JP2002180233A - 封孔処理セラミックス絶縁層および軌道輪 - Google Patents

封孔処理セラミックス絶縁層および軌道輪

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JP2002180233A
JP2002180233A JP2000379736A JP2000379736A JP2002180233A JP 2002180233 A JP2002180233 A JP 2002180233A JP 2000379736 A JP2000379736 A JP 2000379736A JP 2000379736 A JP2000379736 A JP 2000379736A JP 2002180233 A JP2002180233 A JP 2002180233A
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insulating layer
ceramic insulating
sealing
resin
thermosetting resin
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JP2000379736A
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English (en)
Inventor
Takahiro Kanemoto
崇広 金本
Akihiko Tomitani
明彦 冨谷
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な装置を必要とせずに、封孔処理が行
え、電気絶縁性が確保できる封孔処理セラミックス絶縁
層、およびその封孔処理方法を提供する。 【解決手段】 溶射によって得られたセラミックス絶縁
層1において、気孔2の入口に熱硬化性樹脂からなる硬
化膜状の封孔体3Aを次の封孔処理方法で形成して封孔
したものとする。この封孔処理方法は、セラミックス絶
縁層1を加熱した後、このセラミックス絶縁層1の表面
に熱硬化性樹脂3を塗布する。この後、セラミックス絶
縁層3を冷却し、気体と樹脂との温度差による収縮率の
違いを利用して、気孔2の入口に熱硬化性樹脂3を引き
ずり込ませる。表面の樹脂は払拭し、気孔2の入口の樹
脂を硬化させて上記封孔体3Aとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶射によるセラ
ミックス絶縁層を封孔処理した封孔処理セラミックス絶
縁層、およびその層を有する軸受等の軌道輪、並びにそ
の封孔処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶射によるセラミックス絶縁層は、例え
ば電食防止転がり軸受の軌道輪など、種々の機器に施さ
れている。このセラミックス絶縁層は、溶射による特性
から、通常、気孔が残る。電気絶縁性を与えるために
は、この気孔を埋める処理、つまり封孔処理が必要であ
る。封孔処理を施すことにより、溶射層であるセラミッ
クス絶縁層内に侵入しようとする通電物、例えば大気中
の水蒸気、水分など、軌道輪を取り巻く気体や液体状の
通電物を遮断し、電気絶縁性を確保することができる。
現在、封孔処理方法として、減圧後に加圧することで、
気孔中の空気と封孔剤とを置換させる真空含浸法や、大
気中で毛細管現象を利用した方法が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】真空含浸法は、真空装
置が必要であり、設備が大がかりなものとなる。毛細管
現象を利用する方法は、低粘度の封孔剤を使用しなくて
はならず、気孔を封孔するのにはあまり効果的でない。
【0004】この発明の目的は、特別な装置を必要とせ
ずに、封孔処理が行え、電気絶縁性が確保できる封孔処
理セラミックス絶縁層、およびその封孔処理方法を提供
することである。この発明の他の目的は、その封孔処理
セラミックス絶縁層を有する電気絶縁性に優れた安価に
製造可能な軌道輪を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の封孔処理セラ
ミックス絶縁層は、溶射によって得られたセラミックス
絶縁層において、気体と樹脂との温度差による収縮率の
違いを利用して、このセラミックス絶縁層に発生した気
孔の入口に熱硬化性樹脂からなる封孔体を形成したこと
を特徴とする。上記封孔体は、例えば膜状のものとす
る。気孔が発生したセラミックス絶縁層を加熱した後、
このセラミックス絶縁層の表面に熱硬化性樹脂を塗布
し、冷却すると、気孔中の空気は熱硬化性樹脂によって
逃げ道を塞がれているため、気孔内で冷却され、体積が
収縮する。セラミックス絶縁層も冷却によって体積が減
少するが、気体と樹脂の収縮率の違いより、気孔内が負
圧になり、熱硬化性樹脂を引きずり込む。この状態で、
熱硬化性樹脂が固まり、封孔される。このため、加熱と
樹脂の塗布と冷却を行うだけで、封孔が行え、特別な装
置を必要とせずに、封孔処理が行える。このように負圧
を利用するため、塗布する熱硬化性樹脂の粘性の制限が
少なく、良好な封孔が行える。そきため、優れた電気絶
縁性が得られる。
【0006】この発明の軌道輪は、この発明の上記構成
の封孔処理セラミックス絶縁層を有するものである。
【0007】この発明のセラミックス絶縁層の封孔処理
方法は、気孔が発生したセラミックス絶縁層を加熱した
後、このセラミックス絶縁層の表面に熱硬化性樹脂を塗
布する工程と、上記セラミックス絶縁層を冷却した後、
表面の樹脂を払拭する工程とを含む方法である。樹脂
は、温度を下げても直ぐには硬化しないので、上記冷却
の後、硬化までの間に払拭が行える。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態を図面と共に
説明する。図1は、この封孔処理セラミックス絶縁層
と、その封孔処理方法を概念的に示す説明図である。図
1(A)は、溶射によって得られたセラミックス絶縁層
1の気孔2が形成された表層の一部を拡大した図であ
る。まず、封孔処理をするセラミックス絶縁層1の全体
を、十分な温度になるまで加熱する。このとき、セラミ
ックス絶縁層1の施された母材が、軸受軌道輪等のワー
クである場合、そのワークの全体を十分な温度になるま
で加熱することが好ましい。
【0009】セラミックス絶縁層1が十分に温まった
ら、直ちに封孔剤である熱硬化性樹脂3を塗布し、セラ
ミックス絶縁層1を冷却する(同図(B))。この冷却
もワーク全体を冷却することが好ましい。セラミックス
絶縁層1の気孔2内の空気は、塗膜層からなる熱硬化性
樹脂3によって逃げ道が塞がれているので、内部で冷却
され、体積が収縮する(同図(C))。このとき、セラ
ミックス絶縁層1も冷却によって体積が減少するが、気
体と樹脂との収縮率の違いより、気孔2内が負圧にな
り、セラミックス絶縁層1の表面の熱硬化性樹脂3が気
孔2内に引きずり込まれる。この状態で熱硬化性樹脂3
が固まり、熱硬化性樹脂からなる硬化した膜状の封孔体
3Aとなって、封孔が完了する(同図(D))。例え
ば、気体の一般式より、温度を100℃から20℃に低
下させると、体積は3/4になるので、気孔2の1/4
は熱硬化性樹脂3で埋まる。温度差を大きくすれば、気
孔2に対する熱硬化性樹脂3の埋まり部分の比率を増や
すことが可能である。
【0010】上記の冷却および硬化の過程において、セ
ラミックス絶縁層1の冷却の後、熱硬化性樹脂3の気孔
2に侵入していない部分3bは払拭する。これにより、
同図(D)に示すように、気孔2が熱硬化性樹脂の硬化
膜3Aで封孔され、セラミックス絶縁層1の表面には余
分な熱硬化性樹脂が残らないようにできる。樹脂は、温
度を下げても直ぐには硬化しないので、上記の冷却の
後、表面の熱硬化性樹脂3を払拭した後、時間をかけ
て、気孔2の入口にある熱硬化性樹脂3を硬化させる。
【0011】図2は、封孔処理セラミックス絶縁層を有
する軌道輪の一例を示す。この軌道輪5は、鋼材からな
る軌道輪本体5Aの表面に、溶射によるセラミックス絶
縁層1が形成されている。軌道輪本体5Aは、セラミッ
クス絶縁層1を施す母材となる。このセラミックス絶縁
層1は、図1と共に説明した封孔処理が施されたもので
あり、気孔2(図1)の入口に熱硬化性樹脂からなる硬
化膜状の封孔体3Aが形成されている。軌道輪5は、転
がり軸受の外輪であり、内周に転走面6が形成され、外
周面および両側の幅面にわたり、上記セラミックス絶縁
層1が形成されている。軌道輪5は、詳しくは、円筒こ
ろ軸受の外輪であり、両鍔付きのものとされている。
【0012】図2の例は、軌道輪5が円筒ころ軸受の外
輪である場合につき説明したが、軌道輪5は、図4に示
すような深溝玉軸受の外輪であっても良く、また図3や
図5にそれぞれ示すように、軌道輪5は、円筒ころ軸受
や深溝玉軸受の内輪であっても良い。また、この発明に
おける封孔処理セラミックス絶縁層を有する軌道輪は、
軸受の軌道輪に限らず、種々の機器や機械部品の軌道輪
に適用できる。
【0013】
【発明の効果】この発明の封孔処理セラミックス絶縁層
は、溶射によって得られたセラミックス絶縁層におい
て、気体と樹脂との温度差による収縮率の違いを利用し
て、このセラミックス絶縁層に発生した気孔の入口に熱
硬化性樹脂からなる封孔体を形成したものであるため、
特別な装置を必要とせずに、封孔処理が行え、絶縁性が
確保されたものとなる。この発明の軌道輪は、この発明
の封孔処理セラミックス絶縁層を有するものであるた
め、特別な装置を必要とせずに、セラミックス絶縁層の
封孔処理が行って電気絶縁性が確保された安価なものに
できる。この発明のセラミックス絶縁層の封孔処理方法
は、気孔が発生したセラミックス絶縁層を加熱した後、
このセラミックス絶縁層の表面に熱硬化性樹脂を塗布す
る工程と、上記セラミックス絶縁層を冷却した後、表面
の樹脂を払拭する工程とを含む方法であるため、特別な
装置を必要とせずに、封孔処理が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる封孔処理セラミ
ックス絶縁層およびその封孔処理方法を示す工程説明図
である。
【図2】同封孔処理セラミックス絶縁層を有する軌道輪
の一例の部分断面図である。
【図3】同封孔処理セラミックス絶縁層を有する軌道輪
の他の例を示す部分断面図である。
【図4】同封孔処理セラミックス絶縁層を有する軌道輪
のさらに他の例を示す部分断面図である。
【図5】同封孔処理セラミックス絶縁層を有する軌道輪
のさらに他の例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…セラミックス絶縁層 2…気孔 3…熱硬化性樹脂 3A…封孔体 5…軌道輪 5A…軌道輪本体 6…転走面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶射によって得られたセラミックス絶縁
    層において、気体と樹脂との温度差による収縮率の違い
    を利用して、このセラミックス絶縁層に発生した気孔の
    入口に熱硬化性樹脂からなる封孔体を形成したことを特
    徴とする封孔処理セラミックス絶縁層。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の封孔処理セラミックス
    絶縁層を有する軌道輪。
  3. 【請求項3】 気孔が発生したセラミックス絶縁層を加
    熱した後、このセラミックス絶縁層の表面に熱硬化性樹
    脂を塗布する工程と、上記セラミックス絶縁層を冷却し
    た後、表面の樹脂を払拭する工程とを含むセラミックス
    絶縁層の封孔処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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