JP2002185208A - 帯域阻止型フィルタとそれを用いた無線装置 - Google Patents

帯域阻止型フィルタとそれを用いた無線装置

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JP2002185208A
JP2002185208A JP2000384834A JP2000384834A JP2002185208A JP 2002185208 A JP2002185208 A JP 2002185208A JP 2000384834 A JP2000384834 A JP 2000384834A JP 2000384834 A JP2000384834 A JP 2000384834A JP 2002185208 A JP2002185208 A JP 2002185208A
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band
rejection filter
circuit
frequency
band rejection
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Toshio Ishizaki
俊雄 石崎
Ikuo Awai
郁雄 粟井
Hideyuki Miyake
秀行 三宅
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯域阻止型フィルタの設計においては阻止帯
域のみを考慮しているので、通過帯域における通過損失
の最小化が考慮されていない。また、段間結合回路は分
布定数回路で形成され小形化が難しい。 【解決手段】 N個(Nは2以上の自然数)の共振素子
と、前記共振素子間を接続する(N−1)個の集中定数
素子で形成するπ型回路もしくはT型回路からなり、そ
れらが接続された全体回路の両端にはそれぞれ入出力端
子を有するフィルタ回路であって、前記N個の共振素子
の各々の直列共振周波数は伝達特性の阻止周波数帯に対
応し、かつ、前記阻止周波数帯より低い周波数あるいは
高い周波数あるいは両側の周波数に前記入出力端子から
見た反射特性が極小点となる少なくともひとつ以上の通
過周波数帯を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として携帯電話
機などの高周波無線装置で用いられる帯域阻止型フィル
タに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、帯域阻止型フィルタは携帯電話機
などの高周波無線装置において不要信号を除去するため
に使用されている。以下に図面を参照しながら、上記し
た従来の帯域阻止型フィルタの一例について説明する。
【0003】図23は従来の帯域阻止型フィルタの回路
構成図を示すものである。図23において、231は入
出力端子、232は4分の1波長1端短絡型ストリップ
ライン共振器、233は結合キャパシタ、234は4分
の1波長段間結合伝送線路で、各々の共振器を縦続接続
する。
【0004】以上のように構成された帯域阻止型フィル
タについて、以下その動作について説明する。
【0005】まず、4分の1波長1端短絡型ストリップ
ライン共振器232と結合キャパシタ233が直列接続
された各共振素子は、伝達特性の阻止周波数帯に対応し
直列共振する。各共振素子が直列共振することにより、
その共振周波数ではグランドへの接続サセプタンスが無
限大となることにより等価的に接地され、伝達特性は帯
域阻止型となる。そして、そのような共振素子は4分の
1波長段間結合伝送線路234を介して縦続接続され、
多段の帯域阻止型フィルタを構成する。231は入出力
端子でここから高周波信号が入出力される。入出力端子
231間の伝達特性(S21)と反射特性(S11)は
図24のように表される。すなわち、反射特性に注目す
ると、阻止周波数帯で反射量が最大になり、阻止周波数
帯から離れるにしたがって反射量が単調に小さくなると
いう特性を呈する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、帯域阻止型フィルタの設計において阻止
帯域のみを考慮しているので、通過帯域における通過損
失の最小化、すなわちインピーダンス整合ということが
全く考慮されていないという問題点を有していた。言い
換えれば、従来例の反射特性は単調減少なので、阻止周
波数帯の近傍で通過損失を最小化するインピーダンス整
合ができないということを示していた。また、段間接続
に4分の1波長結合伝送線路234を介して縦続接続す
るためにフィルタの小形化が困難であるという問題点を
有していた。
【0007】本発明は上記問題点に鑑み、通過帯域近傍
において入出力端子から見た反射特性が極小点となる周
波数を有し、あるいは小形化が可能な帯域阻止型フィル
タを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の帯域阻止型フィルタは、N個(Nは2以上
の自然数)の共振素子と、集中定数素子で構成され前記
共振素子間を接続する(N−1)個の結合回路からな
り、それらが接続された全体回路の両端にはそれぞれ入
出力端子を有し、前記N個の共振素子の各々の直列共振
周波数は伝達特性の阻止周波数帯に対応し、かつ、前記
阻止周波数帯より低い周波数あるいは高い周波数あるい
は両側の周波数に前記入出力端子から見た反射特性が極
小点となる少なくともひとつ以上の通過周波数帯を有す
るという構成を備えたものである。
【0009】さらには、結合回路はπ型回路であるか、
もしくはT型回路であるという構成を備えたものであ
る。
【0010】また、π型回路において、2個の並列子は
それぞれキャパシタで構成し、1個の直列子はインダク
タで構成したことを特徴とするという構成を備えたもの
である。また、π型回路において、2個の並列子はそれ
ぞれインダクタで構成し、1個の直列子はキャパシタで
構成したことを特徴とする構成を備えたものである。
【0011】また、T型回路において、2個の直列子は
それぞれキャパシタで構成し、1個の並列子はインダク
タで構成したことを特徴とする構成を備えたものであ
る。また、T型回路において、2個の直列子はそれぞれ
インダクタで構成し、1個の並列子はキャパシタで構成
したことを特徴とする構成を備えたものである。
【0012】さらには前記構成において、少なくともひ
とつ以上の前記通過周波数帯が、前記阻止周波数帯より
低い周波数に形成されることを特徴とするという構成を
備えたものである。
【0013】さらには前記構成において、少なくともひ
とつ以上の前記通過周波数帯が、前記阻止周波数帯より
高い周波数に形成されることを特徴とするという構成を
備えたものである。
【0014】さらには前記構成において、前記インダク
タに並列にキャパシタを接続することにより、前記通過
周波数帯の周波数を制御することを特徴とするという構
成を備えたものである。
【0015】さらには前記構成において、前記共振素子
を、並列共振子とそれに直列に接続された結合キャパシ
タ、もしくは並列共振子とそれに直列に接続された結合
インダクタで構成したことを特徴とするという構成を備
えたものである。
【0016】さらには前記構成において、前記並列共振
子が、前記阻止周波数帯の略4分の1波長の長さの1端
短絡型TEM共振器であることを特徴とするという構成
を備えたものである。
【0017】さらには前記構成において、前記並列共振
子が、セラミック積層体の中に形成されたストリップラ
イン共振器であることを特徴とするという構成を備えた
ものである。
【0018】さらには前記構成において、前記並列共振
子同士が電磁界結合をしており、それぞれの前記並列共
振子間に前記電磁界結合をキャンセルするための結合キ
ャパシタが接続されたことを特徴とするという構成を備
えたものである。
【0019】さらには前記いずれかの帯域阻止型フィル
タを無線装置に用いたという構成を備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施の形態の帯域
阻止型フィルタについて、図面を参照しながら説明す
る。
【0021】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1における帯域阻止型フィルタの回路構成を示すもの
である。図1において、1は入出力端子、2は4分の1
波長1端短絡型ストリップライン共振器、3は結合キャ
パシタ、4は段間結合インダクタ、5は負荷キャパシタ
で、3から5は集中定数形の素子として形成される。
【0022】以上のように構成された帯域阻止型フィル
タについて、以下図1及び図13を用いてその動作を説
明する。
【0023】まず図1と従来例の図23を比較すると2
34の4分の1波長段結合伝送線路が、段間結合インダ
クタ4と負荷キャパシタ5からなるπ型回路に置き換え
られているところが全く異なる点である。高周波回路理
論から言えば、4分の1波長線路と、並列キャパシタ2
個及び直列インダクタ1個からなるπ型回路は、いずれ
もインピーダンス・インバータとして働くことはよく知
られていることである。すなわち、4分の1波長線路は
等価的に集中定数のπ型回路に置き換えられることがで
きる。そのとき、帯域阻止型フィルタの伝達特性(S2
1)、反射特性(S11)は従来例の図24と同じにな
ると予想されるところである。
【0024】ところが、実際に得られる本実施の形態の
構成の帯域阻止型フィルタの反射特性(S11)は、図
13に示すように阻止帯域の近傍すぐ下側にS11が極
小となる点を有している。すなわち、その周波数におい
てはインピーダンス整合がとれ通過帯域となり得ること
を意味している。よって、本発明の構成では、阻止帯域
の近傍すぐ下側に通過帯域を有する高選択度で通過帯域
で低損失の帯域阻止型フィルタを実現することができ
る。
【0025】以上のように本実施の形態によれば、N個
(Nは2以上の自然数)の共振素子と、前記共振素子間
を接続する(N−1)個のπ型回路からなり、それらが
接続された全体回路の両端にはそれぞれ入出力端子を有
するフィルタ回路を構成し、各π型回路を、2個の並列
子はそれぞれキャパシタで構成し、1個の直列子はイン
ダクタで構成することにより、少なくともひとつ以上の
通過周波数帯を、阻止周波数帯より低い周波数に形成す
ることができる。よって、通過帯域近傍の通過帯域より
低い周波数において入出力端子から見た反射特性が極小
点となる通過周波数帯域を有する高選択度で、かつ小形
化が可能な帯域阻止型フィルタを提供することができ
る。
【0026】また、第1の実施の形態では結合キャパシ
タ3としたが、図5に示すように結合インダクタ53と
しても同様の効果が得られる。
【0027】また、さらに図9で示す様に4分の1波長
1端短絡型ストリップライン共振器92間に電磁界結合
Cが有り、それをキャンセルするための結合キャンセル
・キャパシタ96が接続されている場合にも、フィルタ
の伝達特性、反射特性は図13のようになり、上記結果
と同様の効果が得られる。
【0028】(実施の形態2)以下本発明の実施の形態
2について図面を参照しながら説明する。
【0029】図2は本発明の実施の形態2における帯域
阻止型フィルタの回路構成を示すものである。図2にお
いて、21は入出力端子、22は4分の1波長1端短絡
型ストリップライン共振器、23は結合キャパシタ、2
4は段間結合キャパシタ、25は負荷インダクタであ
る。
【0030】以上のように構成された帯域阻止型フィル
タについて、以下図2及び図14を用いてその動作を説
明する。
【0031】まず図2と従来例の図23を比較すると2
34の4分の1波長段間結合伝送線路が、段間結合キャ
パシタ24と負荷インダクタ25からなるπ型回路に置
き換えられているところが全く異なる点である。高周波
回路理論から言えば、4分の1波長線路と、並列インダ
クタ2個及び直列キャパシタ1個からなるπ型回路は、
いずれもインピーダンス・インバータとして働くことは
よく知られていることである。すなわち、4分の1波長
線路は等価的に集中定数のπ型回路に置き換えられるこ
とができる。そのとき、帯域阻止型フィルタの伝達特性
(S21)、反射特性(S11)は従来例の図24と同
じになると予想されるところである。
【0032】ところが、実際に得られる本実施の形態の
構成の帯域阻止型フィルタの反射特性(S11)は、図
14に示すように阻止帯域の近傍すぐ上側にS11が極
小となる点を有している。すなわち、その周波数におい
てはインピーダンス整合がとれ通過帯域となり得ること
を意味している。よって、本発明の構成では、阻止帯域
の近傍すぐ上側に通過帯域を有する高選択度で通過帯域
で低損失の帯域阻止型フィルタを実現することができ
る。
【0033】以上のように本実施の形態によれば、N個
(Nは2以上の自然数)の共振素子と、前記共振素子間
を接続する(N−1)個のπ型回路からなり、それらが
接続された全体回路の両端にはそれぞれ入出力端子を有
するフィルタ回路を構成し、各π型回路を、2個の並列
子はそれぞれインダクタで構成し、1個の直列子はキャ
パシタで構成することにより、少なくともひとつ以上の
通過周波数帯を、阻止周波数帯より高い周波数に形成す
ることができる。よって、通過帯域近傍の通過帯域より
高い周波数において入出力端子から見た反射特性が極小
点となる通過周波数帯域を有する高選択度で、かつ小形
化が可能な帯域阻止型フィルタを提供することができ
る。
【0034】また、実施の形態2では結合キャパシタ2
3としたが、図6に示すように結合インダクタ63とし
ても同様の効果が得られる。
【0035】また、さらに図10で示す様に4分の1波
長1端短絡型ストリップライン共振器102間に電磁界
結合Cが有り、それをキャンセルするための結合キャン
セル・キャパシタ106が接続されている場合にも、フ
ィルタの伝達特性、反射特性は図14のようになり、上
記結果と同様の効果が得られる。
【0036】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3について図面を参照しながら説明する。
【0037】図3は本発明の実施の形態3における帯域
阻止型フィルタの回路構成を示すものである。図3にお
いて、31は入出力端子、32は4分の1波長1端短絡
型ストリップライン共振器、33は結合キャパシタ、3
4は段間結合インダクタ、35は負荷キャパシタであ
る。
【0038】以上のように構成された帯域阻止型フィル
タについて、以下図3及び図14を用いてその動作を説
明する。
【0039】まず図3と従来例の図23を比較すると2
34の4分の1波長段間結合伝送線路が、段間結合イン
ダクタ34と負荷キャパシタ35からなるT型回路に置
き換えられているところが全く異なる点である。高周波
回路理論から言えば、4分の1波長線路と、直列インダ
クタ2個及び並列キャパシタ1個からなるT型回路は、
いずれもインピーダンス・インバータとして働くことは
よく知られていることである。すなわち、4分の1波長
線路は等価的に集中定数のT型回路に置き換えられるこ
とができる。そのとき、帯域阻止型フィルタの伝達特性
(S21)、反射特性(S11)は従来例の図24と同
じになると予想されるところである。
【0040】ところが、実際に得られる本実施の形態の
構成の帯域阻止型フィルタの反射特性(S11)は、図
14に示すように阻止帯域の近傍すぐ上側にS11が極
小となる点を有している。すなわち、その周波数におい
てはインピーダンス整合がとれ通過帯域となり得ること
を意味している。よって、本発明の構成では、阻止帯域
の近傍すぐ上側に通過帯域を有する高選択度で通過帯域
で低損失の帯域阻止型フィルタを実現することができ
る。
【0041】以上のように本実施の形態によれば、N個
(Nは2以上の自然数)の共振素子と、前記共振素子間
を接続する(N−1)個のT型回路からなり、それらが
接続された全体回路の両端にはそれぞれ入出力端子を有
するフィルタ回路を構成し、各T型回路を、2個の直列
子はそれぞれインダクタで構成し、1個の並列子はキャ
パシタで構成することにより、少なくともひとつ以上の
通過周波数帯を、阻止周波数帯より高い周波数に形成す
ることができる。よって、通過帯域近傍の通過帯域より
高い周波数において入出力端子から見た反射特性が極小
点となる通過周波数帯域を有する高選択度で、かつ小形
化が可能な帯域阻止型フィルタを提供することができ
る。
【0042】また、実施の形態3では結合キャパシタ3
3としたが、図7に示すように結合インダクタ73とし
ても同様の効果が得られる。
【0043】なお、実施の形態3において、負荷キャパ
シタ35を変化させてもかまわない。ここでは負荷キャ
パシタ35を1.592pFにした場合の結果は上記のように
図14のような伝達特性、反射特性を示すが、負荷キャ
パシタ35を1.8pFにした場合の結果は図20に示すよ
うな伝達特性、反射特性となる。これらにより通過周波
数帯域を複数個形成することが出来たり、通過周波数を
自由に変化させることが可能となる。
【0044】(実施の形態4)以下本発明の実施の形態
4について図面を参照しながら説明する。
【0045】図4は本発明の実施の形態4における帯域
阻止型フィルタの回路構成を示すものである。図4にお
いて、41は入出力端子、42は4分の1波長1端短絡
型ストリップライン共振器、43は結合キャパシタ、4
4は段間結合キャパシタ、45は負荷インダクタであ
る。
【0046】以上のように構成された帯域阻止型フィル
タについて、以下、図4及び図13を用いてその動作を
説明する。
【0047】まず図4と従来例の図23を比較すると2
34の4分の1波長段間結合伝送線路が、段間結合キャ
パシタ44と負荷インダクタ45からなるT型回路に置
き換えられているところが全く異なる点である。高周波
回路理論から言えば、4分の1波長線路と、直列キャパ
シタ2個及び並列インダクタ1個からなるT型回路は、
いずれもインピーダンス・インバータとして働くことは
よく知られていることである。すなわち、4分の1波長
線路は等価的に集中定数のT型回路に置き換えられるこ
とができる。そのとき、帯域阻止型フィルタの伝達特性
(S21)、反射特性(S11)は従来例の図24と同
じになると予想されるところである。
【0048】ところが、実際に得られる本実施の形態の
構成の帯域阻止型フィルタの反射特性(S11)は、図
13に示すように阻止帯域の近傍すぐ下側にS11が極
小となる点を有している。すなわち、その周波数におい
てはインピーダンス整合がとれ通過帯域となり得ること
を意味している。よって、本発明の構成では、阻止帯域
の近傍すぐ下側に通過帯域を有する高選択度で通過帯域
で低損失の帯域阻止型フィルタを実現することができ
る。
【0049】以上のように本実施の形態によれば、N個
(Nは2以上の自然数)の共振素子と、前記共振素子間
を接続する(N−1)個のT型回路からなり、それらが
接続された全体回路の両端にはそれぞれ入出力端子を有
するフィルタ回路を構成し、各T型回路を、2個の直列
子はそれぞれキャパシタで構成し、1個の並列子はイン
ダクタで構成することにより、少なくともひとつ以上の
通過周波数帯を、阻止周波数帯より低い周波数に形成す
ることができる。よって、通過帯域近傍の通過帯域より
低い周波数において入出力端子から見た反射特性が極小
点となる通過周波数帯域を有する高選択度で、かつ小形
化が可能な帯域阻止型フィルタを提供することができ
る。
【0050】また、第4の実施の形態では結合キャパシ
タ43としたが、図8に示すように結合インダクタ83
としても同様の効果が得られる。
【0051】なお、図4において、4分の1波長1端短
絡型ストリップライン共振器42間に電磁界結合が有
り、かつ、図10で示されるような結合キャンセル・キ
ャパシタ106が前記共振器42間に接続された場合の
帯域阻止型フィルタの反射特性(S11)は、図15に
示すように阻止帯域の近傍すぐ下側と上側にS11が極
小となる点を有している。すなわち、その周波数におい
てはインピーダンス整合がとれ通過帯域となり得ること
を意味している。よって、本発明の構成では、阻止帯域
の近傍すぐ下側と上側に通過帯域を有する高選択度で通
過帯域で低損失の帯域阻止型フィルタを実現することが
できる。
【0052】(実施の形態5)以下本発明の実施の形態
5について図面を参照しながら説明する。
【0053】図11は本発明の実施の形態5における帯
域阻止型フィルタの回路構成を示すものである。図11
において、111は入出力端子、112は4分の1波長
1端短絡型ストリップライン共振器、113は結合キャ
パシタ、114は段間結合インダクタ、115は負荷キ
ャパシタ、116は段間結合インダクタ114に並列に
接続される段間結合キャパシタである。
【0054】以上のように構成された帯域阻止型フィル
タについて、以下図11及び図16と図17を用いてそ
の動作を説明する。
【0055】まず図11と従来例の図23を比較すると
234の4分の1波長段間結合伝送線路が、段間結合イ
ンダクタ114と負荷キャパシタ115からなるπ型回
路に置き換えられているところが全く異なる点である。
高周波回路理論から言えば、4分の1波長線路と、並列
キャパシタ2個と直列インダクタ1個からなるπ型回路
は、いずれもインピーダンス・インバータとして働くこ
とはよく知られていることである。すなわち、4分の1
波長線路は等価的に集中定数のπ型回路に置き換えられ
ることができる。実際の回路においては、図示している
様に段間結合インダクタ114には並列に段間結合キャ
パシタ116が接続されていても良い。そのとき、帯域
阻止型フィルタの伝達特性(S21)、反射特性(S1
1)は従来例の図24と同じになると予想されるところ
である。
【0056】ところが、実際に得られる本実施の形態の
構成の帯域阻止型フィルタの反射特性(S11)は、図
16と図17に示すように阻止帯域の近傍すぐ下側にS
11が極小となる点を有している。ここでは、段間結合
インダクタ114の値3.979nHに対して、図16では段
間結合キャパシタ116の値を0.15pF、図17では0.25
pFとしている。すなわち、段間結合キャパシタ116の
値をわずかに変えることによって、インピーダンス整合
がとれ通過帯域となり得る周波数を自由に制御できるこ
とを意味している。よって、本発明の構成では、阻止帯
域の近傍すぐ下側の所望する周波数に通過帯域を有する
高選択度で通過帯域で低損失の帯域阻止型フィルタを実
現することができる。
【0057】以上のように本実施の形態によれば、N個
(Nは2以上の自然数)の共振素子と、前記共振素子間
を接続する(N−1)個のT型回路からなり、それらが
接続された全体回路の両端にはそれぞれ入出力端子を有
するフィルタ回路を構成し、各T型回路を、2個の直列
子はそれぞれキャパシタで構成し、1個の並列子はイン
ダクタで構成し、前記インダクタに並列にキャパシタを
接続することにより、前記通過周波数帯の周波数を制御
することを特徴とする高選択度で、かつ小形化が可能な
帯域阻止型フィルタを提供することができる。
【0058】なお、実施の形態5において、段間結合イ
ンダクタ114は固定としたが、段間結合キャパシタ1
16のほうを固定として段間結合インダクタ114のほ
うを変化させてもかまわない。ここでは段間結合キャパ
シタ116を無視して0pFとおいて、段間結合インダク
タ114を3.5nHとした場合の伝達特性、反射特性を図
18に、段間結合インダクタ114を4.8nHとした場合
の伝達特性、反射特性を図19にそれぞれ示す。また、
図9で示す様に4分の1波長1端短絡型ストリップライ
ン共振器92間に電磁界結合Cが有り、それをキャンセ
ルするための結合キャンセル・キャパシタ96が接続さ
れている場合にも、伝達特性、反射特性は図21で示す
ようになる。
【0059】これらから、本発明の構成により、通過周
波数帯域を複数個形成することが出来たり、通過周波数
を自由に変化させられることがわかる。
【0060】(実施の形態6)以下本発明の実施の形態
6について図面を参照しながら説明する。
【0061】図12は本発明の実施の形態6における帯
域阻止型フィルタの回路構成を示すものである。図12
において、121は入出力端子、122は4分の1波長
1端短絡型ストリップライン共振器、123は結合キャ
パシタ、124は段間結合インダクタ、125は負荷キ
ャパシタ、126は段間結合インダクタ124に並列に
接続される段間結合キャパシタである。
【0062】以上のように構成された帯域阻止型フィル
タについて、以下図12及び図22を用いてその動作を
説明する。
【0063】まず図12と従来例の図23を比較すると
234の4分の1波長段間結合伝送線路が、段間結合イ
ンダクタ124と負荷キャパシタ125からなるT型回
路に置き換えられているところが全く異なる点である。
高周波回路理論から言えば、4分の1波長線路と、直列
インダクタ2個及び並列キャパシタ1個からなるT型回
路は、いずれもインピーダンス・インバータとして働く
ことはよく知られていることである。すなわち、4分の
1波長線路は等価的に集中定数のT型回路に置き換えら
れることができる。実際の回路においては、段間結合イ
ンダクタ124には並列に段間結合キャパシタ126が
接続される。そのとき、帯域阻止型フィルタの伝達特性
(S21)、反射特性(S11)は従来例の図24と同
じになると予想されるところである。
【0064】ところが、実際に得られる本実施の形態の
構成の帯域阻止型フィルタの反射特性(S11)は、図
22に示すように阻止帯域の近傍すぐ両側にS11が極
小となる点を有している。すなわち、段間結合キャパシ
タ116の値をある値に設定することによって、インピ
ーダンス整合がとれ通過帯域となり得る周波数を自由に
制御できることを意味している。よって、本発明の構成
では、阻止帯域の近傍すぐ両側の所望する周波数に通過
帯域を有する高選択度で通過帯域で低損失の帯域阻止型
フィルタを実現することができる。
【0065】以上のように本実施の形態によれば、N個
(Nは2以上の自然数)の共振素子と、前記共振素子間
を接続する(N−1)個のT型回路からなり、それらが
接続された全体回路の両端にはそれぞれ入出力端子を有
するフィルタ回路を構成し、各T型回路を、2個の直列
子はそれぞれインダクタで構成し、1個の並列子はキャ
パシタで構成し、前記インダクタに並列にキャパシタを
接続することにより、前記通過周波数帯の周波数を制御
することを特徴とする高選択度で、かつ小形化が可能な
帯域阻止型フィルタを提供することができる。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明は、N個(Nは2以
上の自然数)の共振素子と、前記共振素子間を接続する
(N−1)個の集中定数素子で形成する結合回路からな
り、それらが接続された全体回路の両端にはそれぞれ入
出力端子を有し、前記N個の共振素子の各々の直列共振
周波数は伝達特性の阻止周波数帯に対応し、かつ、前記
阻止周波数帯より低い周波数あるいは高い周波数あるい
は両側の周波数に前記入出力端子から見た反射特性が極
小点となる少なくともひとつ以上の通過周波数帯を形成
することにより、高選択度で、かつ小形化が可能な帯域
阻止型フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における帯域阻止型フィ
ルタの回路構成図
【図2】本発明の実施の形態2における帯域阻止型フィ
ルタの回路構成図
【図3】本発明の実施の形態3における帯域阻止型フィ
ルタの回路構成図
【図4】本発明の実施の形態4における帯域阻止型フィ
ルタの回路構成図
【図5】本発明の実施の形態1の異なる形態における帯
域阻止型フィルタの回路構成図
【図6】本発明の実施の形態2の異なる形態における帯
域阻止型フィルタの回路構成図
【図7】本発明の実施の形態3の異なる形態における帯
域阻止型フィルタの回路構成図
【図8】本発明の実施の形態4の異なる形態における帯
域阻止型フィルタの回路構成図
【図9】本発明の実施の形態1の異なる形態における帯
域阻止型フィルタの回路構成図
【図10】本発明の実施の形態2の異なる形態における
帯域阻止型フィルタの回路構成図
【図11】本発明の実施の形態5における帯域阻止型フ
ィルタの回路構成図
【図12】本発明の実施の形態6における帯域阻止型フ
ィルタの回路構成図
【図13】本発明の実施の形態1および実施の形態4に
おける帯域阻止型フィルタの特性図
【図14】本発明の実施の形態2および実施の形態3に
おける帯域阻止型フィルタの特性図
【図15】本発明の実施の形態4における帯域阻止型フ
ィルタの特性図
【図16】本発明の実施の形態5における帯域阻止型フ
ィルタの特性図
【図17】本発明の実施の形態5における帯域阻止型フ
ィルタの特性図
【図18】本発明の実施の形態5における帯域阻止型フ
ィルタの特性図
【図19】本発明の実施の形態5における帯域阻止型フ
ィルタの特性図
【図20】本発明の実施の形態3における帯域阻止型フ
ィルタの特性図
【図21】本発明の実施の形態5における帯域阻止型フ
ィルタの特性図
【図22】本発明の実施の形態6における帯域阻止型フ
ィルタの特性図
【図23】従来の帯域阻止型フィルタの回路構成図
【図24】従来の帯域阻止型フィルタの特性図
【符号の説明】
1 入出力端子 2 4分の1波長1端短絡型ストリップライン共振器 3 結合キャパシタ 4 段間結合インダクタ 5 負荷キャパシタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 秀行 京都府京田辺市大住浜55番12 松下日東電 器株式会社内 Fターム(参考) 5J006 JA02 LA02 LA21 NA04 NA05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N個(Nは2以上の自然数)の共振素子
    と、集中定数素子で構成され前記共振素子間を接続する
    (N−1)個の結合回路からなり、それらが接続された
    全体回路の両端にはそれぞれ入出力端子を有し、前記N
    個の共振素子の各々の直列共振周波数は伝達特性の阻止
    周波数帯に対応し、かつ、前記阻止周波数帯より低い周
    波数あるいは高い周波数あるいは両側の周波数に前記入
    出力端子から見た反射特性が極小点となる少なくともひ
    とつ以上の通過周波数帯を有することを特徴とする帯域
    阻止型フィルタ。
  2. 【請求項2】 結合回路はπ型回路である請求項1記載
    の帯域阻止型フィルタ。
  3. 【請求項3】 結合回路はT型回路である請求項1記載
    の帯域阻止型フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記π型回路を、2個の並列子はそれぞ
    れキャパシタで構成し、1個の直列子はインダクタで構
    成したことを特徴とする請求項2記載の帯域阻止型フィ
    ルタ。
  5. 【請求項5】 前記π型回路を、2個の並列子はそれぞ
    れインダクタで構成し、1個の直列子はキャパシタで構
    成したことを特徴とする請求項2記載の帯域阻止型フィ
    ルタ。
  6. 【請求項6】 前記T型回路を、2個の直列子はそれぞ
    れキャパシタで構成し、1個の並列子はインダクタで構
    成したことを特徴とする請求項3記載の帯域阻止型フィ
    ルタ。
  7. 【請求項7】 前記T型回路を、2個の直列子はそれぞ
    れインダクタで構成し、1個の並列子はキャパシタで構
    成したことを特徴とする請求項3記載の帯域阻止型フィ
    ルタ。
  8. 【請求項8】 少なくともひとつ以上の前記通過周波数
    帯が、前記阻止周波数帯より低い周波数に形成されるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の帯域阻
    止型フィルタ。
  9. 【請求項9】 少なくともひとつ以上の前記通過周波数
    帯が、前記阻止周波数帯より高い周波数に形成されるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の帯域阻
    止型フィルタ。
  10. 【請求項10】 前記インダクタに並列にキャパシタを
    接続することにより、前記通過周波数帯の周波数を制御
    することを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の
    帯域阻止型フィルタ。
  11. 【請求項11】 前記共振素子を、並列共振子とそれに
    直列に接続された結合キャパシタ、もしくは並列共振子
    とそれに直列に接続された結合インダクタで構成したこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の帯域阻
    止型フィルタ。
  12. 【請求項12】 前記並列共振子が、前記阻止周波数帯
    の略4分の1波長の長さの1端短絡型TEM共振器であ
    ることを特徴とする請求項11記載の帯域阻止型フィル
    タ。
  13. 【請求項13】 前記並列共振子が、セラミック積層体
    の中に形成されたストリップライン共振器であることを
    特徴とする請求項11記載の帯域阻止型フィルタ。
  14. 【請求項14】 前記並列共振子同士が電磁界結合をし
    ており、それぞれの前記並列共振子間に前記電磁界結合
    をキャンセルするための結合キャパシタが接続されたこ
    とを特徴とする請求項11記載の帯域阻止型フィルタ。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の帯
    域阻止型フィルタを用いたことを特徴とする無線装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012160810A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Panasonic Corp コモンモードノイズフィルタ
US20120235877A1 (en) * 2004-10-29 2012-09-20 Steve Beaudin Band reject filters

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