JP2002186418A - 漬物包装体 - Google Patents

漬物包装体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック容器を用い、従来問題であった
プラスチック容器や蓋材の高分子フィルムが膨らむこと
を防ぎかつ、汁のこぼれや匂い移りが少なく、購買者が
不良品であると誤解することがない漬物の包装体を提供
する。 【解決手段】 プラスチック容器に入れた漬物を厚み1
50μm以下の単層または多層の高分子フィルムを蓋材
として密封シールした漬物包装体において、蓋材として
使用した部分に開孔面積0.2mm2以下の微細孔が1
個以上開いている漬物包装体であり、微細孔は開孔面積
1.0×10-5〜0.1mm2であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漬物の包装体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】代表的発酵食品である漬物はきわめて多
数の種類があり、日本の市場で広く受け入れられ種々の
形態の商品が店頭で多数見られる。ガラス瓶詰、プラス
チック嵌合容器、袋詰、肉厚のインジェクション成型の
プラスチックボトルなど種々のものがある。その中で、
廃棄物処理が社会問題となってきた現在、ガラス瓶詰、
肉厚のインジェクション成型のプラスチックボトルなど
廃棄しにくい容器入りの商品は次第に敬遠され、真空成
型等による比較的肉薄のプラスチック容器も増えてきつ
つある。
【0003】しかし、よく見られる比較的肉薄の真空成
型で作られたプラスチック容器で嵌合蓋を用いている商
品では少し容器がかたむくと汁がこぼれる、消費者が持
ち帰る際他の品物に匂いが移るなどの欠点がある。
【0004】このような問題は密封性を改善することで
回避できるが、漬物は発酵食品であり製造包装後も発酵
し熟成されていき、その過程で発生する炭酸ガスにより
容器が膨らむという問題が発生する。多少でも膨らむと
消費者は漬物が腐敗していると判断し買わなくなるた
め、この問題はきわめて重大である。
【0005】ガラスボトルや肉厚のインジェクション成
型のプラスチックボトルは容器や蓋自体が強いため問題
になるレベルの変形は起こらないが、真空成型等で作ら
れた比較的肉薄の容器では完全に密封してしまうと容器
や蓋材が膨らんでしまう。インジェクション成型の容器
でも蓋材にフィルムや比較的肉薄の嵌合フタを用いたり
すると膨らむという問題は発生する。
【0006】このため、プラスチック容器にプラスチッ
クフィルムで密封シールするタイプのものでは、部分的
にシールされない部分を作ったりガス抜きのため2〜3
mm程度の穴を開けて膨らみを防止している。未シール
部分を作る方法は、コントロールがむずかしく、未シー
ル部分が小さすぎて膨らんでしまったり、大きくなりす
ぎ汁がこぼれたり匂いが漏れ出すものが発生しやすい。
また、未シール部分に毛管現象で汁がしみ込んで見苦し
くなりやすいなどの欠点もある。穴を設ける方法も、や
はり汁がこぼれたり、匂いの移行の問題があった。さら
に、目に見える大きな孔が開いていることは消費者が購
入する際、不良品であると判断され購入をやめてしまう
という欠点もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラスチッ
ク容器を用い、従来問題であったプラスチック容器や蓋
材の高分子フィルムが膨らむことを防ぎかつ、汁のこぼ
れや匂い移りが少なく、消費者に不良品であると誤解さ
れることがない漬物の包装体を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) プラ
スチック容器に入れた漬物を厚み150μm以下の単層
または多層の高分子フィルムを蓋材として密封シールし
た漬物包装体において、蓋材として使用した部分に開孔
面積0.2mm2以下の微細孔が1個以上開いているこ
とを特徴とする漬物包装体、(2) プラスチック容器
に入れた漬物を厚み150μm以下の単層または多層の
高分子フィルムを蓋材として密封シールした漬物包装体
において、蓋材として使用した部分に開孔面積1.0×
10-5〜0.1mm2の微細孔が1個以上開いているこ
とを特徴とする漬物入り包装体、(3) 該プラスチッ
ク容器を該高分子フィルムで密封シールした上から嵌合
蓋を嵌め合わせることを特徴とする(1)または(2)
記載の漬物入り包装体、(4) 該高分子フィルムの蓋
材として用いられている部分の開孔面積をamm 2、な
かにいれる漬物の重量をbKgとすると、a/bであら
わされる漬物1Kgあたりの開孔面積が1.0×10-5
〜2.0の範囲にあることを特徴とする(1)〜(3)
のいずれか1項に記載の漬物入り包装体、(5) 該プ
ラスチック容器の材質がポリエステル樹脂であることを
特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の漬物
入り包装体、(6) 該高分子フィルムが少なくともポ
リエステル樹脂とポリエチレン樹脂を含む多層フィルム
であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項
に記載の漬物入り包装体である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の包装体の高分子フィルム
の材質は特に限定しない。用いるプラスチック容器にシ
ール可能なもので、食品包装材として適した素材であれ
ば何でもかまわない。具体的にはポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ
ール、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、各種ナイロン樹
脂等が使用でき、これらはホモポリマー、または2種類
以上のコポリマーおよびそれらを含むブレンド物として
用いても良い。また、これらは単層で用いても良いし2
層以上の多層フィルムとして用いても良い。また、たと
えば延伸等の加工を行って用いても良い。更に必要に応
じて充填材、添加剤を加えても良い。厚みはコスト、外
観、透明性、内容物の保存性、省資源の観点からあまり
厚くする必要はなく100μm以下、好ましくは50μ
m以下が適している。ただし厚みが極端に薄いと強度が
弱くなり実用性が失われるため15μm以上あることが
望ましい。これらのフィルムは防曇性が付与されるよう
な加工が施されていてもかまわない。またイージーピー
ル性を持たせてもよい
【0010】該高分子フィルムには蓋材として用いられ
る部分に開孔面積0.2mm2の微細孔が1つ以上存在
するように加工する。開孔面積が0.2mm2を超える
と肉眼でも微細孔がはっきり見え消費者の目にとまる、
汁がこぼれやすい、匂い移りが起こりやすいなどの問題
が発生する。さらに言えば開孔面積は1.0×10-5
0.1mm2の範囲にあることが望ましい。1.0×1
-5mm2以下ではガス透過量が小さいため十分なガス
透過量を出すために孔数をきわめて多くせざるを得ずフ
ィルムの強度低下により実用性がなくなる。一方開孔面
積が1.0×10 -2mm2以上であれば孔が大きいため
消費者の目にとまる、汁がこぼれやすくなる、匂い移り
がおこりやすくなるなどの問題が発生する危険性があ
る。微細孔の開け方は、漬物の種類、レシピ、製法、保
存温度により適正値が異なってくるが、高分子フィルム
の開孔面積をamm2、なかにいれる漬物の重量をbK
gとすると、a/bであらわされる漬物1Kgあたりの
開孔面積が1.0×10-5〜2.0の範囲にあることと
が望ましい。漬物1Kgあたりの開孔面積1.0×10
-5以下であると十分なガス透過量がないため容器や高分
子フィルムが膨れるし、2.0以上であると消費者の目
にとまる、汁がこぼれやすくなる、匂い移りがおこりや
すくなるなどの問題が発生する。
【0011】孔の形状は何でもかまわないが、目立ちに
くい、フィルムの強度低下を起こしにくいという観点か
ら円形に近い形状が好ましい。穿孔方法は何でもかまわ
ない。針状のもので機械的にあけてもかまわないし熱、
レーザー、超音波、電気などいかなる手段を用いてもか
まわない。また、穿孔はいつ行われてもかまわない。最
終製品になった時点で、蓋材として用いられている部分
に開孔面積0.2mm2以下の微細孔が1個以上存在し
ていればよい。
【0012】プラスチック容器の材質はポリプロピレン
樹脂などのポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂、ポ
リスチレン樹脂など食品容器として使用可能なものなら
なんでもかまわないし、プラスチック容器に高分子フィ
ルムを密封シールする方法も熱シール、インパルスシー
ル、超音波シールなどなんでもかまわない。また、シー
ル後に、埃などが付着するのを防ぐため嵌合可能な成型
蓋を用いてもかまわない。内容物は漬物であればなんで
もかまわない。具体的には奈良漬、たくあん、キムチ、
浅漬けなど発酵によるガス発生をともなうものすべてに
適用できる。
【0013】
【実施例】以下実施例で本発明を説明する。なお、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。
【0014】《実施例1》 株式会社エフピコ製A−P
ET容器(AP−150−丸700)にキムチ700g
を入れた。厚み12μmのユニチカ株式会社製ポリエス
テルフィルム(商品名エンブレット)に厚み30μmの
東セロ株式会社製無延伸共押出多層フィルム(ABF−
65C)をラミネートしたフィルムに平均孔径50μm
の円形の微細孔(開孔面積 1.96×10-3mm2
を蓋材として用いられる部分に10個存在するように加
工したものをヒートシールで密封シールした。(総開孔
面積 1.96×10-2mm2) この場合、キムチ1Kgあたりの開孔面積a/bは2.
80×10-2であり、1.0×10-5〜2.0の範囲に
ある。この状態で横にしてもほとんど汁が漏れず、匂い
もそれほど強くなかった。10℃で2週間放置したが容
器やフィルムが膨らむことはなかった。
【0015】《比較例1》 実施例1と同様にキムチを
密封包装した。ただし、微細孔をあけなかった。この場
合、10℃で3日後に蓋材フィルムが膨らみ始め不良と
なった。
【0016】《比較例2》 実施例1と同様にキムチを
密封包装した。ただし、微細孔は円形で平均孔径500
μm(開孔面積 0.196mm2 )とした。この場
合、微細孔が肉眼で見え、また包装体を長時間傾けてい
るとわずかではあるが、汁がにじみだし不良であった。
【0017】《実施例2》 実施例1と同様の容器に白
菜の浅漬700gを入れた。厚み25μmのデュポン社
製のポリエステルフィルム(商品名マイラー100OL
AF)に平均孔径100μmの円形の微細孔(開孔面積
7.85×10-3mm2)を蓋材として用いられる部
分に5個存在するように加工したものをヒートシールで
密封シールした。(総開孔面積 3.9×10-2
2) この場合、白菜の浅漬け1Kgあたりの開孔面積a/b
は5.61×10-2であり、1.0×10-5〜2.0の
範囲にある。この状態で横にしてもほとんど汁が漏れ
ず、匂いもそれほど強くなかった。10℃で1週間放置
したが容器やフィルムが膨らむことはなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチック容器に肉
眼ではほとんど見えない微細な孔をあけることで、従来
問題であったプラスチック容器や蓋材の高分子フィルム
が膨らむことを防ぎかつ、汁のこぼれや匂い移りが少な
くかつ消費者に不良品であると誤解されることがない漬
物の包装体の製造が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 81/26 B65D 81/26 C Fターム(参考) 3E067 AB01 AC01 BA01A BB14A BB25A EA06 EA32 FA01 GB02 3E084 AA24 AB01 AB10 BA02 BA08 BA09 FA09 FD13 GB08 GB12 KA06 LA01 3E086 AA01 AB01 AC07 AD24 BA04 BA15 BB03 CA01 4B069 DA19 HA01 KD07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック容器に入れた漬物を厚み1
    50μm以下の単層または多層の高分子フィルムを蓋材
    として密封シールした漬物包装体において、蓋材として
    使用した部分に開孔面積0.2mm2以下の微細孔が1
    個以上開いていることを特徴とする漬物包装体。
  2. 【請求項2】 プラスチック容器に入れた漬物を厚み1
    50μm以下の単層または多層の高分子フィルムを蓋材
    として密封シールした漬物包装体において、蓋材として
    使用した部分に開孔面積1.0×10-5〜0.1mm2
    の微細孔が1個以上開いていることを特徴とする漬物入
    り包装体。
  3. 【請求項3】 該プラスチック容器を該高分子フィルム
    で密封シールした上から嵌合蓋を嵌め合わせることを特
    徴とする請求項1または2記載の漬物入り包装体。
  4. 【請求項4】 該高分子フィルムの蓋材として用いられ
    ている部分の開孔面積をamm2、なかにいれる漬物の
    重量をbKgとすると、a/bであらわされる漬物1K
    gあたりの開孔面積が1.0×10-5〜2.0の範囲に
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の漬物入り包装体。
  5. 【請求項5】 該プラスチック容器の材質がポリエステ
    ル樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の漬物入り包装体。
  6. 【請求項6】 該高分子フィルムが少なくともポリエス
    テル樹脂とポリエチレン樹脂を含む多層フィルムである
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    漬物入り包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012001265A (ja) * 2010-06-21 2012-01-05 Nippon Dekishii:Kk 飲料容器用蓋

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