JP2002195501A - 高温の合成ガスを冷却するために使用される廃熱ボイラー - Google Patents

高温の合成ガスを冷却するために使用される廃熱ボイラー

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 沸騰圧力の下にある水との熱交換を行いなが
ら高温の合成ガスを冷却する廃熱ボイラーを提供する。 【解決手段】 廃熱ボイラーは、所定の液面レベル4ま
で沸騰水で充填されるウオーター・チャンバー2とその
上方に所在するスチーム・チャンバー3とを有する圧力
ジャケット1を備えている。冷却すべき合成ガスが貫流
する熱交換器パイプ5がウオーター・チャンバー2内に
配置されている。沸騰水から発生した飽和蒸気を過熱す
る過熱器が熱交換器パイプ5に後設されている。この過
熱器は、液面レベル4より上の位置で少なくとも一部が
スチーム・チャンバー3の中に所在するよう配置されて
いて、複数のまっすぐに延在しているパイプ7を備えて
おり、該パイプ7は、熱交換器パイプ5から発生した飽
和蒸気が貫流するようにされているとともに、ウオータ
ー・チャンバー2から発生した飽和蒸気が前記過熱器パ
イプ7の周りに流動するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、請求項1の前文に
記載されている特徴を備えた高温の合成ガスを冷却する
ために使用される廃熱ボイラーに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、オイル・ガス化装置または残渣
ガス化装置で高温の合成ガスが発生し、このようにして
発生した合成ガスは、ガス化反応器に後設された合成ガ
ス用廃熱ボイラーで冷却される。合成ガスの中に含有さ
れている熱エネルギーは回収されるが、このとき高圧の
蒸気が発生する。さらに熱エネルギーを有効に利用する
ため、上記の飽和蒸気は、通常、過熱される。
【0003】高圧の飽和蒸気を発生するために利用され
る合成ガス廃熱ボイラーは、例えば、螺旋状に曲げ加工
されたスネイク状の管路から構成されているかあるいは
U字状に湾曲加工された管束から構成されていて、該管
束は熱交換面を形成している。高温の合成ガスは、上記
のスネイク状の管路または管束を貫流し、高温の合成ガ
スが包持する熱をスネイク状の管路を貫流し、高温の合
成ガスが包有する熱は、圧力ジャケット内にあるスネイ
ク状の管路または管束を取り巻いている沸騰圧力のもと
にある水に与えられる。
【0004】飽和蒸気は、廃熱ボイラーに後設されてい
る別個の過熱器で過熱される。また、螺旋状に形成され
たスネイク状の管路に後設されていて、廃熱ボイラーの
場合と同様のやり方で合成ガスが貫流するようにされた
合成ガス廃熱ボイラーのスネイク状の管路に後設されて
いる、合成ガス廃熱ボイラーの中に一体に組み込まれた
蒸気過熱器も公知である。この過熱器のスネイク状の管
路は、通常、廃熱ボイラーのスネイク状の管路より管路
直径が小さく寸法ぎめされている。飽和蒸気は、過熱器
のスネイク状の管路のまわりに導かれ、該スネイク状の
管路で過熱される。しかし、この構成態様には下記のよ
うな重大な欠点がある。すなわち、この構成態様を実現
するには、非常に高い費用が必要であることである。ま
た、この構成態様の廃熱ボイラーを検査したり、修理す
るために非常に費用がかかることである。過熱器のスネ
イク状管路を貫流する合成ガスからスネイク状の管路内
に堆積物が生じるおそれがあり、この場合、過熱器に詰
まりが生じ、このために過熱器が機能しなくなる。管路
の直径が比較的小さいため、このような詰まりという不
具合を解消することがほとんどないかあるいは多大の費
用をかけてしか上記の詰まりの不具合を取り除くことが
できない。
【0005】そのほか、合成ガス廃熱ボイラーの中に一
体に組み込まれているスネイク状の管路を使用した廃熱
ボイラーも公知である。(化学工学技術誌の1984年
に発行された第5巻の356ページから360ページま
でを参照されたい。)この合成ガス廃熱ボイラーにおい
ては、合成ガスがスネイク状の管路のまわりに導かれた
うえ、過熱された飽和蒸気は、スネイク状管路の周りを
流動する。このような一体化された蒸気過熱器について
も、この蒸気過熱器を検査したりあるいは修理するのに
非常に費用がかかるという欠点もある。さらに、少なく
とも、ガス化のさいに流動状の異物がスネイク状の管路
間の流動通路内に合成ガスから沈殿物が堆積するため、
つまりの不具合が生じる。このようにして堆積物を取り
除くことができないので、ある時間が経過した後、過熱
器が動作しなくなってしまう。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】本発明の目的は、過熱器を比較的簡単に検
査し、掃除し、あるいは修理することができると共に、
構造が簡単で、コストがかからないよう過熱器を廃熱ボ
イラーの中に組み込むことができるよう構成された当初
に挙げた種類の廃熱ボイラーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】上記の目的を達成するため、請求項1の特
徴項に記載されている特徴を備えた当初に挙げた種類の
廃熱ボイラーが本発明に従って提供されたのである。本
発明の有利な構成態様については、請求項2より請求項
6までの記載を参照されたい。
【0008】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図解した添付
図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。この図面
は、合成ガスを冷却するために使用される廃熱ボイラー
の上部を長さ方向に切断した状態を概念的に図解した立
断面図である。
【0009】合成ガスを冷却するために使用される廃熱
ボイラーは、熱交換器を立設せしめた態様に構成されて
いる。廃熱ボイラーは、ウオータ−・チャンバー2と該
ウオータ−・チャンバー2の上に配置されたスチーム・
チャンバー3のまわりを取り囲んでいる圧力ジャケット
1を備えている。液面レベル4の位置まで高い沸騰圧力
のある水を充填すべく熱交換媒体として使用される水を
供給するため、圧力ジャケット1の図示されていない下
部に供給継手がウオータ−・チャンバー2内に取り付け
られている。
【0010】冷却されるべき合成ガスを貫流せしめる熱
交換器パイプ5がウオータ−・チャンバー2の中に配置
されている。熱交換器パイプ5は、螺旋状に曲げ加工さ
れたスネイク状管路として設計されていて、該スネイク
状パイプ5は、一連の環体であるようにしてもよく或い
は複数の環体であってもよい。高温の合成ガスと熱交換
を行うさい、熱交換器パイプ5を取り囲んでいる水が一
部蒸発し、液面レベル4に沿って流動する飽和蒸気とし
てスチーム・チャンバー3の中に流入する。飽和蒸気を
乾燥させる働きをする液滴分離器6が液面レベル4の上
に配置されている。
【0011】合成ガスをさらに冷却するとともに、この
とき乾燥した飽和蒸気を過熱する蒸発器として機能する
熱交換器パイプ5に過熱器が後設されている。該過熱器
は、少なくとも一部が圧力ジャケット1内に配置されて
いて、廃熱ボイラーの中に一体物として組み込まれてい
る。過熱器は、互いにあい並んで配置された複数列のパ
イプ7より成る垂直方向に向きぎめされたと管束を備え
ており、これらのパイプ7は、下部管端部8と上部管端
部9で漏洩が生じないよう取り付けられている。下部管
端部8は、フード状のガス入口チャンバー10に接続さ
れていて、該ガス入口チャンバー10は、熱交換器パイ
プ5に開口している。
【0012】過熱器のパイプ7の管束は、案内ジャケッ
ト11によりまわりが取り囲まれていて、該案内ジャケ
ット11は、下部の管端部8の近傍迄延在している。か
くして、案内ジャケット11の下端縁と下部管端部8と
の間に貫流路が形成されることになる。過熱器は、、案
内ジャケット11から離れる向きに突設されている。こ
こで、過熱器の出口部の近傍で案内ジャケット11から
漏洩が生じることがないような具合に出口継手12が圧
力ジャケット1の外側で案内ジャケット11に取り付け
られている。
【0013】フード状のガス出口チャンバー13と案内
ジャケット11はそれぞれ、リング状のフランジ14と
15を備えている。両方のリング状のフランジ14と1
5との間に上部管端部9が取り付けられている。
【0014】互いに位置ずれした状態でパイプ7に関し
て横方向に複数のそらせ板16が配置されていて、該そ
らせ板16は、パイプ7のまわりを流れる媒体に使用さ
れるじゃま板として機能する。
【0015】過熱器は圧力ジャケット1の内部に配置さ
れているので、下部管端部8を取り付けたガス入口チャ
ンバー10は、液面レベル4より下に位置しているウオ
ーター・チャンバー2内に所在することになる。したが
って、ガス入口チャンバー10は、ウオーター・サイド
により具合よく冷却され、これにより水が過熱されるこ
とを回避することができる。
【0016】一連のパイプ7の間に下部管端部8を通っ
て多数の横孔17が貫設されていて、該横孔17はウオ
ーター・チャンバー2に向かって両端が開放されてい
る。これにより、横孔17はウオーター・チャンバー2
が水で充填されるから、下部管端部8は水により冷却さ
れることになる。
【0017】囲い筒18が下部管端部8の外縁と漏洩が
生じることがないよう接続されている。該囲い筒18
は、リング状のスペース19を形成した状態で案内ジャ
ケット11の下部のまわりをとり囲んでいる。囲い筒1
8の上端縁は、スチーム・チャンバー3の中で液面レベ
ル4を越えて上に向かって突出している。液滴分離器6
がスチーム・チャンバー3を通って横向きに囲い筒18
と圧力ジャケット1との間に延設されている。
【0018】上述した廃熱ボイラーは、下記の態様で動
作する。例えば、ガス化反応器から発生した冷却すべき
高温の合成ガスは、熱交換器パイプのスネイク状の管路
に供給され、熱交換器パイプ5を貫流し、ガス入口チャ
ンバー10に流入する。該ガス入口チャンバー10は、
合成ガスを過熱器のパイプ7上に分配する働きをする。
合成ガスは過熱器のパイプ7を貫流した後、ガス出口チ
ャンバー13内に流入し、該ガス出口チャンバー13か
ら外に排流される。
【0019】高圧の状態にある多量の水が廃熱ボイラー
の圧力ジャケット1の中に供給されるので、液面レベル
4は、所定のレベル高さに維持される。ウオーター・チ
ャンバー2の中に所在していて、熱交換器パイプ5の周
りを取り囲んでいる水は、高温の合成ガスとの熱交換に
より蒸発し、スチーム・チャンバー3の液面レベル4に
沿って生じた飽和蒸気として上昇する。湿った飽和蒸気
は、液滴セパレーター6を通って流動するさいに乾燥さ
れる。乾燥された飽和蒸気が囲い筒18と案内ジャケッ
ト11との間で、液滴セパレーター6から下に向かって
流動し、囲い筒18と案内ジャケット11との間のリン
グ状スペース19を通って下に向かって流動し、案内ジ
ャケットの下端縁と下部管端部8との間を貫流すること
により案内ジャケット11のまわりが閉止されている内
部スペースに流入する。乾燥された飽和蒸気は繰り返し
迂回しながら出口継手12まで導かれ、その間に廃熱ボ
イラーではパイプ7を通って流動する合成ガスが包有す
る熱エネルギーを受け取るので、飽和蒸気の過熱作用が
液滴セパレーター6で始まる。過熱された蒸気は、廃熱
ボイラーから排出される。
【0020】下部管端部8の外縁に沿って液滴が生じる
ことがないよう接続された囲い筒18は、過熱器が凝縮
した水があふれ出ることを阻止する。
【0021】囲い筒18と、下部管端部8とガス入口チ
ャンバー10と、熱交換器パイプ5とより成る過熱器の
下部全体がウオーター・チャンバー2内に浸された状態
にあるので、高温の合成ガスと接触している部分を非常
に効率的にかつ確実に冷却することができる。
【0022】一体化された過熱器を備えた上述の廃熱ボ
イラーの構成態様は、概念的には構造が簡単であり、コ
スト的に有利に製造することができる。過熱器と管束と
より成る構造全体が廃熱ボイラーから構成することがで
きるから、容易に検査を行うことができ、また容易に洗
浄することができると共に、容易に補修作業を行うこと
ができる。さらに、過熱器のまっすぐなパイプ7の内側
に付着している堆積物を機械的に容易に除去することが
できる。そのほか、過熱器は、合成ガス廃熱ボイラー内
に組み入れた状態のままにしておくことができる。ガス
出口チャンバー13を取り外すことができるから、作業
者が上の方から過熱器内に配置されているパイプ7に近
接することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成ガスを冷却用廃熱ボイラーの上部を長さ方
向に切断した状態を概念的に図示した立断面図である。
【符号の説明】
1 圧力ジャケット 2 ウオーター・チャンバー 3 スチーム・チャンバー 4 液面レベル 5 熱交換器パイプ 6 液滴セパレ−ター 7 過熱器のパイプ 8 下部管端部 9 上部管端部 10 ガス入口チャンバー 11 案内ジャケット 17 横孔 18 囲い筒 19 環状スペース

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の液面レベル(4)まで沸騰水で満
    たされるウオーター・チャンバー(2)を備えていると
    共に、該液面レベル(4)の上にスチーム・チャンバー
    (3)を備えている外側の圧力ジャケット(1)と、前
    記ウオーター・チャンバー(2)の中に配置されている
    熱交換器パイプ(5)と、前記圧力ジャケット(1)の
    内部に配置されている沸騰水から発生した飽和蒸気を過
    熱する過熱器とより成る、沸騰圧力のもとにある水と熱
    交換して高温の合成ガスを冷却するために使用される廃
    熱ボイラーにおいて、前記過熱器が少なくとも一部、ス
    チーム・チャンバー(3)の中で液面レベル(4)より
    高い位置に所在していることと、前記過熱器が複数のま
    っすぐなパイプ(17)を備えていて、熱交換器(5)
    から流出した合成ガスが前記のパイプ(17)を貫流す
    るとともに、ウオーター・チャンバー(2)から流出し
    た蒸気が前記のパイプ(17)を貫流することとを特徴
    とする廃熱ボイラー。
  2. 【請求項2】 過熱器のパイプ(7)が下部管端部
    (8)と上部管端部(9)で漏洩が生じることがないよ
    うに取り付けられていて、案内ジャケット(11)によ
    り前記過熱器のパイプのまわりが取り囲まれていること
    と、下部管端部(8)がガス入口チャンバー(10)の
    下限を限定していて、前記熱交換器パイプがガス入口チ
    ャンバー(10)で開口していることと、下部管端部
    (8)がウオーター・チャンバー(2)の中でガス入口
    チャンバー(10)に関して液面レベル(4)より下が
    った位置でウオーター・チャンバー(2)内に所在して
    いることとを特徴とする請求項1記載の廃熱ボイラー。
  3. 【請求項3】 前記過熱器の上部が圧力ジャケット
    (1)より突出していることと、過熱器の貫流部に当接
    した状態で案内ジャケット(11)が漏洩を生じないよ
    うに圧力ジャケット(1)と接続されていることとを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の廃熱ボイラー。
  4. 【請求項4】 案内ジャケット(11)が下部管端部
    (8)の近傍まで延設されていることと、下部管端部
    (8)が囲い筒(18)と接続されていて、該囲い筒
    (18)が半径方向に間隔をあけて環状のスペース(1
    9)を形成した状態で前記過熱器の一部の長さにわたっ
    て案内ジャケット(11)の周りを取り囲んでいること
    と、囲い筒(18)がスチーム・チャンバー(3)の中
    まで突出していることとを特徴とする請求項1より請求
    項目3までのいずれか1項記載の廃熱ボイラー。
  5. 【請求項5】 液滴セパレーター(6)が囲い筒(1
    8)と圧力ジャケット(1)との間でスチーム・チャン
    バー(3)を通って横向きに延設されていることを特徴
    とする請求項1より請求項4までのいずれか1項記載の
    廃熱ボイラー。
  6. 【請求項6】 ウオーター・チャンバー(2)に向かっ
    て開口した横孔(17)が一連のパイプ(7)の間で下
    部管端部(8)に間設されていることを特徴とする請求
    項1より請求項5までのいずれか1項記載の廃熱ボイラ
    ー。
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