JP2002188441A - 集合管の製造方法並びにこの方法によって製造された集合管 - Google Patents

集合管の製造方法並びにこの方法によって製造された集合管

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JP2002188441A
JP2002188441A JP2000382508A JP2000382508A JP2002188441A JP 2002188441 A JP2002188441 A JP 2002188441A JP 2000382508 A JP2000382508 A JP 2000382508A JP 2000382508 A JP2000382508 A JP 2000382508A JP 2002188441 A JP2002188441 A JP 2002188441A
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pipe
exhaust gas
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Yoshihiro Furuhashi
義宏 古橋
Hatsuo Kawakami
初夫 川上
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Sakura Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集合管の本来の性能をより向上させるととも
に、製造工程の削減化を図り、コスト低減に寄与する新
規な集合管の製造手法を提供する。 【解決手段】 本発明は、複数の受入口2と、消音器M
側に接続される吐出口3とを具え、エンジン側から送り
出された排気ガスGを集合させた後、消音器M側へと排
出する集合管1を製造するにあたり、略テーパ筒状に形
成された金属素材Wを準備する素材準備工程と、この金
属素材Wを一対の対向型によって挟み込み、受入口形成
部を部分的に重ね合わせるように押圧して複数の受入口
2を形成するとともに、移送管4の表面形状を賦形する
移送管形成工程とを具えて成ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば自動二輪車用
のエンジンから排出される排気ガスを集合させ、消音器
側へと導く集合管の製造手法として適切なものであっ
て、特に筒状の金属素材を塑性変形させて集合管を形成
するようにした新規な製造手法に係るものである。
【0002】
【発明の背景】例えば多気筒エンジンの内燃機関にあっ
ては、各シリンダから一本毎の排気管が導き出され、こ
れら複数の排気管が集合部でまとまった後、消音器側に
到るようにパイプ(エキゾーストパイプ)が取り回され
ている。すなわち各シリンダから排出された排気ガス
は、集合管によって集合した後、消音器へと送り込まれ
るようになっている。ところで自動二輪車の多気筒エン
ジンにおいては、特に高回転・高出力であることに因
み、排気ガスの流れもエンジン性能に著しく影響するこ
とから、上述した集合管には、以下のような種々の工夫
が施されている。
【0003】まず各シリンダから送り出されてくる排気
ガスには、各シリンダのサイクルに基づいて生起する、
流れの強弱(排気脈動と称される)が存在するものであ
り、排気ガスを順次効率よく集めて、消音器側へと排出
するためには、一般に、この排気脈動が集合部分におい
て重ならないように工夫されている。具体的には排気ガ
スが集合管に送り込まれてから集められるまでの、実質
的な移送長を各移送管ごとに異なるようにするものであ
り、これによって集合部における排気脈動のタイミング
を少しずつずらすようにしている。また各シリンダから
排出されてきた排気ガスを、円滑に消音器側へと案内す
べく、集合管内部の合流部に、ガイド部材を溶接等によ
って固定する工夫も併せて施されている。
【0004】このような構造に因み従来の集合管1′
は、例えば図9に示すように、ほぼ半割りした二股状の
金属素材Wを突き合わせて、その外周を溶接するととも
に、各移送管4′の集合部5′に排気ガスGの流れを円
滑に集合方向に案内するガイド部材6′を別途固定する
手法が一般的であった。しかしながらこのような製造手
法は、以下のような点において問題があった。すなわち
上記手法では、二つの金属素材Wを最中合わせ状態に溶
接することから、必然的に溶接ビードが多く残存するこ
ととなり、これが集合管1′の内部において比較的大き
な凹凸を形成した場合には、排気ガスGの流れが乱さ
れ、スムーズに排気ガスGを排出できないことがあっ
た。また従来の製造手法では、適宜の形状に打ち抜かれ
た平板状の金属素材Wを準備する工程、この金属素材W
を絞り等によって曲成し半割り状の立体形状にする工
程、半割り状の金属素材Wを最中合わせ状態に溶接する
工程、更にはガイド部材6′の取付け工程等と、多くの
工程を経る必要があり、必然的に製造コストの削減に限
界が生じていたことも問題の一つであった。
【0005】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を
認識してなされたものであって、効率的に排気ガスを集
めて、消音器側に送るという集合管の本来の性能をより
向上させるとともに、工程の削減化を図り、コスト低減
に寄与する新規な集合管の製造手法を技術課題とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
集合管の製造方法は、エンジンの排気を導いている複数
本の排気管に対して接続される複数の受入口と、消音器
側に接続される吐出口とを具え、エンジン側から送り出
された排気ガスを集合させた後、消音器側へと排出する
集合管を製造するにあたり、その工程は、複数の受入口
を実現し得る受入口周寸法と、吐出口を実現し得る吐出
口周寸法と、排気ガスを受入口から吐出口まで移送し得
る移送管寸法とを有するように、筒状に形成された金属
素材を準備する素材準備工程と、前記筒状の金属素材を
一対の対向型によって受入口形成部を部分的に重ね合わ
せるように押圧して複数の受入口を形成するとともに、
受入口から受け入れた排気ガスを合流させた後、吐出口
まで移送する移送管を形成する移送管形成工程とを具え
て成ることを特徴として成るものである。この発明によ
れば、半割り状の金属素材を突き合わせて溶接する従来
手法に比べ、溶接部位を格段に減少できる。従って集合
管内部に生じる、溶接ビードの凹凸も格段に減少し、排
気ガスの流れをより安定化させる。
【0007】また請求項2記載の集合管の製造方法は、
前記請求項1記載の要件に加え、前記素材準備工程で
は、ほぼ一定の径寸法を有する金属製のパイプ材が、受
入口形成部から吐出口形成部に向かって窄まるような略
テーパ状に塑性変形され、筒状の金属素材を得るように
したことを特徴として成るものである。この発明によれ
ば、ほぼ一定の径寸法のパイプ材を略テーパ筒状に塑性
変形させて金属素材を得るため、溶接工程を全く要する
ことなく、集合管を製造することが可能となる。このた
め従来、集合管の内面に生じていた、溶接ビードによる
凹凸を解消でき、排気ガスをより一層安定的に排出し得
る。また溶接痕によって外観上の美観が阻害されること
もない。
【0008】更にまた請求項3記載の集合管の製造方法
は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記移送
管形成工程では、排気ガスの実質的な集合部に、受入口
から受け入れた排気ガスを吐出口の方向に案内するガイ
ド体を、金属素材を管の内側に突出させて形成するよう
にしたことを特徴として成るものである。この発明によ
れば、ガイド体は集合管を形成する金属素材を一部突き
出して形成するため、別途ガイド体を用意する必要がな
く、当然ガイド体を溶接等によって管の集合部に固定す
る必要もない。
【0009】また請求項4記載の集合管の製造方法は、
前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記移送
管形成工程は、複数の対向型が適用され、段階的な押圧
動作によって金属素材に各移送管の形状が順次、賦形さ
れて行くことを特徴として成るものである。この発明に
よれば、型や金属素材に掛かる負担を極力軽減でき、ほ
とんど無理のない型構造が採り得る。またこのため所望
の集合管形状やガイド体等の管内構造を、より忠実に実
現し得る。
【0010】また請求項5記載の集合管の製造方法は、
前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記
複数の受入口どうしの間には、対向する金属素材を重ね
合わせ状態に形成した積層部が残存することを特徴とし
て成るものである。この発明によれば、複数の受入口の
間に、この受入口を並列状につなげるような積層部をそ
のまま残存させるため、この積層部を切除する工程を削
減できる。
【0011】また請求項6記載の集合管は、エンジンの
排気を導いている複数本の排気管に対して接続される複
数の受入口と、消音器側に接続される吐出口とを具え、
エンジン側から送り出された排気ガスを集合させて消音
器側へと排出する集合管において、前記請求項1、2、
3、4または5記載の製造方法によって製造したことを
特徴として成るものである。この発明によれば、集合管
の内部に残る溶接ビードの凹凸が格段に減少し、排気ガ
スを集合方向に効率的に流すことができる。また従来の
半割り状の金属素材を最中合わせ状態に接合する場合に
比べ、工程数を大幅に減少させることができ、コストの
低減化が達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づいて説明する。説明にあたっては、まず本発明の製
造対象となる集合管1について説明した後、本発明の集
合管の製造方法について説明する。なお本明細書におい
て、集合管1を形成する上で出発素材となる金属素材
を、中間形成状態も含めWと符号を付すものである。
【0013】本発明の集合管1は、複数の排気管Eを介
してエンジンから送り出された排気ガスGを集合させ、
消音器M側へと排出するものであって、一例として図
1、2に示すように、複数の排気管E側に開口された複
数の受入口2(図示した例では二カ所)と、消音器M側
に開口された一カ所の吐出口3とを具えて成るものであ
り、それぞれの受入口2から受け入れられた排気ガスG
は、すべて一カ所の吐出口3に向かって移送される。
【0014】ここでこのように排気ガスGを受入口2か
ら吐出口3まで送り込む、それぞれの管を移送管4と定
義する。また本発明においては、受入口2が複数である
ことから、必然的に移送管4も複数存在するものであ
り、この複数の移送管4が移送途中で収束される部分、
すなわち集合管1の内部において排気ガスGが一カ所に
集められる部分を集合部5と定義する。なお移送管4の
端部すなわち受入口2と吐出口3とは、前後のパイプ
(エキゾーストパイプ)との取り付けを考慮して、幾分
太めに形成されている。
【0015】なお各シリンダから複数の排気管Eを介し
て送り出されてくる排気ガスGには、各シリンダのサイ
クルに基づいて生起する、流れの強弱(排気脈動と称さ
れる)が存在するものである。このため通常、集合管1
は、実質的な集合部5において、この排気脈動が重なら
ないようにすべく、受入口2から集合部5までの移送長
が、各移送管4毎に異なるように設定されている。ま
た、この集合部5においては、排気ガスGを受入口2か
ら吐出口3の方向に円滑に流すように案内するガイド体
6が形成されるものであり、例えばこのガイド体6によ
って、一つの受入口2から送られてきた排気ガスGが、
合流部5から他の受入口2に逆流することが防止され
る。なおこの実施の形態では、ガイド体6は、集合管1
を形成する金属素材Wの一部を管内部に突き出すように
して形成するものであり、別途、他の部材によって構成
するものではない。
【0016】更に本実施の形態においては、概ねテーパ
筒状に形成された金属素材Wを出発素材として、対向す
る金属素材Wを部分的に重ね合わせるようにしながら、
立体的な集合管1を形成するものであり、複数の受入口
2を区切るように形成された、この重ね合わせ部分を積
層部7と称する。因みにこの積層部7は、集合管1の本
来の性能に特に関与しないため、この実施の形態では、
特に切除することなく、受入口2ないしは移送管4どう
しを並列状態につなげるように、そのまま残すものであ
る。なお以下の説明では、受入口2、吐出口3、積層部
7等が形成される金属素材Wの部位を、それぞれ受入口
形成部2a、吐出口形成部3a、積層形成部7a等とす
るものである。
【0017】本発明に係る集合管1は以上にように構成
されるものであり、以下、本発明の集合管の製造方法に
ついて、図3〜図7に従って説明する。なお各図におい
て(イ)はワークたる金属素材Wの加工段階に応じた斜
視図、(ロ)は(イ)の斜視図に示した金属素材Wの断
面形状や、この形状を得るにあたって必要な対向型の構
造の一例を概略的に示す断面図である。
【0018】(1)素材の準備工程(図3、4) この工程は、集合管1を形成する上で、出発素材となる
概ねテーパ筒状の金属素材Wを準備する工程であり、一
例として図3(b)に示すように、ほぼ一定の径寸法を
有するパイプ材Pを受入口形成部2aから吐出口形成部
3aに向かって窄まるように塑性変形させて、図3
(a)に示すようなテーパ筒状の金属素材Wを得るもの
である。具体的には適宜の径寸法のパイプ材Pを、一対
の対向型21によって挟み込み、一端側に大径の受入口
周寸法L1を実現させ、他端側に小径の吐出口周寸法L
2を実現させるものである。このため上記一対の対向型
21は、このようなテーパ形状を外側と内側とから形成
する外型21Aと、内型21Bとを具えるものである。
【0019】なおパイプ材Pの長さは、このような加工
に伴う伸長ないしは収縮変形を予め考慮して、移送管寸
法L3を実現するように設定されることが好ましい。も
ちろんこのような移送管寸法L3を実現する長さのパイ
プ材Pを得るにあたっては、本準備工程に先立ち、長尺
のパイプ状部材を適宜の長さにカットする工程を具えて
も良いし、予め一定寸法にカットされたものを供給する
ようにしても構わない。因みに上述したように一般の集
合管1においては、移送管4の長さがそれぞれ異なるた
め、ここでの移送管寸法L3も一定ではなく、金属素材
Wの部位に応じて長さが異なるものであり、それぞれの
移送管4を実現し得る長さを有するものである。
【0020】また上記図3(a)に示したテーパ筒状の
金属素材Wは、受入口形成部2a及び吐出口形成部3a
ともに、ほぼ円状に形成するものであるが、必ずしも円
状に限定される必要はなく、例えば図4(a)に示すよ
うに、受入口形成部2aを長円状に形成し、一方の吐出
口形成部3aを円状に形成することが可能である。もち
ろんこの場合も、一例として図4(c)に示すように、
ほぼ一定の径寸法を有するパイプ材Pを、受入口形成部
2aから吐出口形成部3aに向かって窄まるような略テ
ーパ状に塑性変形させるものであるが、この場合には対
向型21も、図示するように受入口2側が長円状、吐出
口3側が円状に形成される。因みに金属素材Wをこのよ
うな形状に形成する目的は、受入口形成部2aを長円状
に形成した金属素材Wは、図5に示す初期段階の移送管
形成工程が省略でき、加工工程の簡略化に寄与し得るた
めである。
【0021】更にまた図示した実施の形態では、あたか
も一回のプレス動作で、パイプ材Pを略テーパ筒状に変
形させるかのように示したが、必ずしも一回のプレス動
作で上記塑性加工を終了させる必要はなく、例えば上記
対向型21を何段階かに分割し、段階的にプレスを行っ
て、最終的に所望のテーパ筒状の金属素材Wを得るよう
にすることが可能である。更にまた、金属素材Wを得る
にあたっては、必ずしもパイプ材Pを略テーパ状に変形
させるだけでなく、例えば図4(b)に示すように、受
入口周寸法L1、吐出口周寸法L2、移送管寸法L3を
実現し得るように、打ち抜かれた平板状のブランク材B
Lを、略テーパ筒状に立体形成し、これを出発状態の金
属素材Wとすることも可能である。因みにこの場合、ブ
ランク材BLの端部どうしの接合は、後述する移送管形
成工程を終了した後に行うものであるが、本工程におい
て主に仮止め作用として両端部を溶接することが可能で
ある。
【0022】(2)移送管形成工程〔初期段階〕(図
5) この工程は、概ねテーパ筒状を成す金属素材Wに対し
て、複数の移送管4を収束させるように曲面形成する初
期の工程であって、ここでは一例として三段階に分け
て、各移送管4を形成して行くものである。まず図5
(a)に示すように、上記素材準備工程によって得られ
た金属素材Wの受入口形成部2aや積層形成部7aに凹
陥部d1を形成する。この凹陥部d1は、受入口形成部
2aを適宜区切って、複数の受入口2を形成するもので
あり、完成状態における集合管1の積層部7を形成する
ものとなる。そしてこのような凹陥部d1を形成するに
あたっては、一例として図5(b)に示すような、半割
り状の一対の対向型23によって金属素材Wを挟み込ん
で形成するものであり、この対向型23は、押圧作用部
位がテーパ筒状の金属素材Wを受け入れ、凹陥部d1を
賦形し得るように形成されている。なお上述したよう
に、受入口形成部2aを長円状に形成した金属素材Wを
適用した場合には、この初期段階の移送管形成工程は適
宜省略することが可能である。
【0023】(3)移送管形成工程〔中間段階〕(図
6) この工程は、一例として図6(a)に示すように、上記
凹陥部d1が形成された金属素材Wを更に押圧して、略
偏平状態に形成する工程であって、受入口形成部2aを
更に凹陥形成する(この際、金属素材Wに賦形される凹
陥部をd2とする)とともに、ここに複数の受入口2を
半ば並列状態に並べるように形成する工程である。この
段階で受入口形成部2aは、対向する積層形成部7aの
金属素材Wが、初期段階以上に接近した、略長円状を呈
するものである。なお予め受入口形成部2aが、ほぼ長
円状に形成された金属素材Wは、この段階から移送管形
成工程が開始され得るものである。そして金属素材Wに
対して、このような中間段階の形状を形成するにあたっ
ては、一例として図6(b)に示すような、初期段階と
は別の半割り状の一対の対向型25によって金属素材W
を挟み込んで形成するものである。もちろんこの対向型
25は、金属素材Wを挟み込んだ状態で、上述した凹陥
部d2等の中間形状を賦与し得るように、押圧作用部位
が形成される。
【0024】(4)移送管形成工程〔最終段階〕(図
7) この工程は、上記中間段階を終了した金属素材Wを更に
押圧して、積層形成部7aを重ね合わせ、積層部7や複
数の受入口2を完成させる工程である。すなわちこの段
階で金属素材Wは、図7(a)に示すように、各移送管
4が合流するように賦形され、実質的な集合管1が形成
される。なお金属素材Wに対して、このような最終段階
の形状を賦与するにあたっては、一例として図7(b)
に示すような、初期段階や中間段階とは別の半割り状の
一対の対向型27によって金属素材Wを挟み込み、賦形
するものである。もちろんこの対向型27は、金属素材
Wを挟み込んだ状態で、積層形成部7aを密着させ、複
数の移送管4の表面形状を賦与し得るように、押圧作用
部位が形成されるものである。
【0025】以上のように移送管形成工程は、主に受入
口形成部2aを区切るように、金属素材Wに各移送管4
を賦形する工程であるが、この工程において、集合管1
の内部に突出するガイド体6を、ほぼ同時に形成するこ
とが可能である。具体的には例えば図7(c)に示すよ
うに、最終段階における一対の対向型27に、ガイド体
6を賦形する部位を併せて形成しておき、積層部7や複
数の受入口2を形成しながらガイド体6をも形成するの
である。このようにガイド体6を移送管形成工程と併せ
て形成することで、従来要していたガイド体の溶接工程
が削除できるとともに、金属素材Wの歩留りも向上さ
せ、今まで限界と考えられていたコスト低減にも寄与す
るものである。また上述した移送管形成工程は、三段階
に分けたが、この数は、目的の集合管1の大きさや、形
成する受入口2の数などに応じて、適宜変更可能であ
る。もちろん移送管形成工程を四段階以上の多段階で行
う場合には、集合管1の曲面形状やガイド体6等の内部
構造が、より一層、忠実に形成され得るものである。
【0026】なお本発明において、特にパイプ材Pから
略テーパ筒状の金属素材Wを準備した場合には、従来要
していた溶接工程を解消し得るものであり、これによっ
て集合管1内部に生じていた溶接ビードによる凹凸がな
くなり、排気ガスGの流れの安定化が達成される。また
溶接工程が解消され得ることに起因して、溶接不良を生
じる心配もなく、また溶接痕によって外観上の美観が損
なわれることもない。因みに受入口2(移送管4)どう
しの間に形成される積層部7は、集合管1本来の機能に
直接関与する部位ではないため、この実施の形態におい
ては、そのまま残すものであるが、例えば本発明に係る
集合管1をレース仕様の自動二輪車に搭載すべく、特に
徹底した軽量化等が追求される場合等には、移送管形成
工程の後段において、この積層部7を切除することが可
能である。
【0027】
【他の実施の形態】本発明は以上述べた実施の形態を一
つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のよ
うな改変が考えられる。すなわち先の図1〜7に示した
実施の形態は、受入口2が二つのものを図示したが、三
つ以上の受入口2を有する形態も可能である。なお図8
には、一例として三つの受入口2を有した集合管1の形
態を図示している。また上述した集合管1の形態は、ど
れも各移送管4をほぼ同一平面に並列状態につなげたも
のであったが、各移送管4を螺旋状に配した、いわゆる
スパイラル状やクローバ状に形成することも可能であ
る。
【0028】
【発明の効果】まず請求項1記載の集合管の製造方法に
よれば、筒状の金属素材Wを出発素材として、その受入
口形成部2aを部分的に重ね合わせるようにして立体的
な集合管1を形成するため、接合に要する溶接部位を格
段に減少させ得る。これによって、集合管1の内部に生
じる溶接ビードの凹凸が格段に減り、排気ガスGをより
効率的に消音器M側に案内することができる。また溶接
個所が少なくなることに伴い、溶接不良を生じ難くし、
また溶接痕などに起因する外観上の仕上がりの劣化を解
消し得る。
【0029】また請求項2記載の集合管の製造方法によ
れば、一定の径寸法のパイプ材Pから略テーパ筒状の金
属素材Wを得るため、溶接を何ら行うことなく、集合管
を製造し得る。このため排気ガスGをより一層安定的に
排出でき、また溶接痕によって外観上の美観が損なわれ
ることも解消できる。
【0030】更にまた請求項3記載の集合管の製造方法
によれば、排気ガスGを安定的に排出するガイド体6
は、金属素材Wの一部を管の内側に突き出すように形成
されるため、ガイド体6を別部材として用意したり、こ
れを管内部に固定する溶接等の必要がなく、製造工程が
軽減でき、コスト低減化が達成される。
【0031】また請求項4記載の集合管の製造方法によ
れば、移送管形成工程は、それぞれ複数の対向型によっ
て目的の形状を段階的に形成して行くことが可能であ
り、金属素材Wや型そのものに無理のない構造が採り得
る。
【0032】また請求項5記載の集合管の製造方法によ
れば、受入口形成部2aを区切るように形成した積層部
7をあえて取り除く必要がなく、工程数の削減化や簡略
化に寄与する。
【0033】また請求項6記載の集合管によれば、管内
部に生じる溶接ビードの凹凸を減少させ、効果的に排気
ガスGを消音器M側に送り出すことができる。また溶接
を解消し得ることやガイド体6を別部材として特に要し
ないことから、充分な低コスト化が達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集合管を消音器の前段に取り付け
た状態を示す斜視図(a)、並びにこの集合管を拡大し
て示す斜視図(b)、並びに本図(b)におけるA−A
線から視た断面図(c)である。
【図2】本発明に係る集合管を示す説明図(a)、並び
に本図(a)におけるB−B線、及びC−C線から視た
断面図(b)、(c)である。
【図3】素材準備工程によって供給される略テーパ筒状
の金属素材を示す斜視図(a)と、この金属素材を準備
する際の型構造の一例を示す説明図(b)である。
【図4】素材準備工程によって供給される略テーパ筒状
の他の金属素材を示す斜視図(a)、(b)と、この金
属素材を準備する際の型構造の一例を示す説明図(c)
である。
【図5】初期段階の移送管形成工程によって成形された
金属素材を示す斜視図(a)と、この工程を行う際の型
構造の一例を示す説明図(b)である。
【図6】中間段階の移送管形成工程によって成形された
金属素材を示す斜視図(a)と、この工程を行う際の型
構造の一例を示す説明図(b)である。
【図7】最終段階の移送管形成工程によって成形された
金属素材(集合管)を示す斜視図(a)と、この工程を
行う際の型構造の一例を示す説明図(b)、(c)であ
る。
【図8】受入口が三つ開口された集合管を示す斜視図で
ある。
【図9】半割り状の金属素材を最中合わせ状態に溶接し
て形成した、従来の集合管を示す斜視図(a)、並びに
本図(a)におけるD−D線から視た断面図(b)であ
る。
【符号の説明】
1 集合管 2 受入口 2a 受入口形成部 3 吐出口 3a 吐出口形成部 4 移送管 5 集合部 6 ガイド体 7 積層部 7a 積層形成部 21 対向型 21A 外型 21B 内型 23 対向型 25 対向型 d1 凹陥部 d2 凹陥部 L1 受入口周寸法 L2 吐出口周寸法 L3 移送管寸法 BL ブランク材 E 排気管 G 排気ガス P パイプ材 M 消音器 W 金属素材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの排気を導いている複数本の排
    気管に対して接続される複数の受入口と、消音器側に接
    続される吐出口とを具え、エンジン側から送り出された
    排気ガスを集合させた後、消音器側へと排出する集合管
    を製造するにあたり、その工程は、 複数の受入口を実現し得る受入口周寸法と、吐出口を実
    現し得る吐出口周寸法と、排気ガスを受入口から吐出口
    まで移送し得る移送管寸法とを有するように、筒状に形
    成された金属素材を準備する素材準備工程と、 前記筒状の金属素材を一対の対向型によって受入口形成
    部を部分的に重ね合わせるように押圧して複数の受入口
    を形成するとともに、 受入口から受け入れた排気ガスを合流させた後、吐出口
    まで移送する移送管を形成する移送管形成工程とを具え
    て成ることを特徴とする集合管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記素材準備工程では、ほぼ一定の径寸
    法を有する金属製のパイプ材が、受入口形成部から吐出
    口形成部に向かって窄まるような略テーパ状に塑性変形
    され、筒状の金属素材を得るようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の集合管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記移送管形成工程では、排気ガスの実
    質的な集合部に、受入口から受け入れた排気ガスを吐出
    口の方向に案内するガイド体を、金属素材を管の内側に
    突出させて形成するようにしたことを特徴とする請求項
    1または2記載の集合管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記移送管形成工程は、複数の対向型が
    適用され、段階的な押圧動作によって金属素材に各移送
    管の形状が順次、賦形されて行くことを特徴とする請求
    項1、2または3記載の集合管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の受入口どうしの間には、対向
    する金属素材を重ね合わせ状態に形成した積層部が残存
    することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    集合管の製造方法。
  6. 【請求項6】 エンジンの排気を導いている複数本の排
    気管に対して接続される複数の受入口と、消音器側に接
    続される吐出口とを具え、エンジン側から送り出された
    排気ガスを集合させて消音器側へと排出する集合管にお
    いて、前記請求項1、2、3、4または5記載の製造方
    法によって製造したことを特徴とする集合管。
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