JP2002177991A - 臭気発生防止方法 - Google Patents
臭気発生防止方法Info
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Abstract
気発生を防止する方法に関し、さらに詳しくは、下水処
理場等の汚泥スラリーの発生(汚泥濃縮槽出口)から汚
泥貯留槽、汚泥脱水機、及び脱水ケーキ搬送・貯留設備
に至る各プロセスで発生する硫化水素、メチルメルカプ
タン等の悪臭問題、及び硫化水素による電気設備腐食、
硫化水素の生物酸化によって生成する硫酸による機器腐
食を効果的に防止することができる臭気発生防止方法を
提案する。 【解決手段】 汚泥貯留槽の汚泥に亜硝酸塩を添加して
汚泥からの臭気の発生を防止する方法であって、亜硝酸
塩の添加を、1日に数回の頻度で集中的に添加するよう
に亜硝酸塩の添加量を変化させ、各集中添加終了時から
1時間経過後の汚泥貯留槽の汚泥の残留亜硝酸イオン濃
度を20mg/L以上に保持する。
Description
汚泥処理プロセス全体の臭気発生を防止する方法に関
し、さらに詳しくは、下水処理場等の汚泥スラリーの発
生(汚泥濃縮槽出口)から汚泥貯留槽、汚泥脱水機、及
び脱水ケーキ搬送・貯留設備に至る各プロセスで発生す
る硫化水素、メチルメルカプタン等の悪臭問題、及び硫
化水素による電気設備腐食、硫化水素が生物酸化されて
生成する硫酸による機器腐食を効果的に防止することが
できる臭気発生防止方法に関する。
プ工場等の有機性排水の処理に際しては、各種の汚泥が
発生し、これら汚泥の処理プロセスでは以下に示すよう
な臭気発生に起因するトラブルが生じている。汚泥濃縮
槽出口から汚泥貯留槽、汚泥脱水機に至る各プロセスで
は、汚泥中に存在する硫化水素を主とする悪臭物質が揮
散(放散)し、作業環境の悪化をきたしている。同時
に、揮散した硫化水素による電気関係設備の腐食、硫化
水素が生物酸化されて生ずる硫酸による機器腐食も生ず
る。さらに、脱水ケーキ搬送・貯留設備に至るプロセス
では、貯留、保管中に腐敗が進み、含イオウ蛋白質の分
解によりメチルメルカプタンを主とする悪臭物質が発生
する。
環境に亜硝酸イオンを存在させることにより、微生物に
基づく硫化水素の発生を防止する方法(特開昭57−1
87099号公報)を基にして汚泥処理の臭気防止とし
て活用する方法を見出し、さらにpH調整等を行うこと
により、効果を著しく高めた方法(特願平12−215
640号公報)などの各種の技術提案をなしている。
汚泥貯留槽に亜硝酸塩を添加して、貯留槽内及びその汚
泥の脱水工程での硫化水素、メチルメルカプタンなどの
臭気発生を防止する方法であって、これを実設備に適用
し、好成績を得ることができたが、亜硝酸塩を継続使用
する間にその効果が次第に低下してしまうという課題に
直面した。このため、臭気発生防止効果を維持するため
には、亜硝酸塩の添加量を亜硝酸塩の適用を開始した初
期の2倍以上に増やさねばならない場合も生じ、それで
も臭気発生防止効果が不十分な場合があった。
の一般的且つ当然とされる薬剤添加方法である「汚泥の
流入量に併せて比例的に又は連続的に薬剤を添加する」
方法を根本的に見直し、薬剤の添加を、1日に数回の頻
度で集中的に添加することにより、薬剤として用いる亜
硝酸塩の汚泥による分解速度の上昇が防止され、さらに
は減少し、結果として臭気発生防止効果が極めて優れ、
薬剤使用量も削減できる効果的な添加方法を発見するに
至った。
によると、前述の課題は以下の現象に基づくものである
ことが判明した。汚泥に亜硝酸塩を添加した場合、亜硝
酸塩は汚泥中で亜硝酸イオンとなり、まず、汚泥中の還
元性物質と亜硝酸イオンが反応し、亜硝酸イオンは急速
に消費される。この反応に伴い、汚泥中の還元性物質も
消費され、およそ1時間程度で還元性物質はほぼ完全に
消費される。この後、亜硝酸イオンは微生物によって徐
々に分解される。汚泥の種類によっても異なるが、還元
性物質による亜硝酸イオンの消費速度はおよそ50mg
/L・hr程度で、初期の1時間以後は殆ど消費されな
い。また、微生物活動による亜硝酸イオンの消費速度は
10〜20mg/L・hr程度である。ところが、微量
の亜硝酸塩を連続的に供給すると、汚泥の亜硝酸イオン
分解能力が経時的に増加し、所謂馴化現象を生ずる。こ
れは、汚泥中の微生物が亜硝酸イオンに対する耐性を増
し、或いは特に亜硝酸イオン分解能に優れ、耐性も大き
な微生物種が増殖したためと推察される。このような馴
化現象により、微生物による亜硝酸イオンの消費速度は
徐々に増大し、30mg/L・hr以上に、場合によっ
ては50mg/L・hrを越える場合もでてくる。この
ような亜硝酸イオンの消費速度の増大は、汚泥の平均滞
留時間が24hr程度と長い場合に顕著に起き、6hr
程度以下の短い場合は不明瞭であることも、前述の推察
を示唆する。
数回の頻度で集中的に添加すると、汚泥中の微生物は一
時的に高濃度の亜硝酸イオンに曝されるので、微生物は
ダメージを受け、亜硝酸イオンの分解速度を大幅に低下
させることができる。この後は、亜硝酸塩の添加を中
止、またはその添加量を少なくしても、その分解量が少
ないため、汚泥中に亜硝酸イオンが残留し易くなり、臭
気防止処理にとって好循環の状態にできる。したがっ
て、亜硝酸イオンの亜硝酸塩添加終了後1時間以後の消
費速度が低いレベル(10mg/L・hr未満、好まし
くは2〜8mg/L・hr未満)になるように集中添加
時の亜硝酸塩の添加を調整する必要があり、これは、各
集中添加終了時から1時間経過後の汚泥貯留槽の汚泥の
残留亜硝酸イオン濃度が高いレベル(20mg/L以
上)に保持されていることを管理することによって達成
される。
汚泥に亜硝酸塩を添加して汚泥からの臭気の発生を防止
する方法であって、汚泥への亜硝酸塩の添加を断続的に
添加するとともに、各断続添加終了時から1時間経過後
の汚泥貯留槽の汚泥の残留亜硝酸イオン濃度が20mg
/L以上であることを特徴とする臭気発生防止方法、
(2)汚泥貯留槽の汚泥に亜硝酸塩を添加して汚泥から
の臭気の発生を防止する方法であって、汚泥への亜硝酸
塩の添加を高添加量で行う高添加工程と、汚泥への亜硝
酸塩の添加を低添加量で行う低添加工程との二つの工程
とを備え、前記高添加工程と前記低添加工程とを交互に
繰り返すとともに、前記高添加工程が終了してから1時
間経過後の汚泥の残留亜硝酸イオン濃度が20mg/L
以上であることを特徴とする臭気発生防止方法、を提供
するものである。また、前記第(2)項記載の発明を実
施するための好ましい態様として、(3)高添加工程の
1日当たりの亜硝酸塩の添加量の和と、1日当たりの総
亜硝酸塩の添加量との比が2/3〜1であることを特徴
とする臭気発生防止方法、を提供するものである。更に
亜硝酸イオンによって馴化された汚泥の臭気発生防止方
法として、(4)汚泥貯留槽の汚泥の平均滞留時間の1
/2以上、亜硝酸塩の添加を休止した後に、上記第
(1)項から第(3)項のいずれかを実施することを特
徴とする臭気発生防止方法、を提供するものである。
としては、一般的な薬注の常識である連続的に添加する
方法、或いは被処理物である汚泥の流入量に対して比例
的に添加する方法ではなく、請求項1に係る発明のよう
に1日の総添加量を例えば1〜12回にわけて断続注入
するか、或いは請求項1に係る発明のように高添加工程
(集中添加)と低添加工程とを交互に繰り返す段差注入
を行う。断続注入は、例えば図1(a)に示すように集
中添加時の添加速度Aの状態と停止時の添加速度0の状
態とが交互に繰り返される方法である。段差注入は、例
えば図1(b)に示すように高添加工程時の添加速度A
の状態と低添加工程時の添加速度B(0<B)の状態と
が交互に繰り返される方法である。図1では、集中添加
時の添加速度Aや間隔は一定であるが、これは変化して
も良い。但し、制御、管理の点から定期的に行うことが
望ましく、このような制御はタイマーを用いることによ
って簡単に実施することができる。
酸塩の特性からは少ない程良いが、回数が少ないと亜硝
酸イオンがなくなり臭気が発生する時間帯が生ずるた
め、対象の処理特性等に併せて設定する。実際には、亜
硝酸塩が添加される汚泥貯留槽の平均滞留時間が長い場
合には添加回数を少なくし、平均滞留時間が短い場合に
は添加回数を増やすことが好ましい。但し、添加回数を
過剰にすることは、その分1回の添加量が小さくなるか
ら、従来の方法(連続的且つ比例的添加)と近似の結果
になり不適切である。具体的な1日当たりの集中添加を
行う回数は、1〜12回であり、より望ましくは汚泥貯
留槽の平均滞留時間、薬注ポンプ能力、汚泥の性状、汚
泥流入、汚泥引き抜きパターンなどにより異なるが、平
均滞留時間24時間で汚泥引き抜きが24時間連続の場
合には2〜5回程度が好ましい。平均滞留時間が12時
間の場合には1日当たり2〜10回が好ましい。
時間)は、添加終了時間から1時間経過後の時点で汚泥
貯留槽内に残留亜硝酸イオン濃度として20mg/L以
上保持できる添加量とすることが重要である。これによ
り、汚泥、正確には汚泥微生物がダメージを受け、亜硝
酸イオンの分解速度が低下し、結果として硫化水素、メ
チルメルカプタンの発生が確実に防止できる。
の残留亜硝酸イオン濃度が20mg/Lを十分上回れ
ば、亜硝酸塩の1回の添加量を下げることもでき、全体
の使用量(総添加量)も削減できる。但し、添加量を下
げすぎると、今度は亜硝酸イオンの分解速度が上昇して
しまい、当該残留亜硝酸イオン濃度が20mg/Lを下
回り、さらにその濃度は順次低下することもある。した
がって、この傾向を確認し、当該残留亜硝酸イオン濃度
が20mg/Lを下回らないように1回の添加量を調整
することが必要である。
工程とを交互に繰り返し行うが、高添加工程の1日当た
りの添加量の和と、1日当たりの亜硝酸塩の総添加量と
の比が2/3〜1とすることが好ましい。
差注入を、自動的に、また汚泥処理状況及び臭気処理効
果に合わせて変更・調整を実施するには、どのような添
加装置及び制御機構を組み合わせて使用しても良いが、
最も簡易な装置及び機構としては、例えばタイマーを使
用して薬注ポンプをON,OFFする方法があげられ
る。また、本発明における亜硝酸塩の添加場所は、汚泥
貯留槽に直接注入するのが一般的であるが、汚泥貯留槽
への送泥ポンプ配管など、汚泥貯留槽以前の工程であれ
ば良く、特に限定されるものではない。また、添加手段
は薬注ポンプで行っても良いし、人手による一括投入、
及びポンプと人手投入の組み合わせでも良く、特に限定
されるものではない。さらに、添加又は添加停止の間隔
は、処理系の運転に合わせた間隔とするが、簡易的には
等間隔とすることができる。
削減し、臭気発生防止効果を安定させることができる
が、対象の汚泥微生物の状況は変化し易く、また汚泥処
理状況も常に一定とすることは難しいため、時として、
汚泥貯留槽内に亜硝酸塩に対する耐性及び分解能力の高
い微生物が増加すること(馴化現象)がある。このよう
な場合、亜硝酸塩の1回の添加量を増やす方式でも対応
できるものの、最も効果的な方法は、請求項3に示すよ
うに汚泥の平均滞留時間の1/2以上、好ましくは平均
滞留時間の1〜3倍の期間、亜硝酸塩の添加を停止し、
汚泥貯留槽の馴化した汚泥を亜硝酸イオン耐性のない汚
泥に入れ替えてから亜硝酸塩の断続注入又は段差注入を
実施することにより、速やかに臭気発生防止効果を回復
させることができる。
生防止方法を併用しても良い。例えば汚泥のpH調整を
行うようにしても良いし、亜硝酸塩とともに亜硫酸塩又
は亜硫酸水素塩又はソルビン酸、或いは有機系静菌剤な
どを併用するようにしても良い。
泥(平均滞留時間24hr)を別途に採取し、全固形物
濃度(TS)測定の後、厚木市市水により正確にTS
2.5%に調整し、これを50:50に混合して供試汚
泥とした。試験は14日間実施したので、2.5%に調
整した各汚泥は5℃の冷蔵庫に7日間保管して使用し、
後半の7日間は新たな汚泥を採取し、同様に調整した。
実験フローのように比較例1〜3は亜硝酸塩を連続的に
添加(連続注入)し、図2(b)に示す実験フローのよ
うに実施例1,2はバッチ添加(断続注入)し、実施例
3はバッチ添加と連続注入を併用して添加(段差注入)
した。開始12時間後に汚泥の半量5Lを新しい汚泥に
入れ替え、この繰り返しを14日間行った。亜硝酸塩と
しては亜硝酸ナトリウムを用い、詳細な添加方法は表1
に示した。
項目である。 汚泥入れ替え後(断続注入では汚泥入れ替え後に亜
硝酸塩をバッチ添加してから)1時間経過した後の容器
内汚泥中の残留亜硝酸イオン(NO2 -)濃度を測定し
た。測定結果を「+1hrNO2 -」として表1に記載し
た。 汚泥入れ替え前の汚泥から発生する臭気を、汚泥5
0mLを600ccの容器に採り、1分間十分浸透した
後の気相の硫化水素(H2S)、メチルメルカプタン
(MM)をガス検知管にて測定した。測定結果を「臭
気」として表1に記載した。 汚泥入れ替え前の汚泥中の残留NO2 -濃度を測定し
た。測定結果を「残留NO2 -」として表1に記載した。 の汚泥の残留NO2 -濃度が30mg/Lに満たな
い試料には、亜硝酸塩を30mg/Lになるように追加
し、1時間スターラ撹拌後の残留NO2 -濃度を測定し、
それらより1時間のNO2 -消費量を算出した。結果を
「消費速度」として表1に記載した。
入した実施例1,2,3では、臭気はH2S、MMとも
0ppmであり、14日目のNO2 -の消費速度はそれぞ
れ3,5及び5mg/L・hrと小さいことが確認され
た。これに対し比較例1,2では、14日目のNO2 -の
消費速度が30以上、及び20mg/L・hrと実施例
1〜3の4〜10倍以上となり、馴化が進んでいること
が確認された。そして、比較例1ではH2S、MMが各
200,80ppm発生し、比較例2では実施例1の2
倍の亜硝酸塩添加量にもかかわらず、H2S、MMが各
5,2ppm発生した。このように断続注入又は段差注
入である実施例1〜3と連続注入である比較例1,2と
の明確な相違は、実施例1〜3ではNO2 -の消費速度が
経時で変わらない、若しくは漸減するのに対して、比較
例1,2でははっきりと増加することであり、このため
臭気発生量も経時的に増加する。また、比較例3は断続
注入ではあるが、亜硝酸塩を添加してから1時間経過後
の残留NO2 -が最大(7日目)で12mg/Lであっ
て、本発明における規定濃度20mg/L以上となら
ず、添加する亜硝酸塩の絶対量が不足しているため、所
定の効果が得られなかった。なお、明らかに馴化が進ん
でNO2 -の効果低下が発生した比較例1の14日試験終
了後の汚泥の1/2を新規汚泥に交換し、半日放置後、
実施例1と全く同じ亜硝酸塩注入方法(断続注入)で再
度処理した(実施例4)。結果を表2に示した。
/L・hrで、まだ高く、臭気もあったが、2日目に
は、ほぼ実施例1のNO2 -の消費速度に近い5mg/L
・hrになり、臭気も0ppmになった。
泥を別途に採取し、全固形物濃度(TS)測定の後、厚
木市市水により正確にTS2.5%に調整し、これを5
0:50に混合して前記室内試験1と同様にして使用し
た。
のように設定することが好ましいかの判定を実施した。
汚泥10Lを撹拌機付き容器に採り、図3に示すように
新規汚泥は1時間ごとにタイマーを用いて3L/hrで
20分投入した。1回の新規汚泥の投入量は1Lで、1
日24Lの新規汚泥が投入されるので、容器容量10L
に対して平均滞留時間は10時間になる。比較例4は、
新規汚泥の投入量と時間に併せて新規汚泥に対して12
0mg/Lの濃度で同時間(20分)亜硝酸塩を添加し
た。比較例5は、新規汚泥の投入に対し、2回はそれに
併せて180mg/Lの濃度で同時間(20分)亜硝酸
塩を添加し、それに続く1回は亜硝酸塩を添加しないよ
うにしてそのサイクルを繰り返した。実施例5〜7は、
新規汚泥投入8回、4回、及び2回に1回に亜硝酸塩を
960,480,240mg/Lで20分間添加した。
尚、実施例5〜7、比較例4,5とも、1日の亜硝酸塩
の総添加量は2880mgである。亜硝酸塩としては亜
硝酸ナトリウムを用いた。
塩投入直前の汚泥を採取し、H2S、MMの臭気(表
3)の測定を行った。また、終了後1時間経過後の残留
NO2 -濃度(表4)の測定を行った。さらに、新規汚泥
投入直前の汚泥についてのNO2 -消費速度(表5)の測
定も行った。測定方法は、前記室内試験1と同様であ
る。
れる直前において、実施例5,6では、H2S、MMと
も0ppmであった。また、実施例7では、7日、14
日目で0ppmとなった。これに対し、比較例4,5で
は、全てH2S、MMが発生し、日を追う毎にその値が
増加した。また、表4より明らかなように実施例5〜7
では、亜硝酸塩添加終了後1時間経過時の亜硝酸濃度は
20mg/L以上(実施例7では7日、14日目)であ
り、比較例4,5(亜硝酸塩添加間隔から新規汚泥投入
終了後40分経過時)では6mg/L以下であった。さ
らに、表5より明らかなように14日目のNO2 -の消費
速度は、実施例5〜7の5mg/L・hr程度以下に対
して、比較例4,5は20mg/L・hr程度以上であ
って4倍以上の差があった。
気発生防止、及び貯留槽から汚泥が供給される脱水機で
の臭気発生防止に適用し、当初は良好な処理結果が得ら
れていたが、適用開始半月程度を経過した頃から効果の
低下が見られたため、徐々に亜硝酸ナトリウムの添加率
を増加し、当初の亜硝酸ナトリウムの平均添加率100
mg/Lの2.5倍の250mg/Lの添加率としてい
るが、まだH2S、MMの発生防止は不十分であった。
そこで、本処理場で、実施例の断続注入法を試験した。
留され、ここから1日に引き抜いて脱水機(ベルトプレ
ス)に供給される汚泥量は300m3で平均滞留時間は
24時間である。汚泥貯留槽の貯留汚泥量は水位制御さ
れており、約1時間に1回、12.5m3の濃縮汚泥が
約60m3/hrの速度で、約12分間投入される。本
発明実証前は、汚泥貯留槽に、24時間連続で亜硝酸ナ
トリウム溶液を亜硝酸塩として、3.2kg/hrの添
加速度で連続添加していた。1日当たりの総添加量は7
6.8kg/日で汚泥300m3に対する亜硝酸の平均
添加量は256mg/Lであった。
6:00〜1日目8:00)亜硝酸塩の添加を中止し、
1日目は8:00〜12:00の間、これまでの4倍の
添加速度12.8kg/hrで亜硝酸塩を添加し、亜硝
酸塩濃度が56mg/L(12:00)まで高まったこ
とを確認し、後は添加を停止した。2日目、3日目は、
8:00〜11:00の3時間、及び20:00〜2
3:00の3時間の計6時間、従来の4倍の添加速度の
12.8kg/hrで亜硝酸塩を添加した。この時の1
日当たりの亜硝酸塩の総添加量は76.8kg/日で従
前と同量である。さらに、4〜15日目は、亜硝酸塩の
添加を8:00〜10:00と20:00〜22:00
の計4時間とした。この時の1日の亜硝酸塩の総添加量
は51.2kg/日で従前の2/3である。
0、16:00の汚泥を採取し、それぞれH2S、M
Mの発生量、残留NO2 -濃度、NO2 -の消費速度の
測定を行った。評価方法は前記室内試験1と同様であ
る。また、同時刻にベルトプレス脱水機の凝集汚泥供給
部上のH2S、MMの濃度を測定した。測定結果は、表
6に示した。
連続注入法では、貯留槽汚泥、ベルトプレス脱水機とも
常時、H2S、MMが発生しており、貯留槽汚泥には平
均256mg/Lの亜硝酸塩を添加しているにもかかわ
らず、残留NO2 -濃度の測定値は0mg/Lであった。
また、NO2 -の消費速度は50mg/L・hr以上と非
常に大きかった。1日目は、従来の4倍速度で亜硝酸塩
を4時間添加することで、前述のようにその添加終了時
(12:00)に残留NO2 -濃度56mg/Lまで高ま
り、その1時間経過後(13:00)には残留NO2 -濃
度32mg/Lが検出された。また、一時的ではある
が、貯留槽汚泥及び脱水機におけるH2S、MMを0p
pmとすることができた。しかし、NO2 -の消費速度は
まだ20mg/L程度と大きく、4時間ほど(16:0
0)で残留NO2 -も消失した。2日目は、1日目と同じ
亜硝酸塩の添加速度であったが、残留NO2 -濃度は早期
に上昇し、3時間添加で、その添加終了時(11:0
0)には1日目を上回る残留NO2 -濃度84mg/Lが
検出され、その1時間経過後(12:00)には残留N
O2 -濃度72mg/Lが検出された。その消費速度も1
0mg/L・hr未満になった。この結果、日中のH2
S、MMを0ppmとできたと同時に、最も残留NO2 -
濃度が低下する翌3日目の7:30においても、H
2S、MMの発生が僅かになった。3日目は2日目より
さらに効果が向上し、翌4日目の7:30において初め
て残留NO2 -が検出(16mg/L)され、24時間の
全てに亘って、完全にH2S、MMの発生を防止できた
と判断された。4日目以降は、亜硝酸塩の添加時間を2
時間とし、添加時間も総添加量も2日、3日目の2/3
に減少させたが、15日目までの測定で、24時間の
間、H2S、MMを0ppmとできたと判断される結果
を得た。
来の一般的な薬剤添加方法である「汚泥の流入量に合わ
せて、比例的又は連続的に添加する」方式で行うこと
は、当初は所定の効果が得られるものの、次第に必要な
亜硝酸塩の量が増大し、不適切になるが、本発明の臭気
発生防止方法は、亜硝酸塩の添加を連続でなく断続的に
行うか、或いは段差的に行い、その1時間経過後の残留
亜硝酸イオン濃度を管理することにより、亜硝酸塩の総
添加量は当初のままか或いは削減しても、硫化水素とメ
チルメルカプタンの発生防止効果を安定に発揮でき、こ
れらに起因する悪臭問題、及び硫化水素による電気設備
腐食、硫化水素の生物酸化によって生成する硫酸による
機器腐食を効果的に防止することができる。
生防止効果も低下した汚泥処理系においては、汚泥貯留
槽の汚泥の滞留時間の1/2以上、亜硝酸塩の添加を休
止した後、亜硝酸塩の添加を実施することにより、臭気
発生防止効果を速やかに回復させることができる。
を模式的に示すものであって、本発明における断続注入
の一例を示すグラフ、(b)本発明における段差注入の
一例を示すグラフである。
3の実験フロー、(b)実施例1〜3の実験フローであ
る。
略図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 汚泥貯留槽の汚泥に亜硝酸塩を添加して
汚泥からの臭気の発生を防止する方法であって、汚泥へ
の亜硝酸塩の添加を断続的に添加するとともに、各断続
添加終了時から1時間経過後の汚泥貯留槽の汚泥の残留
亜硝酸イオン濃度が20mg/L以上であることを特徴
とする臭気発生防止方法。 - 【請求項2】 汚泥貯留槽の汚泥に亜硝酸塩を添加して
汚泥からの臭気の発生を防止する方法であって、汚泥へ
の亜硝酸塩の添加を高添加量で行う高添加工程と、汚泥
への亜硝酸塩の添加を低添加量で行う低添加工程との二
つの工程とを備え、前記高添加工程と前記低添加工程と
を交互に繰り返すとともに、前記高添加工程が終了して
から1時間経過後の汚泥の残留亜硝酸イオン濃度が20
mg/L以上であることを特徴とする臭気発生防止方
法。 - 【請求項3】 高添加工程の1日当たりの亜硝酸塩の添
加量の和と、1日当たりの総亜硝酸塩の添加量との比が
2/3〜1であることを特徴とする臭気発生防止方法。 - 【請求項4】 汚泥貯留槽の汚泥の平均滞留時間の1/
2以上、亜硝酸塩の添加を休止した後に、請求項1〜3
のいずれかを実施することを特徴とする臭気発生防止方
法。
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