JP2002190316A - 非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

非水系電解液及びそれを用いたリチウム二次電池

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JP2002190316A
JP2002190316A JP2000390188A JP2000390188A JP2002190316A JP 2002190316 A JP2002190316 A JP 2002190316A JP 2000390188 A JP2000390188 A JP 2000390188A JP 2000390188 A JP2000390188 A JP 2000390188A JP 2002190316 A JP2002190316 A JP 2002190316A
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phosphate
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lithium
lithium secondary
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Application number
JP2000390188A
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English (en)
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Shigeki Yasukawa
栄起 安川
Kenichi Ishigaki
憲一 石垣
Minoru Kotado
稔 古田土
Takashi Fujii
隆 藤井
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リチウム二次電池に最適な電解液として、
難燃性(自己消火性)を有し、高い導電率と電気化学安
定性とを兼ね備えた安全性に優れた新規な電解液及びリ
チウム二次電池の提供。 【解決手段】 リチウム塩が非水溶媒に溶解された二次
電池用非水系電解液であって、該非水溶媒が(a)環状
カルボン酸エステル、(b)炭酸エステル及び(c)リ
ン酸エステルを含む非水溶媒に下記一般式(I)で示さ
れるビニレンカーボネート化合物及び/又は下記一般式
(II)で示されるビニルエチレンカーボネート化合物が
添加されてなることを特徴とするリチウム二次電池用非
水系電解液。及びそれを用いたリチウム二次電池。 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR
8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4の
アルキル基を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系電解液及び
それを用いたリチウム二次電池に関する。詳しくは、環
状カルボン酸エステル、炭酸エステル及びリン酸エステ
ルを含む非水溶媒に特定のビニレンカーボネート化合物
及び/又は特定のビニルエチレンカーボネート化合物が
添加されてなる非水系電解液及びそれを用いたリチウム
二次電池に関する。本発明の電解液は難燃性(自己消火
性)を有し、高い導電率及び電気化学的安定性とを兼ね
備え、本電解液を使用した二次電池については、優れた
電池充放電特性と共に、電池の熱分解時における分解速
度(発熱速度、圧力上昇速度)が抑制された、安全性の
極めて高いものである。
【0002】
【従来の技術】負極活物質として黒鉛等の炭素材料、正
極活物質としてLiCoO2、LiNiO2、LiMn2
4等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いたリチウム
二次電池は、4V級の高い電圧と高エネルギー密度を有
する新しい小型の二次電池として急激に成長している。
こうしたリチウム二次電池は、電解液として一般的に、
炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の高誘電率溶媒に、低
粘度溶媒である炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等を混合し
てなる有機溶媒にリチウム塩を溶解したものが用いられ
ている。これらの有機非水電解液を用いたリチウム二次
電池は、電池の破損又は何らかの原因による電池内部に
おける圧力上昇のため電解液が漏洩した場合、引火燃焼
する危険性がある。
【0003】そこで、有機非水電解液に難燃化剤を配合
し、難燃性を付与する研究が精力的に進められている。
リチウム電池用難燃性電解液として、リン酸エステルを
用いることは公知である。例えば、特開昭58−206
078号公報、特開昭60−23973号公報、特開昭
61−227377号公報、特開昭61−284070
号公報及び特開平4−184870号公報には、リン酸
トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リ
ン酸トリス(2−クロロエチル)のようなO=P(O
R)3型リン酸エステルを用いることが開示されてい
る。更に、特開平8−88023号公報には、上記Rの
少なくとも一個がハロゲン置換アルキルである。自己消
火性を有する電解液が開示されている。しかしながら、
これらに用いられているリン酸エステルのうち、リン酸
トリメチルを配合した電解液は、優れた難燃性を発現す
るが、負極の材質によっては還元分解されやすい欠点が
ある。そのため、電解液への配合量を増やすか、又は負
極として天然黒鉛や人造黒鉛を用いる場合、電池の充放
電特性、例えば充放電効率及び放電容量は、最近要求さ
れる特性を満足するものではない。
【0004】また、分子中に塩素や臭素のようなハロゲ
ン原子を有するリン酸エステルは、耐酸化還元性が劣
り、高電圧を発生する4V級二次電池等に適用した場合
は、充分な充放電特性を持つ電池が得られない。更に、
不純物として存在する微量の遊離ハロゲンイオンが、正
極集電対として用いるアルミニウムを腐食させて、電池
特性を劣化させる原因となる。また、先に引用した特開
平4−184870号公報には、環状リン酸エステルを
電解液として用いることが開示され、更に、特開平11
−67267号公報には、該環状リン酸エステル20〜
55容量%を、環状炭酸エステルと併用するリチウム電
池用電解液が開示されている。しかしながら、この系の
電解液を難燃化するには、20容量%以上の環状リン酸
エステルを配合する必要があり、配合量の増大に伴い、
導電率が低下するという欠点がある。
【0005】一方、特開平11−260401号公報及
び特開2000−12080号公報には、リン酸エステ
ルをビニレンカーボネート誘導体や特定の環状炭酸エス
テルと併用することにより難燃性であって充放電特性が
改善されることが開示されている。しかしながら、リチ
ウム二次電池の誤用・濫用時には、電池が高温雰囲気下
に置かれる場合や、電池の内部短絡や外部短絡等により
電池自身が高温状態に達する場合が考えられ、電池の熱
分解反応が起こることが示唆されている。これまでに提
案されているような、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等を主溶媒とする電解液で
は、電池が100℃以上の高温状態に置かれた場合に
は、極めて大きな発熱と分解ガス等が発生する可能性が
示唆されており、電池の安全性を向上する観点から電池
熱分解速度が抑制された難燃性電解液が切望されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決するためになされたものであり、電解液に難燃
性(自己消火性)を付与するとともに、導電率が高く、
電気化学的にも安定なリチウム二次電池用電解液、及び
これを用いた、充放電特性に優れ、且つ電池の熱分解時
において熱分解速度が抑制された、安全性と信頼性を兼
ね備えたリチウム二次電池を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、特定のリン酸エステルを含
む特定の非水溶媒に、溶質のリチウム塩が溶解され、特
定構造の環状炭酸エステル化合物を添加することによ
り、難燃性(自己消火性)を有し、導電率、及び電気化
学的安定性に優れた電解液が得られると共に、本電解液
を使用した二次電池においては、優れた電池充放電特性
と共に、電池の熱分解時における分解速度(発熱速度、
圧力上昇速度)が抑制された安全性の極めて高い二次電
池が実現できることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、 1.リチウム塩が非水溶媒に溶解された二次電池用非水
系電解液であって、該非水溶媒が(a)環状カルボン酸
エステル、(b)炭酸エステル及び(c)リン酸エステ
ルを含む非水溶媒に下記一般式(I)で示されるビニレ
ンカーボネート化合物及び/又は下記一般式(II)で示
されるビニルエチレンカーボネート化合物が添加されて
なることを特徴とするリチウム二次電池用非水系電解液
【0009】
【化6】
【0010】(式中、R1及びR2は、それぞれ独立し
て、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R3、R4、R5、R6、R7及びR8
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のア
ルキル基を表す)
【0013】2.リチウムを吸蔵・放出可能な化合物を
含む正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質物又は
化合物、リチウム金属及びリチウム合金から選ばれた少
なくとも一種を含む負極と、リチウム塩が非水溶媒に溶
解されてなる非水系電解液とを少なくとも備えたリチウ
ム二次電池において、リチウム塩が(a)環状カルボン
酸エステル、(b)炭酸エステル及び(c)リン酸エス
テルを含む非水溶媒に溶解され、更に非水溶媒に式
(I)の化合物及び/又は式(II)の化合物が添加され
てなることを特徴とするリチウム二次電池、にある。
【0014】また、非水溶媒が、(a)成分、(b)成
分及び(c)成分の合計量に対して、(a)環状カルボ
ン酸エステル44〜90容量%と、(b)炭酸エステル
1〜45容量%と、(c)リン酸エステル9〜55容量
%とを含む非水溶媒であることが好ましい。更に、添加
されている式(I)のビニレンカーボネート化合物及び
式(II)のビニルエチレンカーボネート化合物の少なく
とも一種の添加量が、リチウム塩が非水溶媒に溶解され
た非水系電解液と式(I)及び式(II)の化合物の合計
量の0.1〜10重量%であるのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (非水系電解液)本発明の非水系電解液に用いられる非水
溶媒は、(a)環状カルボン酸エステル、(b)炭酸エ
ステル及び(c)リン酸エステルを含むものである。環
状カルボン酸エステル(a)については、特に限定され
るものではないが、その具体例としては、例えばβ−プ
ロピオラクトン、ジメチルプロピオラクトン、β−ブチ
ロラクトンのようなβ−ラクトン、γ−ブチロラクト
ン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カ
プリロラクトン、γ−ラウロラクトン、γ−パルミトラ
クトンのようなγ−ラクトン、δ−バレロラクトン、δ
−カプロラクトンのようなδ−ラクトン、ε−カプロラ
クトンのようなε−ラクトン等が挙げられる。これらの
中、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バ
レロラクトン、ε−カプロラクトンが好ましい。なお、
これらは単独で、又は二種以上混合して用いてもよい。
【0016】炭酸エステル(b)についても、特に限定
されるものではないが、その具体例としては、例えば炭
酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレンのような環
状の炭酸エステル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸
ジ−n−プロピル、炭酸ジイソプロピル、炭酸メチルエ
チル、炭酸メチル−n−プロピル、炭酸メチルイソプロ
ピル、炭酸エチル−n−プロピル、炭酸エチルイソプロ
ピル及び炭酸−n−プロピルイソプロピル等の鎖状の炭
酸エステルが挙げられる。これらの中でも炭酸エチレ
ン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭
酸メチルエチルが好ましく、更に環状炭酸エステルが特
に好ましい。なお、これらは単独で、又は二種以上混合
して用いてもよい。また、リン酸エステルについても特
に限定はされないが、式(III)で示される化合物又は
式(IV)で示される化合物が好ましい。
【0017】
【化8】
【0018】(式中、R9、R10及びR11は、それぞれ
独立して、炭素数1〜4の、フッ素で置換されていても
よいアルキル基を表す。但しR9、R10及びR11の炭素
数の合計は3〜7である)
【0019】
【化9】
【0020】(式中、R12は炭素数1〜4の、フッ素で
置換されていてもよいアルキル基を表し、R13は炭素数
2〜8のアルキレン基を表す)
【0021】式(III)において、R9、R10及びR
11は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の、直鎖又は分
岐状の、アルキル基又はフッ素で置換されているアルキ
ル基を表す。但し、R9、R10及びR11の炭素数の合計
は3〜7、好ましくは4〜6である。そして、R9、R
10及びR11がアルキル基である場合、その具体例として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル
基を挙げることができる。また、R9、R10及びR11
フッ素置換アルキル基である場合、その具体例として
は、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロプロピル
基、ヘキサフルオロイソプロピル基及びヘプタフルオロ
ブチル基を挙げることができる。
【0022】そして、式(III)のリン酸エステルの具
体例としては、例えばリン酸トリメチル、リン酸トリエ
チル、リン酸ジメチルエチル、リン酸ジメチルプロピ
ル、リン酸ジメチルブチル、リン酸ジエチルメチル、リ
ン酸ジプロピルメチル、リン酸ジブチルメチル、リン酸
メチルエチルプロピル、リン酸メチルエチルブチル、リ
ン酸メチルプロピルブチル等が挙げられる。また、フッ
素置換リン酸エステルの具体例としては、例えばリン酸
トリフルオロエチルジメチル、リン酸ペンタフルオロプ
ロピルジメチル、リン酸ヘプタフルオロブチルジメチ
ル、リン酸トリフルオロエチルメチルエチル、リン酸ペ
ンタフルオロプロピルメチルエチル、リン酸ヘプタフル
オロブチルメチルエチル、リン酸トリフルオロエチルメ
チルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルプ
ロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルメチルプロピル、
リン酸トリフルオロエチルメチルブチル、リン酸ペンタ
フルオロプロピルメチルブチル、リン酸ヘプタフルオロ
ブチルメチルブチル、リン酸トリフルオロエチルジエチ
ル、リン酸ペンタフルオロプロピルジエチル、リン酸ヘ
プタフルオロブチルジエチル、リン酸トリフルオロエチ
ルエチルプロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルエチ
ルプロピル、リン酸ヘプタフルオロブチルエチルプロピ
ル、リン酸トリフルオロエチルエチルブチル、リン酸ペ
ンタフルオロプロピルエチルブチル、リン酸ヘプタフル
オロブチルエチルブチル、リン酸トリフルオロエチルジ
プロピル、リン酸ペンタフルオロプロピルジプロピル、
リン酸ヘプタフルオロブチルジプロピル、リン酸トリフ
ルオロエチルプロピルブチル、リン酸ペンタフルオロプ
ロピルプロピルブチル、リン酸ヘプタフルオロブチルプ
ロピルブチル、リン酸トリフルオロエチルジブチル、リ
ン酸ペンタフルオロプロピルジブチル、リン酸ヘプタフ
ルオロブチルジブチル等が挙げられる。これらの中でも
リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ジメチル
エチル、リン酸ジメチルプロピル、リン酸メチルジエチ
ル、リン酸トリフルオロエチルジメチル、リン酸ペンタ
フルオロプロピルジメチル、リン酸トリフルオロエチル
メチルエチル、リン酸ペンタフルオロプロピルメチルエ
チル、リン酸トリフルオロエチルメチルプロピル、リン
酸ペンタフルオロプロピルメチルプロピルが好ましく、
特にリン酸トリメチル、リン酸ジメチルエチル、リン酸
ジメチルプロピル、リン酸メチルジエチル、リン酸トリ
フルオロエチルジメチル、が好ましい。なお、これらは
単独で、又は二種以上混合して用いてもよい。
【0023】式(IV)において、R12は炭素数1〜4、
好ましくは1〜2の、直鎖状又は分岐状、好ましくは直
鎖状の、アルキル基又はフッ素置換アルキル基、好まし
くはアルキル基を表す。その具体例としては、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオ
ロエチル基、ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオ
ロイソプロピル基及びヘプタフルオロブチル基が挙げら
れる。これらの中、メチル基、エチル基が好ましい。ま
た、R13は炭素数2〜8、好ましくは2〜3の、直鎖状
又は分岐状の、更に好ましくは炭素数2の直鎖状のアル
キレン基を表す。その具体例としては、例えばエチレン
基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、テト
ラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、ペンタメ
チレン基、1,1,2−トリメチルエチレン基、ヘキサ
メチレン基、テトラメチルエチレン基、ヘプタメチレン
基、オクタメチレン基等が挙げられる。これらの中、エ
チレン基が好ましい。
【0024】そして、式(IV)の化合物の中、R13がエ
チレン基であり、R12がメチル基、エチル基及びトリフ
ルオロエチル基から選ばれる基が好ましい。
【0025】そして、R12がアルキル基である式(IV)
の環状リン酸エステルの具体例としては、リン酸エチレ
ンメチル、リン酸エチレンエチル、リン酸エチレン−n
−プロピル、リン酸エチレンイソプロピル、リン酸エチ
レン−n−ブチル、リン酸エチレン−sec−ブチル、
リン酸エチレン−t−ブチル、リン酸プロピレンメチ
ル、リン酸プロピレンエチル、リン酸プロピレン−n−
プロピル、リン酸プロピレンイソプロピル、リン酸プロ
ピレン−n−ブチル、リン酸プロピレン−sec−ブチ
ル、リン酸プロピレン−t−ブチル、リン酸トリメチレ
ンメチル、リン酸トリメチレンエチル、リン酸トリメチ
レン−n−プロピル、リン酸トリメチレンイソプロピ
ル、リン酸トリメチレン−n−ブチル、リン酸トリメチ
レン−sec−ブチル、リン酸トリメチレン−t−ブチ
ル、リン酸ブチレンメチル、リン酸ブチレンエチル、リ
ン酸ブチレン−n−プロピル、リン酸ブチレンイソプロ
ピル、リン酸ブチレン−n−ブチル、リン酸ブチレン−
sec−ブチル、リン酸ブチレン−t−ブチル、リン酸
イソブチレンメチル、リン酸イソブチレンエチル、リン
酸イソブチレン−n−ブチル、リン酸イソブチレン−s
ec−ブチル、リン酸イソブチレン−t−ブチル、リン
酸テトラメレンメチル、リン酸テトラメチレンエチル、
リン酸テトラメチレン−n−プロピル、リン酸テトラメ
チレンイソプロピル、リン酸テトラメチレン−n−ブチ
ル、リン酸テトラメチレン−sec−ブチル、リン酸テ
トラメチレン−t−ブチル、リン酸ペンタメチレンメチ
ル、リン酸ペンタメチレンエチル、リン酸ペンタメチレ
ン−n−プロピル、リン酸ペンタメチレンイソプロピ
ル、リン酸ペンタメチレン−n−ブチル、リン酸ペンタ
メチレン−sec−ブチル、リン酸ペンタメチレン−t
−ブチル、リン酸トリメチルエチレンメチル、リン酸ト
リメチルエチレンエチル、リン酸トリメチルエチレン−
n−プロピル、リン酸トリメチルエチレンイソプロピ
ル、リン酸トリメチルエチレン−n−ブチル、リン酸ト
リメチルエチレン−sec−ブチル、リン酸トリメチル
エチレン−t−ブチル、リン酸ヘキサメチレンメチル、
リン酸ヘキサメチレンエチル、リン酸ヘキサメチレン−
n−プロピル、リン酸ヘキサメチレンイソプロピル、リ
ン酸ヘキサメチレン−n−ブチル、リン酸ヘキサメチレ
ン−sec−ブチル、リン酸ヘキサメチレン−t−ブチ
ル、リン酸テトラメチルエチレンメチル、リン酸テトラ
メチルエチレンエチル、リン酸テトラメチルエチレン−
n−プロピル、リン酸テトラメチルエチレンイソプロピ
ル、リン酸テトラメチルエチレン−n−ブチル、リン酸
テトラメチルエチレン−sec−ブチル、リン酸テトラ
メチルエチレン−t−ブチル、リン酸ヘプタメチレンメ
チル、リン酸ヘプタメチレンエチル、リン酸ヘプタメチ
レン−n−プロピル、リン酸ヘプタメチレンイソプロピ
ル、リン酸ヘプタメチレン−n−ブチル、リン酸ヘプタ
メチレン−sec−ブチル、リン酸ヘプタメチレン−t
−ブチル、リン酸オクタメチレンメチル、リン酸オクタ
メチレンエチル、リン酸オクタメチレン−n−プロピ
ル、リン酸オクタメチレンイソプロピル、リン酸オクタ
メチレン−n−ブチル、リン酸オクタメチレン−sec
−ブチル、リン酸オクタメチレン−t−ブチル等が挙げ
られる。中でも、リン酸エチレンメチル、リン酸エチレ
ンエチルが好ましい。
【0026】また、R12がフッ素置換アルキル基である
式(IV)のフッ素置換環状リン酸エステルの具体例とし
ては、例えばリン酸エチレントリフルオロエチル、リン
酸エチレンペンタフルオロプロピル、リン酸エチレンヘ
キサフルオロイソプロピル、リン酸エチレンヘプタフル
オロブチル、リン酸プロピレントリフルオロエチル、リ
ン酸プロピレンペンタフルオロプロピル、リン酸プロピ
レンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸プロピレンヘ
プタフルオロブチル、リン酸トリメチレントリフルオロ
エチル、リン酸トリメチレンペンタフルオロプロピル、
リン酸トリメチレンヘキサフルオロイソプロピル、リン
酸トリメチレンヘプタフルオロブチル、リン酸ブチレン
トリフルオロエチル、リン酸ブチレンペンタフルオロプ
ロピル、リン酸ブチレンヘキサフルオロイソプロピル、
リン酸ブチレンヘプタフルオロブチル、リン酸テトラメ
チレントリフルオロエチル、リン酸テトラメチレンペン
タフルオロプロピル、リン酸テトラメチレンヘキサフル
オロイソプロピル、リン酸テトラメチレンヘプタフルオ
ロブチル、リン酸ジメチルエチレントリフルオロエチ
ル、リン酸ジメチルエチレンペンタフルオロプロピル、
リン酸ジメチルエチレンヘキサフルオロイソプロピル、
リン酸ジメチルエチレンヘプタフルオロブチル、リン酸
ペンタメチレントリフルオロエチル、リン酸ペンタメチ
レンペンタフルオロプロピル、リン酸ペンタメチレンヘ
キサフルオロイソプロピル、リン酸ペンタメチレンヘプ
タフルオロブチル、リン酸トリメチルエチレントリフル
オロエチル、リン酸トリメチルエチレンペンタフルオロ
プロピル、リン酸トリメチルエチレンヘキサフルオロイ
ソプロピル、リン酸トリメチルエチレンヘプタフルオロ
ブチル、リン酸ヘキサメチレントリフルオロエチル、リ
ン酸ヘキサメチレンペンタフルオロプロピル、リン酸ヘ
キサメチレンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸ヘキ
サメチレンヘプタフルオロブチル、リン酸テトラメチル
エチレントリフルオロエチル、リン酸テトラメチルエチ
レンペンタフルオロプロピル、リン酸テトラメチルエチ
レンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸テトラメチル
エチレンヘプタフルオロブチル、リン酸ヘプタメチレン
トリフルオロエチル、リン酸ヘプタメチレンペンタフル
オロプロピル、リン酸ヘプタメチレンヘキサフルオロイ
ソプロピル、リン酸ヘプタメチレンヘプタフルオロブチ
ル、リン酸オクタメチレントリフルオロエチル、リン酸
オクタメチレンペンタフルオロプロピル、リン酸オクタ
メチレンヘキサフルオロイソプロピル、リン酸オクタメ
チレンヘプタフルオロブチル等が挙げられる。中でも、
リン酸エチレントリフルオロエチルが好ましい。
【0027】本発明で使用する非水溶媒は、好ましく
は、(a)、(b)及び(c)成分から本質的になる。
非水溶媒中における各成分の割合は、(a)成分、
(b)成分及び(c)成分の合計量に対して、(a)成
分:44〜90容量%、好ましくは45〜85容量%、
更に好ましくは45〜80容量%であり;(b)成分:
1〜45容量%、好ましくは5〜45容量%、更に好ま
しくは10〜45容量%であり;(c)成分:9〜55
容量%、好ましくは15〜55容量%、更に好ましくは
15〜50容量%である。なお、上記の容量比におい
て、各成分の体積比としては、25℃で測定した値を用
いる。また、炭酸エチレンのように室温で固体のもの
は、融点まで加熱して溶融状態で測定した値を用いる。
上記の(a)、(b)及び(c)成分に加えて、本発明
の特徴を損なわない範囲で、リチウム二次電池用電解液
として従来より知られているその他の有機溶媒を、混合
して用いることもできる。本発明で使用する非水溶媒に
は、式(I)のビニレンカーボネート化合物及び式(I
I)のビニルエチレンカーボネート化合物から選ばれる
少なくとも一種が添加される。
【0028】
【化10】
【0029】(式中、R1及びR2は、それぞれ独立し
て、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
【0030】
【化11】
【0031】(式中、R3、R4、R5、R6、R7及びR8
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のア
ルキル基を表す)
【0032】式(I)において、R1及びR2は、それぞ
れ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を
表す。R1及びR2が炭素数1〜4のアルキル基である場
合、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基が挙げられる。これらの
中、メチル基、エチル基が好ましい。そして、このよう
な一般式(I)で表されるビニレンカーボネート化合物
の具体例としては、ビニレンカーボネート、4−メチル
ビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネー
ト、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4,5−
ジエチルビニレンカーボネート、4−メチル−5−エチ
ルビニレンカーボネート等を挙げることができる。中で
もビニレンカーボネート、4−メチルビニレンカーボネ
ート、4−エチルビニレンカーボネートが好ましく、ビ
ニレンカーボネートが特に好ましい。
【0033】式(II)において、R3、R4、R5、R6
7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数
1〜4のアルキル基又は分岐状のアルキル基を表す。R
3、R4、R5、R6、R7及びR8が炭素数1〜4のアルキ
ル基又は分岐状のアルキル基である場合、その具体例と
しては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基が挙げられる。これらの中、メチル基、エチ
ル基が好ましい。そして、このような一般式(II)で表
されるビニルエチレンカーボネート化合物の具体例とし
ては、4−ビニルエチレンカーボネート、4−ビニル−
4−メチルエチレンカーボネート、4−ビニル−4−エ
チルエチレンカーボネート、4−ビニル−4−n−プロ
ピルエチレンカーボネート、4−ビニル−5−メチルエ
チレンカーボネート、4−ビニル−5−エチルエチレン
カーボネート、4−ビニル−5−n−プロピルエチレン
カーボネート等を挙げることができる。
【0034】中でも4−ビニルエチレンカーボネート、
4−ビニル−4−メチルエチレンカーボネートが好まし
く、4−ビニルエチレンカーボネートが特に好ましい。
これらは二種以上混合してもよい。本発明で使用する式
(I)のビニレンカーボネート化合物及び式(II)のビ
ニルエチレンカーボネート化合物から選ばれる少なくと
も一種の添加量は、好ましくは、上記非水溶媒と式
(I)及び式(II)の化合物の合計量に基づいて、0.
1〜10重量%であり、更に好ましくは、0.1〜10
重量%であり、特に、0.5〜7重量%が好ましい。こ
のようなビニレンカーボネート化合物及びビニルエチレ
ンカーボネート化合物を該非水溶媒に添加することは、
該非水溶媒を用いる際に生じる電池の充放電特性(充放
電効率、充放電容量)を改善する効果がある。また、溶
質のリチウム塩としては、LiPF6、LiBF4の無機
酸リチウム塩又は前記の一般式(V)で示される有機酸
リチウム塩を用いることができる。
【0035】
【化12】
【0036】(式中、m及びnは、それぞれ独立して、
1〜4の整数を表す) 式(V)の有機酸リチウム塩としては、LiN(SO2
32、LiN(SO 2252、LiN(SO23
72、LiN(SO2492、LiN(SO 2CF3
・(SO225)、LiN(SO2CF3)・(SO2
37)、LiN(SO2CF3)・(SO249)、L
iN(SO225)・(SO237)、LiN(SO
225)・(SO249)、LiN(SO237
・(SO249)等が挙げられる。これらの中、Li
N(SO2CF32、LiN(SO2252、LiN
(SO2CF3)・(SO249)が好ましい。
【0037】本発明において、電解質の溶質として、L
iPF6、LiBF4の無機酸リチウム塩又は式(V)の
有機酸リチウム塩を混合溶媒に溶解して用いる理由は、
高い導電率と電気化学的に優れた電解液を得ると共に充
放電容量及び充放電サイクル特性に優れた電池を得るた
めである。またも該リチウム塩は、電解液中の溶質濃度
が通常、0.5〜2mol/dm 3、好ましくは0.5
〜1.5mol/dm3となるように使用される。0.
5mol/dm3未満又は2mol/cm3を超える範囲
では、電解液の導電率が低下するため好ましくない。
【0038】(リチウム二次電池)本発明のリチウム二
次電池は、上記の電解液と、負極及び正極を含んで構成
される。電池を構成する負極材料としては、リチウムを
吸蔵・放出可能な黒鉛、難黒鉛化性炭素及び非晶質炭
素、或いは、リチウム金属及びリチウムとアルミニウ
ム、錫、亜鉛、銀、鉛等の金属との合金等を用いること
ができる。これらの負極材料は二種類以上混合して用い
てもよい。負極の形状は、必要に応じて結着剤及び導電
剤と共に混合した後、集電体に塗布したシート電極及び
プレス成形を施したペレット電極が使用可能である。負
極用集電体の材質は、銅、ニッケル、ステンレス等の金
属が使用され、これらの中で薄膜に加工しやすいという
点とコストの点から銅箔が好ましい。
【0039】電池を構成する正極材料としては、リチウ
ムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウム
ニッケル酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料等
のリチウムを吸蔵・放出可能な材料が使用可能であり、
前記のリチウム遷移金属複合酸化物が好ましいものであ
る。正極の形状は、特に限定されるものではなく、例え
ば、必要に応じて結着剤及び導電剤と共に混合した後、
集電体に塗布したシート電極及びプレス成形を施したペ
レット電極が使用可能である。正極集電体の材質は、ア
ルミニウム、チタン、タンタル等の金属又はその合金が
用いられる。これらの中で、特にアルミニウム又はその
合金が軽量であるためエネルギー密度の点で望ましい。
【0040】電池の形状は、シート電極及びセパレータ
をスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極
及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造の
シリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層
したコインタイプ等公知のものが使用可能である。電池
を構成するセパレータとしては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート
又は不織布等が使用可能である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの
実施例に制約されるものではない。なお、電解液の性能
及び電池性能は以下の方法で評価した。
【0042】1.電解液の自己消火性評価:幅15m
m、長さ300mm、厚さ0.19mmの短冊状のガラ
ス繊維濾紙を、電解液の入ったビーカーに10分間以上
浸して、電解液をガラス繊維濾紙に十分に含浸させた。
次に、ガラス繊維濾紙に付着した過剰の電解液を、ビー
カーの縁で除いた後、ガラス繊維濾紙の一端をクリップ
で挟み垂直に吊した。この下端よりライター類の小ガス
炎で約3秒間加熱し、火源を取り除いた状態での自己消
火性の有無、及び消火するまでの時間を測定した。
【0043】2.電解液の導電率の測定:東亜電波工業
(株)製の導電率計CM−30S及び電導度セルCG−
511Bを用いて、25℃における導電率を測定した。
【0044】3.電池充放電特性の測定: <負極の作製>負極は、以下のようにして作製した。負
極活物質としての炭素材料に、結着剤としてのフッ素樹
脂とを、重量比90:10の比率で混合し、これを溶剤
(N−メチルピロリドン)に分散させてスラリーとした
後、集電体としての銅箔に両面塗布して乾燥させ、負極
シートを得た。得られた負極シートを幅20mm、長さ
150mmに切断して負極とした。
【0045】<正極の作製>正極は、以下のようにして
作製した。正極活物質としてのリチウムコバルト酸化物
(LiCoO2)に、導電剤としてのアセチレンブラッ
クと結着剤としてのフッ素樹脂とを、重量比で90:
5:5で混合し、これをN−メチルピロリドンに分散さ
せてスラリーとしたものを、正極集電体としてのアルミ
ニウム箔に両面塗布して乾燥させ、正極シートを得た。
得られた正極シートを幅20mm、長さ150mmに切
断して正極とした。
【0046】<電池の作製>前記のようにして得られた
負極、及び正極にそれぞれ電極端子を取り付け、幅25
mm、長さ200mmの多孔性ポリプロピレンフィルム
のセパレータを介して捲回し、電池充放電特性評価用の
素子を作製した。この素子を、乾燥アルゴン雰囲気下
で、電極端子付き密閉セルに収容し、該非水電解液を注
入した後、電池内の気密性を保持した。充電は、4.2
V、50mA定電流定電圧充電方法で行い、8時間経過
した時点にて終了とした。放電は、10mAの定電流で
行い、電圧が2.5Vに達した時点で終了とした。この
充放電サイクルによって、充放電特性の測定を行った。
このようにして作製された素子の電池放電容量は、約5
0mAhである。
【0047】4.電池の熱安定性(熱分解速度)の測
定: <充電電池の作製>前記のようにして得られた電池充放
電特性評価用の素子を、乾燥アルゴン雰囲気下で、電極
端子付き密閉セルに収容し、該非水電解液を注入した
後、電池内の気密性を保持した。充電は、4.2V、5
0mA定電流定電圧充電方法で行い、8時間経過した時
点にて終了とし、放電は、10mAの定電流で行い、電
圧が2.5Vに達した時点で終了とした。この充放電サ
イクルを二回繰り返した後、4.2V終止電圧で終了
し、充電状態の電池素子を作製した。このようにして作
製された電池素子の充電容量は、約50mAhである。
【0048】<電池熱安定性の測定>電池熱安定性の測
定は、上記のようにして得られた充電電池素子を、乾燥
アルゴン雰囲気下で、所定の高圧密閉セル(耐圧105
×105Pa)に収容し、高温高圧熱量計(SYSTA
G社製 Radex−solo)を用いて、25〜30
0℃の温度範囲を毎分1℃の昇温速度で昇温した時の電
池の熱分解過程における発熱速度、及び圧力上昇速度を
測定して、電池の熱安定性(熱分解速度)を測定した。
【0049】実施例1〜11及び比較例1〜3 第1表に示す非水系混合溶媒に第1表に示す溶質及び添
加剤を溶解して、溶質濃度が1mol/dm3の電解液
を調製した。次に、この電解液の自己消火性(難燃性)
及び導電率を測定した。更に、負極活物質として人造黒
鉛を、正極活物質にLiCoO2を用いた円筒型電池素
子を作製し、第1表に示す電解液を用いて充放電容量及
び電池の熱安定性を測定した。その結果を第1表に示
す。また、実施例1の電解液を用いて作製した円筒型電
池素子の初回充放電曲線の結果を図1に、及び充電電池
素子の熱安定性(発熱温度及び圧力変化)の結果を図2
に示す。
【0050】なお、表中の略号は下記を示す。 GBL :γ−ブチロラクトン GVL :γ−バレロラクトン ECL :ε−カプロラクトン EC :炭酸エチレン PC :炭酸プロピレン DEC :炭酸ジエチル TMP :リン酸トリメチル EDMP:リン酸ジメチルエチル PDMP:リン酸ジメチルプロピル BDMP:リン酸ジメチルブチル DEMP:リン酸ジエチルメチル EEP :リン酸エチレンエチル VC :ビニレンカーボネート VEC :4−ビニルエチレンカーボネート
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池用電解液は、
難燃性(自己消火性)を有し、良好な充放電サイクル特
性が得られると共に、電池の熱分解時において熱分解速
度が小さく、安全性、信頼性も高い等、本発明は優れた
特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で調製した電解液を用いて製作した円
筒型電池素子の初回充放電曲線を示す図である。
【図2】実施例1で調製した電解液を用いて製作した円
筒型電池素子の熱安定性を示す図である。
【図3】実施例1で調製した電解液を用いて製作した円
筒型電池素子の熱安定性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田土 稔 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 藤井 隆 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ07 AJ12 AK03 AL07 AL08 AL12 AM03 AM05 AM07 HJ01 HJ02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム塩が非水溶媒に溶解された二次
    電池用非水系電解液であって、該非水溶媒が(a)環状
    カルボン酸エステル、(b)炭酸エステル及び(c)リ
    ン酸エステルを含む非水溶媒に下記一般式(I)で示さ
    れるビニレンカーボネート化合物及び/又は下記一般式
    (II)で示されるビニルエチレンカーボネート化合物が
    添加されてなることを特徴とするリチウム二次電池用非
    水系電解液。 【化1】 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又
    は炭素数1〜4のアルキル基を表す) 【化2】 (式中、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ
    独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表
    す)
  2. 【請求項2】 リチウムを吸蔵・放出可能な化合物を含
    む正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質物又は化
    合物、リチウム金属及びリチウム合金から選ばれた少な
    くとも一種を含む負極と、リチウム塩が非水溶媒に溶解
    されてなる非水系電解液とを少なくとも備えたリチウム
    二次電池において、リチウム塩が(a)環状カルボン酸
    エステル、(b)炭酸エステル及び(c)リン酸エステ
    ルを含む非水溶媒に溶解され、更に非水溶媒に式(I)
    の化合物及び/又は式(II)の化合物が添加されてなる
    ことを特徴とするリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 非水溶媒が下記組成からなる請求項2に
    記載のリチウム二次電池。 (a)環状カルボン酸エステル44〜90容量% (b)炭酸エステル1〜45容量% (c)リン酸エステル9〜55容量% (但し、各成分の割合は成分(a)、(b)及び(c)
    の合計量に対するものである)
  4. 【請求項4】 式(I)の化合物及び式(II)の化合物
    の添加量がリチウム塩が非水溶媒に溶解された非水系電
    解液と式(I)の化合物及び式(II)の化合物との合計
    量の0.1〜10重量%である請求項2又は3に記載の
    リチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 環状カルボン酸エステルがγ−ブチロラ
    クトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ
    −オクタノラクトン、β−ブチロラクトン、δ−バレロ
    ラクトン及びε−カプロラクトンから選ばれる少なくと
    も一種である請求項2ないし4のいずれか1項に記載の
    リチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 炭酸エステルが炭酸エチレン、炭酸プロ
    ピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、
    炭酸ジ−n−プロピル、炭酸ジイソプロピル、炭酸メチ
    ルエチル、炭酸メチル−n−プロピル、炭酸メチルイソ
    プロピル、炭酸エチル−n−プロピル、炭酸エチルイソ
    プロピル及び炭酸−n−プロピルイソプロピルから選ば
    れる少なくとも一種である、請求項2ないし5のいずれ
    かに記載のリチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 リン酸エステルが下記一般式(III)で
    示される化合物又は下記一般式(IV)で示される化合物
    である請求項2ないし6のいずれかに記載のリチウム二
    次電池。 【化3】 (式中、R9、R10及びR11は、それぞれ独立して、炭
    素数1〜4の、フッ素で置換されていてもよいアルキル
    基を表す。但し、R9、R10及びR11の炭素数の合計は
    3〜7である) 【化4】 (式中、R12は炭素数1〜4の、フッ素で置換されてい
    てもよいアルキル基を表し、R13は炭素数2〜8のアル
    キレン基を表す)
  8. 【請求項8】 リチウム塩がLiPF6、LiBF4又は
    下記一般式(V)で示される有機酸リチウム塩である請
    求項2ないし7のいずれかに記載のリチウム二次電池。 【化5】 (式中、m及びnは、それぞれ独立して、1〜4の整数
    を表す)
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