JP2002189353A - ベルト装置及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト装置及び画像形成装置

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JP2002189353A
JP2002189353A JP2000385297A JP2000385297A JP2002189353A JP 2002189353 A JP2002189353 A JP 2002189353A JP 2000385297 A JP2000385297 A JP 2000385297A JP 2000385297 A JP2000385297 A JP 2000385297A JP 2002189353 A JP2002189353 A JP 2002189353A
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roller
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JP2000385297A
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Sadayuki Iwai
貞之 岩井
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無端状ベルトのベルト幅よりもローラ幅が短
い張架ローラを用いて多層構造の無端状ベルトを張架し
た場合の、該無端状ベルトの両側端部のクラックやベル
ト層の剥離などの発生を防止できるベルト装置及び画像
形成装置を提供すること。 【解決手段】 無端状ベルト100Aの伸び率が最も小
さいベルト層(剛性ベルト層102)のベルト幅Dを、
張架ローラ200のうちの最もローラ幅が短い張架ロー
ラ(張架ローラ200)のローラ幅E以下のベルト幅と
する。これにより、伸び率が最も小さい(脆性の最も大
きい)剛性ベルト層102の両側端部100aが、張架
ローラ200の外方に突出することが少なくなり、該剛
性ベルト層102の両側端部102aのクラックの発生
が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の張架ローラ
に回転自在に張架された無端状ベルトを備えたベルト装
置、および該無端状ベルトを有する複写機、ファクシミ
リ、プリンタ等の画像形成装置に関し、詳しくは、少な
くとも外周層と内周層とからなる複数のベルト層を有
し、且つ、該複数の張架ローラに張架された状態での各
ベルト層の伸び率が互いに異なる多層構造からなる無端
状ベルトを備えたベルト装置及び画像形成装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機、ファクシミリ、
レーザビームプリンタ等の画像形成装置として、像担持
体上に現像剤により現像されたトナー像を、複数の張架
ローラにより回転自在に張架された転写搬送ベルトや中
間転写ベルト等の無端状ベルトを備えたベルト装置を用
いて記録媒体としての転写材上に転写するものが知られ
ている。
【0003】この種の画像形成装置では、一般的に、感
光体などの像坦持体上に形成された静電潜像を、帯電粒
子であるトナーによって現像する現像装置が用いられて
いる。また、湿式電子写真方式の画像形成装置において
は、上記現像装置の小型化のために、従来、キャリアと
称する絶縁性液体中にトナーを分散させた液体現像剤の
トナー濃度を高めに設定した高濃度・高粘度の液体現像
剤を用いることが提案されている。
【0004】例えば、特開平7―20992号公報で
は、「画像支持体上に形成された静電潜像を、帯電した
顕像化粒子であるトナーによって、現像する静電潜像の
液体現像方法であって、導電性を有する現像剤支持体上
に塗布された絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散され
た、100〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤
を、前記画像支持体の潜像面に前記液体現像剤を供給す
る現像行程を備えることを特徴とする静電潜像の液体現
像方式。」が提案されている。
【0005】一方、乾式電子写真方式のカラー画像形成
装置として、感光体などの像坦持体上に形成した複数色
のトナー像を、中間転写体上に重ね合せて1次転写した
後、転写材上に一括して2次転写する、いわゆる中間転
写方式の画像形成装置が知られている。この中間転写方
式の画像形成装置においては、中間転写体を用いること
で1つの感光体でカラー画像を形成でき、画像形成装置
を小型に構成できる利点がある。特に、上記中間転写体
として複数の張架ローラで回転自在に張架した構成の無
端ベルト状からなる中間転写ベルトを用いることによ
り、画像形成装置本体のレイアウトの自由度が増し、画
像形成装置をよりコンパクトに構成することが可能にな
る。
【0006】このような中間転写ベルトの利点を生かし
て、上記湿式電子写真方式の画像形成装置の転写手段と
して該中間転写ベルトを採用することが提案されてい
る。ところが、このような中間転写ベルトを使用した湿
式電子写真方式の画像形成装置においては、その液体現
像剤の液体成分であるキャリアが該中間転写ベルトの裏
面(内周面)に付着して、該中間転写ベルトの回転(線速)
が不安定になるという問題がある。
【0007】すなわち、この湿式電子写真方式の画像形
成装置では、上記感光体上の静電潜像が現像されること
によって、該静電潜像の顕像化粒子であるトナーが該感
光体表面の画像形成領域に付着してトナー像が形成され
る。このとき、例えば、図10(a)に示すように、感
光体ドラム10の表面の画像領域には、トナーのみでな
く液体成分であるキャリアCも付着する。また、該感光
体ドラム10の表面の非画像領域にはキャリアCのみが
付着する。
【0008】そして、図10(a)において、上記感光
体ドラム10上に形成されたトナー像が中間転写ベルト
100上に1次転写されると、該感光体ドラム10の表
面の非画像領域に付着しているキャリアCが、図10
(b)に示すように、該中間転写ベルト100に接し
て、該中間転写ベルト100の両側端部100aに付着
する。この中間転写ベルト100の両側端部100aに
付着したキャリアCは、図10(c)に示すように、上
記張架ローラ200のローラ周面に接触することで、該
中間転写ベルト100の内周面側(裏面)に回り込み、
該中間転写ベルト100の回転に伴って、該中間転写ベ
ルト100と該中間転写ベルト100を張架している張
架ローラ200との間に押し広げられることがある。
【0009】このようにして、上記中間転写ベルト10
0の内周面側に回り込んだキャリアCが、上記張架ロー
ラ200の1つである該中間転写ベルト100を駆動す
る駆動ローラの周面に付着すると、該中間転写ベルト1
00と該駆動ローラとの間の摩擦力が低下する。そし
て、該中間転写ベルト100と該駆動ローラとがスリッ
プして、該中間転写ベルト100の回転が不安定になる
という問題が生じる。
【0010】このため、このような湿式電子写真方式の
画像形成装置では、上記問題により上記感光体ドラム1
0上に形成されたトナー像の画質が低下する虞がある。
特に、カラー画像形成装置の場合には、上記問題により
各色のトナー像が該中間転写ベルト100上に正確に重
ね合せて1次転写されなくなって、上記転写材上に2次
転写されたトナー像の画像品質が低下する虞がある。
【0011】なお、上記液体現像剤のキャリアとして揮
発性のキャリアを使用している場合には、上記中間転写
ベルトの内周面に多少のキャリアが回り込んでも、該キ
ャリアの蒸発により該中間転写ベルトと上記駆動ローラ
とのスリップが解消されるので、上述のような問題も少
なかった。しかし、近年提案されている湿式電子写真方
式の画像形成装置では、揮発性のキャリアの蒸発による
環境への影響を考慮して、不揮発性のキャリアの使用が
提案されている。このような不揮発性のキャリアを用い
た画像形成装置においては、上記中間転写ベルト100
の内周面側に一度回り込んだキャリアCの蒸発を期待で
きないため、該中間転写ベルト100の安定駆動がいつ
までも阻害されることになる。
【0012】また、上記感光体ドラム10上に形成され
たトナー像を、上記中間転写ベルト100を介して、上
記転写材を搬送しながら転写材上に転写する転写手段と
して、上記中間転写ベルト100と同様な構成のベルト
装置からなる2次転写ベルトを用いる画像形成装置が知
られている(図3参照)。さらに、上記感光体ドラム1
0上に形成されたトナー像を、上記中間転写ベルト10
0を介すことなく、上記転写材を搬送しながら転写材上
に直接転写する転写手段として、上記中間転写ベルト1
00と同様な構成のベルト装置からなる転写搬送ベルト
を用いる画像形成装置が知られている(図4参照)。こ
のような2次転写ベルトや転写搬送ベルトを使用した画
像形成装置においても、上記中間転写ベルト100の場
合と同様に、該2次転写ベルトや転写搬送ベルトの内周
面への上記キャリアCの回り込みにより、該2次転写ベ
ルトや転写搬送ベルトとその駆動ローラとがスリップし
て、該2次転写ベルトや転写搬送ベルトの回転が不安定
になるという問題がある。以下、上記中間転写ベルト1
00や上記2次転写ベルト及び転写搬送ベルトなどの各
種のベルトを総称して「無端状ベルト100A」という
こととする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、上記無端状ベルト100Aの両側端部に付着した
キャリアCは、上記張架ローラ200のローラ周面に接
触することで、該無端状ベルト100Aの裏面に押し広
げられる。従って、この無端状ベルト100Aの両側端
部100aになにも接触しないように構成すれば、該両
側端部100aに付着したキャリアCが押し広げられる
ことがなくなる。
【0014】そこで、本発明者は、前述のような問題を
解決するために、例えば、図11(a)、(b)、
(c)に示すように、上記張架ローラ200のローラ周
面のローラ幅Aを、上記無端状ベルト100Aのベルト
幅Bよりも小さく形成し、該張架ローラ200のローラ
周面の両側端部200aが該無端状ベルト100Aの両
側端部100aよりも内側に位置するように配置した構
成のベルト装置、及び該ベルト装置を備えた画像形成装
置を発案した。
【0015】このベルト装置及び画像形成装置において
は、図11(a)、(b)に示すように、上記張架ロー
ラ200に張架された無端状ベルト100Aの両側端部
100aが、図11(c)に示すように、該張架ローラ
200のローラ周面の両側端部200aよりも外側に突
出した状態となる。これにより、該無端状ベルト100
Aの表面に担持されて該無端状ベルト100の両側端部
100aに付着したキャリアCが、該無端状ベルト10
0Aの内周面と該張架ローラ200のローラ周面との間
に回り込み難くなる。従って、このベルト装置及び画像
形成装置においては、該無端状ベルト100Aを駆動す
る駆動ローラ200と該無端状ベルト100Aとのスリ
ップがなくなり、該中間転写ベルト100Aの回転が不
安定になるという問題が解消されて、該問題に起因する
不良画像の発生を防止することができるようになる。
【0016】ところが、上述の構成を、例えば、本出願
人及び発明者が先に提案した特許願9806755号、
特許願9907075号、特許願9907274号など
で使用している多層構造の無端状ベルトに適用した場合
に、以下に述べるような不具合を生じる虞があることが
判明した。
【0017】すなわち、上記特許願9806755号の
実施形態1に示す中間転写ベルト100は、図12
(a)に示すように、例えば、カーボンを分散させたポ
リウレタンゴムで構成された弾性導電体からなる中間層
としての弾性ベルト層101と、該弾性ベルト層101
に埋設されたナイロンコードもしくはスチールコードで
構成された心線からなる内周層としての剛性ベルト層1
02と、フッ素系樹脂を含むコーティング層からなる外
周層としての表面コート層103とにより構成された無
端ベルトである。ここで、上記弾性ベルト層101は、
その弾性により普通紙等の表面の凹部に追従して転写不
良の発生を防止する働きをする。また、上記剛性ベルト
層102は、上記弾性ベルト層101の周方向の延びを
防止する働きをする。さらに、上記表面コート層103
は、上記トナー像のトナー粒子の離型性を向上させて2
次転写性を向上させるとともに、2次転写後の転写材の
分離性を向上させる働きをする。
【0018】また、上記特許願9806755号の実施
形態2に示す中間転写ベルト100は、図12(b)に
示すように、例えば、実施形態1と同様のカーボンを分
散させたポリウレタンゴムで構成された弾性導電体から
なる中間層としての弾性ベルト層101と、ポリイミド
樹脂もしくは電鋳ニッケル等からなる内周層としての剛
性ベルト層102と、実施形態1と同様のフッ素系樹脂
を含むコーティング層からなる外周層としての表面コー
ト層103とにより構成された無端ベルトである。
【0019】さらに、上記特許願9907075号、及
び特許願9907274号に示す中間転写ベルト100
は、図12(c)に示すように、例えば、ウレタンゴム
からなる外周層としての弾性ベルト層101と、ウレタ
ン樹脂からなる内周層としての剛性ベルト層102とに
より構成された無端ベルトである。
【0020】このような外周層が弾性体からなる弾性ベ
ルト層101と、内周層が剛性体からなる剛性ベルト層
102とで構成された多層構造の無端状ベルト100A
を、図11に示したような該無端状ベルト100Aのベ
ルト幅Bよりも小さなローラ幅Aの張架ローラ200に
張架して回転した場合、該張架ローラ200の両側端部
200aから外方に突出した該無端状ベルト100Aの
両側端部100aが、ベルト内周側に折れ曲がって、該
両側端部100aに皺が生じる現象が見られた。
【0021】ここで、上記張架ローラ200のローラ幅
Aが上記無端状ベルト100Aのベルト幅Bよりも長
く、該無端状ベルト100Aの内周面の全体が該張架ロ
ーラ200のローラ周面で張架されている場合には、上
記テンションにより該無端状ベルト100Aの内周面全
体の周長が均等に伸びるので、上述のような現象が生じ
ることは少ない。
【0022】ところが、上記張架ローラ200のローラ
幅Aが上記無端状ベルト100Aのベルト幅Bよりも短
い場合には、該無端状ベルト100Aが該張架ローラ2
00により張架されることによって、該張架ローラ20
0に付与されているテンションが、該無端状ベルト10
0Aと該張架ローラ200との接触部分にのみ作用す
る。このため、該無端状ベルト100Aの該接触部分の
周長が両側端部100aの周長よりも伸びてしまい、該
張架ローラ200の両側端部200aから外方に突出し
た該無端状ベルト100Aの両側端部100aが、図1
3(a)、(b)、(c)に示すような、ベルト内周側
に折れ曲がって、該両側端部100aに皺が生じる。
【0023】このように、上記張架ローラ200のロー
ラ幅Aが上記無端状ベルト100Aのベルト幅Bよりも
短い構成のベルト装置及び画像形成装置においては、上
述したように該無端状ベルト100Aの内周面へのキャ
リアCの回り込みを防止できる反面、該無端状ベルト1
00Aの両側端部100aに皺が生じて、該無端状ベル
ト100Aの両側端部100aに亀裂(クラック)や各
ベルト層の剥離などが起こり易くなってしまう。
【0024】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、無端状ベルトのベル
ト幅よりもローラ幅が短い張架ローラを用いて多層構造
の無端状ベルトを張架した場合の、該無端状ベルトの両
側端部のクラックやベルト層の剥離などの発生を防止で
きるベルト装置及び画像形成装置を提供することであ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、少なくとも外周層と内周層とか
らなる複数のベルト層を有し、且つ、張架された状態で
の各ベルト層の伸び率が互いに異なる多層構造の無端状
ベルトと、該無端状ベルトを回転自在に張架するための
複数の張架ローラとを有するベルト装置において、上記
無端状ベルトの上記伸び率が最も小さいベルト層のベル
ト幅を、上記複数の張架ローラのうちの最もローラ幅が
短い張架ローラのローラ幅以下のベルト幅としたことを
特徴とするものである。
【0026】上述したように、上記無端状ベルトのベル
ト幅よりもローラ幅が短い張架ローラを用いて上記多層
構造の無端状ベルトを張架して回転した場合、該無端状
ベルトの両側端部にクラックやベルト層の剥離などが発
生する。ここで、該クラックは、該無端状ベルトの剛性
ベルト層には多く発生するが、該無端状ベルトの弾性ベ
ルト層には殆ど発生しない。これは、該剛性ベルト層
は、その剛性が大きい分だけ弾性が低下し、その脆性が
大きくなって曲げや折れに対する機械的強度が小さくな
るためと考えられる。つまり、図13(a)、(b)に
示すように、張架ローラ200に張架されて曲率半径が
小さくなる部分では、張架ローラの回転により該張架ロ
ーラの両側端部から突出した該剛性ベルト層の両側端部
が繰り返し折り曲げられる。このような折り曲げが繰り
返されると、該該剛性ベルト層のような脆性の大きなも
のは容易に脆性破壊を起こす。これに対し、上記弾性ベ
ルト層は、弾性が大きいので、上述のような折り曲げが
繰り返されても脆性破壊に至ることが極めて少ない。そ
こで、本発明のベルト装置においては、上記無端状ベル
トの上記伸び率が最も小さいベルト層(例えば、上記剛
性ベルト層)のベルト幅を、上記複数の張架ローラのう
ちの最もローラ幅が短い張架ローラのローラ幅以下のベ
ルト幅とする。これにより、該剛性ベルト層のような脆
性の大きい、つまり伸び率が小さいベルト層の両側端部
が、該張架ローラの外方に突出することが少なくなり、
該ベルト層の両側端部のクラックの発生を防止できる。
ここで、この伸び率が最も小さいベルト層以外のベルト
層(例えば、上記弾性ベルト層や表面コート層など)
は、上記張架ローラに張架された状態で、該伸び率が最
も小さいベルト層以上に引き伸ばされることがなく、ま
た、該伸び率が最も小さいベルト層以上に伸びることが
できる弾性を有している。従って、この伸び率が最も小
さいベルト層以外のベルト層は、その両側端部が該張架
ローラのローラ周面から突出して繰り返し折り曲げられ
ても、該両側端部にクラックが発生することがない。
【0027】請求項2の発明は、請求項1のベルト装置
において、上記複数の張架ローラのうちの最もローラ幅
が短い張架ローラのローラ幅を、上記無端状ベルトが回
転して蛇行した際の、上記伸び率が最も小さいベルト層
の最大蛇行幅以上のローラ幅としたことを特徴とするも
のである。
【0028】上記ベルト装置では、その無端状ベルト
が、上記張架ローラに張架されて回転する際に、該張架
ローラの軸方向の何れか一方のローラ端部側に次第に片
寄って蛇行するのが常である。このようなベルト装置に
おいて、上記張架ローラのローラ幅と上記伸び率が最も
小さいベルト層のベルト幅とを等しくして設定した場合
には、該無端状ベルトの蛇行によって、該ベルト層の何
れか一方の側端部が該張架ローラのローラ周面から外方
にはみ出ることがある。このため、この場合には、該ベ
ルト層の両側端部に上記クラックが発生する虞が高い。
そこで、本発明のベルト装置においては、上記複数の張
架ローラのうちの最もローラ幅が短い張架ローラのロー
ラ幅を、上記無端状ベルトが回転して蛇行した際の、上
記伸び率が最も小さいベルト層の最大蛇行幅以上のロー
ラ幅にする。これにより、該無端状ベルトが蛇行して
も、該ベルト層の両側端部が該張架ローラのローラ周面
から外方にはみ出ることがなくなり、該ベルト層の両側
端部にクラックが発生することがなくなる。
【0029】請求項3の発明は、請求項1又は2のベル
ト装置において、上記無端状ベルトの上記伸び率が最も
小さいベルト層以外の、少なくとも1つのベルト層のベ
ルト幅が、上記複数の張架ローラのうちの最もローラ幅
が長い張架ローラのローラ幅よりも大きいことを特徴と
するものである。
【0030】上記無端状ベルトが上記キャリアなど液体
を担持する場合、上述したように、該無端状ベルトの両
側端部を張架ローラのローラ周面の外側に突出させて、
該無端状ベルトの内周面への該液体の付着を防止するこ
とが好ましい。ここで、該無端状ベルトが3層以上のベ
ルト層で構成されている場合には、伸び率が最も小さい
ベルト層以外の、少なくとも1つのベルト層の両端部
が、該張架ローラのローラ周面の外側に突出していれ
ば、該無端状ベルトの内周面への該液体の付着を防止す
ることができる。そこで、本発明のベルト装置において
は、この伸び率が最も小さいベルト層以外の、少なくと
も1つのベルト層のベルト幅を、上記複数の張架ローラ
のうちの最もローラ幅が長い張架ローラのローラ幅より
も大きくした。このとき、該ローラ幅よりも該ベルト幅
を大きくする最大幅のベルト層としては、弾性が大きく
且つ丈夫なベルト層(例えば、上記弾性ベルト層)であ
ることが望ましい。これにより、該最大幅のベルト層の
両側端部が繰り返し折り曲げられても、該両側端部に上
記クラックが発生することがない。また、該最大幅のベ
ルト層以外のベルト層の両側端部は、上記張架ローラの
ローラ周面の外方に突出することがないので、該両側端
部に上記クラックが発生することもない。
【0031】請求項4の発明は、表面に静電潜像が形成
される像担持体と、該像担持体上の静電潜像を現像剤に
より現像して該像担持体上にトナー像を形成する現像手
段と、複数の張架ローラにより回転自在に張架され、少
なくとも外周層と内周層とからなる複数のベルト層を有
し、且つ、該複数の張架ローラに張架された状態での各
ベルト層の伸び率が互いに異なる、該像担持体上に形成
されたトナー像を転写材上に転写するための多層構造の
無端状ベルトを備えた転写手段とを有する画像形成装置
において、上記無端状ベルトの上記伸び率が最も小さい
ベルト層のベルト幅を、上記複数の張架ローラのうちの
最もローラ幅が短い張架ローラのローラ幅以下のベルト
幅としたことを特徴とするものである。
【0032】この画像形成装置においては、請求項1の
ベルト装置と同様、上記剛性ベルト層のような脆性の大
きな伸び率の小さいベルト層の両側端部が、上記張架ロ
ーラの外方に突出することが少なくなり、該ベルト層の
両側端部のクラックの発生を防止できる。また、この伸
び率が最も小さいベルト層以外の、ベルト層の両側端部
を該張架ローラのローラ周面から突出させておくことに
より、上記無端ベルトの内周面への上記現像剤の回り込
みを防止でき、且つ、該ベルト層の両側端部が繰り返し
折り曲げられても、該両側端部に上記クラックが発生す
ることがなくなる。
【0033】請求項5の発明は、請求項4の画像形成装
置において、上記無端状ベルトは、上記転写材を搬送し
て上記像担持体上に形成されたトナー像を該転写材上に
転写するための転写搬送ベルトであることを特徴とする
ものである。
【0034】この画像形成装置においては、多層構造の
転写搬送ベルトの、上記剛性ベルト層のような脆性の大
きな伸び率の小さいベルト層の両側端部が、上記張架ロ
ーラの外方に突出することが少なくなり、該ベルト層の
両側端部のクラックの発生を防止できる。
【0035】請求項6の発明は、請求項4の画像形成装
置において、上記無端状ベルトは、上記像担持体上から
1次転写されたトナー像を上記転写材上に2次転写する
ための中間転写ベルトであることを特徴とするものであ
る。
【0036】この画像形成装置においては、多層構造の
中間転写ベルトの、上記剛性ベルト層のような脆性の大
きな伸び率の小さいベルト層の両側端部が、上記張架ロ
ーラの外方に突出することが少なくなり、該ベルト層の
両側端部のクラックの発生を防止できる。
【0037】請求項7の発明は、請求項4、5又は6の
画像形成装置において、上記無端状ベルトが回転して蛇
行した際の、上記伸び率が最も小さいベルト層の最大蛇
行幅よりも、上記複数の張架ローラのうちの最もローラ
幅が短い張架ローラのローラ幅を大きくしたことを特徴
とするものである。
【0038】この画像形成装置においては、請求項2の
ベルト装置と同様、上記無端状ベルトが蛇行しても、該
ベルト層の側端部が該張架ローラのローラ周面から外方
にはみ出ることがなくなり、該ベルト層の両側端部にク
ラックが発生することがなくなる。
【0039】請求項8の発明は、請求項4、5、6又は
7の画像形成装置において、上記無端状ベルトの上記伸
び率が最も小さいベルト層以外の、少なくとも1つのベ
ルト層のベルト幅が、上記複数の張架ローラのうちの最
もローラ幅が長い張架ローラのローラ幅よりも大きいこ
とを特徴とするものである。
【0040】この画像形成装置においては、請求項3の
ベルト装置と同様、上記最大幅のベルト層の両側端部が
繰り返し折り曲げられた際の、該両側端部のクラックの
発生を防止することができるようになる。また、該最大
幅のベルト層以外のベルト層の両側端部を、上記張架ロ
ーラのローラ周面の外方に突出しないようにして、該両
側端部のクラックの発生を防止することも可能になる。
【0041】請求項9の発明は、請求項6の画像形成装
置において、上記中間転写ベルトは、弾性体からなる弾
性ベルト層の内部、又は内周面側に、該弾性ベルト層よ
りも剛性の高い剛性ベルト層を有していることを特徴と
するものである。
【0042】この画像形成装置においては、上記中間転
写ベルトの剛性ベルト層の両側端部が、上記張架ローラ
の外方に突出することが少なくなり、該剛性ベルト層の
両側端部のクラックの発生を防止できる。また、該剛性
ベルト層の剛性により上記弾性ベルト層の周方向の延び
が防止される。
【0043】請求項10の発明は、請求項9の画像形成
装置において、上記剛性ベルト層は、導電性を有するこ
とを特徴とするものである。
【0044】この画像形成装置においては、請求項9の
画像形成装置と同様、上記中間転写ベルトの剛性ベルト
層の両側端部が、上記張架ローラの外方に突出すること
が少なくなり、該剛性ベルト層の両側端部のクラックの
発生を防止できる。また、該剛性ベルト層が導電性を有
しているので、該剛性ベルト層を通して、上記弾性ベル
ト層に転写バイアスを印加できる。
【0045】請求項11の発明は、請求項9又は10の
画像形成装置において、上記中間転写ベルトは、上記中
間転写ベルトは、上記剛性ベルト層の表面に、ゴムベル
ト層をコーティングして構成されていることを特徴とす
るものである。
【0046】この画像形成装置においては、請求項9又
は10の画像形成装置と同様、上記中間転写ベルトの剛
性ベルト層の両側端部が、上記張架ローラの外方に突出
することが少なくなり、該剛性ベルト層の両側端部のク
ラックの発生を防止できる。また、上記弾性ベルト層と
して機能する上記ゴムベルト層が、該剛性ベルト層の表
面にコーティングして構成されているので、該無端状ベ
ルトの製造が容易になり、該無端状ベルトのコストが低
減される。
【0047】請求項12の発明は、請求項9、10又は
11の画像形成装置において、上記弾性ベルト層の表面
に、上記転写材又は現像剤との粘着性が、該弾性ベルト
層の表面の粘着性よりも小さい表面コート層を設けたこ
とを特徴とするものである。
【0048】この画像形成装置においては、請求項9、
10又は11の画像形成装置と同様、上記中間転写ベル
トの剛性ベルト層の両側端部が、上記張架ローラの外方
に突出することが少なくなり、該剛性ベルト層の両側端
部のクラックの発生を防止できる。また、上記弾性ベル
ト層の表面に設けられた表面コート層は、上記転写材又
は現像剤との粘着性が、該弾性ベルト層の表面の粘着性
よりも小さいので、上記トナー像のトナー粒子の離型性
が向上されて2次転写性が向上される。さらに、2次転
写後の転写材の分離性が向上される。
【0049】請求項13の発明は、請求項4、5、6、
7、8、9、10、11又は12の画像形成装置におい
て、上記現像剤は、液体現像剤であることを特徴とする
ものである。
【0050】この画像形成装置においては、請求項4、
5、6、7、8、9、10、11又は12の画像形成装
置と同様、上記無端状ベルトの伸び率が最も小さいベル
ト層の両側端部が、上記張架ローラの外方に突出するこ
とが少なくなり、該ベルト層の両側端部のクラックの発
生を防止できる。また、この伸び率が最も小さいベルト
層以外の、ベルト層の両側端部を該張架ローラのローラ
周面から突出させておくことにより、上記無端ベルトの
内周面への上記現像剤中の液体成分(例えば、キャリ
ア)の回り込みを防止でき、且つ、該ベルト層の両側端
部が繰り返し折り曲げられても、該両側端部に上記クラ
ックが発生することがなくなる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置であ
る湿式電子写真複写機(以下「複写機」という)に適用
した一実施形態について説明する。図1は本実施形態に
係る複写機の主要部の概略構成図である。この複写機
は、4組の画像形成部1、中間転写ユニット70、転写
装置80、定着装置90、図示しない画像読み取り部、
給紙部および制御部等から構成されている。上記4組の
画像形成部1は、感光体ドラム10、現像装置40等か
ら構成されており、画像形成部1Yの現像装置40Yの
トナーをイエロートナー、画像形成部1Mの現像装置4
0Mのトナーをマゼンタトナー、画像形成部1Cの現像
装置40Cのトナーをシアントナー、画像形成部1Bの
現像装置40Bのトナーをブラックトナーとして、各感
光体ドラム10に対してそれぞれ対応する画像露光を行
うことにより、フルカラー画像を形成することができ
る。なお、4組の画像形成部1はそれぞれ同じ構成とな
っているので、ブラックトナーを使用する画像形成部1
Bについて説明する。
【0052】上記画像形成部1Bには、像担持体として
の感光体ドラム10B、帯電手段としての一様帯電器2
0B、レーザ光LBを照射するレーザ書込装置30、湿
式現像器としての湿式現像ユニット40B、除電手段と
しての除電装置50B、クリーニングブレードを有する
感光体クリーニング装置60B等が配設されている。
【0053】上記湿式現像ユニット40Bは、現像剤担
持体としての現像ローラ41Bと、液体現像剤を溜める
現像タンク42Bと、該現像タンク42B内の液体現像
剤に浸漬するように配設された汲み上げローラ43B
と、該汲み上げローラ43Bから汲み上げられた液体現
像剤を薄層化して現像ローラ41Bに塗布する計量ロー
ラ44B等から構成されている。上記液体現像剤は絶縁
体溶媒であるキャリア液体中に顕像化粒子であるトナー
粒子が高濃度に分散された高粘度の液体現像剤である。
【0054】上記中間転写ユニット70は、懸架ローラ
71、72、73、74、75、76、これらの懸架ロ
ーラ71、72、73、74、75、76に張架された
中間転写体としての中間転写ベルト100、1次転写電
荷付与手段として、例えば1次転写バイアスローラ77
B、77Y、77M、77C、及びクリーニングブレー
ドを有するクリーニング装置79等から構成されてい
る。
【0055】上記紙転写ユニット80は、2次転写電荷
付与手段としての2次転写バイアスローラ81及び該2
次転写バイアスローラ81に接続された図示しない2次
転写電源等から構成されている。
【0056】次に、上記中間転写ベルト、1次転写バイ
アスローラ及び2次転写バイアスローラ等についてより
具体的に説明する。上記中間転写ベルト100は、懸架
部材としての懸架ローラ71、72、73、74、7
5、76、及び感光体ドラム10B、10Y、10M、
10Cに所定の張力を有するように張架され、矢印の反
時計方向に回転可能となっている。また、1次転写電荷
付与手段として、例えば1次転写バイアスローラ77B
が感光体ドラム10Bに対向し、これら1次転写バイア
スローラ77Bと感光体ドラム10Bとの間に、中間転
写ベルト100を挟み込むような配置となっている。前
記1次転写バイアスローラ77Bは、1次転写バイアス
を与える電極ともなっており、該1次転写バイアスロー
ラ77Bには図示しない1次転写電源から所定の転写バ
イアスが印加される。前記懸架ローラ73に対向して、
2次転写電荷付与手段としての2次転写バイアスローラ
81が配設されており、該2次転写バイアスローラ81
は、2次転写バイアスを与える電極ともなっている。該
2次転写バイアスローラ81には図示しない2次転写電
源から所定の転写バイアスが印加される。
【0057】次に、本実施形態に係る複写機の動作につ
いて説明する。図1に示すように、感光体ドラム10B
を矢印方向に回転駆動しながら一様帯電器20Bで一様
帯電した後、レーザ書込装置30からのレーザ光LBを
照射して感光体ドラム10B上に静電潜像を形成する。
一方、現像タンク42Bの高粘性液体現像剤に浸漬され
ている汲み上げローラ43Bに付着した液体現像剤は計
量ローラ44Bを介して現像ローラ41B上に均一、例
えば、0.5〜20μm程度の厚さに塗布される。そし
て、上記感光体ドラム10Bに現像ローラ41Bを接触
させ、該感光体ドラム10Bの表面に形成された静電潜
像に液体現像剤中のトナーを電界の力で移行させて現像
し、トナー像を形成する。
【0058】次いで、該トナー像が形成された感光体ド
ラム10Bを回転し、該感光体ドラム10Bと中間転写
ベルト100とが当接する1次転写部分に移動する。そ
して、該1次転写部分で、上記中間転写ベルト100裏
面に1次転写バイアスローラ77Bを介し、正極性トナ
ーの逆極性である負極性バイアス電圧、例えば、−30
0〜−500Vを印加し、この印加電圧によって発生し
た電界で、上記感光体ドラム10B上のトナー像のトナ
ーを、中間転写ベルト100に引き寄せ、該中間転写ベ
ルト100上に転写する(1次転写)。以下同様に、イ
エロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラッ
クトナーを中間転写ベルト100に転写してフルカラー
の画像を形成する。
【0059】次いで、フルカラーのトナー像の転写され
た中間転写ベルト100を回転し、該中間転写ベルト1
00と不図示の給紙部から矢印方向に搬送された転写材
Pとが当接する2次転写部分に移動する。この2次転写
部分において、上記転写材P裏面に2次転写バイアスロ
ーラ81を介して、負極性のバイアス電圧、例えば80
0〜−2000Vを印加し、また、例えば50N/cm
程度の圧力をかける。この印加電圧によって発生した
電界と圧力とによって、中間転写ベルト100のトナー
を転写材Pに引き寄せ、該転写材Pに一括転写する(2
次転写)。
【0060】この後、トナー像が転写された転写材P
は、分離装置85により中間転写ベルト100から分離
され、定着装置90で定着処理がなされた後に装置本体
から排出される。一方、2次転写後の感光体ドラム10
Bは、除電装置50Bで残留電荷が除電され、その表面
がクリーニング装置60Bよってクリーニングされ、未
転写トナーが回収除去され、次の作像に備える。
【0061】次に、本発明を適用することができる他の
画像形成装置について説明する。図2に示す画像形成装
置は、像担持体としての1つの感光体ドラム10と、現
像手段としての1つの現像器を用いて単色の画像形成を
行うように構成されている。なお、カラー画像形成装置
の場合には、図1に示した複写機のように、上記現像手
段として、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シ
アンの各色のトナーを用いた4つの現像器を使用して画
像形成を行う構成となるが、その画像形成の基本的な原
理は、図示の画像形成装置と同じである。
【0062】図2において、まず、感光体ドラム10の
表面を、帯電手段としての帯電ローラ2により一様に帯
電する。そして、この感光体ドラム10の帯電領域に、
図示しない露光装置から原稿画像の画像光3を照射し
て、該感光体ドラム10上に静電潜像を形成する。その
後、該感光体ドラム10上に形成した静電潜像を、現像
ユニット4から供給されるトナーで現像する。
【0063】上記現像ユニット4は、複数の従動ローラ
4a、駆動ローラ4b及びバックアップローラ4cによ
って上記感光体ドラム10に対して接触回転自在に張架
された現像ベルト41と、該現像ベルト41の表面(外
周面)に上記液体現像剤としてのを塗布するためのトナ
ー塗布装置42とを備えている。該トナー塗布装置42
は、トナー容器4d内に収容されているトナーTを汲み
上げる汲み上げローラ4e、該汲み上げローラ4eによ
り汲み上げられた余剰のトナーを掻き落とすスクイズロ
ーラ4f、該汲み上げローラ4eにより汲み上げられた
トナーTを上記現像ベルト41の表面に塗布する塗布ロ
ーラ4gなどで構成されている。
【0064】上記塗布ローラ4gにより上記現像ベルト
41の表面に塗布されたトナーTは、該現像ベルト41
が図2において矢印方向に回転することにより、上記感
光体ドラム10との接触部(現像部)において、該感光
体ドラム10の表面に供給される。これにより、該感光
体ドラム10の表面に形成された静電潜像が該トナーT
により現像されて、該感光体ドラム10上にトナー像が
形成される。具体的には、上記静電潜像が形成され感光
体ドラム10の表面に、上記現像ユニット4の現像剤担
持体としての現像ベルト41上に均−に塗布した高粘度
の現像剤(塗布の方法にもよるが0.5μm〜20μm
程度の厚さとなっている)を接触させ、該現像剤中のト
ナーを感光体ドラム10上の静電潜像に電界の力で移行
させて現像する。ここで、上記現像剤坦持体としては、
ローラ形状のものを使用してもよい。ここで、該現像に
寄与しなかったトナーTは、上記現像ベルト41の外周
面に接触配置された現像クリーニングブレード4hによ
り、該現像ベルト41の外周面から掻き落とされて除去
される。
【0065】このようにして上記感光体ドラム10上に
形成された上記トナー像は、上記現像ベルト41と同様
に、複数のローラ(1次転写ローラ5a、駆動ローラ5
b、対向ローラ5c)により張架されて矢印方向に回転
する中間転写ユニット5の中間転写ベルト100と、上
記感光体ドラム10との接触部(1次転写部)におい
て、該中間転写ベルト100の外周面上に1次転写され
る。なお、上記カラー画像形成装置の場合には、上記感
光体ドラム10上に、各色のトナー像が順次形成され、
この各色のトナー像が上記1次転写部において上記中間
転写ベルト100上に順次重ね合わされて1次転写され
る。具体的には、上記中間転写ベルト100を上記感光
体ドラム10に接触させ、上記トナーのもつ電気的極性
と逆の極性のバイアスを該中間転写ベルト100に印加
して、上記現像で形成された感光体ドラム10上のトナ
ー像を該中間転写ベルト100上に1次転写する。カラ
ー画像を形成する場合には、この1次転写行程を複数回
望みの画像が得られるまで繰り返す。
【0066】ここで、該1次転写部で上記中間転写ベル
ト100上に1次転写されずに、上記感光体ドラム10
上に残留した残留トナーは、該感光体ドラム10の外周
面に接触配置された感光体クリーニングブレード6によ
り、該現像ベルト41の外周面から掻き落とされて除去
される。また、感光体ドラム10の表面上に残留した電
荷も、除電手段としてのクェンチングランプ7により除
去される。これにより、該感光体ドラム10の表面が、
次の画像形成に備える。
【0067】次いで、上記中間転写ベルト100上に1
次転写されたトナー象は、該中間転写ベルト100の上
記対向ローラ5cにより張架されている部分に接離自在
に配置された2次転写手段としての2次転写ローラ8
と、該中間転写ベルト100とのニップ部(2次転写
部)において、図示しない給紙装置から給紙された記録
媒体としての転写紙やOHPシートなどの転写材P上に
2次転写される。
【0068】ここで、該2次転写部で該転写材P上に1
次転写されずに、上記中間転写ベルト100上に残留し
た残留トナーは、次の1次転写に備えて、該中間転写ベ
ルト100の外周面に接触配置された中間転写ベルトク
リーニングブレード9により、該中間転写ベルト100
の外周面から掻き落とされて除去される。また、上記2
次転写ローラ8の周面に付着したトナーも、2次転写ロ
ーラクリーニングブレード11により除去される。この
ようにしてトナー像が2次転写された転写材Pは、図示
しない定着装置により該トナー像の定着処理を受けた
後、機外に排出される。
【0069】なお、図2に示した画像形成装置において
は、上記2次転写手段として、上記2次転写ローラ8を
用いた例を示したが、この2次転写手段としては、例え
ば、図3に示すように、一対のローラ12a、12bに
より回転自在に張架された2次転写ベルト12と、転写
ローラ13とで構成されたものを使用してもよい。ここ
で、該2次転写ベルト12の周面に付着したトナーは、
2次転写ベルトクリーニングブレード14により除去さ
れる。
【0070】また、図2及び図3には、上記中間転写ベ
ルト100を用いた画像形成装置を示したが、本実施形
態に係る画像形成装置としては、例えば、図4に示すよ
うに、一対のローラ15a、15bにより回転自在に張
架された転写搬送ベルト15と、転写ローラ13とで上
記転写材Pを搬送・転写する搬送手段及び転写手段を構
成し、上記転写材Pを該転写搬送ベルト15で搬送して
上記感光体ドラム10上に形成されたトナー像を該転写
材P上に直接転写するようにしてもよい。
【0071】上記中間転写ベルト100を構成する代表
的な中間転写体としては、ポリイミドやPET(ポリエ
チレンテレフタレート)、PVDF樹脂などに導電性の物質
(カーボンや金属粉等)を一定割合で混入させ所定の導
電性を持たせたものを無端状ベルト(厚さ30〜150
μm)として使用している。また、体積抵抗は10
10Ωcmのものを主に用いている。更に、2次転写性
を良くさせるために、該中間転写体のトナー粒子が付着
する側をフッ素系、もしくはシリコン系の導電性樹脂で
1〜10μm程度被覆して離型性を上げている場合もあ
る。最近では、上記のような樹脂のベルトの表面にゴム
の層を150〜1000mm程度つけることによって、
表面に弾性を持たせ、凹凸の激しい紙の表面にも良好に
転写できるベルトも提案されている。
【0072】また、上記中間転写ベルト100は、複数
のローラ5a,5b,5cによって懸架されることによ
って、適度な張力が与えられている。該複数のローラ5
a,5b,5cのうちの1次転写ローラ5aは、該中間
転写ベルト100に1次転写バイアスを与える電極の役
目をかねている。この電極の役目を兼ねた1次転写ロー
ラ5aは、上記感光体ドラム10と直接接触しない位置
に設置されていても、または該感光体ドラム10と該1
次転写ローラ5aとで該中間転写ベルト100を挟み込
むような配置になっていても構わない。本実施形態で
は、上記トナーの極性を正極性とし、該1次転写ローラ
5aには負のバイアスを印加して、上記トナーを感光体
ドラム10上から中間転写ベルト100上へ引き寄せい
ている。該1次転写ローラ5aの印加電圧は、−350
V程度である。
【0073】更に、上記中間転写ベルト100上に転写
されたトナーは、上記転写材Pと接触して上記2次転写
ローラ8によってバイアスをかけられ、該転写材Pに引
き寄せられる。このとき、転写材Pと中間転写ベルト1
00との間の電位差は、約300Vであり、2次転写ロ
ーラ8側の方が低電圧になっている。
【0074】ところで、前述したように、上記中間転写
ベルト100、2次転写ベルト12又は転写搬送ベルト
15などの無端状ベルト100Aを使用した湿式電子写
真方式の画像形成装置においては、その液体現像剤の液
体成分であるキャリアCが該無端状ベルト100Aの裏
面(内周面)に付着して、該無端状ベルト100Aの回転
(線速)が不安定になるという問題がある(図10
(a)、(b)、(c)参照)。
【0075】この問題の解決方法としては、図11
(a)、(b)、(c)に示したように、上記張架ロー
ラ200のローラ周面のローラ幅Aを、上記無端状ベル
ト100Aのベルト幅Bよりも小さく形成し、該張架ロ
ーラ200のローラ周面の両側端部200aが該無端状
ベルト100Aの両側端部100aよりも内側に位置す
るように配置した構成とすることが有効である。
【0076】すなわち、図11(a)、(b)に示すよ
うに、上記張架ローラ200に張架された無端状ベルト
100Aの両側端部100aを、該張架ローラ200の
ローラ周面の両側端部200aよりも外側に突出させる
ことにより、該無端状ベルト100Aの表面に担持され
て該無端状ベルト100の両側端部100aに付着した
キャリアCが、該無端状ベルト100Aの内周面と該張
架ローラ200のローラ周面との間に回り込み難くな
る。これにより、該無端状ベルト100Aを駆動する駆
動ローラ200と該無端状ベルト100Aとのスリップ
がなくなり、該中間転写ベルト100Aの回転が不安定
になるという問題が解消されて、該問題に起因する不良
画像の発生を防止することができるようになる。
【0077】ところが、上述の構成を、図12(a)、
(b)、(c)に示したような、弾性ベルト層101と
剛性ベルト層102とを有する多層構造の無端状ベルト
に適用した場合には、該無端状ベルト100Aの内周面
へのキャリアCの回り込みを防止できる反面、該無端状
ベルト100Aの両側端部100aに皺が生じて、該無
端状ベルト100Aの両側端部100aに亀裂(クラッ
ク)や各ベルト層の剥離などが起こり易くなってしまう
(図13(a)、(b)、(c)参照)。
【0078】そこで、本実施形態に係る複写機及び画像
形成装置のベルト装置においては、例えば、図5
(a)、(b)、(c)に示すように、上記無端状ベル
ト100Aの上記伸び率が最も小さいベルト層(ここで
は、上記剛性ベルト層102とする)のベルト幅Dを、
上記張架ローラ200のうちの最もローラ幅が短い張架
ローラ(ここでは、上記張架ローラ200とする)のロ
ーラ幅E以下のベルト幅とする。
【0079】これにより、伸び率が最も小さい(脆性の
最も大きい)上記剛性ベルト層102の両側端部100
aが、上記張架ローラ200の外方に突出することが少
なくなり、該剛性ベルト層102の両側端部102aの
クラックの発生が防止される。
【0080】ここで、該剛性ベルト層102以外のベル
ト層(ここでは、上記弾性ベルト層101や表面コート
層103など)は、上記張架ローラ200に張架された
状態で、該剛性ベルト層102以上に引き伸ばされるこ
とがない。また、これらの弾性ベルト層101や表面コ
ート層103は、該剛性ベルト層102以上に伸びるこ
とができる弾性を有している。従って、これらの弾性ベ
ルト層101や表面コート層103は、それらの両側端
部101a,102a(図12(a)、(b)、(c)
参照)が、該張架ローラ200のローラ周面から突出し
て繰り返し折り曲げられても、該両側端部101a,1
02aにクラックが発生することがない。
【0081】ところで、上記無端状ベルト100Aは、
上記張架ローラ200に張架されて回転する際に、通
常、該張架ローラ200の軸方向の何れか一方のローラ
端部側に次第に片寄って蛇行する。一般的に、このよう
な無端状ベルト100Aの蛇行を防止する方法として
は、その両側端部100aに、寄り止めもしくはリブと
呼ばれるゴム状の寄り止め部材を設け、この寄り止め部
材により生じる段差をガイドとして、該無端状ベルト1
00Aの蛇行を防止するようにしている。また、他の方
法として、該無端状ベルト100Aの片寄りを検知する
センサを設け、該無端状ベルト100Aが片寄った場合
に、上記張架ローラ200のテンションや配置を左右で
異なった状態にすることで、該無端状ベルト100Aを
任意の方向に片寄らせて該無端状ベルト100Aの蛇行
を解消する寄り止め装置を用いるものもある。
【0082】特に、後者の方法の場合には、上記センサ
の検知範囲で上記無端状ベルト100Aを左右に多少動
かすことにより蛇行を制御しているため、該無端状ベル
ト100Aの蛇行を制御するための制御代が必要であ
る。
【0083】このため、このようなベルト装置において
は、例えば、図6に示すように、上記剛性ベルト層10
2のベルト幅Dと、上記張架ローラ200のローラ幅E
とを等しくして設定した場合には、該無端状ベルト10
0Aの蛇行によって、図7に示すように、該剛性ベルト
層102の何れか一方の側端部102aが、該張架ロー
ラ200のローラ周面から外方にはみ出して、該剛性ベ
ルト層102の両側端部102aにクラックが発生する
虞が高い。
【0084】そこで、上記張架ローラ200のローラ幅
Eを、図8に示すように、上記無端状ベルト100Aが
回転して蛇行した際の、上記剛性ベルト層102の最大
蛇行幅Dmax以上のローラ幅にする。これにより、該
無端状ベルト100Aが蛇行しても、図9に示すよう
に、該剛性ベルト層102の両側端部102aが該張架
ローラ200のローラ周面から外方にはみ出ることがな
くなり、該剛性ベルト層102の両側端部102aにク
ラックが発生することがなくなる。
【0085】ここで、上記無端状ベルト100Aが、例
えば、図12(b)に示したように、3層以上のベルト
層で構成されている場合には、伸び率が最も小さい剛性
ベルト層102以外の、少なくとも1つのベルト層の両
側端部、つまり上記弾性ベルト層101の両側端部10
1a、もしくは上記表面コート層103の両側端部10
3aのうちの何れか一方が、上記張架ローラ200のロ
ーラ周面の外側に突出していれば、該無端状ベルト10
0Aの内周面への上記キャリアCの付着を防止すること
ができる。 なお、上記伸び率が最も小さい剛性ベルト
層102以外の全てのベルト層のベルト幅を、上記張架
ローラ200のローラ幅Eよりも大きく構成しても、こ
れらのベルト層の両側端部にクラックが発生することは
少ない。
【0086】(実施例1)上記剛性ベルト層(内周層)
102を厚さ150μmのウレタン樹脂、上記弾性ベル
ト層(中間層)101を厚さ450μmのポリウレタン
ゴム、上記表面コート層(外周層)103を厚さ30μ
mのポリウレタン(フッ素配合)で構成して、上記実施
形態に示す無端状ベルト100Aを製造した。
【0087】(実施例2)上記剛性ベルト層(内周層)
102を厚さ150μmのPVdF、上記弾性ベルト層
(中間層)101を厚さ450μmのポリウレタンゴ
ム、上記表面コート層(外周層)103を厚さ30μm
のポリウレタン(フッ素配合)で構成して、上記実施形
態に示す無端状ベルト100Aを製造した。
【0088】(実施例3)上記剛性ベルト層(内周層)
102を厚さ50μmのニッケル、上記弾性ベルト層
(中間層)101を厚さ550μmのNBR、上記表面
コート層(外周層)103を厚さ15μmのフッ素樹脂
で構成して、上記実施形態に示す無端状ベルト100A
を製造した。
【0089】ここで、上記実施例2のPVdF、及び、
実施例2のニッケルは弾性が低く、引っ張り加重をかけ
ると塑性変形を起こして元には戻らない。このため、実
施例2及び実施例3の無端状ベルト100Aは、上記張
架ローラ200に張架された際のテンションが低く、上
記PVdFやニッケルが塑性変形を起こさないような場
合には、図11(a)、(b)、(c)に示すように、
張架ローラ200のローラ幅Aが、該無端状ベルト10
0Aのベルト幅Bよりも短くても、該無端状ベルト10
0Aの中央部と両側端部100aとのベルト内周長に差
が生じなかった。従って、この場合には、該無端状ベル
ト100Aが張架ローラ200に張架された状態で回転
しても、その両側端部100aが内側に折れ込むことが
なかった。
【0090】しかし、この実施例2及び実施例3の無端
状ベルト100Aでは、上記テンションが上昇し、該無
端状ベルト100Aの剛性ベルト層102が塑性変形を
起こして、張架ローラ200で張架されている部分のベ
ルト内周長が延びた場合、該無端状ベルト100Aの中
央部と両側端部100aとのベルト内周長に差が生じ
た。この結果、この場合には、該無端状ベルト100A
が張架ローラ200に張架された状態で、その両側端部
100aが内側に折れ込むようになる。このため、この
状態で該無端状ベルト100Aを回転駆動した際に、図
13(a)、(b)、(c)に示すような従来の構成の
無端状ベルト100Aの場合には、その張架ローラ20
0のローラ周面から突出した部分の両側端部100aが
折り重なるようにして連続的に通過し、該両側端部10
0aが屈曲を繰り返して、その剛性ベルト層102に亀
裂が入り、ついには破断に至った。
【0091】これに対し、本実施形態に係る無端状ベル
ト100Aでは、図5(a)、(b)、(c)に示した
ように、その塑性変形を起こす虞のある上記剛性ベルト
層102のベルト幅Dが、上記張架ローラ200のロー
ラ周面のローラ幅E以下のベルト幅に形成されている。
従って、この剛性ベルト層102は、その両側端部10
2aが屈曲されることがなく、亀裂が入って破断する虞
がなくなる。
【0092】
【発明の効果】請求項1乃至3の発明によれば、伸び率
が小さいベルト層の両側端部が張架ローラの外方に突出
することが少なくなる。これにより、該ベルト層の両側
端部のクラックの発生を防止でき、無端ベルトの寿命を
延ばすことができるという優れた効果がある。
【0093】特に、請求項2の発明によれば、無端状ベ
ルトが蛇行しても、該上記ベルト層の両側端部が該張架
ローラのローラ周面から外方にはみ出ることがなくな
り、該ベルト層の両側端部にクラックが発生することが
なくなるという優れた効果がある。
【0094】また、請求項3の発明によれば、最大幅の
ベルト層の両側端部が繰り返し折り曲げられても、該両
側端部にクラックが発生することがなく、また、該最大
幅のベルト層以外のベルト層の両側端部は、張架ローラ
のローラ周面の外方に突出することがないので、該両側
端部にクラックが発生することがないという優れた効果
がある。
【0095】請求項4乃至13の発明によれば、請求項
1のベルト装置と同様、伸び率の小さいベルト層の両側
端部が、張架ローラの外方に突出することが少なくな
り、該ベルト層の両側端部のクラックの発生を防止でき
る。また、この伸び率が最も小さいベルト層以外の、ベ
ルト層の両側端部を該張架ローラのローラ周面から突出
させておくことにより、無端ベルトの内周面への上記現
像剤の回り込みを防止でき、且つ、該ベルト層の両側端
部が繰り返し折り曲げられても、該両側端部にクラック
が発生することがなくなる。これにより、該無端ベルト
の寿命を延ばすことができ、長期にわたって良好な画像
を形成できるという優れた効果がある。
【0096】特に、請求項5の発明によれば、多層構造
の転写搬送ベルトの、伸び率の小さいベルト層の両側端
部が、張架ローラの外方に突出することが少なくなり、
該ベルト層の両側端部のクラックの発生を防止できると
いう優れた効果がある。
【0097】また、請求項6の発明によれば、多層構造
の中間転写ベルトの、伸び率の小さいベルト層の両側端
部が、張架ローラの外方に突出することが少なくなり、
該ベルト層の両側端部のクラックの発生を防止できると
いう優れた効果がある。
【0098】また、請求項7の発明によれば、請求項2
のベルト装置と同様、無端状ベルトが蛇行しても、その
ベルト層の側端部が該張架ローラのローラ周面から外方
にはみ出ることがなくなり、該ベルト層の両側端部にク
ラックが発生することがなくなるという優れた効果があ
る。
【0099】また、請求項8の発明によれば、請求項3
のベルト装置と同様、最大幅のベルト層の両側端部が繰
り返し折り曲げられた際の、該両側端部のクラックの発
生を防止することができるようになる。また、該最大幅
のベルト層以外のベルト層の両側端部を、上記張架ロー
ラのローラ周面の外方に突出しないようにして、該両側
端部のクラックの発生を防止することが可能になるとい
う優れた効果がある。
【0100】また、請求項9の発明によれば、上記中間
転写ベルトの剛性ベルト層の両側端部が張架ローラの外
方に突出することが少なくなり、該剛性ベルト層の両側
端部のクラックの発生を防止できる。また、該剛性ベル
ト層の剛性により上記弾性ベルト層の周方向の延びを防
止できるという優れた効果がある。
【0101】また、請求項10の発明によれば、請求項
9の画像形成装置と同様、上記中間転写ベルトの剛性ベ
ルト層の両側端部が張架ローラの外方に突出することが
少なくなり、該剛性ベルト層の両側端部のクラックの発
生を防止できる。また、該剛性ベルト層が導電性を有し
ているので、該剛性ベルト層を通して、上記弾性ベルト
層に転写バイアスを印加できるという優れた効果があ
る。
【0102】また、請求項11の発明によれば、請求項
9又は10の画像形成装置と同様、上記中間転写ベルト
の剛性ベルト層の両側端部が張架ローラの外方に突出す
ることが少なくなり、該剛性ベルト層の両側端部のクラ
ックの発生を防止できる。また、弾性ベルト層として機
能するゴムベルト層が、該剛性ベルト層の表面にコーテ
ィングして構成されているので、該無端状ベルトの製造
が容易になり、該無端状ベルトのコストを低減できると
いう優れた効果がある。
【0103】また、請求項12の発明によれば、請求項
9、10又は11の画像形成装置と同様、上記中間転写
ベルトの剛性ベルト層の両側端部が張架ローラの外方に
突出することが少なくなり、該剛性ベルト層の両側端部
のクラックの発生を防止できる。また、弾性ベルト層の
表面に設けられた表面コート層の、上記転写材又は現像
剤との粘着性が、該弾性ベルト層の表面の粘着性よりも
小さいので、トナー像のトナー粒子の離型性が向上され
て2次転写性を向上でき、2次転写後の転写材の分離性
を向上できるという優れた効果がある。
【0104】また、請求項13の発明によれば、請求項
4、5、6、7、8、9、10、11又は12の画像形
成装置と同様、上記無端状ベルトの伸び率が最も小さい
ベルト層の両側端部が張架ローラの外方に突出すること
が少なくなり、該ベルト層の両側端部のクラックの発生
を防止できる。また、この伸び率が最も小さいベルト層
以外の、ベルト層の両側端部を該張架ローラのローラ周
面から突出させておくことにより、上記無端ベルトの内
周面への現像剤中の液体成分(例えば、キャリア)の回
り込みを防止でき、且つ、該ベルト層の両側端部が繰り
返し折り曲げられても、該両側端部にクラックが発生す
ることがなくなるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を
示す概略構成図。
【図2】本発明の実施形態に係る他の画像形成装置の構
成を示す概略構成図。
【図3】本発明の実施形態に係る更に他の画像形成装置
の構成を示す概略構成図。
【図4】本発明の実施形態に係る更に他の画像形成装置
の構成を示す概略構成図。
【図5】(a)は、本発明の実施形態に係るベルト装置
を示す概略斜視図。(b)は、該ベルト装置の張架ロー
ラ部分を示す概略側面図。(c)は、該ベルト装置の張
架ローラ部分を示す概略正面図。
【図6】本発明の実施形態に係るベルト装置の1例を示
す概略正面図。
【図7】本発明の実施形態に係るベルト装置の1例の無
端状ベルトが片寄った状態を示す概略正面図。
【図8】本発明の実施形態に係るベルト装置の他の例を
示す概略正面図。
【図9】本発明の実施形態に係るベルト装置の他の例の
無端状ベルトが片寄った状態を示す概略正面図。
【図10】(a),(b)、(c)は、液体現像剤中の
キャリアが、中間転写ベルトの両側端部に付着して該中
間転写ベルトを張架する各ローラと該中間転写ベルトと
の間に広がっていく様子を示す説明図。
【図11】(a)は、無端状ベルトの両側端部を張架ロ
ーラのローラ周面から突出させたベルト装置を示す概略
斜視図。(b)は、該ベルト装置の張架ローラ部分を示
す概略側面図。(c)は、該ベルト装置の張架ローラ部
分を示す概略正面図。
【図12】(a)、(b)、(c)は、上記無端状ベル
トの構成を説明するための概略斜視図。
【図13】(a)は、無端状ベルトの両側端部を張架ロ
ーラのローラ周面から突出させたベルト装置の無端状ベ
ルトが回転した状態を示す概略斜視図。(b)は、該ベ
ルト装置の張架ローラ部分を示す概略側面図。(c)
は、該ベルト装置の張架ローラ部分を示す概略正面図。
【符号の説明】
2 帯電ローラ 4 現像ユニット 5 中間転写ユニット 5a 1次転写ローラ 5b 駆動ローラ 5c バックアップローラ 8 2次転写ローラ 9 中間転写ベルトクリーニングブレード 10,10B、Y、M、C 感光体ドラム 11 2次転写ローラクリーニングブレード 12 2次転写ベルト 13 転写ローラ 14 2次転写ベルトクリーニングブレード 15 転写搬送ベルト 20B、Y、M、C 一様帯電器 30 レーザ書込装置 40B、Y、M、C 湿式現像ユニット 41 現像ベルト 42 トナー塗布装置 50 除電装置 60 クリーニング装置 70 中間転写ユニット 77B、Y、M、C 1次転写バイアスローラ 80 紙転写ユニット 81 2次転写バイアスローラ 90 紙定着装置 100 中間転写ベルト 101 弾性ベルト層 101a 弾性ベルト層の両側端部 102 剛性ベルト層 102a 剛性ベルト層の両側端部 103 表面コート層 103a 表面コート層の両側端部 100A 無端状ベルト 100a 無端状ベルト及び中間転写ベルトの両側端
部 200 張架ローラ A 張架ローラのローラ幅 B 無端状ベルトのベルト幅 C キャリア D 剛性ベルト層のベルト幅 Dmax 剛性ベルト層の最大蛇行幅 E 張架ローラのローラ幅 P 転写材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも外周層と内周層とからなる複数
    のベルト層を有し、且つ、張架された状態での各ベルト
    層の伸び率が互いに異なる多層構造の無端状ベルトと、
    該無端状ベルトを回転自在に張架するための複数の張架
    ローラとを有するベルト装置において、 上記無端状ベルトの上記伸び率が最も小さいベルト層の
    ベルト幅を、上記複数の張架ローラのうちの最もローラ
    幅が短い張架ローラのローラ幅以下のベルト幅としたこ
    とを特徴とするベルト装置。
  2. 【請求項2】請求項1のベルト装置において、 上記複数の張架ローラのうちの最もローラ幅が短い張架
    ローラのローラ幅を、上記無端状ベルトが回転して蛇行
    した際の、上記伸び率が最も小さいベルト層の最大蛇行
    幅以上のローラ幅としたことを特徴とするベルト装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2のベルト装置において、 上記無端状ベルトの上記伸び率が最も小さいベルト層以
    外の、少なくとも1つのベルト層のベルト幅が、上記複
    数の張架ローラのうちの最もローラ幅が長い張架ローラ
    のローラ幅よりも大きいことを特徴とするベルト装置。
  4. 【請求項4】表面に静電潜像が形成される像担持体と、 該像担持体上の静電潜像を現像剤により現像して該像担
    持体上にトナー像を形成する現像手段と、 複数の張架ローラにより回転自在に張架され、少なくと
    も外周層と内周層とからなる複数のベルト層を有し、且
    つ、該複数の張架ローラに張架された状態での各ベルト
    層の伸び率が互いに異なる、該像担持体上に形成された
    トナー像を転写材上に転写するための多層構造の無端状
    ベルトを備えた転写手段とを有する画像形成装置におい
    て、 上記無端状ベルトの上記伸び率が最も小さいベルト層の
    ベルト幅を、上記複数の張架ローラのうちの最もローラ
    幅が短い張架ローラのローラ幅以下のベルト幅としたこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項4の画像形成装置において、 上記無端状ベルトは、上記転写材を搬送して上記像担持
    体上に形成されたトナー像を該転写材上に転写するため
    の転写搬送ベルトであることを特徴とする画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】請求項4の画像形成装置において、 上記無端状ベルトは、上記像担持体上から1次転写され
    たトナー像を上記転写材上に2次転写するための中間転
    写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】請求項4、5又は6の画像形成装置におい
    て、 上記無端状ベルトが回転して蛇行した際の、上記伸び率
    が最も小さいベルト層の最大蛇行幅よりも、上記複数の
    張架ローラのうちの最もローラ幅が短い張架ローラのロ
    ーラ幅を大きくしたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】請求項4、5、6又は7の画像形成装置に
    おいて、 上記無端状ベルトの上記伸び率が最も小さいベルト層以
    外の、少なくとも1つのベルト層のベルト幅が、上記複
    数の張架ローラのうちの最もローラ幅が長い張架ローラ
    のローラ幅よりも大きいことを特徴とする画像形成装
    置。
  9. 【請求項9】請求項6の画像形成装置において、 上記中間転写ベルトは、弾性体からなる弾性ベルト層の
    内部、又は内周面側に、該弾性ベルト層よりも剛性の高
    い剛性ベルト層を有していることを特徴とする画像形成
    装置。
  10. 【請求項10】請求項9の画像形成装置において、 上記剛性ベルト層は、導電性を有することを特徴とする
    画像形成装置。
  11. 【請求項11】請求項9又は10の画像形成装置におい
    て、 上記中間転写ベルトは、上記剛性ベルト層の表面に、ゴ
    ムベルト層をコーティングして構成されていることを特
    徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】請求項9、10又は11の画像形成装置
    において、 上記弾性ベルト層の表面に、上記転写材又は現像剤との
    粘着性が、該弾性ベルト層の表面の粘着性よりも小さい
    表面コート層を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】請求項4、5、6、7、8、9、10、
    11又は12の画像形成装置において、 上記現像剤は、液体現像剤であることを特徴とする画像
    形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010096798A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Seiko Epson Corp 画像形成装置及び画像形成方法
JP2012203099A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Canon Inc ベルトユニット及び画像形成装置

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