JP2002186276A - エレベータ用モータ制御装置 - Google Patents

エレベータ用モータ制御装置

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JP2002186276A
JP2002186276A JP2000379066A JP2000379066A JP2002186276A JP 2002186276 A JP2002186276 A JP 2002186276A JP 2000379066 A JP2000379066 A JP 2000379066A JP 2000379066 A JP2000379066 A JP 2000379066A JP 2002186276 A JP2002186276 A JP 2002186276A
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slot ripple
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Masaaki Hirai
井 正 昭 平
Kazuhiko Takasaki
崎 一 彦 高
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータの負荷変動や経年変化にかかわらず、
常に安定してスロットリップルを抑制すること。 【解決手段】 電流制御回路18は、ホール素子17
a,17b,17cからの検出信号を入力し、所定サン
プリング周期毎に6fを演算し、この演算結果をノッチ
フィルタ22a,22b,22cに出力する。ノッチフ
ィルタ22a,22b,22cは、電流検出器16a,
16b,16cから入力した電流検出信号のうち6fの
周波数成分のみをPID演算手段23a,23b,23
cに向けて通過させる。PID演算手段23a,23
b,23cは、この6fの周波数成分の信号に対してP
ID演算を施し、スロットリップル抑制信号を加算器2
1a,21b,21cに出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータ用モー
タ制御装置に関し、より詳しくは、モータのスロットリ
ップルに起因するエレベータの振動を抑制する技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、エレベータの一般的な構成を示
す説明図である。この図において、エレベータかご1
は、その上部にロープ2の一端側が取り付けられ吊り下
げられている。ロープ2はシーブ3に巻回されており、
ロープ2の他端側には釣合錘り4が取り付けられてい
る。シーブ3は、駆動モータ5により駆動され回転され
るようになっており、これらシーブ3及び駆動モータ5
等により巻上機6が構成されている。駆動モータ5は、
インバータ7から交流電力の供給を受けており、このイ
ンバータ7はインバータ制御装置8により制御されるよ
うになっている。そして、駆動モータ5は、防振ゴム9
を含む防振支持系により支持されており、矢印A方向の
振動が抑制されるようになっている。
【0003】ところで、近年はエレベータの機械室レス
化の要求が多くなり、駆動モータ5としては小型でトル
クの大きな永久磁石同期型モータが主流になりつつあ
る。図6は、このような永久磁石同期型モータである駆
動モータ5の構造を示す断面図である。駆動モータ5は
ステータ10及びロータ11により構成されている。ス
テータ10にはティース10a及びスロット10bが形
成されており、ロータ11にはティース10aに対向す
る永久磁石12が取り付けられている。また、ティース
10aには巻線27が巻回されている。
【0004】巻線27に交流電流を流すと回転磁界が形
成され、この回転磁界の回転周期と同期した回転速度で
ロータ11が回転することになる。このときの回転磁界
による磁束分布すなわち巻線電流の波形は完全な正弦波
状となるのが理想的であるが、実際にはスロット10b
に起因する高調波が発生し、そのためスロットリップル
と呼ばれる(トルクリップルとも呼ばれるが、本明細書
ではスロットリップルと呼ぶことにする。)トルク変動
が生じることになる。
【0005】ここで、モータ回転数をN〔rpm〕、モー
タの巻線極数をP、モータ電流(又は電圧)の周波数を
f〔Hz〕とすると、このfは下式(1)により求められ
る。そして、一般に、上記の高調波の周波数は、このf
を基本周波数とした場合に、この基本周波数の整数倍の
周波数nf(nは整数)により表される。このnfは
(1)式を用いて下式(2)のように表される。また、
実際には大部分のスロットリップルがn=6、n=12
となるものであることが分かっている(理論上は、更
に、n=18、n=24、…も含まれるが実用上は殆ど
必要とすることはない。)。
【0006】 f=(P/2)*(N/60)〔Hz〕 … (1) nf=n{(P/2)*(N/60)}〔Hz〕 … (2) 図2(a)は、上記の6fの高調波に係るスロットリッ
プルが発生した3相の巻線電流iの波形を示しており、
各相の波形がスロットリップルによる歪みを有している
ことが明らかである。
【0007】上記のようなスロットリップルによるトル
ク変動が大きな場合、防振ゴム9が設けられているにも
かかわらずトルク変動がロープ2を介してエレベータか
ご1に伝わり、このかご1を上下方向に振動させるため
にエレベータの乗り心地を損ねることになる。また、こ
のスロットリップルの周波数は上記のfの式からも明ら
かなように、モータ回転数に比例して変化するため、加
速中又は減速中に巻上機6及びその防振支持系の固有振
動数fa、あるいは巻上機6のケーシング(図5におい
て図示を略している)の固有振動数fbと一致する場合
がある。そして、前者と一致した場合にはエレベータの
振動が激しくなり、後者と一致した場合には騒音が著し
く大きくなる。このようなことから、スロットリップル
の低減は、巻上機6の制御を行う上で重要な課題となっ
ている。
【0008】スロットリップルを低減するためには、ロ
ータ11に取り付けられる永久磁石12の個数や形状、
スロット10bの形状、巻線極数等について改良を行う
など駆動モータ5側の構造的な見直しを行う方策が考え
られるが、いずれもコストアップを招き、エレベータシ
ステム全体として価格競争力の低下をもたらす結果とな
る虞がある。
【0009】そのため、従来は駆動モータ5の制御装置
側を改良することによりスロットリップルを低減しよう
とする方策が多く採用されている。図7は、このような
方策が採用された従来のエレベータ用モータ制御装置の
構成を示す回路図である。
【0010】図7において、3相交流用のインバータ7
はトランジスタやIGBTなどのスイッチング素子1
3、ダイオード14、及びコンデンサ15等により構成
されている。インバータ7から駆動モータ5に対して出
力される各相の電流は電流検出器16a,16b,16
cにより検出されるようになっており、また、駆動モー
タ5の永久磁石12の位置はホール素子17a,17
b,17cにより検出されるようになっている。
【0011】インバータ制御装置8は、電流制御回路1
8と、3つの正弦波信号発生器20a,20b,20c
により形成される抑制信号生成回路19と、加算器21
a,21b,21cとを有している。電流制御回路18
は、電流検出器16a,16b,16cからフィードバ
ックされる電流検出信号の入力に基づきトルク指令信号
を加算器21a,21b,21cに出力するようになっ
ている。電流制御回路18は、また、ホール素子17
a,17b,17cからの検出信号に基づきモータ回転
数Nを演算し、これを正弦波信号発生器20a,20
b,20cに出力するようになっている。正弦波信号発
生器20a,20b,20cは、このモータ回転数Nに
基づき基本周波数の6倍の周波数6fを有する正弦波信
号を生成し、これを予め適切に調整してある振幅及び位
相で加算器21a,21b,21cに出力する。
【0012】加算器21a,21b,21cは、それぞ
れ電流制御回路18からのトルク指令信号と、正弦波信
号発生器20a,20b,20cからの正弦波信号とを
合成することにより得られるトルク制御信号を、インバ
ータ7の各相アームのスイッチング素子13に出力す
る。このように、電流制御回路18からのトルク指令信
号に、スロットリップルによる電流変動を打ち消すため
の正弦波信号を加えてトルク制御信号を生成することに
よりスロットリップルを低減することができ、振動発生
によるエレベータかご1の乗り心地悪化を防止すること
ができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図7のエレ
ベータ用モータ制御装置の構成では、正弦波信号発生器
20a,20b,20cから出力される正弦波信号の振
幅及び位相につき予め適切な調整が行われていること
が、スロットリップルを有効に抑制するための前提条件
となっている。しかし、この振幅及び位相の最適値は、
モータ回転数に応じて変化するため、全回転数に対して
有効になるように値を設定することは実際には非常に困
難である。
【0014】また、全回転数に対して有効になるように
振幅及び位相の調整を適切に行うことができたとして
も、エレベータかご内の乗客数の変動によりモータの負
荷が変化するためモータ特性が変化する。更に、このモ
ータ特性は、経年変化によっても微妙に変化する。すな
わち、図7の従来のエレベータ用モータ制御装置では、
正弦波信号発生器20a,20b,20cから出力され
る正弦波信号につき振幅及び位相を適正に調整したとし
ても、負荷変動や経年変化のためにスロットリップルの
抑制効果が低下するばかりか、却ってスロットリップル
を増大させてしまう虞もあった。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、従来のような調整作業を不要とし、モータの負荷
変動や経年変化にかかわらず、常に安定したスロットリ
ップル抑制効果を得ることができるエレベータ用モータ
制御装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、請求項1記載の発明は、巻上機の駆動モ
ータに対して電力を供給するインバータと、前記駆動モ
ータのスロットに起因して発生するスロットリップルを
低減するように、前記インバータに対してトルク制御信
号を出力するインバータ制御装置と、を備え、前記イン
バータ制御装置は、トルク指令信号を生成する電流制御
回路と、スロットリップル抑制信号を生成する抑制信号
生成回路とを有し、このトルク指令信号とスロットリッ
プル抑制信号とを合成することにより前記トルク制御信
号を生成するものである、エレベータ用モータ制御装置
において、前記抑制信号生成回路は、前記インバータの
出力電流からスロットリップルの周波数成分を抽出する
スロットリップル抽出手段と、前記スロットリップル抽
出手段からの信号をPID演算することにより前記スロ
ットリップル抑制信号を出力するPID演算手段と、を
有するものである、ことを特徴とする。
【0017】上記構成によれば、スロットリップル抽出
手段は検出されたインバータの出力電流を入力し、この
出力電流に含まれるスロットリップルの周波数成分を抽
出する。そして、PID演算手段は、この抽出した周波
数成分にPID演算を施すことによりスロットリップル
抑制信号を出力する。すなわち、抑制信号生成回路は、
出力電流に実際に含まれるスロットリップル分を常時検
出し、このスロットリップル分を打ち消すための信号を
生成しているので、モータの負荷変動や経年変化の影響
を受けることがない。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記スロットリップル抽出手段が抽出する
スロットリップルの周波数成分は、モータ回転数をN
〔rpm〕、モータの巻線極数をP、モータの電圧又は電
流の周波数をf〔Hz〕、整数をnとした場合に、nf=
n{(P/2)*(N/60)}〔Hz〕で表されるもの
である、ことを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、モータ回転数Nを検出
することで、上記演算式を利用して抽出すべきスロット
リップルの周波数成分を容易に求めることができる。
【0020】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記抑制信号生成回路は、前記イン
バータ制御装置内の他の回路とは別個の独立した演算回
路により形成されたものである、ことを特徴とする。
【0021】上記構成によれば、インバータ制御装置内
の他の回路の演算速度の制限に拘束されることなく、抑
制信号生成回路は高速で演算を行うことができる。した
がって、安定したスロットリップル抑制効果を維持する
ことができる。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の発明において、前記スロットリップル
抽出手段及び前記PID演算手段が、それぞれ異なる周
波数成分の抽出、及びそれらのPID演算を行う複数の
手段である、ことを特徴とする。
【0023】上記構成によれば、周波数の異なる2種類
のスロットリップルを抑制することができるので、エレ
ベータかごの振動をより一層低減することができる。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記スロットリップル抽出手段が抽出する
スロットリップルの周波数成分は、巻上機及びその防振
支持系の固有振動数である、ことを特徴とする。
【0025】上記構成によれば、少なくとも巻上機及び
その防振支持系の固有振動数におけるスロットリップル
を確実に抑制することができ、エレベータの振動が最悪
の状態になるのを回避することができる。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記スロットリップル抽出手段が抽出する
スロットリップルの周波数成分は、巻上機ケーシングの
固有振動数である、ことを特徴とする。
【0027】上記構成によれば、少なくとも巻上機ケー
シングの固有振動数におけるスロットリップルを確実に
抑制することができ、エレベータの騒音が最悪の状態に
なるのを回避することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図に基
づき説明する。但し、図5乃至図7において説明したの
と同様の構成要素には同一又は類似の符号を付して重複
した説明を省略する。図1は、本発明の第1の実施形態
の構成を示す回路図である。図1が図7と異なる点は、
インバータ制御装置8に代えてインバータ制御装置8A
を用いている点である。
【0029】すなわち、インバータ制御装置8Aは、電
流制御回路18と、抑制信号生成回路19Aと、加算器
21a,21b,21cとを有しており、抑制信号生成
回路19Aは、スロットリップル抽出手段としてのノッ
チフィルタ22a,22b,22c、及びPID演算手
段23a,23b,23cを有している。なお、図面上
では明らかになっていないが、この実施形態では、電流
制御回路18、抑制信号生成回路19A、及び加算器2
1a,21b,21cは共に、同一のCPU(Central
Processing Unit)内に形成されている。
【0030】ノッチフィルタ22a,22b,22c
は、電流検出器16a,16b,16cからの電流検出
信号を入力しており、この信号から特定の周波数成分の
みを通過させるものである。この特定の周波数成分と
は、電流制御回路18の演算結果により示される、基準
周波数の6倍の周波数成分すなわち6fの周波数成分で
ある。PID演算手段23a,23b,23cは、これ
らノッチフィルタ22a,22b,22cを通過した6
fの周波数成分の信号を入力し、これにPID演算を施
してスロットリップル抑制信号を加算器21a,21
b,21cに出力するようになっている。
【0031】次に、上記のように構成される第1の実施
形態の動作につき説明する。電流制御回路18は、電流
検出器16a,16b,16cからフィードバックされ
る電流検出信号の入力に基づきトルク指令信号を加算器
21a,21b,21cに出力する。電流制御回路18
は、また、ホール素子17a,17b,17cからの検
出信号を入力しており、所定サンプリング周期毎に
(2)式を用いて(n=6とする)6fを演算し、この
演算結果を抑制信号生成回路19Aのノッチフィルタ2
2a,22b,22cに出力する。
【0032】ノッチフィルタ22a,22b,22c
は、電流検出器16a,16b,16cから入力した電
流検出信号のうち6fの周波数成分のみをPID演算手
段23a,23b,23cに向けて通過させる。PID
演算手段23a,23b,23cは、この6fの周波数
成分の信号に対してPID演算を施し、スロットリップ
ル抑制信号を加算器21a,21b,21cに出力す
る。
【0033】加算器21a,21b,21cは、電流制
御回路18からの各トルク指令信号と、PID演算手段
23a,23b,23cからのスロットリップル抑制信
号とを合成して得られるトルク制御信号を、インバータ
7の各相アームのスイッチング素子13に出力する。
【0034】上述した図1の構成では、ノッチフィルタ
22a,22b,22cが抽出する周波数成分の値nf
は固定値ではなく、所定サンプリング周期毎の演算に基
づく可変値である。つまり、エレベータかごに乗る乗客
数の変動や、経年変化によってモータ特性が変化したと
しても、常に、実際に存在するスロットリップルに正確
に対応する抑制信号を生成しているので、この抑制信号
によるスロットリップルの打ち消し効果を向上させるこ
とができる。
【0035】図2(b)は、図1のエレベータ用モータ
制御装置により得られる各相の巻線電流iの波形図であ
るが、図2(a)に示した従来の巻線電流に比べてスロ
ットリップルが大きく低減されていることが明らかにな
っている。また、図3(a),(b)は、それぞれ図2
(a),(b)の巻線電流iにより駆動モータ5を運転
したときのモータ回転数Nの波形図であるが、この波形
図においてもリップル分が低減されていることが分か
る。
【0036】次に本発明の第2の実施形態につき説明す
る(この第2の実施形態の回路構成は図1と同様のもの
である。)。前述したように、第1の実施形態では、電
流制御回路18、抑制信号生成回路19A、及び加算器
21a,21b,21cは共に、同一のCPU内に形成
されている。したがって、このCPUの能力如何によっ
ては抑制信号生成回路19Aは充分な処理能力を発揮で
きない場合が生じる虞がある。例えば、モータ回転数N
=750〔rpm〕の状態を考えてみると、モータ巻線極
数P=8として、前述の(1)式及び(2)式より、f
=50〔Hz〕、6f=300〔Hz〕となる。この場合、
CPUの演算周期を1〔kHz〕とすると、抑制信号生成
回路19Aのノッチフィルタ22a,22b,22cは
1周期につき3点しかサンプリングすることができず、
したがってノッチフィルタ処理を行うことはほぼ不可能
となる。
【0037】そこで、この第2の実施形態では、抑制信
号生成回路19Aをインバータ制御装置8A内の他の回
路とは別個のCPUに形成する構成とし、他の回路に係
るCPUの能力に制限されることなく高速演算を可能に
している。なお、インバータ制御装置内の他の回路の中
には、エレベータのシーケンス処理を行うものも含まれ
るため高速化が困難であるが、この抑制信号生成回路1
9Aは、ノッチフィルタ処理及びPID演算のみを行う
ものであるため、別個の独立した回路とすれば高速化が
容易である。
【0038】図4は、本発明の第3の実施形態の構成を
示す回路図である。図4が図1と異なる点は、抑制信号
生成回路19Aを有するインバータ制御装置8Aに代え
て、抑制信号生成回路19Bを有するインバータ制御装
置8Bを用いている点である。
【0039】抑制信号生成回路19Bは、抑制信号生成
回路19Aが有していたノッチフィルタ22a,22
b,22c及びPID演算手段23a,23b,23c
を有しているが、これらに加えてノッチフィルタ24
a,24b,24c及びPID演算手段25a,25
b,25cを有し、更に加算器26a,26b,26c
を有している。ノッチフィルタ22a,22b,22c
は、第1の実施形態と同様に6fの周波数成分のみを通
過させるものであるが、ノッチフィルタ24a,24
b,24cは、12fの周波数成分のみを通過させるも
のである。PID演算手段25a,25b,25cは、
これらノッチフィルタ24a,24b,24cを通過し
た12fの周波数成分の信号を入力し、これにPID演
算を施した信号を加算器26a,26b,26cに出力
するようになっている。加算器26a,26b,26c
は、PID演算手段23a,23b,23cからの信号
と、PID演算手段25a,25b,25cからの信号
とを加算し、この加算した信号をスロットリップル抑制
信号として加算器21a,21b,21cに出力するよ
うになっている。
【0040】次に、上記のように構成される第3の実施
形態の動作につき説明する。電流制御回路18は、電流
検出器16a,16b,16cからフィードバックされ
る電流検出信号の入力に基づきトルク指令信号を加算器
21a,21b,21cに出力する。電流制御回路18
は、また、ホール素子17a,17b,17cからの検
出信号を入力しており、所定サンプリング周期毎に
(2)式を用いて(n=6,12とする)6f,12f
を演算し、6fの演算結果をノッチフィルタ22a,2
2b,22cに出力すると共に、12fの演算結果をノ
ッチフィルタ24a,24b,24cに出力する。
【0041】ノッチフィルタ22a,22b,22c
は、電流検出器16a,16b,16cから入力した電
流検出信号のうち6fの周波数成分のみをPID演算手
段23a,23b,23cに向けて通過させる。PID
演算手段23a,23b,23cは、この6fの周波数
成分の信号に対してPID演算を施した信号を加算器2
6a,26b,26cに出力する。
【0042】また、ノッチフィルタ24a,24b,2
4cは、電流検出器16a,16b,16cから入力し
た電流検出信号のうち12fの周波数のみをPID演算
手段25a,25b,25cに向けて通過させる。PI
D演算手段25a,25b,25cは、この12fの周
波数成分の信号に対してPID演算を施した信号を加算
器26a,26b,26cに出力する。
【0043】加算器26a,26b,26cは、PID
演算手段23a,23b,23cからの信号と、PID
演算手段25a,25b,25cからの信号とを加算
し、この加算した信号をスロットリップル抑制信号とし
て加算器21a,21b,21cに出力する。
【0044】そして、加算器21a,21b,21c
は、電流制御回路18からの各トルク指令信号と、加算
器26a,26b,26cからのスロットリップル抑制
信号とを合成して得られるトルク制御信号を、インバー
タ7の各相アームのスイッチング素子13に出力する。
【0045】上記の図4の構成によれば、周波数の異な
る2種類のスロットリップルを抑制することができ、エ
レベータかごの振動をより一層低減することができる。
なお、図4の構成では、6f,12fの2種類の周波数
のスロットリップルを抑制する構成としているが、さら
に、多くのノッチフィルタ及びPID演算を追加して、
18f,24f…等の周波数のスロットリップルについ
ても抑制する構成とすることが可能である。
【0046】次に本発明の第4の実施形態につき説明す
る(この第4の実施形態の回路構成も図1と同様のもの
である。)。既述した図1の構成では、ノッチフィルタ
22a,22b,22cが抽出する周波数成分の値nf
は所定サンプリング周期毎の演算に基づく可変値となっ
ていたが、この第4の実施形態では可変値ではなく特定
の固定値としている。したがって、この実施形態では、
電流制御回路18は、ホール素子17a,17b,17
cからの検出信号に基づくnfの演算結果をノッチフィ
ルタ22a,22b,22cに出力することはせず、単
に、この特定の固定値のみを指定するようにしている。
【0047】本実施形態では、この特定の固定値とし
て、巻上機6及びその防振支持系の固有振動数fa、又
は巻上機6のケーシングの固有振動数fbを用いるよう
にしている。そして、ノッチフィルタ22a,22b,
22cがfaの周波数成分のみを抽出した場合は、スロ
ットリップルの周波数が固有振動数faと重なる時点に
おいてもエレベータかごの振動が激しくなるのを防止す
ることができ、また、ノッチフィルタ22a,22b,
22cがfbの周波数成分のみを抽出した場合は、スロ
ットリップルの周波数が固有振動数fbと重なる時点に
おいてもエレベータかごの騒音が激しくなるのを防止す
ることができる。
【0048】本実施形態では、ノッチフィルタ22a,
22b,22cが抽出する周波数を固定値fa,fbとし
ているため、通常のスロットリップルについては抑制す
ることができないが、少なくともエレベータかごの加速
中又は減速中に振動状態又は騒音状態が最悪の状態にな
ることだけは回避することができる。本実施形態では、
抽出すべき周波数nfの演算を行う必要がないため回路
の内部構成を簡単にできるというメリットがあり、ま
た、エレベータでは特定の周波数での共振が問題となる
ことから実用上の利点が大きい。
【0049】なお、この第4の実施形態ではノッチフィ
ルタ22a,22b,22cがfa又はfbのいずれかの
周波数成分のみを抽出する構成としているが、図4のよ
うにノッチフィルタ24a,24b,24cを追加し、
ノッチフィルタ22a,22b,22cがfaの周波数
成分を抽出し、ノッチフィルタ24a,24b,24c
がfbの周波数成分を抽出するようにしてもよい。この
構成によれば、振動及び騒音の双方が最悪の状態になる
のを防止することができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、抑制信
号生成回路に、インバータの出力電流からスロットリッ
プルの周波数成分を抽出するスロットリップル抽出手段
と、このスロットリップル抽出手段からの信号をPID
演算することによりスロットリップル抑制信号を出力す
るPID演算手段とを設けた構成としたので、従来のよ
うな調整作業を不要とし、モータの負荷変動や経年変化
にかかわらず、常に安定してスロットリップルを抑制す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す回路図。
【図2】図1の構成により得られる各相の巻線電流iの
波形図。
【図3】図2の巻線電流iにより駆動モータ5を運転し
たときのモータ回転数Nの波形図。
【図4】本発明の第3の実施形態の構成を示す回路図。
【図5】エレベータの一般的な構成を示す説明図。
【図6】図5における駆動モータ5の構造を示す断面
図。
【図7】従来装置の構成を示す回路図。
【符号の説明】
1 エレベータかご 2 ロープ 3 シーブ 4 釣合錘り 5 駆動モータ 6 巻上機 7 インバータ 8,8A,8B インバータ制御装置 9 防振ゴム 10 ステータ 10a ティース 10b スロット 11 ロータ 12 永久磁石 13 スイッチング素子 14 ダイオード 15 コンデンサ 16a,16b,16c 電流検出器 17a,17b,17c ホール素子 18 電流制御回路 19,19A,19B 抑制信号生成回路 20a,20b,20c 正弦波信号発生器 21a,21b,21c 加算器 22a,22b,22c ノッチフィルタ(スロットリ
ップル抽出手段) 23a,23b,23c PID演算手段 24a,24b,24c ノッチフィルタ 25a,25b,25c PID演算手段 26a,26b,26c 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F002 EA08 GA03 GA08 5H560 AA10 BB04 BB12 DA02 DA19 DB20 DC12 EB01 RR01 SS01 TT08 TT15 UA02 XA02 5H576 AA07 BB04 DD02 DD07 GG01 GG04 HA04 HB02 JJ03 JJ08 JJ24 JJ26 LL05 LL10 LL22 LL41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻上機の駆動モータに対して電力を供給す
    るインバータと、 前記駆動モータのスロットに起因して発生するスロット
    リップルを低減するように、前記インバータに対してト
    ルク制御信号を出力するインバータ制御装置と、 を備え、前記インバータ制御装置は、トルク指令信号を
    生成する電流制御回路と、スロットリップル抑制信号を
    生成する抑制信号生成回路とを有し、このトルク指令信
    号とスロットリップル抑制信号とを合成することにより
    前記トルク制御信号を生成するものである、 エレベータ用モータ制御装置において、 前記抑制信号生成回路は、 前記インバータの出力電流からスロットリップルの周波
    数成分を抽出するスロットリップル抽出手段と、 前記スロットリップル抽出手段からの信号をPID演算
    することにより前記スロットリップル抑制信号を出力す
    るPID演算手段と、 を有するものである、 ことを特徴とするエレベータ用モータ制御装置。
  2. 【請求項2】前記スロットリップル抽出手段が抽出する
    スロットリップルの周波数成分は、モータ回転数をN
    〔rpm〕、モータの巻線極数をP、モータの電圧又は電
    流の周波数をf〔Hz〕、整数をnとした場合に、nf=
    n{(P/2)*(N/60)}〔Hz〕で表されるもの
    である、 ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用モータ制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記抑制信号生成回路は、前記インバータ
    制御装置内の他の回路とは別個の独立した演算回路によ
    り形成されたものである、 ことを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータ用モ
    ータ制御装置。
  4. 【請求項4】前記スロットリップル抽出手段及び前記P
    ID演算手段が、それぞれ異なる周波数成分の抽出、及
    びそれらのPID演算を行う複数の手段である、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエ
    レベータ用モータ制御装置。
  5. 【請求項5】前記スロットリップル抽出手段が抽出する
    スロットリップルの周波数成分は、巻上機及びその防振
    支持系の固有振動数である、 ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用モータ制
    御装置。
  6. 【請求項6】前記スロットリップル抽出手段が抽出する
    スロットリップルの周波数成分は、巻上機ケーシングの
    固有振動数である、 ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ用モータ制
    御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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