JP2002174698A - 放射線発光パネル - Google Patents

放射線発光パネル

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JP2002174698A
JP2002174698A JP2000371292A JP2000371292A JP2002174698A JP 2002174698 A JP2002174698 A JP 2002174698A JP 2000371292 A JP2000371292 A JP 2000371292A JP 2000371292 A JP2000371292 A JP 2000371292A JP 2002174698 A JP2002174698 A JP 2002174698A
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radiation
phosphor
emitting panel
reactive silicone
protective film
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JP2000371292A
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Hiroshi Ogawa
博 小川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線発光パネルの縁部被覆を、搬送耐久
性、防汚性、防傷性に優れたものとする。 【解決手段】 蛍光体層12上に保護膜13を有し、蛍光体
層12と保護膜13の端面を含む縁部に縁部被覆14を有する
放射線発光パネル10において、縁部被覆14を膜形成樹脂
と、末端に水酸基またはアミノ基を1つ以上有し数平均
分子量が5000から20000 の反応性シリコーンと、反応性
シリコーンの水酸基またはアミノ基と反応する架橋剤と
を含むものとし、架橋剤により反応性シリコーンを架橋
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を利
用する放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネ
ルや、蛍光体によって透過放射線を可視光および/また
は紫外放射線に変換するためのX線写真用増感スクリー
ン等の放射線発光パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、たとえば特開昭55-12145号に記載されているような
輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が知られてい
る。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換
パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもので、被写
体を透過した、あるいは被検体から発せられた放射線を
パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍
光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系
列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄積され
ている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として放
出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を得、
次いで得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検
体の放射線画像を可視像として再生するものである。読
取りを終えたパネルは、残存する画像の消去が行なわれ
た後、次の撮影のために備えられる。すなわち、放射線
像変換パネルは繰り返し使用される。
【0003】この放射線像変換方法によれば、従来の放
射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放射線写
真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量で
情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利
点がある。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影
ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この
放射線像変換方法では放射線像変換パネルを繰返し使用
するので資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像変換方法に用いられる放射線像変
換パネルは、蛍光体層が自己支持性を有する場合は別と
して、基本的には、支持体とその表面に設けられた蛍光
体層とからなるものである。蛍光体層に含有される蛍光
体はX線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受
けると発光を示す性質を有するものであるから、被写体
を透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、そ
の放射線量に比例して瞬時発光したり、放射蛍光体層に
吸収され蓄積像として保存される。蛍光体が輝尽性の場
合にはこの蓄積像は、励起光を照射することにより輝尽
発光光として放出させることができ、この光を光電素子
で電気信号に変換することにより放射線エネルギーの蓄
積像を画像化することが可能となる。
【0005】輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面してい
ない側の表面)には通常、保護膜が設けられていて、蛍
光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護し
ている。保護膜としては、セルロース誘導体やポリメチ
ルメタクリレートなどのような透明な有機高分子物質を
適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗
布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテ
レフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス
板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の
表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機
化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものな
どが知られている。
【0006】また、一方、放射線像変換パネルの周辺部
には通常、縁部被膜が設けられており、パネル周辺部に
おける物理的衝撃からパネルを保護し、また蛍光体層の
吸湿等によるパネルの劣化を防止している。このような
縁部被膜については、特開平4-2998号、特開平7-140300
号,特許第1473592号、特許第1901716号等に開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記縁部被膜は、放射
線像変換パネルの繰り返し使用が千回以内の場合にはそ
の効果が充分であった。しかし、近年になり、パネルの
繰り返し使用回数が数千回から1万回以上に増加してき
ており、周辺被覆表面が繰り返し他の物体表面と接触す
る結果、表面に汚れが付着したり、擦り傷が付き易くな
り、蛍光体層を防湿から充分に防ぐことが困難となって
きている。このことは、繰り返し使用回数が増加する
と、最終的に得られる放射線像の劣化あるいは、放射線
像に関する画像情報の質の低下をもたらすことを意味す
る。特に、縁部被膜は、放射線像変換パネルの周縁部で
あるため、他の物体との接触が多く、接触による衝撃を
最も強く受けやすい部分であるため、縁部被膜の耐久性
が悪いと、放射線像変換パネル全体の耐久性に大きな影
響を及ぼすこととなる。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、近年の放射線像変換パネルの繰り返し使用回数の増
大にも対応可能な、周辺部被覆の摺動時の耐久性、パネ
ル周辺部の防汚性、防傷性に優れた放射線発光パネルを
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線発光パネ
ルは、蛍光体層上に保護膜を有し、該蛍光体層と該保護
膜の端面を含む縁部に縁部被覆を有する放射線発光パネ
ルにおいて、前記縁部被覆が膜形成樹脂と、末端に水酸
基またはアミノ基を1つ以上有し数平均分子量が 5000
から20000の反応性シリコーンと、前記水酸基または前
記アミノ基と反応する架橋剤とを含み、前記反応性シリ
コーンが前記架橋剤により架橋されていることを特徴と
するものである。
【0010】放射線発光パネルとは、輝尽性蛍光体を含
有する放射線像変換パネルの他、輝尽性でない蛍光体を
用いて透過放射線を可視光および/または紫外放射線に
変換するためのX線写真用増感スクリーンなども含む広
い概念である。
【0011】前記反応性シリコーンは数平均分子量が10
000から15000のものであることがより好ましい。前記反
応性シリコーンは両末端に前記水酸基または前記アミノ
基を少なくとも1つ以上有するものであることが好まし
く、片末端に前記水酸基または前記アミノ基を2つ以上
有するものであることが好ましく、さらには、片末端に
前記水酸基のみを2つ以上有するものであることが好ま
しい。
【0012】前記反応性シリコーンは前記膜形成樹脂に
対して 0.1から20重量%含まれていることが好ましく、
0.5〜10重量% 含まれていることがより好ましい。
【0013】前記架橋剤はポリイソシアネートまたはア
ミノ樹脂であることが好ましく、前記ポリイソシアネー
トは無黄変ポリイソシアネートであることがより好まし
い。前記蛍光体は輝尽性蛍光体であってもよい。
【0014】
【発明の効果】本発明の放射線発光パネルは、蛍光体層
と保護膜の端面を含む縁部に設けられた縁部被覆を膜形
成樹脂と、末端に水酸基またはアミノ基を1つ以上有し
数平均分子量が 5000から20000の反応性シリコーンと、
前記水酸基または前記アミノ基と反応する架橋剤とを含
み、反応性シリコーンが架橋剤により架橋されているの
で、防傷性、防汚性に優れた縁部被覆とすることがで
き、耐久性の向上した放射線発光パネルとすることがで
きる。
【0015】すなわち、従来の縁部被覆は、防汚性向上
のため単にバインダーにポリシロキサン骨格オリゴマー
やパーフロロアルキル基含有オリゴマーを含有させただ
けのものであったため、オリゴマーが摺動によって取れ
やすく、摺動耐久性が得られなかったが、本発明の縁部
被覆は、末端に水酸基またはアミノ基を1つ以上有する
反応性シリコーンと、この反応性シリコーンの水酸基ま
たはアミノ基と反応する架橋剤とが分子結合しているの
で、保護膜から保護膜を構成する樹脂や反応性シリコー
ンが脱離しにくく、現在要求されている数千回から1万
回以上の繰り返し使用においても充分な摺動耐久性、防
傷性、防汚性を得ることができる。
【0016】また、反応性シリコーンの数平均分子量を
5000から20000とすることにより、放射線発光パネルの
表面の汚れをエチルアルコール等のアルコールでクリー
ニングしても反応性シリコーンが除去されにくく、防汚
性に強く耐久性も充分な放射線発光パネルとすることが
できる。なお、反応性シリコーンの数平均分子量が1000
0から15000である場合には、さらに搬送耐久性、防汚
性、防傷性を向上させることができる。
【0017】また、反応性シリコーンがその両末端に水
酸基またはアミノ基を少なくとも1つ以上有するもので
ある場合には、架橋剤との反応性や膜形成性樹脂との相
溶性が上がり充分な耐久性が得られる。片末端に水酸基
または前記アミノ基を2つ以上有するものである場合に
は、保護膜表面への配向性が向上して充分な防汚性を得
ることができる。
【0018】また、反応性シリコーンが前記膜形成樹脂
に対して 0.1から20重量%含まれている場合には、縁部
被覆中の分子結合をより密にすることができるため、搬
送耐久性をさらに向上させることが可能となる。
【0019】架橋剤としてポリイソシアネートまたはア
ミノ樹脂を用いる場合には、反応性シリコーンが架橋す
ることにより搬送耐久性がより向上する。特に無黄変ポ
リイソシアネートを用いる場合には経時によって黄変し
にくいので、パネルの外観をより好ましい状態で長期維
持することができる。
【0020】なお、本発明は輝尽性でない蛍光体を用い
て透過放射線を可視光および/または紫外放射線に変換
するためのパネル、例えばX線写真用増感スクリーン等
の蛍光体層の強度や耐久性の向上にも有用であるが、輝
尽性蛍光体を用いた放射線像変換パネルにおいて極めて
有用である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。なお、蛍光体層が自己支持
性がある場合には支持体は必要とされないが、本実施の
形態では放射線発光パネルの一般的な構成である蛍光体
層と支持体と保護膜を有する放射線発光パネルを例にと
って説明する。
【0022】図1は本発明の第一の実施の形態を示す放
射線発光パネルの断面図である。図1に示すように、本
発明の放射線発光パネル10は、支持体11の上に蛍光体層
12が積層され、蛍光体層12の上にさらに保護膜13が積層
されており、支持体11と蛍光体層12と保護膜13の端面を
含む縁部が縁部被覆14によって封止されているものであ
る。
【0023】次に本発明の放射線発光パネルの各層につ
いて、蛍光体層、支持体、保護膜、縁部被覆の順にさら
に詳細に説明する。まず、本発明の放射線発光パネルの
蛍光体層の蛍光体が輝尽性蛍光体である場合について述
べる。輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある
励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す
蛍光体であることが望ましい。本発明の放射線像変換パ
ネルに用いられる輝尽性蛍光体の例としては、特公平7-
84588号等に記載されている。
【0024】一般式 (M1-f・Mf I)X・bMIIIX3″:cA(I)
で表される輝尽性蛍光体が好ましい。輝尽発光輝度の点
から一般式(I)における Mとしては、Rb,Csおよ
び/またはCsを含有したNa、同Kが好ましく、特にRbお
よびCsから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属が好
ましい。MIII としてはY,La,Lu,Al,GaおよびInか
ら選ばれる少なくとも一種の三価金属が好ましい。X″
としては、F,ClおよびBrから選ばれる少なくとも一種
のハロゲンが好ましい。MIIIX3″の含有率を表すb値は
0≦b≦10-2の範囲から選ばれるのが好ましい。
【0025】一般式(I)において、賦活剤Aとしては
Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Ho,Gd,Sm,TlおよびNaから選ば
れる少なくとも一種の金属が好ましく、特にEu,Ce,S
m,TlおよびNaから選ばれる少なくとも一種の金属が好
ましい。また、賦活剤の量を表すC値は10-6<C<0.1
の範囲から選ばれるのが輝尽発光輝度の点から好まし
い。
【0026】また、さらに以下の輝尽性蛍光体も用いる
ことができる。米国特許第3,859,527号明細書に記載さ
れているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2:Er、およびLa2O2
S:Eu,Sm、
【0027】特開昭55-12142号に記載されている ZnS:C
u,Pb、BaO・xAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、およ
び、MIIO・xSiO2 :A(ただし、MIIはMg,Ca,Sr,Zn,C
d、またはBaであり、AはCe,Tb,Eu,Tm,Pb,Tl,Bi
またはMnであり、xは0.5≦x≦2.5である)、
【0028】特開昭55-12143号に記載されている (Ba
1-X-y ,MgX ,Cay )FX:aEu2+(ただし、X はClおよびBrの
うちの少なくとも一種であり、xおよびyは、0<x+y
≦0.6、かつxy≠0であり、aは、10-6≦a≦5×10-2
ある)、
【0029】特開昭55-12144号に記載されている LnOX:
xA(ただし、LnはLa,Y,Gd、およびLuのうちの少なく
とも一種、XはClおよびBrのうちの少なくとも一種、Aは
CeおよびTbのうちの少なくとも一種、そして、xは、0
<x<0.1である)、
【0030】特開昭55-12145号に記載されている(B
a1-X,M2+ X)FX:yA(ただし、M2+はMg,Ca,Sr,Zn、およ
びCdのうちの少なくとも一種、XはCl,BrおよびIのう
ちの少なくとも一種、AはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,H
o,Nd,YbおよびErのうちの少なくとも一種、そしてx
は0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である)、
【0031】特開昭55-160078号に記載されているMIIFX
・xA:yLn(ただし、MIIはBa,Ca,Sr,Mg,ZnおよびCd
のうちの少なくとも一種、AはBeO,MgO,CaO,SrO,Ba
O,ZnO,Al2O3,Y2O3,La2O3,In2O3,SiO2,TiO2,ZrO
2,GeO2,SnO2,Nb2O5,Ta2O5およびThO2 のうちの少な
くとも一種、LnはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Y
b,Er,SmおよびGdのうちの少なくとも一種、XはCl,B
rおよびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびyは
それぞれ 5×10-5≦x≦0.5、および0<y≦0.2である)
の組成式で表わされる蛍光体、
【0032】特開昭56-116777号に記載されている(Ba
1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウ
ム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,亜鉛
およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素,
臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aはジルコ
ニウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であ
り、a、x、y、およびzはそれぞれ 0.5≦a≦1.25、
0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2
である)の組成式で表わされる蛍光体、
【0033】特開昭57-23673号に記載されている(B
a1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zB(ただし、M II はベリリウ
ム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,亜鉛
およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素,
臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一種であり、a、
x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦
1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)
の組成式で表わされる蛍光体、
【0034】特開昭57-23675号に記載されている(B
a1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウ
ム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,亜鉛
およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素,
臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aは砒素お
よび硅素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、
およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6
≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10-1である)の組成
式で表わされる蛍光体、
【0035】特開昭58-69281号に記載されている MIIIO
X:xCe(ただし、MIIIはPr,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,YbおよびBiからなる群より選ばれる少なく
とも一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのい
ずれか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1
である)の組成式で表わされる蛍光体、
【0036】特開昭58-206678号に記載されているBa1-X
MX/2X/2FX:yEu2+(ただし、MはLi,Na,K,Rbおよ
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
金属を表わし;Lは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,S
m,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,Inおよ
びTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属
を表わし;X は、Cl,BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10
-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わ
される蛍光体、
【0037】特開昭59-27980号に記載のBaFX・xA:yEu2+
(ただし、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンであり;Aはテトラフルオ
ロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6
x≦0.1、yは0<y≦0.1 である)の組成式で表わさ
れる蛍光体、
【0038】特開昭59-47289号に記載されているBaFX・x
A:yEu2+(ただし、Xは、Cl,BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキ
サフルオロケイ酸,ヘキサフルオロチタン酸およびヘキ
サフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩
からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくと
も一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x
≦0.1、yは0<y≦0.1 である)の組成式で表わされ
る蛍光体、
【0039】特開昭59-56479号に記載されているBaFX・x
NaX′:aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、B
r、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよび
aはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)
の組成式で表わされる蛍光体、
【0040】特開昭59-56480号に記載されているMIIFX
・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、MIIは、Ba,SrおよびCaか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金
属であり;X およびX′は、それぞれCl,BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;Aは、V,Cr,Mn,Fe,CoおよびNiより選ばれる少な
くとも一種の遷移金属であり;そして、xは0<x≦
2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z≦10-2であ
る)の組成式で表わされる蛍光体、
【0041】特開昭59-75200号に記載されている MIIFX
・aMIX′・bM′IIX″2・cMIIIX3・xA:yEu2+(ただし、MII
はBa,SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一
種のアルカリ土類金属であり;MI はLi,Na,K,Rbお
よびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属であり;M′IIはBeおよびMgからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の二価金属であり;MIII はAl,Ga,In
およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価
金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl,BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;X′,X″および Xは、F,Cl,BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そし
て、aは0≦a≦2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦
10-2、かつa+b+c≧10-6 であり;x は0<x≦0.5、y
は0<y≦0.2 である)の組成式で表わされる蛍光体、
【0042】特開昭60-84381号に記載されている MII X
2・aMIIX′2:xEu2+(ただし、MIIはBa,Srおよび Caか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金
属であり;XおよびX′はCl,BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつ X≠
X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.
2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、
【0043】特開昭60-101173号に記載されているMIIFX
・aMI X′:xEu2+(ただし、MII はBa,SrおよびCaから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少な
くとも一種のアルカリ金属であり;XはCl,BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;X′はF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaおよびxは
それぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2である)の組成
式で表わされる輝尽性蛍光体、
【0044】特開昭62-25189号に記載されているMI X:x
Bi( ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ金属であり;X はCl,Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組
成式で表わされる輝尽性蛍光体、
【0045】特開平2-229882号に記載のLnOX:xCe(但
し、LnはLa,Y,GdおよびLuのうちの少なくとも一つ、
XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも一つ、xは0<x
≦0.2であり、LnとXとの比率が原子比で0.500<X/Ln≦
0.998であり、かつ輝尽性励起スペクトルの極大波長λ
が550nm<λ<700nm)で表わされるセリウム賦活希土類
オキシハロゲン化物蛍光体、などをあげることができ
る。
【0046】また、上記特開昭60-84381号に記載されて
いるMIIX2・aMIIX′2:xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に
示すような添加物がMIIX2・aMIIX′2 1モル当り以下の割
合で含まれていてもよい。
【0047】特開昭60−166379号に記載されているbM
IX″(ただし、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF,Cl,B
rおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開
昭60-221483号に記載されているbKX″・cMgX2 ・dM
III X′3(ただし、MIII はSc,Y,La,Gdおよび Luか
らなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
り、X″、X およびX′はいずれもF,Cl,BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、
0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c
+dである);特開昭60-228592号に記載されている yB
(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1である);特開昭60
-228593号に記載されている bA(ただし、AはSiO 2 およ
びP2O5からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物
であり、そしてbは10-4 ≦b≦2×10-1 である);特開昭
61−120883号に記載されているbSiO(ただし、bは0<b
≦3×10-2 である);特開昭61−120885号に記載されて
いるbSnX″2 (ただし、X″はF,Cl,BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そ
してbは0<b≦10-3である);特開昭61-235486号に記
載されているbCsX″・cSnX2 (ただし、X″およびX はそ
れぞれF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれ
ぞれ、0<b≦10.0 および10-6≦c≦2×10-2であ
る);および特開昭61-235487号に記載されているbCs
X″・yLn3+(ただし、X″はF,Cl,BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、Lnは
Sc,Y,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb
およびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土
類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦
10.0および10 -6≦y≦1.8×10-1である)。
【0048】上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロ
ピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体およ
びセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体は高輝
度の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明
に用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるも
のではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した
場合に輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであ
ってもよい。
【0049】ただし、本発明に用いられる輝尽性蛍光体
は上述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射
したのちに励起光を照射した場合に輝尽発光を示す蛍光
体であれば特に限定されるものではない。
【0050】また、本発明の放射線発光パネルが、輝尽
性ではない蛍光体を用いて透過性放射線を可視光および
/または紫外放射線に変換するためのパネル、たとえば
放射線増感スクリーンの場合、これに使用される蛍光体
としては、タングステン酸塩系蛍光体(CaWO4 、MgW
O4 、CaWO4 :Pbなど)、テルビウム賦活希土類酸硫化物
系蛍光体(Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、La2O2S:Tb、(Y,Gd)2O
2S:Tb、(Y,Gd)O2 S:Tb,Tmなど)、テルビウム賦活希土
類リン酸塩系蛍光体(YPO4 :Tb、GdPO4 :Tb、LaPO4 :Tb
など)、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体(LaOBr:Tb、LaOBr:Tb,Tm、LaOCl:Tb、LaOCl:Tb,T
m、LaOCl:Tb,Tm、LaOBr:Tb、GdOBr:Tb、GdOCl:Tbな
ど)、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体
(LaOBr:Tm、LaOCl:Tmなど)、硫酸バリウム系蛍光体
(BaSO4 :Pb、BaSO4 :Eu2+、(Ba,Sr)SO4 :Eu2+など)、
2価のユーロピウム賦活アルカリ土類金属リン酸塩系蛍
光体(Ba3 (PO4)2:Eu2+、Ba3(PO4)2 :Eu2+など)、2価の
ユーロピウム賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物
系蛍光体(BaFCl:EU2+、BaFBr:Eu2+,BaFCl:EU2+,Tb、Ba
FBr:Eu2+,Tb、BaF2 ・BaCl2 ・KCl:Eu2+、(Ba・Mg)F2・BaCl
2・KCl:Eu 2+など)、ヨウ化物系蛍光体(CsI:Na、CsI:T
l、NaI、KI:Tlなど)、硫化物系蛍光体(ZnS:Ag、(Zn,C
d)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cu、(Zn,Cd)S:Cu,Alなど)、リン酸
ハフニウム系蛍光体(HfP2O7 :Cuなど)、タンタル酸塩
系蛍光体(YTaO4 、YTaO4 :Tm、YTaO4 :Nb、(Y,Sr)TaO
4-x :Nb、LuTaO4、LuTaO4 :Nb、(Lu,Sr)TaO4-x :Nb、Gd
TaO4 :Tm、Gd2O3・Ta2O5・B2O3:Tbなど)を好ましくあげ
ることができる。但し本発明に用いられる蛍光体はこれ
らに限定されるものではなく、放射線の照射によって可
視または近紫外領域の発光を示す蛍光体であれば使用す
ることができる。
【0051】以下、ここでは、蛍光体層が輝尽性蛍光体
である放射線像変換パネルについて説明する。
【0052】蛍光体層に用いられる結合剤としては、常
温で弾力を持ち、加熱されると流動性を持つようになる
熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。熱可塑性エ
ラストマーとしては、ポリスチレン、ポリオレフィン、
ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジ
エン、エチレン酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、天然ゴ
ム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレ
ン、スチレン−ブタジエンゴム、シリコンゴムなどを好
ましくあげることができる。
【0053】上記の熱可塑性エラストマーは、軟化温度
または融点が 30℃〜300℃であるものが一般的に用いら
れるが、30℃〜200℃ のものを用いることが好ましく、
30℃〜150℃のものを用いることがより好ましい。溶剤
としては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどの低級
アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、などのケトン;酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と
低級アルコールとのエステル;エチレングリコールモノ
プロピルエーテル、などのエーテル;トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、などの炭化水素;および、それら
の混合物をあげることができる。
【0054】塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との
混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光
体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光
体との混合比は、1:1〜1:100(重量比)の範囲から選ば
れ、 1:8〜1:40(重量比)の範囲から選ぶのがより好ま
しい。
【0055】なお、蛍光体層は、発光量やノイズなど画
質を比較的制御しやすく、機械的強度を高めることが容
易なことから、蛍光体を結合剤中に分散させた蛍光体層
が最も多く使用されているが、結合剤を含まないで輝尽
性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、あるいは輝
尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されてい
る蛍光体層などであってもよい。
【0056】次に、放射線像変換パネルを製造する方法
について、蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分散状態で
含有支持する結合剤とからなる場合を例にとって説明す
る。
【0057】まず、蛍光体層は、輝尽性蛍光体と結合剤
とを溶剤に加え、これを充分に混合して、結合剤溶液中
に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製する。次
に、支持体の表面にこの塗布液を均一に塗布することに
より塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手
段、たとえば、ドクターブレード、ロールコーター、ナ
イフコーターなどを用いることにより行なうことができ
る。
【0058】支持体としては、従来の放射線像変換パネ
ルの支持体として公知の材料から任意に選ぶことができ
る。また、支持体と蛍光体層の結合を強化するため、あ
るいは放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質
(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が設
けられる側の支持体表面にゼラチンなどの高分子物質を
塗布して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタン
などの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボ
ンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを
設けることが知られているが、本発明において用いられ
る支持体についても、これらの各種の層を設けることが
できる。それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目
的、用途などに応じて任意に選択することができる。
【0059】さらに特開昭58-200200号 に記載されてい
るように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、
支持体の蛍光体層側の表面(支持体の蛍光体層側の表面
に接着性付与層、光反射層または光吸収層などが設けら
れている場合には、その表面を意味する)に微小凹凸が
形成されていてもよい。
【0060】上記のようにして支持体上に塗膜を形成し
たのち塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の
形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線
像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体と
の混合比などによって異なり、20μm〜1mm程度とする
のが一般的であるが、50μm〜500μmとすることがより
好ましい。
【0061】なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも上記の
ように支持体上に塗布液を直接塗布して形成する必要は
なく、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラスチッ
クシ−トなどのシ−ト上に塗布液を塗布し乾燥すること
により蛍光体層を形成したのち、これを、支持体上に押
圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支持体と蛍
光体層とを接合してもよい。
【0062】保護膜は、たとえば、酢酸セルロース、ニ
トロセルロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリ
メチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、
塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分子物
質のような透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調
製した溶液を、蛍光体層の表面に塗布する方法により形
成することができる。また、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからな
るプラスチックシート、および透明なガラス板などの保
護膜形成用シートを別に形成して、蛍光体層の表面に適
当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成
することができる。
【0063】より好ましくは、保護膜は、膜形成性樹脂
と、末端に水酸基またはアミノ基を1つ以上有し数平均
分子量が 約5000から50000の反応性シリコーンと、反応
性シリコーンの水酸基またはアミノ基と反応する架橋剤
とを含むものであることが好ましい。
【0064】保護膜の形成に用いる膜形成性樹脂の例と
しては、公知の保護膜形成用樹脂である、ポリウレタン
樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロース誘導体、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリエステル樹脂、およびエポキシ
樹脂を好ましくあげることができ、有機溶媒可溶性のフ
ッ素系樹脂であることがより好ましい。フッ素系樹脂
は、フッ素を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の
重合体もしくはフッ素を含むオレフィンを共重合体成分
として含む共重合体で、たとえばポリテトラフルオルエ
チレン、ポリクロルトリフルオルエチレン、ポリフッ化
ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオルエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体およびフルオロ
オレフィン−ビニルエーテル共重合体などを好ましくあ
げることができる。
【0065】フッ素系樹脂は、一般に有機溶媒に不溶で
あるが、フルオロオレフィンを共重合体成分として含む
共重合体は、共重合する他の(フルオロオレフィン以外
の)構成単位によっては有機溶媒可溶性となるため、樹
脂を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層上に
塗布し、乾燥することで容易に保護膜を成膜することが
できる。このような共重合体の例としてはフルオロオレ
フィン−ビニルエーテル共重合体をあげることができ
る。また、ポリテトラフルオロエチレンおよびその変成
体も、パーフルオロ溶媒のような適当なフッ素系有機溶
媒に対して可溶性であるので、上記フルオロオレフィン
を共重合体成分として含む共重合体と同様に、塗布によ
って保護膜を成膜することができる。
【0066】これら有機溶剤に可溶なフッ素樹脂として
具体的には、JSR(株)製:オプスター JN7212、JN720
5、JN7220、ダイキン工業(株)製:ゼッフルLC-930、GK5
10、住友3M(株)製:ダイオニンTHV220、旭硝子(株)
製:ルミフロンLF100、LF200、LF216T、LF400、LF600、
LF810、LF916、LF924、LF946、LF976、LF9010等 を好ま
しくあげることができる。
【0067】なお、保護膜には、上記の他、架橋剤、硬
膜剤、黄変防止剤などが含有されていてもよい。また、
樹脂の強度が増し、反応性シリコーンと架橋剤が反応す
ることにより保護膜としての耐久性も増大するので、フ
ッ素系樹脂を用いる場合には架橋されていることが好ま
しい。また、放射線硬化型のフッ素樹脂を使用して放射
線で架橋してもよい。
【0068】保護膜の形成は、膜形成性樹脂と反応性シ
リコーンと、必要に応じて上記の架橋材等を混合した保
護膜形成用塗布液を、ドクターブレード、ディップコー
ター、スライドコーター、エクストルージョンコーター
などの塗布手段を用いてPETなどの透明支持体上に塗
布・乾燥・硬化した後、接着剤層を保護膜と反対側のP
ET表面に設けて蛍光体表面にラミネートするか、蛍光
体層表面に直接塗布・乾燥・硬化することにより形成す
る。もちろん、この保護膜の形成は同時重層塗布によっ
て、蛍光体層の形成と同時に行なってもよい。
【0069】縁部被覆は、膜形成樹脂と、末端に水酸基
またはアミノ基を1つ以上有し数平均分子量が 5000か
ら20000の反応性シリコーンと、前記水酸基または前記
アミノ基と反応する架橋剤とを含むものである。
【0070】膜形成樹脂としては、保護膜形成用樹脂と
して知られる通常の樹脂を使用することが可能である
が、より耐久性を向上させるため硬化性樹脂であること
が好ましい。たとえば、イソシアネートやアミノ樹脂と
反応可能な基を有する樹脂がより好ましい。また、放射
線像変換パネルの摺動時に縁部被覆が剥がれを防止し、
また縁部被覆のダメージを軽減するため、可撓性を有す
る樹脂であることが好ましい。
【0071】具体的には、塩酢ビ樹脂(塩化ビニル酢酸
ビニル共重合体)、塩化ビニリデン共重合体樹脂、アク
リル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、変性ポリウレタン樹脂、溶剤可溶性フッ素樹脂共重
合体、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂等を好ましくあ
げることができるが、このうち変性ポリウレタン樹脂、
溶剤可溶性フッ素樹脂共重合体を用いることがより好ま
しい。
【0072】反応性シリコーン(シリコーンマクロモノ
マー)は、たとえばジメチルポリシロキサン骨格を有す
るものであって、少なくとも一つ以上の官能基(例、水
酸基、アミノ基)を有するものであり、また数平均分子
量が 5000〜20000の範囲にあることが好ましく、特に10
000〜15000の範囲にあることが好ましい。
【0073】従来、保護膜に用いられる反応性シリコー
ンとしては特許第 2715189号に記載があり、これによる
と好ましい重量平均分子量(Mw)は 3000〜10000である
旨の記載があり、これを数平均分子量(Mn)に換算する
と1000〜5000未満になる(一般的なMnとの比:Mw/Mn=
2〜3で換算)が、この範囲では分子量が低すぎて、パ
ネルのクリーニング時に使用されるアルコールにより反
応性シリコーンが除去されやすい。また、分子結合する
ための水酸基またはアミノ基が含まれていても、数平均
分子量が5000未満では膜形成性樹脂との相溶性が上がっ
てシリコーンが塗膜表面に配列しにくくなったり、汚れ
成分との相溶性が良くなるために防汚性が不充分とな
る。一方、数平均分子量が 20000を越えると膜形成樹脂
や架橋剤との相溶性が悪化したり、水酸基またはアミノ
基が相対的に少なくなるために反応性が低下してシリコ
ーンが脱離しやすくなり摺動耐久性、防傷性を充分に得
ることはできない。
【0074】反応性シリコーンは両末端に水酸基または
アミノ基を少なくとも1つ以上有するか、片末端に2つ
以上有するのが好ましく、より好ましくは片末端に水酸
基またはアミノ基を2つ以上有するものが好ましく、さ
らには片末端に水酸基のみを2つ以上有するものが好ま
しい。
【0075】さらに、反応性シリコーンはパーフロロア
ルキル基を含んでいてもよい。以下本発明に使用するこ
とのできる反応性シリコーンの具体例を示す。これらの
反応性シリコーンはチッソ(株)から商品名:サイラプレ
ン・シリーズとして市販されているのでこれを用いても
よい。具体的には、以下のような反応性シリコーンを用
いることができる。なお、化学式中のnはMnが 5000〜2
0000になるような数を表す。
【0076】FM-04シリーズ
【化1】 FM-0421(Mn=5,000)、FM-0425(Mn=10,000) FM-44シリーズ
【化2】 FM-4421(Mn=5,000)、FM-4425(Mn=10,000) FM-33シリーズ
【化3】 FM-3321(Mn=5,000)、FM-3325(Mn=10,000) FM-DAシリーズ
【化4】 FM-DA21(Mn=5,000)、FMDA-25(Mn=10,000)、FM-DA26(Mn=
15,000) 上記の反応性シリコーンは、上記膜形成樹脂に対して、
0.1〜20重量% 含まれていることが好ましく、0.5〜10
重量% 含まれていることがより好ましい。
【0077】本発明の保護膜に使用する架橋剤としては
ポリイソシアネートまたはアミノ樹脂が好ましい。ポリ
イソシアネートは、経時によって黄変しにくい無黄変型
ポリイソシアネートを使用することがより好ましい。
【0078】無黄変型ポリイソシアネートとしては、日
本ポリウレタン(株):コロネートHL、コロネートHX、住
友バイエルウレタン(株):スミジュールN75、N3200、H
T、デスモジュールN3300、Z4470、E3265、E4280等を好
ましくあげることができる。
【0079】また、アミノ樹脂としては、ヘキサメトキ
シメチロールメラミン等のメラミンやベンゾグアナミン
を好ましくあげることができる。これらの架橋剤として
具体的には、三井サイテック(株):サイメル303等の 30
0シリーズ、サイメル200シリーズ、サイメル700シリー
ズ、サイメル1100シリーズ、マイコート100シリーズ、
マイコート500シリーズ、サイメル1100シリーズ等 を好
ましくあげることができる。なお、縁部被覆は必要によ
っては染料や顔料等で着色されていてもよい。
【0080】縁部被覆は、保護膜が付設された放射線像
変換パネルの側面に縁部被覆塗布液を塗布し、室温で充
分に乾燥した後、室温で経時させて十分硬化する。縁部
被覆の接着性を強化したい場合には、縁部被覆周辺部を
コロナ放電処理やサンドブラスト等の方法で処理するこ
とが好ましい。
【0081】
【実施例】(実施例1)下記のようにして、本発明の放
射線像変換パネルを製造した。まず、蛍光体層形成塗布
液として、蛍光体:BaFBr0.8I0.2:0.001Eu2+ 1000g、
ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製:パン
デックスT5265H)の13% MEK溶液246g、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(シェル化学(株)製:エピコート10
01)の50%MEK溶液30g、ポリイソシアネート(日本ポ
リウレタン(株)製:コロネートHX)3g、着色剤として
群青(第一化成工業(株):SM-1)0.02gをMEK 52gにデ
ィスパーにて3時間分散し、粘度3.5Pa・s(25℃)の塗
布液を調製した。
【0082】この塗布液をシリコーン系離型剤が塗布さ
れているポリエチレンテレフタレートシート(仮支持
体、厚み:180μm)上に乾燥厚が250μmになるようにエ
クストルージョンコーターで塗布、乾燥した後仮支持体
から剥離した。
【0083】次に、下塗層付き支持体を作成した。酸化
ガドリニウム(Gd2O3)の微細粒子(全粒子中の90重量
%の粒子の粒子径が1〜5μmの範囲にあるもの)350g、
結合剤として軟質アクリル樹脂(大日本インキ化学工業
(株):クリスコートP-1018GS(20%トルエン溶液))1800
g、可塑剤としてフタル酸エステル(大八化学(株):#1
0)40g、導電剤としてZnOウィスカー(松下アムテック
(株):パナテトラA-1-1)120g、着色剤として群青(第
一化成工業(株):SM-1)2gをMEKに加え、ディスパーを
用いて分散、溶解して、下塗層形成用塗布液を粘度0.5P
a・s(20℃)に調整し、これをPETシート(東レ製ルミラ
ーS-10 250μm;ヘイズ度(typical)=20、片側にカーボ
ンブラック、シリカ、結合剤からなる遮光層(約18μm)
が設けられているもの)の上に、エクストルージョンコ
ーターを用いて、遮光層とは反対側に均一に塗布した
後、塗膜を乾燥塗布した。このようにして、層厚が20μ
mの下塗層付き支持体を形成した。
【0084】続いて、蛍光体シートと下塗層付き支持体
を重ね合わせ、カレンダーロールを用いて、圧力49MP
a、上側ロール温度75℃、下側ロール温度75℃、送り速
度1.0m/min で連続的に加熱圧縮を行った。この加熱圧
縮により、蛍光体シートは支持体に下塗層を介して完全
に融着し蛍光体層(層厚:210μm)となった。
【0085】次に、保護膜を作製した。シリコーン系ポ
リマー(ポリジメチルシロキサン単位を有するポリウレ
タン;大日精化(株):ダイアロマーSP-3023(15%MEK/ト
ルエン溶液))70g、架橋剤(ポリイソシアネート;大日
精化(株):クロスネートD-70(50%溶液))3g、黄変防止
剤(エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ(株):エピコー
ト#1001(固形))0.6g、滑り剤(チッソ(株):FM-042
5)0.3gを、MEK 15gを分散混合し保護膜用塗布液を調
液した。
【0086】この保護膜塗布液を9μm厚PETフイルム
(東レ(株):ルミラー6-CF53)と、耐熱再剥離フイルム
(PANAC(株):CT50)を貼り合わせて裏打ちした9μm厚P
ETフイルム上にバーコーターで塗布した後、120℃で20
分間 熱処理して乾燥するとともに熱硬化させ、厚さ2μ
mの保護膜を設けた。
【0087】次に、塗布層を設けた9μm厚 PETフイルム
から耐熱再剥離フイルムを剥離し、塗布層と反対側にポ
リエステル樹脂溶液(東洋紡績(株):バイロン30SS)を
塗布・乾燥して接着層(接着剤塗布重量2g/m2 )を設け
た。このPETフイルムを、ラミネートロールを用いて蛍
光体層上に接着層を介して接着して保護膜を形成した。
さらにエンボス機で保護膜にRa0.4μmの粗さのエンボス
を設けた。
【0088】続いて、20μm厚のOPPフイルム(東レ
(株)、トレファンYM-11#20)に、不飽和ポリエステル樹
脂溶液(東洋紡績(株):バイロン30SS)を塗布、乾燥し
て接着層(接着剤塗布重量9g/m2 )を設け、このOPPフ
イルムを、ラミネートロールを用いて、支持体の蛍光体
層が設けられている側とは反対側(遮光層側)に、接着層
を介して接着しBack保護層を形成した。
【0089】最後に、縁部被覆を設けた。フッ素系共重
合体樹脂溶液(旭硝子(株)製:ルミフロンLF504X(30%
キシレン溶液))40g、有機フィラーとしてメラミン-ホ
ルムアルデヒド((株)日本触媒:エポスターS6)28.4
g、分散剤としてアルミカップリング剤(味の素(株):
プレンアクトAL-M)0.5g、MEK 200gを3mmφのジルコニ
アボールを使用したボールミルで20時間分散混合した
後、ルミフロンLF504X(30%キシレン溶液)360gを追加
し、さらに4時間分散した。その後、シリコーンマクロ
モノマー(チッソ(株):FM-0425、Mn=10,000)0.12g、
架橋剤としてポリイソシアネート(住友バイエルウレタ
ン(株):スミジュールN3500(固形分100%))22.2g、触媒
としてジブチルチンジラウレート(共同薬品(株):KS12
60)1.4mg、MEK 800gを追加混合し、塗布液を調整し
た。
【0090】この塗布液を、先に製造した保護膜が付設
された蛍光体シートの各側面に塗布し、プリントサポー
ターPS-1(信光電気計測(株)製:設定電圧13kV)のプロ
ーブを走査速度1m/minで走査して、シート周辺部、保護
膜側表面部をコロナ放電処理後、室温で充分に乾燥し、
経時させて十分硬化して膜厚約25μm の縁部被覆を形成
し、放射線像変換パネルを製造した。
【0091】(実施例2)実施例1の縁部被覆に用いた
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-0425)を
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-4425、Mn=
10,000)に換えた以外は実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
【0092】(実施例3)実施例1の縁部被覆に用いた
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-0425)を
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-3325、Mn=
10,000)に換えた以外は実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
【0093】(実施例4)実施例1の縁部被覆に用いた
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-0425)を
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-DA25、Mn=
10,000)に換えた以外は実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
【0094】(実施例5)実施例1の縁部被覆に用いた
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-0425)を
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-DA26、Mn=
15,000)に換えた以外は実施例1と同様にして放射線像
変換パネルを製造した。
【0095】(実施例6)実施例1の縁部被覆に用いた
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-0425)0.1
2gをシリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-DA2
6、Mn=15,000)0.06gに換えた以外は実施例1と同様に
して放射線像変換パネルを製造した。
【0096】(実施例7)実施例1の縁部被覆に用いた
シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-0425)0.1
2gをシリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-DA2
6、Mn=15,000)0.24gに換えた以外は実施例1と同様に
して放射線像変換パネルを製造した。
【0097】(実施例8)実施例1の縁部被覆塗布液
を、フッ素系共重合体樹脂溶液(旭硝子(株)製:ルミフ
ロンLF504X(30%キシレン溶液))35g、ポリイソシアネ
ート(住友バイエルウレタン(株):スミジュールN3500
(固形分100%))1.5g、黄変防止剤としてエポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ(株):エピコート#1001(固形))
0.6g、シリコーンマクロモノマー(チッソ(株):FM-DA
26、Mn=15,000)0.12g、MEK 15gにより調整した以外は
実施例1と同様にして放射線像変換パネルを得た。
【0098】(実施例9)実施例1の縁部被覆で使用し
た架橋剤に換えて、アミノ樹脂架橋剤サイメル303(三
井サイテック(株))10.5g、触媒として三井サイテック
(株)CAT600を0.3g使用した以外は実施例1と同様にして
放射線像変換パネルを得た。
【0099】(比較例1)実施例1の縁部被覆のシリコ
ーンマクロモノマーに換えてアルコール変性シリコーン
(信越化学(株):X-22-2809(66%キシレン含有ペース
ト))0.2gを使用した以外は同様にして放射線像変換パ
ネルを得た。
【0100】(比較例2)実施例1の縁部被覆でシリコ
ーンマクロモノマーを使用しなかった以外は同様にして
放射線像変換パネルを得た。
【0101】(評価実験) 1.マジック防汚性 縁部被覆表面に黒マジックで線を引き、乾燥後キムワイ
プで乾拭きしマジック線の消去程度を観察し、以下の3
段階で評価した。 A:線の残り無し B:半分程度残り有り C:全面残り有り
【0102】2.摺動後マジック防汚性 縁部被覆上で3cm×4cmに切断した不織布(出光石油化学
(株)製:ストラテック)に0.98N の加重をかけて30万回
往復摺動させた。摺動後の保護膜表面に黒マジックで線
を引き、乾燥後キムワイプで乾拭きしてマジック線の消
去程度を摺動前、摺動後のそれぞれにおいて観察し、以
下の3段階で評価した。 A:線の残り無し B:半分程度残り有り C:全面残り有り
【0103】3.擦り傷 摺動後の保護膜表面の防傷性を以下の3段階で評価し
た。 A:擦り傷の発生は殆どなし B:擦り傷が多少発生したが、実用上において問題のな
い程度 C:擦り傷の発生が非常に多い
【0104】結果を表1に示す。
【0105】
【表1】 以上の実験結果から明らかなように、アルコール変性シ
リコーンを用いた縁部被覆(比較例1)は、摺動前の防
汚性はよかったものの、摺動後の防汚性、防傷性は悪か
った。これは縁部被覆内で分子結合が形成されていない
ために、摺動によって膜形成樹脂等が剥がれ、摺動耐久
性、防汚性が得られなかったためと考えられる。一方、
反応性シリコーンを用いなかった比較例2では摺動前で
あっても防汚性が得られなかった。
【0106】これに対して本発明の縁部被覆は、反応性
シリコーンと架橋剤とが分子結合を形成しているため、
縁部被覆を形成する膜形成樹脂や反応性シリコーン等が
取れにくく、パネル周辺部被覆の摺動時の耐久性、パネ
ル周辺部の防汚性、防傷性が飛躍的に向上した。
【0107】なお、実施例は放射線像変換パネルについ
てのものであるが、輝尽性でない蛍光体を用いて透過放
射線を可視光および/または紫外放射線に変換するため
のパネル、例えばX線写真用増感スクリーン等、繰り返
して使用されパネル表面の汚れやキズが問題になる場合
の保護膜にも極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す放射線発光パ
ネルの断面図
【符号の説明】
10 放射線発光パネル 11 支持体層 12 蛍光体層 13 保護膜 14 縁部被覆

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体層上に保護膜を有し、該蛍光体層
    と該保護膜の端面を含む縁部に縁部被覆を有する放射線
    発光パネルにおいて、前記縁部被覆が膜形成樹脂と、末
    端に水酸基またはアミノ基を1つ以上有し数平均分子量
    が 5000から20000の反応性シリコーンと、前記水酸基ま
    たは前記アミノ基と反応する架橋剤とを含み、前記反応
    性シリコーンが前記架橋剤により架橋されていることを
    特徴とする放射線発光パネル。
  2. 【請求項2】 前記反応性シリコーンの数平均分子量が
    10000から15000であることを特徴とする請求項1記載の
    放射線発光パネル。
  3. 【請求項3】 前記反応性シリコーンが両末端に前記水
    酸基または前記アミノ基を少なくとも1つ以上有するも
    のであることを特徴とする請求項1または2記載の放射
    線発光パネル。
  4. 【請求項4】 前記反応性シリコーンが片末端に前記水
    酸基または前記アミノ基を2つ以上有するものであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の放射線発光パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記反応性シリコーンが片末端に前記水
    酸基のみを2つ以上有するものであることを特徴とする
    請求項4記載の放射線発光パネル。
  6. 【請求項6】 前記反応性シリコーンが前記膜形成樹脂
    に対して 0.1から20重量%含まれていることを特徴とす
    る請求項1から5いずれか1項記載の放射線発光パネ
    ル。
  7. 【請求項7】 前記反応性シリコーンが前記膜形成樹脂
    に対して 0.5から10重量%含まれていることを特徴とす
    る請求項6記載の放射線発光パネル。
  8. 【請求項8】 前記架橋剤がポリイソシアネートまたは
    アミノ樹脂であることを特徴とする請求項1から7いず
    れか1項記載の放射線発光パネル。
  9. 【請求項9】 前記ポリイソシアネートが無黄変ポリイ
    ソシアネートであることを特徴とする請求項8記載の放
    射線発光パネル。
  10. 【請求項10】 前記蛍光体が輝尽性蛍光体であること
    を特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の放射線
    発光パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016133346A (ja) * 2015-01-16 2016-07-25 浜松ホトニクス株式会社 放射線像変換パネル

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