JP2002195807A - 光学式変位測定装置及びその投光光量補正方法 - Google Patents
光学式変位測定装置及びその投光光量補正方法Info
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Abstract
正確に補正することのできる光学式変位測定装置及びそ
の投光光量補正方法を提供する。 【解決手段】この光学式変位測定装置Aは、被測定物体
Bに光ビームを照射する発光素子1と、被測定物体Bに
よる反射光がスポット光として照射される受光面にpn
接合フォトダイオードよりなる複数の受光セルが一列に
配列されたMOSイメージセンサ4と、各受光セルの出
力信号をその配列順に読み込み、その出力信号からスポ
ット光の中心位置を検出し、中心位置の変位から被測定
物体Bの変位を求める動作を所定のサンプリング周期で
繰り返し行うCPU5とを備える。CPU5は、各受光
セルの出力信号を2回サンプリングする毎に、2回目に
読み出した出力信号の大きさに応じて、その出力信号が
所定の出力範囲内に収まるよう光量制御回路10を用い
て発光素子1の投光光量を制御する。
Description
距離やその変位を測定する光学式変位測定装置及びその
投光光量補正方法に関するものである。
ーザのような発光素子1から放射された光を投光レンズ
2を通すことにより得たビーム光を被測定物体Bに照射
し、被測定物体Bの表面で反射された拡散反射光の一部
を受光光学系である受光レンズ3を通してPSDのよう
な光位置検出素子4’で受光することにより、三角測量
法の原理を用いて被測定物体Bまでの距離(あるいは基
準位置からの変位)を求めるようにした光学式変位測定
装置Aが知られている。この変位測定装置では、被測定
物体Bで反射された拡散反射光の一部が受光レンズ3に
より集光されて光位置検出素子4’の受光面に結像し、
スポット光を形成する。そして、発光素子1から被測定
物体Bまでの距離が変化するとスポット光の形成される
位置が変化することを利用して、被測定物体Bまでの距
離を検出している(例えば特開平9−318322号公
報参照)。
の距離がRcの時のスポット光の位置をP1、反射角を
θ、距離が(Rc+Δr)の時のスポット光の位置をP
2とし、受光レンズ3から光位置検出素子4’までの距
離をfとすると、被測定物体Bの変位Δrと、スポット
光の位置の変化分ΔX(=P2−P1)との間には次式
のような関係が成り立つ。
る。
けるスポット光の位置を検出すれば、そのスポット光の
位置から被測定物体Bまでの距離(Rc+Δr)、すな
わち基準位置からの変位Δrを検出することができる。
Sイメージセンサを用いた光学式変位測定装置も従来よ
り知られている。MOSイメージセンサは、複数の画素
配列と、画素配列の信号電荷を順次読み出すMOSトラ
ンジスタのスイッチ回路からなるイメージセンサであ
り、図5(a)に示すように、MOSイメージセンサ4
の受光面12には例えばpn接合フォトダイオードから
なる複数の画素(以下では、受光セルと言う。)C1、
C2…Cnが、被測定物体Bの変位によりスポット光D
の位置が変化する方向に沿って一定のピッチで配列され
ている。
受光面12にスポット光Dが照射された時の各受光セル
C1、C2…Cnの出力を示しており、各受光セルC
1、C2…Cnは入射した光エネルギーに相当する大き
さの出力を発生するので、その出力はスポット光Dの中
心位置に近いほど大きくなる。したがって、受光セルC
1、C2…Cnの内出力が最大の受光セルの位置を求め
たり、受光量分布の中心位置を演算により求めるなどし
てスポット光Dの中心位置を検出し、スポット光Dの中
心位置から三角測量法の原理を用いて発光素子1と被測
定物体Bとの間の距離を求めている。
る光学式変位測定装置では、各受光セルC1、C2…C
nの出力を、一方の端に位置する受光セルから順番に読
み取っているので、一方の端に位置する受光セルC1か
ら出力を読み取るタイミングと、他方の端に位置する受
光セルCnから出力を読み取るタイミングとの間に時間
的なずれが発生する。
…Cnの出力の読み取り開始と同時(時刻t11)に発
光素子1を点灯させて、全ての受光セルC1〜Cnに一
定の光を照射させ、その出力を2回サンプリングした時
点(時刻t13)で発光素子1を消灯させた場合、点灯
開始後の1回目のサンプリング(時刻t11〜t12)
では、一番最初に読み取られる受光セルC1は照射時間
が短いためにその出力は殆ど零になる。そして、読み取
りの順番が遅い受光セルほど照射時間が長くなるので、
その出力は増加し、最後に読み取られる受光セルCnで
は出力が最大となる。
と同時に、電荷の蓄積を開始しており、2回目のサンプ
リング(時刻t12〜t13)では、何れの受光セルC
1〜Cnも、前回出力を読み出してからサンプリング周
期T1の間、発光素子1の光を受光しているので、全て
の受光セルC1〜Cnでその出力が最大となる。
t14)では、発光素子1は消灯しているが、最初に読
み取られる受光セルC1では、前回のサンプリング時か
らサンプリング周期T1の間、発光素子1の光を受光し
ているので、その出力は最大出力に略等しい出力とな
る。そして、読み取りの順番が遅い受光セルC2…ほ
ど、前回のサンプリング時から発光素子1が消灯するま
での時間(照射時間)が短くなるため、その出力は徐々
に低下し、最後に読み取られる受光セルCnでは出力が
略零になる。
は、複数の受光セルC1〜Cnの出力を順番に読み出し
ており、各受光セルC1〜Cnの出力を読み出すタイミ
ングが異なっているので、最適な出力を得るためには発
光素子1を点灯させるタイミングを考慮する必要があ
る。尚、上述の説明では各受光セルC1〜Cnの出力を
読み出すサンプリング周期毎に発光素子1の点灯状態と
消灯状態とを切り換えているだけであるが、受光セルC
1〜Cnの受光量を精度良く制御するためには、発光素
子1の点灯時間や光出力を変化させることによって受光
量を制御すれば良い。
面に入射するスポット光の光量は、発光素子1の発光量
や、被測定物体Bの反射率によって決定されるため、被
測定物体Bの反射面に鏡面加工が施されている場合は、
スポット光の光量が非常に大きくなり、受光セルC1…
の出力が飽和してしまう虞がある。また、上述とは逆
に、被測定物体Bの反射面が黒色であって、その反射率
が低い場合は、スポット光の光量が小さくなり、受光セ
ルC1…の出力が非常に小さい値になってしまう。
光学式変位測定装置では、各受光セルC1…の出力信号
をその配列順に並べた出力波形を解析して、スポット光
の中心位置を求めているので、被測定物体Bから入射す
る反射光の変化によって、受光セルC1…の出力が過大
になって飽和したり、出力が過小になって読み取りが不
能にならないように、MOSイメージセンサ4に入射す
るスポット光の光量を制御する必要があり、被測定物体
Bによる反射光量に応じて発光素子1の投光光量を制御
する必要がある(光量フィードバック)。すなわち、受
光セルC1…の出力をその配列順に並べた出力波形が適
切な波形となるように(出力波形が飽和したり、微少な
出力波形とならないように)、発光素子1の投光光量を
制御する。例えば、図7(a)に示すように出力波形の
ピーク値が飽和している場合は、発光素子1の投光光量
を低下させ、図7(b)に示すように、出力波形のピー
ク値が飽和出力値P1よりも小さくなるように発光素子
1の投光光量を制御する。ここで、発光素子1の投光光
量を制御する場合、従来の光学式変位測定装置では発光
素子1の点灯時間を変化させることによって投光光量を
制御している。つまり発光素子1の点灯時間が長いほ
ど、投光光量が大きくなるので、前回の受光セルC1…
の出力に応じて発光素子1の点灯時間を変化させ、投光
光量を調整している。
装置では、前回の受光セルC1〜Cnの出力に応じて発
光素子1の点灯時間を変化させ、投光光量を制御してい
るのであるが、各受光セルC1〜Cnの出力は逐次読み
出されており、発光素子1の発光光量を変化させたとし
ても、投光光量の変化に応じて受光セルC1〜Cnの出
力が変化するまでの間に時間遅れがあり、次回の出力に
投光光量を変化させたことによる変化が現れない場合が
あるため、受光光量を最適な光量に制御できない虞があ
る。
ただ1つの受光セルのみにスポット光が照射されている
場合を例に、図8を参照して説明を行う。この光学式変
位測定装置では、時刻t21から時間t31の間だけ発
光素子1を点灯させるとともに、1回目の読み出し動作
を開始しており、受光セルC1…の出力を検出する。1
回目の読み出し動作が終了した時点では、受光セルの出
力が最適な値となっているので、受光セルC1…の出力
を解析する信号処理部は、次回読み出し動作を行う際の
発光素子1の投光光量を前回と略同じ投光光量とし、発
光素子1の点灯時間をt31のままとする。
(時刻t22)で、被測定物体Bが反射係数の高い白物
体から、反射係数の低い黒物体に切り換わると、被測定
物体Bによる反射光が急激に減少して、受光セルの出力
が大幅に低下するので、信号処理部ではこの時の出力信
号から発光素子1の最適な発光光量を演算により求め、
発光素子1の点灯時間をt32(>t31)に設定す
る。
させれば、受光光量が十分大きくなり、最適な出力を得
ることができるが、発光素子1の点灯時間t32が経過
するまでの間に、スポット光が照射されている受光セル
の出力が読み出されてしまうので、受光セルの受光光量
を十分大きくすることができず、したがって3回目の読
み出し動作で得られるセル出力が、予め予想した出力よ
りも低くなる。そのため、信号処理部では3回目の読み
出し動作で得られたセル出力から発光素子1の発光光量
が不足していると判断し、信号処理部が発光素子1の点
灯時間をさらに長い時間t33(>t32)に設定して
しまい、発光素子1の投光光量を最適な値に補正できな
いという問題があった。
であり、その目的とするところは、受光部の受光光量に
応じて投光部の投光光量を正確に補正することのできる
光学式変位測定装置及びその投光光量補正方法を提供す
るにある。
に、請求項1の発明では、被測定物体に光ビームを照射
する投光部と、被測定物体の表面での光ビームによる反
射光がスポット光として照射される受光面に、受光量に
応じた大きさの出力信号をそれぞれ発生する複数の光電
変換素子が、被測定物体の変位によりスポット光の位置
が変化する方向に沿って配列された受光部と、各光電変
換素子の出力信号をその配列順に読み込み、その出力信
号からスポット光の中心位置を検出し、中心位置の変位
より被測定物体の基準位置からの変位を求める動作を所
定のサンプリング周期で繰り返し行う変位検出部と、変
位検出部が光電変換素子の出力信号を2回サンプリング
する毎に、2回目にサンプリングした際の各光電変換素
子の出力信号の大きさに応じて、出力信号が所定の出力
範囲内に収まるように投光部の投光光量を制御する光量
制御部とを備えて成ることを特徴とし、変位検出部は複
数の光電変換素子の出力をその配列順に読み込んでお
り、最初に読み込まれる光電変換素子では、サンプリン
グを開始してから出力を読み込むまでの時間が短く、投
光光量を変化させたことによる出力変化がすぐには現れ
ないため、変位検出部が光電変換素子の出力を1回サン
プリングする毎に前回の出力に応じて投光光量を変化さ
せた場合は、投光光量を正確に補正することができない
虞があるが、光量制御部は、変位検出部が光電変換素子
の出力信号を2回サンプリングする毎に、2回目にサン
プリングした際の各光電変換素子の出力信号の大きさに
応じて投光部の投光光量を制御しており、1回目のサン
プリング時に投光光量を変化させたことによる出力の変
化が2回目のサンプリング時には確実に現れるので、2
回目のサンプリング結果に応じて投光光量を制御するこ
とにより、投光光量を正確に補正することのできる光学
式変位測定装置を実現できる。
いて、光量制御部は、複数の光電変換素子の内、出力が
最大となる光電変換素子の出力信号が出力範囲の略中央
の値となるように、投光部の投光光量を制御することを
特徴とし、光電変換素子の出力が小さすぎると、ノイズ
の影響が大きくなり、逆に大きすぎると、被測定物体の
反射率の変化などによって受光光量が変化した際に、光
電変換素子の出力が飽和してしまうが、光量制御部は、
出力が最大となる光電変換素子の出力信号が、各光電変
換素子の出力範囲の略中央の値となるように、投光部の
投光光量を制御しているので、光電変換素子の出力が小
さすぎたり、大きすぎたりすることはなく、受光部に発
生するスポット光の位置を正確に検出できる光学式変位
測定装置を実現できる。
に光ビームを照射し、被測定物体の表面での光ビームに
よる反射光をスポット光として受光部に照射させ、受光
部の受光面に配列された複数の光電変換素子が受光量に
応じた大きさの出力信号をそれぞれ発生し、変位検出部
が各光電変換素子の出力信号をその配列順に読み込み、
その出力信号からスポット光の中心位置を検出し、中心
位置の変位より被測定物体の基準位置からの変位を求め
る動作を所定のサンプリング周期で繰り返し行ってお
り、光量制御部は、変位検出部が光電変換素子の出力信
号を2回サンプリングする毎に、2回目にサンプリング
した際の各光電変換素子の出力信号の大きさに応じて、
出力信号が所定の出力範囲内に収まるように投光部の投
光光量を制御することを特徴とし、変位検出部は複数の
光電変換素子の出力をその配列順に読み込んでおり、最
初に読み込まれる光電変換素子では、サンプリングを開
始してから出力を読み込むまでの時間が短く、投光光量
を変化させたことによる出力変化がすぐには現れないた
め、変位検出部が光電変換素子の出力を1回サンプリン
グする毎に前回の出力に応じて投光光量を変化させた場
合は、投光光量を正確に補正することができない虞があ
るが、光量制御部は、変位検出部が光電変換素子の出力
信号を2回サンプリングする毎に、2回目にサンプリン
グした際の各光電変換素子の出力信号の大きさに応じて
投光部の投光光量を制御しており、1回目のサンプリン
グ時に投光光量を変化させたことによる出力の変化が2
回目のサンプリング時には確実に現れるので、2回目の
サンプリング結果に応じて投光光量を制御することによ
り、投光光量を正確に補正することができる。
いて、光量制御部は、複数の光電変換素子の内、出力が
最大となる光電変換素子の出力信号が出力範囲の略中央
の値となるように、投光部の投光光量を制御することを
特徴とし、光電変換素子の出力が小さすぎると、ノイズ
の影響が大きくなり、逆に大きすぎると、被測定物体の
反射率の変化などによって受光光量が変化した際に、光
電変換素子の出力が飽和してしまうが、光量制御部は、
出力が最大となる光電変換素子の出力信号が、各光電変
換素子の出力範囲の略中央の値となるように、投光部の
投光光量を制御しているので、光電変換素子の出力が小
さすぎたり、大きすぎたりすることはなく、受光部に発
生するスポット光の位置を正確に検出できる。
定装置を図1乃至図3を参照して説明する。この光学式
変位測定装置では、レーザダイオードのような発光素子
(投光部)1から放射された光を投光レンズ2を通すこ
とにより得たビーム光を被測定物体Bに照射している。
そして、被測定物体Bの表面で反射された拡散反射光の
一部は受光光学系である受光レンズ3により集光され、
受光部たるMOSイメージセンサ4の受光面に受光スポ
ットを形成する。
れる制御信号に応じて、MOSイメージセンサ4の動作
を制御しており、MOSイメージセンサ4の受光セルC
1、C2…Cnの出力をその配列順に読み出して、逐次
MOS信号処理回路7に出力させており、各受光セルC
1、C2…Cnの出力信号はMOS信号処理回路7で増
幅などの処理を施された後、A/D変換回路8によりデ
ジタル信号に変換されてCPU5に取り込まれる。
Sイメージセンサ4の受光面12には、被測定物体Bの
変位に応じてスポット光Dの位置が変化する方向に沿っ
て、pn接合フォトダイオードよりなる複数の受光セル
(光電変換素子)C1、C2…Cnが一定のピッチで配
列されている。各受光セルC1、C2…Cnは入射した
光エネルギーに相当する大きさの出力を発生し、その出
力はスポット光Dの中心位置に近いほど大きくなるの
で、各受光セルC1、C2…Cnの出力をその配列順に
並べた出力波形(図5(b)参照)からMOSイメージ
センサ4の受光面12に入射したスポット光の形状や中
心位置を検出することができる。
例えば受光セルC1〜Cnの出力をその配列順に並べた
出力波形を生成し、隣接する受光セルの出力の相対的な
差から、出力波形の中心位置を検出する。すなわち、図
3(a)に示すように、出力が最大の受光セルに対し
て、両側に位置する受光セルの出力が略同じであれば、
出力が最大の受光セルの中心位置が出力波形の中心であ
るとCPU5は判定する。また、図3(b)に示すよう
に、出力が最大の受光セルに対して、図中右側の受光セ
ルの出力が、図中左側の受光セルの出力よりも大きい場
合は、出力が最大の受光セルの中心位置から、左右の受
光セルの出力比に応じた距離だけ図中右側に偏心した位
置が出力波形の中心位置であるとCPU5は判定する。
そして、CPU5は、スポット光の中心位置から三角測
量法の原理を用いて発光素子1と被測定物体Bとの間の
距離や被測定物体Bの変位を求めており、被測定物体B
までの距離或いは被測定物体Bの変位に相当する信号を
D/A変換回路9に出力し、D/A変換回路9がアナロ
グ信号に変換して外部に出力する。
離を演算すると同時に、各受光セルC1〜Cnの出力が
所定の出力範囲内に収まるように発光素子1の投光光量
を決定しており、発光素子1の光量を制御するための制
御信号S1を光量制御回路10に出力し、この制御信号
S1に応じて光量制御回路10が発光素子1の点灯時間
を変化させ、その投光光量を変化させている。ここで、
CPU5では、各受光セルC1〜Cnの出力をその配列
順に読み取る動作(サンプリング動作)を2回行う毎に
発光素子1の投光光量を変化させており、1回目に読み
込んだ各受光セルC1〜Cnの出力は無視し、2回目に
読み込んだ各受光セルC1〜Cnの出力が所望の大きさ
になるように、発光素子1の発光光量を変化させてい
る。ここに、CPU5及び光量制御回路10から発光素
子1の投光光量を制御する光量制御部が構成される。
制御する動作について図2を参照して簡単に説明する。
ここでは、説明を簡単にするために複数の受光セルC1
〜Cnの内、ただ1つの受光セルにスポット光が照射さ
れるものとし、1回目のサンプリング動作が終了した時
点(時刻t2)で被測定物体Bが反射係数の高い白物体
から反射係数の低い黒物体に変化した時の受光セルC1
〜Cnの出力変化を図2(b)に示す。
光素子1を点灯させるとともに、1回目のサンプリング
動作を開始し、各受光セルC1〜Cnの出力をその配列
順に読み出す。なお、1回目のサンプリング動作を行う
際には、受光セルの出力が最適な値になっているものと
する。また、MOS信号処理回路7では受光セルC1〜
Cnの出力をその配列順に読み出しており、スキャン動
作を開始してから特定の受光セルの出力を読み出すまで
の時間は略一定となる。
時点(時刻t2)で、対象物が白物体から黒物体に切り
換わると、対象物による反射光が急激に減少して、受光
セルの出力が大幅に低下するので、2回目のサンプリン
グ動作が終了した時点で、CPU5は受光セルの出力が
大幅に低下したと判断し、この時のセル出力から発光素
子1の最適な発光光量を演算により求め、発光素子1の
点灯時間をt32(>t31)に設定する。
時間t32だけ点灯させるとともに、3回目のサンプリ
ング動作を開始した場合、発光素子1を時間t32だけ
点灯させれば、受光光量が十分大きくなって最適なセル
出力を得ることができるが、スポット光の当たっている
受光セルは、3回目のサンプリング動作を開始してから
点灯時間t3が経過するまでの間に出力が読み出されて
しまうので、この受光セルから十分な大きさの出力が得
られなくなる。ここで、CPU5はサンプリング動作を
2回行う毎に発光素子1の投光光量を変化させているの
で、3回目のサンプリング動作が終了した時点では発光
素子1の発光光量を変化させることはなく、発光素子1
の点灯時間を前回の時間t32のままとして、4回目の
サンプリング動作を行う。
う間の時刻t4において、スポット光の照射された受光
セルの出力を読み出した後も発光素子1は点灯している
ので、この受光セルでは、出力を読み出された後、直ぐ
に光量の蓄積動作を行っている。つまり、この受光セル
では、その出力が読み出されてから発光素子1が消灯す
るまでの間(すなわち、図2の期間Ta)、発光素子1
の発光による反射光の光量を蓄積し、受光光量に応じた
出力を発生する。ここで、サンプリング動作を開始して
から、スポット光の照射された受光セルの出力を読み取
るまでの時間をtx(=t4−t3)とすると、期間T
a=t32−txとなる。
間t32だけ点灯させるとともに、4回目のサンプリン
グ動作を開始すると、この場合もスポット光の照射され
た受光セルは発光素子1の点灯途中に出力を読み出され
てしまい、この受光セルには発光素子1が点灯してか
ら、その出力が読み出されるまでの間だけ(すなわち図
2の期間Tb)、発光素子1の発光による反射光の光量
を蓄積し、受光光量に応じた出力を発生する。ここで、
期間Tb=txとなる。
において、スポット光の照射された受光セルから読み出
される出力は、期間Ta(=t31−tx)に受光した
受光光量と、期間Tb(=tx)に受光した受光光量と
の和に比例した値になり、結局期間(Ta+Tb)=t
31の間に受光した受光光量に比例した値となるので、
スポット光の照射される受光セルの出力は、CPU5が
補正しようとした値に略等しい値となり、発光素子1の
投光光量を正確に補正することができる。なお、3回目
のサンプリング動作時に得られた各受光セルC1〜Cn
の出力は無視し、この出力は測距用のデータとしては使
用しない。また、上述の説明では、説明を簡単にするた
めに、1つの受光セルのみにスポット光が照射される場
合について説明を行ったが、実際には複数の受光セルC
1、C2…Cnにまたがってスポット光が照射されるこ
とになる。
nの内、出力が最大となる受光セルの出力信号が出力範
囲の略中央の値(すなわち出力飽和値の約40〜60%
の値)となるように発光素子1の投光光量を決定してい
る。ここで、対象物の反射率が小さかったり、発光素子
1の発光光量が小さいなどの理由で、出力波形のピーク
値が低い場合(図3(c)参照)、出力が最大の受光セ
ルに対して、図中左側の受光セルの出力と、図中右側の
受光セルの出力との比率を正確に求めることができず、
また各受光セルC1…の出力がノイズに埋もれてしまう
虞がある。逆にピーク値が大きいと被測定物体Bの反射
率が急激に変化して、受光セルC1…の出力が飽和して
しまう虞がある。したがって、CPU5では、出力波形
のピーク値が各受光セルC1…の出力範囲の中心付近の
値となるように発光素子1の発光光量を制御しており、
出力波形の中心位置を安定的に検出することができる。
素子が配列された受光部としてMOSイメージセンサを
例に説明を行ったが、受光部をMOSイメージセンサに
限定する趣旨のものではなく、受光セルがアレイ状に配
列されていれば、フォトダイオードをアレイ状に配列し
たセンサや、CCD素子をアレイ状に配列したCCDイ
メージセンサなどを用いても良いことは言うまでもな
い。
定物体に光ビームを照射する投光部と、被測定物体の表
面での光ビームによる反射光がスポット光として照射さ
れる受光面に、受光量に応じた大きさの出力信号をそれ
ぞれ発生する複数の光電変換素子が、被測定物体の変位
によりスポット光の位置が変化する方向に沿って配列さ
れた受光部と、各光電変換素子の出力信号をその配列順
に読み込み、その出力信号からスポット光の中心位置を
検出し、中心位置の変位より被測定物体の基準位置から
の変位を求める動作を所定のサンプリング周期で繰り返
し行う変位検出部と、変位検出部が光電変換素子の出力
信号を2回サンプリングする毎に、2回目にサンプリン
グした際の各光電変換素子の出力信号の大きさに応じ
て、出力信号が所定の出力範囲内に収まるように投光部
の投光光量を制御する光量制御部とを備えて成ることを
特徴とし、変位検出部は複数の光電変換素子の出力をそ
の配列順に読み込んでおり、最初に読み込まれる光電変
換素子では、サンプリングを開始してから出力を読み込
むまでの時間が短く、投光光量を変化させたことによる
出力変化がすぐには現れないため、変位検出部が光電変
換素子の出力を1回サンプリングする毎に前回の出力に
応じて投光光量を変化させた場合は、投光光量を正確に
補正することができない虞があるが、光量制御部は、変
位検出部が光電変換素子の出力信号を2回サンプリング
する毎に、2回目にサンプリングした際の各光電変換素
子の出力信号の大きさに応じて投光部の投光光量を制御
しており、1回目のサンプリング時に投光光量を変化さ
せたことによる出力の変化が2回目のサンプリング時に
は確実に現れるので、2回目のサンプリング結果に応じ
て投光光量を制御することにより、投光光量を正確に補
正することのできる光学式変位測定装置を実現できると
いう効果がある。
て、光量制御部は、複数の光電変換素子の内、出力が最
大となる光電変換素子の出力信号が出力範囲の略中央の
値となるように、投光部の投光光量を制御することを特
徴とし、光電変換素子の出力が小さすぎると、ノイズの
影響が大きくなり、逆に大きすぎると、被測定物体の反
射率の変化などによって受光光量が変化した際に、光電
変換素子の出力が飽和してしまうが、光量制御部は、出
力が最大となる光電変換素子の出力信号が、各光電変換
素子の出力範囲の略中央の値となるように、投光部の投
光光量を制御しているので、光電変換素子の出力が小さ
すぎたり、大きすぎたりすることはなく、受光部に発生
するスポット光の位置を正確に検出できる光学式変位測
定装置を実現できるという効果がある。
光ビームを照射し、被測定物体の表面での光ビームによ
る反射光をスポット光として受光部に照射させ、受光部
の受光面に配列された複数の光電変換素子が受光量に応
じた大きさの出力信号をそれぞれ発生し、変位検出部が
各光電変換素子の出力信号をその配列順に読み込み、そ
の出力信号からスポット光の中心位置を検出し、中心位
置の変位より被測定物体の基準位置からの変位を求める
動作を所定のサンプリング周期で繰り返し行っており、
光量制御部は、変位検出部が光電変換素子の出力信号を
2回サンプリングする毎に、2回目にサンプリングした
際の各光電変換素子の出力信号の大きさに応じて、出力
信号が所定の出力範囲内に収まるように投光部の投光光
量を制御することを特徴とし、変位検出部は複数の光電
変換素子の出力をその配列順に読み込んでおり、最初に
読み込まれる光電変換素子では、サンプリングを開始し
てから出力を読み込むまでの時間が短く、投光光量を変
化させたことによる出力変化がすぐには現れないため、
変位検出部が光電変換素子の出力を1回サンプリングす
る毎に前回の出力に応じて投光光量を変化させた場合
は、投光光量を正確に補正することができない虞がある
が、光量制御部は、変位検出部が光電変換素子の出力信
号を2回サンプリングする毎に、2回目にサンプリング
した際の各光電変換素子の出力信号の大きさに応じて投
光部の投光光量を制御しており、1回目のサンプリング
時に投光光量を変化させたことによる出力の変化が2回
目のサンプリング時には確実に現れるので、2回目のサ
ンプリング結果に応じて投光光量を制御することによ
り、投光光量を正確に補正することができるという効果
がある。
て、光量制御部は、複数の光電変換素子の内、出力が最
大となる光電変換素子の出力信号が出力範囲の略中央の
値となるように、投光部の投光光量を制御することを特
徴とし、光電変換素子の出力が小さすぎると、ノイズの
影響が大きくなり、逆に大きすぎると、被測定物体の反
射率の変化などによって受光光量が変化した際に、光電
変換素子の出力が飽和してしまうが、光量制御部は、出
力が最大となる光電変換素子の出力信号が、各光電変換
素子の出力範囲の略中央の値となるように、投光部の投
光光量を制御しているので、光電変換素子の出力が小さ
すぎたり、大きすぎたりすることはなく、受光部に発生
するスポット光の位置を正確に検出できるという効果が
ある。
である。
である。
センサの出力波形を示す波形図である。
る。
受光面にスポット光が入射した状態を示す正面図、
(b)はスポット光による各受光セルの出力波形であ
る。
ある。
を示す波形図であり、(a)は発光素子の発光光量を補
正する前の波形図、(b)は補正後の波形図である。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】被測定物体に光ビームを照射する投光部
と、被測定物体の表面での光ビームによる反射光がスポ
ット光として照射される受光面に、受光量に応じた大き
さの出力信号をそれぞれ発生する複数の光電変換素子
が、被測定物体の変位によりスポット光の位置が変化す
る方向に沿って配列された受光部と、各光電変換素子の
出力信号をその配列順に読み込み、その出力信号からス
ポット光の中心位置を検出し、中心位置の変位より被測
定物体の基準位置からの変位を求める動作を所定のサン
プリング周期で繰り返し行う変位検出部と、変位検出部
が光電変換素子の出力信号を2回サンプリングする毎
に、2回目にサンプリングした際の各光電変換素子の出
力信号の大きさに応じて、出力信号が所定の出力範囲内
に収まるように投光部の投光光量を制御する光量制御部
とを備えて成ることを特徴とする光学式変位測定装置。 - 【請求項2】光量制御部は、複数の光電変換素子の内、
出力が最大となる光電変換素子の出力信号が出力範囲の
略中央の値となるように、投光部の投光光量を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の光学式変位測定装置。 - 【請求項3】投光部が被測定物体に光ビームを照射し、
被測定物体の表面での光ビームによる反射光をスポット
光として受光部に照射させ、受光部の受光面に配列され
た複数の光電変換素子が受光量に応じた大きさの出力信
号をそれぞれ発生し、変位検出部が各光電変換素子の出
力信号をその配列順に読み込み、その出力信号からスポ
ット光の中心位置を検出し、中心位置の変位より被測定
物体の基準位置からの変位を求める動作を所定のサンプ
リング周期で繰り返し行っており、光量制御部は、変位
検出部が光電変換素子の出力信号を2回サンプリングす
る毎に、2回目にサンプリングした際の各光電変換素子
の出力信号の大きさに応じて、出力信号が所定の出力範
囲内に収まるように投光部の投光光量を制御することを
特徴とする光学式変位測定装置の投光光量補正方法。 - 【請求項4】光量制御部は、複数の光電変換素子の内、
出力が最大となる光電変換素子の出力信号が出力範囲の
略中央の値となるように、投光部の投光光量を制御する
ことを特徴とする請求項3記載の光学式変位測定装置の
投光光量補正方法。
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