JP2002196145A - 光学フィルム、偏光板用保護フィルム及びその作製方法とそれを用いた偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板用保護フィルム及びその作製方法とそれを用いた偏光板及び液晶表示装置

Info

Publication number
JP2002196145A
JP2002196145A JP2001021526A JP2001021526A JP2002196145A JP 2002196145 A JP2002196145 A JP 2002196145A JP 2001021526 A JP2001021526 A JP 2001021526A JP 2001021526 A JP2001021526 A JP 2001021526A JP 2002196145 A JP2002196145 A JP 2002196145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
optical film
polarizing plate
present
cellulose ester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001021526A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4581255B2 (ja
JP2002196145A5 (ja
Inventor
Koichi Saito
浩一 齋藤
Takashi Murakami
隆 村上
Nobuyuki Takiyama
信行 滝山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2001021526A priority Critical patent/JP4581255B2/ja
Publication of JP2002196145A publication Critical patent/JP2002196145A/ja
Publication of JP2002196145A5 publication Critical patent/JP2002196145A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4581255B2 publication Critical patent/JP4581255B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、薄膜フィルムで、良好な透
湿度を有し、かつ寸法安定性に優れた光学フィルム、偏
光板用保護フィルム及びその作製方法とそれを用いた偏
光板及び液晶表示装置を提供することである。 【解決手段】 膜厚が10〜60μm、透湿度が20〜
200g/m2・24時間で、かつ面内のレターデーシ
ョン値Roが10nm以下であることを特徴とする光学
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置等の
表示装置に用いられる光学フィルム及びその作製方法に
関し、更に詳しくは偏光板用保護フィルム、それを用い
た偏光板及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノートパソコンの薄型、軽量化に
関する開発が進んでいる。それに伴って、液晶表示装置
に用いられる偏光板に対してもますます薄膜化の要求が
強くなってきている。特に、偏光板の薄膜化に対して
は、偏光板用保護フィルムの薄膜化が要望されている。
しかしながら、偏光板用保護フィルムを、単に薄膜化す
るだけでは様々な弊害があることが判明してきている。
その中の1つとして、透湿性(透湿度)に対し影響が現
れてくる。例えば、偏光板用保護フィルムの薄膜化に伴
って、透湿度は高くなり、その結果として偏光板の耐久
性が低下する。この透湿度を改良するための手段がいく
つか提案されており、確かに透湿度が低いほど組み入れ
た偏光板の耐久性は向上するが、一方で透湿性が低いこ
とにより、偏光板用保護フィルムと偏光子とを接着する
際に、接着剤の乾燥が悪いという欠点を有している。
【0003】そのため、偏光板用保護フィルムには、こ
れら両者を満足する透湿特性が求められている。特に、
多く用いられているセルロースエステルを含む偏光板用
保護フィルムでは、薄膜化により、透湿度が著しく悪化
する。これに対し、可塑剤等の含有量を増加すると透湿
度が改善されることが知られているが、一方で可塑剤含
有量を増加しすぎると寸法安定性が悪くなると言う問題
があり、透湿性が良好で、かつ高いフィルム物性を有す
る偏光板用保護フィルムの開発が切望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みなされたものであり、その目的は、薄膜フィルム
で、良好な透湿度を有し、かつ寸法安定性に優れた光学
フィルム、偏光板用保護フィルム及びその作製方法とそ
れを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0006】1.膜厚が10〜60μm、透湿度が20
〜200g/m2・24時間で、かつ面内のレターデー
ション値Roが10nm以下であることを特徴とする光
学フィルム。
【0007】2.80℃、90%RHで50時間加熱処
理した前後での寸法変化率が、±0.1%未満であるこ
とを特徴とする前記1項に記載の光学フィルム。
【0008】3.透湿度が、50〜180g/m2・2
4時間であることを特徴とする前記1又は2項に記載の
光学フィルム。
【0009】4.膜厚が10〜60μm、透湿度が20
〜200g/m2・24時間で、かつ面内のレターデー
ション値Roと面内の遅相軸方向と長尺方向とのなす角
度θ(ラジアン)が、前記式1の関係を満たすことを特
徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載の光学フィ
ルム。
【0010】5.硬質炭素含有層を有することを特徴と
する光学フィルム。 6.膜厚が10〜60μmであることを特徴とする前記
5項に記載の光学フィルム。
【0011】7.硬質炭素含有層を有することを特徴と
する前記1〜4項のいずれか1項に記載の光学フィル
ム。
【0012】8.セルロースエステルを含むことを特徴
とする前記1〜7項のいずれか1項に記載の光学フィル
ム。
【0013】9.200℃における蒸気圧が、1333
Pa以下である可塑剤を含むことを特徴とする前記8項
に記載の光学フィルム。
【0014】10.前記可塑剤が、アリーレンビス(ジ
アリーレンホスフェート)であることを特徴とする前記
9項に記載の光学フィルム。
【0015】11.硬質炭素含有層が、炭素を含む有機
ガスの存在下で、プラズマ処理により形成されたことを
特徴とする前記5〜8項のいずれか1項に記載の光学フ
ィルム。
【0016】12.前記1〜11項のいずれか1項に記
載の光学フィルムを用いることを特徴とする偏光板用保
護フィルム。
【0017】13.炭素を含む有機ガスの存在下で、プ
ラズマ処理により、光学フィルム上に硬質炭素含有層を
形成することを特徴とする偏光板用保護フィルムの作製
方法。
【0018】14.前記12項に記載の偏光板用保護フ
ィルムを用いることを特徴とする偏光板。
【0019】15.前記14項に記載の偏光板を用いる
ことを特徴とする液晶表示装置。本発明者は、上記課題
を改善するため鋭意検討を重ねた結果、薄膜の光学フィ
ルムであっても透湿度を満足し、さらに寸法安定性に優
れた偏光板用保護フィルムを得ることができた。
【0020】すなわち、光学フィルムの膜厚、透湿度及
び面方向のレターデーション値を本発明の範囲に設定す
ることにより達成することができ、特に薄膜の光学フィ
ルムに、硬質炭素含有層を形成することにより達成でき
ることを見出した。これは、光学フィルム上に、プラズ
マ処理等の方法で硬質炭素含有層を形成することによ
り、透湿度に優れた薄膜の光学フィルムを得ることがで
き、偏光板用保護フィルムとして好ましく使用すること
ができた。特に、発明に係る構成を、光学フィルムとし
てセルロースエステルフィルムに適用することにより、
その効果が顕著に現れることを見出し、本発明に至った
次第である。また、別の実施態様では、セルロースエス
テルを含む光学フィルムにおいて、添加する可塑剤を選
択することによって、透湿度と寸法安定性を両立できる
ことも見出した。
【0021】本発明の偏光板用保護フィルムを用いるこ
とにより、薄膜化とともに、耐久性及び寸法安定性、光
学的等方性に優れた偏光板を提供することができた。更
に、本発明の偏光板を用いた液晶表示装置は、長期間に
亘って安定した表示性能を維持することができた。
【0022】以下本発明について、詳細に説明する。本
発明の光学フィルムとしては、特に限定されるものでは
なく、公知の透明樹脂フィルムの中から適宜選択して用
いることができる。この様な透明プラスチックフィルム
としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンナフタレートの様なポリエステルフィルム、ポ
リエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロフ
ァン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセ
ルロースフィルム、セルロースアセテートプロピオネー
トフィルム、セルロースアセテートブチレートフィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィ
ルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニル
アルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、シンジオ
タクチックポリスチレン系フィルム、ノルボルネン樹脂
フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレート
フィルム、ポリメチルメタアクリレートフィルム、ポリ
アクリレートフィルム、ポリオレフィン系ノルボルネン
樹脂フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスル
フォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィル
ム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイ
ミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィル
ム、ナイロンフィルム、アクリルフィルムを挙げること
ができるが、本発明においては特にセルローストリアセ
テートフィルムの他に、セルロースジアセテート、セル
ロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフ
タレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセ
テートプロピオネート、セルロースアセテートプロピオ
ネートブチレートなどのセルロースエステルフィルムを
用いることが特に好ましい。
【0023】本発明に係る硬質炭素含有層、及び/又は
200℃における蒸気圧が1333Pa以下の可塑剤と
の組み合わせにより、光学フィルムの厚さが10〜60
μmという薄膜においても、優れた透湿性、耐久性及び
寸法安定性を得ることができ、特に好ましい。また、光
学フィルムには、所望により紫外線吸収剤、可塑剤、滑
り剤、マット剤、酸化防止剤等を含有させてもよい。な
お、セルロースエステルフィルムについては、後で詳細
に説明する。
【0024】請求項1に係る発明では、光学フィルムの
膜厚が10〜60μmにおいて、透湿度が20〜200
g/m2・24時間で、かつ面内のレターデーション値
Roが10nm以下であることが特徴である。なお、本
発明における上記各特性値は、特に断りのない限り、2
3℃、55%RHの条件下で測定した値で表す。
【0025】本発明における透湿度とは、JIS Z
0208に記載の方法で測定された値で定義する。本発
明では、透湿度が20〜200g/m2・24時間であ
ることが特徴であるが、50〜180g/m2・24時
間であることが好ましく、特に好ましくは、透湿度は5
0〜150g/m2・24時間である。透湿性が、20
0g/m2・24時間以上では偏光板の耐久性が低下
し、逆に20g/m2・24時間未満では、偏光板製造
時の接着剤に使われている水等の溶媒が乾燥しにくくな
り、乾燥時間が長くなるため好ましくない。上記所望の
透湿性を得るには、特に技術的手段として制限はない
が、本発明では光学フィルム表面に後述する硬質炭素含
有層を設けることが特に好ましい。また、光学フィルム
がセルロースエステルを含む場合は、200℃における
蒸気圧が1333Pa以下の可塑剤を含有させることが
特に好ましい。特に、可塑剤がリン酸エステル系である
ことが望ましい。
【0026】本発明の光学フィルムは、光学的に等方性
であり、23℃、55%RHにおいて、下式で表される
面内のレターデーション値Roが10nm以下であるこ
とが1つの特徴であり、更に好ましくは0〜5nmであ
る。これらの範囲を越えると、フィルムの等方性が悪く
なり、その用途が限定され好ましくない。本発明のRo
が、10nm以下で10〜60μmの薄膜フィルムであ
りながら、透湿度が20〜200g/m2・24時間で
ある光学フィルムを偏光板保護フィルムとして用いた場
合、高温高湿処理による偏光度の低下等に起因すると考
えられる表示品質の低下が少ないため好ましい。
【0027】Ro=(Nx−Ny)×d 式中、Nxはフィルム面内の屈折率が最大となる方向の
屈折率、Nyはフィルム面内でNxに直角な方向の屈折
率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。
【0028】また、下式で定義される膜厚方向のレター
デーション値Rtは、100nm以下であることが好ま
しい。
【0029】Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d 式中、Nzは厚み方向におけるフィルムの屈折率を表
し、Nx、Ny及びdは、上記Roにおけるそれらと同
義である。
【0030】更に、本発明においては、面内のレターデ
ーション値Roと面内の遅相軸方向と長尺方向とのなす
角度θが前記式1の関係を満たすことが更に好ましい。
【0031】より好ましくは、Pが0.99995であ
る時に、式1の関係を満たすことであり、透湿度及び寸
法変化率を本発明の範囲に設定すると共に式1の関係を
満たすことにより、高温高湿度条件に晒されても、耐久
性に優れた偏光板を提供することができる。
【0032】本発明において、“23℃、55%RHに
おいて”とは、35mm四方にカットした測定試料を2
3℃、55%RHの条件下に8時間放置した後、同条件
下にて測定する事を意味する。
【0033】上記のレターデーション値Rt又はRoの
測定は、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子
計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHにお
いて、590nmの波長における3次元屈折率測定を行
い、Nx、Ny、Nzを測定し、これによりRt、Ro
を算出することができる。また、この方法でフィルム面
内の遅相軸方向θを求めることができる。
【0034】本発明の光学フィルムで、上記レターデー
ション値Ro及びRtを得るには、特に制限はなく、例
えば溶融流延法であっても、溶液流延法でも良いが、好
ましくは光学フィルムの製膜方法において、溶液流延法
によって製膜される事が好ましく、バンドやドラムを用
いて製膜することが出来る。光学フィルムは、流延後、
バンドやドラム等の支持体から剥ぎ取る。その後、張力
をかけて乾燥ゾーン中を搬送させ、乾燥される。フィル
ムをベルト(バンド)又はドラムから剥離する際の残留
溶媒量は10〜120%に調整することが好ましい。1
0%より少ない範囲では、生産効率が悪く、また面品質
が劣化し、また、120%よりも多い範囲では、フィル
ムの乾燥が十分におこなわれないばかりか、剥離が十分
にされなくなり、また面品質も劣化するため、実用とし
ては不十分である。また、剥離時の残留溶媒量として
は、更に好ましくは15〜100%であり、特に好まし
くは20〜80%である。
【0035】本発明に係るフィルム中の残留溶媒量は次
式で表される。 残留溶媒量=残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量
×100% なお、残存揮発分質量はフィルムを115℃で1時間加
熱処理したとき、加熱処理前のフィルム質量から加熱処
理後のフィルム質量を引いた値である。
【0036】また、本発明においては、フィルムをベル
トまたはドラムから剥離後の乾燥工程で、ピンテンター
方式又はクリップテンター方式でフィルムを延伸しなが
ら乾燥することが好ましい。これにより、面品質が更に
向上すると共に、Ro値を低くすることができる。な
お、上記記載のレターデーション値Ro、Rtの範囲に
なるように調整するためには、残留溶媒が比較的多い状
態を一定期間保つ必要がある。このためにはベルト又は
ドラム上で流延製膜する際に、該フィルムが、ベルトま
たはドラムから剥離されてから、ロール状に巻き取られ
るまでの間に、(残留溶媒量)≧10%の状態が剥離直
後から一分間以上保持される事が好ましく、更に好まし
くは3分以上であり、特に好ましくは5分以上である。
【0037】レターデーション値Ro、Rt値を所望の
値とするには、製膜、巻き取り後の残留溶媒は少ない方
がよい。そのために製膜後の巻き取り時の溶媒残留量
は、2質量%以下であることが好ましく、特に1質量%
以下であることが好ましく、特に好ましくは0.5質量
%以下である。特に、フィルム中に含まれる残留メチレ
ンクロライド量は、0.1質量%未満であることが好ま
しい。
【0038】該フィルムの製膜過程において、ベルトま
たはドラムから剥離されてロール状に巻き取られる間の
乾燥工程は、前記乾燥工程において設定される温度の最
も高い温度が該フィルムのガラス転移温度以下に調整さ
れることが好ましい。
【0039】請求項2の発明では、光学フィルムが、8
0℃、90%RHで50時間加熱処理した前後での寸法
変化率が、±0.1%未満であることが特徴であり、よ
り好ましくは±0.08%未満であり、更に好ましくは
±0.05%未満、特に好ましくは±0.01%未満で
ある。
【0040】本発明でいう寸法変化率とは、温度や湿度
の条件が過酷な状況でのフィルム縦方向及び横方向の寸
法変化を表す特性値である。具体的には、加熱条件、加
湿条件、熱湿条件下にフィルムを置いて、強制劣化処理
を施した後の、縦、横の寸法変化を測定する。例えば、
測定しようとするフィルム試料を、幅手方向150mm
×長手方向120mmサイズに断裁し、該フィルム表面
に、幅手方向及び長手方向それぞれに100mm間隔で
2ヶ所、カミソリ等の鋭利な刃物で十文字型の印を付け
る。該フィルムを23℃、55%RHの環境下で24時
間以上調湿し、顕微鏡で処理前の幅手方向及び長手方向
のそれぞれの印間距離L1を測定する。次に、該試料を
電気恒温槽中で、高温高湿処理(条件;80℃、90%
RHの環境下で、50時間放置をする)する。再び、該
試料を23℃、55%RHの環境下で24時間調湿し、
顕微鏡で処理後の幅手方向及び長手方向のそれぞれの印
間距離L2を測定する。この処理前後の変化率を次式に
よって求める。
【0041】 寸法変化率(%)=(L2−L1)/L1×100 式中、L1は処理前の印間距離、L2は処理後の印間距
離を表す。
【0042】すなわち、付す印の位置をフィルムの長手
方向(製膜方向)、幅手方向に付けることによって所望
の寸法変化率測定を行うことができるのである。
【0043】本発明の寸法変化率を達成するには、特に
技術的な制約はないが、例えば、光学フィルムの製膜時
の各工程での温度を適正化したり、後述する可塑剤の種
類や添加量を適宜調整して得ることができる。使用する
可塑剤は、200℃における蒸気圧が1333Pa以下
であることが好ましく、特にリン酸エステル系可塑剤で
あることが好ましい。また、本発明においては、特に光
学フィルムに硬質炭素含有層を設けることが好ましい。
【0044】本発明の光学フィルムは、透過率が90%
以上であることが望ましく、更に好ましくは92%以上
であり、さらに好ましくは93%以上である。又、ヘイ
ズは1%以下であることが好ましく、より好ましくは
0.5%以下であり、特に0.1%以下であることが好
ましい。
【0045】請求項5に係る発明では、光学フィルムの
少なくとも一方の表面に、硬質炭素によってコーティン
グ膜(以降、硬質炭素含有層という)が形成されている
ことを特徴としている。なお、硬質炭素含有層の上又は
下に別の層が積層されていてもよい。
【0046】光学フィルムの少なくとも一方の表面に、
硬質炭素含有層を設けることにより、光学フィルムにお
ける水分や酸素、二酸化炭素のような低分子無機ガスの
透過度が著しく減少されて、更には密着性、耐アルカリ
性が向上し、かつ偏光板用フィルムとしての透明性を損
なうことがほとんど無い。
【0047】本発明に係る硬質炭素含有層の膜厚は、5
0Å〜1μmであることが好ましく、また硬質炭素含有
層は、その組成として、炭素55〜75モル%、水素が
25〜45モル%であることが好ましい。
【0048】本発明に係る硬質炭素含有層を形成するに
は、例えば、請求項13に係るプラズマ処理によって、
光学フィルムの表面に硬質炭素含有層を形成することに
より得ることができる。この時、コーティングの基材で
ある光学フィルムを、その二軸方向にそれぞれ引っ張っ
て張りを与えた状態に保持することが好ましい。そし
て、原料ガスが供給された反応室内において、一対の電
極間に電力を投入してプラズマを発生させることによ
り、光学フィルムの表面に硬質炭素含有層を形成するこ
とが好ましい。
【0049】更に詳細に説明すると、本発明に係る硬質
炭素含有層は、イオン化蒸着法、すなわちイオンビーム
蒸着法等により生成されるイオン状態を経て形成されて
もよいし、真空蒸着法、すなわちスパッタリング法等に
より生成される中性粒子から形成されてもよいし、さら
には、これらの組み合せにより形成されてもよい。この
プラズマ状態により原料ガスがラジカルとイオンとに分
解され反応することによって、基板上に炭素原子Cと水
素原子Hとからなるアモルファス(非晶質)及び微結晶
質(結晶の大きさは数10Å〜数μm)の少くとも一方
を含む硬質炭素含有層が堆積する。また、硬質炭素含有
層の好ましい諸特性を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1中、各特性値は、以下の方法にて求め
る。比抵抗(ρ)はコプレナー型セルによるI−V特性
より求め、また光学的バンドギャップ(Egopt)
は、分光特性から吸収係数(α)を求め、下記数1式の
関係より決定する。
【0052】
【数1】
【0053】膜中水素量〔C(H)〕:赤外吸収スペク
トルから2900/cm付近のピークを積分し、吸収断
面積Aを掛けて求める。すなわち、 〔C(H)〕=A・∫α(ν)/ν・dν SP3/SP2比は、赤外吸収スペクトルを、SP3、S
2にそれぞれ帰属されるガウス関数に分解し、その面
積比より求める。ビッカース硬度(H)は、マイクロビ
ッカース計により、屈折率(n)はエリプソメーターに
より、欠陥密度はESRによりそれぞれ測定し、求め
る。
【0054】この様にして形成される硬質炭素含有層
は、ラマン分光法及びIR吸収法による分析の結果、夫
々炭素原子がSP3の混成軌道とSP2の混成軌道とを形
成した原子間結合が混在していることが明らかになって
いる。SP3結合とSP2結合の比率は、IRスペクトル
をピーク分離することで概ね推定できる。IRスペクト
ルには、2800〜3150/cmに多くのモードのス
ペクトルが重なって測定されるが、夫々の波数に対応す
るピークの帰属は明らかになっており、ガウス分布によ
ってピーク分離を行ない、夫々のピーク面積を算出し、
その比率を求めればSP3/SP2を知ることができる。
また、X線及び電子回折分析によればアモルファス状態
(a−C:H)、及び/又は約50Å〜数μm程度の微
結晶粒を含むアモルファス状態にあることが判ってい
る。
【0055】本願発明に係る硬質炭素含有層の一形態と
しては、光学フィルムの片側の表面に、ダイアモンド状
炭素からなる硬質炭素膜を形成する方法である。このダ
イアモンド状炭素からなる硬質炭素膜とは、カーボン又
は水素化アモルファスカーボン(a−C:H)と呼ばれ
る硬質炭素により、炭素間のSP3結合を主体にして形
成されたアモルファスな炭素膜のことを言い、非常に固
く絶縁性に優れており、しかも高い屈折率を有する非常
に滑らかなモルフォロジを有している。
【0056】光学フィルムとしては、前記の公知の透明
樹脂フィルムの中から適宜選択して用いることができ
が、本発明では、特にセルロースエステルフィルムに適
用することが好ましい。
【0057】本発明におけるプラズマ処理としては、真
空グロー放電、大気圧グロー放電等によるものがあり、
その他の方法としてフレームプラズマ処理等の方法があ
げられる。これらは、例えば特開平6−123062
号、同11−5857号、同11−293011号等に
記載された方法を用いることが出来る。
【0058】プラズマ処理によれば、プラズマ中におい
た光学フィルムの表面を処理することで、同時に強い親
水性を与える事も出来る。例えば、上記のグロー放電に
よるプラズマ発生装置中においては、真空室内に相対す
る様に配置され、一方が高周波電源に接続され、他方が
アースされた一対の電極間に、硬質炭素含有層を付与し
ようとする光学フィルムを置き、真空室内を真空にした
後、この装置中にプラズマ励起性気体及び硬質炭素含有
層を形成するための原料ガスを導入し、一方の電極に高
周波電圧を印加し、一対の電極間で該気体をプラズマ励
起させ、このプラズマ中に存在する炭素原子を有する原
料ガスをイオン化して光学フィルムの表面に衝突させる
ものである。そして、この光学フィルムの表面に衝突し
た炭素イオンが、近接するもの同士で結合することによ
って、光学フィルムの表面に極めて緻密なダイアモンド
状炭素からなる硬質炭素含有層を形成するものである。
【0059】プラズマ励起性気体とは上記のような条件
においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘ
リウム、ネオン、クリプトン、キセノン等及びそれらの
混合物などがあげられる。
【0060】また、硬質炭素含有層を形成するための原
料ガスとしては、常温で気体または液体の有機化合物ガ
ス、特に炭化水素ガスが用いられる。これら原料におけ
る相状態は常温常圧において必ずしも気相である必要は
なく、加熱或は減圧等により溶融、蒸発、昇華等を経て
気化し得るものであれば、液相でも固相でも使用可能で
ある。原料ガスとしての炭化水素ガスについては、例え
ば、CH4、C26、C38、C410等のパラフィン系
炭化水素、C22、C24等のアセチレン系炭化水素、
オレフィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、さら
には芳香族炭化水素などすベての炭化水素を少なくとも
含むガスが使用可能である。さらに、炭化水素以外で
も、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エ
ステル類、CO、CO2等少なくとも炭素元素を含む化
合物であれば使用可能である。特に、この原料ガスに
は、炭素数が6以上のベンゼン、n−ヘキサン、トルエ
ン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、シク
ロヘキサン等が望ましい。また、これらの原料は、単独
で用いても良いが、2種以上の成分を混合して使用する
ようにしても良い。
【0061】印加する高周波電圧の周波数としては、1
kHz以上100kHz以下が好ましく、更に好ましく
は1kHz以上10kHz以下である。
【0062】これらのグロー放電によるプラズマ処理に
は、真空下もしくは減圧下でこれを行う方法と、大気圧
下でこれを行う方法が好ましく用いられる。
【0063】グロー放電による真空プラズマ放電処理に
おいては、有効に放電を起こさせるために、その雰囲気
を0.7〜2660Paの範囲に保つ様に上記反応性ガ
スを導入することが好ましい。処理速度を上げるにはな
るべく高圧側で高出力条件を採用することが好ましい
が、電界強度を上げすぎると基材にダメージを与える場
合がある。
【0064】大気圧近傍でプラズマ放電を行う大気圧グ
ロー放電による場合には、安定に放電を起こさせるため
にヘリウムやアルゴン等の不活性ガスが必要であり、上
記プラズマ励起性ガスのうち60%以上が不活性ガスで
ある様にしないと安定な放電を得ることが難しい。しか
しながら余り不活性ガスが多く、反応性ガスの割合が少
ないと処理速度が低下する。電界強度を上げすぎてもや
はり基材にダメージを与えることがある。
【0065】又、大気圧近傍でプラズマ処理を行う場合
でも、パルス化された電解でプラズマを発生させる場合
には、上記不活性ガスは必ずしも必要でなく、反応ガス
濃度を上げることが出来、反応速度を大きくする事がで
きる。
【0066】また、特開平10−194888号記載の
方法にて、硬質炭素含有層を形成することもできる。
【0067】上記のような方法によってダイアモンド状
炭素よりなる硬質炭素含有層を光学フィルム表面に形成
することにより、光学フィルムの水分に対する透過度を
著しく減少させることができ、かつ光学フィルムの有す
る透明性が損なわれることもない。
【0068】なお、硬質炭素含有層の膜厚および膜質
は、高周波の出力、真空室内の原料ガスの圧力、供給ガ
ス流量、プラズマ発生時間、電極に発生する自己バイア
スおよび原料ガスの種類等に依存し、高周波出力の増
加、真空室内の原料ガスの圧力減少、供給ガスの流量減
少、自己バイアスの増加および原料の炭素数の低下等
は、何れも硬質炭素含有層の硬化、緻密さの向上、圧縮
応力の増大および脆さに大きな影響を与える。
【0069】また、硬質炭素含有層と光学フィルムとの
接着性を向上させるために、硬質炭素含有層を形成する
前に、アルゴンや酸素などの無機ガスによりプラズマ処
理を行い、光学フィルムの表面を活性化させるようにす
るのが好ましい。
【0070】本発明の硬質炭素含有層の上に必要に応じ
て、帯電防止層、易接着層、クリアハードコート層、反
射防止層、接着層、防眩層、配向層/液晶層を適宜設け
ることができる。その際、硬質炭素を含む層とその上に
塗設される層の濡れ性及び/又は接着性を改善するため
に、さらにアルゴン、ネオン等の不活性ガス、酸素、水
素、窒素、水蒸気の1種以上を含む雰囲気下でプラズマ
処理を施し、改善することもできる。
【0071】また、プラズマ法により光学フィルム表面
に形成された層が、本発明に係る硬質炭素含有層である
か否かについては、ラマン分光法を用いて評価すること
により確認することができる。
【0072】本発明では、別の実施態様によっても薄膜
でありながら偏光板の耐久性及び表示品質に優れた偏光
板保護フィルムを提供することができる。すなわち、透
湿度と面内レターデーション値及び寸法変化率に優れる
セルロースエステルフィルムによって、達成することが
できる。
【0073】次いで、本発明に係るセルロースエステル
について説明する。本発明に用いられるセルロースエス
テルとしてはセルロースの低級脂肪酸エステルが好まし
い。
【0074】セルロースエステルの低級脂肪酸エステル
における低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸
を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロース
プロピオネート、セルロースブチレート等、又特開平1
0−45804号、同8−231761号、米国特許第
2,319,052号等に記載されているセルロースア
セテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレ
ート等の混合脂肪酸エステルがセルロースの低級脂肪酸
エステルの例として挙げられる。
【0075】上記脂肪酸のなかでも、特に好ましく用い
られるのは、セルローストリアセテート、セルロースア
セテートプロピオネートである。
【0076】セルロースアセテートの場合には、フィル
ム強度の観点から、特に重合度250〜400、平均酢
化度(結合酢酸量)が54.0〜62.5%が好ましく
用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度(結合酢酸
量)が58.0〜62.5%のセルローストリアセテー
トである。
【0077】セルロースアセテートプロピオネート、セ
ルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート
プロピオネートブチレートでは、総置換度2.3〜3.
0のセルロースエステルが好ましく用いられ、特に好ま
しくは、総置換度2.5〜2.9のセルロースアセテー
トプロピオネートが好ましく用いられる。これらのセル
ロースエステルのアセチル置換度は2.4未満であるこ
とが好ましく、特に1.5〜2.0であることが好まし
い。
【0078】セルロースエステルのアシル基の置換度の
測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じ
て実施することが出来る。これらのセルロースエステル
の分子量は、数平均分子量として70,000〜30
0,000の範囲が、フィルムに成形した場合の機械的
強度が強く好ましい。更に80,000〜200,00
0が好ましい。通常、セルロースエステルは、水洗処理
後、フレーク状となり、その形状で使用されるが、粒子
サイズは、粒径を0.05〜2.0mmの範囲とするこ
とにより溶解性を早めることができ好ましい。
【0079】セルロースエステルは、綿花リンターから
合成されたセルロースエステルと木材パルプから合成さ
れたセルロースエステルを単独或いは混合して用いるこ
とができる。セルロースエステルに用いられる原料セル
ロースは、綿花、木材パルプに限定されず、ケナフ等を
用いたものであってもよい。
【0080】次に、本発明セルロースエステルフィルム
中に含有される可塑剤について説明する。
【0081】用いることのできる可塑剤としては特に限
定しないが、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル
酸エステル系可塑剤などを好ましく用いることができ
る。リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホ
スフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェ
ニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート等があり、フタル酸エステ
ル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタ
レート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレー
ト、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリ
ルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレ
ート等がある。また、分子量1000〜10万の樹脂成
分を有する高分子可塑剤も好ましく用いられる。
【0082】本発明では、特に、200℃における蒸気
圧が1333Pa以下の可塑剤を用いることが好まし
く、より好ましくは蒸気圧667Pa以下、更に好まし
くは133〜1Paの化合物である。低揮発性の可塑剤
としては、特に限定されないが、例えば、アリーレンビ
ス(ジアリールホスフェート)エステル、リン酸トリク
レシル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)等
が上げられる。中でもリン酸エステル系可塑剤が好まし
く、特に、アリーレンビス(ジアリールホスフェート)
エステルであることが好ましい。好ましいアリーレンビ
ス(ジアリールホスフェート)エステルの例としては、
例えば、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェ
ート)、1,4−フェニレンビス(ジフェニルホスフェ
ート)、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフ
ェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェ
ート)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定され
ない。これらの可塑剤は、本来の目的であるフィルムに
柔軟性を与える他、透湿性を低下したり、寸法安定性の
向上に寄与するものである。更に、面内レターデーショ
ン値が低いフィルムが得やすい点で優れている。
【0083】これらの可塑剤は、必要に応じて2種類以
上を併用して用いてもよい。又、可塑剤の使用量は、セ
ルロースエステルに対して1〜30質量%含有されるこ
とが好ましく、2〜25質量%が更に好ましく、2〜2
0質量%が更に好ましく、特に好ましくは3〜15質量
%である。
【0084】本発明の光学フィルムにおいては、カール
値は絶対値が小さい方が好ましく、変形方向は、+方向
でも、−方向でもよい。カール値の絶対値は30以下で
あることが好ましく、更に好ましくは20以下であり、
10以下であることが特に好ましい。なお、カール値
は、曲率半径(1/m)で表される。
【0085】本発明のセルロースエステルフィルムにお
いては、上記可塑剤の他にも可塑剤と同様の作用を示す
添加剤が含有されることがある。これらの添加剤として
はセルロースエステルフィルムを可塑化することのでき
る有機化合物であれば、可塑剤と同様に本発明の効果を
得ることができる。これらの成分は可塑剤に比べ直接フ
ィルムを可塑化する目的で添加されるものではないが、
量に応じて上記可塑剤と同様の作用を示す。
【0086】本発明のセルロースエステルフィルムは、
良好な透湿性、寸法安定性等から液晶表示用部材、詳し
くは偏光板用保護フィルムに用いられるのが好ましい。
特に、寸法安定性に対して厳しい要求のある偏光板用保
護フィルムにおいて、本発明のセルロースエステルフィ
ルムは好ましく用いられる。
【0087】本発明のセルロースエステルフィルムに、
必要に応じて使用される紫外線吸収剤としては、液晶の
劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸
収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長4
00nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用
いられる。本発明においては、特に波長370nmでの
透過率が10%以下であることが好ましく、より好まし
くは、5%以下、更に好ましくは2%以下である。
【0088】本発明に用いられる紫外線吸収剤は、特に
限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル
系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレー
ト系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体などが挙
げられる。
【0089】本発明においては、低分子の紫外線吸収剤
より析出等が起こりにくい点で、高分子紫外線吸収剤を
用いることがより好ましく、寸法安定性、保留性、透湿
性等を損なうことなく、またフィルム中で相分離するこ
ともなく安定した状態で紫外線を十分にカットすること
が出来る。本発明に有用な高分子紫外線吸収剤として
は、特に制限はなく、例えば、特開平6−148430
号公報に記載されている高分子紫外線吸収剤や紫外線吸
収剤モノマーを含むポリマー等を用いることができる。
また、市販品としての紫外線吸収剤モノマーとして、例
えば、大塚化学社製の反応型紫外線吸収剤であるRUV
A−93(1−(2−ベンゾトリアゾール)−2−ヒド
ロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)ベン
ゼン)またはこの類似化合物がある。これらを単独又は
共重合したポリマーまたはコポリマーも好ましく用いら
れるが、これらに限定されない。また、市販品の高分子
紫外線吸収剤としては、例えば、大塚化学(株)製のP
UVA−30Mも好ましく用いられる。本発明におい
て、高分子紫外線吸収剤の使用量は、化合物の種類、使
用条件などにより一様ではないが、セルロースエステル
フィルムに対して0.5〜6.0質量%が好ましい。紫
外線吸収剤は、2種以上用いてもよい。紫外線吸収剤の
ドープへの添加方法は、アルコールやメチレンクロライ
ド、ジオキソラン、酢酸メチルなどの有機溶媒に紫外線
吸収剤を溶解してから添加するか、または直接ドープ組
成中に添加してもよい。
【0090】紫外線吸収剤は単独で用いても良いし、2
種以上の混合物であっても良い。本発明で好ましく用い
られる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光
板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が
好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤が特に好ましい。
【0091】紫外線吸収剤の使用量は化合物の種類、使
用条件などにより一様ではないが、通常はセルロースエ
ステルフィルム1m2当り、0.2g〜2.0gが好ま
しく、0.4g〜1.5gがさらに好ましい。
【0092】又、本発明においては、フィルムの黄色み
を抑えフィルムの酸化防止をするために青色染料が添加
剤として用いられることもできる。これらの染料も前述
のように、可塑剤と同様の効果を有する添加剤である
が、好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げ
られる。
【0093】アンスラキノン系染料は、アンスラキノン
の1位から8位迄の位置に任意の置換基を有することが
出来る。好ましい置換基としては、置換されても良いア
ニリノ基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、又は
水素原子が挙げられる。
【0094】これらの染料のフィルムへの添加量はフィ
ルムの透明性を維持するため0.1〜1000μg/m
2、好ましくは10〜100μg/m2である。
【0095】また、本発明のセルロースエステルフィル
ムには、フィルムに滑り性を付与するため、マット剤と
して二酸化珪素等の微粒子を加えても良い。これらの微
粒子は有機物で表面処理されていることが、フィルムの
ヘイズ低下を出来るため好ましい。
【0096】表面処理で好ましい有機物としては、ハロ
シラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン
などが挙げられる。
【0097】微粒子の平均径が大きい方が、マット効果
は大きく、平均径の小さい方は透明性に優れる為、本発
明においては、微粒子の1次粒子の平均径が5〜50n
mが好ましく、更に好ましくは、7〜20nmである。
【0098】二酸化珪素の微粒子としては、特に限定さ
れないが、例えば、アエロジル(株)製のAEROSI
L200、300、R972、R974、R202、R
812、OX50、TT600などがあげられ、好まし
くはAEROSIL200、R972、R974、R2
02、R812などがあげられる。これらのマット剤
は、2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、
任意の割合で混合して使用することができる。この場
合、平均粒径及び/又は材質の異なるマット剤、例え
ば、AEROSIL 200VとR972Vを、質量比
で0.1:99.9〜99.9:0.1の範囲で用いる
ことができる。
【0099】これら微粒子は、通常平均粒径が0.01
〜1.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子は、
フィルム中では1次粒子の凝集体として存在し、フィル
ム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させる。こ
れらの微粒子の含有量は、セルロースエステルに対して
0.005〜0.3質量%が好ましい。
【0100】次に、本発明におけるセルロースエステル
ドープの調製方法について述べる。セルロースエステル
に対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中でフレ
ーク状のセルロースエステルを攪拌しながら溶解し、ド
ープを形成する。溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の
沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う
方法、特開平9−95544号、同9−95557号ま
たは同9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で
行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き
高圧で行う方法等種々の溶解方法がある。溶解後、ドー
プを濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。ド
ープ中のセルロースエステルの濃度は、10〜35質量
%程度である。更に好ましくは、15〜25質量%であ
る。本発明に有用な添加剤をセルロースエステルドープ
中に含有させるには、特に制限はなく、例えば、予め有
機溶媒に添加剤を溶解してから添加する方法、セルロー
スエステルドープに直接添加する方法等、適宜選択して
用いることができる。この場合、添加剤がドープ中で白
濁したり、相分離したりしないように添加する必要があ
る。
【0101】上述のセルロースエステルに対する良溶媒
である有機溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸アミル、ギ酸エチル、アセトン、シクロヘキ
サノン、アセト酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン、1,4−ジオキサン、2,2,2−トリフルオロエ
タノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロ
パノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル
−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、塩化メチレン、ブロモ
プロパン等を挙げることができ、特に、酢酸メチル、ア
セトン、塩化メチレンが好ましい。しかし、最近の環境
問題から、非塩素系の有機溶媒の方が好ましい傾向にあ
る。また、これらの有機溶媒に、メタノール、エタノー
ル、ブタノール等の低級アルコールを併用すると、セル
ロースエステルの有機溶媒への溶解性が向上したり、ド
ープ粘度を低減することができ好ましい。特に、沸点が
低く、毒性の少ないエタノールが好ましい。本発明に係
るドープに使用する有機溶媒は、セルロースエステルの
良溶媒と貧溶媒を混合して使用することが、生産効率の
点で好ましく、良溶媒と貧溶媒の混合比率の好ましい範
囲は、良溶媒が70〜98質量%であり、貧溶媒が2〜
30質量%である。本発明に用いられる良溶媒、貧溶媒
とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するも
のを良溶媒、単独では溶解しないものを貧溶媒と定義し
ている。本発明に係るドープに用いることのできる貧溶
媒としては、特に限定されないが、例えば、セルロース
トリアセテートの場合は、メタノール、エタノール、n
−ブタノール、シクロヘキサン、アセトン、シクロヘキ
サノン等を好ましく使用し得る。本発明に有用な添加剤
に対しても、有機溶媒の選定は、セルロースエステルの
良溶媒を用いるのが好ましい。前記のように、低分子可
塑剤を使用する場合には、通常の添加方法で行うことが
出来、ドープ中に直接添加しても、予め有機溶媒に溶解
してからドープ中に注ぎ入れてもよい。
【0102】前記のような種々の添加剤をセルロースエ
ステルドープに添加する方法としては、各種添加剤を少
量のセルロースエステルとともに溶解もしくは分散させ
た溶液とし、これをセルロースエステルドープにインラ
イン添加し混合を行うことが好ましい。例えば、スタチ
ックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器 Hi−M
ixer:東レエンジニアリング社製)のようなインラ
インミキサーを使用するのが好ましい。インラインミキ
サーは、セルロースエステルを高圧下で濃縮溶解したド
ープに適用することが好ましく、加圧容器の種類は、特
に問うところではなく、所定の圧力に耐えることがで
き、加圧下で加熱、攪拌ができればよい。
【0103】本発明において、セルロースエステルドー
プは濾過することによって、異物、特に、液晶画像表示
装置において、表示画像と誤認しやすい異物は、除去し
なければならい。偏光板用保護フィルムの品質は、この
濾過によって決まるといってよい。濾過に使用する濾材
は、絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精
度が小さすぎると濾過材の目詰まりが発生しやすく、濾
材の交換を頻繁に行わなければならず、生産性を低下さ
せるという問題点がある。このため、本発明のセルロー
スエステルドープの濾材は、絶対濾過精度0.008m
m以下のものが好ましく、0.0001〜0.008m
mの範囲がより好ましく、0.003〜0.006mm
の範囲の濾材が更に好ましい。濾材の材質には、特に制
限はなく、通常の濾材を使用することが出来るが、ポリ
プロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック繊
維製の濾材やステンレス繊維等の金属製の濾材が、繊維
の脱落等がなく好ましい。あるいは、セルロース繊維
(濾紙、和紙等)からなる濾材も目詰まりしにくく、異
物除去効果に優れる点で好ましく用いられる。
【0104】本発明のセルロースエステルドープの濾過
は、通常の方法で行うことが出来るが、溶媒の常圧での
沸点以上で、かつ溶媒が沸騰しない範囲の温度で加圧下
加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の差圧(以下、
濾圧とすることがある)の上昇が小さく、好ましい。好
ましい温度範囲は45〜120℃であり、45〜70℃
がより好ましく、45〜55℃の範囲であることが更に
好ましい。濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6×
106Pa以下であることが好ましく、1.2×106
a以下であることがより好ましく、1.0×106Pa
以下であることが更に好ましい。原料のセルロースにア
シル基の未置換もしくは低置換度のセルロースエステル
が含まれていると、異物故障(以下輝点とすることがあ
る)が発生することがある。輝点は、直交状態(クロス
ニコル)の2枚の偏光板の間にセルロースエステルフィ
ルムを置き、光を片側から照射して、その反対側から光
学顕微鏡(50倍)で観察すると、正常なセルロースエ
ステルフィルムであれば、光が遮断されていて、黒く何
も見えないが、異物があるとそこから光が漏れて、スポ
ット状に光って見える現象である。輝点の直径が大きい
ほど、液晶画像表示装置とした場合の実害が大きく、特
に、50μmを越える輝点が実質的に存在しないことが
好ましく、10〜50μmの大きさのものが300個/
cm2以下であることが好ましく、200個/cm2以下
であることがより好ましい。10μm未満の異物であっ
ても極力少ないことが望ましい。なお、輝点の直径と
は、輝点を真円に近似して測定する直径を意味する。こ
のような輝点の発生数及び大きさを減少させるために、
細かい異物を十分濾過する必要がある。また、特開20
00−137115号公報に記載のような、一度製膜し
たセルロースエステルフィルムの粉砕品をドープにある
割合再添加して、セルロースエステル及びその添加剤の
原料とする方法は輝点を低減することが出来るため好ま
しく用いることが出来る。
【0105】次に、セルロースエステルドープを金属支
持体上に流延する工程、金属支持体上での乾燥工程及び
ウェブを金属支持体から剥離する剥離工程について述べ
る。金属支持体は、無限に移行する無端の金属ベルト、
あるいは回転する金属ドラムであり、その表面は鏡面と
なっている。流延工程は、上記の如きドープを加圧型定
量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置にお
いて、金属支持体上に加圧ダイからドープを流延する工
程である。その他の流延する方法は流延されたドープ膜
をブレードで膜厚を調節するドクターブレード法、ある
いは逆回転するロールで調節するリバースロールコータ
ーによる方法等があるが、口金部分のスリット形状を調
整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧
ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何
れも好ましく用いられる。製膜速度を上げるために加圧
ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割し
て重層してもよい。膜厚の調節には、所望の厚さになる
ように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のス
リット間隙、ダイの押し出し圧力、金属支持体の速度等
をコントロールするのがよい。
【0106】金属支持体上での乾燥工程は、ウェブ(金
属支持体上に流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブ
とする)を支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる工程で
ある。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側及び支持体裏側
から加熱風を吹かせる方法、支持体の裏面から加熱液体
により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する
方法等がある。また、それらを組み合わせる方法も好ま
しい。また、ウェブの膜厚が薄ければ乾燥が早い。金属
支持体の温度は全体が同じでも、位置によって異なって
いてもよい。
【0107】本発明に適した金属支持体上での乾燥方法
は、例えば、金属支持体温度を0〜40℃、好ましくは
5〜30℃として流延するのが好ましい。ウェブに当て
る乾燥風は30〜45℃程度が好ましいが、これに限定
されない。
【0108】剥離工程は、金属支持体上で有機溶媒を蒸
発させて、金属支持体が一周する前にウェブを剥離する
工程で、その後ウェブは乾燥工程に送られる。金属支持
体からウェブを剥離する位置のことを剥離点といい、ま
た剥離を助けるロールを剥離ロールという。ウェブの厚
さにもよるが、剥離点でのウェブの残留溶媒量(下記
式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に支持
体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブ
の一部が剥がれたりすることがある。通常、残留溶媒量
が20〜150質量%でウェブの剥離が行われる。本発
明において好ましい剥離残留溶媒量は20〜40質量%
または60〜120質量%で、特に好ましくは20〜3
0質量%または70〜115質量%である。製膜速度を
上げる方法(残留溶媒量が出来るだけ多いうちに剥離す
るため製膜速度を上げることが出来る)として、残留溶
媒量が多くとも剥離出来るゲル流延法(ゲルキャスティ
ング)がある。その方法としては、ドープ中にセルロー
スエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲ
ル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等
がある。また、ドープ中に金属塩を加える方法もある。
支持体上でゲル化させ膜を強くすることによって、剥離
を早め製膜速度を上げることが出来る。残留溶媒量がよ
り多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥
離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジ
が発生し易く、経済速度と品質との兼ね合いで残留溶媒
量を決められる。
【0109】また、セルロースエステルフィルムの乾燥
工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾
燥し、残留溶媒量を2.0質量%以下にすることが好ま
しい、より好ましくは1.0質量%、更に好ましくは、
0.5質量%以下である。
【0110】ウェブ乾燥工程ではロールを千鳥状に配置
したロール乾燥装置、ウェブの両端をクリップで把持し
ながら、幅保持あるいは若干幅方向に延伸するテンター
乾燥装置でウェブを搬送しながら乾燥する方式が採られ
る。本発明においては、テンター乾燥装置の使用は、支
持体より剥離した後任意の過程で、また任意の残留溶媒
量の多いところで、幅保持または延伸することによって
寸法安定性を良好ならしめるため、特に好ましい。幅手
方向の延伸倍率は、面内レターデーション値が10nm
以内となるように適宜調整することが望ましく、すなわ
ち、面内レターデーション値は、幅手方向の延伸倍率を
変えることで調整することが可能である。ウェブを乾燥
させる手段は、特に制限なく、一般的に、熱風、赤外
線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。簡便さの点で熱
風で行うのが好ましい。乾燥温度は40〜150℃の範
囲で段階的に高くしていくことが好ましく、50〜14
0℃の範囲で行うことが寸法安定性を良くするため更に
好ましい。特に、本発明の光学フィルムでは、200℃
における蒸気圧が、1333Pa以下である可塑剤を用
いて、125℃以上の温度で3分間以上、より好ましく
は5分間以上乾燥させることが、より透湿度を低下させ
ることができ好ましい。
【0111】セルロースエステルフィルムの膜厚は、通
常10〜200μmのものが用いられているが、薄い方
が出来上がった偏光板が薄くなり、液晶ディスプレイの
薄膜化が容易になるため好ましいが、薄すぎると、透湿
度や、引き裂き強度などが劣化する。これらを両立する
セルロースエステルフィルムの膜厚は10〜60μmが
好ましく、20〜55μmが更に好ましく、35〜50
μmが特に好ましい。
【0112】本発明のセルロースエステルフィルムは、
高い透湿性、寸法安定性などから、各種表示装置に使用
される光学フィルムとして好ましく用いられる。中で
も、液晶表示用部材に用いられるのが好ましい。液晶表
示用部材とは、液晶表示装置に使用される部材のこと
で、例えば、偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差
板、反射板、視野角向上フィルム、光学補償フィルム、
防眩フィルム、無反射フィルム、反射防止フィルム、帯
電防止フィルム等が挙げられる。上記記載の中でも、偏
光板、偏光板用保護フィルムに用いるのが、特に好まし
い。また、これらは、液晶表示装置以外の各種表示装置
にも適宜使用することができる。
【0113】本発明に係る偏光板は、一般的な方法で作
製することができる。例えば、本発明の光学フィルム或
いはセルロースエステルフィルムをアルカリケン化処理
し、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸
漬、延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポ
リビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法が
ある。アルカリケン化処理とは、水系接着剤の濡れを良
くし、接着性を向上させるために、セルロースエステル
フィルムを高温の強アルカリ液中に漬ける処理のことを
いう。このようにして得られた偏光板が、液晶セルの片
面又は両面に設けられ、これを用いて、本発明の液晶表
示装置が得られる。
【0114】また、本発明の硬質炭素含有層は、偏光板
を作製後、その表面にプラズマ処理を施して、形成する
こともできる。
【0115】また、本発明の偏光板用保護フィルムのセ
ルロースエステルフィルムの製膜方向(長手方向に相当
する)と遅相軸とのなす角度θが、0、+π/2もしく
は−π/2に近いほど好ましい。ただし、θは製膜方向
と遅相軸とがなす狭い角度であり、+π/2〜−π/2
の範囲にある。この様にすることにより、本発明の偏光
板用保護フィルムを用いた偏光板の偏光度が向上する。
ここで、遅相軸方向とは、フィルム面内の屈折率が最も
高くなる方向である。更に好ましくは、θと面内方向の
レターデーション値Roが前記式1の関係にあることで
ある。
【0116】前記式1において、Pが0.9999であ
る時にθとRoが式1の条件を満たすことが好ましく、
更に好ましくはPが0.99995である時にθとRo
が前記式1を満たすことが好ましく、更に好ましくはP
が0.99998である時にθとRoが式1を満たすこ
とが好ましい。λはθとRoを求めるための三次元屈折
率測定の際の光の波長を表し、380〜650nmの範
囲にある。好ましくはλが590nmの時に前記式1を
満たすことが好ましく、更に好ましくはλが400nm
の時に式1を満たすことである。
【0117】本発明の偏光板用保護フィルムは、鹸化処
理を行った後も、光透過率(可視光の)が90%以上で
あることが好ましく、より好ましくは92%以上、更に
94%以上であることが好ましく、またヘイズは1%未
満であることが好ましく、より好ましくは0.5%未
満、更に0.1%未満であることが好ましい。特に0%
であることが最も好ましい。
【0118】本発明の光学フィルムは、各種表示装置に
高い表示性能とともに耐久性を付与することができ、特
に、偏光板保護フィルムとして用いた場合、薄膜であり
ながら偏光板に優れた耐久性を付与することにより、高
い表示性能を付与することができる。
【0119】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0120】実施例1 《光学フィルムの作製》以下に示す方法に則り、光学フ
ィルムを作製した。
【0121】(本発明試料1及び比較試料1の作製)図
1に示した反応容器に、径50mmの真鍮製上下電極1
を設け、誘電体3として電極よりも大きな100μm厚
のポリイミドを電極に貼り合わせた。下部電極の上に、
試料2である150mm×150mmの膜厚40μmの
トリアセチルセルロースフィルム(コニカタック KC
4UXMW コニカ株式会社製)を配置し、極板間隙を
20mmとし、その容器内を流出口5より脱気し13.
3Paまで減圧した後、真空室内にn−ヘキサンとアル
ゴンの混合ガスを流入口4から注入し、高周波出力を1
3.56MHzとし、プラズマ放電を行い、トリアセチ
ルセルロースフィルム上に硬質炭素含有層を形成し、こ
れを本発明試料1とした。また、上記プラズマ処理を施
さないトリアセチルセルロースフィルム(コニカタック
KC4UXMW コニカ株式会社製)を比較試料1と
した。
【0122】(本発明試料2及び比較試料2の作製)上
記本発明試料1の作製において、トリアセチルセルロー
スフィルムに代えて150mm×150mmの膜厚40
μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルム
(アセチル基置換度2.0、プロピオニル基置換度0.
8、可塑剤含有量は固形分あたりトリフェニルフォスフ
ェート8%、エチルフタリルエチルグリコレート4%)
を用い、かつ原料ガスとしてn−ヘキサンに代えてベン
ゼンを用いた以外は同様にして、本発明試料2を作製し
た。
【0123】また、上記同様にプラズマ処理を施さない
セルロースアセテートプロピオネートフィルムを比較試
料2とした。
【0124】(本発明試料3の作製)以下に示す方法に
従って、光学フィルムである本発明試料3を作製した。
【0125】 〈酸化ケイ素分散液Aの調製〉 アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) (一次粒子の平均径12nm) 1kg エタノール 9kg 以上をディゾルバで30分間撹拌混合した後、マントン
ゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行った。分散後
の液濁度は、93ppmであった。
【0126】上記の液濁度は、T−2600DA(東京
電色工業(株)社製)を使用して測定した。
【0127】 〈添加液Bの調製〉 トリアセチルセルロース(平均酢化度61%) 6kg メチレンクロライド 140kg 以上を密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら、完全に
溶解、濾過した。これに10kgの上記酸化ケイ素分散
液Aを撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌した
後、濾過して添加液Bを調製した。
【0128】 〈ドープ原液Cの調製〉 トリアセチルセルロース(平均酢化度61%) 100kg メチレンクロライド 475kg エタノール 50kg ドープ原液Cに、下記に示した割合で可塑剤、UV剤を
密閉容器に投入し、加熱、撹拌しながら、完全に溶解
し、濾過した。更に、上記添加液Bを2kg添加し、イ
ンラインミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mi
xer、SWJ東レ社製)で十分混合した後、濾過して
ドープ原液Cを調製した。
【0129】 トリフェニルフォスフェート 8kg エチルフタリルエチルグリコレート 4kg チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.3kg チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg 次いで、ベルト流延装置を用い、前記ドープ原液Cを、
温度33℃、1500mm幅でステンレス製の流延ベル
ト上にダイコータから押し出し、乾燥膜厚が40μmに
なるように均一に流延した。ステンレス製の流延ベルト
上で、残留溶媒量が25%になるまで溶媒を蒸発させ、
剥離張力127Paで流延ベルト上から剥離した。製膜
速度40m/minにて剥離したセルローストリアセテ
ートフィルムをテンターにより幅保持を行いながら初期
乾燥を行い、その後、乾燥ゾーンをロールで搬送させな
がら125℃で20分乾燥させ、1100mm幅にスリ
ットし、光学フィルムAを得た。
【0130】前記の本発明試料2の作製において、セル
ロースアセテートプロピオネートの代わりに、上記作製
した光学フィルムAを用いた以外は同様にしてプラズマ
処理を行い、本発明試料3を作製した。
【0131】(本発明試料4の作製)上記作製した本発
明試料3の光学フィルムAにおいて、ドープ原液Cに添
加する可塑剤をトリフェニルフォスフェート、エチルフ
タリルエチルグリコレートから1,3−フェニレンビス
(ジキシレニルホスフェート)15kgに変更し、更に
剥離後のテンターでの乾燥時に、幅手方向に1.06倍
となるように延伸し、乾燥膜厚を50μmにした以外は
同様にして、本発明試料4を作製した。なお、この試料
にはプラズマ処理は施していない。
【0132】(本発明試料5の作製)1,3−フェニレ
ンビス(ジキシレニルホスフェート)の添加量を20k
gに変更し、乾燥膜厚を40μmに変更した以外は、上
記本発明試料4と同様の方法で本発明試料5を作製し
た。
【0133】《光学フィルムの特性評価》以上のように
して作製した本発明試料1〜5及び比較試料1、2につ
いて、以下に示す方法により各特性値の測定を行った。
【0134】(レターデーション値Roの測定)各試料
について、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王
子計測機器(株)製)を用いて、波長が590nmで3
次元屈折率測定を行い、屈折率Nx、Ny、Nzを測定
し、下式によりレターデーション値Roを算出した。
【0135】Ro値=(Nx−Ny)×d 式中、Nxはフィルムのフィルム面内の屈折率が最大と
なる方向の屈折率、Nyはフィルム面内でNxに直角な
方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を表す。
【0136】(寸法変化率の測定)各試料を、幅手方向
150mm×長手方向120mmサイズに断裁し、該フ
ィルム表面に、幅手方向及び長手方向それぞれに100
mm間隔で2ヶ所、カミソリ等の鋭利な刃物で十文字型
の印を付ける。該フィルムを23℃、55%RHの環境
下で24時間以上調湿し、工場顕微鏡で処理前の幅手方
向及び長手方向のそれぞれの印間距離L1を測定する。
次に、該試料を電気恒温槽中で、80℃、90%RHの
環境下で、50時間処理をした。次いで、高温高湿処理
済み試料を、再び23℃、55%RHの環境下で24時
間調湿し、工場顕微鏡で処理後の幅手方向及び長手方向
のそれぞれの印間距離L2を測定した。この処理前後の
変化率を次式によって求め寸法変化率を算出した。
【0137】 寸法変化率(%)=(L2−L1)/L1×100 L1:処理前の印間距離 L2:処理後の印間距離 算出した各試料の寸法変化率を下記に示す基準に則り、
A〜Dによるランク評価を行った。
【0138】A:寸法変化率が0.05%未満 B:寸法変化率が0.05%〜0.1%未満 C:寸法変化率が0.1%〜0.3%未満 D:寸法変化率が0.3%以上 本発明においては、A及びBランクが実用上問題のない
レベルと判断した。
【0139】(透湿度)JIS Z 0208に記載の
方法に則り、各試料の透湿度を測定し、面積1m2あた
り24時間で蒸発する水分量(g)として算出した。
【0140】以上により得られた評価結果を表2に示
す。
【0141】
【表2】
【0142】表2より明らかなように、本発明に係る試
料は、膜厚が60μm以下の薄膜であるにも関わらず、
可塑剤含有量を増やすことなく透湿度が良好であり、高
温高湿条件下における寸法安定性も高く、かつ面内レタ
ーデーションも低く、光学的等方性にも優れることが確
認された。
【0143】実施例2 以下に述べる方法に従って、偏光板を作製し、評価を行
った。
【0144】(偏光膜の作製)下記の方法に従って、本
発明試料1を偏光板用保護フィルムとして用いた本発明
偏光板1を作製した。
【0145】厚さ120μmのポリビニルアルコールフ
ィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)し
た。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、
水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、ついでヨ
ウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからな
る68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光
膜を得た。
【0146】ついで、下記工程1〜5に従って、偏光膜
と偏光板用保護フィルムとをはり合わせて偏光板試料を
作製した。
【0147】(偏光板の作製) 工程1:実施例1で作製した光学フィルムである本発明
試料1を、長手方向30cm、巾手方向18cmのサイ
ズで2枚切り取り、2mol/Lの水酸化ナトリウム溶
液に60℃で90秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させ、
保護フィルム試料1を作製した。
【0148】工程2:長手方向30cm、巾手方向18
cmサイズの断裁した前記偏光膜を固形分2質量%のポ
リビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
【0149】工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の
接着剤を軽く取り除き、それを工程1で作製した保護フ
ィルム試料1の上にのせて、さらに同一の保護フィルム
試料1を接着剤と接する様に積層し、配置した。なお、
保護フィルム試料は、プラズマ処理した面が外側となる
ように配置した。
【0150】工程4:ハンドローラで工程3で積層した
偏光膜と各保護フィルム試料との積層物の端部から過剰
の接着剤及び気泡を取り除きはり合わせた。ハンドロー
ラの圧力は20〜30N/cm2、ローラスピードは約
2m/minとした。
【0151】工程5:80℃の乾燥機中に工程4で作製
した試料を2分間処理し、本発明に係る偏光板1を作製
した。
【0152】ついで、上記偏光板1の作製において、保
護フィルムとして、本発明試料1に代えて、実施例1で
作製した本発明試料2〜5及び比較試料1、2を用いた
以外は同様にして、本発明の偏光板2〜5及び比較偏光
板1、2を作製した。
【0153】以上のようにして作製した各偏光板を、温
度90℃、95%RHの雰囲気下で5時間高温加湿処理
を行った後、下記の方法に則り、透過率及び偏光度を測
定した。
【0154】(透過率の測定)透過率Tは、各偏光板を
400〜700nmの波長領域で10nmおきに求めた
分光透過率τ(λ)から、下記数2式により算出した。
尚、式中P(λ)は標準光(C光源)の分光分布、y
(λ)は2度視野X、Y、Z系に基づく等色関数であ
る。分光透過率τ(λ)は島津UV2200分光光度計
を用いて測定した。
【0155】
【数2】
【0156】(偏光度の測定)測定検体である2枚の偏
光板をそれぞれの偏光子の配向方向が同一になるように
重ねた場合の透過率を平行位透過率Tp、2枚の偏光板
をそれぞれの偏光子の配向が直交するように重ねた場合
の透過率を直交位透過率Tcとし、下記数3式により偏
光度Pを算出した。
【0157】
【数3】
【0158】以上により各偏光板について測定を行った
結果、本発明に係る偏光板1〜5は、いずれも透過率4
5%、偏光度90%であった。これに対し、比較である
偏光板1、2は、透過率52%、偏光度85%であり、
本発明に係る偏光板1〜5が、比較品に対し明らかに優
れた特性を有していることが判った。
【0159】実施例3 実施例2で作製した本発明の偏光板1〜5及び比較の偏
光板1、2を用いて、市販の液晶表示パネル(NEC製
カラー液晶ディスプレイ MultiSync LC
D1525J 型名 LA−1529HM)の最表面の
偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた本
発明の偏光板1〜5又は比較の偏光板1、2をそれぞれ
張り付けた。各液晶表示パネルについて、目視にてコン
トラスト及び視野角を評価した結果、本発明の偏光板1
〜5を用いた液晶表示パネルは、比較品に対し両特性共
に優れていることが判った。
【0160】
【発明の効果】本発明により、薄膜フィルムで、良好な
透湿度を有し、かつ寸法安定性に優れた光学フィルム、
偏光板用保護フィルム及びその作製方法とそれを用いた
偏光板及び液晶表示装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理を行う装置の一例を
示す断面図。
【符号の説明】
1 電極 2 試料(光学フィルム) 3 誘電体 4 流入口 5 流出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 1/10 C08L 1/10 4J002 G02B 1/10 G02B 1/10 Z Fターム(参考) 2H049 BA02 BA27 BB33 BB43 BB51 BC03 BC14 BC22 2K009 AA15 BB28 DD17 4F006 AA02 AB72 BA05 CA05 DA01 4F071 AA09 AC15 AE04 AF08Y AF35Y AF54Y AG16 AH12 AH19 BC01 BC02 BC12 4F100 AA37B AH10H AJ06A BA02 BA10A BA10B CA04A EH66B GB41 GB90 JA02A JA03A JD04A JK12B JL04 JN30A YY00A 4J002 AB021 EH146 EW046 FD022 FD026 FD050 FD070 FD170 GF00 GP00 HA05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜厚が10〜60μm、透湿度が20〜
    200g/m2・24時間で、かつ面内のレターデーシ
    ョン値Roが10nm以下であることを特徴とする光学
    フィルム。
  2. 【請求項2】 80℃、90%RHで50時間加熱処理
    した前後での寸法変化率が、±0.1%未満であること
    を特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 【請求項3】 透湿度が、50〜180g/m2・24
    時間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光
    学フィルム。
  4. 【請求項4】 膜厚が10〜60μm、透湿度が20〜
    200g/m2・24時間で、かつ面内のレターデーシ
    ョン値Roと面内の遅相軸方向と長尺方向とのなす角度
    θ(ラジアン)が、下式1の関係を満たすことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィル
    ム。 式1 P≦1−sin2(2θ)×sin2(πRo/λ) 〔式中、Pは0.9999、λはRo、θを求める三次
    元屈折率測定の際の光の波長であり、πは円周率を表
    す。〕
  5. 【請求項5】 硬質炭素含有層を有することを特徴とす
    る光学フィルム。
  6. 【請求項6】 膜厚が10〜60μmであることを特徴
    とする請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 【請求項7】 硬質炭素含有層を有することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 【請求項8】 セルロースエステルを含むことを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィル
    ム。
  9. 【請求項9】 200℃における蒸気圧が、1333P
    a以下である可塑剤を含むことを特徴とする請求項8に
    記載の光学フィルム。
  10. 【請求項10】 前記可塑剤が、アリーレンビス(ジア
    リーレンホスフェート)であることを特徴とする請求項
    9に記載の光学フィルム。
  11. 【請求項11】 硬質炭素含有層が、炭素を含む有機ガ
    スの存在下で、プラズマ処理により形成されたことを特
    徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の光学フィ
    ルム。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の光学フィルムを用いることを特徴とする偏光板用保護
    フィルム。
  13. 【請求項13】 炭素を含む有機ガスの存在下で、プラ
    ズマ処理により、光学フィルム上に硬質炭素含有層を形
    成することを特徴とする偏光板用保護フィルムの作製方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の偏光板用保護フィ
    ルムを用いることを特徴とする偏光板。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の偏光板を用いるこ
    とを特徴とする液晶表示装置。
JP2001021526A 2000-03-28 2001-01-30 光学フィルムの作製方法 Expired - Lifetime JP4581255B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001021526A JP4581255B2 (ja) 2000-03-28 2001-01-30 光学フィルムの作製方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000088775 2000-03-28
JP2000316415 2000-10-17
JP2000-316415 2000-10-17
JP2000-88775 2000-10-17
JP2001021526A JP4581255B2 (ja) 2000-03-28 2001-01-30 光学フィルムの作製方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002196145A true JP2002196145A (ja) 2002-07-10
JP2002196145A5 JP2002196145A5 (ja) 2008-03-06
JP4581255B2 JP4581255B2 (ja) 2010-11-17

Family

ID=27342832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001021526A Expired - Lifetime JP4581255B2 (ja) 2000-03-28 2001-01-30 光学フィルムの作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4581255B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100103353A1 (en) * 2007-01-31 2010-04-29 Nitto Denko Corporation Connection combination type optical film, liquid crystal panel, image display device, and liquid crystal display device
WO2015056671A1 (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 日東電工株式会社 光学積層体及び調光窓

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05288929A (ja) * 1992-02-14 1993-11-05 Kuraray Co Ltd 偏光板
JPH08240716A (ja) * 1995-03-03 1996-09-17 Teijin Ltd 光学補償層一体型偏光板および液晶表示装置
JPH09113727A (ja) * 1995-10-23 1997-05-02 Fuji Photo Film Co Ltd 偏光板保護膜およびその製造方法
JPH1158587A (ja) * 1997-08-12 1999-03-02 Mitsui Chem Inc 酸化防止用包装フィルム
JPH11160537A (ja) * 1997-11-28 1999-06-18 Sony Corp 液晶表示素子用偏光板およびその製造方法
JP2000352620A (ja) * 1999-03-31 2000-12-19 Konica Corp 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2000356714A (ja) * 1999-04-15 2000-12-26 Konica Corp 偏光板用保護フィルム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05288929A (ja) * 1992-02-14 1993-11-05 Kuraray Co Ltd 偏光板
JPH08240716A (ja) * 1995-03-03 1996-09-17 Teijin Ltd 光学補償層一体型偏光板および液晶表示装置
JPH09113727A (ja) * 1995-10-23 1997-05-02 Fuji Photo Film Co Ltd 偏光板保護膜およびその製造方法
JPH1158587A (ja) * 1997-08-12 1999-03-02 Mitsui Chem Inc 酸化防止用包装フィルム
JPH11160537A (ja) * 1997-11-28 1999-06-18 Sony Corp 液晶表示素子用偏光板およびその製造方法
JP2000352620A (ja) * 1999-03-31 2000-12-19 Konica Corp 光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2000356714A (ja) * 1999-04-15 2000-12-26 Konica Corp 偏光板用保護フィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100103353A1 (en) * 2007-01-31 2010-04-29 Nitto Denko Corporation Connection combination type optical film, liquid crystal panel, image display device, and liquid crystal display device
WO2015056671A1 (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 日東電工株式会社 光学積層体及び調光窓
JP2015099362A (ja) * 2013-10-15 2015-05-28 日東電工株式会社 光学積層体及び調光窓

Also Published As

Publication number Publication date
JP4581255B2 (ja) 2010-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4337345B2 (ja) 偏光板及びそれを用いた液晶表示装置
KR100952563B1 (ko) 편광판 및 이를 사용한 액정 표시 장치
JP4669532B2 (ja) 光学補償シートの製造方法
JP4617593B2 (ja) 位相差フィルムの製造方法
TWI406060B (zh) 透明聚合物薄膜及其製法、光學補償膜、積層膜及液晶顯示裝置
JP2005104149A (ja) セルロースアシレートフィルム及びその溶液製膜方法並びにフィルム製品
CN101114036A (zh) 光学膜和其制备方法、偏振片及液晶显示器
US20080273146A1 (en) Cellulose Acylate Film, Polarizing Plate And Liquid Crystal Display
JP2007079533A (ja) 光学樹脂フィルム、これを用いた偏光板および液晶表示装置
TWI400282B (zh) 醯化纖維素薄膜之製法、偏光板及液晶顯示器
JPWO2006117981A1 (ja) 光学フィルム、偏光板及び横電界スイッチングモード型液晶表示装置
JP2007091943A (ja) セルロースアシレートフィルムとその製造方法、光学補償フィルム、反射防止フィルム、偏光板、及び画像表示装置
JP2002249599A (ja) セルロースエステルフィルム及びその製造方法
JP4660974B2 (ja) 微粒子分散液、ドープの調製方法、セルロースエステルフィルム、偏光板用保護フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP2007254699A (ja) ポリマーフィルム及びその製造方法
US20080113121A1 (en) Cyclic polyolefin film, and polarizing plate and liquid crystal display device using the same
WO2006095878A1 (ja) 光学補償シート、偏光板および液晶表示装置
JP4892794B2 (ja) セルロースエステル溶液の調製用固形物、セルロースエステル溶液、セルロースエステルフィルムの製造方法、セルロースエステルフィルム、それを用いる偏光板及び表示装置
JP4972836B2 (ja) 偏光板の製造方法
JP2003185839A (ja) 光学フィルム、偏光板用保護フィルム及びその作製方法とそれを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP2008268419A (ja) 位相差フィルムの製造方法、位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2003043250A (ja) 光学補償シート、偏光板、および液晶表示装置
JP4581255B2 (ja) 光学フィルムの作製方法
JP4904665B2 (ja) 液晶表示装置及び偏光板セット
JP4904663B2 (ja) 液晶表示装置及び偏光板セット

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4581255

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130910

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term