JP2002173342A - 曲げ加工用及び/又は強化加工用着色酸化物被覆ガラス - Google Patents

曲げ加工用及び/又は強化加工用着色酸化物被覆ガラス

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JP2002173342A
JP2002173342A JP2000373160A JP2000373160A JP2002173342A JP 2002173342 A JP2002173342 A JP 2002173342A JP 2000373160 A JP2000373160 A JP 2000373160A JP 2000373160 A JP2000373160 A JP 2000373160A JP 2002173342 A JP2002173342 A JP 2002173342A
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glass
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colored oxide
colored
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Masaji Onishi
正司 大西
Motoharu Inoue
元春 井上
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Central Glass Co Ltd
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    • C03C2218/154Deposition methods from the vapour phase by sputtering

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ加工及び/又は強化加工のための加熱処
理を行っても品質が変化しないプライバシー性能、断熱
特性、電波低反射性に優れた被膜付きガラスを得るこ
と。 【解決手段】ガラス基板表面に、スパッタリング法によ
り成膜されたFe、Co、Cuの金属のうちの少なくと
も1種の金属よりなる金属酸化物を60重量%以上含有
する着色酸化物層が被覆されてなること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用、車両用等
に好適な断熱特性、プライバシー性、電波低反射性を有
する曲げ加工及び/又は強化加工のための加熱処理が可
能な着色酸化物被覆ガラスに関する。
【0002】
【従来技術】従来、スパッタリング法によるコーティン
グ被膜としては、可視光線及び赤外線を反射吸収する膜
としてステンレス、Cr、NiCr、Ti等よりなる金
属膜やTiN、窒化ステンレス、CrN等よりなる窒化
物膜が膜構成の一部に使用されている。これらの膜は、
曲げ加工や強化加工のための加熱処理を行うと、大気中
の酸素やガラス中の酸素と容易に反応し、膜の体積膨張
による膜のひび割れや剥離を生じたり、金属膜や窒化物
膜が透明酸化物膜に変化することにより、本来有してい
た断熱性能(熱線遮断性能)やプライバシー性能(可視
光線低透過率性能)を失ってしまうという問題があっ
た。特に、窒化物を用いた膜は、350度付近の比較的
低い加熱処理でも容易に酸化されてしまう。また、これ
らの金属膜や窒化物膜は、電気的に低抵抗であるので、
建物の外装窓ガラスにそれらの膜を使用した場合には、
該ガラスを用いたビルの周辺のTVゴーストの発生や、
或いは自動車用窓ガラスの場合には自動車用ガラスアン
テナのアンテナ性能を悪化させる等の電波障害を起こ
す。
【0003】従来、これらの加熱処理による問題を改善
する種々の特許出願が開示されている。例えば、ガラス
基板表面に金属窒化物被膜を含む吸収層を形成したのち
非酸化性雰囲気中で曲げ加工してなる曲げ熱線反射ガラ
スに関する特開昭63−265844号公報、ガラス基
板表面に窒化クロム被膜が形成され、その上層にAlを
含む被膜が形成された熱線反射ガラスを曲げ加工してな
る曲げ熱線反射ガラスに関する特開昭63−26584
6号公報、金属コーティングされた平板ガラスを曲げ加
工する大型曲面ガラスの製法に関する特開平3−169
26号公報、ガラス基板表面にSUS、Ti、Ta、C
r、Zr、Niまたはそれらの合金からなる少なくとも
1層の金属或いは窒化物薄膜をSi、Alまたはその合
金の窒化物薄膜でもって挟み込むようにした多層膜を積
層してなる熱的加工可能な断熱ガラスに関する特開平5
−124839号公報、ガラス基板上に熱線遮断膜また
は導電性膜、非酸化物膜または完全には酸化されていな
い膜よりなる保護膜を形成した多層膜を有する被覆ガラ
スに熱処理を施してなる熱処理被覆ガラスの製造方法に
関する特開平5−213632号公報、ガラス基板表面
に窒化ケイ素の下側被覆層、ニッケル又はニッケル合金
を含む金属層、窒化ケイ素の上側被覆層を有する熱処理
可能なガラス製品に関する特開平09−183634号
公報、ガラス板の表面にCo、Fe及びCrを含む酸化
物よりなる第1、第2の被膜を積層した熱処理可能な熱
線反射ガラスに関する特開平9−86966号公報、ガ
ラス板の表面にCo、Cu及びCrを含む酸化物よりな
る第1、第2の被膜を積層した熱処理可能な熱線反射ガ
ラスに関する特開平9−301741号公報、ガラス基
体表面に窒化クロムおよび窒化チタンからなる群から選
ばれた金属的外観を有する透明な金属含有層と、クロ
ム、チタンおよびケイ素からなる群から選ばれる前記金
属含有層と異なる金属を有する熱処理可能な金属被覆物
品に関する特開平11−302845号公報等が知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
特開昭63−265846号、特開平5−124839
号、特開平5−213632号、特開平09−1836
34号、特開平11−302845号の発明は、金属膜
及び窒化物膜を使用しており、特にスパッタリング法に
より成膜された該金属膜及び窒化物膜は結晶化が十分で
はなく、アモルファスの状態で不完全な膜であり容易に
酸化される性質をもっているので基本的には酸化を防ぐ
事は不可能であるという問題がある。また、膜面が内側
となる凹曲げの場合、金属及び窒化物はガラスとの膨張
率の差が大きく、膜のヒビ割れを生じ易い。さらに、プ
ライバシー性能や断熱特性を発揮させるのに該金属膜或
いは窒化物膜に依存していることから、電気的に高抵抗
率のものが得られないという問題があり、電波障害の問
題が残る。
【0005】また、前記特開昭63−265844号、
特開平3−16926号の発明によるスパッタ膜(T
i、Cr等)は、非常に酸化し易く、10-1Pa程度の
真空または窒素ガス雰囲気でも酸化が生じる。また、ガ
ラス基板より発生する酸素による酸化は依然として防ぐ
ことができないとともに曲げ加工時の膜割れを防ぐこと
はできないという問題がある。
【0006】さらに、特開平09−183634号の発
明では膜構成の中心に用いたNiCr膜が高温でも酸化
しない事を利用したもので後加熱による強化や曲げ加工
が可能であるが、NiCr自体の抵抗値が低く(200
Ω/□以下)電波を反射してしまう欠点がある。
【0007】さらに、特開平9−86966号、特開平
9−301741号の発明については、主にガラスのフ
ロートラインでスプレー法によりCo、Cu、Crの混
合膜を成膜するものであり、そもそも高温状態で成膜し
た膜である事から後加熱による強化加工や曲げ加工も問
題無く電波透過性もあり優れたものであるが、この膜
は、Crの添加が不可欠であり、その成分が不足した場
合には目視による白濁等の不具合が生じる欠点がある。
また、その欠点を補うためにCrを多めに添加すると膜
強度が弱くなるという問題点があり、Cr等の重金属を
大量に使用することは公害の点からも好ましいものでは
ない。さらに、特開平9−301741号発明のような
単層膜では透過率、反射色調等を自由に設計する事が不
可能であり、ガラスにプライバシー性能を持たせた(透
過率40%以下)場合、ガラス面側の反射率が30%以
上と高くなり光公害等の問題が生じる事が発生した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究し
た結果、スパッタリング法により断熱性能及びプライバ
シー性能を有する金属酸化物膜が成膜できれば、曲げ加
工及び/又は強化加工のための加熱処理による影響を殆
ど無視でき、また酸化物であるので電気的に高抵抗の膜
であるため電波低反射性を有し、さらに、曲げ加工及び
/又は強化加工のための加熱処理を施しても該酸化物膜
の熱膨張率はガラスの熱膨張率に近似しているので膜の
割れが生じ難いということを見出した。これらの金属酸
化物は、通常のスパッタによる金属酸化物(TiO2
ZnO、SnO2、Cr23、Al 23、SiO2等)と
は異なり、可視域及び赤外域で大幅な吸収や反射がみら
れ、プライバシー性能、断熱特性、電波低反射性を有し
ている。また、曲げ加工及び/又は強化加工のための加
熱処理後も性能の多少の変化が見られるものの基本的な
特性が維持できる利点を有している。
【0009】すなわち、本発明の曲げ加工用及び/又は
強化加工用着色酸化物被覆ガラスは、ガラス基板表面
に、スパッタリング法により成膜されたFe、Co、C
uの金属のうちの少なくとも1種の金属よりなる金属酸
化物を60重量%以上含有する有色酸化物層が被覆され
てなることを特徴とする。
【0010】また、本発明の曲げ加工用及び/又は強化
加工用着色酸化物被覆ガラスは、着色酸化物層の少なく
とも上層或いは下層に無色透明な誘電体層が積層されて
なることを特徴とする。
【0011】さらに、本発明の曲げ加工用及び/又は強
化加工用着色酸化物被覆ガラスは、着色酸化物層は、該
着色酸化物がFe酸化物の場合には40重量%以内のC
o、Cu、Cr、Ni、Al、Si、Tiの金属のうち
の少なくとも1種の金属よりなる金属酸化物を含み、該
有色酸化物がCo酸化物の場合には40重量%以内のF
e、Cu、Cr、Ni、Al、Si、Tiの金属のうち
の少なくとも1種の金属よりなる金属酸化物を含み、該
着色酸化物がCu酸化物の場合には40重量%以内のC
o、Fe、Cr、Ni、Al、Si、Tiの金属のうち
の少なくとも1種の金属よりなる金属酸化物を含むこと
を特徴とする。
【0012】またさらに、本発明の曲げ加工用及び/又
は強化加工用着色酸化物被覆ガラスは、誘電体層は、T
iO2、SnO2、ZnO、ZnSnxy、ZnAl
xy、SiO2、Al23、Si34、AI34、Si
xy、AlNxyの内の少なくとも1種以上よりなる
酸窒化膜であることを特徴とする。
【0013】また、本発明の曲げ及び/又は強化着色酸
化物被覆ガラスの製造方法は、下記工程により製造する
ことを特徴とする。 (1)ガラス基板表面に、スパッタリング法により成膜
されたFe、Co、Cuの金属のうちの少なくとも1種
の金属よりなる金属酸化物を60重量%以上含有する着
色酸化物層を成膜する工程、(2)着色酸化物層を成膜
したガラスを、550〜700℃の温度において加熱処
理を行い曲げ加工及び/又は強化加工を行う工程。
【0014】さらに、本発明の曲げ及び/又は強化着色
酸化物被覆ガラスの製造方法は、着色酸化物層を成膜す
る前或いは成膜したのち、その層の少なくとも上層或い
は下層にスパッタリング法により透明な誘電体層を設け
ることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の態様】本発明に用いることができる着色
酸化物としては、Fe、Co、Cuの金属のうちの少な
くとも1種の金属よりなる金属酸化物を60重量%以上
含有するものである。これらの着色酸化物層は、TiO
2、ZnO、SnO2、Cr23、Al 23、SiO2
の通常のスパッタによる無色透明な金属酸化物層とは異
なり、可視域及び赤外域で大幅な吸収や反射がみられる
ため、着色しているとともに可視光線透過率が小さく外
部からガラスを通して室内、車内が見えにくいというプ
ライバシー性能、赤外域での熱線が吸収され遮断される
ので室内、車内に入射する熱線の量が少ないことによる
断熱特性を有するとともに、電気的に非常に高抵抗の酸
化物層を用いているために建物の外装窓ガラスにそれら
の膜を使用した場合には該ガラスを用いたビルの周辺の
TVゴーストの発生や、或いは自動車用窓ガラスに用い
た場合には自動車用ガラスアンテナのアンテナ性能を悪
化させる等の電波障害を起こすことがない電波低透過性
等の利点を有する。
【0016】また、これらの着色酸化物層は、曲げ加工
及び/又は強化加工のための加熱処理を行っても、該層
の熱膨張率がガラスの熱膨張率に近い事から膜割れが生
じにくいという利点を有する。なお、前記Fe、Co、
Cuの金属のうちの少なくとも1種の金属よりなる金属
酸化物の含有量が60重量%未満の場合には、加熱処理
を行った場合の可視光線及び日射透過率が大幅に増加し
てしまい、プライバシー性能を保持することができなく
なってしまう。従って、これらの金属酸化物の含有率は
60重量%以上が必要であり、かつこれら金属酸化物の
含有量の多い方が優れたプライバシー性能を発揮する事
ができる。
【0017】これらの着色酸化物層をスパッタリング法
で成膜する場合、そのターゲットとしては、金属酸化物
ターゲット又は金属ターゲットを用いて成膜する事が可
能である。但し、Co、Feの金属ターゲットは磁性が
ある事からスパッタリング法ではプラズマが不安定とな
る。従って、ターゲットの厚みを5mm以下として磁性
を弱めるか、40重量%以内のCr、Ni、Al、S
i、Tiを含んだ合金とする事が好ましい。前記Cr、
Ni、Al、Si、Tiの金属とCo,Feとで合金を
合成すればCo、Feの磁性を弱める事が可能となり、
スパッタリングが可能となる。但し、これらの金属は着
色酸化物ではない事から40重量%以上含むと可視光線
及び日射透過率が増加してしまうので好ましくない。ま
た、その内のNi酸化物は、不完全な酸化物となり、加
熱処理による酸化の影響を若干受ける事からその含有量
を20重量%以下に抑えることが好ましい。さらに、C
r酸化物は、ガラス中のNaと反応しクロム酸ナトリウ
ムとなり、膜の白濁や膜割れ等が生じる危険性がある事
から同様に20重量%以下に抑えることが好ましい。な
お、着色酸化物層の膜厚としては、特に限定するもので
はないが10〜100nmが好ましい。
【0018】本発明の曲げ加工用及び/又は強化加工用
着色酸化物被覆ガラスは、前記の着色酸化物層を単層だ
け設けてもよいが、耐摩耗性、耐薬品性の向上或いは色
調のバリエーションのために該着色酸化物層の少なくと
も上層或いは下層に無色透明の誘電体層を積層させるこ
とが好ましい。積層される誘電体としては、TiO2
SnO2、ZnO、ZnSnxy、ZnAlxy、Si
2、Al23、Si34、AI34、SiNxOy、A
lNxyの内の少なくとも1種以上を用いることができ
る。なお、曲げ加工及び/又は強化加工のための加熱処
理前後の性能の変化を小さくする為には、透明窒化物を
用いることが好ましい。誘電体層を着色酸化物層の下層
に設ける場合には、その膜厚は30nm以下が好まし
く、着色酸化物層の上層に設ける場合には、その膜厚と
しては70nm以下が好ましい。
【0019】また、得られた曲げ加工用及び/又は強化
加工用着色酸化物被覆ガラスを曲げ加工或いは強化加工
を行うには、加熱方式にもよるが通常、ガラス温度にお
いて550〜700℃、好ましくは550〜650℃、
で4〜10分間程度加熱処理し曲げのための成形加工或
いは強化のための急冷処理を行う。なお、前記の着色酸
化物層或いは誘電体層の成膜方法は、スパッタリング法
による成膜方法を基本とするが、着色酸化物膜の下層及
び/又は上層を成膜する場合にはCVD法、溶液スプレ
ー法、真空蒸着法等の成膜方法を組み合わせてもよい。
曲げ加工用及び/又は強化加工用着色酸化物被覆ガラ
スの特性としては、曲げ加工及び/又は強化加工のため
の加熱処理前の可視光線透過率(FL3mm厚のガラス
板)は15.0〜70.0%が好ましい。また、着色酸
化物層の表面抵抗率は1kΩ/□以上が好ましく、該抵
抗率が1kΩ/□以上の抵抗値膜であれば建築用ガラス
の電波低反射性膜として、また、1MΩ/□以上の膜で
あれば車両用ガラスの電波低反射性膜として使用するこ
とが可能である。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し、本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例で得られた膜付きガラスの
品質評価は下記に示す方法で評価した。 (1)表面抵抗率 膜表面の表面抵抗率(Ω/□)は、4探針プローブ抵抗
計(エプソン社製)により測定。表面抵抗率が1kΩ/
□以上を合格とした。 (2)光学特性 可視光線透過率(%)、可視光線ガラス面反射率
(%)、反射色調a*値、b*値(JIS Z 872
9 L*a*b*表色系による物体色の表示方法)〈以
上の波長範囲:380〜780nm〉及び日射透過率
(%、波長範囲:300〜2500nm)は、U400
0型自記分光光度計(日立製作所製)を用いて測定。な
お、前記可視光線透過率、可視光線ガラス面反射率、日
射透過率の加熱処理前後の変化値が±5%以下を合格と
した。また、加熱処理前後のa*値、b*値の変化値が
±4.0以下を合格とした。
【0021】〔実施例1〜7〕 (1)成膜 実施例1〜7の成膜方法を下記に示す。ガラス基板とし
て厚さ3mmのフロ−ト板ガラス(FL3)を用い、B
OC社のDCマグネトロンスパッタ装置を使用して所定
の膜構成及び膜厚となるように成膜を行った。なお、各
実施例の膜構成と膜厚を表1に示す。着色酸化物層或い
は誘電体層としての酸化物層の成膜は、金属ターゲット
(Cu、Co合金、Fe合金)或いはTiO2ターゲッ
トを用い、酸素100%のプロセスガス組成で真空度が
4.0〜6.0×10-1Paの範囲になる雰囲気に調整
し、20〜60kwの電力を印加しスパッタリングを行
った。また、誘電体層としての透明窒化物層は、N2
00%のプロセスガス中で真空度が4.0〜6.0×1
-1Paの範囲になる雰囲気に調整し、C−MAG(B
OC社製シリドリカルマグネトロンカソード)を使用
し、金属ターゲット(Si,Al)に20〜40kwの
電力を印加しスパッタリングを行い、曲げ加工用及び/
又は強化加工用のための加熱処理が可能な着色酸化物被
覆ガラスを得た。
【0022】(2)加熱処理 上記で得られた着色酸化物被覆ガラスを650℃に保持
された加熱炉内において10分間保持し加熱処理を行っ
た。
【0023】(3)評価結果 得られた着色酸化物ガラスの性能を評価した結果、表1
に示すように実施例1〜7における加熱処理前後の特性
は、可視光線透過率の変化値、膜面側可視光線反射率の
変化値、日射透過率の変化値は何れも±5%以下と良好
であり、色調(a*、b*)の変化値は±4%以下と良
好であり、表面抵抗率はいずれも1kΩ/□以上と良好
であり電波低反射性,電波透過性の特性を有していた。
また、外観品質も特に問題はなく、全ての品質において
良好であった。
【0024】
【表1】
【0025】〔比較例1〜5〕比較例1〜5は、実施例
と同様に表1の膜構成になるようにDCマグネトロンス
パッタ装置を使用して成膜したのち、実施例と同様に熱
処理を行った。なお、ターゲットとしてはSi、Cr、
インコアロイHB(Ni70%、Mo27%)、モネル
(Ni65%、Cu35%)、ニクロム(Ni70%、
Cr30%)を用い成膜した。
【0026】得られた被膜付きガラスの性能を評価した
結果、表1に示すように比較例1〜5における加熱処理
前後の特性は、比較例1においては可視光線透過率変化
値、膜面側可視光線反射率変化値、日射透過率変化値は
何れも±5%を越えていると共に、膜面割れが発生し、
比較例2においては可視光線透過率変化値、膜面側可視
光線反射率変化値、日射透過率変化値は何れも±5%を
越え不合格であり、比較例3においては可視光線透過率
変化値、日射透過率変化値は何れも5%を越えていると
共に、膜面割れが発生し、比較例4においては可視光線
透過率変化値、日射透過率変化値は何れも±5%を越え
るとともに色調のb*変化値が4%以上で不合格であ
り、比較例5においては表面抵抗率が1kΩ/□以下で
不合格でああるとともに可視光線透過率変化値、日射透
過率変化値は何れも5%を越えて不合格であった。以上
のように、何れのサンプルも加熱処理(650℃,10
分)により色調や外観品質が変化してしまい曲げ加工、
強化加工が不可能であった。
【0027】
【発明の効果】本発明の曲げ加工用及び/又は強化加工
用着色酸化物被覆ガラスは、通常のスパッタによる金属
酸化物(TiO2、ZnO、SnO2、Cr23、Al2
3,SiO2等)とは異なり、可視域及び赤外域で大幅
な吸収や反射がみられプライバシー性能、断熱特性、電
波低反射性を有していると共に、曲げ加工及び/又は強
化加工のための加熱処理を行ってもこれらの品質が変化
することがないので、建築用、自動車用の曲げ及び/又
は強化ガラスとして好適であり、さらに着色酸化物被覆
ガラスはガラス単独の膨張率に近い事から前記のような
加熱処理を行っても膜割れが生じ難い等の著効を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G059 AA01 AB11 AC08 AC30 EA06 EA07 EB04 GA01 GA12 4K029 AA09 AA24 BA41 BA43 BA44 BA46 BA47 BA48 BA49 BA50 BA58 BB02 BC07 CA06 GA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板表面に、スパッタリング法によ
    り成膜されたFe、Co、Cuの金属のうちの少なくと
    も1種の金属よりなる金属酸化物を60重量%以上含有
    する着色酸化物層が被覆されてなることを特徴とする曲
    げ加工用及び/又は強化加工用着色酸化物被覆ガラス。
  2. 【請求項2】着色酸化物層の少なくとも上層或いは下層
    に無色透明な誘電体層が積層されてなることを特徴とす
    る請求項1記載の曲げ加工用及び/又は強化加工用着色
    酸化物被覆ガラス。
  3. 【請求項3】着色酸化物層は、該着色酸化物がFe酸化
    物の場合には40重量%以内のCo、Cu、Cr、N
    i、Al、Si、Tiの金属のうちの少なくとも1種の
    金属よりなる金属酸化物を含み、該着色酸化物がCo酸
    化物の場合には40重量%以内のFe、Cu、Cr、N
    i、Al、Si、Tiの金属のうちの少なくとも1種の
    金属よりなる金属酸化物を含み、該着色酸化物がCu酸
    化物の場合には40重量%以内のCo、Fe、Cr、N
    i、Al、Si、Tiの金属のうちの少なくとも1種の
    金属よりなる金属酸化物を含むことを特徴とする請求項
    1又は2記載の曲げ加工用及び/又は強化加工用着色酸
    化物被覆ガラス。
  4. 【請求項4】誘電体層は、TiO2、SnO2、ZnO、
    ZnSnxy、ZnAlxy、SiO2、Al23、S
    34、AI34、SiNxy、AlNxyの内の少な
    くとも1種以上よりなることを特徴とする請求項2記載
    の曲げ加工用及び/又は強化加工用着色酸化物被覆ガラ
    ス。
  5. 【請求項5】下記工程により製造することを特徴とする
    曲げ及び/又は強化着色酸化物被覆ガラスの製造方法。 (1)ガラス基板表面に、スパッタリング法により成膜
    されたFe、Co、Cuの金属のうちの少なくとも1種
    の金属よりなる金属酸化物を60重量%以上含有する着
    色酸化物層を成膜する工程、(2)着色酸化物層を成膜
    したガラスを、550〜700℃の温度において加熱処
    理を行い曲げ加工及び/又は強化加工を行う工程。
  6. 【請求項6】着色酸化物層を成膜する前或いは成膜した
    のち、その層の少なくとも上層或いは下層に、スパッタ
    リング法により透明な誘電体層を設けることを特徴とす
    る請求項5記載の曲げ或いは強化着色酸化物被覆ガラス
    を製造する方法。
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