JP2002186758A - 遊技機のロック装置 - Google Patents

遊技機のロック装置

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JP2002186758A
JP2002186758A JP2000391272A JP2000391272A JP2002186758A JP 2002186758 A JP2002186758 A JP 2002186758A JP 2000391272 A JP2000391272 A JP 2000391272A JP 2000391272 A JP2000391272 A JP 2000391272A JP 2002186758 A JP2002186758 A JP 2002186758A
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hook
piece
lock piece
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Masato Watanabe
眞人 渡邊
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MAHITO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊技機に対して、厳重なセキュリティ対策を
講じるとともに、遊技機内部の僅かな空間にも取り付け
しやすい小型で低価格な遊技機のロック装置を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 遊技機200本体と前枠220との間に
設けられたフック340の動作によって前枠220を開
閉させる施錠機構300と、形状記憶合金からなり形状
記憶による変位によって前記フック340の前枠220
の開放のための動作を阻止するロック片100とを備え
ることで、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やスロ
ットマシン等の遊技機における前枠の不正な開放を阻止
するためのロック装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機やスロットマシン等を初めと
する遊技機には、遊技機本体内部の点検等を行う際に開
放される前枠が設けられている。この前枠は、遊技機本
体側の外枠に対して開閉自在に設けられているものであ
って、不用意に開放されないように施錠機構が付設され
ている。この施錠機構として、通常、前枠には遊技機本
体側と係合させるためのフックが配置されており、前枠
を開放する場合には、鍵穴に鍵を差し込む解錠操作によ
りフックの係合が外され、前枠が遊技機本体側から開放
できるようになっている。
【0003】このような遊技機にあっては、鍵を使用す
ることにより前枠をいつでも開放することができる。そ
のため、例えば営業後の深夜あるいは休店日といった閉
店時を見計らい、店内に忍び込んで合鍵等で前枠を開
け、メイン基板のROM交換や、メイン基板自体を改変
する等の不正行為も不可能ではなかった。従って、この
ような不正を阻止するために、従来、種々のセキュリテ
ィ対策が講じられている。
【0004】例えば特開平11−57173号公報にお
いては、施錠機構のフックの離脱動作を妨げることを目
的として、電磁ソレノイドで駆動されるロック装置が開
示されている。このロック装置は、前枠閉塞時に係合し
た状態にあるフックに、ロック片を当接させておくこと
で、フックの離脱動作を妨げる。そして、このロック片
を電磁ソレノイドで移動させて、フックの離脱を可能と
するものである。すなわち、ロック装置のロック片を電
気的な指示によって移動させないと、施錠機構による前
枠の開放ができないという2重ロックのセキュリティシ
ステムである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平11−
57173号公報に開示されたロック装置は、フックの
移動を妨げるロック片の駆動手段として電磁ソレノイド
を使用しているため、全体としての大型化が避けられな
かった。しかし、遊技機の内部は、近年各種の機器や搬
送用のパイプが配置され著しく複雑になっているため、
遊技機内部に新たな装置を付加するには、空間的余裕が
ないのが現状である。従って、セキュリティ対策として
のロック装置はできるだけ小型化することが望まれてい
た。
【0006】また、従来のロック装置は、電磁ソレノイ
ドやロック片を初めとする多数の部品が組み合わされて
構成されているため、部品コストや製造コストが押し上
げられていた。そのため、ロック装置の構成を信頼性を
維持しながらできるだけ簡素化し、部品や組立に要する
コストを押さえて低価格化を図ることが望まれていた。
【0007】本発明は、このような事情に対処してなさ
れたもので、遊技機に対して厳重なセキュリティ対策を
講じるとともに、遊技機内部の僅かな空間にも取り付け
しやすい小型で低価格な遊技機のロック装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述のような課題を考慮
して、本発明は次のような手段を採用する。
【0009】すなわち、請求項1では、遊技機本体と前
枠との間に設けられたフックの動作によって前枠を開閉
させる施錠機構と、形状記憶合金からなり形状記憶によ
る変位によって前記フックの前枠の開放のための動作を
阻止するロック片とを備えている。
【0010】この手段では、前枠は、施錠機構により、
遊技機本体に対して、フックが係合することで閉塞し、
離脱することで開放するよう構成されている。そして、
フックの離脱の動作を阻止する状態にロック片を設けて
おくことで、通常は前枠の開放が阻止されている。ロッ
ク片は形状記憶合金を素材とするため、温度変化を与え
ることで変位が生じる。そして、形状記憶による変位
で、前記フックの離脱の動作を阻止する状態から脱する
と、前枠の開放が可能となる。これにより、施錠機構に
加えてロック片による2重のセキュリティ対策が施され
る。
【0011】また、請求項2では、請求項1記載の遊技
機のロック装置において、フックを動作させるために上
下動するロッドと、このロッドを上下動可能に支持する
枠体と、ロッドと枠体に連通するようそれぞれに設けら
れる連通孔とが備えられ、これら連通孔に連通するよう
ロック片が組み付けられ、ロック片が形状記憶による変
位によって連通孔と係合離脱することを特徴とする。
【0012】この手段では、ロッドと枠体に設けられた
連通孔の両方にロック片が挿通されると、枠体に対する
ロッドの上下動が妨げられ、その結果フックの動作も阻
止される。これにより、前枠の開放も阻止される。一
方、ロック片が形状記憶による変位で連通孔から外れる
と、ロッドの上下動が可能となり、フックの動作も可能
となる。これにより前枠の開放も可能となる。
【0013】また、請求項3では、請求項1記載の遊技
機のロック装置において、遊技機本体側と前枠側との間
にフックと、このフックと係合離脱する係合片とが配置
され、フック及び係合片の少なくとも一方の一部あるい
は全部がロック片で形成され、ロック片の形状記憶によ
る変位によって、フックと係合片は係合離脱することを
特徴とする。
【0014】この手段では、フックは係合片と係合する
ことで、前枠が遊技機本体に閉塞し、この状態ではフッ
クを動作させようとしても係合したままであるため離脱
できない。その結果、前枠の開放が阻止される。一方、
フック及び係合片の少なくとも一方の一部あるいは全部
に形成されたロック片が、形状記憶によって変位し、フ
ックと係合片とが離脱可能な状態になり、フックの動作
が可能となる。これにより前枠の開放も可能となる。
【0015】また、請求項4では、請求項1記載の遊技
機のロック装置において、遊技機本体側と前枠側との間
にフックと、このフックと係合離脱する係合片とが配置
されるとともに、ロック片がフックと当接するよう配置
され、ロック片の形状記憶による変位によって、フック
と係合片との離脱が可能となることを特徴とする。
【0016】この手段では、フックが係合片に係合する
ことで、前枠が遊技機本体に閉塞し、この状態でロック
片がフックに当接する。そのため、フックを動作させ係
合片と離脱させようとしても、ロック片により動作が妨
げられ、その結果、前枠の開放も阻止される。一方、ロ
ック片が形状記憶により変位すると、フックと乖離し、
これによりフックが係合片から離脱可能となる。これに
より前枠の開放も可能となる。
【0017】また、請求項5では、請求項1から4のい
ずれかに記載の遊技機のロック装置において、ロック片
には、形状記憶による変位を補助するための弾性体が取
り付けられることを特徴とする。
【0018】この手段では、弾性体の弾性を利用し、ロ
ック片の変位が速やかに行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて説明する。図1は実施の形態(1)の
ロック装置を取り付けた遊技機の斜視図、図2は実施の
形態(1)のロック装置の斜視図、図3は図2のA−A
線で切断した断面図、図4〜図7は実施の形態(1)の
ロック装置の変形例の断面図である。
【0020】本発明の実施の形態(1)のロック装置1
は、遊技機200本体と前枠220との間に設けられた
フック340の動作によって前枠220を開閉させる施
錠機構300と、形状記憶合金からなり形状記憶による
変位によって前記フック340の前枠220の開放のた
めの動作を阻止するロック片100とを備えている。
【0021】まず、遊技機200の全体構成から説明す
る。前枠220は、ヒンジ221を介して外枠210と
開閉するよう取り付けられており、前枠220の開閉側
の辺の内側には施錠機構300が、外側には鍵穴241
が設けられている。そして、この鍵穴241には、ガラ
ス枠230や前枠220を開けるための鍵(図示してい
ない)が差し込まれ、施錠機構300に対する施錠、解
錠が行われるよう構成されている。
【0022】施錠機構300は、上述の鍵の施錠、解錠
で動作するフック340を有しており、このフック34
0を外枠210の側部に設けられた係合片212に係合
離脱させることで、前枠220の閉塞と開放を行わせ
る。フック340及び係合片212は上下に2箇所設け
られている。
【0023】また、施錠機構300は、前枠220の内
側で、上下に沿って配置される枠体310を有してい
る。この枠体310は、前枠220に固定される固定部
311と、遊技機200の内側方向に折り曲げられた折
り曲げ部312を備えてL字状を呈している。そして、
枠体310はネジ222で前枠200に交換可能に取り
付けられる。この枠体310の固定部311の略々中程
には、前述の鍵穴241を有するシリンダ錠240が取
り付けられている。そして、シリンダ錠240の軸部2
42には、内側に突出する操作片243を有したカム2
44が取り付けられている。
【0024】この枠体310の折り曲げ部312に沿っ
て、上下に長い略々板状のロッド320が配置され、上
下動自在に支持されている。このロッド320の略々中
程には、前述の操作片243に当接するよう係止片32
1が設けられている。また、ロッド320は、スプリン
グ330によって常時下方に付勢されている。そして、
シリンダ錠240の鍵穴241に差し込まれた鍵(図示
していない)の操作によってカム244が回動すると、
操作片243が係止片321を押し上げて、ロッド32
0がスプリング330の付勢力に抗して上方に移動す
る。
【0025】このロッド320の上下端部には、前述の
フック340、340が一体で形成されている。フック
340は、ロック溝341が下側に形成された鉤型を呈
しており、このロック溝341が係合片212に係合す
ることで、前枠220が閉塞される。シリンダ錠240
に差し込まれた鍵により解錠動作が行われると、フック
340は折り曲げ片312に設けられたガイド溝313
に沿って、ロッド320と一体で上方に移動する。そし
て、ロック溝341と係合片212の係合が外れる位置
まで上昇すると、前枠220を引いて開放することが可
能となる。
【0026】ロック片100は、形状記憶合金を素材と
し、温度の変化により変位するよう構成されている。以
下、ロック片100の実施の形態(1)における形態
を、ロック片101として説明する。このロック片10
1は、略々軸状の部材で、端部を屈曲させた形状を呈し
ており、一端が固定端110として固定部311の略々
中央付近に固定(溶接等による)されている。他端は自
由端120として、ロッド320と折り曲げ部312に
連通するようそれぞれ穿設された連通孔322、314
に、通常は挿入されている。ロック片101には、通電
加熱するための導線130、130が接続されており、
遠隔に配置された制御部140が信号により制御されて
加熱を開始させる。加熱されてロック片101が規定温
度を超え、形状記憶により変位すると、自由端120が
矢印a側に移動し、連通孔322、314から外れる
(図3中の一点鎖線)。なお、ロック片101は、適切
な手段で周辺の部材と絶縁されている。図3で示したロ
ック片101は、2方向性で可逆的に変位する形状記憶
合金で形成され、連通孔322、314に連通された形
状と、外れた形状の2つを記憶させている。そのため、
低温に戻ると再び自由端120が矢印b側に移動し、連
通孔322、314に連通された状態に復帰する。
【0027】このように構成されたロック装置1の動作
について説明する。
【0028】まず、前枠220が閉塞されているとき
は、フック340は、ロック溝341が係合片212の
上方に位置して係合した状態にある。そして、ロック片
101は、その端部120が連通孔322、314に連
通している。そのため、この状態で施錠機構300のシ
リンダ錠240に鍵を差込み、ロッド320を上昇させ
るよう試みても、ロック片101が引っ掛かって、折り
曲げ部312に対するロッド320の動きを妨げる。従
って、フック340を離脱させることができず、結果と
して前枠220の開放が阻止される。
【0029】次に、前枠220を管理者が必要に応じて
正規に開放したいときには、制御部140に信号を入力
し、導線130によりロック片101を通電加熱する。
ロック片101は規定温度以上に達すると変位して、自
由端120が連通孔320、314から外れる。この状
態で、施錠機構300のシリンダ錠240に鍵を差込
み、ロッド320を上昇させると、ロック溝341が係
合片212から外れ、前枠220を引いて開放すること
が可能となる。
【0030】このように、ロック片101は、制御部1
40から指示を受けないかぎり変位しない。そのため、
不正な合鍵でシリンダ錠240の解錠を試みても、ロッ
ド320が動作しないため前枠220を開放することが
できず、施錠機構300に加えて2重のセキュリティ対
策を施すことができ、遊技機200の安全性が向上され
る。
【0031】また、上述したようにロック片101は、
それ自体が変位するとともに駆動手段も兼ねている。そ
のため、部材としてはロック片101を枠体310に取
り付けるだけで構成できるので、部品点数がきわめて少
なく組立も容易で、大幅な低価格化が図れる。そのう
え、ロック片101は枠体310の一部を利用して付設
するだけであり、上述した機能が発揮できる範囲で、で
きるだけ小さくすることができる。また、制御部140
は、都合のよい遠隔に配置できるため、全体として設置
のための特別なスペースをほとんど必要とせず、手狭な
遊技機200の内側にも簡単に取り付けることができ
る。さらに、機械的に動く部分がないため、信頼性にも
優れている。
【0032】次に、実施の形態(1)のロック片101
の変形例を、図4〜図7を用いて説明する。図4は、実
施の形態(1)のロック片101の自由端120に先端
部材121を取り付けた例である。ロック片101と先
端部材121を別体で形成することで、ロック片101
は単純に変位しやすい形状にできるとともに、先端部材
121の形状は連通孔322、314の形状に合わせて
係合離脱しやすい形状にすることができる。
【0033】図5は、ロック片101の略々全体を絶縁
層122で被覆した例である。ロック片101は、固定
する部分や変位する部分等に周辺の金属製の部材に接触
することがあるが、ロック片101は加熱の際に通電さ
れるため、周辺の金属と電気的な支障を来すことが心配
される。従って、全体を絶縁層122で被覆すること
で、さらに、電気的な信頼性を向上させることができ
る。
【0034】図6は、ロック片101をコイル形状に形
成し、その先端に先端部材121を取り付けた例であ
る。これは、コイル形状にしてその伸縮を利用すること
で、連通孔322、314との係合離脱を直線的に行っ
ている。このように、ロック片101をコイル形状に形
成することにより、変位により生じる応力をロック片1
010の全体で受けることができ、繰り返し使用に対す
る耐久性が備えられる。なお、図6では、先端部材12
1には鍔をつけて、係合時に適切な位置で止まるよう構
成している。
【0035】図7は、ロック片101を1方向性で非可
逆的に変位する形状記憶合金で形成した例である。ロッ
ク片101が1方向性で、連通孔322、314から離
脱した状態(図7中の一点鎖線)のみを形状記憶してい
た場合には、温度が低温に戻っても、そのままでは連通
孔322、314に挿通する位置に復帰することができ
ない。そのため、弾性体150として例えばバネ部材1
51を付設し、変位を補助することが望ましい。この場
合、例えば、L字状部材160等を用い、この底面16
1を固定部311に固定(溶接、ネジ止め等)し、垂直
面162をロッド320と平行をなすよう配置し、バネ
部材151を垂直面162とロック片101との間に架
設する。これにより、ロック片101が通電加熱により
変位して連通孔322、314から外れると、バネ部材
151が圧縮される。そして、ロック片101が低温に
戻るとバネ部材151の復帰により、自由端120は再
び連通孔322、314に挿通される。このように一方
向性の形状記憶合金でロック片101を形成しても、弾
性体150を付加するだけで、簡単に速やかに動作させ
ることができる。なお、弾性体150の取り付け方や形
態は、これに限定されるものではなく、例えば板バネ状
の弾性体を、ロック片101に添設してもよい。また、
弾性体と組み合わされたロック片の形状記憶による変位
は、起動する方向に構成しても、あるいは復元する方向
に構成してもよい。
【0036】また、ロック片101が1方向性あるいは
2方向性に拘わらず、図7のようにL字部材160等に
固定し、1つのユニットとして構成すると、取り付けや
交換にも便利である。なお、上述したロック片101の
形状、位置、構成は一例であり、これに限定されるもの
ではなく、各部材を組み合わせて実施しても良い。また
加熱方法も、例えばロック片101に発熱体を付設して
加熱する構成等や、他の方法でも良い。
【0037】次に本発明の実施の形態(2)について、
図面に基づいて説明する。図8は実施の形態(2)のロ
ック装置の斜視図、図9は図5のB−B線で切断した断
面図、図10は実施の形態(2)のロック装置の変形例
の斜視図である。なお、実施の形態(2)で実施の形態
(1)と同様の説明は同一符号を付して、詳細な説明を
省略する。
【0038】実施の形態(2)のロック装置1は、実施
の形態(1)と同様のロック片100を、遊技機200
の外枠210に付設される係合片212に替えて取り付
けたことを特徴としている。以下、ロック片100の実
施の形態(2)における形態をロック片102として説
明する。
【0039】ロック片102は、実施の形態(1)と同
様に形状記憶合金を素材とした略々軸状の部材で、固定
端110が外枠210に固定され、自由端120が、通
常フック340のロック溝341に係合している。
【0040】実施の形態(2)の枠体310は、前枠2
20に固定される固定部311と、枠体310の上下で
部分的に遊技機200の内側方向に折り曲げられた支持
片部315、315を備えて、部分的にL字状を呈して
いる。
【0041】実施の形態(2)のフック340は、ロッ
ド320の上下の端部に別体で形成されている。そし
て、ロッド320に軸342で回動自在に取り付けられ
るとともに、支持片部315に軸343で回動自在に取
り付けられている。そのため、実施の形態(1)と同様
にシリンダ錠240に鍵が差し込まれ、ロッド320が
上方に移動すると、フック340は軸343を中心とし
て、軸342側が上方に移動しながら、フック340の
先端が下方に下がり、矢印e側に回動する。そして、ロ
ッド320が下方に復帰すると、フック340は矢印f
側に回動する。
【0042】このように構成された実施の形態(2)で
は、ロック片102は、通常はロック溝341に係合す
る位置にあるため、上述したようにフック340が矢印
e側に回動しようとしても、当接によりその動作を妨げ
る。そして、このロック片102が導線130により通
電加熱されると、形状記憶により矢印c側に変位し、ロ
ック溝341との係合が外れた状態となる。この状態
で、施錠機構300のシリンダ錠240に鍵を差込み、
ロッド320を上昇させると、ロック溝341がロック
片102から外れ、前枠220を引いて開放することが
可能となる。そして、ロック片102が低温に戻ると、
再びロック溝341と係合する位置(矢印d側)に変位
する。なお、このロック片102は2方向性の可逆的な
形状記憶合金での構成を示しているが、実施の形態
(1)と同様に弾性体を付設して1方向性の非可逆的な
形状記憶合金で構成しても良い。
【0043】次に、実施の形態(2)の変形例を、図1
0を用いて説明する。図10は、フック340の一部を
ロック片102で形成した例である。図9のフック34
0では、中途部をロック片102で、先端部を先端部材
121で形成し、ロック片102が水平方向に変位する
よう構成している。この構成では、通常はフック340
は係合片212に係合していて回動できないが、導線1
30(図9では省略されている)で通電加熱されると、
係合片212と乖離し離脱が可能となる。なお、フック
340全体をロック片102で構成しても良い。
【0044】このように実施の形態(2)では、従来の
施錠機構300の構成を部分的に形状記憶合金からなる
ロック片100で形成することにより、新たな部材をほ
とんど付加することなく、2重のロックを施すことがで
き、さらに省スペース化を図ることができる。
【0045】次に本発明の実施の形態(3)について、
図面に基づいて説明する。図11は実施の形態(3)の
ロック装置の斜視図、図12は実施の形態(3)のロッ
ク装置の変形例である。なお、実施の形態(3)で実施
の形態(1)(2)と同様の説明は同一符号を付して、
詳細な説明を省略する。
【0046】実施の形態(3)のロック装置1は、実施
の形態(1)のロック片100を、係合片212と係合
するフック340の近傍に取り付けたことを特徴として
いる。以降、ロック片100の実施の形態(3)におけ
る形態を、ロック片103として説明する。
【0047】実施の形態(3)のフック340は、実施
の形態(2)と同様に作用するが、ロック溝341が上
側に形成されている点で異なっている。そのため、係合
片212はフック340の上方に位置している。ロック
片103は、2箇所あるフック340のうち、下方側の
フック340の近傍に配置されている。これは、上部の
幕板を空けて不正に手で操作されないためである。ロッ
ク片103は、実施の形態(1)と同様に形状記憶合金
を素材とした略々軸状の部材で、固定端110が外枠2
10に固定され、自由端120が、通常フック340の
下方側と当接、もしくはきわめて当接に近い位置に配置
されている。
【0048】このように構成された実施の形態(3)で
は、フック340が、実施の形態(2)と同様に、シリ
ンダ錠240による解錠動作で、矢印e側に回動しよう
としても、ロック片103が当接するため、その動作が
妨げられる。そして、このロック片103が導線130
(図11では省略されている)により通電加熱される
と、形状記憶により矢印c側に変位し、フック340か
ら離れた状態となる。そのため、この間にシリンダ錠2
40による解錠動作を行うと、フック340と係合片2
12との係合が外れて、前枠220の開放が可能とな
る。そして、ロック片103が低温に戻ると再びフック
340と当接する位置(矢印d側)に変位する。なお、
このロック片103は2方向性の可逆的な形状記憶合金
での構成を示しているが、実施の形態(1)と同様に弾
性体を付設して1方向性の非可逆的な形状記憶合金で構
成しても良い。
【0049】次に、実施の形態(3)のロック片103
の変形例を、図12を用いて説明する。図12では、下
側のフック340に切り欠き部344を設け、この切り
欠き部344にロック片103が係合するよう構成して
いる。そして、ロック片103は、図10とは異なり、
水平方向(矢印g−h方向)に変位して、切り欠き部3
44と係合離脱する。このように、構成することで、ロ
ック片103の変位のストロークを短く設定することが
できる。
【0050】このように実施の形態(3)では、従来の
施錠機構300の構成に、きわめて単純な構造のロック
片を付加するだけで、2重のロックを施すことができ、
さらに省スペース化を図ることができる。
【0051】以上、実施の形態(1)〜(3)により、
ロック片100を用いて前枠開放の動作を阻止する形態
について種々説明してきた。これらは、組み合わせて実
施しても良く、また、遊技機200の構造の違いに応じ
て、形状や配置位置も適宜変更しても良い。
【0052】また、本発明のロック装置1では、制御部
140等での設定により、セキュリティのためのプログ
ラムを自由に変えることができる。例えば、ロック片1
00が前枠の開放が可能な位置に変位した後、一定時間
後に自動的に阻止する位置に戻るよう設定しても良い。
また、実施の形態(1)〜(3)では、通常はロック片
100で2重にロックし、必要に応じて解除するよう構
成しているが、その逆で、必要に応じて2重にロックす
るよう構成してもよい。
【0053】形状記憶合金の素材としては、特に限定さ
れないが、例えば一般的に使用されているNi−Ti合
金や、Cu−Zn−Al合金等が適用できる。特に、N
i−Ti合金は剛性が高いため好適であり、この場合、
形状の記憶の工程で、500℃3分で処理がされたもの
等が適している。
【0054】
【発明の効果】詳述してきたように、本発明のロック装
置は、形状記憶合金からなるロック片を用い、その形状
記憶による変位によって、前枠開放のためのフックの動
作を阻止しているため、きわめてコンパクトな形態で構
成することができる。そのため、空間的に余裕のない遊
技機の内側でも、場所を取らずに取り付けることがで
き、フックによる施錠機構に、きわめて簡単に2重のセ
キュリティ対策を講じることができ、遊技機の安全性が
向上される。
【0055】また、本発明は、構成が簡単で、部品点数
も少ないため、部品や組立に要する製造コストが抑えら
れ、低価格化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態(1)のロック装置を取り付けた遊
技機の斜視図である。
【図2】実施の形態(1)のロック装置の斜視図であ
る。
【図3】図2のA−A線で切断した断面図である。
【図4】実施の形態(1)のロック装置の変形例の断面
図である。
【図5】実施の形態(1)のロック装置の変形例の断面
図である。
【図6】実施の形態(1)のロック装置の変形例の断面
図である。
【図7】実施の形態(1)のロック装置の変形例の断面
図である。
【図8】実施の形態(2)のロック装置の斜視図であ
る。
【図9】図5のB−B線で切断した断面図である。
【図10】実施の形態(2)のロック装置の変形例の斜
視図である。
【図11】実施の形態(3)のロック装置の斜視図であ
る。
【図12】実施の形態(3)のロック装置の変形例の斜
視図である。
【符号の説明】
1 ロック装置 100 ロック片 110 固定端 120 自由端 121 先端部材 122 絶縁層 130 導線 140 制御部 150 弾性体 151 バネ部材 160 L字部材 161 底面面 162 垂直面 200 遊技機 210 外枠 212 係合片 220 前枠 221 ヒンジ 222 ネジ 230 ガラス枠 240 シリンダ錠 241 鍵穴 242 軸部 243 操作片 244 カム 300 施錠機構 310 枠体 311 固定部 312 折り曲げ部 313 ガイド溝 314 連通孔 315 支持片部 320 ロッド 321 係止片 322 連通孔 330 スプリング 340 フック 341 ロック溝 342、343 軸 344 切り欠き部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技機本体と前枠との間に設けられたフ
    ックの動作によって前枠を開閉させる施錠機構と、形状
    記憶合金からなり形状記憶による変位によって前記フッ
    クの前枠の開放のための動作を阻止するロック片とを備
    えた遊技機のロック装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遊技機のロック装置にお
    いて、フックを動作させるために上下動するロッドと、
    このロッドを上下動可能に支持する枠体と、ロッドと枠
    体に連通するようそれぞれに設けられる連通孔とが備え
    られ、これら連通孔に連通するようロック片が組み付け
    られ、ロック片が形状記憶による変位によって連通孔と
    係合離脱することを特徴とする遊技機のロック装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の遊技機のロック装置にお
    いて、遊技機本体側と前枠側との間にフックと、このフ
    ックと係合離脱する係合片とが配置され、フック及び係
    合片の少なくとも一方の一部あるいは全部がロック片で
    形成され、ロック片の形状記憶による変位によって、フ
    ックと係合片は係合離脱することを特徴とする遊技機の
    ロック装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の遊技機のロック装置にお
    いて、遊技機本体側と前枠側との間にフックと、このフ
    ックと係合離脱する係合片とが配置されるとともに、ロ
    ック片がフックと当接するよう配置され、ロック片の形
    状記憶による変位によって、フックと係合片との離脱が
    可能となることを特徴とする遊技機のロック装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の遊技
    機のロック装置において、ロック片には、形状記憶によ
    る変位を補助するための弾性体が取り付けられることを
    特徴とする遊技機のロック装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008109953A (ja) * 2006-10-27 2008-05-15 Chuto Sangyo Kk ゲーム機の施錠装置
JP2009285239A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Kyoraku Sangyo Kk 遊技機における前面枠のロック装置

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