JP2002185060A - デュアルスピンバルブ型薄膜素子、その製造方法及び薄膜磁気ヘッド - Google Patents

デュアルスピンバルブ型薄膜素子、その製造方法及び薄膜磁気ヘッド

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JP2002185060A
JP2002185060A JP2000381693A JP2000381693A JP2002185060A JP 2002185060 A JP2002185060 A JP 2002185060A JP 2000381693 A JP2000381693 A JP 2000381693A JP 2000381693 A JP2000381693 A JP 2000381693A JP 2002185060 A JP2002185060 A JP 2002185060A
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magnetic layer
thickness
magnetic
film element
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Koji Okazaki
幸司 岡崎
Koichi Nishioka
浩一 西岡
Yasunari Tajima
康成 田島
Keishi Shigematsu
恵嗣 重松
Masayoshi Kagawa
昌慶 香川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3263Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being symmetric, e.g. for dual spin valve, e.g. NiO/Co/Cu/Co/Cu/Co/NiO

Abstract

(57)【要約】 【課題】高MR比で、良好な軟磁気特性または適正なH
int及びλを示すデュアルスピンバルブ型薄膜素子を
提供する。 【解決手段】積層フェリ型固定層を有するデュアルスピ
ンバルブ型薄膜素子において、自由磁性層を、NiFe
合金、Co及びCoFe合金から選ばれる、少なくとも
1種以上の積層膜から形成された構成とし、上下二組の
積層フェリ型固定層の内、自由磁性層側の固定磁性層の
膜厚を反強磁性層側の固定磁性層の膜厚より上下共に大
きくなるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定磁性層の固定
磁化方向と外部磁界の影響を受ける自由磁性層の磁化方
向との関係で電気抵抗が変化するスピンバルブ型薄膜素
子に係り、特に、高記録密度化に対応する自由磁性層を
中心としてその上下に非磁性導電層、固定磁性層及び反
強磁性層が形成されたデュアルスピンバルブ型薄膜素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスピンバルブ型薄膜素子は、下地
層の上に、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層、自
由磁性層及び保護層を順じ形成した所謂ボトムスピンバ
ルブ型薄膜素子、あるいは、下地層の上に、自由磁性
層、非磁性導電層、固定磁性層、反強磁性層及び保護層
を順じ形成した所謂トップスピンバルブ型薄膜素子が主
流である。
【0003】前記ボトムスピンバルブ型薄膜素子及びト
ップスピンバルブ型薄膜素子においては、下地層及び保
護層にはTa等、反強磁性層にはNiO、NiMn合
金、FeMn合金、IrMn合金、PtMn合金、Pd
PtMn合金、CrPtMn合金など、固定磁性層には
Co、CoFe合金など、自由磁性層にはNiFe合
金、Co、CoFe合金等、非磁性導電層にはCu等が
用いられている。また、固定磁性層と反強磁性層が接し
て形成されることにより、固定磁性層と反強磁性層の界
面に交換結合磁界が発生し、固定磁性層の磁化は、所望
な方向に固定される。そして、自由磁性層の両端に配置
されるCoCrPt合金などで形成される磁区制御層に
より、自由磁性層の磁化は、固定磁性層の磁化と垂直な
方向に揃えられ、外部から磁界のない状態では、磁区の
ない単磁区状態となっている。
【0004】このスピンバルブ型薄膜素子では、ハード
ディスクなどの記録媒体からの洩れ磁界により、自由磁
性層の磁化が変動し、自由磁性層の伝導電子が散乱され
て、自由磁性層と固定磁性層の磁化方向との関係で電気
抵抗が変化し、この電気抵抗の変化に基づく電圧変化に
より、記録媒体からの洩れ磁界が検出される。よって、
スピンバルブ型薄膜磁気ヘッドの再生出力を増大させる
ためには、スピンバルブ型薄膜素子の電気抵抗変化率
(以下MR比)を大きくすることが非常に重要である。
【0005】前記ボトムスピンバルブ型薄膜素子や前記
トップスピンバルブ型薄膜素子のような所謂シングルス
ピンバルブ型薄膜素子では、自由磁性層の伝導電子は、
固定磁性層に向かって散乱されるだけでなく、固定磁性
層から離れる方向にも散乱するが、電気抵抗変化に寄与
するのは、自由磁性層と固定磁性層の二つの磁性層間に
散乱する伝導電子だけなので、反対方向に散乱する伝導
電子はMR比向上に寄与しない。
【0006】特開平5−347013号公報には、より
MR比を大きくするために、自由磁性層を中心としてそ
の上下に非磁性導電層、固定磁性層及び反強磁性層を形
成した所謂デュアルスピンバルブ型薄膜素子が開示され
ている。しかしながら、デュアルスピンバルブ型薄膜素
子では、二つの固定磁性層が存在するため、固定磁性層
から漏れる静磁界が自由磁性層に及ぼす影響が非常に大
きくなり、単純に固定磁性層の膜厚を薄くして静磁界を
小さくするだけでは、同時にMR比も著しく低下するた
め、高記録密度化に対応する薄膜磁気ヘッドの実用化に
おいては、固定磁性層から漏れる静磁界を抑える何らか
の工夫が必須であるが、それに関する手法は何ら開示さ
れていない。
【0007】特許第3040750号公報には、固定磁
性層が非磁性中間層を介して2層に分断されており、こ
の分断された2層の固定磁性層の磁化が互いに反平行状
態となるよう形成することによって、固定磁性層から漏
れる静磁界を極めて小さく抑えることが可能となる所謂
積層フェリ型固定層が開示されいてる。特許第3040
750号公報の実施形態に於いては、前記積層フェリ型
固定層を上下に用いたデュアルスピンバルブ型薄膜素子
が開示されているが、デュアルスピンバルブ型薄膜素子
の特性を発揮させるためには、自由磁性層側の固定磁性
層の磁化を上下共に同じ方向に固定しておく必要があ
り、その状態で上下の積層フェリ型固定層から漏れる静
磁界をキャンセルさせて固定磁性層の熱的安定性をさら
に高めるために、反強磁性層側の固定磁性層の膜厚と自
由磁性層側の固定磁性層の膜厚との大小関係を上下で逆
にしている。
【0008】即ち、下側反強磁性層に接する固定磁性層
を第1の磁性層、自由磁性層側の固定磁性層を第2の磁
性層、上側反強磁性層に接する固定磁性層を第3の磁性
層、自由磁性層側の固定磁性層を第4の磁性層とする
と、(第1の磁性層の膜厚)>(第2の磁性層の膜
厚)、且つ(第3の磁性層の膜厚)<(第4の磁性層の
膜厚)、あるいは(第1の磁性層の膜厚)<(第2の磁
性層の膜厚)、且つ(第3の磁性層の膜厚)>(第4の
磁性層の膜厚)という関係になっている。
【0009】しかしながら、積層フェリ型固定層に於い
ては、MR比に直接関与するのは、自由磁性層側の固定
磁性層(前記第2の磁性層と第4の磁性層)のみであ
り、反強磁性層側の固定磁性層(前記第1の磁性層と第
3の磁性層)は、自由磁性層側の固定磁性層の磁化を一
定方向に固定しておくためのいわば補助的な役割を担っ
ているにすぎず、むしろシャントロスを伴う等、反強磁
性層側の固定磁性層の膜厚を大きくすると、MR比低下
を招く。
【0010】特許第3040750号の別の実施形態に
於いては、自由磁性層も前記積層フェリ型固定層と同様
に積層フェリ状態とした積層フェリ型自由層を用いたデ
ュアルスピンバルブ型薄膜素子が開示されている。積層
フェリ型自由層は、自由磁性層の実質的な膜厚を薄くす
ることなく、自由磁性層の飽和磁束密度Bsと膜厚tの
積で表される磁気的膜厚(以下Bs・t)を低減するこ
とができるため、MR比低下を抑えつつ、ハードディス
クなどの記録媒体からの洩れ磁界に対する自由磁性層の
感度向上が見込めるものの、デュアルスピンバルブ型薄
膜素子との組み合わせでは、自由磁性層が非磁性中間層
で分断されているため、本来デュアルスピンバルブ型薄
膜素子で期待されるMR比向上が認められず、実用的で
はない。
【0011】また、デュアルスピンバルブ型薄膜素子で
は、自由磁性層と固定磁性層の組み合わせが二組存在す
るため、シングルスピンバルブ型薄膜素子に比べ、自由
磁性層と固定磁性層間に働く層間結合磁界(以下Hin
t)の制御などが非常に困難であり、また、その構造
上、自由磁性層の磁歪(以下λ)に対する特性変動が顕
著なため、自由磁性層のλを適正な値に制御する必要性
があるが、その手法に関する記述は何ら開示されていな
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高記録密度
化に対応したデュアルスピンバルブ型薄膜素子に於い
て、上記従来の問題点を解決するものであり、特に、固
定磁性層の構造及び膜厚と自由磁性層の材質及び膜厚構
成を改良・適正化することによって、MR比を更に向上
させて、しかも自由磁性層と固定磁性層間に働くHin
tを適正な値に制御し、良好な軟磁気特性と適正なλを
示す自由磁性層を有するデュアルスピンバルブ型薄膜素
子並びにその製造方法を提供し、高出力で特性変動の少
ない安定した薄膜磁気ヘッドを提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、第1の反強磁性層、第1の固定磁性層、
第1の非磁性導電層、自由磁性層、第2の非磁性導電
層、第2の固定磁性層及び第2の反強磁性層を積層した
デュアルスピンバルブ型薄膜素子に於いて、前記第1の
固定磁性層は、前記第1の反強磁性層に接し、前記第1
の反強磁性層と交換結合磁界により磁化方向が固定され
る第1の磁性層と非磁性中間層を介して重ねられる第2
の磁性層の2層で形成される積層フェリ型固定層であ
り、前記第2の固定磁性層は、前記第2の反強磁性層に
接し、前記第2の反強磁性層と交換結合磁界により磁化
方向が固定される第3の磁性層と非磁性中間層を介して
重ねられる第4の磁性層の2層で形成される積層フェリ
型固定層であって、前記自由磁性層はNiFe合金、C
o及びCoFe合金の内、少なくとも1種以上の積層膜
から形成されており、前記(第1の磁性層の膜厚)<
(第2の磁性層の膜厚)、且つ前記(第3の磁性層の膜
厚)<(第4の磁性層の膜厚)であることを特徴とする
デュアルスピンバルブ型薄膜素子を用い、高出力で特性
変動の少ない安定した薄膜磁気ヘッドを実現するもので
ある。
【0014】積層フェリ型固定層を有するデュアルスピ
ンバルブ型薄膜素子においては、MR比に直接関与する
のは、自由磁性層側の固定磁性層(前記第2の磁性層と
第4の磁性層)のみであり、反強磁性層側の固定磁性層
(前記第1の磁性層と第3の磁性層)は、自由磁性層側
の固定磁性層の磁化を一定方向に固定しておくためのい
わば補助的な役割を担っているにすぎないので、反強磁
性層側の固定磁性層の膜厚を大きくすると、シャントロ
スを生じ、MR比は低下するため、よりMR比を向上さ
せるためには、上下共に自由磁性層側の固定磁性層の膜
厚を反強磁性層側の固定磁性層の膜厚より大きくするこ
とが必要である。
【0015】また、自由磁性層側の固定磁性層の膜厚よ
り反強磁性層側の固定磁性層の膜厚を大きくすると、E
SD(静電気放電)やプロセス中の磁区制御層の着磁処
理等により、非常に大きな磁界が加わった場合、必ずし
も自由磁性層側の固定磁性層の磁化と反強磁性層側の固
定磁性層の磁化が完全な反平行状態に戻らず、結果とし
てMR比変動に繋がる恐れがあり、その意味からも、上
下共に自由磁性層側の固定磁性層の膜厚を反強磁性層側
の固定磁性層の膜厚より大きくすることが必要である。
【0016】しかしながら、デュアルスピンバルブ型薄
膜素子の特性を発揮させるためには、自由磁性層側の固
定磁性層の磁化を上下共に同じ方向に固定しておく必要
があるので、上下共に自由磁性層側の固定磁性層の膜厚
を反強磁性層側の固定磁性層の膜厚より大きくしすぎる
と、固定磁性層から漏れる静磁界が自由磁性層に及ぼす
影響が大きくなるため、好ましくない。
【0017】そこで、本発明では、前記第1の磁性層の
膜厚、第2の磁性層の膜厚、第3の磁性層の膜厚及び第
4の磁性層の膜厚が、1〜5nmの範囲内であり、且つ
1.5nm≧((第2の磁性層の膜厚)−(第1の磁性
層の膜厚))、1.5nm≧((第4の磁性層の膜厚)
−(第3の磁性層の膜厚))であることが好ましい。
【0018】また、本発明は、第1の反強磁性層、第1
の固定磁性層、第1の非磁性導電層、自由磁性層、第2
の非磁性導電層、第2の固定磁性層及び第2の反強磁性
層を積層したデュアルスピンバルブ型薄膜素子におい
て、前記第1の固定磁性層は、前記第1の反強磁性層に
接し、前記第1の反強磁性層と交換結合磁界により磁化
方向が固定される第1の磁性層と非磁性中間層を介して
重ねられる第2の磁性層の2層で形成される積層フェリ
型固定層であり、前記第2の固定磁性層は、前記第2の
反強磁性層に接し、前記第2の反強磁性層と交換結合磁
界により磁化方向が固定される第3の磁性層と非磁性中
間層を介して重ねられる第4の磁性層の2層で形成され
る積層フェリ型固定層であって、前記自由磁性層はNi
Fe合金とCoFe合金から形成されており、前記自由
磁性層の膜厚が、2〜4.5nmの範囲内であり、且つ
前記(NiFe合金の膜厚/CoFe合金の膜厚)が、
0.5〜3.5の範囲内であることを特徴とするデュア
ルスピンバルブ型薄膜素子を用い、高出力で特性変動の
少ない安定した薄膜磁気ヘッドを実現するものである。
【0019】デュアルスピンバルブ型薄膜素子では、自
由磁性層と固定磁性層の組み合わせが二組存在するた
め、シングルスピンバルブ型薄膜素子に比べ、固定磁性
層と自由磁性層間に働くHintの制御が非常に困難で
ある。Hintが大きすぎると、磁界−抵抗検出曲線が
線形からずれて、再生信号に大きな非対称性が生じ、高
MR比のデュアルスピンバルブ型薄膜素子を用いても、
再生出力が低下してしまうため、Hintは適正な値に
制御する必要がある。また、デュアルスピンバルブ型薄
膜素子の構造上、自由磁性層のλが大きすぎると、環境
温度に敏感となり、λの正負の違いによって、低温状態
または高温状態における特性変動が顕著となるため、特
性変動の少ない安定したデュアルスピンバルブ型薄膜素
子を実現するためには、自由磁性層のλは適正な値に制
御する必要がある。
【0020】自由磁性層に用いる材質としては、高MR
比を実現できるCoFe合金が望ましいが、良好な軟磁
気特性を得るためには、NiFe合金と組み合わせる必
要がある。また、CoFe合金のみでは、λの制御が非
常に困難であるため、その意味においてもCoFe合金
とNiFe合金を組み合わせ、適切な膜厚構成とする必
要があり、前記(NiFe合金の膜厚/CoFe合金の
膜厚)は、0.5〜3.5の範囲内とする必要がある。更
に、高記録密度化におけるハードディスク等の記録媒体
のBs・tの低減に伴い減少する媒体磁界に対して十分
な自由磁性層磁化回転角を維持するためには、自由磁性
層のBs・t低減が有効であるが、薄膜化すると、自由
磁性層の外側の界面での伝導電子の散乱がスピンアップ
電子とスピンダウン電子の平均自由行程の差を減少さ
せ、MR比を低下させるという問題があるため、自由磁
性層全体についても、適切な膜厚とする必要があり、前
記自由磁性層の膜厚は、2〜4.5nmの範囲内とする
必要がある。
【0021】更に、固定磁性層と自由磁性層間に働くH
intを適正な値に制御しつつも、高MR比を実現する
ためには、本発明では、前記第1の非磁性導電層の膜厚
及び第2の非磁性導電層の膜厚が、共に1.9〜2.4n
mの範囲内であることが好ましい。
【0022】また、高MR比を示すデュアルスピンバル
ブ型薄膜素子であって、しかも自由磁性層と固定磁性層
間に働くHintを適正な値に制御し、良好な軟磁気特
性と適正な磁歪を示す自由磁性層を有するデュアルスピ
ンバルブ型薄膜素子を実現するためには、前記第1の反
強磁性層、第1の固定磁性層、第1の非磁性導電層、自
由磁性層、第2の非磁性導電層、第2の固定磁性層及び
第2の反強磁性層を、RFマグネトロンスパッタリング
方式で形成し、特に第1の固定磁性層、第1の非磁性導
電層、自由磁性層、第2の非磁性導電層及び第2の固定
磁性層を、9.33×10−2Pa(0.7mTorr)以
下の低ガス圧状態にて形成することが好ましい。
【0023】従来、スピンバルブ型薄膜素子を形成する
際には、DCマグネトロンスパッタリング方式が用いら
れることが多いが、これをRFマグネトロンスパッタリ
ング方式で行うことにより、基板セルフバイアスの効果
から、各膜を非常に平滑に形成することが可能である。
固定磁性層と自由磁性層間に働くHintは、固定磁性
層と自由磁性層の膜厚や静磁界に依存するだけでなく、
固定磁性層と非磁性導電層及び非磁性導電層と自由磁性
層の各界面幅にも強く依存し、界面幅を小さく抑えるこ
とによって、Hintを低減できる。その結果、非磁性
導電層の膜厚をより小さくでき、高MR比を実現でき
る。また、特に固定磁性層、非磁性導電層、自由磁性層
を9.33×10−2Pa(0.7mTorr)以下の低ガ
ス圧状態にて形成することによって、不純物の少ない緻
密な膜を形成することが可能である。不純物の少ない緻
密な膜を形成することにより、比抵抗を小さくし、MR
比向上に寄与する部分の分流比を向上させて、高MR比
が実現できると共に、自由磁性層は、良好な軟磁気特性
を示し、λの制御もより容易となる。
【0024】更に、本発明は、第1の反強磁性層、第1
の固定磁性層、第1の非磁性導電層、自由磁性層、第2
の非磁性導電層、第2の固定磁性層及び第2の反強磁性
層を積層したデュアルスピンバルブ型薄膜素子におい
て、前記第1の固定磁性層は、前記第1の反強磁性層に
接し、前記第1の反強磁性層と交換結合磁界により磁化
方向が固定される第1の磁性層と非磁性中間層を介して
重ねられる第2の磁性層の2層で形成される積層フェリ
型固定層であり、前記第2の固定磁性層は、前記第2の
反強磁性層に接し、前記第2の反強磁性層と交換結合磁
界により磁化方向が固定される第3の磁性層と非磁性中
間層を介して重ねられる第4の磁性層の2層で形成され
る積層フェリ型固定層であって、前記(第1の磁性層の
膜厚)<(第2の磁性層の膜厚)、且つ前記(第3の磁
性層の膜厚)<(第4の磁性層の膜厚)であり、前記自
由磁性層はNiFe合金とCoFe合金から形成されて
おり、前記自由磁性層の膜厚が、2〜4.5nmの範囲
内であり、且つ前記(NiFe合金の膜厚/CoFe合
金の膜厚)が、0.5〜3.5の範囲内であることを特徴
とするデュアルスピンバルブ型薄膜素子を用い、その上
下に、ギャップ層を介してシールド層を形成し、高出力
で特性変動の少ない安定した薄膜磁気ヘッドを実現する
ものである。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を、以下、図を
用いて説明する。
【0026】図1、図2は、本発明の実施形態のデュア
ルスピンバルブ型薄膜素子を用いた代表的な薄膜磁気ヘ
ッドの素子部を示したものであり、図1は素子部の斜視
図、図2は媒体対向面の素子断面図である。AlTiC
からなる基板23上にベース層24としてアルミナ、下
部磁気シールド層25としてNiFe合金、下部ギャッ
プ層26としてアルミナを形成し、この上部にデュアル
スピンバルブ型薄膜素子1を形成するが、このデュアル
スピンバルブ型薄膜素子1は後述する様に15〜16層
の膜から構成される。次にこのデュアルスピンバルブ型
薄膜素子1を所定の形状に加工し、磁区制御下地層17
としてCr、磁区制御層18としてCoCrPt合金、
電極層19としてTaを形成する。尚、電極層19とし
ては、より比抵抗の小さいAu等を用いてもよい。更に
その上部に上部ギャップ層27としてアルミナ、上部磁
気シールド層28としてNiFe合金を形成し、続いて
記録用の誘導型磁気ヘッド素子であるライトギャップ2
9、コイル30、層間絶縁層31、上部磁極32、保護
層33と順次積層形成する。
【0027】尚、上部磁気シールド層28は、上部磁気
シールドと下部磁極を共用する所謂マージド型構造だけ
でなく、再生ノイズ抑止を目的とした上部磁気シールド
と下部磁極がアルミナを介して分離された所謂ピギーバ
ック型構造であってもよい。更に、下部磁極について
は、記録滲みを防止し、記録再生性能を向上させるた
め、所定の形状にトリミング加工を施す場合もある。
【0028】図3は、図2に於いてデュアルスピンバル
ブ型薄膜素子部を拡大した断面図、図4は、デュアルス
ピンバルブ型薄膜素子の構造を模式図的に示した横断面
図である。図3及び図4に示すデュアルスピンバルブ型
薄膜素子1は、下から下地層2、第1の反強磁性層3、
第1の固定磁性層20(第1の磁性層4、第1の非磁性
中間層5、第2の磁性層6の3層構造)、第1の非磁性
導電層7、自由磁性層21(CoFe合金膜(下)8、
NiFe合金膜9、CoFe合金膜(上)10の3層構
造)、第2の非磁性導電層11、第2の固定磁性層22
(第4の磁性層12、第2の非磁性中間層13、第3の
磁性層14の3層構造)、第2の反強磁性層15、及び
保護層16の順で積層されている。
【0029】下地層2には、配向制御を行うため、Ta
1nm−NiFe合金2.5nmの2層膜を用いた。
尚、Ta−NiFe合金に替えて、比抵抗が高く、且つ
配向制御性の高いNiFeCr合金やTa、NiFe合
金及びNiFeCr合金を組み合せた下地層を用いても
よい。また、下地層へ流れる電流は、シャントロスとな
り、MR比低下の原因となるため、下地層の膜厚は必要
以上に大きくすることは好ましくなく、今回採用したT
a1nm−NiFe合金2.5nmというのは、配向制
御に必要十分な膜厚として選択したものであり、Taは
0.5nm〜3nm、NiFe合金は1.5nm〜5nm
の範囲内であればよい。
【0030】第1の反強磁性層3及び第2の反強磁性層
15には、PtMn合金12nmを用いた。尚、ここで
用いたPtMn合金は、交換結合磁界及びブロッキング
温度が高く、耐食性に優れた反強磁性層として好ましい
材料ではあるが、NiO、NiMn合金、FeMn合
金、IrMn合金、PdPtMn合金、CrPtMn合
金等を用いてもよい。また、反強磁性層の膜厚について
も、反強磁性層へ流れる電流は、シャントロスとなり、
MR比低下の原因となるので、必要以上に大きくするこ
とは好ましくなく、固定磁性層と交換結合を十分に行え
る膜厚としてPtMn合金12nmを選択したが、8n
m〜15nmの範囲内であればよい。
【0031】第1の固定磁性層20の内、第1の磁性層
4及び第2の磁性層6、並びに第2の固定磁性層22の
内、第3の磁性層14及び第4の磁性層12には、Co
Fe合金を用いた。また、前記第1の磁性層4の膜厚、
第2の磁性層6の膜厚、第3の磁性層14の膜厚及び第
4の磁性層12の膜厚は、1〜5nmの範囲内であり、
且つ1.5nm≧((第2の磁性層6の膜厚)−(第1
の磁性層4の膜厚))、1.5nm≧((第4の磁性層
12の膜厚)−(第3の磁性層14の膜厚))であるこ
とが好ましく、本実施例では、前記第1の磁性層4の膜
厚及び第3の磁性層14の膜厚を共に1.5nm、前記
第2の磁性層6の膜厚及び第4の磁性層12の膜厚を共
に2nmとした。
【0032】これは、上下共に自由磁性層側の固定磁性
層の膜厚(前記第2の磁性層6の膜厚及び第4の磁性層
12の膜厚)を反強磁性層側の固定磁性層の膜厚(前記
第1の磁性層4の膜厚及び第3の磁性層14の膜厚)よ
り大きくすることによって、MR比を向上させることが
第1の目的であるが、MR比は自由磁性層側の固定磁性
層の膜厚(前記第2の磁性層6の膜厚及び第4の磁性層
12の膜厚)が3nm程度で最大となり、5nmより大
きくなると、MR比低下が著しくなるため、それ以上大
きくすることはむしろ逆効果となる。
【0033】また、1.5nmより小さい場合でも同様
にMR比低下が著しくなるため、自由磁性層側の固定磁
性層の膜厚(前記第2の磁性層6の膜厚及び第4の磁性
層12の膜厚)は1.5nm〜5nmの範囲内であるこ
とが好ましい。
【0034】一方、反強磁性層側の固定磁性層の膜厚
(前記第1の磁性層4の膜厚及び第3の磁性層14の膜
厚)については、反強磁性層側の固定磁性層(前記第1
の磁性層4と第3の磁性層14)は、自由磁性層側の固
定磁性層(前記第2の磁性層6及び第4の磁性層12)
の磁化を一定方向に固定しておくためのいわば補助的な
役割を担っているにすぎないので、必要以上に大きくす
ることはシャントロスとなるため好ましくなく、3.5
nm以下であることが好ましい。
【0035】しかしながら、1nmより小さい場合では
十分な交換結合磁界が発生せずに、固定磁性層の磁化は
十分に固定されないため、反強磁性層側の固定磁性層の
膜厚(前記第1の磁性層4の膜厚及び第3の磁性層14
の膜厚)は1nm〜3.5nmの範囲内であることが好
ましい。このように、MR比向上のためには、自由磁性
層側の固定磁性層の膜厚(前記第2の磁性層6の膜厚及
び第4の磁性層12の膜厚)は、1.5nm〜5nmの
範囲内で比較的大きい方が好ましく、反強磁性層側の固
定磁性層の膜厚(前記第1の磁性層4の膜厚及び第3の
磁性層14の膜厚)は、1nm〜3.5nmの範囲内で
できるだけ小さい方が好ましいことが分かるが、MR比
向上のみを最優先に考えると、必然的に自由磁性層側の
固定磁性層の膜厚(前記第2の磁性層6の膜厚及び第4
の磁性層12の膜厚)と反強磁性層側の固定磁性層の膜
厚(前記第1の磁性層4の膜厚及び第3の磁性層14の
膜厚)の差が大きくなり、固定磁性層から漏れる静磁界
が自由磁性層に及ぼす影響が著しく大きくなるため、再
生波形の非対称性制御が非常に困難となり、好ましくな
いので、1.5nm≧((第2の磁性層6の膜厚)−
(第1の磁性層4の膜厚))、1.5nm≧((第4の
磁性層12の膜厚)−(第3の磁性層14の膜厚))で
あることが好ましい。尚、ここで用いたCoFe合金
は、固定磁性層に用いられる代表的で好ましい材料とし
て選択したが、Co、Fe、Niの単体またはこれらを
含む他の合金などを用いてもよい。
【0036】第1の非磁性中間層5及び第2の非磁性中
間層13には、Ru;0.8nmを用いた。尚、Ru
は、上下二つの磁性層間に働く交換結合磁界(RKKY
相互作用)が大きいだけでなく、膜厚に対する交換結合
磁界(RKKY相互作用)依存性が小さく、制御性のよ
い好ましい材料ではあるが、Cr、Rh及びIrの単体
またはこれらの金属及びRuを含む他の合金などを用い
てもよい。また、今回採用したRu;0.8nmという
のは、Ru膜厚に対する交換結合磁界(RKKY相互作
用)依存性が小さく、制御性のよい膜厚領域であり、交
換結合磁界(RKKY相互作用)も79kA/m(1k
Oe)以上と必要十分な大きさを確保できる膜厚として
選択したものであるが、0.7nm〜0.9nmの範囲内
であればよい。
【0037】第1の非磁性導電層7及び第2の非磁性導
電層11には、Cuを用いた。非磁性導電層の膜厚を小
さくすると、MR比が向上することは公知であるが、そ
れに伴い、Hintの大きさも変化し、特に1.9nm
より小さい場合では、Hintは著しく増大し、好まし
くない。また、逆に2.4nmより大きい場合では、M
R比低下が著しくなり、これも好ましくないので、前記
第1の非磁性導電層7の膜厚及び第2の非磁性導電層1
1の膜厚は、共に1.9〜2.4nmの範囲内であること
が好ましく、本実施例では、前記第1の非磁性導電層7
の膜厚及び第2の非磁性導電層11の膜厚は、共に2.
1nmとした。
【0038】自由磁性層21には、CoFe合金膜
(下)8−NiFe合金膜9−CoFe合金膜(上)1
0の3層膜を用いた。尚、後述するが、前記自由磁性層
21の総膜厚は、2〜4.5nmの範囲内であり、且つ
前記(NiFe合金9の膜厚/CoFe合金8、10の
総膜厚)は、0.5〜3.5の範囲内であることが好まし
い。
【0039】保護層16には、Ta2nmを用いた。
【0040】前記デュアルスピンバルブ型薄膜素子1
は、室温にて、RFマグネトロンスパッタリング方式で
形成し、特に固定磁性層、非磁性導電層及び自由磁性層
については、9.33×10−2Pa(0.7mTorr)
以下のスパッタArガス圧で形成した。この方式は、各
膜を非常に平滑に形成し、特に固定磁性層、非磁性導電
層及び自由磁性層については、不純物の少ない緻密な膜
を形成することができるため、高MR比が実現できると
共に、自由磁性層は、良好な軟磁気特性を示し、λの制
御もより容易となるため、好ましい方式ではあるが、D
Cマグネトロンスパッタリング方式など別のスパッタリ
ング方式を用いて作製してもよい。
【0041】前記デュアルスピンバルブ型薄膜素子1を
形成した後、デュアルスピンバルブ型薄膜素子の特性を
発揮させるため、自由磁性層側の固定磁性層(第2の磁
性層6と第4の磁性層12)の磁化を上下共に同じ方向
に固定しておく必要があるので、図3、図4において、
Y方向に11.85×10kA/m(15kOe)の磁
界を印加しながら270℃で3時間の磁場中熱処理を真
空中で行った。本発明の実施形態の積層フェリ型固定層
における非磁性中間層を介した固定磁性層の交換結合磁
界(RKKY相互作用)は、高々7.90×10kA
/m(10kOe)程度以下なので、上記磁場中熱処理中
には、固定磁性層の磁化は全てY方向に揃う。そこか
ら、温度を下げて、印加磁界を取り除くと、反強磁性層
側の固定磁性層(第1の磁性層4と第3の磁性層14)
の磁化は、反強磁性層との界面で発生する交換結合磁界
により、共に図示Y方向を向き、一方、自由磁性層側の
固定磁性層(第2の磁性層6と第4の磁性層12)の磁
化は、反強磁性層側の固定磁性層(第1の磁性層4と第
3の磁性層14)との交換結合磁界(RKKY相互作
用)によって、共に図示Y方向と反対方向に向けられて
固定される。
【0042】次に、本実施例のデュアルスピンバルブ型
薄膜素子の特性について説明する。特性の評価は、Al
TiC基板上に表1の構成のデュアルスピンバルブ型薄
膜素子を作製し、磁気抵抗曲線によって行った。尚、作
製方法は上記のとおりである。
【0043】表1に、本実施例のデュアルスピンバルブ
型薄膜素子の特性の評価の為の作製したAlTiC基板
上の材質・組成及び膜厚等の構成を示す。
【0044】
【表1】
【0045】また、比較のために、従来のデュアルスピ
ンバルブ型薄膜素子とボトムスピンバルブ型薄膜素子を
それぞれ表2、表3の様な構成で作製し、同様な評価を
行った。尚、作製方法は本実施例のデュアルスピンバル
ブ型薄膜素子と同様である。
【0046】まず、本実施例のデュアルスピンバルブ型
薄膜素子の自由磁性層を、CoFe合金(下)1nm−
NiFe合金2nm−CoFe合金(上)1nmとし
て、磁気抵抗曲線を測定した。尚、この膜厚構成は、後
述する良好な軟磁気特性を示し、適正なHint及びλ
を示す自由磁性層膜厚構成の代表的なものである。本実
施例のデュアルスピンバルブ型薄膜素子の磁気抵抗曲線
を、比較のために作製した従来のデュアルスピンバルブ
型薄膜素子及びボトムスピンバルブ型薄膜素子の磁気抵
抗曲線と共に、図5に示す。
【0047】表2に、比較のために、従来のデュアルス
ピンバルブ型薄膜素子を特性の評価する為に作製したA
lTiC基板上の材質・組成及び膜厚等の構成を示す。
【0048】
【表2】
【0049】また、 表3に、比較のために、従来のボ
トムスピンバルブ型薄膜素子を特性の評価する為に作製
したAlTiC基板上の材質・組成及び膜厚等の構成を
示す。
【0050】
【表3】
【0051】図5より、本実施例のデュアルスピンバル
ブ型薄膜素子のMR比が13%であることがわかる。こ
れに対し、従来のデュアルスピンバルブ型薄膜素子及び
ボトムスピンバルブ型薄膜素子のMR比はそれぞれ11
%及び8%であることがわかる。
【0052】また、図5より、本実施例のデュアルスピ
ンバルブ型薄膜素子と従来のボトムスピンバルブ型薄膜
素子には、外部磁界の正側に顕著なヒステリシスが認め
られないが、従来のデュアルスピンバルブ型薄膜素子に
は、外部磁界の正側に大きなヒステリシスが認められ
る。これは、前記第2の固定磁性層において、自由磁性
層側の固定層より反強磁性層側の固定層の膜厚を大きく
形成したためであり、自由磁性層側の固定層と反強磁性
層側の固定層の膜厚差を大きくすればする程、また、反
強磁性層側の固定層の膜厚自体を大きくすればする程、
より顕著となり、その影響は、外部磁界ゼロ近傍にまで
及ぶことを確認している。
【0053】このことは、積層フェリ型固定層を用いた
スピンバルブ型薄膜素子に共通の現象だが、自由磁性層
側の固定層より反強磁性層側の固定層の膜厚を大きくし
ていくと、自由磁性層側の固定層と反強磁性層側の固定
層の交換結合磁界(RKKY相互作用)自体は大きくな
るが、反強磁性層側の固定層と反強磁性層間の交換結合
磁界が低下し、ESD(静電気放電)やプロセス中の磁
区制御層の着磁処理などにより、非常に大きな磁界が加
わって、自由磁性層側の固定層の磁化と反強磁性層側の
磁性層の磁化の反平行状態が崩れると、必ずしも自由磁
性層側の固定層の磁化と反強磁性層側の磁性層の磁化が
完全な反平行状態に戻らず、結果としてMR比の変動に
繋がる恐れがあり、非常に不安定であることを示唆して
いる。
【0054】したがって、上下共に自由磁性層側の固定
磁性層の膜厚を反強磁性層側の固定磁性層の膜厚より大
きくした本実施例のデュアルスピンバルブ型薄膜素子
は、従来のボトムスピンバルブ型薄膜素子より遥かに高
出力であり、従来のデュアルスピンバルブ型薄膜素子と
比較しても、高出力で、安定した構造であることが理解
できる。
【0055】次に、本実施例のデュアルスピンバルブ型
薄膜素子に於いて、自由磁性層を構成するCoFe合金
(下)−NiFe合金−CoFe合金(上)の膜厚を変
化させた場合のMR比、Hint、λの変化について述
べる。尚、CoFe合金(下)−NiFe合金−CoF
e合金(上)の膜厚は、前記表1に記載した範囲内であ
り、CoFe合金(下)及びCoFe合金(上)は同膜
厚となるように変化させた。
【0056】ところで、従来の積層フェリ型固定層を用
いたデュアルスピンバルブ型薄膜素子については、斎藤
正路らによる論文「PtMn single and dual spin valves
withsynthetic ferrimagnet pinned layers」(JOURNAL
OF APPLIED PHIYSICS、Vol.85、p.4928-4930(1999))
に開示されているように、そのMR比は高々11%程度
である。また、斎藤正路らによる講演「PtMnデュア
ルスピンバルブ膜の総膜厚低減と抵抗変化率の向上」
(日本応用磁気学会学術講演概要集、p.417(1999))
では、自由磁性層にCo単層膜を用いたデュアルスピン
バルブ型薄膜素子に於いて、最大MR比13.5%程度
得られることが開示されているが、自由磁性層の軟磁気
特性やλ並びにHintについては、何ら開示されてお
らず、詳細は後述するが、自由磁性層にCo単層膜を用
いることは実用的ではない。
【0057】図6は、前記自由磁性層のNiFe合金の
膜厚とCoFe合金の総膜厚の比(NiFe合金の膜厚
/CoFe合金の膜厚)を横軸とし、MR比を縦軸にと
った、MR比−(NiFe合金の膜厚/CoFe合金の
膜厚)の関係を現わすグラフであり、自由磁性層の総膜
厚をパラメータとし、1.5nm、2nm、3nm、4
nm、4.5nm、5nmの場合を示してある。自由磁
性層の総膜厚を4.5nmよりも大きくすると、結果的
に自由磁性層のBs・tが大きくなり、媒体磁界に対す
る感度が大幅に低下するため、好ましくない。また、図
6から明らかなように、MR比は、自由磁性層の総膜厚
3nm程度でピークとなり、それより大きくても、また
小さくても低下する傾向にある。つまり、自由磁性層の
総膜厚を大きくすると、媒体磁界に対する感度が低下す
るだけでなく、MR比低下が顕著となるので、自由磁性
層の総膜厚は4.5nm以下である必要がある。一方、
自由磁性層の総膜厚を小さくすると、媒体磁界に対する
感度が向上し、再生出力の向上が期待できるが、2nm
より小さくなると、MR比の低下が著しく、結果的に再
生出力は低下する。よって、自由磁性層の総膜厚は2n
m以上である必要がある。
【0058】更に、図6より、(NiFe合金の膜厚/
CoFe合金の膜厚)を小さくすると、MR比は大きく
なる傾向にある。しかしながら、CoFe合金の膜厚の
割合を大きくし過ぎると、後述するが、自由磁性層の軟
磁気特性が劣化し、Hintやλの制御が困難となるた
め、(NiFe合金の膜厚/CoFe合金の膜厚)は
0.5以上である必要がある。逆に、CoFe合金の膜
厚の割合を小さくし過ぎると、MR比の低下が顕著とな
るため好ましくないので、(NiFe合金の膜厚/Co
Fe合金の膜厚)は3.5以下である必要がある。
【0059】この時、本実施例のデュアルスピンバルブ
型薄膜素子は、MR比≧11.5%という従来の実用可
能なデュアルスピンバルブ型薄膜素子で示されるMR比
11%を超える高MR比を示す。
【0060】図7は、前記自由磁性層のNiFe合金の
膜厚とCoFe合金の総膜厚の比(NiFe合金の膜厚
/CoFe合金の膜厚)を横軸とし、Hintを縦軸に
とった、Hint−(NiFe合金の膜厚/CoFe合
金の膜厚)の関係を現わすグラフであり、自由磁性層の
総膜厚をパラメータとし、1.5nm、2nm、3n
m、4nm、4.5nm、5nmの場合を示してある。
自由磁性層の総膜厚を小さくしていくと、Hintは大
きくなる傾向があり、特に、1.5nmでは、2.37k
A/m(30Oe)程度以上と非常に大きくなる。Hin
tが大きすぎると、磁界−抵抗検出曲線が線形からずれ
て、再生信号に大きな非対称性が生じ、再生出力が低下
してしまうため、好ましくないので、自由磁性層の総膜
厚は2nm以上である必要がある。
【0061】一方、自由磁性層の総膜厚を大きくする
と、Hintは小さくなり、安定する傾向にあるもの
の、前述したように、自由磁性層の総膜厚を大きくし過
ぎると、媒体磁界に対する感度が低下するだけでなく、
MR比低下が顕著となるので、自由磁性層の総膜厚は
4.5nm以下である必要がある。
【0062】更に、図7より、Hintに関しては、
(NiFe合金の膜厚/CoFe合金の膜厚)を小さく
すると、僅かながらHintが大きくなる傾向にある
が、概ねHintの(NiFe合金の膜厚/CoFe合
金の膜厚)に対する顕著な依存性は認められないもの
の、後述するが、(NiFe合金の膜厚/CoFe合金
の膜厚)が0.5より小さくなると、λの制御が非常に
困難となり、好ましくないので、(NiFe合金の膜厚
/CoFe金の膜厚)は0.5以上である必要があり、
また、前述したとおり、(NiFe合金の膜厚/CoF
e合金の膜厚)が3.5より大きくなると、MR比の低
下が顕著となるため、好ましくないので、(NiFe合
金の膜厚/CoFe合金の膜厚)は3.5以下である必
要がある。
【0063】この時、本実施例のデュアルスピンバルブ
型薄膜素子は、Hint≦1.58kA/m(20O
e)という良好な特性を示す。
【0064】図8は、前記自由磁性層のNiFe合金の
膜厚とCoFe合金の総膜厚の比(NiFe合金の膜厚
/CoFe合金の膜厚)を横軸とし、λを縦軸にとっ
た、λ−(NiFe合金の膜厚/CoFe合金の膜厚)
の関係を現わすグラフであり、自由磁性層の総膜厚をパ
ラメータとし、1.5nm、2nm、3nm、4nm、
4.5nm、5nmの場合を示してある。自由磁性層の
総膜厚を小さくしていくと、λは正側に大きくなる傾向
があり、特に、1.5nmでは、15×10−7程度と
正に非常に大きくなる。自由磁性層のλが大きすぎる
と、環境温度に敏感となり、λの正負の違いによって、
低温状態または高温状態における特性変動が顕著となる
ため、特性変動の少ない安定したデュアルスピンバルブ
型薄膜素子を実現するためには、自由磁性層のλはゼロ
近傍(概ね±10×10−7以内)に制御する必要があ
るため、自由磁性層の総膜厚は2nm以上である必要が
ある。一方、自由磁性層の総膜厚を大きくすると、λは
負側に動き、小さくなり、安定する傾向にあるものの、
前述したように、自由磁性層の総膜厚を大きくし過ぎる
と、媒体磁界に対する感度が低下するだけでなく、MR
比低下が顕著となるので、自由磁性層の総膜厚は4.5
nm以下である必要がある。
【0065】更に、図8より、(NiFe合金の膜厚/
CoFe合金の膜厚)を小さくすると、0.5程度まで
は、顕著な変化が認められないが、0.5より小さくな
るにつれて、λの(NiFe合金の膜厚/CoFe合金
の膜厚)依存性が急激に顕著となり、CoFe合金単層
膜では、−30×10−7〜−10×10−7程度と負
に非常に大きくなる。これは、NiFe合金とCoFe
合金の界面幅に対して、NiFe合金の膜厚の割合が小
さくなるために起こる現象であり、CoFe合金はNi
Fe合金より、λに関して、膜厚や組成の依存性が極め
て大きいために起こる現象であるが、λを良好に制御
し、適正な値とするためには、(NiFe合金の膜厚/
CoFe合金の膜厚)は0.5以上必要であることがわ
かる。しかしながら、前述したように、CoFe合金の
膜厚の割合を小さくし過ぎると、MR比の低下が顕著と
なるため好ましくないので、(NiFe合金の膜厚/C
oFe合金の膜厚)は3.5以下である必要がある。
【0066】この時、本実施例のデュアルスピンバルブ
型薄膜素子は、10×10−7≧λ≧−10×10−7
という良好な特性を示す。
【0067】
【発明の効果】本発明のデュアルスピンバルブ型薄膜素
子は、高MR比で、安定した特性を示す。
【0068】また、自由磁性層の材質、膜厚構成を適正
化することによって、高出力で特性変動の少ない安定し
た薄膜磁気ヘッドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデュアルスピンバルブ型薄膜素子を用
いた薄膜磁気ヘッドの素子部の構造を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明のデュアルスピンバルブ型薄膜素子を用
いた薄膜磁気ヘッドの素子部の構造を示す媒体対向面の
素子断面図である。
【図3】図2においてデュアルスピンバルブ型薄膜素子
部を拡大した断面図である。
【図4】本発明のデュアルスピンバルブ型薄膜素子の構
造を模式図的に示した横断面図である。
【図5】本発明のデュアルスピンバルブ型薄膜素子並び
に比較のために作製した従来のデュアルスピンバルブ型
薄膜素子及びボトムスピンバルブ型薄膜素子の磁気抵抗
曲線を示す。
【図6】本発明のデュアルスピンバルブ型薄膜素子にお
いて、自由磁性層の(NiFe合金の膜厚/CoFe合
金の膜厚)を変化させた時のMR比の変化を示す説明図
である。
【図7】本発明のデュアルスピンバルブ型薄膜素子にお
いて、自由磁性層の(NiFe合金の膜厚/CoFe合
金の膜厚)を変化させた時のHintの変化を示す説明
図である。
【図8】本発明のデュアルスピンバルブ型薄膜素子にお
いて、自由磁性層の(NiFe合金の膜厚/CoFe合
金の膜厚)を変化させた時のλの変化を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…デュアルスピンバルブ型薄膜素子部、2…下地層、
3…第1の反強磁性層、4…第1の磁性層、5…第1の
非磁性中間層、6…第2の磁性層、7…第1の非磁性導
電層、8…CoFe合金膜(下)、9…NiFe合金
膜、10…CoFe合金膜(上)、 11…第2の非磁
性導電層、12…第4の磁性層、13…第2の非磁性中
間層、 14…第3の磁性層、15…第2の反強磁性
層、16…保護層、17…磁区制御下地層、18…磁区
制御層、19…電極層、20…第1の固定磁性層、21
…自由磁性層、22…第2の固定磁性層、23…基板、
24…ベース層、25…下部磁気シールド層、26…下
部ギャップ層、27…上部ギャップ層、28…上部磁気
シールド層、29…ライトギャップ、30…コイル、3
1…層間絶縁層、32…上部磁極、33…保護層、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/32 H01L 43/12 H01L 43/12 G01R 33/06 R (72)発明者 田島 康成 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 重松 恵嗣 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 香川 昌慶 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AB01 AB07 AC01 AD55 AD65 5D034 BA05 BA17 BB02 BB08 CA08 DA07 5E049 AA01 AA04 AA07 AC05 BA12 CB02 DB12 GC01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の反強磁性層、第1の固定磁性層、第
    1の非磁性導電層、自由磁性層、第2の非磁性導電層、
    第2の固定磁性層及び第2の反強磁性層を積層したデュ
    アルスピンバルブ型薄膜素子における、 前記第1の固定磁性層は、前記第1の反強磁性層に接
    し、前記第1の反強磁性層と交換結合磁界により磁化方
    向が固定される第1の磁性層と非磁性中間層を介して重
    ねられる第2の磁性層の2層で形成される積層フェリ型
    固定層であり、 前記第2の固定磁性層は、前記第2の反強磁性層に接
    し、前記第2の反強磁性層と交換結合磁界により磁化方
    向が固定される第3の磁性層と非磁性中間層を介して重
    ねられる第4の磁性層の2層で形成される積層フェリ型
    固定層であって、 前記自由磁性層はNiFe合金、Co及びCoFe合金
    から選ばれる、少なくとも1種以上の積層膜から形成さ
    れており、 前記(第1の磁性層の膜厚)<(第2の磁性層の膜
    厚)、 且つ前記(第3の磁性層の膜厚)<(第4の磁性層の膜
    厚)であることを特徴とするデュアルスピンバルブ型薄
    膜素子。
  2. 【請求項2】第1の反強磁性層、第1の固定磁性層、第
    1の非磁性導電層、自由磁性層、第2の非磁性導電層、
    第2の固定磁性層及び第2の反強磁性層を積層したデュ
    アルスピンバルブ型薄膜素子における、 前記第1の固定磁性層は、前記第1の反強磁性層に接
    し、前記第1の反強磁性層と交換結合磁界により磁化方
    向が固定される第1の磁性層と非磁性中間層を介して重
    ねられる第2の磁性層の2層で形成される積層フェリ型
    固定層であり、 前記第2の固定磁性層は、前記第2の反強磁性層に接
    し、前記第2の反強磁性層と交換結合磁界により磁化方
    向が固定される第3の磁性層と非磁性中間層を介して重
    ねられる第4の磁性層の2層で形成される積層フェリ型
    固定層であって、 前記自由磁性層はNiFe合金とCoFe合金の積層膜
    から形成されており、 前記自由磁性層の膜厚が、2〜4.5nmの範囲内であ
    り、 且つ前記(NiFe合金の膜厚/CoFe合金の膜厚)
    比が、0.5〜3.5の範囲内であることを特徴とするデ
    ュアルスピンバルブ型薄膜素子。
  3. 【請求項3】第1の反強磁性層、第1の固定磁性層、第
    1の非磁性導電層、自由磁性層、第2の非磁性導電層、
    第2の固定磁性層及び第2の反強磁性層を積層したデュ
    アルスピンバルブ型薄膜素子における、 前記第1の固定磁性層は、前記第1の反強磁性層に接
    し、前記第1の反強磁性層と交換結合磁界により磁化方
    向が固定される第1の磁性層と非磁性中間層を介して重
    ねられる第2の磁性層の2層で形成される積層フェリ型
    固定層であり、 前記第2の固定磁性層は、前記第2の反強磁性層に接
    し、前記第2の反強磁性層と交換結合磁界により磁化方
    向が固定される第3の磁性層と非磁性中間層を介して重
    ねられる第4の磁性層の2層で形成される積層フェリ型
    固定層であって、 前記(第1の磁性層の膜厚)<(第2の磁性層の膜
    厚)、 且つ前記(第3の磁性層の膜厚)<(第4の磁性層の膜
    厚)であり、 前記自由磁性層はNiFe合金とCoFe合金の積層膜
    から形成されており、 前記自由磁性層の膜厚が、2〜4.5nmの範囲内であ
    り、 且つ前記(NiFe合金の膜厚/CoFe合金の膜厚)
    比が、0.5〜3.5の範囲内であることを特徴とするデ
    ュアルスピンバルブ型薄膜素子。
  4. 【請求項4】請求項1または3に記載のデュアルスピン
    バルブ型薄膜素子において、 前記第1の磁性層の膜厚、第2の磁性層の膜厚、第3の
    磁性層の膜厚及び第4の磁性層の膜厚が、1〜5nmの
    範囲内であり、 且つ1.5nm≧((第2の磁性層の膜厚)−(第1の
    磁性層の膜厚))、1.5nm≧((第4の磁性層の膜
    厚)−(第3の磁性層の膜厚))であることを特徴とす
    るデュアルスピンバルブ型薄膜素子。
  5. 【請求項5】請求項1から3までのいずれかに記載のデ
    ュアルスピンバルブ型薄膜素子において、 前記第1の
    非磁性導電層の膜厚及び第2の非磁性導電層の膜厚が、
    共に1.9〜2.4nmの範囲内であることを特徴とする
    デュアルスピンバルブ型薄膜素子。
  6. 【請求項6】請求項1から3までのいずれかに記載のデ
    ュアルスピンバルブ型薄膜素子の、 前記第1の反強磁性層、第1の固定磁性層、第1の非磁
    性導電層、自由磁性層、第2の非磁性導電層、第2の固
    定磁性層及び第2の反強磁性層を、RFマグネトロンス
    パッタリング方式で形成する工程において、 第1の固定磁性層、第1の非磁性導電層、自由磁性層、
    第2の非磁性導電層及び第2の固定磁性層を、9.33
    ×10−2Pa(0.7mTorr)以下の低ガス圧状態
    にて形成することを特徴とするデュアルスピンバルブ型
    薄膜素子の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1から3までのいずれかに記載のデ
    ュアルスピンバルブ型薄膜素子の上下に、ギャップ層を
    介してシールド層が形成されていることを特徴とする薄
    膜磁気ヘッド。
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