JP2002179941A - 表面処理着色剤の製造方法 - Google Patents

表面処理着色剤の製造方法

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Mitsuo Kamiwano
満雄 上和野
Kazuhiko Nishi
和彦 仁志
Isao Fujii
勲 藤井
Kazunobu Tomimori
和宣 富盛
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた表面特性を有する着色剤を生産性良く
提供する。 【解決手段】 有機顔料等の着色剤粒子を、表面処理剤
を完全溶解または部分溶解させた超臨界流体に曝して、
表面処理を行う。着色剤の表面だけでなく、凝集体細孔
内部まで表面処理剤を浸透させることができる。超臨界
流体として、二酸化炭素等を使用することが好ましい。
表面処理剤としては、顔料分散剤を使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は着色剤の製造方法に
関し、さらに詳しくは、分散性に優れた着色剤を生産性
良く製造できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】有機顔料、無機顔料等の着色剤には、近
年、高彩色、高着色力が要求されるようになってきてい
る。例えば銅フタロシアニン顔料の場合、顔料化して得
られた顔料をそのままで用いても、ビヒクル中での分散
性が劣り十分な着色力が得られない。そこで通常、顔料
表面を表面処理剤で表面処理し、顔料適性を向上させて
から使用している。このような表面処理方法としては、
例えばロジン処理、アクリル樹脂処理、鉱油処理、分散
剤処理、ワニス処理、界面活性剤等の顔料分散剤による
処理が挙げられ、これらの表面処理剤を単独又は2種以
上組み合わせて、攪拌槽で攪拌下に混合して顔料粒子表
面に吸着させたり、またはインキや塗料の作成時に混合
する方法が一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、攪拌槽
を用いた従来の表面処理方法では、確実に表面を処理
し、分散性を高めるためには長時間混合する必要があ
り、生産性が十分ではなかったり、表面処理剤の歩留ま
りが低く、コスト面でも十分に満足できるものではなか
った。また、これらの方法では凝集体である二次粒子の
表面を処理しているだけで、一次粒子各々の表面までは
処理されないため、十分に表面が改質されず分散性が不
十分な場合もあり、より優れた分散性を容易に得ること
のできる表面処理方法の開発が望まれていた。
【0004】本発明は前記事情を改善する目的で、分散
性に優れた着色剤を生産性良く提供することを課題とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の表面処理着色剤
の製造方法は、着色剤粒子を、表面処理剤を完全溶解ま
たは部分溶解させた超臨界流体に曝して表面処理を行う
ことを特徴とする。上記着色剤粒子は、有機顔料である
ことが好ましい。上記着色剤粒子は、有機顔料セミクル
ードであることが好ましい。上記表面処理剤は、顔料分
散剤であることが好ましい。上記超臨界流体は、二酸化
炭素であることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される着色剤粒子としては、公知の有機着
色剤または無機着色剤の粒子であり、前者としては、例
えばフタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリ
ノン系、インダンスロン系、ジケトピロロピロール系、
アゾ系、アントラキノン系、ジオキサジン系等の有機顔
料が、後者としては、例えば二酸化珪素、二酸化チタ
ン、酸化鉄等の無機顔料が挙げられる。また前記した有
機着色剤としては、既に顔料化された微細な一次粒子か
らなる有機顔料だけではなく、有機顔料セミクルードを
使用してもよい。
【0007】有機顔料のセミクルードとは、0.01〜
0.1μmである有機顔料の平均一次粒子径より微細な
粒子が強固に凝集して二次粒子を形成している凝集塊の
ことをいう。この様な有機顔料のセミクルードは、例え
ば、有機顔料のクルードを次ぎの様に微粒子化すること
で製造できる。 1.クルードの結晶をアトライター、振動ボールミル、
ボールミル等で乾式摩砕する方法。 2.クルードの結晶を硫酸に溶解または部分溶解した
後、水中に取り出し濾過、水洗、乾燥、必要に応じて粉
砕する方法。
【0008】ここで得られるセミクルードの粒子径は、
一般的に顔料の粒子径より一桁微細な粒子径、具体的に
は、0.001μm以上0.01μm未満である。ま
た、セミクルードの結晶型はクルードの結晶型と異なる
結晶型となる場合もあるし、異なる結晶型が部分的に混
合する場合もあるし、全く結晶型に変化が生じない場合
もある。
【0009】また、本発明で使用される超臨界流体と
は、純物質固有の臨界温度(Tc)を越えた状態にある
流体をいう。この超臨界流体は、いわゆる気液平衡が存
在しないため、圧力のみによる密度の連続変化が可能で
ある。そのため、臨界点近傍では微少な圧力変化で、密
度の関数として表すことのできる粘度、拡散係数、溶解
度、固体に対する濡れ性等の諸物性を激変させることが
可能となる。
【0010】超臨界流体を形成する物質としては、着色
剤および表面処理剤と化学反応を起こさず、着色剤に含
まれる成分の分解温度、および表面処理剤の分解温度よ
りも低温で超臨界状態となる物質が好ましい。具体的に
は、無極性物質または低極性物質が好ましく、例えば、
表1に示す物質が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。これら無極性物質または低極性物質の純物
質を超臨界流体とする際の条件は既に知られており、こ
れらの条件も表1に併せて示す。
【0011】
【表1】
【0012】これらの物質は、純物質で使用しても、2
種以上の物質を混合物として使用してもよいが、より穏
和な温度と圧力条件で超臨界流体を形成するものを使用
することが工業的に有利である。こうして超臨界流体を
形成する物質は臨界温度以上にすることで超臨界流体と
なすことができる。尚、常温で気体の状態にあるもの
は、後処理が容易であることから好ましい。これらの観
点から、超臨界流体として使用する物質としては二酸化
炭素が好ましい。
【0013】ついで本発明で使用する表面処理剤として
は、通常、着色剤の表面処理に使用されるものが使用で
きる。この表面処理としては、例えば(1)ロジン処
理、(2)アミン、カチオン活性剤処理、(3)脂肪
酸、アニオン活性剤処理、(4)ノニオン活性剤処理、
(5)ポリマー、樹脂処理等がある。これらの処理に
は、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン等のロジン
類、アクリル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン
変性フェノール樹脂、鉱油類、これらの金属塩類、各種
界面活性剤が使用できる。
【0014】本発明においては、以下に詳述する超臨界
流体と均一相を形成する表面処理剤、または、部分溶解
する表面処理剤を使用することができるが、この超臨界
流体と均一相となる量を使用することが好ましい。この
ような好適な表面処理剤としては、顔料分散剤では、ア
ーカード2C−75(ライオンアクゾ社製)、ソルスパ
ース3000(アヴェシア社製)、アーミン18D(ラ
イオンアクゾ社製)等が挙げられる
【0015】また、着色剤粒子に対する表面処理剤の比
率は適宜設定できるが、通常、着色剤粒子100重量部
に対して表面処理剤を0.1〜20重量部となる様に超
臨界流体に添加して行う。また本発明では、使用する表
面処理剤の溶解性を向上させる目的で、超臨界流体の生
成を阻害しない範囲内の有機溶媒を併用することもでき
る。こうして着色剤粒子を、表面処理剤を完全溶解また
は部分溶解させた超臨界流体に曝すことによって、表面
処理剤が着色剤粒子の表面のみならず、凝集体の細孔内
部へも浸透し、表面が十分改質され優れた分散性を有す
る着色剤が得られる。
【0016】本発明では、表面処理剤が超臨界流体中に
完全溶解しているか部分溶解していることが必要であ
る。ここで完全溶解とは、超臨界流体に表面処理剤が溶
解し均一の相を形成している(一相)状態を表す。一
方、部分溶解とは、超臨界流体に表面処理剤の一部が溶
解し均一の相を形成する部分と、表面処理剤の残部が溶
解せずに存在しもう一つの相を形成している(二相)状
態を言う。
【0017】着色剤粒子を、表面処理剤を完全溶解また
は部分溶解させた超臨界流体に曝す方法としては、例え
ば耐熱耐圧容器に着色剤粒子と超臨界流体に完全溶解ま
たは部分溶解する量の表面処理剤を充填し、そこに超臨
界流体を導入する方法や、耐熱耐圧容器に着色剤粒子を
充填し、そこに表面処理剤を完全溶解または部分溶解さ
せた超臨界流体を導入する方法が挙げられる。このよう
にして、耐熱耐圧容器に超臨界流体を導入すると、表面
処理剤は着色剤粒子と接触し、着色剤粒子は表面処理剤
により表面処理される。
【0018】この際、着色剤粒子を耐熱耐圧容器内で静
置しておいても表面処理されるが、より短時間で均一に
表面処理を進行させるためには、容器内を攪拌したり容
器を振とうさせて表面処理剤を溶解させた超臨界流体と
着色剤粒子の接触効率を上げることが好ましい。着色剤
粒子を超臨界流体に曝す時間は、目的とする表面状態が
得られるまで適宜行えばよいが、工業的には通常10分
〜60分である。
【0019】このように着色剤粒子を、表面処理剤を完
全溶解または部分溶解させた超臨界流体に曝すことによ
って表面を十分に改質することができる。特に着色剤粒
子として有機顔料に代えて有機顔料セミクルードを使用
して、この有機顔料セミクルードを、表面処理剤を完全
溶解または部分溶解させた超臨界流体に曝して顔料化と
表面処理を同時に行うことで、表面処理有機顔料を得る
こともできる。
【0020】例えば、着色剤としてβ型銅フタロシアニ
ン顔料を製造する場合には、β型銅フタロシアニンクル
ードの結晶を乾式摩砕して得られた、α型とβ型の混晶
である銅フタロシアニンセミクルードを、耐熱耐圧容器
に表面処理剤とともに充填し、そこに超臨界流体を導入
して処理すると、表面処理と顔料化が同時に施されたβ
型銅フタロシアニン顔料を得ることができる。このよう
な方法によれば、表面処理と顔料化が同時に行えるた
め、工業的に有利であるとともに、二次凝集が解かれる
と同時に表面処理が行われるため、表面処理剤が粒子表
面のみならず、凝集体の細孔内部へも浸透し、表面処理
を効率よく行うことができる。
【0021】このような製造方法によれば、着色剤粒子
の表面処理のための特別の攪拌機付き処理槽等を用いず
に短時間で、高い歩留まりで確実に表面処理を行うこと
ができるため、生産性が向上する。勿論、既に顔料化さ
れている市販のβ型銅フタロシアニン顔料を着色剤粒子
として用いて、本発明の製造方法における処理を行うこ
とにより、表面処理されたβ型銅フタロシアニン顔料を
得ることもできる。
【0022】表面処理を行った後、耐熱耐圧容器内を超
臨界状態から常温常圧状態に戻すことによって、表面処
理された着色剤粒子を取り出すことができる。超臨界流
体を形成する物質として、二酸化炭素等の常温で気体の
物質を使用すると、この操作により着色剤粒子のみを容
易に取り出すことができる。一方、超臨界流体を形成す
る物質として、常温で液体の物質を使用すると、必要に
応じて濾別、乾燥、粉砕等を行うことによって着色剤粒
子を取り出すことができる。
【0023】本発明の製造方法によれば、従来よりも短
時間で、高い歩留まりで確実に表面処理を行うことがで
きるため、生産性が向上する。また、表面処理剤が着色
剤粒子の表面のみならず凝集体の細孔内部へも浸透する
ため、従来よりも表面が改質された着色剤が得られる。
こうして得られた着色剤は、そのままで公知慣用の用
途、例えば印刷インキ用途、塗料用途、成形品着色用
途、電子写真用途、カラーフィルター用途、ジェットイ
ンキ用途等に使用することが可能である。
【0024】
【実施例】次に本発明を実施例および比較例により具体
的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるも
のではない。以下において、とくに断わりの無い限り、
「%」は『重量%』を表わす。 [実施例1]純度98.5%の銅フタロシアニンクルー
ドをニーダー磨砕して得られた、β型銅フタロシアニン
顔料5gとアーカード2C−75(ライオンアクゾ社
製)0.25gを40mlの耐圧容器に入れ、二酸化炭
素の超臨界流体中で343K、20MPa、20分間曝
した。その後、圧力を下げ二酸化炭素を回収した後、銅
フタロシアニン顔料の粉体を取り出した。この粉体は、
X線回折分析装置(Rigaku社製:RINT 11
00型)で分析したところ、純粋なβ型で粉砕等の微粉
末化工程を加えることなく、平版インキに使用できるも
のであった。以下に記した試験例に従って平版インキを
作成した後、着色力の評価法、透明性の評価法に従って
着色力、透明性を評価した。その結果を表2に示す。
【0025】[実施例2]純度98.5%の銅フタロシ
アニンクルードを乾式磨砕して得られたα型の混合比率
が58%の銅フタロシアニンセミクルード5gとアーカ
ード2C−75(ライオンアクゾ社製)0.25gを4
0mlの耐圧容器に入れ、二酸化炭素の超臨界流体中で
343K、20MPa、20分間曝した。実施例1と同
様にして銅フタロシアニン顔料の粉体を取り出した。こ
の粉体を実施例1と同様に分析したところ、純粋なβ型
で粉砕等の微粉末化工程を加えることなく、平版インキ
に使用できるものであった。実施例1と同様にして平版
インキを作成した後、着色力、透明性を評価した。その
結果を表2に示す。
【0026】[実施例3]実施例2で用いた、銅フタロ
シアニンセミクルード5gとアーカード2C−75(ラ
イオンアクゾ社製塩化ジココイルジメチルアンモニウ
ム)0.5gを40mlの耐圧容器に入れ、二酸化炭素
の超臨界流体中で343K、20MPa、20分間曝し
た。実施例1と同様にして銅フタロシアニン顔料の粉体
を取り出した。この粉体を実施例1と同様に分析したと
ころ、純粋なβ型で粉砕等の微粉末化工程を加えること
なく、平版インキに使用できるものであった。実施例1
と同様にして平版インキを作成した後、着色力、透明性
を評価した。その結果を表2に示す。
【0027】[実施例4]実施例2で用いた、銅フタロ
シアニンセミクルード5gとアーミン18D(ライオン
アクゾ社製ステアリルアミン)0.5gを40mlの耐
圧容器に入れ、二酸化炭素の超臨界流体中で343K、
20MPa、20分間曝した。実施例1と同様にして銅
フタロシアニン顔料の粉体を取り出した。この粉体を実
施例1と同様に分析したところ、純粋なβ型で粉砕等の
微粉末化工程を加えることなく、平版インキに使用でき
るものであった。実施例1と同様にして平版インキを作
成した後、着色力、透明性を評価した。その結果を表2
に示す。
【0028】[実施例5]実施例1で用いた、銅フタロ
シアニン顔料5gとソルスパース3000(アヴェシア
社製ポリマー型分散剤)0.5gを40mlの耐圧容器
に入れ、二酸化炭素の超臨界流体中で343K、20M
Pa、20分間曝した。実施例1と同様にして銅フタロ
シアニン顔料の粉体を取り出した。この粉体を実施例1
と同様に分析したところ、純粋なβ型で粉砕等の微粉末
化工程を加えることなく、平版インキに使用できるもの
であった。実施例1と同様にして平版インキを作成した
後、着色力、透明性を評価した。その結果を表2に示
す。
【0029】[比較例1]攪拌機、温度計、冷却器、温
度調節装置を備えた300mlフラスコに水を100m
l入れ、次いで実施例1で使用した、β型銅フタロシア
ニン顔料5gを分散させた水性スラリーに、アーカード
2C−75 0.25gを酢酸1.0g、水20mlに
溶解して加え、343K、常圧で1時間攪拌後、5%苛
性ソーダ水溶液でpH7.0に中和してアーカード2C
−75を析出させ表面処理した。次いで、この水性顔料
スラリーを濾過、水洗した後、乾燥、粉砕して、β型銅
フタロシアニン顔料の粉末を得た。実施例1と同様にし
て平版インキを作成し、着色力、透明性を評価した。そ
の結果を表2に示す。
【0030】[実施例6]攪拌機、温度計、温度調節装
置を備えた200mlビーカーに、68%硫酸100g
を入れ、攪拌、冷却しながらジオキサジン顔料のβ型ク
ルード10gを温度が303K以上にならない様に少量
づつ加えた。303Kで2時間攪拌した後、1500m
lの氷水の中に攪拌しながら取り出した。これを濾過、
水洗、乾燥した後粉砕して、ジオキサジンのα型セミク
ルード9.6gを得た。このα型セミクルード5gとア
ーカード2C−75 0.25gを40mlの耐圧容器
に入れ、二酸化炭素の超臨界流体中で343K、20M
Pa、20分間曝した。実施例1と同様にしてジオキサ
ジン顔料の粉体を取り出した。この粉体を実施例1と同
様に分析したところ、純粋なβ型で粉砕等の微粉末化工
程を加えることなく、平版インキに使用できるものであ
った。実施例1と同様にして平版インキを作成した後、
着色力、透明性を評価した。その結果を表2に示す。
【0031】[比較例2]攪拌機、温度計、冷却器、温
度調節装置を備えた300mlフラスコに、水を100
ml入れ、実施例5で用いたジオキサジン顔料のβ型ク
ルードをニーダー摩砕して得られたβ型ジオキサジン顔
料5gを分散させた水性スラリーに、アーカード2C−
75 0.25gを酢酸1.0g、水20mlに溶解し
て加え343K、常圧で1時間攪拌後、5%苛性ソーダ
水溶液でpH7.0に中和してアーカード2C−75を
析出させ表面処理した。次いで、この水性顔料スラリー
を濾過、水洗した後、乾燥、粉砕してβ型ジオキサジン
顔料の粉末を得た。実施例1と同様にして平版インキを
作成した後、着色力、透明性を評価した。その結果を表
2に示す。
【0032】<試験例>以下の方法により、実施例1〜
6及び比較例1〜2により得られた銅フタロシアニン顔
料及びジオキサジン顔料を用い、以下の方法により平版
インキを作成した。顔料0.3g、インキ用樹脂ワニス
MG−63(大日本インキ化学工業製)1.2gをフー
バーマラーで分散し濃色インキを作成した。上記で得ら
れた濃色インキ0.1gと白顔料が30%の白インキ2
gを混合して淡色インキを作成した。得られた各インキ
を試験インキとしとし、着色力と透明性を評価した。着
色力と透明性は以下の方法で評価した。
【0033】・着色力の評価方法 銅フタロシアニン顔料については、比較例1で得られた
顔料を用いて、上記記載の濃色インキ(標準とする)
と、顔料使用量を2%刻みで、+10%迄増量した濃色
インキ(比較標準とする)を作成した。標準および、比
較標準の濃色インキより、上記淡色インキ作成法に従っ
て、対応する淡色インキを作成し、それぞれ標準淡色イ
ンキ及び比較標準淡色インキとした。実施例1〜5で得
られた顔料の淡色インキを、比較標準淡色インキと、展
色紙にヘラを使用して展色して着色力を比較し、着色力
の一致した点を実施例で得られた顔料の着色力とした。
標準インキの着色力を100%とし、着色力の一致した
比較標準インキの標準に対する顔料量%を、評価サンプ
ルの着色力として、数値化した。β型ジオキサジン顔料
についても同様にして比較例2で得られた顔料を標準と
し、実施例6で得られた顔料の着色力%を評価した。
【0034】・透明性の評価方法 黒インキを用いて黒帯を印刷した白い展色紙に、ヘラを
用いて濃色インキを展色し、黒帯の上の展色状態を目視
で観察した。黒帯の上に試験インキが展色される事によ
り黒帯が白く見えるものを不透明と判断し、目視判定1
とした。黒帯上に試験インキが展色されていることがわ
かりにくいものを透明と判断し、目視判定10とした。
【0035】
【表2】
【0036】表2から明らかなように表面処理剤を溶解
させた超臨界流体に曝して表面化処理を行ったβ型フタ
ロシアニン顔料およびβ型ジオキサジン顔料は着色力、
透明性に優れていた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の製造方法に
よれば、攪拌槽、攪拌機、ボールミルやミキサー等を用
いずに短時間で、確実に表面処理を行うことができるた
め、生産性が向上する。また、表面改質剤が着色剤粒子
の表面のみならず凝集体細孔内部へも浸透するため、従
来よりも表面が改質された着色剤粒子が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/04 C09C 3/04 3/06 3/06 (72)発明者 富盛 和宣 千葉県佐原市玉造50−2 Fターム(参考) 4J037 AA15 AA18 AA22 CA08 CB09 CB16 CC01 CC03 CC16 CC22 DD24 EE02 EE44 EE47 FF15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤粒子を、表面処理剤を完全溶解ま
    たは部分溶解させた超臨界流体に曝して表面処理するこ
    とを特徴とする表面処理着色剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 着色剤粒子が有機顔料であることを特徴
    とする請求項1に記載の着色剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 着色剤粒子が有機顔料セミクルードであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の着色剤の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 表面処理剤が顔料分散剤であることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の着色剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 超臨界流体が二酸化炭素であることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の着色剤の
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003099239A1 (fr) * 2002-05-27 2003-12-04 Miyoshi Kasei, Inc. Surface de poudre traitee avec une huile-ester acide specifique et composition cosmetique la contenant
WO2004077168A1 (ja) * 2003-02-05 2004-09-10 Sharp Kabushiki Kaisha 現像剤及びその製造方法

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