JP2002174607A - 電気電子機器の保守装置および保守方法 - Google Patents

電気電子機器の保守装置および保守方法

Info

Publication number
JP2002174607A
JP2002174607A JP2000372571A JP2000372571A JP2002174607A JP 2002174607 A JP2002174607 A JP 2002174607A JP 2000372571 A JP2000372571 A JP 2000372571A JP 2000372571 A JP2000372571 A JP 2000372571A JP 2002174607 A JP2002174607 A JP 2002174607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
electric
corrosive gas
characteristic curve
electronic device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000372571A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Morita
篤 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2000372571A priority Critical patent/JP2002174607A/ja
Publication of JP2002174607A publication Critical patent/JP2002174607A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器の予測寿命の精度を高め、信頼性の
高い電気電子機器の保守装置および保守方法を提供す
る。 【解決手段】 溶存槽中の腐食性ガスの濃度を所定期間
毎に定量化してそれぞれ濃度積算データとして蓄積し、
これら濃度積算データを用いて濃度変化率を算出し、濃
度変化率が予め定められた許容濃度変化率を越える場合
に電気電子機器の寿命間近と判断し、電気電子機器が寿
命間近であると通知するような保守装置および保守方法
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気電子機器の保
守装置および保守方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気電子機器の保守について、従来では
事後保全または余寿命の予測などによる保守方法が採用
されていた。事後保全とは、故障率が規格値を越えた段
階で、電気電子機器の部品または本体を取り替えるとい
う保守方法である。また、余寿命の予測とは、電気電子
機器の設置環境における温度、湿度、雰囲気中の腐食性
ガスを短時間(数時間程度)にわたり測定して得た測定
値(瞬時値)および金属部の腐食量、電解コンデンサの
樹脂封止部のひび割れ長などの劣化量実測値を、長時間
(数ヶ月から数年)隔てて計測し、これら測定値と劣化
量との相関を取り、劣化進行の予測曲線を導き出し、劣
化量が許容劣化量を超える時間から余寿命を予測して故
障発生前に部品・本体を取り替えるという保守方法であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記保守方法のうち余
寿命の予測による保守方法では、電気電子機器の部品・
本体を寿命まで使用したいという要望からも余寿命の予
測精度が高いことが望ましい。しかしながら、従来の余
寿命の予測では、温度、湿度および雰囲気中の腐食性ガ
ス濃度を数年間を隔てて数回しか測定を行わないという
ものであり、しかもその積算量が該電気電子機器の劣化
や故障率に大きな影響を与えるにもかかわらず、積算量
ではなく瞬時値で予測を行っていた。このため、従来の
予測により得られる予測余寿命はかなり精度の低いもの
であり、場合によっては、電気電子機器の劣化が完全に
進行して寿命が過ぎたあとで測定し、寿命を過ぎている
ことが判明することすらあり得る。
【0004】このような問題について、図8を参照しな
がらさらに詳しく説明する。従来技術では時間t
10 、t11 、t12でのみ測定し、その間T(例え
ば数ヶ月など)は測定を行っていない。また、時間t
10では腐食性ガス濃度はR(図8中の丸印)であ
り、時間Tを隔てた時間t11では腐食性ガス濃度はR
であるものとする。時間t10 、t11 間のように
腐食性ガス濃度の発生量の変化が少ない場合には、劣化
量実測値(図8中の星印)も緩やかに増大する。これら
腐食性ガス濃度の特性曲線を用いて相関を取り、劣化量
実測値の二点を通る直線を今後の推定劣化量特性線(図
8中の点線)として算出する。この推定劣化量特性線と
許容劣化量(図8中の一点鎖線)とが交差する時間t
13は寿命に達したと判断される時間であり、このt
11の時点では電気電子機器の寿命は時間はt13であ
るものと予測される。
【0005】しかし、時間t11以降にこの電気電子機
器の設置環境雰囲気で腐食性ガスが大量に発生して腐食
性ガス濃度がRまで増大した場合、劣化量実測値も大
きく変化し、先に推定した許容劣化量を越える時間t
13よりも早い時間t14にて許容劣化量を越えて寿命
に達してしまう。その腐食性ガス濃度の変化は時間t
,t11の変化率からは予測できず、時間t11から
時間Tを隔てた時間t で測定をおこなった時には、
既に寿命である時間t14を過ぎた、すなわち該電気電
子機器の寿命を過ぎている状態である。このように、従
来では予測寿命が正確でない場合があり、寿命の予測精
度の改善が必要であった。
【0006】また、特開平5−172774号公報によ
れば、腐食性ガスの検出の従来技術の一例が開示されて
いる。この従来技術では、ハロゲン含有ポリマー材(例
えば、ポリ塩化ビニルなど)の絶縁被覆の熱劣化により
ハロゲン化水素ガス(例えば、塩化水素(HCl))の
ような腐食性ガスが発生するという雰囲気下で、電気電
子機器の設置環境に検知体を配置し、腐食性ガスにより
腐食した検知体の電気抵抗値の変化から劣化状況を検出
するというものである。
【0007】しかしながら、先行技術では検知体の腐食
により電気抵抗値は変化するものの、寿命の予測には適
用困難なものであった。例えば検知体が全体にムラなく
腐食するような場合は問題がないが実際には検知体の一
部しか腐食しないような場合もあって電気抵抗の変化に
は再現性がなく、電気機器の寿命に相当するとされた電
気抵抗値になって寿命であると予測しても実際の寿命と
はずれているような場合が起こりうる。また、検知体以
外に、検知体に接続されるリード線等も腐食性ガスにさ
らされて腐食するため、この点からも予測寿命と実際の
寿命とはずれるような場合が起こりうる。このように従
来技術では予測はおろか現在の電気電子機器の状態と異
なる判断をする恐れもあり、誤検出を少なくして電気電
子機器の状態を精度良く検出する保守装置・保守方法が
希求されていた。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、電子機器の予測寿命の精度
を高め、信頼性の高い電気電子機器の保守装置および保
守方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】予測精度を高めるため、
本発明では、腐食性ガスを水溶液中に溶かして、水溶液
の電気伝導度を計測して腐食性ガスを正確に計測するこ
ととしている。例えば、従来技術でも取り上げられた腐
食性ガスである塩化水素は、水に溶けやすく水溶液中に
電解質として溶存することが知られている。発生した腐
食性ガスが水溶液中に溶けて発生量に応じて電解質イオ
ン濃度が増大して電気伝導度に反映される。従来技術の
検知体のように腐食状態のばらつきということがなくな
り、正確な濃度検出が可能となる。また、腐食性ガスは
水溶液中に溶存させるため、リード線など予想外の箇所
が腐食する事態も回避され、より正確な濃度検出が可能
となる。
【0010】上記のような課題を解決する請求項1記載
の発明である電気電子機器の保守装置は、電気電子機器
の設置環境で発生した腐食性ガスが溶存する水溶液の電
気伝導度を検出する伝導度検出センサと、該伝導度検出
センサから検出された電気伝導度を腐食性ガスの濃度に
換算する電子計算機と、を備える電気電子機器の保守装
置であって、該電子計算機は、腐食性ガスの濃度を所定
期間毎に定量化してそれぞれ濃度積算データとして蓄積
し、該濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸とする濃
度特性曲線に基づいてある時間における濃度変化率を算
出し、該濃度変化率が予め定められた許容濃度変化率を
越える場合に電気電子機器の寿命間近と判断し、前記電
気電子機器が寿命間近であると通知することを特徴とす
る。
【0011】また、請求項2に記載の発明である電気電
子機器の保守装置は、電気電子機器の設置環境で発生し
た腐食性ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出する
伝導度検出センサと、該伝導度検出センサから検出され
た電気伝導度を腐食性ガスの濃度に換算する電子計算機
と、を備える電気電子機器の保守装置であって、該電子
計算機は、腐食性ガスの濃度を所定期間毎に定量化して
それぞれ濃度積算データとして蓄積し、前記電気電子機
器の本体または部品の劣化量実測値を劣化量データとし
て蓄積し、前記濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸
とする濃度特性曲線を算出し、前記劣化量データを縦軸
とし、時間を横軸とする劣化量特性曲線を算出し、前記
濃度特性曲線と前記劣化量特性曲線との相関をとって推
定劣化量特性曲線を算出し、該推定劣化量特性曲線が予
め定められた許容劣化量と交差する場合の時間を電気電
子機器の推定寿命と判断し、前記電気電子機器の推定寿
命を通知することを特徴とする。
【0012】また、請求項3に記載の発明である電気電
子機器の保守装置は、電気電子機器の設置環境で発生し
た腐食性ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出する
伝導度検出センサと、該伝導度検出センサから検出され
た電気伝導度を腐食性ガスの濃度に換算する電子計算機
と、を備える電気電子機器の保守装置であって、該電子
計算機は、腐食性ガスの濃度を所定期間毎に定量化して
それぞれ濃度積算データとして蓄積し、前記電気電子機
器の本体または部品の故障率実測値を故障率データとし
て蓄積し、前記濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸
とする濃度特性曲線を算出し、前記故障率データを縦軸
とし、時間を横軸とする故障率特性曲線を算出し、前記
濃度特性曲線と前記故障率特性曲線との相関をとって推
定故障率特性曲線を算出し、該推定故障率特性曲線が予
め定められた許容故障率と交差する場合の時間を電気電
子機器の推定寿命と判断し、前記電気電子機器の推定寿
命を通知することを特徴とする。
【0013】また、請求項4に記載の発明である電気電
子機器の保守装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項
に記載した電気電子機器の保守装置において、電気電子
機器の設置環境雰囲気の温度を計測する温度センサと、
電気電子機器の設置環境雰囲気の湿度を計測する湿度セ
ンサと、を備え、前記電子計算機は、温度が予め定めら
れた温度許容量を越えた場合、または、湿度が予め定め
られた湿度許容量を越えた場合に前記電気電子機器の異
常を通知することを特徴とする。
【0014】また、請求項5に記載の発明である電気電
子機器の保守方法は、電気電子機器の設置環境で発生し
た腐食性ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出し、
該電気伝導度を腐食性ガスの濃度に換算し、腐食性ガス
の濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃度積算デー
タとして蓄積し、該濃度積算データを縦軸とし、時間を
横軸とする濃度特性曲線に基づいてある時間における濃
度変化率を算出し、該濃度変化率が予め定められた許容
濃度変化率を越える場合に電気電子機器の寿命間近と判
断し、前記電気電子機器が寿命間近であると通知するこ
とを特徴とする。
【0015】また、請求項6に記載の発明である電気電
子機器の保守方法は、電気電子機器の設置環境で発生し
た腐食性ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出し、
該電気伝導度を腐食性ガスの濃度に換算し、腐食性ガス
の濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃度積算デー
タとして蓄積し、電気電子機器の本体または部品の劣化
量実測値を劣化量データとして蓄積し、前記濃度積算デ
ータを縦軸とし、時間を横軸とする濃度特性曲線を算出
し、前記劣化量データを縦軸とし、時間を横軸とする劣
化量特性曲線を算出し、前記濃度特性曲線と前記劣化量
特性曲線との相関をとって推定劣化量特性曲線を算出
し、該推定劣化量特性曲線が予め定められた許容劣化量
と交差する場合の時間を電気電子機器の推定寿命と判断
し、前記電気電子機器の推定寿命を通知することを特徴
とする。
【0016】また、請求項7に記載の発明である電気電
子機器の保守方法は、電気電子機器の設置環境で発生し
た腐食性ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出し、
該電気伝導度を腐食性ガスの濃度に換算し、腐食性ガス
の濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃度積算デー
タとして蓄積し、電気電子機器の本体または部品の故障
率実測値を故障率データとして蓄積し、前記濃度積算デ
ータを縦軸とし、時間を横軸とする濃度特性曲線を算出
し、前記故障率データを縦軸とし、時間を横軸とする故
障率特性曲線を算出し、前記濃度特性曲線と前記故障率
特性曲線との相関をとって推定故障率特性曲線を算出
し、該推定故障率特性曲線が予め定められた許容故障率
と交差する場合の時間を電気電子機器の推定寿命と判断
し、前記電気電子機器の推定寿命を通知することを特徴
とする。
【0017】また、請求項8に記載の発明である電気電
子機器の保守方法は、請求項4〜請求項7の何れか1項
に記載した電気電子機器の保守方法において、温度およ
び湿度を計測し、温度が予め定められた温度許容量を越
えた場合、または、湿度が予め定められた湿度許容量を
越えた場合に前記電気電子機器の異常を通知することを
特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の電気電子機器の保守装置
および保守方法の第1実施形態について説明する。図1
は本実施形態の構成図である。本実施形態は、雰囲気中
の温度を測定する温度センサ1、雰囲気中の湿度を測定
する湿度センサ2、雰囲気中の腐食性ガス濃度を測定す
る腐食性ガスセンサ3、およびこれらセンサからデータ
を収集蓄積し、余寿命の検出・予測を行う電子計算機4
を備える。
【0019】温度センサ1、湿度センサ2および腐食性
ガスセンサ3は、電子計算機4とそれぞれ電気的に接続
されている。各センサーから出力される信号はセンサI
/O4Aを通じて電子計算機4に取り込まれ、変換部4
Bにおいて電子計算機4内で演算可能なデータ形式に変
換される。変換されたデータは積算部4Cに蓄積され
る。積算部4Cは、例えば、ハードディスクなどの媒体
用の記録再生装置である。
【0020】計算部4Dは、この蓄積されたデータを用
いて、各種演算を行う。なお、演算については後に詳述
するが、余寿命の算出に用いられる各種変化率の算
出、劣化量特性曲線の推定、または、故障率特性曲
線の推定等をおこなう。設定部4Eでは、各種の許容
変化率、許容劣化量、または、許容故障率の設定を
行うようになされている。比較部4Fでは、算出され
た変化率と許容変化率を比較したり、劣化量特性曲線
と許容劣化量とを比較したり、または、故障率特性曲
線と許容故障率とを比較したりする。なお、これら算
出、推定および比較についても後述する。
【0021】アラーム出力部4Gでは、比較部4Fにお
ける比較で許容量を超えると判断されるような場合にア
ラームを出力するようになされている。ここにアラーム
は、音声・表示による警告など各種形態が可能であり、
保守の実状に応じて適宜設計・選択することが可能であ
る。本実施形態の保守装置はこのように構成されてい
る。
【0022】続いて、腐食性ガスセンサ3の構成につい
て説明する。図2は腐食性ガスセンサの説明図であり、
図2(a)はその構成図、図2(b)は検出特性を説明
する特性図である。先に説明したように本発明では、腐
食性ガスを水溶液中に溶存させ、この電気伝導度を計測
することで腐食性ガスの濃度を計測する。
【0023】腐食性ガスセンサ3は、具体的には図2
(a)で示すように、溶媒として水などが注入された溶
存槽3aと、腐食性ガスの吸気口となる吸気パイプ3b
と、腐食性ガスを吸気する吸気ポンプ3cと、腐食性ガ
ス以外の気体を溶存槽3a中から放出する排気パイプ3
dと、気体中の湿気を吸湿するエアドライヤ3eと、水
溶液に溶存する電解質による電気伝導度を検出する伝導
度検出センサ3fが設けられている。
【0024】吸気ポンプ3cの吸引力により吸気パイプ
3bを介して吸気された設置環境雰囲気における腐食性
ガスを含む気体は、水に晒される。先に説明した塩化水
素(HCl)のような腐食性ガスは水に溶けて溶解しや
すいため、水溶液中に溶存させることが容易であり、今
までに発生した腐食性ガスを貯めて水溶液中で溶存させ
て電気伝導度を計測することで、その時点における水溶
液中に溶存される腐食性ガスの積算値を得ることを可能
とするものである。
【0025】そして、気泡が溶存槽3aの上方へ到達し
て、腐食性ガス以外の気体が排気パイプ3dから排気さ
れる。この場合、気体は湿気を含むため、気体を乾燥さ
せるエアドライヤ3eを通過させて、乾燥気体とした上
で排気し、設置環境雰囲気に過剰な湿気を与えないよう
に配慮される。腐食性ガスセンサ3はこのように構成さ
れる。
【0026】このような腐食性ガスセンサ3は、発生す
る大部分の腐食性ガスを水溶液中に溶存させる形で貯め
ることとなる。図2(b)は腐食性ガスの一例である塩
化水素の水溶液中の濃度の平方根と電気伝導度との関係
を示す特性図であり、一般的に知られているものであ
る。この特性図によれば濃度が増大するにつれて電気伝
導度が下がる特性を示しており、濃度の増減が確実に電
気伝導度に反映するため、濃度の積算量の正確な計測を
行うことができる。伝導度検出センサ3fにより検出さ
れた電気伝導度は電子計算機の変換部4Bで腐食性ガス
の濃度を表すデジタルデータに換算されることとなる。
【0027】続いて電子計算機4による余寿命の検出・
予測について説明する。まず、濃度積算データの変化率
から寿命を検出する方法について説明する。電子計算機
4の積算部4Cには数分間隔で長期間にわたり蓄えられ
た濃度積算データが登録されている。濃度積算データ
は、図3の濃度積算データの特性図で示すように、変化
率が増大する傾向を示している。
【0028】tの時点で、電子計算機4の計算部4D
が、tからtまでの期間の濃度変化率Δ1を算出す
る。そして、比較部4Fにおいて、計算部4Dで算出し
た濃度変化率Δ1と設定部4Eで設定された許容濃度変
化率とを比較して濃度変化率Δ1が許容濃度変化を下回
るならば、アラーム出力部4Gへは信号が出力されるこ
とはない。
【0029】続いてtの時点で、tからtまでの
期間の濃度増加率Δ2を算出する。そして、比較部4F
において、計算部4Dで算出した濃度変化率Δ2と設定
部4Eで設定された許容濃度変化率とを比較して許容濃
度変化率を上回るならば、腐食性ガスの発生が著しい状
態であるとして、アラーム出力部4Gへ出力がなされ、
アラーム出力部4Gにより警報が発せられることとな
る。このような構成として腐食性ガスを常に監視するこ
とで、現時点における電気電子機器の設置環境の重篤な
変化に対してアラームを各種手段(通信、音声・表示に
よる警報)により自動的にユーザーに通知する。
【0030】また、許容濃度が判明している場合、余寿
命を推定することができる。この点を図4を用いて説明
する。図4は、濃度積算データの特性を用いる余寿命の
予測を説明する説明図である。電子計算機4の計算部4
Dは、現在がtであるとして、tからtまでの期
間の濃度変化率を傾きとして今後の予測である推定濃度
特性線(図4中の点線)を算出する。そして、推定濃度
特性と許容濃度とが交差する点の時間tを電気電子機
器の部品または本体の寿命と推定するものであり、さら
にtとtとの差を算出して余命を推定するものであ
る。これら寿命・余命は例えば、電子計算機4に接続さ
れたディスプレイ装置に表示するようにしても良い。
【0031】なお、本実施形態では腐食性ガスを用いる
余寿命の検出してアラームを発生することとしたが、温
度・湿度の増大も電気電子機器の故障につながるため監
視を行う必要があり、アラーム発生の判断基準に加える
ようにしても良い。例えば、温度・湿度のデータを積算
し、積算データが設定部4Fで予め設定された許容温度
・許容湿度を越えるような場合は、アラームを通知する
などという場合である。これらを総合した保守装置とす
ることでより信頼性を高めることができる。
【0032】続いて余寿命の予測の他の例について説明
する。図5は推定劣化量特性曲線を用いる余寿命の予測
を説明する説明図である。まず現在の時点がtである
ことを前提とする。この例では、金属部分の腐食や電解
コンデンサの樹脂封止部のひび割れといった実際の劣化
料実測値を求めて電子計算機4に登録されているものと
し、これら劣化量実測値から劣化量データを算出し、さ
らに劣化量データを縦軸に、時間を横軸にして劣化量特
性曲線を算出する。そして、腐食性ガス濃度の変化であ
る濃度積算データから求められた濃度特性曲線との相関
を取って推定劣化特性曲線を求め、推定劣化特性曲線と
許容劣化量とが交差する点の時間tを寿命と推定する
ものであり、さらにt−tを計算して余命を算出す
るものである。許容劣化量等については規格が定めら
れ、また、過去のデータも豊富に存在することから、よ
り精度の高い余寿命の予測が可能となる。
【0033】また、先に説明した劣化量に代えて、電気
電子機器の本体または部品のある一定期間における故障
の発生率(以下、故障率という)を使用してもよい。図
6は推定故障率特性曲線を用いる余寿命の予測を説明す
る説明図である。なお、図5で示した劣化量データと同
様の特性を、図6の故障率データの特性も示すため、余
寿命の推定手法は先の説明と同じである。
【0034】つまり、現在の時点がtであることを前
提とする。図6で示すように、今までの故障率実測値が
電子計算機4に登録されているものとし、この故障率実
測値を用いて故障率データを算出し、さらに故障率デー
タを縦軸に、時間を横軸にして故障率特性曲線を算出す
る。そして、腐食性ガス濃度の変化である濃度積算デー
タから求められた濃度特性曲線との相関を取って推定故
障率特性曲線を求め、推定故障率特性曲線と許容故障率
とが交差する点の時間t7を寿命と推定するものであ
り、さらにt−tを計算して余命を算出するもので
ある。許容故障率等についても規格が定められ、また、
過去のデータも豊富に存在することから、より精度の高
い余寿命の予測が可能となる。
【0035】続いて本発明の第2実施形態について説明
する。第1実施形態では、電子計算機4がアラーム通知
を行っていたが本実施形態では電子計算機4が通信回線
を介して外部の端末へアラームを送信できるようになさ
れているものである。この場合、先のアラーム出力部4
Gに代えて図示しないデータ通信部が接続され、このデ
ータ通信部と通信回線とが接続されることとなる。な
お、余寿命の検出・予測は第1実施形態と同じであるも
のとする。
【0036】図7で示すように、温度センサ1、湿度セ
ンサ2、および、腐食性ガスセンサ3は、電気電子機器
10の内部に設置されて、内部の温度、湿度、および、
腐食性ガス濃度を検出する。また、他の温度センサ1、
湿度センサ2、および、腐食性ガスセンサ3も、電気電
子機器10の外部に配置されて、電気電子機器10の設
置環境の温度、湿度、および、腐食性ガス濃度を検出す
る。これにより電気電子機器10の内外の雰囲気を検出
して、検出精度を高めている。
【0037】データ収集用として耐環境性の高い電子計
算機4は、電気電子機器10の内外の温度、湿度、およ
び、腐食性ガス濃度に基づいて余寿命の検出・推定を行
う。そして、先に説明したように寿命間近であると検出
した場合は、通信回線20を介して、ユーザ端末30ま
たは電気電子機器メーカ端末40へアラームを通知する
こととなる。ユーザ端末30または電気電子機器メーカ
端末40を用いてアラームを確認した保守点検員が、電
気電子機器の保守点検を行い、部品交換・本体整備等を
行うこととなる。第2実施形態ではこのように構成する
ことで、通知された余寿命に基づいて遠隔地において保
守時期を把握できる。
【0038】
【発明の効果】以上本発明によれば、電子機器の予測寿
命の精度を高め、信頼性の高い電気電子機器の保守装置
および保守方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の構成図である。
【図2】腐食性ガスセンサの説明図である。
【図3】濃度積算データの特性図である。
【図4】濃度積算データの特性を用いる余寿命の予測を
説明する説明図である。
【図5】推定劣化量特性曲線を用いる余寿命の予測を説
明する説明図である。
【図6】推定故障率特性曲線を用いる余寿命の予測を説
明する説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態の構成図である。
【図8】従来例の電気電子機器の劣化量と腐食性ガス濃
度との説明図である。
【符号の説明】
1 温度センサ 2 湿度センサ 3 腐食性ガスセンサ 3a 溶存槽 3b 吸気パイプ 3c 吸気ポンプ 3d 排気パイプ 3e エアドライヤ 3f 伝導度検出センサ 4 電子計算機 4A センサI/O 4B 変換部 4C 積算部 4D 計算部 4E 設定部 4F 比較部 4G アラーム出力部 10 電気電子機器 20 通信回線 30 ユーザ端末 40 電気電子機器メーカ端末

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気電子機器の設置環境で発生した腐食性
    ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出する伝導度検
    出センサと、 該伝導度検出センサから検出された電気伝導度を腐食性
    ガスの濃度に換算する電子計算機と、 を備える電気電子機器の保守装置であって、該電子計算
    機は、 腐食性ガスの濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃
    度積算データとして蓄積し、 該濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸とする濃度特
    性曲線に基づいてある時間における濃度変化率を算出
    し、 該濃度変化率が予め定められた許容濃度変化率を越える
    場合に電気電子機器の寿命間近と判断し、 前記電気電子機器が寿命間近であると通知することを特
    徴とする電気電子機器の保守装置。
  2. 【請求項2】電気電子機器の設置環境で発生した腐食性
    ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出する伝導度検
    出センサと、 該伝導度検出センサから検出された電気伝導度を腐食性
    ガスの濃度に換算する電子計算機と、 を備える電気電子機器の保守装置であって、該電子計算
    機は、 腐食性ガスの濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃
    度積算データとして蓄積し、 前記電気電子機器の本体または部品の劣化量実測値を劣
    化量データとして蓄積し、 前記濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸とする濃度
    特性曲線を算出し、 前記劣化量データを縦軸とし、時間を横軸とする劣化量
    特性曲線を算出し、 前記濃度特性曲線と前記劣化量特性曲線との相関をとっ
    て推定劣化量特性曲線を算出し、 該推定劣化量特性曲線が予め定められた許容劣化量と交
    差する場合の時間を電気電子機器の推定寿命と判断し、 前記電気電子機器の推定寿命を通知することを特徴とす
    る電気電子機器の保守装置。
  3. 【請求項3】電気電子機器の設置環境で発生した腐食性
    ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出する伝導度検
    出センサと、 該伝導度検出センサから検出された電気伝導度を腐食性
    ガスの濃度に換算する電子計算機と、 を備える電気電子機器の保守装置であって、該電子計算
    機は、 腐食性ガスの濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃
    度積算データとして蓄積し、 前記電気電子機器の本体または部品の故障率実測値を故
    障率データとして蓄積し、 前記濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸とする濃度
    特性曲線を算出し、 前記故障率データを縦軸とし、時間を横軸とする故障率
    特性曲線を算出し、 前記濃度特性曲線と前記故障率特性曲線との相関をとっ
    て推定故障率特性曲線を算出し、 該推定故障率特性曲線が予め定められた許容故障率と交
    差する場合の時間を電気電子機器の推定寿命と判断し、 前記電気電子機器の推定寿命を通知することを特徴とす
    る電気電子機器の保守装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3の何れか1項に記載し
    た電気電子機器の保守装置において、 電気電子機器の設置環境雰囲気の温度を計測する温度セ
    ンサと、 電気電子機器の設置環境雰囲気の湿度を計測する湿度セ
    ンサと、 を備え、前記電子計算機は、 温度が予め定められた温度許容量を越えた場合、また
    は、湿度が予め定められた湿度許容量を越えた場合に前
    記電気電子機器の異常を通知することを特徴とする電気
    電子機器の保守装置。
  5. 【請求項5】電気電子機器の設置環境で発生した腐食性
    ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出し、 該電気伝導度を腐食性ガスの濃度に換算し、 腐食性ガスの濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃
    度積算データとして蓄積し、 該濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸とする濃度特
    性曲線に基づいてある時間における濃度変化率を算出
    し、 該濃度変化率が予め定められた許容濃度変化率を越える
    場合に電気電子機器の寿命間近と判断し、 前記電気電子機器が寿命間近であると通知することを特
    徴とする電気電子機器の保守方法。
  6. 【請求項6】電気電子機器の設置環境で発生した腐食性
    ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出し、 該電気伝導度を腐食性ガスの濃度に換算し、 腐食性ガスの濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃
    度積算データとして蓄積し、 電気電子機器の本体または部品の劣化量実測値を劣化量
    データとして蓄積し、 前記濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸とする濃度
    特性曲線を算出し、 前記劣化量データを縦軸とし、時間を横軸とする劣化量
    特性曲線を算出し、 前記濃度特性曲線と前記劣化量特性曲線との相関をとっ
    て推定劣化量特性曲線を算出し、 該推定劣化量特性曲線が予め定められた許容劣化量と交
    差する場合の時間を電気電子機器の推定寿命と判断し、 前記電気電子機器の推定寿命を通知することを特徴とす
    る電気電子機器の保守方法。
  7. 【請求項7】電気電子機器の設置環境で発生した腐食性
    ガスが溶存する水溶液の電気伝導度を検出し、 該電気伝導度を腐食性ガスの濃度に換算し、 腐食性ガスの濃度を所定期間毎に定量化してそれぞれ濃
    度積算データとして蓄積し、 電気電子機器の本体または部品の故障率実測値を故障率
    データとして蓄積し、 前記濃度積算データを縦軸とし、時間を横軸とする濃度
    特性曲線を算出し、 前記故障率データを縦軸とし、時間を横軸とする故障率
    特性曲線を算出し、 前記濃度特性曲線と前記故障率特性曲線との相関をとっ
    て推定故障率特性曲線を算出し、 該推定故障率特性曲線が予め定められた許容故障率と交
    差する場合の時間を電気電子機器の推定寿命と判断し、 前記電気電子機器の推定寿命を通知することを特徴とす
    る電気電子機器の保守方法。
  8. 【請求項8】請求項4〜請求項7の何れか1項に記載し
    た電気電子機器の保守方法において、 温度および湿度を計測し、 温度が予め定められた温度許容量を越えた場合、また
    は、湿度が予め定められた湿度許容量を越えた場合に前
    記電気電子機器の異常を通知することを特徴とする電気
    電子機器の保守方法。
JP2000372571A 2000-12-07 2000-12-07 電気電子機器の保守装置および保守方法 Withdrawn JP2002174607A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000372571A JP2002174607A (ja) 2000-12-07 2000-12-07 電気電子機器の保守装置および保守方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000372571A JP2002174607A (ja) 2000-12-07 2000-12-07 電気電子機器の保守装置および保守方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002174607A true JP2002174607A (ja) 2002-06-21

Family

ID=18842096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000372571A Withdrawn JP2002174607A (ja) 2000-12-07 2000-12-07 電気電子機器の保守装置および保守方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002174607A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195477A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Mitsubishi Electric Corp エレベータ警報装置
JPWO2008139809A1 (ja) * 2007-05-15 2010-07-29 株式会社アルバック 質量分析ユニット

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195477A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Mitsubishi Electric Corp エレベータ警報装置
JPWO2008139809A1 (ja) * 2007-05-15 2010-07-29 株式会社アルバック 質量分析ユニット
JP5016031B2 (ja) * 2007-05-15 2012-09-05 株式会社アルバック 質量分析ユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11268946B2 (en) Life-cycle performance intelligent-sensing and degradation warning system and method for concrete structures
CN116794385B (zh) 基于多维数据分析的高压电流监测方法
JP2006349535A (ja) 複合センサモジュールおよびセンサデバイス
JP6094673B2 (ja) 環境測定装置及び環境測定方法
CN105466841B (zh) 腐蚀检测方法、装置及系统
CN108089101B (zh) 一种现场套管绝缘老化状态的评估方法
JP2022125119A (ja) 劣化診断システム、劣化診断装置、劣化診断方法、およびプログラム
CN102937611A (zh) 腐蚀风险提示的方法和预警系统
JP2002174607A (ja) 電気電子機器の保守装置および保守方法
JP5269539B2 (ja) 選択排流器の異常動作検知方法及び異常動作検知システム
CN111007115A (zh) 一种服务器及其腐蚀气体监控方法、装置和系统
CN106596391A (zh) 一种飞机结构涂层防腐蚀在线监测传感探头
CN110865250A (zh) 融合电流监测的配电设备状态监测装置及发热检测方法
RU2685799C1 (ru) Измерение скорости коррозии многопараметрическим датчиком
JP2019158377A (ja) Acmセンサを用いた腐食速度測定方法
JP5956368B2 (ja) 腐食電位センサ
JP2016138751A (ja) 腐食状態の判定方法および環境クラスの表示方法
JP7437286B2 (ja) 腐食環境モニタリングシステム及び腐食環境モニタリング方法
JP2002277494A (ja) 電気接点の劣化診断方法および装置
CN114187745B (zh) 半导体气体传感器及其补偿方法、报警方法、报警器
JP7395395B2 (ja) 汚損物質量測定装置及び汚損物質量測定方法
CN117214076B (zh) 一种海洋结构物腐蚀状态综合分析装置及监测方法
JPH0862082A (ja) 圧力センサの点検装置
JP2981039B2 (ja) 電気化学式ガスセンサ
CN113176523B (zh) 一种基于多传感器的电力设备火灾预警方法及系统

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304