
【0088】〔4〕 前記特性グリーン関数群は、前記
観察物体を含む3次元空間内において、互いに平行移動
の関係にあることを特徴とする上記1から3の何れか1
項記載の結像シミュレーション法。
【0089】〔5〕 前記第3のステップにおいて、前
記結像光学系の焦点位置近傍の光軸を横切る曲面上にお
いて、前記ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を行うこと
を特徴とする上記1から4の何れか1項記載の結像シミ
ュレーション法。
【0090】〔6〕 前記ヘルムホルツ−キルヒホッフ
積分は、前記曲面上において、前記特性グリーン関数の
強度が所定の強度より大きい領域内でのみ行うことを特
徴とする上記5記載の結像シミュレーション法。
【0091】〔7〕 前記第2のステップにおいて、前
記散乱光の電場分布は、FDTD法を用いて計算するこ
とを特徴とする上記1から6の何れか1項記載の結像シ
ミュレーション法。
【0092】〔8〕 前記第1のステップにおいて、前
記照明光の電場分布は、照明光源のコヒーレント要素か
ら算出することを特徴とする上記1から7の何れか1項
記載の結像シミュレーション法。
【0093】
〔9〕 前記照明光源の各コヒーレント要
素毎に算出された結像の強度を積算することを特徴とす
る上記8記載の結像シミュレーション法。
【0094】〔10〕 前記照明光の電場分布の計算方
法は、前記照明光源の各コヒーレント要素毎の空間分布
と、前記照明光学系の瞳関数との積の、ハイゲンス−フ
レネル回折積分に基づくことを特徴とする上記9記載の
結像シミュレーション法。
【0095】〔11〕 前記照明光の電場分布の計算方
法は、前記照明光源の各コヒーレント要素の空間分布
と、照明光学系の瞳関数のハイゲンス−フレネル回折積
分との畳み込み積分に基づくことを特徴とする上記9記
載の結像シミュレーション法。
【0096】〔12〕 レーザ光源の空間発光分布と、
照明光学系の瞳関数のハイゲンス−フレネル回折積分と
の畳み込み積分に基づいて、前記照明光の電場分布を算
出することを特徴とする上記8記載の結像シミュレーシ
ョン法。
【0097】〔13〕 観察物体を含む3次元空間に入
射する照明光の電場分布を計算する第1の手段と、前記
照明光と前記観察物体の相互作用により発生する散乱光
の前記3次元空間における電場分布を計算する第2の手
段と、前記散乱光の結像光学系による結像を、前記結像
光学系の特性グリーン関数群を用い、ヘルムホルツ−キ
ルヒホッフ積分を用いて計算する第3の手段とを備える
ことを特徴とする結像シミュレーション装置。
【0098】〔14〕 前記特性グリーン関数群は、前
記結像光学系の像面上に点光源を配置したと仮定した場
合に、前記結像光学系の前記観察物体側に発生する電場
分布を含むことを特徴とする上記13記載の結像シミュ
レーション装置。
【0099】〔15〕 前記特性グリーン関数群は、前
記点光源により前記結像光学系の像側瞳位置近傍に仮想
的に形成される電場分布を基に、ハイゲンス−フレネル
回折積分を用いて求めることを特徴とする上記14記載
の結像シミュレーション装置。
【0100】〔16〕 前記特性グリーン関数群は、前
記観察物体を含む3次元空間内において、互いに平行移
動の関係にあることを特徴とする上記13から15の何
れか1項記載の結像シミュレーション装置。
【0101】〔17〕 前記第3の手段において、前記
結像光学系の焦点位置近傍の光軸を横切る曲面上におい
て、前記ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を行うことを
特徴とする上記13から16の何れか1項記載の結像シ
ミュレーション装置。
【0102】〔18〕 前記ヘルムホルツ−キルヒホッ
フ積分は、前記曲面上において、前記特性グリーン関数
の強度が所定の強度より大きい領域内でのみ行うことを
特徴とする上記17記載の結像シミュレーション装置。
【0103】〔19〕 前記第2の手段において、前記
散乱光の電場分布は、FDTD法を用いて計算すること
を特徴とする上記13から18の何れか1項記載の結像
シミュレーション装置。
【0104】〔20〕 前記第1の手段において、前記
照明光の電場分布は、照明光源のコヒーレント要素から
算出することを特徴とする上記13から19の何れか1
項記載の結像シミュレーション装置。
【0105】〔21〕 前記照明光源の各コヒーレント
要素毎に算出された結像の強度を積算することを特徴と
する上記20記載の結像シミュレーション装置。
【0106】〔22〕 前記照明光の電場分布の計算方
法は、前記照明光源の各コヒーレント要素毎の空間分布
と、前記照明光学系の瞳関数との積の、ハイゲンス−フ
レネル回折積分に基づくことを特徴とする上記21記載
の結像シミュレーション装置。
【0107】〔23〕 前記照明光の電場分布の計算方
法は、前記照明光源の各コヒーレント要素の空間分布
と、照明光学系の瞳関数のハイゲンス−フレネル回折積
分との畳み込み積分に基づくことを特徴とする上記21
記載の結像シミュレーション装置。
【0108】〔24〕 レーザ光源の空間発光分布と、
照明光学系の瞳関数のハイゲンス−フレネル回折積分と
の畳み込み積分に基づいて、前記照明光の電場分布を算
出することを特徴とする上記20記載の結像シミュレー
ション装置。
【0109】〔25〕 観察物体を含む3次元空間に入
射する照明光の電場分布を計算する第1のステップと、
前記照明光と前記観察物体の相互作用により発生する散
乱光の前記3次元空間における電場分布を計算する第2
のステップと、前記散乱光の結像光学系による結像を、
前記結像光学系の特性グリーン関数群を用い、ヘルムホ
ルツ−キルヒホッフ積分を用いて計算する第3のステッ
プとを計算機に実行させる結像シミュレーションプログ
ラムが記録されたことを特徴とする記録媒体。
【0110】〔26〕 前記特性グリーン関数群は、前
記結像光学系の像面上に点光源を配置したと仮定した場
合に、前記結像光学系の前記観察物体側に発生する電場
分布を含むことを特徴とする上記25記載の記録媒体。
【0111】〔27〕 前記特性グリーン関数群は、前
記点光源により前記結像光学系の像側瞳位置近傍に仮想
的に形成される電場分布を基に、ハイゲンス−フレネル
回折積分を用いて求めることを特徴とする上記26記載
の記録媒体。
【0112】〔28〕 前記特性グリーン関数群は、前
記観察物体を含む3次元空間内において、互いに平行移
動の関係にあることを特徴とする上記25から27の何
れか1項記載の記録媒体。
【0113】〔29〕 前記第3のステップにおいて、
前記結像光学系の焦点位置近傍の光軸を横切る曲面上に
おいて、前記ヘルムホルツ−キルヒホッフ積分を行うこ
とを特徴とする上記25から28の何れか1項記載の記
録媒体。
【0114】〔30〕 前記ヘルムホルツ−キルヒホッ
フ積分は、前記曲面上において、前記特性グリーン関数
の強度が所定の強度より大きい領域内でのみ行うことを
特徴とする上記29記載の記録媒体。
【0115】〔31〕 前記第2のステップにおいて、
前記散乱光の電場分布は、FDTD法を用いて計算する
ことを特徴とする上記25から30の何れか1項記載の
記録媒体。
【0116】〔32〕 前記第1のステップにおいて、
前記照明光の電場分布は、照明光源のコヒーレント要素
から算出することを特徴とする上記25から31の何れ
か1項記載の記録媒体。
【0117】〔33〕 前記照明光源の各コヒーレント
要素毎に算出された結像の強度を積算することを特徴と
する上記32記載の記録媒体。
【0118】〔34〕 前記照明光の電場分布の計算方
法は、前記照明光源の各コヒーレント要素毎の空間分布
と、前記照明光学系の瞳関数との積の、ハイゲンス−フ
レネル回折積分に基づくことを特徴とする上記33記載
の記録媒体。
【0119】〔35〕 前記照明光の電場分布の計算方
法は、前記照明光源の各コヒーレント要素の空間分布
と、照明光学系の瞳関数のハイゲンス−フレネル回折積
分との畳み込み積分に基づくことを特徴とする上記33
記載の記録媒体。
【0120】〔36〕 レーザ光源の空間発光分布と、
照明光学系の瞳関数のハイゲンス−フレネル回折積分と
の畳み込み積分に基づいて、前記照明光の電場分布を算
出することを特徴とする上記32記載の記録媒体。
【0121】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の結像シミュレーション法を用いると、照明光のNAが
大きい場合でも、正確な結像シミュレーションができ
る。さらに、本発明の結像シミュレーション法を用いる
と、物体が2.5次元形状から外れる場合でも、正確な
結像シミュレーションができる。さらに、本発明の結像
シミュレーション法を用いると、物体内部に焦点を合わ
せた場合でも、正確な結像シミュレーションができる。
さらに、本発明の結像シミュレーション法を用いると、
偏光観察における結像もシミュレーションすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の結像シミュレーション法
の計算モデルを説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施例における物体付近の3次元
電場計算を説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施例におけるヘルムホルツ−キ
ルヒホッフ回折積分の領域を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施例の結像シミュレーション法
のフローを示す図である。
【図5】本発明の第2実施例の結像シミュレーション法
の計算モデルを説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施例における観察物体周辺3次
元空間の入射電場と散乱電場を説明するための図であ
る。
【図7】本発明の第3実施例の結像シミュレーション法
の計算モデルを説明するための図である。
【図8】本発明による結像シミュレーション装置の構成
を示す図である。
【図9】FDTD法における3次元空間の分割と各セル
毎の電磁場の要素を説明するための図である。
【図10】ヘルムホルツ−キルヒホッフ回折積分を説明
するための図である。
【図11】グリーン関数の特異点が像面上の仮想点光源
である場合のヘルムホルツ−キルヒホッフ回折積分を説
明するための図である。
【図12】フーリエ光学に基づく結像理論を説明するた
めの図である。
【図13】2.5次元回折モデルを説明するための図で
ある。
【符号の説明】
O…観察物体 I…像面 1…光源 2…コレクターレンズ 3…窓レンズ 4…コンデンサレンズ 5…照明光学系 6…対物レンズ 7…結像レンズ 8…結像光学系 9…明るさ絞り 10…視野絞り 11…レーザ 12…第1の凸レンズ 13…第2の凸レンズ 14…第1のピンホール 15…ビームエキスパンダー 16…ビームスプリッター 17…対物レンズ 18…集光レンズ 19…第2のピンホール 20…PMT 21…光源 22…コレクタレンズ 23…視野絞り 24…照明レンズ 25…偏光子 26…ハーフミラー 27…対物レンズ 28…検光子 29…結像レンズ 30…処理装置 31…データ入力部 32…記憶部 33…演算処理部 40…表示装置 321…データ記憶部 322…プログラム記憶部 323…演算結果記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 516A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観察物体を含む3次元空間に入射する照
    明光の電場分布を計算する第1のステップと、前記照明
    光と前記観察物体の相互作用により発生する散乱光の前
    記3次元空間における電場分布を計算する第2のステッ
    プと、前記散乱光の結像光学系による結像を、前記結像
    光学系の特性グリーン関数群を用い、ヘルムホルツ−キ
    ルヒホッフ積分を用いて計算する第3のステップとを備
    えることを特徴とする結像シミュレーション法。
  2. 【請求項2】 観察物体を含む3次元空間に入射する照
    明光の電場分布を計算する第1の手段と、前記照明光と
    前記観察物体の相互作用により発生する散乱光の前記3
    次元空間における電場分布を計算する第2の手段と、前
    記散乱光の結像光学系による結像を、前記結像光学系の
    特性グリーン関数群を用い、ヘルムホルツ−キルヒホッ
    フ積分を用いて計算する第3の手段とを備えることを特
    徴とする結像シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 観察物体を含む3次元空間に入射する照
    明光の電場分布を計算する第1のステップと、前記照明
    光と前記観察物体の相互作用により発生する散乱光の前
    記3次元空間における電場分布を計算する第2のステッ
    プと、前記散乱光の結像光学系による結像を、前記結像
    光学系の特性グリーン関数群を用い、ヘルムホルツ−キ
    ルヒホッフ積分を用いて計算する第3のステップとを計
    算機に実行させる結像シミュレーションプログラムが記
    録されたことを特徴とする記録媒体。
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