JP2002192176A - 液体の酸化分解方法および酸化分解装置 - Google Patents

液体の酸化分解方法および酸化分解装置

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JP2002192176A
JP2002192176A JP2000400182A JP2000400182A JP2002192176A JP 2002192176 A JP2002192176 A JP 2002192176A JP 2000400182 A JP2000400182 A JP 2000400182A JP 2000400182 A JP2000400182 A JP 2000400182A JP 2002192176 A JP2002192176 A JP 2002192176A
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liquid
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ozone
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ultraviolet rays
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Susumu Kumano
晋 熊野
Masaru Kojima
大 児島
Tetsuo Kobayashi
哲男 小林
Kazuyoshi Yamamoto
和良 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、被処理液にオゾンを溶解させ且つ
紫外線を照射して被処理液を酸化処理する際に、該被処
理液からスケールが生じやすい場合にも該スケールによ
って紫外線照射を妨げられることなく促進酸化分解でき
る酸化分解方法およびその装置を提供することを課題と
する。 【解決手段】 本発明の手段は、被処理液にオゾンを溶
解させた後、該被処理液を略水平方向に流しつつ、該被
処理液に接触させることなく該被処理液の上面側から紫
外線を照射することを特徴とする液体の酸化分解方法に
よる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体の酸化分解方
法および装置に関し、とりわけ、埋め立て処分場の浸出
水や工場廃水などのようにダイオキシン類等の有機塩素
化合物や生物難分解性物質を含有する液体を処理する場
合に好適な酸化分解方法および酸化分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生物難分解性物質やダイオキシン類など
の有機塩素化合物は、生物処理では分解処理することが
困難であり、オゾン、紫外線又は過酸化水素から2つ以
上を併用した促進酸化分解法によって処理することが有
効であることが知られている。斯かる処理法によれば、
フッ素に次ぐ強い酸化力を持ったヒドロキシラジカルを
生成させ、生物難分解生物質等を分解性の高い低分子量
にまで分解し、さらに二酸化炭素や水にまで分解するこ
とが可能となる。
【0003】従来、促進酸化分解装置としては、例えば
オゾン溶解装置と、該オゾン溶解装置の下流側に設けた
UV(紫外線)処理装置とから成るものが知られてお
り、該UV処理装置は、被処理液と紫外線ランプとを透
明な板材(保護材)等で仕切り、該板材を介して紫外線
を被処理液に照射するように構成されたもの(例えば、
被処理液中に紫外線ランプを浸漬させたもの)が一般的
に使用されている。
【0004】しかしながら、最終処分場の浸出水や特定
の工場廃水などには、生物難分解性物質とともに高濃度
の無機塩類、例えばCa、Na、S、Ba、Mn、Mg
などが含まれており、処理過程でpHが高くなった場合
や、有機物が多い廃水の酸化分解処理でCO2まで分解
される場合にCO3 -が増大し、これらの無機塩類が処理
装置内にスケール成分(炭酸塩)となって付着しやすい
という性質を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
促進酸化分解装置によって高濃度の無機塩類を含む処理
液を分解処理しようとすると、該UV処理装置において
紫外線を透過させるべく用いられている前記保護材にも
スケールが付着し、その結果紫外線の透過が妨げられ、
該紫外線照射強度低下による脱塩素化反応の低下、及び
オゾンからの液中のヒドロキシラジカルの生成の低下に
より、分解効率が低下するという問題が生じる。
【0006】また、このような塩類を予め凝集沈殿槽な
どで除去することも可能であるが、該凝集沈殿槽や生物
処理装置から排出される汚泥中に生物難分解性物質やダ
イオキシン類が含まれることになり、これら排出汚泥を
別途処理する必要があることで処理が煩雑なものとな
る。
【0007】そこで、本発明は、上記の問題点に鑑み、
被処理液からスケールが生じやすい場合にも、該スケー
ルによって紫外線照射を妨げられることなく促進酸化分
解できる酸化分解方法およびその装置を提供することを
課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、以下の発明を完成す
るに至った。
【0009】即ち、本発明の手段は、被処理液にオゾン
を溶解させた後、該被処理液を略水平方向に流しつつ、
該被処理液に接触させることなく該被処理液の上面側か
ら紫外線を照射することを特徴とする液体の酸化分解方
法にある。
【0010】かかる処理方法によれば、被処理液と紫外
線ランプとが非接触であるために、被処理液から析出す
るスケールが該紫外線ランプに付着することなく、紫外
線の照射が妨げられる虞がない。また、被処理液の上面
側から紫外線を照射するため、被処理液と紫外線ランプ
とを仕切る保護材を設ける必要性がなく、該保護材によ
っても紫外線照射が妨げられる虞がない。
【0011】また、本発明の手段は、好ましくは、前記
略水平方向に流す被処理液を、薄層状とする液体の酸化
分解方法にあり、好ましくは、50〜400KPaの圧
力下において処理する液体の酸化分解方法にある。
【0012】被処理液を薄層状とすることにより、該被
処理液が紫外線に晒される率が高まり、より酸化分解を
促進することが可能となる。また、50〜400KPa
に加圧されて処理されることにより、オゾンの被処理液
中への溶解が促進され、あるいはオゾンの溶解量が維持
されるため、オゾンを効率的に利用し紫外線との相乗効
果による酸化分解能力をより顕著なものとすることがで
きる。
【0013】また、本発明の手段は、上記のような液体
の酸化分解方法に好適な酸化分解装置であって、被処理
液にオゾンを溶解させるオゾン溶解装置と、該オゾン溶
解装置でオゾンが溶解された被処理液を流す略水平な水
路と、該水路を流れる被処理液と接触することなく該被
処理液の上面側から紫外線を照射する紫外線ランプとを
備えていることを特徴とする酸化分解装置にある。
【0014】また、本発明の手段は、前記水路と前記紫
外線ランプとを組み合わせてなる処理部を複数段備え、
且つ該複数段の処理部を前記被処理液が順に通過するよ
うに配されてなることを特徴とする前記酸化分解装置に
ある。
【0015】複数段の処理部によって順に処理されるこ
とにより、生物難分解性物質やダイオキシン類の酸化分
解処理や脱塩素化反応に必要な十分な時間と紫外線照射
量とで処理することが可能となる。
【0016】また、本発明の手段は、前記水路を流れる
被処理液が薄層状となるように構成されていることを特
徴とする前記酸化分解装置にある。
【0017】また、本発明の手段は、装置内が50〜4
00KPaに加圧されていることを特徴とする前記酸化
分解装置にある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液体の酸化分
解方法および酸化分解装置の実施形態について、図面を
参照しつつ説明する。
【0019】図1に示すように、本実施形態の酸化分解
装置1は、被処理液AにオゾンBを溶解させるオゾン溶
解装置10と、該オゾン溶解装置10でオゾンが溶解さ
れた被処理液Aを流す略水平な水路11と、該水路11
を流れる被処理液Aと接触することなく該被処理液Aの
上面側から紫外線Cを照射する紫外線ランプ12とを備
え、該水路11と該紫外線ランプ12とを組み合わせて
なる処理部13が上下に複数段備えられ、最上段の処理
部13aに供給された被処理液Aが、該複数段の処理部
13を順に流下するように構成されている。
【0020】前記オゾン溶解装置10としては、より多
くの量のオゾンBを被処理液A中に溶解させ、あるいは
オゾン気体の微細粒子を被処理液中に分散させて気液混
相流をつくりだすものであれば特に限定されないが、中
でも吸引溶解装置が好ましい。
【0021】吸引溶解装置とは、液体を高圧で送り出す
ベンチュリ管やオリフィス管のような絞り部と、該絞り
部のわずかに下流側から気体を供給する気体流入口と、
前記絞り部から続いて徐々に流路径が広がった広がり部
と、該広がり部の下流で液体と気体と加圧下で溶融混合
する混合部と、該混合部の出口に設けたノズル部とを備
えたものであり、気体が液体に効率的に溶解されるとと
もに、微細な気泡がコロイド状態で液中に分散した気液
混相流を発生させるものである。本発明では、該気体と
してオゾンが供給され、該液体としては処理対象となる
液体(即ち、被処理液)が通される。
【0022】また、前記水路11は、被処理液Aが供給
される入口側から該被処理液Aを排出する出口側にかけ
て、略水平かあるいはやや傾斜した直線的な平面を有
し、入口側で供給された被処理液Aが出口側まで滞留す
ることなく流れるように構成されている。
【0023】斯かる水路11の真上には、所定間隔をお
いて該水路11と離間して且つ該水路11と平行となる
ように紫外線ランプ12が配されてなる。被処理液Aと
該紫外線ランプ12との間隔は、被処理液Aの流量変動
や該被処理液Aからの飛沫等を考慮して、該紫外線ラン
プ12表面にスケールの付着しない程度に離間させるこ
とが好ましい。
【0024】このような水路11と紫外線ランプ12と
が一対に組み合わされることにより、一つの処理部13
が構成されている。かかる処理部13は、処理水量や被
処理液の水質等により段数を変化させ、上下におよそ3
〜10段程度組み合わされてなることが好ましく、例え
ば本実施例では5段の処理部を有して構成されている。
【0025】本実施形態では、斯かる複数段の処理部1
3は、被処理液Aが1段ごとに交互に折り返されて流下
するように構成されている。即ち、最上段の処理部13
aの出口側の下方には、第2段目の処理部13bの入口
側が位置し且つ第2段目の被処理液の流れる方向が最上
段とは逆向きとなるように構成され、第2段目の処理部
13bの出口側の下方には第3段目の処理部13cの入
口側が位置し且つ第2段目とは逆向きに被処理液が流れ
るように構成され、以下第5段目まで同様に構成されて
いる。
【0026】また、このように交互に逆向きとなるよう
に構成されていることにより、下段の処理部(例えば1
3b)を構成する紫外線ランプ(例えば12b)は、上
段の処理部(例えば13a)を構成する水路(例えば1
1a)の直下に配置させることができ、空間を有効に活
用した酸化分解装置が構成されている。
【0027】前記水路上11に流される被処理液Aは、
薄層状であることが好ましく、具体的には、紫外線Cの
照射距離、装置への被処理水の供給量(被処理水の供給
量+循環量)、滞留時間、水路の幅等を調整することに
より、概ね2〜5mm程度の厚さとすることが好まし
い。液の厚さを2mm以下とすると分解効率がそれ以上
改善されずに処理量が低下することとなって非効率的と
なり、また、液の厚さを5mm以上とすると紫外線Cが
被処理液Aの内部にまで十分に透過されず、紫外線によ
る脱塩素化反応の効果低下や、オゾンとの反応によるヒ
ドロキシラジカルの生成率低下により、酸化促進を図る
ことが困難となる。但し、被処理水の水質によってはこ
の厚さに限るものではない。
【0028】また、該酸化分解装置1内は、50〜40
0KPaに加圧されていることが好ましく、100KP
aに加圧されていることが最も好ましい。装置内をこの
ように加圧することによって、前記吸引溶解装置によっ
てコロイド状態となったオゾンBをさらに被処理液A中
に溶解させ、被処理液中のオゾン溶解量を増加させるこ
とができる。さらに、一旦被処理液中に溶解したオゾン
が放出されるのを防ぐことができる。酸化分解装置内を
加圧するための手段は、特に限定されるものではなく、
例えば圧力ポンプを介して装置内にオゾンを供給しさら
に出口のバルブを調整するという手段が例示できる。
【0029】斯かる酸化分解装置によれば、被処理液A
は、先ずオゾン溶解装置10でオゾンBを溶解された
後、最上段の処理部13a入口側へ供給され、薄層状と
なって水路11aを流れる間に紫外線ランプ12aより
紫外線Cを照射された後、最上段出口側より流下し、さ
らに続けて順次下段の処理部13b、13c…によって
処理される。被処理液A中に溶解したオゾンBは、紫外
線Cの働きによりヒドロキシラジカルとなり、生物難分
解性物質等は効果的に分解処理されることとなる。
【0030】また、紫外線ランプ12は、被処理液Aの
直上で水路11と平行して設けられているため、紫外線
Cが連続的に被処理液Aを照射することとなり、直接照
射効果として紫外線による脱塩素化反応が促進され、処
理効率の改善が図られるとともに、被処理液Aと紫外線
ランプ12とが非接触であるため、スケールが付着して
紫外線照度が低下する虞もない。
【0031】さらに、水路11が略水平に且つ多段に設
置されているために、被処理液Aの通過時間(処理時
間)が十分に確保でき、紫外線照射が十分に行われるこ
ととなり、分解処理の効率を高めることが可能となる。
【0032】また、装置内が加圧されていることによ
り、コロイド状態のオゾンの溶解が促進され、且つオゾ
ンの溶解量が維持されやすく、最上段の処理部から最下
段の処理部に至るまでの全域にわたってオゾンを有効に
作用させることが可能となる。
【0033】また、該酸化分解装置から排出された被処
理液にはオゾンが溶解しているため、余剰溶解オゾンを
分離除去するために、図1に示したようなガス分離滞留
反応器20を設けてもよい。該ガス分離滞留反応器20
は、滞留時間(=反応器容量/処理流量)が5〜30分
程度となるような反応器容量を有する滞留装置を備える
ことが好ましい。斯かる装置を備えることにより、被処
理液中に溶解したオゾンを分離して再度利用することが
可能となる。また流量の変動に対するバッファとして機
能させることも可能となる。
【0034】さらに、より一層処理効果を上げるため
に、被処理液Aに過酸化水素Dを添加したり、酸化分解
装置1の任意の構成部材にTiO2などの光触媒(図示
せず)を設けることができる。また、排オゾンを有効に
利用するため、未反応オゾンをオゾン溶解装置やガス分
離滞留反応器に注入してもよい。
【0035】尚、本発明に係る液体の酸化分解方法およ
びその装置は、廃水のみを処理対象とするものではな
く、例えば純水や飲料水など、あらゆる液体を処理対象
とすることができ、その酸化分解処理の促進を図るもの
である。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る酸化分解方
法およびその装置によれば、スケールを生じやすい被処
理液を処理する場合においても、該スケールによって紫
外線の照射を妨げられることなく、被処理液の酸化分解
処理を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る酸化分解装置の一実施形態を示し
た概略断面図。
【符号の説明】
1…酸化分解装置、10…オゾン溶解装置、11…水
路、12…紫外線ランプ、13…処理部、20…ガス分
離滞留反応器、A…被処理液、B…オゾン、C…紫外
線、D…過酸化水素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 和良 兵庫県芦屋市朝日ヶ丘町29−9 Fターム(参考) 4D037 AA11 AB14 BA18 BB03 BB07 CA12 4D050 AA12 AA13 AB19 BB02 BC02 BD02 CA07 4G035 AA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理液にオゾンを溶解させた後、該被
    処理液を略水平方向に流しつつ、該被処理液に接触させ
    ることなく該被処理液の上面側から紫外線を照射するこ
    とを特徴とする液体の酸化分解方法。
  2. 【請求項2】 前記略水平方向に流す被処理液を、薄層
    状とすることを特徴とする請求項1記載の液体の酸化分
    解方法。
  3. 【請求項3】 50〜400KPaの圧力下において処
    理することを特徴とする請求項1又は2記載の液体の酸
    化分解方法。
  4. 【請求項4】 被処理液にオゾンを溶解させるオゾン溶
    解装置と、該オゾン溶解装置でオゾンが溶解された被処
    理液を流す略水平な水路と、該水路を流れる被処理液と
    接触することなく該被処理液の上面側から紫外線を照射
    する紫外線ランプとを備えていることを特徴とする酸化
    分解装置。
  5. 【請求項5】 前記水路と前記紫外線ランプとを組み合
    わせてなる処理部を複数段備え、且つ該複数段の処理部
    を前記被処理液が順に通過するように配されてなること
    を特徴とする請求項4記載の酸化分解装置。
  6. 【請求項6】 前記水路を流れる被処理液が薄層状とな
    るように構成されていることを特徴とする請求項4又は
    5記載の酸化分解装置。
  7. 【請求項7】 酸化分解装置内が50〜400KPaに
    加圧されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれ
    かに記載の酸化分解装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009125684A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Toshiba Corp 水処理装置
WO2013001926A1 (ja) * 2011-06-29 2013-01-03 シャープ株式会社 オゾン液生成器及びオゾン液生成方法ならびに便器
JP2020130077A (ja) * 2019-02-21 2020-08-31 三菱ケミカルエンジニアリング株式会社 窒素ガスを主成分とする気体のファインバブル・ウルトラファインバブルを培養液に含有させる機構を備えた嫌気性菌培養装置、およびこの嫌気性菌培養装置を用いた嫌気性菌培養方法

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