JP2002192936A - 温水制御弁及びこれを用いた車両用空調装置 - Google Patents

温水制御弁及びこれを用いた車両用空調装置

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JP2002192936A JP2000391577A JP2000391577A JP2002192936A JP 2002192936 A JP2002192936 A JP 2002192936A JP 2000391577 A JP2000391577 A JP 2000391577A JP 2000391577 A JP2000391577 A JP 2000391577A JP 2002192936 A JP2002192936 A JP 2002192936A
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Toyotaka Hirao
豊隆 平尾
Yasutaka Aoki
泰高 青木
Hiroshi Mizutani
寛 水谷
Masahiko Takahashi
政彦 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再熱式の車両用空調装置に用いられる温水制
御弁について、流量特性を向上させると共に、温水供給
源で生じる流量変動の影響を受けにくくする。 【解決手段】 4ポート・3ウェイバタフライバルブの
温水制御弁に、第1ポート22と第4ポート25との間
で弁体27の摺動面となるケーシング21に外側へ膨出
する凹部28を設けて流路断面積拡大部とし、弁体27
と共に回動し凹部28を弁開度0%の位置で全開とし弁
開度100%の位置で全閉とする補助弁体28を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車室内
を空調する車両用空調装置に適用される温水制御弁及び
これを用いた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両には冷房、除
湿、暖房といった空気調和を行い、乗員に快適な車室内
環境を提供する車両用空調装置が装備されている。この
ような車両用空調装置には、従来より「エアミックス
式」及び「再熱式」と呼ばれるものがある。
【0003】一方のエアミックス式は、導入空気の全量
がエバポレータを通過した後、ヒータコアと呼ばれてい
る温水熱交換器を通過する導入空気量がエアミックスダ
ンパの開度に応じて調整されるものである。そして、ヒ
ータコア下流側に設けられるエアミックスチャンバ部分
において、ヒータコアを通過して加熱された導入空気と
ヒータコアを通過しない導入空気とが混合されので、両
者の混合割合によって各吹出口から吹き出す空調空気の
温度調節を行うことができる。このようなエアミックス
式は、エアミックスダンパの開閉動作を行うスペースや
エアミックスチャンバ部分が必要となるため、装置の小
型化が困難なことに加えて、通風抵抗が大きくなるとい
う問題を有している。
【0004】これに対し、再熱式の車両用空調装置は、
導入空気の全量がエバポレータ及びヒータコアを通過
し、ヒータコアに供給する温水流量を温水制御弁で調整
して温度制御するものである。すなわち、ヒータコアの
加熱能力は温水流量に応じて変化するので、各吹出口か
ら吹き出す空調空気の温度は、ヒータコアの加熱能力を
調整することで制御可能となる。従って、導入空気の流
れ方向にエバポレータ及びヒータコアを対向させて直列
に配置すればよいので、エアミックス方式で必要なエア
ミックスダンパの開閉動作を行うスペースやエアミック
スチャンバ部分が不要となり、装置の小型化や通風抵抗
の低減に有利である。なお、一般的な自動車用の車両用
空調装置では、走行用エンジンの冷却に用いられるエン
ジン冷却水系から、エンジン冷却水の一部が温水として
ヒータコアに導入されている。
【0005】上述したように、再熱式の車両用空調装置
においては、温水制御弁でヒータコアに供給する温水の
流量を制御しているが、たとえば特開平7−30001
2号公報に記載された温水循環式暖房装置のように、温
水制御弁(流量制御弁)として従来より4ポートのバタ
フライバルブなどが採用されている。
【0006】図13及び図14に示す温水制御弁20
は、いわゆる4ポート・3ウェイのバタフライバルブで
あり、エンジン系から温水を導入する第1ポート22、
ヒータコアへ温水を送出する第2ポート23、ヒータコ
アから熱交換後の温水を導入する第3ポート24、そし
てエンジン系へ温水を戻す第4ポート25の4つのポー
トを備えている。各ポートは平面視90度ピッチで4方
向に配置され、平板状の弁体27が図示省略の駆動手段
により弁軸26と一体に、図14に実線で表示した位置
と想像線で表示した位置との間で90度の範囲を回動す
る。この結果、第1ポート22から導入した温水の全量
を前記第2ポート23へ導く指示開度100パーセント
の第1の切換位置(最大加熱流路位置)と、第1ポート
22から導入した温水を開度に応じて第2ポート23及
び第4ポート25へ分配する第2の切換位置(加熱量調
整流路位置)と、第1ポート22から導入した温水の全
量を第4ポート25へ導く指示開度0%の第3の切換位
置(加熱停止流路位置)との3つの流路形態中から、運
転状況に応じて適宜選択することができる。なお、図1
4に実線で表示した弁体27の位置が加熱流路停止位
置、想像線で表示した弁体27の位置が最大加熱流路位
置である。
【0007】このようなバタフライバルブの流量特性
は、図2に実線で示すように、弁解度(%)の小さい領
域ではほぼ直線的に比較的緩やかな増加を示し、弁解度
が大きくなって100%に近づいた時点で急激に増加す
る。ここで、弁解度100%の状態とは上述した最大加
熱流路位置のことであり、エンジンから導入した温水の
全量がヒータコアへ供給される。また、弁解度0%の状
態とは上述した加熱停止流路位置のことであり、エンジ
ンから導入した温水の全量がヒータコアをバイパスして
そのままエンジンへ戻される。従って、弁解度0%以上
100%未満の間が加熱流量調整流路位置となり、弁解
度が増すにつれて図示した流量特性の如くヒータコアへ
供給される温水の流量が増す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した再
熱式車両用空調装置においては、エバポレータを通過し
ていったん冷却及び除湿された導入空気(冷凍サイクル
の運転が停止されている場合は単にエバポレータを通過
した導入空気)をヒータコアで加熱(再熱)し、ヒータ
コアの加熱能力を調整することで所望の吹出温度に制御
している。ヒータコアの加熱能力は、温水温度が一定で
あれば供給される温水流量とほぼ比例する関係にあるた
め、実質的には温水制御弁の開度制御を実施して温水の
供給量を調整している。
【0009】このような温水制御弁の開度制御を行う場
合、最大加熱流路位置または最大加熱流路位置に近い最
大暖房運転では、乗員に暖房感を与えるため高い吹出温
度が求められているので、指示開度を大きくして温水の
全量またはほぼ全量をヒータコアへ送出すればよい。一
方、加熱流路停止位置に近い温度調整運転では、いった
んエバポレータで冷却された導入空気(冷風)を所望の
温度まで再熱することになり、ヒータコアにおける加熱
能力の制御をきめ細やかにかつ正確に行うことが求めら
れる。
【0010】このような事情から、上述したバタフライ
弁の有する基本特性は、再熱式車両用空調装置の温水制
御弁として好ましいものである。すなわち、弁解度の小
さい領域では緩やかにほぼ直線的な流量変化をするため
加熱能力の制御を容易にし、弁解度がある程度大きくな
って実質的にきめ細かい流量制御をあまり必要としない
最大暖房運転の時点で急激な流量変化をするため、十分
な暖房能力を得られるようになる。従って、このような
特性をさらに使いやすいものとするためには、直線的な
流量変化の領域をさらに広げ、弁開度の変化に対応する
温水流量の変化をより小さく(傾きを小さく)すること
が望まれる。
【0011】しかしながら、車両用空調装置において温
水を供給する側となるエンジン系では、運転状態により
エンジン回転数がアイドリング時の低回転数(たとえば
500rpm程度)から急加速時等の高回転数(たとえ
ば5000rpm程度)まで大きく変動する。このた
め、エンジンからベルト駆動で駆動力を得ているエンジ
ン冷却水ポンプの回転数もこの影響を受けて大きく変動
し、ヒータコアに供給される温水の流量(圧力)にも大
きな変動が生じることとなる。
【0012】このような温水の流量変動は、温水流量と
ほぼ比例するヒータコアの加熱能力に大きな影響を及ぼ
し、結果として所望の吹出温度が得られないことがあ
る。特に、温水制御弁が加熱量調整流路位置にあり、そ
の指示開度が低い温度調整運転の条件では、きめ細かい
流量制御が求められていることから、流量変動によるヒ
ータコアの加熱能力の変動がもたらす影響も大きくな
る。そして、たとえば冷房運転中にもかかわらず、吹出
温度が設定値より上昇して乗員に不快感を与えるといっ
た問題を生じることがある。このため、運転状況等に伴
うエンジン回転数の変動があってもヒータコアに供給さ
れる温水の流量が変動することを防止または抑制して、
流量変動の影響を受けない安定した加熱能力制御を可能
にする温水制御弁の開発が望まれている。
【0013】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、温水制御弁の流量特性をさらに向上させると共
に、温水供給源で生じる流量変動の影響を受けにくくし
て、確実かつ安定した加熱能力制御を可能にした温水制
御弁及びこれを用いた車両用空調装置の提供を目的とす
るものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
温水制御弁は、温水供給源から温水を導入する第1ポー
トと、温水熱交換器へ温水を送出する第2ポートと、前
記温水熱交換器から熱交換後の温水を導入する第3ポー
トと、前記温水供給源へ温水を戻す第4ポートとを備
え、弁体の回動により、前記第1ポートから導入した温
水の全量を前記第2ポートへ導く第1の切換位置と、前
記第1ポートから導入した温水を開度に応じて前記第2
ポート及び前記第4ポートへ分配する第2の切換位置
と、前記第1ポートから導入した温水の全量を前記第4
ポートへ導く第3の切換位置との選択切換が可能な4ポ
ート・3ウェイバタフライバルブに、前記第1ポートと
前記第4ポートとの間で前記弁体の摺動面となるケーシ
ングに外側へ膨出する流路断面積拡大部を設けると共
に、前記弁体と共に回動し前記流路断面積拡大部を前記
第3の切換位置で全開とし前記第1の切換位置で全閉と
する補助弁体を設けたことを特徴とするものである。
【0015】このような温水制御弁によれば、第1ポー
トから第4ポートへ流れる温水の流路断面積が拡大して
同流路の圧力損失を低下させるため、補助弁体が流路面
積拡大部を開とする第2及び第3の切換位置、すなわち
弁開度が小さい状態では、温水熱交換器をバイパスして
温水供給源へ戻る温水の流量割合が増す。このため、弁
開度の増大に応じて増加する温水熱交換器の温水流量
は、その増加率(傾き)が小さなものとなる。また、温
水供給源に流量変動が生じた場合、流路断面積の大きい
第4ポート側へ流れる温水の割合が大きくなるので、温
水熱交換器側の流量変動が小さくなって、加熱能力の変
動を抑制することができる。
【0016】請求項2に記載の温水制御弁は、温水供給
源から温水を導入する第1ポートと、温水熱交換器へ温
水を送出する第2ポートと、前記温水熱交換器から熱交
換後の温水を導入する第3ポートと、前記温水供給源へ
温水を戻す第4ポートとを備え、弁体の回動により、前
記第1ポートから導入した温水の全量を前記第2ポート
へ導く第1の切換位置と、前記第1ポートから導入した
温水を開度に応じて前記第2ポート及び前記第4ポート
へ分配する第2の切換位置と、前記第1ポートから導入
した温水の全量を前記第4ポートへ導く第3の切換位置
との選択切換が可能な4ポート・3ウェイバタフライバ
ルブに、前記温水供給源から導入する温水の流量変動に
前記弁体を連動させて前記第4ポートへ導かれる温水流
量を加減し、前記第2ポートへ導かれる温水流量を一定
に保つ流量変動吸収手段を設けたことを特徴とするもの
である。
【0017】このような温水制御弁によれば、温水供給
源に流量変動が生じた場合、流量変動吸収手段の作用に
よって第2ポート(すなわち温水熱交換器)へ導かれる
温水流量が一定に保たれるので、温水熱交換器における
加熱能力の変動を抑制または防止することができる。
【0018】請求項3に記載の温水制御弁は、温水供給
源から温水を導入する第1ポートと、温水熱交換器へ温
水を送出する第2ポートと、前記温水熱交換器から熱交
換後の温水を導入する第3ポートと、前記温水供給源へ
温水を戻す第4ポートとを備え、弁体の回動により、前
記第1ポートから導入した温水の全量を前記第2ポート
へ導く第1の切換位置と、前記第1ポートから導入した
温水を開度に応じて前記第2ポート及び前記第4ポート
へ分配する第2の切換位置と、前記第1ポートから導入
した温水の全量を前記第4ポートへ導く第3の切換位置
との選択切換が可能な4ポート・3ウェイバタフライバ
ルブに、前記第1ポートと前記第4ポートとの間で前記
弁体の摺動面となるケーシングに外側へ膨出する流路断
面積拡大部を設け、前記弁体と共に回動し前記流路断面
積拡大部を前記第3の切換位置で全開し前記第1の切換
位置で全閉する補助弁体を設けると共に、前記温水供給
源から導入する温水の流量変動に前記弁体を連動させて
前記第4ポートへ導かれる温水流量を加減し、前記第2
ポートへ導かれる温水流量を一定に保つ流量変動吸収手
段を設けたたことを特徴とするものである。
【0019】このような温水制御弁によれば、第1ポー
トから第4ポートへ流れる温水の流路断面積が拡大して
同流路の圧力損失を低下させるため、補助弁体が流路面
積拡大部を開とする第2及び第3の切換位置、すなわち
弁開度が小さい状態では、温水熱交換器をバイパスして
温水供給源へ戻る温水の流量割合が増す。このため、弁
開度の増大に応じて増加する温水熱交換器の温水流量
は、その増加率(傾き)が小さなものとなる。また、温
水供給源に流量変動が生じた場合、流路断面積の大きい
第4ポート側へ流れる温水の割合が大きくなるので、温
水熱交換器側の流量変動が小さくなって加熱能力の変動
を抑制することができ、さらに、流量変動吸収手段の作
用によって温水熱交換器へ導かれる温水流量が一定に保
たれるので、温水熱交換器における加熱能力の変動を抑
制または防止することができる。
【0020】上記請求項2または3に記載の温水制御弁
においては、前記流量変動吸収手段が、前記弁体と一体
に回動する弁軸の長手方向を2分割した結合部に設けら
れ、一方の弁軸結合部に設けた中空の外軸部に他方の弁
軸結合部に設けた内軸部を回動可能に挿入し、前記外軸
部と前記内軸部との間に弁開度が小さい状態で温水の流
れに対抗して弁開度を維持する方向の付勢を与える弾性
部材を介在させると共に、弁開度が所定値以上に大きい
領域でのみ前記外軸部と前記内軸部との相対的な回動を
規制するストッパ機構を設けたものが好ましく、これに
より、ストッパ機構による規制がない時には、温水供給
源に流量変動が生じると以下のように作動する。
【0021】温水流量が設定値以上に増加すると、温水
圧力の増加により弾性部材が弾性変形して、弁体はより
弁開度を小さくする方向に開度を変化させる。このた
め、温水熱交換器側をバイパスして温水供給源へ流れる
温水の流量割合が増し、温水熱交換器側へ供給される温
水流量は一定に保たれる。なお、圧力が回復すると、弾
性によりもとの弁開度に復帰する。なお、温水熱交換器
へ供給される温水流量が最大となる弁開度大の領域で
は、ストッパ部材の作用により上述した流量変動の吸収
作用が発揮されないので、流量変動の影響を受けて暖房
能力が低下するのを防止できる。
【0022】請求項5に記載の温水制御弁は、温水供給
源から温水を導入する第1ポートと、温水熱交換器へ温
水を送出する第2ポートと、前記温水熱交換器から熱交
換後の温水を導入する第3ポートと、前記温水供給源へ
温水を戻す第4ポートとを備え、回動する弁体が、前記
第1ポートから導入した温水の全量を前記第2ポートへ
導く第1の切換位置と、前記第1ポートから導入した温
水を開度に応じて前記第2ポート及び前記第4ポートへ
分配する第2の切換位置と、前記第1ポートから導入し
た温水の全量を前記第4ポートへ導く第3の切換位置と
を備えた4ポート・3ウェイバタフライバルブに、前記
第1ポート近傍の入口から前記第4ポート近傍の出口へ
連通するバイパス流路を形成し、該バイパス流路の出口
にリード弁を設けると共に、前記弁体と共に回動し前記
第1の切換位置で前記リード弁を全閉位置に保持するス
トッパを設けたことを特徴とするものである。
【0023】このような温水制御弁によれば、バイパス
流路の出口に設けたリード弁を開くことで、第1ポート
から第4ポートへ流れる温水の流路断面積が拡大して同
流路の圧力損失を低下させ、弁開度が小さい状態では、
温水熱交換器をバイパスして温水供給源へ戻る温水の流
量割合が増す。このため、弁開度の増大に応じて増加す
る温水熱交換器の温水流量は、その増加率(傾き)が小
さなものとなる。また、温水供給源に流量変動が生じた
場合、リード弁がストッパにより保持されていないと、
流量変動に伴う圧力上昇でリード弁が開き、流量変動に
よる流量増加分を温水供給源へ戻すことができる。この
ため、温水熱交換器側の流量変動が小さくなり、加熱能
力の変動を抑制することができる。
【0024】請求項6に記載の車両用空調装置は、内気
または外気の導入空気を空調して車室内へ供給する再熱
式車両用空調装置であって、前記導入空気の送風手段
と、冷凍サイクルから供給される冷媒で前記導入空気を
冷却及び除湿するエバポレータと、温水供給源から供給
される温水で前記導入空気を加熱する温水熱交換器と、
各吹出口に設けられた開閉ダンパとを具備し、前記温水
熱交換器へ供給する温水を請求項1から5のいずれかに
記載の温水調整弁で流量制御するように構成したことを
特徴とするものである。
【0025】このような車両用空調装置によれば、加熱
能力の制御をきめ細かく行うことができ、かつ、温水供
給源で生じる流量変動の影響を受けにい温水制御弁を用
いたので、車両用空調装置の空調フィーリングを向上さ
せることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る温水制御弁及
びこれを用いた車両用空調装置の一実施形態を図面に基
づいて説明する。最初に、図4に基づいて車両用空調装
置の構成を説明する。この車両用空調装置は、再熱式の
HVAC(Heater, Ventilation, Air Conditioning)ユ
ニットと呼ばれているものであり、図中の符号1aは外
気導入口、1bは内気導入口、2はブロワファン、3は
エバポレータ、4はヒータコア、5はケーシング、6は
吹出口、7は吹出口6に設けられた開閉ダンパ、10は
HVACユニットである。なお、一般的なHVACユニ
ット10の場合、乗員の顔や上半身へ向けて冷風を吹き
出すフェイス吹出口、足元へ向けて温風を吹き出すフッ
ト吹出口、フロントガラスの内面等へ向けて温風を吹き
出すデフロスト吹出口を備えているが、フット吹出口に
ついては、HVACユニット10のケーシング5とダク
トで連結された位置に吹出口及び開閉ダンパが設けられ
ている。
【0027】このHVACユニット10では、内外気切
換ダンパ8を操作することで外気導入口1aまたは内気
導入口1bのいずれか一方から導入空気(外気または内
気)を取り込み、送風手段として設けたブロワファン2
を運転して吹出口6の方向へ送風する。ブロワファン2
の後流側には、エバポレータ3及びヒータコア4が対向
して直列に配置されている。なお、エバポレータ3及び
ヒータコア4は、導入空気の全量が通過するようHVA
Cユニット10の全流路断面にわたって配置されてい
る。ブロワファン2から送風された導入空気は、最初に
冷凍サイクル(図示省略)の構成要素であるエバポレー
タ3を通過する。この時、導入空気は液冷媒と熱交換し
て冷却され、除湿された冷風となる。なお、冷凍サイク
ルが運転されていない場合には、上述した導入空気は単
にエバポレータ3を通過するだけとなる。
【0028】続いて、エバポレータ3を通過した導入空
気は、加熱源として温水を導入するヒータコア(温水式
熱交換器)4を通過し、温水との熱交換により加熱され
る。この温水は、温水供給源であるエンジン系Eから導
入される。すなわち、車両走行用のエンジンを冷却する
ため循環して高温となったエンジン冷却水の一部をHV
ACユニット10に導入して利用するもので、ヒータコ
ア4へ供給する温水の流量は、HVACユニット10に
求められる吹出温度や運転状況などに応じて、温水制御
弁20Aを操作して制御される。ヒータコア4は、温水
の供給量にほぼ比例して加熱能力が増すので、吹出温度
が高く設定されている場合には温水供給量を増し、吹出
温度が低く設定されている場合には温水供給量を少なく
する。こうして所望の吹出温度に加熱(再熱)された導
入空気は、吹出モードに応じて開状態とされる吹出口6
から車室内へ向けて吹き出される。
【0029】ここで、ヒータコア4に供給する温水の流
量制御を行う温水制御弁20Aの構成について、その第
1の実施形態を図1ないし図3に示して説明する。この
温水制御弁20Aは、基本的には4ポート・3ウェイバ
タフライバルブと呼ばれる構造のものである。温水制御
弁20Aのケーシング21は概ね中空の立方体に成形さ
れており、その上面及び下面を除く前後左右の4面(平
面視90度ピッチで4方向)にそれぞれひとつのポート
が設けられている。具体的には、エンジン系Eから温水
を導入する第1ポート22、ヒータコア4へ温水を送出
する第2ポート23、ヒータコア4から熱交換後の温水
を導入する第3ポート24、そしてエンジン系Eへ温水
を戻す第4ポート25の4つである。
【0030】また、ケーシング21内には、上下に貫通
する弁軸26に固定されて、平板状の弁体27が上下方
向に設置されている。弁軸26の一端は電動モータやリ
ンク機構など図示省略の駆動手段に連結され、この弁軸
26と一体に弁体27が90度の範囲を回動する。この
結果、図3(d)に示すように、第1ポート22から導
入した温水の全量を第2ポート23へ導く指示開度が1
00パーセントの第1の切換位置(最大加熱流路位置)
と、図3(b)及び(c)に示すように、第1ポート2
2から導入した温水を弁開度に応じて第2ポート23及
び第4ポート25へ分配する第2の切換位置(加熱量調
整流路位置)と、図3(a)に示すように、第1ポート
22から導入した温水の全量を第4ポート25へ導く指
示開度が0%の第3の切換位置(加熱停止流路位置)と
の3つの流路形態中から、運転状況に応じて適宜選択す
ることができる。なお、図3において、(a)はバタフ
ライ弁である弁体27の弁角度が0度、(b)は弁開度
が60度、(c)は弁開度が80度、(d)は弁解度が
90度の状態を示している。
【0031】さらに、ケーシング21の下面(底面)2
1aには、ケーシング自体の壁面を外側へ膨出させて形
成した凹部28を設けてある。この凹部28は、温水制
御弁20Aの流路断面積拡大部として機能する部分であ
り、ヒータコア4をバイパスして第1ポート22から第
4ポート25へ向けて流れる温水を導くための温水流路
(以下バイパス流路)が形成される領域、すなわち、平
面視で約4分の1に相当する領域のケーシング下部壁面
にのみ設けられている。この結果、バイパス流路の流路
断面積は、第1ポート22から第2ポート23へ温水を
導く流路や第3ポート24から第4ポートへ温水を導く
流路と比較して凹部28の断面積分だけ大きくなるた
め、圧力損失が小さくなって温水が流れやすくなる。
【0032】このような凹部28に加えて、弁体27と
一体に回動する補助弁体29を設けてある。この補助弁
体29は、上下方向の板状部材である弁体27の下端に
直交して結合され、下面21aに沿って摺動する概ね4
分の1円程度の扇形をした板状の水平部材である。この
補助弁体29は、弁体27が温水の全量をエンジンへバ
イパスして戻す加熱停止流路位置(図3(a)参照)に
ある時凹部28を全開とし、凹部28を温水のバイパス
流路として有効利用できるようになっている。また、こ
の補助弁体29は、弁体27が温水の全量をヒータコア
4へ供給する最大加熱流路位置(図3(d)参照)にあ
る時凹部28を全閉にして、凹部28を温水が流れない
ようにしてある。なお、ここで凹部28を全閉にすると
いう意味は、弁体27と補助弁体29とにより、第1ポ
ート22から導入した温水が第4ポート25及び凹部2
8へ流れ込まないようにすることである。
【0033】このような構成の温水制御弁20Aとすれ
ば、弁開度100%の最大加熱流路位置にある時には、
凹部28が弁体27及び補助弁体29によって塞がれて
いるので、図2に示すヒータコア温水流量は従来と同様
である。従って、供給される温水を有効に利用して、最
大暖房に必要な加熱能力を得ることができる。特に、近
年はエンジンの高効率化が進み、余分な排熱が少なくな
ってきているので、弁開度が75%以上で凹部28が全
閉されるように設定して暖房能力を確保するのが好まし
い。
【0034】しかし、弁開度が0%の加熱停止流路位置
から弁開度を増して行く場合、凹部28を流路として有
効に利用できるため、第2ポート23からヒータコア4
へ供給される温水流量と第4ポート25からエンジンへ
バイパスされる温水流量とでは、凹部28の流路断面積
が増したことで流路抵抗の減少した第4ポート25側の
流量割合が大きくなる。従って、弁開度の増大に伴うヒ
ータコア温水流量の増加は従来より緩やかなものとな
り、図2に破線で示すように、その傾きは小さくなる。
また、開度0%から緩やかな傾斜の直線状に流量が増加
する特性は、凹部28の位置や断面積、そして補助弁体
29の形状などを適宜変更することである程度の調整が
可能である。従って、図2に実線で示す従来の特性と比
較して、緩やかな直線で温水流量が上昇する弁開度の範
囲を広げることができ、より広範囲の弁開度領域で温水
流量のきめ細かい制御を行ってヒータコア4の加熱能力
を調整することが可能になる。なお、このように緩やか
な直線状で上昇する流量特性は、車両用空調装置で再熱
によるきめ細かい吹出温度の調整が必要となる弁開度0
%から少なくとも50%の範囲とするのが好ましく、実
質的に暖房運転に近い概ね弁開度60%を越えたあたり
から傾斜を増して温水流量が急増するようにすればよ
い。
【0035】さらに、凹部28を温水流路として利用で
きる弁開度では、たとえば急加速によるエンジン回転数
の急増に伴い温水供給量が急増しても、流路抵抗の小さ
い第4ポート25側へ流れる温水の割合が多いため、ヒ
ータコア4側の流量増加を最小限に抑えることができ
る。従って、温水供給量が急増して加熱能力を増加させ
るようなことはなく、たとえば冷房運転時に吹出温度が
上昇して空調フィーリングを悪化させるようなことはな
い。
【0036】なお、上述した実施形態では、凹部28を
ケーシング21の下面21aに設けてあるが、本発明は
これに限定されることはなく、たとえば補助弁体29の
位置変更と共に上面や側面に設けることも可能である。
【0037】続いて、本発明による温水制御弁の第2の
実施形態を図5ないし図9に基づいて説明する。この実
施形態では、上述した第1の実施形態の温水制御弁20
Aに対し、温水供給源のエンジンから導入する温水の流
量変動に弁体27を連動させて第4ポート25へ導かれ
る温水流量を加減し、第2ポート23へ導かれる温水流
量を一定に保つ流量変動吸収手段として、流量変動吸収
機構30を設けてある。
【0038】この流量変動吸収機構30は、弁体27と
一体に回動する弁軸26を長手方向に2分割した弁体側
軸26Aと駆動側軸26Bとの結合部に設けられる。図
示の例では、一方の弁軸結合部、すなわち弁体側軸26
Aに設けた中空円筒の外軸部31に他方の弁軸結合部、
すなわち駆動軸側26Bに設けた内軸部32を回動可能
に挿入し、外軸部31と内軸部32との間にほぼ半円筒
形状とした板バネ33を介在させてある。この板バネ3
3は、半円筒形状の側壁両端に折曲部33a,33bを
設けてあり、一方の折曲部33aが外軸部31に設けた
溝31aに挿入支持され、他方の折曲部33bが内軸部
32の細径部32aに設けられた溝32bに挿入支持さ
れる。この結果、板バネ33は、内軸部32に作用する
開閉操作を外軸部31に伝達すると共に、弁27の開度
が小さい状態では温水の流れ(圧力)に対抗し、通常の
圧力では弁開度を維持する弾性部材として機能する。具
体的には、たとえば図3(c)の弁体27は反時計廻り
方向に回転する圧力を受けるが、通常の圧力範囲では板
バネ33は変形することなく所望の弁開度が維持され
る。
【0039】また、流量変動吸収機構30には、弁開度
が所定値以上に大きい領域でのみ外軸部31と内軸部3
2との相対的な回動を規制するストッパ機構40を設け
てある。このストッパ機構40は、ピン41と、コイル
バネ42と、支持ブロック43と、ピン穴44,45
と、ガイド部材46とを具備して構成される。ピン41
の途中には拡径した鍔部41aが設けられ、該鍔部41
aの両側がそれぞれ挿入ピン41b及びガイド接触部4
1cとなっている。このうち、挿入ピン41bの外周部
にはコイルバネ42が装着される。一方、支持ブロック
43には鍔部41aを摺動させるガイド穴43aが設け
られ、該ガイド穴43aの一端にはガイド接触部41c
の貫通孔43bを設けた壁面部43cが形成されてい
る。
【0040】ピン穴44,45は、所定の弁開度位置で
外軸部31の外周面から内軸部32まで貫通して設けら
れる。ピン穴44の入口部には、ガイド穴43aと同径
のバネ受け部44aが設けられている。支持ブロック4
3は、ピン穴44,45とガイド穴43a及び貫通孔4
3bの中心を一致させると共に、ピン41及びコイルバ
ネ42をガイド穴43a内に収容して外軸部31に固定
してある。この結果、ガイド接触部41cは貫通孔43
bを貫通して支持ブロック43の外部へ突出し、挿入ピ
ン41bはピン穴44へ挿入される。なお、コイルバネ
42は、鍔部42とバネ受け部44aとの間に位置して
いる。
【0041】また、ガイド部材46は、温水制御弁20
Aの適所に固定された部材であり、弁体27の開閉位置
が所定の領域に入ってくると、ピン41のガイド接触部
41cが内軸部32の方向へ押し込まれるように設置さ
れている。これにより、鍔部41aでコイルバネ42を
圧縮し、挿入ピン41bの先端部がピン穴45に入り込
むので、外軸部31と内軸部32との間は相対的な回動
が阻止され、1本の軸として機能する。なお、図8にお
いて、(a)はストッパ機構40の規制がなく外軸部3
1と内軸部32との相対的な回動が可能な「弁開度小」
の状態、(b)はストッパ機構40の規制を受けて外軸
部31と内軸部32との相対的な回動が不可能な「弁開
度大」の状態を示している。
【0042】このような構成とすれば、ストッパ機構4
0による規制がない時には、エンジンから供給される温
水に流量変動が生じると以下のように作動する。温水流
量が急激に増加すると、温水圧力も急激に増加するた
め、弁体27に作用する圧力が板バネ33を弾性変形さ
せる。この結果、弁体27はより弁開度を小さくする方
向に開度を変化させるため、ヒータコア4をバイパスし
て第4ポート25からエンジンへ流れる温水の流量割合
が増し、ヒータコア4側へ供給される温水流量は一定に
保たれる。そして、温水流量が減少して通常の状態に戻
ると、こんんどは板バネ33の弾性でもとの弁開度に復
帰する。また、ヒータコア4へ供給される温水流量が最
大となる弁開度大の領域では、ストッパ機構40の作用
によって上述した流量変動の吸収作用が発揮されないの
で、流量変動の影響で温水が第4ポートへバイパスされ
てヒータコアへの供給流量減を招き、暖房能力が低下す
るのを防止できる。
【0043】このように、温水制御弁20Aに流量変動
吸収機構30を設ければ、温水供給源側に流量変動が生
じた場合でも、流量変動吸収機構30の作用によって弁
体27が動作し、第2ポート23(すなわちヒータコア
4)へ導かれる温水流量が一定に保たれるので、ヒータ
コア4における加熱能力の変動を抑制または防止するこ
とができる。なお、上述した第2の実施形態の説明で
は、より一層優れた特性が得られることから、流路断面
積拡大部を備えた第1の実施形態の温水制御弁20Aに
流量変動吸収機構30を適用してあるが、従来例に示し
た温水制御弁20に適用しても有効であることは言うま
でもない。
【0044】次に、本発明による温水制御弁の第3の実
施形態を図10ないし図13に基づいて説明する。この
実施形態に示す温水制御弁20Bでは、第1ポート22
近傍の入口51から第4ポート25近傍の出口52へ連
通するバイパス流路50を形成し、該バイパス流路50
の出口52にリード弁53を設けてある。また、弁体2
7と共に回動し、温水の全量を第2ポート23からヒー
タコア4へ送出する第1の切換位置でリード弁53を全
閉位置に保持するストッパ54を設けてある。
【0045】バイパス流路50としては、ケーシングの
底面部に一体的に成形して設けてもよいし、あるいは、
配管等で連結するものでもよい。また、リード弁53
は、弾性を有する板状部材の一端側を固定し、他端側を
フリーにして出口52を覆うように設置したもので、自
然状態では出口を塞ぐようになっている。そして、スト
ッパ54は、弁体27の下端部に固定され、弁体27と
一体に回動する部材である。
【0046】このような温水制御弁20Bとすれば、バ
イパス流路50の出口52に設けたリード弁53を開く
ことで、第1ポート22から第4ポート25へ流れる温
水の流路断面積が拡大して同流路の圧力損失を低下させ
ることができる。このため、弁体27の弁開度が小さい
温度調整運転の状態では、ヒータコア4をバイパスして
エンジンへ戻る温水の流量割合が増すので、弁開度の増
大に応じて増加するヒータコアの温水流量は、第1の実
施形態と同様にその増加率(傾き)が小さなものとな
る。また、エンジンに流量変動が生じた場合、リード弁
53がストッパ54により保持されていない弁開度小の
状態では、流量変動に伴う圧力上昇でリード弁53が押
し開かれ、流量変動による流量増加分をエンジン側へバ
イパスして戻すことができる。このため、第2の実施形
態で説明した流量変動吸収機構30と同様の作用によ
り、ヒータコア4側の流量変動が小さくなり、加熱能力
の変動を抑制することができる。なお、リード弁53の
最大開度はストッパ54の位置、すなわち弁開度に応じ
て変化するので、出口52の有効面積が変化してバイパ
ス流量も調整される。
【0047】ところで、上述した各実施形態では弁軸2
6の駆動源に関する具体的な説明を省略したが、車両用
空調装置側の構成に応じて自動制御やリンク機構など、
公知の従来技術が適用可能なことは言うまでもない。ま
た、本発明の構成は上述した各実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
適宜変更することができ、たとえば、本発明の温水制御
弁は、ケーシングが立方体状に限らず円筒形状とするこ
とも可能である。
【0048】
【発明の効果】上述した本発明の温水制御弁及びこれを
用いた車両用空調装置によれば、以下の効果を奏する。 (1)第1ポートから第4ポートへ温水を導く流路の断
面積を増加させる凹部やバイパス流路を設けたので、弁
開度が小さい領域では、弁開度の増大に伴う温水熱交換
器への温水供給量は従来より緩やかな傾斜で増加するよ
うになり、きめ細かな加熱能力の制御が容易な温水制御
弁になる。従って、この温水制御弁を用いた車両用空調
装置においては、きめ細かな制御を確実に行うことが可
能となって空調フィーリングを向上させることができ
る。
【0049】(2)第1ポートから第4ポートへ温水を
導く流路に流路の断面積を増加させる凹部を設けたの
で、温水供給側に流量変動が生じた場合、その大部分を
第4ポート側へバイパスして流すことができるようにな
り、第2ポートから温水熱交換器へ供給される温水流量
が変動するのを抑制することができる。従って、温水供
給側の流量変動に影響されて加熱能力が変動するの抑制
できる温水制御弁となり、これを用いた車両用空調装置
の空調フィーリングを向上させることができる。 (3)温水供給源に流量変動が生じた場合、弁体が動作
して第4ポートへ導かれる温水流量を加減し、第2ポー
トへ導く温水流量を一定に保つ流量変動吸収手段を設け
た温水制御弁は、温水熱交換器における加熱能力の変動
を抑制または防止できるので、これを用いた車両用空調
装置の空調フィーリングを向上させることができる。 (4)第1ポートから第4ポートへ温水を導く流路にバ
イパス流路を形成し、その出口にリード弁を設けたの
で、温水供給源に流量変動が生じるとリード弁が開いて
第4ポート側へバイパスして流すことができるようにな
り、第2ポートから温水熱交換器へ供給される温水流量
が変動するのを抑制することができる。従って、温水供
給側の流量変動に影響されて加熱能力が変動するの抑制
できる温水制御弁となり、これを用いた車両用空調装置
の空調フィーリングを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る温水制御弁の第1の実施形態を
示す斜視図である。
【図2】 図1に示す温水制御弁及び従来の温水制御弁
の特性を示す図で、弁開度(%)とヒータコア温水流量
との関係を示している。
【図3】 図1の温水制御弁について弁開度の変化を示
す図で、(a)は弁角度0度(弁開度0%)の状態、
(b)は弁開度60度の状態、(c)は弁開度80度の
状態、(d)は弁開度90度(弁開度100%)の状態
である。
【図4】 再熱式HVACユニットの構成例を示す図で
ある。
【図5】 本発明に係る温水制御弁の第2の実施形態を
示す断面図である。
【図6】 図5のA−A断面図である。
【図7】 図5における流量変動吸収機構の構成を示す
分解斜視図である。
【図8】 図5におけるストッパ機構の作動を示す説明
図で、(a)はストッパ機構が不作動で内外軸部がフリ
ーの状態、(b)はストッパ機構が作動して内外軸部が
一体化した状態である。
【図9】 図5に示す温水制御弁の特性を示す図で、弁
開度(%)とヒータコア温水流量との関係を示してい
る。
【図10】 本発明に係る温水制御弁の第3の実施形態
を示す図で、(a)は弁角度0度(弁開度0%)の状態
を示す断面図、(b)はバイパス流路出口付近の要部斜
視図である。
【図11】 図11に示した温水制御弁の動作を示す図
で、(a)は弁角度60度の状態、(b)は弁角度90
度(弁開度100%)の状態である。
【図12】 図10に示す温水制御弁の特性を示す図
で、弁開度(%)とヒータコア温水流量との関係を示し
ている。
【図13】 従来の温水制御弁を示す斜視図である。
【図14】 従来の温水制御弁における弁体動作を示す
断面図である。
【符号の説明】
2 ブロワファン(送風手段) 3 エバポレータ 4 ヒータコア(温水熱交換器) 6 吹出口 7 開閉ダンパ 10 HVACユニット(車両用空調装置) 20A,20B 温水制御弁 22 第1ポート 23 第2ポート 24 第3ポート 25 第4ポート 27 弁体 28 凹部(流路断面積拡大部) 29 補助弁体 30 流量変動吸収機構(流量変動吸収手段) 40 ストッパ機構 50 バイパス流路 51 入口 52 出口 53 リード弁 54 ストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 寛 愛知県名古屋市中村区岩塚町字九反所60番 地の1 中菱エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 高橋 政彦 愛知県名古屋市中村区岩塚町字九反所60番 地の1 中菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3H067 AA05 BB02 BB12 FF17 GG13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水供給源から温水を導入する第1ポ
    ートと、温水熱交換器へ温水を送出する第2ポートと、
    前記温水熱交換器から熱交換後の温水を導入する第3ポ
    ートと、前記温水供給源へ温水を戻す第4ポートとを備
    え、弁体の回動により、前記第1ポートから導入した温
    水の全量を前記第2ポートへ導く第1の切換位置と、前
    記第1ポートから導入した温水を開度に応じて前記第2
    ポート及び前記第4ポートへ分配する第2の切換位置
    と、前記第1ポートから導入した温水の全量を前記第4
    ポートへ導く第3の切換位置との選択切換が可能な4ポ
    ート・3ウェイバタフライバルブに、前記第1ポートと
    前記第4ポートとの間で前記弁体の摺動面となるケーシ
    ングに外側へ膨出する流路断面積拡大部を設けると共
    に、前記弁体と共に回動し前記流路断面積拡大部を前記
    第3の切換位置で全開とし前記第1の切換位置で全閉と
    する補助弁体を設けたことを特徴とする温水制御弁。
  2. 【請求項2】 温水供給源から温水を導入する第1ポ
    ートと、温水熱交換器へ温水を送出する第2ポートと、
    前記温水熱交換器から熱交換後の温水を導入する第3ポ
    ートと、前記温水供給源へ温水を戻す第4ポートとを備
    え、弁体の回動により、前記第1ポートから導入した温
    水の全量を前記第2ポートへ導く第1の切換位置と、前
    記第1ポートから導入した温水を開度に応じて前記第2
    ポート及び前記第4ポートへ分配する第2の切換位置
    と、前記第1ポートから導入した温水の全量を前記第4
    ポートへ導く第3の切換位置との選択切換が可能な4ポ
    ート・3ウェイバタフライバルブに、前記温水供給源か
    ら導入する温水の流量変動に前記弁体を連動させて前記
    第4ポートへ導かれる温水流量を加減し、前記第2ポー
    トへ導かれる温水流量を一定に保つ流量変動吸収手段を
    設けたことを特徴とする温水制御弁。
  3. 【請求項3】 温水供給源から温水を導入する第1ポ
    ートと、温水熱交換器へ温水を送出する第2ポートと、
    前記温水熱交換器から熱交換後の温水を導入する第3ポ
    ートと、前記温水供給源へ温水を戻す第4ポートとを備
    え、弁体の回動により、前記第1ポートから導入した温
    水の全量を前記第2ポートへ導く第1の切換位置と、前
    記第1ポートから導入した温水を開度に応じて前記第2
    ポート及び前記第4ポートへ分配する第2の切換位置
    と、前記第1ポートから導入した温水の全量を前記第4
    ポートへ導く第3の切換位置との選択切換が可能な4ポ
    ート・3ウェイバタフライバルブに、前記第1ポートと
    前記第4ポートとの間で前記弁体の摺動面となるケーシ
    ングに外側へ膨出する流路断面積拡大部を設け、前記弁
    体と共に回動し前記流路断面積拡大部を前記第3の切換
    位置で全開し前記第1の切換位置で全閉する補助弁体を
    設けると共に、前記温水供給源から導入する温水の流量
    変動に前記弁体を連動させて前記第4ポートへ導かれる
    温水流量を加減し、前記第2ポートへ導かれる温水流量
    を一定に保つ流量変動吸収手段を設けたたことを特徴と
    する温水制御弁。
  4. 【請求項4】 前記流量変動吸収手段は、前記弁体と
    一体に回動する弁軸の長手方向を2分割した結合部に設
    けられ、一方の弁軸結合部に設けた中空の外軸部に他方
    の弁軸結合部に設けた内軸部を回動可能に挿入し、前記
    外軸部と前記内軸部との間に弁開度が小さい状態で温水
    の流れに対抗して弁開度を維持する方向の付勢を与える
    弾性部材を介在させると共に、弁開度が所定値以上に大
    きい領域でのみ前記外軸部と前記内軸部との相対的な回
    動を規制するストッパ機構を設けたことを特徴とする請
    求項2または3記載の温水制御弁。
  5. 【請求項5】 温水供給源から温水を導入する第1ポ
    ートと、温水熱交換器へ温水を送出する第2ポートと、
    前記温水熱交換器から熱交換後の温水を導入する第3ポ
    ートと、前記温水供給源へ温水を戻す第4ポートとを備
    え、回動する弁体が、前記第1ポートから導入した温水
    の全量を前記第2ポートへ導く第1の切換位置と、前記
    第1ポートから導入した温水を開度に応じて前記第2ポ
    ート及び前記第4ポートへ分配する第2の切換位置と、
    前記第1ポートから導入した温水の全量を前記第4ポー
    トへ導く第3の切換位置とを備えた4ポート・3ウェイ
    バタフライバルブに、前記第1ポート近傍の入口から前
    記第4ポート近傍の出口へ連通するバイパス流路を形成
    し、該バイパス流路の出口にリード弁を設けると共に、
    前記弁体と共に回動し前記第1の切換位置で前記リード
    弁を全閉位置に保持するストッパを設けたことを特徴と
    する温水制御弁。
  6. 【請求項6】 内気または外気の導入空気を空調して
    車室内へ供給する再熱式車両用空調装置であって、 前記導入空気の送風手段と、冷凍サイクルから供給され
    る冷媒で前記導入空気を冷却及び除湿するエバポレータ
    と、温水供給源から供給される温水で前記導入空気を加
    熱する温水熱交換器と、各吹出口に設けられた開閉ダン
    パとを具備し、前記温水熱交換器へ供給する温水を請求
    項1から5のいずれかに記載の温水調整弁で流量制御す
    るように構成したことを特徴とする車両用空調装置。
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